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イベリア半島「百鬼昼行図」 その6:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ 3)アスナール政権=オプス・デイ政権、「3馬鹿軍団」の裏には?
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/1019.html
投稿者 バルセロナより愛を込めて 日時 2004 年 1 月 21 日 08:38:57:SO0fHq1bYvRzo
 

イベリア半島「百鬼昼行図」


私が柄にも無くこんな投稿をし始めたのは、昨年の秋に木村愛二さんから「アメリカ・イギリス・スペイン3馬鹿同盟の裏を探ってほしい」と言われたのがきっかけなのですが、もし木村さんのイメージしておられたことと違っていたのなら、お詫びいたします。ただ、私としてはこのシリーズは「ほんのきっかけ」に過ぎない、と思っています。

カトリック原理主義カルト集団オプス・デイは、政治的には(広義の)ファシズムを追求し、「陰謀、謀略、だまし、やらせ、何でもあり」の伝統をもつローマ教会を乗っ取り、世界のカトリック圏ですでに強い経済的・政治的基盤を持ち、アメリカにも深く食い込み、世界中に張り巡らされたバチカンの金脈・人脈と情報網を駆使できる立場にあります。世界を覆う緊張の陰で、別の不気味な動きが着々と進行している可能性もあります。

私はいわゆる「陰謀論」の肩を持つ積もりはありませんが、人間が作る歴史には、経済・地理・軍事などの「現実的な」要因と同時に、人間集団の「強い意志」もまた重要な働をしている、と思います。その意味でオプス・デイのような強力な思想集団の動きには十分に注意を払わねばならないでしょう。

従って今後、阿修羅投稿者の皆様から多くの情報を教えてもらうかわりに、私は私で日本に直接入ってきにくいスペイン語圏の情報、特にカトリック勢力の動きなどを、阿修羅を通してお知らせし続けたいと考えています。ただこの『イベリア半島「百鬼昼行図」』のシリーズはしばらく中断し、またテーマと内容が煮詰まったら再開します。


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さて、前回までにカトリック原理主義集団オプス・デイが、いかにバチカンをコントロールし、中南米で政変をたくらみ、アメリカの政治中枢部に侵入していったのか、について書いてきましたが、今回はより核心に迫ってみます。

まずスペインのアスナール(国民党)政権の実態、ヨーロッパ各国でのオプス・デイの勢力、その組織の内容、そして、オプス・デイ=バチカンの世界戦略と9.11以後の世界情勢との関係について、現在の時点で言えることを書きます。

「全容解明」には全く程遠い状態ですが、この、今まで日本にあまり紹介されてこなかったカルト集団について、少しでも関心を持っていただければ、と思っております。

(この投稿の最後に、このシリーズの過去の文章のURLを載せておきます。)

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イベリア半島「百鬼昼行図」 その6:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ

(3)アスナール政権=オプス・デイ政権、「3馬鹿軍団」の裏には?


2003年3月16日(日本時間では3月17日)、大西洋上に浮かぶポルトガル領アゾレス群島の米軍基地内で、イラク攻撃に臨む儀式として、ブッシュ、ブレア、アスナール、BBA3悪人の揃い踏みが行われた。この歴史に残る会談の場となったアゾレス群島だが、ここもオプス・デイの陰の非常に強い場所だ。

当然のことだがカトリック国ポルトガルはこのカルト集団の勢力圏であり、アゾレス群島自治区の知事を1976年から1996年まで務め現在は国会議長のモタ・アマラールはオプス・デイの正式会員である。この会談そのものにオプス・デイが直接絡んだ形跡は無いが、その舞台設定は実に示唆に富んでいるように思われる。

このシリーズの「その4:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ バチカンを牛耳り中南米を操る悪魔的カルト集団」でも述べたが、2000年のピノチェット逮捕・送還問題ですでにブレアがアメリカのプードル犬であることが明らかになっていたし、2002年のベネズエラのチャベス政権転覆騒動でブッシュとアスナールが息の合った行動をとったことも明白だ。そして2003年にめでたく「3馬鹿軍団」結成となったのである。

そしてそのピノチェットの件(アジェンデ政権転覆)にはもちろん、チャベスの件にもオプス・デイが色濃く関与している。本人たちが意識しようがしまいが、この3馬鹿大将には1本の共通のヒモがくっついている。

