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私の共産党批判
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投稿者 あっしら 日時 2003 年 12 月 11 日 19:18:55:Mo7ApAlflbQ6s

(回答先: あっしらさん質問です。 投稿者 研究派 日時 2003 年 12 月 11 日 01:51:51)


研究派さん、こんにちわ。

 どういう判断で「共産党がマシだろうかと思った」かを簡単でもお書きいただければ、説明の軸になってよかったなあと思っています。

 共産党批判はマルクス理論そのものから日本共産党の政策までという広範囲のものになってしまうので、深入りは避けたものにさせていただきます。
(マルクス理論のレベルになると、共産党だけではなく新左翼を含めたマルクス主義を名乗る政治勢力すべてに関わってきます)

 現実に行われている共産党批判は、自由主義者や保守派そして反共主義者によるものと、非共産党左翼によって行われるものがあります。
 この両者による共産党批判は多く流布されているので、それとは異なる視点のもの、とりわけ「今私たちに出来るって言えばデモや署名や選挙位」に利用できる政治勢力なのかという点に絞って説明させていただきます。


■ 自分たちの力で世の中が変えられると考えていること

 共産党(員)は、自分たちの力で世の中が変えられるというレベルを超えて、自分たちだけが世の中を変えることが唯一の力だと確信しています。

 日々の生活に追われる人たちが大多数という現状で少しでも政治を変えたいと考えたら、生活に追われることなく政治活動に専心できる人たちや犠牲を厭わずあいた時間に政治活動に従事する人たちが有用だと判断する気持ちはわかります。

 政治に限らず、様々な活動においても、よく知っている人やよくできる人が指導する(教える)のは合理的です。
 人は、人として活動できる可能性(能力)をもって生れ落ち、関わりがある他者から意識的であったり非自覚的である指導(教え)を受けながら現実的活動能力をものにしていくものです。(言語能力という基本でさえそうです)

 このような意味で政治的な活動における指導と被指導という関係性を否定するわけではありませんが、自分たちが指導者(前衛)であり自分たちが政治権力(政権)を握れば世の中の問題が解決できると考えている共産党を認めることはできません。

 指導−被指導は、固定的なものでも一方向のものでもなく、指導=被指導というものです。(他者に指導する(教える)という行為そのものが指導される(教わる)ことなのです)
 そして、指導者にたると判断するのは被指導者であって、指導者のほうではありません。さらには、指導者にたると判断されるのも、地位や立場で固定されたものではなく、瞬間瞬間の言動によるものです。

 共産党は、世の中を根底から良くしたいと思っていながら、根底である諸個人の関係性がどうであるべきかという根本が理解できていないと見ています。
(近代学校制度の指導−被指導という固定的枠組と同じ発想です。教師を聖職者とまで言っているのですから、それを好ましいものと判断しているはずです)

 このように書くと、あまりにも抽象的で曖昧な批判と思われるかもしれませんが、流布している共産党批判がそれほど粗雑ではないと思われているわけは、共産党のそのような基本的構えから出てくる言動があるからだと思っています。

 共産党にとっては、自民党や民主党という政治勢力のみならず社民党や新左翼も、敵であったり、現実世界や歴史を科学的に認識できない愚か者であったりということになります。

 そして、共産党的な価値観や政策に共鳴して近くに寄ってきた未だ愚か者である可能性が大きい人々を党内に取り込んで啓蒙しなければならないと考えています。(啓蒙するのが自分たちの責務だと確信しているはずです)

 そのため、各種市民運動や他の政党と一緒に活動する機会があると、自分の政策を全体の政策にすることを優先させたり、有能な活動家をなんとか党内に取り込もうとします。
 共産党が関わる各種非政党組織は、共産党の支持者を拡大する手段であり、共産党員として取り込むため人を見つけ出す場として扱われます。

 これが様々な組織から「共産党は引き回ししかやらない」と言われる所以ですが、自分たちだけが正しい理論・分析・政策を打ち出せると信じている共産党(員)は、そのように批判されるわけさえ気がつかないのです。
 それどころか、共産党を批判することは、即、敵対行為とみなされることになります。
 科学的認識ができる唯一の政党であり、虐げられた人々のために犠牲を厭わず戦っている真の革新政党(反戦平和政党)だと信じているわけですから、それを批判する人や勢力が敵に見えるのも自然です。
 (党内闘争や党員学者に対する処置を省みれば、この現われに満ちたものですからすぐにわかります)

 このような共産党の動きが、様々な政治課題に多くの人を結集させることを阻み、結局は政権(与党)の政策がそのまま現実化されてしまう歴史の責任のある部分を負っています。

 このような価値観を持つ政党が政権を取ったらどうなるでしょう。
 共産党政権は、大資本家を除く多くの人にとって素晴らしいものであると信じて政策を決定するはずです。
 政権を取っているのですから、国会でも多数派で法律や予算は可決されます。
 そこで、共産党政権の政策に反対する動きが起きたとします。いくらなんでも軽い反対運動は許容するでしょうが、ゼネストや大きな街頭運動が起きたときには、「反革命勢力もしくは反共主義者が後ろで操っている反革命運動」と判断し、鎮圧に乗り出すはずです。

