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「『お前の様なアホに判ってもらわなくて結構だ』ってか。上等じゃないか」というのがお子さまレスです。
http://www.asyura2.com/0406/dispute19/msg/576.html
投稿者 バルタン星人 日時 2004 年 10 月 21 日 20:56:08:akCNZ5gcyRMTo
 

(回答先: とうとうバルタン星人さんにまで嫌われてしまいました。 投稿者 こいけ 日時 2004 年 10 月 20 日 23:03:05)

>これで本望です。<笑>
「『お前の様なアホに判ってもらわなくて結構だ』ってか。上等じゃないか」

>バルタン星人さんのお子さまレスも見てみたかった気はしますが・・・
というのがお子さまレスですね。

>私も監獄にいるべき人間なのです。
本国会で「共謀罪」が可決されればお望み通りになります。

という戯れ言はさておき本題。

>原書の〈Empire〉は著作権が放棄され、全文ネットに公開されています。
Michael Hardt and Antonio Negri. Empire. Harvard University Press, 2000. ISBN 0-674-00671-2. Nearly 500 pages.
http://www.angelfire.com/cantina/negri/

例えば80〜90年代のサパテイスタ運動とか南米の対抗運動のなかでネグリの本は良く読まれていたわけです。柄谷が書いていましたがメキシコに行くとフェデリコ・エンゲルスとかカルロス・マルクスという署名の本があって「ふざけやがって」と中身を見ると『資本論』まんまだった。こういうのは全部です。「マルチチュード」は必要だと思えば勝手にどんどんコピーして流通させる、著作権放棄したから『恩寵』などと思ってもらっては困ります。(笑)


>マルクスについては別に大著がありますが、〈帝国〉のなかではあまり目立ってマルクス
>の影は読み取れませんでした。
「アルチュセール的なマルクス」と書きましたが。別にグラムシ的でも言ってもいいです。「重層的決定」とか「最終審級」とか出てきたときは笑ってしまいました。
『グリンドリッセ』の話しは長くなるので止めておきますが、『現代思想キーワード』と首っ引きで読まないと判らない「アジビラ」というのはありですかね。
以前、加藤哲郎(一橋大学教員・政治学)氏のHPで知ったのですが
http://homepage3.nifty.com/katote/Empire0306.html

以下の批判はアナーキスト的党派性については?ですが至極真っ当なものだと思います。
「皇帝は裸ではないのか?」
http://struggle.ws/andrew/empirereview.html

上記日本語訳
http://www.bekkoame.ne.jp/~rruaitjtko/emperor.pdf

余談ですが柄ヤンはブンド−宇野派的立場から一度も降りたことがないから「『帝国』ゆるさーん」ってことになるのかと思いますが。


>「マルチチュードが争いを好まない」という推測がどこからでてくるのか、
>お聞きしてみたいと思っています
中山元さんのHPからネグリのインタビュー記事を引いておきます。

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『帝国』について(1)
ネグリ・インタビュー、マニフェスト、2002年9月14日
http://www.melma.com/mag/58/m00026258/a00000309.html

アルカイダがアメリカの経済パワーの主張を攻撃したという事実は、帝国の指導
者にとっては内乱の始まりを告げるものです。この書物の構造に関連してまった
く新しい事態だったのは、アメリカの反応が、帝国の形成に反対する退行的な逆
行だったということです。これは帝国内部での、帝国にたいする逆行で、古い権
力構造、古い命令方法、独裁的で実体主義的な主権の考え方と結びついたもので
す。これはわたしたちがこの書物で分析した帝国の生−権力(バイオ・パワー)
の分子的で関係論的な性格に逆らおうとする傾向を示しています。いまやこの矛
盾こそが、状況の焦点となっています。

【問】それはどういうことでしょうか。

【答】911テロは、アメリカという国の利益を保護する計画を通じて、アメリカ
で保守派が力を強めている時期に発生しました。アメリカの国益は、帝国の構築
の政治・経済的なプロセスと社会的なプロセスのために悪影響をうけていたので
す。ブッシュ政権で権力を握った集団は、非常に反動的であり、ウルトラリベラ
ル派のイデオロギーよりも、ポピュリストと結びついていました。そしてエネル
ギー管理や、軍事産業複合体の開発など、アメリカの権力の特定のメガ構造の維
持を進めていたのです。この集団は、第三産業革命にとっては傍流に位置するも
ので、この革命をさらに推進するつもりはなく、これに敵対していました。新し
い経済が危機に直面したとき、伝統に依拠するという昔の方針に戻るほかに、代
案を思いつけなかったからです。
--------------------------------------
ネグリは「市場は戦争を欲しない」と言っていましたし、田中宇さんも「ぎりぎりでイラク侵攻は回避されるだろう」という見解でしたね。「911陰謀説」はひとまず置いて(笑)ムーアの「華氏911」で民主党の下院議員だったと思いますが、「愛国者法、アフガン、イラク侵攻が『棚から物を下ろすように』(すでに入念に準備されて)実行された」と言っていましたが、こいけさんが引用するサイードの見解もそれに近い物だったと思います。それに関して言えば、私が一番引っかかるのはネグリ/ハートが湾岸戦争について「警察行動」などという言辞を無反省に使用していることです。(別にネグリだけじゃなくて宮台慎司やカン・サンジュン氏もそうですが、もちろんR.ローティみたいなアホとは比較できませんが)いまや「無反動砲」まで持ち出しても「復興支援」になるわけですが、じゃあバンカーバスターは「軍事行動」だからいかん、でもアパッチで機銃掃射ぐらいなら「警察行動」だってことでしょうか(笑)