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今回の投稿で使用した資料は以下のとおりである。

チリの社会主義団体の新聞 “Chile Vive” より「オプス・デイ:スペイン・フランコ主義の遺産」Opus Dei: Una herencia del franquismo español (Emilio J. Corbiere : 2-10-2002)
http://www.chile-hoy.de/internacional/041201_opus_dei.htm
(ただし情報の一部にバスクの週刊誌カレ・ゴリアの記事内容を引用している。なおこのバスクの週刊誌は昨年、民族主義過激派ETAに協力したかどで編集長が逮捕され、事実上活動が止まる、という言論弾圧に遭った。)


スペインの反オプス・デイ団体のサイト “Gracias Dios ¡Nos Fuimos!”より「オプス・デイ:スペイン社会に向かう宗教的全体主義【注*】」Opus Dei: Integrismo a la Española (Begoña Piña : 12-2002)
http://www.opuslibros.com/prensa/integrismo_espanola.htm

スペインの市民団体のサイト “La Gran Inverción” より「オプス・デイ:バチカンの野心的なセクト」Opus Dei: La ambiciosa secta del Vaticano (D.I.G.I. : 4-5-2000)
http://www.geocities.com/SoHo/Cafe/3627/opusdei.htm

スペインのアンチ・グローバリゼーション組織 “Attac Madrid”より「国民党の周辺」Las sotanas del PP (Mariano Sánchez Soler)
http://www.attacmadrid.org/d/3/030120154922.php

【注*】integrismoという単語は、普通は「保守全一主義」とか「カトリック全一主義」などと訳されることが多いが、これでは何のことかわからない。元々は、19世紀に急速に没落・分解していくスペイン社会への危機感から、一部のカトリック信徒が起こしたキリスト教を軸にする保守的なナショナリズムで、実際にはおおよそ、宗教的な権威を使った全体主義、のような意味で使われている。この語の後ろにislamicoが付けばイスラム原理主義のことになる。


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まずはスペイン国内を見てみよう。次に挙げるのは、現在までに判明したスペインの政治家・官僚のオプス・デイ関係者リストの主要部分である。

● ホセ・マリア・アスナール
首相。彼自身はシンパであってオプス・デイの会員ではない。しかし彼の祖父はオプス・デイの創始者ホセ・マリア・バラゲーの親しい友人だったし、女房のアナ・ボテジャ(マドリッド自治区議員)も有力シンパであり彼女のいとこはオプス・デイの重要幹部である。彼らの子供たちはすべてオプス・デイ系の学校で学び、娘婿はマドリッドのオプス・デイの幹部。そもそもアスナールの信奉するフランコ主義は、少なくとも彼が生まれた1953年以降は、完全に「オプス・デイ主義」だったのだ。
● マリアノ・ラホイ
有力シンパ。副首相。元内務大臣(国内治安担当)。次期首相候補が決定している。2004年の3月に総選挙があるが、これで国民党が過半数を取れば彼が次の首相に就任するだろう。今のところ、資金力や財界・教会関係の組織力において圧倒的であること、有力野党の社会党の勢力回復が不十分なことを考えると、その可能性が高い。
● ハイメ・マヨル・オレハ
有力シンパ。元内務大臣。現在は、ETA(バスク祖国と自由)のテロに悩むバスク自治州の国民党代表となって、スペイン分裂の元となるバスク民族主義つぶしに血道を上げている。
● フェデリコ・トリーリョ  会員。国防大臣。軍内部に圧倒的な支配力を持っている。
● フェルナンド・ディエス・モレノ  会員。国防会議議長。
● アナ・パラシオ  会員。外務大臣。
● ロヨラ・デ・パラシオ  会員。欧州議会副議長。アナ・パラシオ外相の姉。
● ホセ・マリア・ミチャビーラ  会員。法務大臣。
● マルガリータ・マリスカル・デ・ガンテ  会員。元法務大臣。
● アンドレス・オジェロ  会員。法務委員会スポークスマン。
● ヘスス・カルデナル  会員。検事総長。
● クリストバル・モントロ  会員。大蔵大臣(税務担当)。
● ベニグノ・ブランコ  会員。国務大臣(インフラ担当)
● マニュエル・ロメイ・ベカリア  会員。厚生・消費者担当大臣。
● アルベルト・エラ  会員。宗教担当部総長。
ETC.

