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Re: 一部賛成者の意見。
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投稿者 通りすがりの一言。 日時 2003 年 7 月 15 日 16:16:26:

(回答先: 政治的責任は、極東軍事裁判の裁判長ウェッブが責任がないということで決着済みです。改めて責任について、まとめてみました。 投稿者 Ddog 日時 2003 年 7 月 14 日 23:48:31)

Ddog氏の論述の中の「認められないのは、昭和天皇が軍最高指導として、戦略レベルどころか戦術レベルまで詳しく指導していたと主張することだ。下問も、その多くは戦況を尋ねる範囲を逸脱してはいない。戦況を聞き意見を言うのは自然な流れだ。」という点に対しては、私も同意見です。
そこで、誰であれ一人の人間の責任を追及する場合、刑事責任については刑事責任能力が前提となるように、天皇の戦争責任という場合に、それに類する前提があるか否か検討してみたいと思います。

第一に、一つの組織の中で、ある地位に就いていたがために、その組織がもたらした結果に対して何らかの責任を追及されることは、論理的な帰結です。
しかし、責任の軽重を判断するには、その人物が、自ら立候補するか、自らその組織を創り上げて就くのか、あるいは他から請われて就くにしても、自由意志のもとでそれを判断できたかどうかが問われなければならないと思います。
天皇について言えば、このいずれにも当たらないと思います。世襲により皇位を継承する天皇については、一般人が何らかの地位に就いたり退いたりする場合に持ちうる自由意志はあり得ないのではないでしょうか。
権力闘争、政治闘争の経験もなく、若き時(25、6歳)に天皇の地位に就いた昭和天皇が、巨大な組織の中で自らの意見を通す術があるはずもなかったと思います。
従って昭和天皇が、完全な自由意志を前提とせず、その地位に就いていたがために問われる責任は、限定的なものと考えるべきだと思います。

第二に、その地位についていた中で、行った行動や発言についてはどうか。
人の行動や発言から責任を引き出すには、前提として正確で適切な情報に接していたか否かが問われるべきです。正確な情報の下で、的確な判断が出来たにもかかわらず、それをしなかった場合にこそ非難され得るはずだからです。

昭和天皇についてはどうでしょうか。
たこ氏とDdog氏の議論の中で、多くの資料やその解釈についてのやり取りをみさせていただきましたが、基本的に軍事情報については、正確な情報は上がっていなかったとみるべきです。
この手の正確な情報を握っていたのは、当然軍部です。その正確な情報とは何かを考えるには、当時の日本には、広くアジアに軍隊を展開し、さらに巨大なアメリカと戦争する国力など、どこにもなかったという事が大前提です。開戦すべきか否かの議論自体、正確な情報の下ではあり得なかったはずです。

司馬遼太郎は、当時の、特に陸軍の参謀本部は狂人の集団であったというような表現をしています。信じられない事に、その装備は日露戦争時に毛の生えた程度であったとも言っています。
軍事的専門的に、最も的確な状況判断をし得る軍部が、戦争推進に狂奔し、自ら目を閉ざしたような状況下です。戦争遂行に不利な情報も含めて、まともな議論の前提となる情報は上がらなかったと見るのが素直な解釈です。
このような意味から、天皇が作戦立案の場にいて、何らかの意見を発したとしても、それは組織の一員として形式的に関与したとみるべきです。

ただし、天皇も戦争とは何かは理解できたはずです。たとえ勝ち戦であっても、自国と他国の民に死と損害をもたらす行為である事は、認識できたといえます。個々の作戦立案についても同じことが言えます。
従って、一般的に戦争を始め、推進したことに対しての責任は、正確な情報の有無に関わらず存在することになります。
たこ氏が、天皇の戦争責任を認めるか否かは、戦争を肯定するか否かに繋がると言われるのは、このような意味なのでしょうか。

では、昭和天皇が、一般的に戦争とは何かという程度の認識しかなかったとしたら、膨大な範囲にわたる戦争全体の内、どの範囲について戦争責任を問うことが適切なのか。
原爆の投下による被害についても含まれるのか、東京空襲は、沖縄戦はどうなのか。
戦争という膨大な範囲に関わる事項を安易に束ねて、ひとりの個人にその責任があるというのは、どのような地位にある者であっても人間の責任を論じる上では、あまりに雑な議論といわざる得ないのではないでしょうか。

昭和天皇個人の責任を問うならば、昭和天皇がアメリカの国力(軍事、経済、技術力)について正確な情報を持ち、且つ日本のそれが到底及び得ないということ(10分の1程度でしょうか)を知っていたかどうか、それとも単に一般的な意味で戦争とは何かを知っていたに過ぎないのかは区別されるべきと思います。

私は、前述の通り、専門的情報を軍部自体が閉ざしていた以上、たとえ作戦に口を挟んだとしても、基本的には錯誤状態の中でのことであると思います。
戦前の軍部のような、一つの閉鎖的な集団が権力を握ると、自己に不利な見解は受け付けず、自己に有利な現実しか受け入れないという、ヒステリックな狂気は、今の日本にも生き続けています。

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