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あっしら氏の「生産性」の定義の検討
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投稿者 あずさ2号 日時 2003 年 4 月 27 日 12:31:27:

(回答先: 業種区分と財の製造地を混同されています/小売業の実状  [houさんへ] 投稿者 あっしら 日時 2003 年 4 月 26 日 19:55:58)

あっしら氏の定義によれば、生産性とは次のようになる。

「生産性が高いということは同じ資本額を投じて産出できる財の物理量がより多いということであり、生産性が低いということは、逆に産出できる財の物理量がより少ないということである。

(生産性は、ある単位量の財を生産するために投入しなければならない資本(通貨)量、もしくは、ある単位量の財を生産するために投入しなければならない総労働量の多寡である。
同一品質の自動車1台を100資本(労働)量で生産していたものが、90資本(総労働)量で生産できるようになれば、生産性が10%上昇したことを意味する)」

この定義における問題点は、「量」ということであり、「通貨の総量」でもって生産性を測定するということであろう。あっしら氏の例に従って、同一品質の自動車1台を生産する場合を考えてみよう。

100通貨単位の自動車1台を生産するために、A、B両国とも、資本財の投入量が50通貨単位(比較可能とするために仮に同一通貨単位とする)、労働力の投入量が50通貨単位であるとする。また、A国においては、1時間当たりの労働力の単価が1通貨単位であり、B国においては1時間当たりの労働力の単価は10通貨単位であるとする。資本財の投入量は50通貨単位でA、B両国とも同じであるから、生産性の良し悪しを見るためには労働力の投入量によることになるが、あっしら氏の定義によれば、総労働量が50通貨単位で同一であるので両国の生産性は同じということになる。しかし、A国においては50通貨単位の労働量は50時間の労働時間の投入を意味し、B国においてはわずか5時間の労働時間の投入を意味するにすぎない。これで両国の生産性は同じといえるのだろうか?

次に、A国ではこの自動車を生産するための労働力の投入量が40時間に向上し、反対にB国では6時間に悪化した場合を考えてみる。そうするとA国での自動車1台は90通貨単位となるので以前比べれば生産性は向上し、B国の自動車1台は110通貨単位となるので以前比べれば生産性は悪化したことになる。A国、B国のそれぞれで、以前の状態と比較する場合は、このような生産性についての議論は可能であろうが、あっしら氏の定義に基づく総量比較により、A国の生産性が高いとするのは疑問である。

このような問題は、A、B両国において1時間当たりの賃金の変動があった場合も生ずるが、お解りになるであろうから具体例は省略する。

A国を中国、B国を日本とした場合、労働者が賃金の高い日本に大挙して押し寄せ、A、B両国の1時間当たりの賃金が直ちに平均化される、というのは現実を無視した仮定になるであろうから、ここではこのような考え方は排除する。

経済学者でもない私ら一般庶民の感覚では、生産性とは、「労働者が1人1時間当たりに生産する財・サービスの量」ということになると思う。経済学は、仮定としての「理論」がまずあるのではなく、私たちの生活の中から一定のルールを導き出す程度のことしかできないのではなかろうか(経済学を学んでいる人ゴメン!)

次に、あっしら氏は、
「生産性が低いからデフレになったのではなく、デフレになったから過剰債務や生産性が低い企業が破綻して当然の財務状況に追い込まれているのです。
逆に、トヨタなどのようにデフレ状態でも収益を上げる企業は、図抜けて高い生産性を達成しているということです。」
と主張するが、トヨタや日産など自動車産業の高収益を支えている下請け中小企業の現状はどのようになっているのか、ご存じなのだろうか?

トヨタに限らず、とんでもないコストダウンの要求に応える中小企業が存在してはじめて、日本の大企業は成り立ってきたともいえるし、下請けが頑張って生産性の向上に励んでも、それは納品価格の下落で相殺されてしまうという、どうにもならない現実がある。理論的におかしいといっても下請け中小企業の生産性のアップ分を収奪する構造は変えられないのですよ。このような構造の中では、もともと生産性が低いから破綻するのではなく、一企業が栄えるために下請け企業の生産性が低くされるから破綻する(現象面だけをとらえれば生産性が低いから破綻するとなる)、といえるのではなかろうか?

私、あっしら氏がどのような方かは存じ上げませんが、もう少し現実に即した論を展開する必要があるのではないかと思い投稿させていただきました。

また、合作説についても、私は、陰謀説やあっしら氏のものの見方そのものを否定するものではありません。そのような見方もあるのか、と毎日面白く拝見させていただいてます。余計なお世話、自分はそうではない、根拠を示せとおっしゃるでしょうが、自分の考え方を論破したいという思いが極端であることや最近の内容が異常にハイテンションであるとお見受けいたしましましたので、「人生負けるときもある」との考えで先日は投稿いたしました。(皆さんの受取方はちょっと違ったようですが・・・・・)特に、あっしら氏自身が負けの条件を提示し、その条件が現実となったのであれば、潔く負けを認めるべきでしょう。私は、間違っていれば、いつでもゴメンなさいはOKですよ!

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