ネオファイトさん、おはようございます。

またご質問ですので、簡潔にお答えいたします。

＞ホロコーストという言葉を使うことでパレスチナの現状がリアルに伝わる
＞と言うのは、それが森沢さんの言葉として伝わると言うのでしょうか、
＞それとも単にナチ関連のイメージを触発して伝わると言うのでしょうか。

説明が足りなかったようですので、補足します。
「ホロコースト」という言葉は「ナチによる大虐殺」のプロパガンダを契機に
広がったと思いますが、もともとは「燔祭」の意味です。
そしていまや、単なる「大虐殺」の意味で使われることも多いと思います。
「燔祭」は家畜を生け贄にしたわけですが、
家畜同然に「人間」の虐殺が行われるときに、
「ホロコースト」という言葉が使われていると思うのです。

ずっと前スペインにいたときのことですが、
何人かのアフリカからの留学生（イスラム教徒）と親しく交流していました。
そのときに、よく宗教の話もしたのですが、
イスラム教もユダヤ教と同じく「モーゼ５書」を聖典としています。
そのなかには当然「燔祭＝ホロコースト」の儀式も出てきます。
その意味で、イスラム教徒にとっては、
「ホロコースト」が「ナチの大虐殺」だけを意味するわけではありません。

森沢さんの本から察するに、
ヨゼフというあの青年が「ホロコーストだ！」と叫んだのは、
まるで家畜のように連行されていく仲間たちの悲しい姿に、
「ナチ」というよりは「人間の残虐性」を感じたからだと思います。
イスラエルに対する深層心理として、
「ナチ」を意識することは、むしろ避けたいところでしょう。
ゆえにぼくとしては、彼が単に「大虐殺」の意味で叫んだと考えています。

そもそもシオニストたちが「ホロコースト」という言葉を使ったのも、
宗教的に深い意味を持つ「燔祭＝生け贄」を意図したのではなく、
単なる「大虐殺」の意味だったはずです。
そうでなければ、プロパガンダが成り立たないからです。

ぼく自身は、サーズでのハクビシンも、狂牛病での牛たちも、
勝手な人間による「ホロコースト」として感じています。
そこにはもちろん「ナチ」のイメージは全くありません。
「ホロコースト」はあくまでも生きた言葉です。
生きた言葉は、新しい意味を獲得していきます。
「ホロコースト」を禁止することは、逆にそれに呪縛されてしまうことです。

＞パレスチナ人、森沢さんはいわゆるホロコーストを否定していない
＞のでしたらプロパガンダも「善意」です。
＞しかし縄文人さん、貴方がやるとそれは「悪意」です。

ぼくには「悪意」は全くありません<笑>。
その理由は、もう説明したと思っています。
しかし、人がどう思うかまではコントロールできません。
いろんなふうに思う人がいるのは当然のことですし、
またそれでいいのだと思っていますが、
ぼく自身は決して「悪意」を抱いて使ったわけではありません。

昨日のあの発言が、まさかこんな展開になるとは思ってもみませんでした。
最後にもう一言だけ言わせていただきますが、
ぼくは「思想の自由」「表現の自由」が大切と思っています。
世の中には、いろんな人がいます。それでいいのだと思います。
だからこそ、いろんな意見や考え方を、自由に、気軽に出し合うことが大切で、
この「阿修羅」には、それが許されているのだと思っていました。
その意味で、ネオファイトさんのようなご意見も十分に尊重します。
尊重するからこそ、レスポンスもしました。
まだ納得できないかもしれませんが、それはそれで仕方ないと思っています。

もし戦前、「天皇は神なんかじゃない」などと言ったら、
間違いなく「非国民」とされ、逮捕、拷問に遭ったと思います。
その言葉はあの時代の社会にあって「禁句」だったからです。
人間それぞれに違うのですから、討論・議論や対話は必要でも、
考えの違う人に対する罵倒や排除は、やはりおかしいと思います。
それはその人の存在を否定したり、人格を非難することにつながるからです。
意見や考え方の違いは、根気よく話し合う以外にありません。
少なくてもぼく自身は、そのスタンスで生きていきます。
そしてもし、それでも理解していただけないとしたら「退散」する以外にありません。
「参加」も「退散」も自由であるべきと考えるからです。

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