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私物国家―日本の黒幕の系図 知恵の森文庫 広瀬 隆 (著) あとがき
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投稿者 なるほど 日時 2004 年 5 月 30 日 14:59:28:dfhdU2/i2Qkk2
 

(回答先: 地球産業文化研究所理事長  那須翔・・・ 投稿者 なるほど 日時 2003 年 12 月 07 日 06:03:54)

私物国家―日本の黒幕の系図 知恵の森文庫 広瀬 隆 (著)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334780016/

あとがき

 本書に述べた政治家・官僚・財界人の実態は、国家の大計を案ずる公僕がどこにもいない、権力闘争に明け暮れる人間の姿を浮かび上がらせる。<中略>
 つつましい生活で満足し、生き方を切り詰めている人にまで、膨大な借金を背負わせた。この事実に、どうしても許せない怒りを覚える。
 日本の経済が崩壊したのは、官僚だけの責任ではない。今でこそ口をぬぐっているが、八〇年代には、すべての大新聞とテレビ局の経済記者や評論家が、投機をあおり立てた。その罪のほうが、よほど大きい。それに乗った人間も同罪である。
 しかし先年来、大きな問題になっているのは、そのような経済崩壊の責任ではなく、巨大な不正である。詐欺行為であり、贈収賄であり、公金の着服であり、背任行為である。<中略>いきなり官官接待などという言葉を聞かされたわれわれは、住民税に対しても、底知れぬ泥沼に足をとられた自分を察知している。
 その泥棒たちが生き延びられる理由を追及したのが、本書である。<中略>
 
 一体、この「私物国家」から税金の請求書が送りつけられてきた時、結束して異議を申し立てられない自分たちとは何であろうか。
 何が日本を、このように悪へ悪へと導いてきたのかを考えてみたい。

 公共的なジャーナリズムが、最近は非常におとなしくなっている。ここで言っているのは<中略>いわゆる文化人の口舌のことである。<中略>
 不祥事が明らかになった場合でも、責任者を名指しで非難することを恥じる、あるいはおそれる、という臆病な雰囲気が、そうした文化人のあいだに蔓延している。そのため学者と評論家は控えめな数字の説明に終始し、無感情で抽象的な、子供でも語れる程度の警告しか出されない。あるいは安手の芸人が問題を茶化して、笑い話にしてしまう。国民の怒りが、声望ある文筆家や学者によって代弁されることは、最近きわめて稀である。
 感情がおさえれれ、分析能力が欠如している。映画・演劇・小説などをになう文化が、守りについている。このように怒りの感情を抑制することは、現在のような社会悪の氾濫の中で、決して美徳ではない。それこそが悪事を温存し、大きく育て上げ、危険を増大するのに大いに貢献してきた。六〇年代にも七〇年代にも、現在ほど、文化人が頽廃してはいなかった。
 最近の中国映画と日本映画を比較すると、そこに、経済状態の違いが見えてくる。中国映画には、国に抑えれらながら、国家に反発する活力がある。
 それに比べて、日本の文化人の風潮は、泰然たる風を装い、不正があっても意に介さず、温厚に発言することによって社会的ステータスを確保する慣習のようだが、そのような指摘は、政治家と官僚と悪徳商人にとって「蚊がとまった」ほどにもかゆくない。社会全体にとっては、目的から遠ざかるばかりである。経済問題であれ薬害であれ、深刻な問題について彼らはほとんど発言しない。自称文化人自身が、目的のはっきりしない脆弱な精神を持ち、体制にすり寄っているのである。
 日本の政界には、悪がはびこっている。経済問題は、その矛盾が十数年にわたって何ひとつ改善されていない。何かひとつでも改善があれば、そのあとで、初めて冷静な状態に戻るのが人間本来の生き方である。こうした大人が引きずる社会であれば、子供たちがどうなるかは、ほぼわれわれが予感する日程通りに進むだろう。文化人というものは、迷いを捨て、感情を社会に伝達することが天職でなければならない。
 この感情とは、正体不明の伝聞に翼をつけて、他人を中傷して喜ぶ野次馬的な行為とは、まるで違うものである。現実に国民全体が大きな被害を受けている事実にもとづいて、その原因の中から真実をくわしく追及し、その責任者を明らかにする作業である。
 本書では、主にそのうち金融問題と産業不祥事に絞って、具体名を図解しながら示した。
 私がこれを示したのは、この図に描かれた人間を告発するためではない。日本のジャーナリズム文化に対して、“歴史の忘却”を警告するためである。毎日のように、昨日と今日の事件があり、新しい不祥事が報道される。本書執筆中に、さまざまな問題が国民につきつけられる。しかし本心を言わせてもらえば、一市民として、そこに強い不満がある。
 本書で無数の暗黒事件のあとをたどりながら、次々と明らかにされてきたように、何ひとつ解決されないまま、同じ人間が登場して不祥事が繰り返されてきた。<中略>