書き上げるときりがなくなる。もはや「オプス・デイ政権」である。もちろんその他の閣僚や大物政治家も、全員がオプス・デイの信頼を得ている者であることは言うまでもない。また、法曹関係者にはオプス・デイのメンバーやシンパが多い。

スペインは1960年代に、アメリカの援助を元にして「スペインの奇跡」と呼ばれる経済成長を成し遂げたが、それを支えたのがやはりオプス・デイ人脈の経済官僚だった。今でもこの国の大企業の多くは元々フランコ時代の国営または半国営企業が母体であり、必然的にその人脈によって動かされている、と見てよいだろう。

特に情報・通信の世界的大手テレフォニカは完全に彼らの手の内にある。大銀行にしても同様であり、中堅銀行Banco Popuralの頭取はもろにオプス・デイの会員である。(オプス・デイ自身は「我々によって経営されている企業は無い」と言っているが。)

また新聞やテレビなどの報道機関、出版界も彼らに多かれ少なかれコントロールされている。特に次の3つはその手に握られている。全国版日刊紙「エル・ムンド」(日本でいえば読売新聞といったイメージ)、同「ディアリオ16」(日本でいえば産経新聞のようなもの)、全国版スポーツ紙の「マルカ」(レアル・マドリッドのヨイショ記事ばかり、日本でいえば巨人中心の報知新聞に当たるか)。

ただこの組織はいわゆる一般大衆レベルには驚くほど浸透していない。というようりも一般大衆は全く相手にしない。とにかく徹底的なエリート主義が特徴で、最初から「支配集団」を形作ることが目的のようだ。多くの慈善団体やNGO、学校なども運営しているが、ちょっとでもその中心部を覗こうとするとたちまち「霧」につつまれてしまう。そして、はるか頭上にいきなり「雲の上の人」が姿を現す。従って、中南米とは違い、スペインの一般大衆にとっては何の実感も持てない存在で必然的に関心も薄い。この点がこのカルト集団の特徴を最も端的に表していると言えそうだ。日本の創価学会などの集団とは全く異なる。


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では次に、スペイン以外のヨーロッパ諸国を中心に、主要なオプス・デイ関係者(会員・シンパ)といわれる者を見てみよう。以下、人物名などで発音が分からないものは原文のつづりを記す。(アメリカと中南米に関しては、このシリーズの第4回と第5回をご覧いただきたい。)まず、“Chile Vive”は次の者たちを挙げる。

フランスのシラク大統領の妻 Bernardette Chodron de Coulcel、フランスの財務次官Hervé Gaymard、元ヨーロッパ委員会会長Jacques Santer、ルノー会長Louis Schweitzer、ベルギーの元女王Fabiora de Mora y Aragón、フランス保険会社Axa社主Claude Bebear、同AGF社主Michel Albert、現ポルトガル国会議長で元アゾレス群島自治区首長Mota Amaral。ついでに、アメリカの駐国連大使Jeane Kirpatrick。

またイタリアにはオプス・デイの会員が4000名、ポルトガルでは2500名のシンパと200名の正会員、アメリカでは3000人の会員と64のセンターを持つ。世界中で会員が8万人、そのうち2000人はカトリック僧侶であるといわれる。数だけ見ると少ないようだが、先ほども言ったように、このカルト集団は徹底したエリート主義集団、支配者集団なのだ。影響力は十分に大きい。

“La Gran Inverción”によると上記の個人名の他に、フランスのAlain Juppé内閣の主要官僚にオプス・デイ関係者が多く(氏名は書いていない)、ホモの禁圧やフランス国営テレビTF1の民営化について圧力をかけている、という。(民営化した暁には彼らがこのテレビ局をコントロールする予定なのだろう。)

またベルギー、フランス、ドイツ、イタリアで、オプス・デイ関係者は政府官僚組織、企業や銀行の幹部に多数存在するという。ブリテンでは目立たないが、彼らの学校がロンドン、マンチェスターとグラスゴーにある。北アイルランドとアイルランドでは多くの学校でEUの援助を受けて「ヨーロッパのための若者作り」の活動を行っている。