その後の展開はあえて言うまでもないですが、「脱領土化」どころではないでしょう。ご紹介戴いたネグリの講演内容も、どちらかと言えば普通の「良心的反米左翼」に戻ってるわけだし欧州のイラク反戦運動の担い手というのはネグリが「だめぽ!」と言っていたNGO、学生組織、労働組合など、どちらかと言えば「古い」組織でちっともマルチチュードじゃない。ジャーナリスティク(良い意味です)なフットワークから言ったらサイードにはとてもかなわないと思います。(たしかに、今の状態は「帝国」としては「逸脱」であって「大中東構想」が成就してモスリムの屍累々の上に再び君臨するというのはあるかもしれませんが。)

先日「共謀罪」に関して集会があったのですが、ゲストのマッド・アマノ氏(お嬢さんが在米中)が "アメリカの『愛国者法』はアメリカ憲法と全く整合性がない、それを超越している。「911 plane-site」のDave vonKleist を日本に呼ぼうとしているのだが、本人が「出国できるかもしれないが再入国を拒否されるかもしれない」と渋っている。"と言っていました。あんまり否定的な話しばかりはなんなので少し誉めると(苦笑)『帝国』にアジア、アフリカ、やイスラムの考察がないという批判があるけど、それはお角違いでしょう。ネグリは徹底して「アメリカ-憲法」に拘っている。アメリカ憲法はヨーロッパの「超自我」の様なもので、とんでもない「理念」をテキストとして残してしまったわけです。だからフツーのアメリカ人は米国憲法を名前を伏せて読ませると「これはコミュニュストが作った物だ」とか言う訳ですね。
もちろんこうした理念はすぐ堕落して「汚れて」しまう、当たり前です。だから「アメリカン・ネィティブを騙して、ぶっ殺して建国した。まやかしだ」と言われればその通りです。しかし憲法というのは名前の通り実体法を超越したものであり、まさに「構成的権力」であると思います。こういう物は100年200年に一回あるかないかの「出来事性」からしか出てこない。(逆に言えば100年200年に一回あれば沢山)ケルゼンは「自然法などというのはたわごとだ、実体法だけが法だ」と言っていますが、「そういうお前がたわごとだ」と言いたい。(笑)
以前書きましたが米国憲法に署名したジェファーソンは奴隷主で黒人の権利なんか夢にも考えていなかった。(黒人奴隷に子どもを生ませて、その子孫がク○ント○っていう話しもありましたが)しかし、公民権運動の時にその米国憲法を楯にとって黒人達は権利要求運動をしました。事実あらゆる移民を受け入れてきたのはアメリカだけなわけです、他にこんな国はない。
そのアメリカが日本国憲法に「交戦権の放棄」などという、これまたトンでもない理念を書き込んでしまった。「無意識」「超自我」あるいは「魔が差した」とでも言う他ないですね(笑)
(また来日されるようですが)シロタ=ゴードンさんが来日したときに「なぜ天皇制を残したのか」と聞こうとしたら同居人から「言論弾圧」されてしまったのですが「天皇制」と「九条」というのはワンセットなわけでしょう。「占領コスト」の問題とか言われてますが、例えば議院内閣制の上にはフツー国王や大統領という超越的主権者がいるわけです。日本はそのいずれでもない、もしかしてアメリカは「大統領制でもいいか」と思っていたのかもしれない。(とにかく彼らの「常識」から言ったら上に何か載せないといけないから)でも出てくるヤツ、出てくるヤツが「つかえねー」ヤツばっかだったとか。(笑)
ネグリも具体的な話しになると途端に貧弱なイメージしかないわけで、そういうのはすっぱりあきらめて日本的な文脈で引き寄せてみるほうが良いんじゃないでしょうか。

残念ながら書き込みが途絶えていますが
http://bbs1.otd.co.jp/183102/bbs_plain?range=60&base=60
は非常に刺激されました。


>「あり得べき世界」を、誰的にも見ないことに決めている私としては、この一文が汲めません。
『帝国』より引用
こうした出来事に対して提供すべきいかなるモデルをも私たちはここではもち合わせていない。ただマルチチュードのみが、その実践的な実験をとおしてモデルを差し出し、いつ、いかにして、可能的なものが現実的なものに生成するかを決定するだろう。
----------------
「なんだよー、サヨは。またこれかよー」っていう呪訴が聞こえてきそうですね。


>今あるもので満足し、このままがいい、と思っている人は〈帝国〉など読まない方がいいのです。
ポストモダン的「シニフィアンの戯れ」なら『ミル・プラトー』で充分です。少なくともドゥルーズ・ガタリの「戦争機械」は腹一杯喰って太いウンコをしているように思えます。

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