 ある時には、自衛隊の海外派兵がわれわれを怒らせた。阪神大震災があり、地震の恐怖が身近なものとなった。<中略>高速増殖炉“もんじゅ”が、日本人を死の一歩手前まで連れこんだ。薬害エイズによって示された医療界の権力構造に、誰もが呆然となった。<中略>
 ところが、日本のジャーナリズム文化人は、一時期にその報道の波に乗って片言の評論をするが、そのあとは知らん顔で別の話題に移ってしまう。もう今では、それらのことをほどんと語らない。一体、神戸一帯の被災者の救済は、一年に一度、一月十七日の震災記念日前に震災者の特集をすれば、それですむことだろうか。一体、何を解決したというのか。
 動燃の“もんじゅ”と同じように、原子力産業が再び同じ生体実験を繰り返す愚行が放任されてよいのか。プルトリウム利用計画が終末を迎えたなら、なぜ青森県の六か村に原発の廃棄物を集める作業が進められ、ゼネコンが二兆円の無駄な工事を進めている現状を、科学技術庁に厳しく問い詰めないのか。君たちは、それでも文化人なのか。
 自分の仕事を放り出しても、こうした時に立ち上がるのが人間である。
 九七年に入った途端、九六年にあれほど国民を考えさせた薬害エイズの問題がまったく報道されなくなったのは一体どうしたことだろう。厚生省の改革問題は、報道会が真剣な思いで、自らまいた種ではないだろうか。すでに明らかとなった血友病患者の人たちと同じように、まだ明らかにされていない血友病者の院内感染が、国民の重大な不安として残っている。
 薬害エイズの報道は、ミドリ十字批判に終始した報道用の一事件にすぎなかったというのであろうか。訴訟にも参加できないエイズ患者の救済は、これからの問題である。薬務局長だった持永和見や生物製剤課長だった郡司篤晃たちの責任追及をあれで終わりにして、厚生省の改革をなし得るとは思えない。これでは、傲慢な厚生官僚の好きなままに、製剤会社の利権メカニズムが温存されて、再び薬害が発生するだろう。
 野村證券と総会屋・小池隆一の関係については大金によって癒着したという事実は批判されたが、なぜ野村證券などの四大証券会社が総会屋に大金を渡さなければならなかったかという理由が、ほとんど国民に理解されていない。そこに、事件の核心があるのだ。闇の世界で動き続ける危険な人脈の深刻さが、国民に伝わっていない。
 わっとマスメディア文化人が騒いだあと、次に自分達の別の関心事にさっと移っていくことに、国民はとまどっているのである。ニュースが新しいことと、その内容が充実しているかどうかは、次元の違う話である。ひとつずつの問題に決着をつけなければ、われわれ国民は愚弄された気分になる。<中略>

 すべてのジャーナリストに、義憤と情熱を忘れてほしくない。私は、まだこの国に希望を捨てたくはない。本書が、その参考書として活用され、いつか別の快い響きをもった記録に書き換えられ、再読される日がくることを念じて、筆を置きたい。

                        (一九九七年十月 光文社刊)                       



文庫版の発刊に寄せて

<前略>

○一九九九年神奈川県警に端を発した警察の不祥事は、とどまるところを知らず、二〇〇〇年二月に新潟県警の不祥事と公安委員会の癒着が明るみに出ることによって、日本の国家腐敗の頂点を極めた感がある。しかしこれもまた、最重要の事実が追及されていない。それは女性監禁事件が発生した新潟県柏崎市には、偶然にも世界最大の原発基地があり、東京電力会長の那須翔が公安委員として地元警察を背後で動かし、原発反対の市民運動つぶしに暗躍してきた最大の黒幕だという闇の関係である。新聞は「公安委員会は警察の事情を知らない素人集団だ」と書いたが、こうした記者こそ事情を知らない素人であった。偶発的に出会った監禁事件と警察不祥事にうろたえた公安委員の那須らが、一心同体である身内の腐敗警察を保護する役割を果たした、というのが真相である。
 これと直接関連するのが、九九年に国会を通過した「日米新ガイドライン法」「日の丸法」「国民総背番号制」「盗聴法」など一連の軍事化と警察力強化・市民活動弾圧の法規的措置、さらに十月における西村真悟防衛政務次官の核武装発言による辞任であり、その直後の九月に東海村で発生した臨界事故もまた、ウラン濃縮によって西村発言と直結する背景をもっていることは、国民の常識である。<中略>

 アメリカとヨーロッパにおける私物国家は、悪賢い国際金融マフィアによって構成されているが、日本における私物国家は、悪であると同時に、総理大臣と蔵相に象徴される通り、無知・無能をきわめる集団でもある。
 真相は新聞とテレビで一切報道されない・・・それでもニュースはジャーナリズムと呼ばれる

                         二〇〇〇年三月一五日記す 広瀬隆
                   


     
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