国際的な組織の中では、例えばユネスコ、US AID、ドイツに本部のある国際カトリック団体Adveniatなどに資金や人材を提供している。ユネスコの事務局長であるフェデリコ・マヨール・サラゴサはオプス・デイの会員だ。当然EU議会と執行部の中では相当の勢力を持っているといわれている。


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オプス・デイの組織内部についても余り多くのことは明らかになっていないが、“La Gran Inverción”は次のように指摘する。

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【訳出・引用開始】 

『そのメンバーたちは、独身者と既婚者の二つの階層に分かれるのだが、秘密の入会の儀式に服従することになる。高位聖職者と「高位聖職者によって権威付けられた他の人々」に従順であることが誓わされる。一度入会した限りは、精神的な条件付けのフォームである「修身規定」と呼ばれるものに服従しなければならない。その規定の中には、毎週一度、個人的な活動や職業上の活動をすべて監督する権利を持つ「指導者」に報告しなければならない、というものがある。週に一度オプス・デイの僧侶に告白することも義務である。神に捧げられた独身者たち【僧侶のことか:役者】は常に苦行衣を着用しなければならない。その衣は金属の鋲がついており、中世のカトリックの共同体によって使われた、自分で自分を鞭打つ苦行のためのものである。既婚者のメンバーに対しては、子供たちをオプス・デイの学校に行くようにさせることが求められる。それらの学校はリクルートセンターとして機能している。

オプス・デイに対しては、教会の中の教会であるという非難がなされてきた。それは神的なインスピレーションであると思わせる独自の教義を持っている。さらにいえば、ローマ教会自身を除いては、それがローマカトリックの中では神によって創造された唯一の組織である、と信じているのだ。』

【訳出・引用終わり】
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このような内部の情報が漏れてくるのはもちろん脱会者がいるからで、“Gracias Dios ¡Nos Fuimos!”によると、いくつかの告発本が出たのだが、出版社や書店が脅迫を受け、スペインでの販売が事実上できなくされたものもある。またオプス・デイを厳しく批判する記事を載せようとした週刊誌VISAOは編集事務所の不可解な火事のために企画を諦めざるを得なかった。ベルギーの国会で危険なカルト集団のリストが公表されその中にオプス・デイも入っていたのが、なぜか後に削除された。

その他、オプス・デイのセンターでは、メンバーに自分の意見を持つことを許さず個人的なおしゃべりは禁止される、手紙の内容や書いた文書はすべて検閲される、家族の写真を撮ることは禁止されている、女性は二流の生き物だから奴隷状態に置かれる、多額の寄付金はもちろん死後に資産をすべてオプス・デイに差し出すことを誓う書類にサインさせられる、等々の告発が元会員からなされている。

“Chile Vive”によると、会員から集められたカネだけでも毎月数百万(または数千万)ドルにのぼる。(企業関係の収益は全く分からない。)彼らは金権支配を目指すネオ・リベラル、ウルトラ・リベラルであり、その魔手はニューヨーク、東京、パリ、チューリッヒ、ロンドン、マドリッド、パナマそしてマニラに伸ばされる。またスペインのポプラル銀行、ポルトガル商業銀行、イタリアのラバンカ銀行の頭取はオプス・デイ会員であり、その他、コンチネンタル・イリノイ銀行やバンクユニオン銀行、汎地中海財団など数多くの銀行や団体を金融代理人にしている。またヨーロッパ各地と中南米に多くの研究機関や団体を持っている。その会計報告は5年に一度だけ(ローマ教会の一部であるにも関わらず!)教皇に提出されるに過ぎない。

またこのカルト集団の恐ろしいところは、それが単なるカトリック内の分派運動や孤立した宗派ではなく、ローマ教会の内部にいながら意のままに振舞っていることだろう。例えば一つの司教区で司教が他の宗派出身なら表面的にだけ従い、実際にはオプス・デイの司教の命令で行動し司教区全体を動かしてしまい、いつのまにか彼らの思うような地域に変貌させてしまう。寄生して宿主を生かしたまま内部を食い荒らし、宿主の体を乗っ取ってしまう化け物なのだ。


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次に、その思想の内容と戦略を、現在分かっている限りで書いておこう。

“Gracias Dios ¡Nos Fuimos!”によると、オプス・デイは1978年に、その3年前に死んだ創始者のバルダゲーに対してバチカンに断りなく「聖人」の称号を授けた。(バチカンは2002年に彼を福者に列聖したが。)しかし実は、その前の年にはヒトラー、ムッソリーニ、フランコなどに対しても同様の称号を与えていたのだ! 

