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かつて多くの特攻隊員は、逆説的に含蓄の深い「遺書」を書いた
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/543.html
投稿者 ファントムランチ 日時 2004 年 1 月 12 日 21:48:29:oswAM6lqBSCW6
 

(回答先: Re: 国益というよりお国の為。 投稿者 イラクさ 日時 2004 年 1 月 12 日 09:15:46)

★TDKさん、イラクささん(元「イラクさ!」さんですね)、こんばんわ。
「読売新聞」や「国益」「国民の犠牲」「特攻隊」に関連して書かせていただきます。
特に「とな」に反応してレスします(笑)。ある特攻隊員の遺書にもある「とな」。
その特攻隊員の遺書を中心に、以下丁寧語OFFで自前の感想を並べますので悪しからず。
 
>「過酷な国際政治は、情緒的な理解では本質に迫れない。」とな。
http://www.asyura2.com/0401/war46/msg/471.html

過剰に危機感を煽り立て、軍備強化を推進することこそ、まさに情緒的だ。
昨今の読売新聞の報道姿勢はあまりに扇情的で、冷徹な国防論とは程遠く、
事実を選別・誤認・歪曲して伝え、尚且つ言語表現に品位の墜落が著しい。
逆説的に含蓄の深い<秀逸>な一文で、強硬論の危うさを省みる余裕は無い。

先日、靖国神社HPで「社頭掲示の遺書」をご紹介するコーナーを発見した。
「祖国を愛しつつ戦歿された英霊の御心」という表現には違和感を感じるが、
確かに現在の我々にとって「タイムリー」な遺書が載っていたので引用する。
このような遺書からこそ逆説的な含蓄が読み取れ、またその才覚を感じる。
 
靖國神社HP「今月の遺書」今月の社頭掲示1月
http://www.yasukuni.or.jp/index2.html
http://www.yasukuni.or.jp/siryou/isyo.html
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■大好きな餅が食べたい

海軍少尉 武田竹司 命

神雷部隊攻撃隊
第十二期甲種予科練習生
昭和二十年四月十二日
南西諸島方面にて戦死
長野県出身 十八歳

父上、俺も情の特攻隊だ。明春早々だ。
正月は基地に上陸できる予定だ。それ故、俺の一番好きなものを食べたい、それは餅だ。
今日は特別休養上陸だ。正月には必ず上陸できる。しかし面会は不可能。
それ故餅を食べて戦友の田中と勇んで死につくのだ。
お父さんも覚悟はもはやついたと思ふ。では正月一日迄に必ず送って下さい。
下宿(仮に決めている)にはおばさん、おぢさん、それに子供さん一人だ。
餅を食ふて敵空母をたたきのめすぞ、城児とな、アッハッハー
では最後にお父さんの健康と幸福の多からんことを祈ります。皆様によろしく。
四ツ谷のおばさん、細野のお母さんにも。
征、帰らぬ男は俺だ。さようなら

 
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★かつて段階的な国策の誤りにより、国民が大量に死に追いやられ犠牲となった。
「国益」を追及したはずが、扇情的な国策と報道によって破滅的「損害」を蒙った。
だが戦意高揚にとって負性の「情緒」は、兵士の「遺書」にさえタブーとされた。
彼は「強制される死」の淵で、せめて主体性と人間の感情を守るために笑う。アッハッハー

敵空母も、国家の失策も、言論統制も、戦争論議も、同情も、怨恨も、賛美も、
全部まとめて「ぶった切って」から彼は征、帰らなかったのではないか?
ここで肯定されていもるのは「餅」と友情と家族や世話になった人々だけだ。
彼が残したものは何らかのイデオロギーではなく、享年十八歳の「生き様」だ。

私は読売新聞や靖国神社が消えても惜まないが、彼という一人の人間の死を惜む。
今の我々は各人の主義主張はどうであれ「餅を食うて」やれる事を存分にやればよい。
ただし堂々とやれ。嘘をつくな。卑怯者になるな。利益のために他人を陥れるな。
怨みや蔑みに拘泥し自らを貶めるな。詭弁を弄し強者に媚入って弱者を生贄にするな。

正確な情報を集め「敵」の真意を知れ。事実を歪曲せず方針を修正する度量も必要だ。
その上で国内と世界に巣食う病理の本質を見据え、直感で判断し、心で行動せよ…。

 
★追記:ところで新年に餅を食って臍を固める場面は、大塩平八郎の詩の一節にも登場する。

「大塩平八郎」松村介石 『人物論』警醒社書店 1895 より一部引用
http://www.cwo.zaq.ne.jp/oshio-revolt-m/matumura1-1.htm
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独り悲しむ耳目に触るゝものハ、貧民り餓斃、悪吏の横行、
見ざんと欲して、見ざる能はず、聞かざらんと欲して聞かざる能ハず、
遂に己を忘れて此の義憤義挙に及ぶ、嗚呼豈其れ止むを得んや、

新衣着得祝新年、
羹餅味濃易下咽。
忽思城中多菜色、
一身温飽愧于天。

平八郎も亦た人なり、新年に会ふて新衣を着し、羹餅を食ふて味濃なりと云ふ、
此時に当りてハ、四方を拝し四海の太平を謡ハんと欲したるべし、
然れども忽ち城中の細民を思へば、坐して温飽を私する能ハず、
嗟嘆天に愧づるの心切ならざるを得ざりし

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