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bakaでもわかる「あっしら経済学」- その13 「Nevada Economic Report 2/15,3/1」
http://www.asyura2.com/0401/dispute16/msg/673.html
投稿者 baka 日時 2004 年 3 月 20 日 10:48:39:RQJEnV9HbG4Tk
 

あっしらサン、こんにちは。

 日本のドル買い介入に関して、下記のような「Nevada Economic Report 2/15,3/1合併号」における記事が出ております。これについて、コメントなど(この論説は正しい、間違っている等)頂ければ幸いです。


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グローバルレポート等にても解説致しておりますが、政府・日銀は、1ドル105円30銭を防衛ラインに設定して、ここで徹底した買い支えを行っています。
このラインでは、1兆円を越える買いを行っていると見られており、短期金融市場は、資金過剰が一層進み、資金が余り過ぎ、もはや金利は意味をなさない異常事態になっています。

ところで、先日、米国の経済専門のシンクタンクから発表されましたレポートには、このような記載がありました。
『米国の10年国債利回りは、実態より2%以上も低くなっているが、この原因は日本のドル買い介入によってもたらされたものである』
昨年だけで20兆円を超える日銀のドル買い介入資金が、米国国債市場に流れこんでおり、これが全て米国債の<買い>に回ったのです。
しかも、市場から買い付けるという異例の方法も取られているといわれており、日本が事実上、米国の低金利を支え続けていると言えるのです。


これをもって、先般お知らせしましたが、CNN電子版が、『有難う日本』という、皮肉ったタイトルで、日本のドル買い介入を報じていたのです。
日本のマスコミでは、『日本はドルを支えている』と報じていますが、本当は、『米国の低金利を支える為に、日本がドルを買っている』、というのが正確な表現になるのです。

では、このような買い支えがいつまで続けられるのでしょうか?
法律上は、この4月以降に60兆円もの介入資金が用意されましたので、国債借り入れという異例の方法で調達した10兆円(既に5兆円が実行されて殆どが消化されていると見られています。)もあわせ、ここまでやるかという程の金額が用意されています。
この膨大な資金で、米国債を買い支えましても、世界は既に金利上昇ムードに入ってきており、先般イギリスが再度の利上げをしましたが、今後、米国、日本も必ず金利が上昇してきます。


このような状況の中、一旦日本がこの米国債買い支えを取りやめた場合、いったいどうなるでしょうか?
上記のレポートの通り、いまでも適正金利水準より<2%>も低い歪な利回りになっているのです。
即ち、10年国債で見れば、現在の4%が本来なら6%しても良いという事になるのです。

今後世界が金利上昇期に入れば、米国10年国債の利回りは、8%まであっという間に上昇していくでしょう。
そうなれば、日本の10年国債の利回りも、現在の1.3%から急上昇し、3%、4%という水準にまで上昇せざるを得ない状況に陥ります。
世界が金利引き上げ競争に入る直前まで来ている今、日本政府・日銀が今年70兆円を超える新規の米国債を購入し終えた後、一体どうなるでしょうか?
悪夢のような金利急騰・国債暴落がまっています。
勿論、また補正予算を組んで、ドル買い介入資金枠を作るでしょうが、債券市場が一旦動き出せば、その巨大な市場ゆえ、誰も止めることは出来ません。


米国国債が急落し10年国債利回りが現在の4%から6%、7%に上昇していけば、米国の金利は一斉に上昇し、低金利を使って拡大させてきました住宅バブルが崩壊し、また、株式市場も急落し、金・銀等の現物も急落していくことになります。
(この金・銀等の現物急落の理由ですが、証拠金取引を行っている市場参加者は、金利が上昇してくれば、金利負担をきらい建て玉を縮小してくるために売りが増えてくるのです)
このような中、日本だけが金利を引き上げないという政策を取り続けると、金利差を求めて、本格的な資本流出を招き、今、じゃぶじゃぶに余っている資金がじわりじわりと縮小し、自然と国債価格が下落に転じてきます。
更に、今まで日本の米国債買いに“敬意”を払って日本国債を買い込んできた外人ファンドが、一斉に日本国債売りに回ったら一体どうなるでしょうか?
急落どころか、暴落することになります。

日本の銀行の国債保有は昨年9月末時点で93兆円を超えてきており、今では100兆円を超えてきているかも知れません。

この100兆円が<暴落>すれば、銀行の自己資本などあっという間に吹き飛んでしまうどころか、経営が成り立たない事態に陥ることになるのです。


その間も、国債は毎年40兆円以上増え続け、借換え債を入れれば、今年は100兆円を超える国債発行になります。
日銀がドルを買っているのは、ただ米国の為だけでなく、日本の低金利維持政策の発動であったという事が、これでお分かり頂けたと思います。
<ドル暴落を防ぐ>というマスコミ受けする言葉ではなく、本当は<日本国債の暴落を防ぐ>為にも、政府・日銀はドルを買い続けなくてはいけないのです。
そして、これが途切れた時、悪夢のような<国債暴落>が待っています。


一貫して金融危機は去っていないと述べてきましたが、今は確かに表面的には危機など全くありません。
これは、日銀が日米市場に膨大な資金提供を行ったからであり、これがもしなければ、今頃は、大手銀行がばたばたと倒産していた筈です。
今後、金利が上昇していくなか、今まで日銀が購入した米国債(80兆円)に膨大な含み損が発生し、そして日本の銀行が購入した100兆円にも達する日本国債にも、膨大な含み損が発生したら、一体どうなるでしょうか?

金融をこれでもかという程に緩和し、株価を維持してきた日米両国ですが、一旦歯車が狂い始めれば、一気にこの協調体制は崩壊する事になります。
では、この歯車が狂い始める切っ掛けは一体何でしょうか?
≪ブッシュ大統領の再選断念≫と≪テロ≫だと思っています。
早ければ、この4月、遅くとも7月にはブッシュ大統領は、再選をあきらめるでしょう。

そうなれば、金利を引き下げておく必要などありません。
政権を引き継ぐ民主党が“困る”経済状況を作れば良いのです。
即ち、低金利を維持するために使ってきた日本に、“ご苦労様、もう介入はいりませんので、お引取り下さい”と御役御免を通告すれば良いのです。

ここで、全ての歯車が狂い始め、延命策は、そこで途切れます・・・。
その後は、米国は独自の政策を執り行い、日本など関係ないという態度をとるでしょう。
日本から見れば、米国は同盟国であり、パートナーでしょうが、米国から見れば、日本は単なる“しもべ”にしか過ぎないのですから。

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