また“Chile Vive”によると、オプス・デイは宗教と資本主義企業の融合体であり、近代化された宗教的全体主義運動である。また彼らは教育と通信メディアに精を出すが、宗教以前に基本的に抑圧団体である。

そして“La Gran Inverción”は次のように言う。

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【訳出・引用開始】

『オプス・デイの政治思想は1950年以来ほとんど変化していない。その戦略家たちの中の二人、後にロンドンのスペイン研究所の所長になったラファエル・カルボ・セレール(Rafael Calvo Serer)、およびフロレンティノ・ペレス・エンビッド(Florentino Prérez-Embid)は、彼らの論文の中でオプス・デイについて「世界的な規模でカトリックを再生させるもの」というように紹介した。

彼らは、ヨーロッパ共同体の中での新しいスペインの出現は、16世紀に皇帝カール5世【スペイン国王カルロス1世:訳者】によって始められた戦闘的カトリック主義のある形態をよみがえらせるために、神によって与えられた機会を現している、と主張した。すなわち、「カール5世はこの地上における神の総督であった。彼の帝国主義政策はスペインを神のすばらしい被造物の頂点に据えたが、しかし同時にヨーロッパのカトリックとプロテスタントの摩擦を悪化させ、帝国を崩壊させるに至った。にもかかわらず、彼の選定によって2人の教皇をペテロの座【教皇の位のこと:訳者】に据えたのだ。」と。

カルボ・セレールとペレス・エンビッドは次のように唱えた。西欧世界を猛烈な勢いで支配しつつある世俗主義を考えると、キリスト教再生の唯一の形態はカール5世のカトリック十字軍の復活であろう、と。そして、そしてそれは単に一つの国でできることではなく、オプス・デイに主導された精力的な権力をもつ国際的なカトリックの運動を通してであろう、と。かつての帝国と同様に、現在のオプス・デイによる神聖同盟はラテンアメリカやアメリカ合衆国にまでその触手を伸ばしていたのだ。』

【訳出・引用終わり】
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馬鹿馬鹿しい、と言うなかれ。現状の中近東−中央アジアでの事態は、ブッシュを「神に選ばれた十字軍の指導者」と信じるような者たちに後押しされて進められた。狂気が現実を支配することも起こりうるのだ。

それにしてもハブスブルグ帝国のカール5世が「スペインを神のすばらしい被造物の頂点に据えた」とはよく言ったものだ。ここで詳しく述べる余裕は無いが、実際のスペインは国内の悲惨な実情を抱え残虐な対外政策を推し進めた外道の国でしかなかったのだ。

ところで「カール5世によって始められた戦闘的カトリック主義のある形態をよみがえらせる」とは、具体的には一体どういうことか。オプス・デイが徹底したエリート主義集団であり、厳しい内部規律と秘密主義に貫かれ、ヒトラーやムッソリーニを「聖人」にする、というからには、一種のネオ・ファシズムと言えるだろうが、しかしこれにカトリック思想がどう絡むのか、今は私にはよく分からない。

現在のスペインのあり方がその一つの「雛型」として考えられるかもしれない。オプス・デイは広範な財界と情報産業・メディアに基盤を置き、法曹・司法と軍事、国内治安にその勢力の多くを注ぎ込んでいるのだ。

アスナールはアメリカとの関係を国内政治に最大限に利用し、統一スペインの「癌」であるバスク民族主義を、野党第一党の社会党とも手を組んで、「反テロリズム」の名目で徹底的に押さえにかかった。フランス警察との連携でETAをほぼ壊滅状態に追い込み、その合法組織であったバタスナ党をもブッシュに頼んで「国際テロリスト・グループ」に指定してもらい、非合法化してしまった。さらにブッシュばりに「テロをとるかスペインをとるか」と国内反対派やバスクとカタルーニャの民族主義者を恫喝し、あくまで独立の方向を捨てないバスク自治州のイバレチェ代表には「刑法を改正して懲役刑にする」と脅迫している。