 そういう苛烈なものではなくとも、共産党は、自分たちの価値観や理論を、歴史的先行した素晴らしいもであったり、科学的な真理だと信じていますから、学校教育やメディアを通じてその浸透をはかるはずです。
 そして、それに反対する人やそれを受け入れない人は、“反革命主義者”・“反共主義者”・“道徳的堕落者”・“精神異常者”であるかのように見えるはずです。

 政権をとっていないこれまでの歴史で他の政党や労働組合をはじめとする各種組織に対してとってきた態度が、権力を背景とした強大なものとして人々に向かうことになると推測しています。

 共産党は、自分たちを正義と真理の集団だと信じていますから、反対運動の鎮圧やイデオロギー教育反発者への対応を悪意ではなく善意と信じて行います。

 このような見方から、反対政党(野党)としての存在意義を認めるとしても、政権政党に至るような支持や支援を与えることはできないと考えています。

 はっきり言えば、反対政党(野党)としての存在意義を認めることにも疑念を感じ、利敵政党だと思っています。


■ 共産党の政策の誤り

 科学的認識ができると自認している共産党の政策は、経済的弱者(年収800万円未満程度)や反戦平和に目を向けたものだと主張されています。

 掲げている断片的な政策は、確かにそう言えるものです。

 しかし、現実は断片的な寄せ集めとして動いているわけではありません。

 共産党が掲げている政策で笑えるのは、「大企業のための消費税増税に反対」というものです。
 確かに消費税の増税は低中所得者に負担を強いるものですが、現在的世界においては、それは同時に大企業にも打撃を与えるものです。
 (せいぜいトヨタといったごくごく少数の多国籍優良企業のみが“消費税輸出免税”という詐欺で恩恵を受けるというものです。所得が低い人により大きな打撃を与えることは事実です)

 「大企業のための消費税増税に反対」は、「大企業もおかしくする消費税増税に反対」でなければならないのです。

 このような断片的誤りは、共産党が経済社会の論理を認識できていないことの現われだと見ています。

 そういう政党が政権をとり、官僚の抵抗を押し切りながら国策を決定していけば、必ずや日本経済はおかしくなります。

 共産党は、大企業を叩くことが勤労者の生活向上に資すると考えているので、その方向で政策を推し進めるはずです。
 しかし、共産党は資本主義制度を残すとしていますから資本の論理(「近代経済システム」の論理)は貫いており、勤労者は、真の経済主体である企業が成長するなかでしか生活向上を手に入れられない条件にあります。
 中小企業も、大企業の構造のなかに組み込まれているのが大半ですから、大企業の成長なくしては自分たちの成長が遂げられない状況に置かれています。

 資本主義を廃絶しない限り、企業と勤労者を対立的に捉えて企業を抑え込めば勤労者の生活が良くなるという考えは虚妄でしかありません。

 共産党は、資本主義ないし「近代」がなんたるかさえ理解していないまま革命を志向している愚昧な政治勢力です。

 共産党は、「近代」の根本論理が利息取得(金融利得)にあることを理解せず、産業資本家(大企業)と勤労者の利害対立に悪の要因があると信じています。
 このような政党が起こす革命や政権奪取は、大局的には百害あって一利なしです。


■ 「今私たちに出来るって言えばデモや署名や選挙位」

 実効性がいちばん高いのは、選挙を通じて、政策が近いというか重要課題で立場が同じ政治勢力の国会議席を増やすことだと思っています。

(デモや署名も重要ですが、情報を隠蔽しくだらない煽り記事を載せる新聞や政府に誤った政策を押しつけようとしている企業の商品に不買運動をかけることも効果的だと考えています)

 私自身は、「近代」(資本主義制度)が続く限り、それに反対する政治勢力は政権を取るべき(必要)ではないと思っています。
 極端に言えば、2/3を超える多数派になっても、政権は資本主義を是とする政治勢力に任せたほうがいいとさえ思っています。

 資本主義制度に異を唱える人たちが、資本主義国家社会の運営に責任を負う必要はありません。
 「それはダメ」、「これを行え」と政府に要求するだけでいいのです。

 このように考えているので、自分たちが政権を取れば世の中が良くなると信じている共産党に議席を拡大して欲しいとは思っていません。
 そして、現状では、とても政権はとれないけれどダメなものはダメという気概で頑張っている社民党をなんとか利用できないかなと考えているところです。


※ 参照書き込み

『反戦平和護憲+“弱者保護”政治勢力が進むべき道 − 衆議院で公明党を超える議席の獲得 −』
http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/501.html

『社民党になぜ肩入れするのか  【脆弱な反戦平和護憲+“弱者保護”政治勢力だから(笑)】』
http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/572.html

『旧共産党系左翼らしい政治感覚で“キツネ目”にしては実につまらん感想文』
http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/613.html

『選挙を利用できないのに「選挙に代わる方法」を生み出せるわけがない  【ぷち熟女さんのごはんをまたまずくするかもしれません】』
http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/664.html

『「拉致問題」と「辻元問題」で土井たか子が辞任する必要はない』
http://www.asyura2.com/0311/senkyo1/msg/742.html


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