ところが一方で、アスナールは「多様なスペイン」という言葉を好んで使い、逆に、バスク自治州からスペイン色を排除しようとするバスク民族主義党を「ファシスト」呼ばわりする。つまり、スペインの民族的・文化的多様性を認め、異質な要素を丸ごと排除するようなことには反対する、ただその異質性が国家・社会の『基本構造』に挑戦する力になりそうなら断固として叩き潰す、ということなのだ。

それが単に「ポーズ」であり将来は多様性を無くしにかかるだろう、と受け取ることもできるが、私は、オプス・デイは十分に近代化されており、従来型の一色に塗りつぶすようなファシズムではなく、より柔軟な社会構造を考えているのではないか、と思う。もう少し詳しい調査と分析が必要だが、この「雛型国家」の研究は重要かも知れない。

またオプス・デイにとって滅ぼすべき最大の敵は「世俗主義=無宗教主義」のはずだ。したがって彼らは、カトリックに敵対しない限り、世界の人民が何らかの宗教を信奉している状態を望み、各宗教・宗派のカトリックに対する無害化を図ろうとするだろう。もちろんイスラムに対してはエネルギー資源の確保のためにも。これはこの30年間くらいのローマ教会の他の宗教・宗派に対する態度(エキュメニズム=教会一致運動、世界宗教者会議など)にもはっきりと現れている。

ただ、やや「トンデモ」臭いが、このカルト集団の創始者ホセ・マリア・エスクリバーがユダヤ系でカバラ秘教に通じた「隠れユダヤ教徒」だ、という説もあることを記しておく。そういえばオプス・デイが勢力を拡大する1950年代にフランコ政権の「救世主」となったアイゼンハワーもユダヤ系らしいが。


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さて、前回の投稿で、同様にオプス・デイに支配されながら、なぜ、アスナールはブッシュの戦争政策に荷担してバチカンはそれに反対したのか、という疑問を述べたが、その解答は上記のオプス・デイの戦略を考えることによって見えてくるかもしれない。

彼らにとって大切なことはカトリックの主導による世界の改造、つまり「カトリック十字軍」だ。しかしイラク戦争に突っ込んだ勢力はネオコン=シオニストとプロテスタント系キリスト教原理主義者の野合であり、どう考えても彼らとは相容れない。そもそもカール5世の「十字軍」の敵はイスラムと同時にプロテスタントだったのだ。

次のように仮定してみよう。ブッシュ政権の目にはこの旧知のカルト集団の国スペインはヨーロッパ切り崩し策の要石に映ったはずだ。ブッシュ就任とスペイン訪問のすぐ後でオプス・デイ会員のFBI部員ハンセンをスパイ容疑で逮捕したのは彼らへの恫喝で、スペイン取り込みは簡単だった。(同じくオプス・デイのFBI長官フリーが辞任したのは同年6月。そのすぐ後に例の9.11が起こる。)ところがオプス・デイは、ネオコン=シオニストとプロテスタント原理主義の主戦論が破綻をきたして弱体化することを見込み、アスナールをけしかけてアメリカをイラク戦争の泥沼に放り込む「後押し役」をさせた。オプス・デイ平会員で政界では無名に近かったアナ・パラシオが外相になったのはイラクへの攻撃が徐々に現実味を帯びてきた2002年7月だったのだ。そしてその一方で「その後」を見通してヨハネ・パウロ2世に「平和の使者」として戦争反対を唱えさせたのではないか。シラクの周辺にもこの教団の陰が見え隠れする。バチカンならそれくらいの芸当はやってのけるだろう。オプス・デイは元々レーガン及びブッシュ(父)政権と縁が深くCIAやFBIに太いパイプを持つ。アメリカの伝統的な保守主義者とは上手に付き合うことが可能だろう。彼らの「裏庭」である中南米に対する影響力も十分に持っている。しかしいずれにせよ、彼らにとってもイスラム世界の「改造」は必要なことなのだ。

こうしてアメリカを利用しながらその敵対的な部分の切り崩しを図り、一方でイスラム社会の反米意識をヨーロッパに引き寄せることができよう。同時にヒスパニック人口の急増するアメリカ社会にさらに大きな基盤を築いていき、さらに「反テロ」の流れを積極的に利用しながら欧米地域の管理社会化を進めて、ネオ・ファシズム型社会の「予行演習」も可能だろう。飛行機への警備員の搭乗を、アスナールは一も二も無く推し進めている。どう転んでも損は無い。

「後からなら何とでもこじつけられる」と言われそうだが、しかし、ブッシュとブレアが「3馬鹿軍団」を組んだもう一人が、どうしてベルルスコーニではなくアスナールだったのか、なぜブッシュ政権は就任当初からスペインとの関係を重視したのか(2001年2月にブッシュは南北アメリカ大陸以外の外国の最初の公式訪問地としてスペインを選んだ)、今の仮定からこのへんの謎解きもできそうな気がする。「悪巧み」ならヨーロッパのほうが一枚ウワテだろう。特にバチカンは。

アスナールはオプス・デイの手先として国外に対しても次の手を打っているようだ。1月14日付けのエル・パイス紙には次のような記事が載っている。

『アスナール、ヨーロッパとアメリカの間に貿易地区の創設を提唱』という見出しで、アスナールが1月14日のワシントンでの米国通商部との会談の席上、2015年にEUとアメリカの間で自由貿易地区を創設する、という提案を打ち出した、というのだ。ただ、少々誇大妄想ぎみのオッサンの言葉だから眉につばをつけておく必要はあるが。

El Pais 14-1-2003
Aznar propone crerar una zona económica entre Europa y EEUU
http://www.elpais.es/articuloCompleto.html?xref=20040114elpepinac_9&type=Tes&anchor=elpepiesp

まず2010年までに情報通信とデジタル技術、航空輸送、金融サービスの4つの分野でこれを実現して競合関係を調整する、とし、その後2015年までにさまざまな分野に広げていくそうである。さらに彼は、スペインの国内総生産がG8のうちの2国(ロシアとカナダを指す)より大きく、スペインが世界をリードする国々の一つであると主張し、EUと米国を結びつける大きな力となれることを強調したようだ。

首相退任間近だが、スペインが中心になって欧米の支配的な国家群をいずれは一つにまとめていく方向性を打ち出した、ということだろう。そして今後も引き続きアメリカとスペインを結びつける仕事にまい進することを表明したらしい。オプス・デイが「カトリック十字軍」を進めるに当たって、アメリカが「新モンロー主義」のようなものにこもったりヨーロッパと決定的に対立してくれたら困るのだ。

それにしても2010年から2015年とは面白い設定だ。もしかすると、その時期にはユダヤ・シオニズムとプロテスタント原理主義者の力が失われ、オプス・デイ=バチカンがヨーロッパと国連を陰からあやつり、アメリカ保守勢力とアラブ世界を丸め込みながら世界のヘゲモニーをとっていける、という見通しでもできているのかもしれない。ただしこれは憶測に過ぎないが。


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奇妙な文章がある。アメリカのthemadianews.comにあるものだが、英語版なので各自で目を通していただきたい。これによると、フリーメーソンの一機関でありエール大学の卒業者で作る「スカル・アンド・ボーンズ」と呼ばれるグループ(そこにはブッシュ親子もいる)はバチカン=オプス・デイによってコントロールされており、さらにメーソンの中心である法王庁(=オプス・デイ)はユダヤ・シオニズムを支配しそれを通してモサドを動かしている、というのである。

http://www.themedianews.com/DAGGER/Front%20Page/Skull_Bones_1.htm

ここまでくると私としても「トンデモ情報」と思わざるを得ないが、調べてみるとアメリカの陰謀好きな連中の間では結構人気のある説らしい。ただ、「トンデモ」と打ち捨てる前に、少し方向を変えてこれを眺めてみると、これはこれでなかなか示唆に富んでいる。ちょっと彼らの「神」の正体について考えてみよう。

多くの資料を総合すると、オプス・デイの「神」は、「父と子と聖霊」ならぬ「権力と金力と情報力」の三位一体神、といったところだろう。フリーメーソンについてはよく知らないが、アメリカ保守主義者はもちろんプロテスタント原理主義者にとってもユダヤ極右・シオニストにとっても、結局は似たようなものではないか。その「神の意志」を体現する表現や方法論の相違はあっても、早い話が「同根」なのだろう。


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ただ、私はこのカルト集団についてやっと調べ始めたばかりである。パズルを解こうにもまだピースが少なすぎる。例えばロックフェラーなどのアメリカ財界、ロスチャイルド系のヨーロッパ・ユダヤ財界やイスラエルとバチカン=オプス・デイの関係については、私には今のところ全く分からないし、それを示す有力な資料もまだ見つけていない。また日本や中国などのアジアやアフリカの諸国に対する戦略も全く見当がつかない。もし阿修羅投稿者の皆様の中で何かヒントになるような情報でもご存知の方がいらっしゃれば、お教え願いたい。


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スペイン人たちは、腹を立てたり驚いたときにしょっちゅう「メ カゴ エン ディオス!(¡Me cago en Dios!)」と言う。これは直訳すると「神にクソをひりかけてやる」という意味で、特に奇抜な言葉でもなく老若男女が普通に使う日常的表現の一つである。「神」を意味する「ディオス」の代わりに「オスティア(hostia):キリストの聖体を現すパン」「レチェ(leche):牛乳」「プータ(puta):売春婦」が使われることもある。日本語でも何かが壊れたりすると「オシャカになる」とはいうが、しかし、宗教的権威に対してこのスペイン語の表現ほど激烈な罵声はあるまい。(オプス・ゲイという名のゲイの集団もあるが。)

同時に、この短い表現ほど、スペインの一般民衆と教会との関係の歴史を示すものは無い。教会は、中世には凶暴な封建領主に対して農民たちの庇護者になったこともあったが、15世紀末に統一スペインが誕生して以来、中央権力と結びついて一貫して貪欲に民衆を支配・収奪してきた。スペイン人たちは、表向きはどれほどおとなしく教会に従い神に祈っていても、感情が高ぶり理性のコントロールが効かなくなる瞬間に本音を出すのだ。「メ カゴ エン ディオス!(神にクソをひりかけてやる)」と。

スペイン人が敬虔なカトリック信徒である、などというのは大嘘で、実際には日曜日にミサに欠かさず出席する人間は人口の2割もいないだろう。フランコ時代にカトリック崇拝が強制された(もちろんオプス・デイの力で)ことへの反発もあって、大多数は宗教には無関心で、特に都市部ではその傾向が顕著である。教会は冠婚葬祭の場として使用されることがほとんどで、多くの人は内心では教会の坊主など軽蔑している。

注目すべきことは、この「メ カゴ エン ディオス!」という表現がスペインで事実上唯一の「放送禁止用語」になっていることだ。スペイン語の日常会話には男女の性器やセックスに関する表現がやたらと多く、小さな子供から年寄りまで男女を問わず、日本語に直訳すると「◯◯☓☓」だらけになる言葉を平気で使う。「メクラ」「ツンボ」「気違い」などに当たる、日本語なら「言葉狩り」の対象になるような表現も同様だが、テレビの番組でも出版物でも、その程度の言葉なら伏字や「ピー音」の対象にはならない。ところがこの表現ばかりは「メ カゴ エン ・・・・・・」となってしまう。この神を汚す言葉が唯一最大のタブーなのである。各放送局や出版界には大なり小なりオプス・デイの監視があるのだ。

スペインではシモジモの大衆は一般に宗教にも政治にも無関心である。しかしその一方でネオ・フランキズム(=ネオ・ファシズム)実現の準備が着々と進んでいるように思う。手遅れになる前に我々シモジモにとってどんな対処が可能だろうか。「徹底的に暴露することによって無力化する」ということも有力な手段の一つになるかもしれない。そのためにもインターネットは世界中で大きな武器になりうるだろう。

¡ Me cago en Dios!


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イベリア半島「百鬼昼行図」過去ログ

その1:イラク人の血に群がる蝿ども(1)RepsolとCepsa
http://www.asyura2.com/0311/war44/msg/1021.html
 
その2:イラク人の血に群がる蝿ども (2)その他の企業
(何と!あのレアル・マドリッドの会長の名前も!)
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/112.html

その3:「米西同盟の経緯=フランコの呪縛」
http://www.asyura2.com/0311/war45/msg/585.html

 その4:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(1) バチカンを牛耳り中南米を操る悪魔的カルト集団
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/126.html

その5:米西同盟の仕掛け人?オプス・デイ
(2)米国中枢部に食い込む「バチカン=オプス・デイ」
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/556.html

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