★阿修羅♪ 現在地 HOME > 議論20 > 528.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
Re: どうしたら純粋培養の羊の群が獅子の群に変容するのでしょうか?[岩住達郎さんへ]
http://www.asyura2.com/0411/dispute20/msg/528.html
投稿者 岩住達郎 日時 2005 年 2 月 27 日 12:15:00: TcNSd0ZB71Ujg
 

(回答先: どうしたら純粋培養の羊の群が獅子の群に変容するのでしょうか?[岩住達郎さんへ] 投稿者 如往 日時 2005 年 2 月 25 日 14:03:56)

>政治史は私の専門ではありませんし、おそらく岩住さんにとっても専門外のことでしょう。ですから、互いに近代民主主義の淵源について詳述することは適わないものですが、しかしながらこの解釈を受け容れることはできかねます。そこで、己の拙い知識を思いっきり引っ張り出してみますと、近代民主主義の起源は清教徒革命を端緒(原形)にしてフランス革命が雛形となり、変形的ですが完成度の高い民主主義をもたらした例としてアメリカ独立革命が挙げられるでしょう。これ等の政変は暴力政治による虐待にたいする民衆の反発が主なる動因として勃発したものではなく、産業革命を契機に勃興してきた所謂ブルジョワジーと旧権力(王権)との相克を中心軸においた構図として描く方が、より正確に発生の原因を捉えることができるのではないでしょうか。そこでは、近代民主主義はブルジョワジーによる旧権力にたいする枢要なAlternativeであったわけで、それはギリシャ時代以来の西洋世界における政治的叡智の結集でもあったと考えています。

政治史の解釈は見る人の立場で色々と変わるのは当然と思います。従って同じ歴史的事実でも如往さんと私との間で見方が違うのは当然です。それに私は多くの歴史家や評論家の意見には全く左右されず、何が起こったかという事だけから自分の判断をしています。私の見解では欧州人で新世界に来たたのは宗教的自由を求めた人達はむしろ少数で大部分は金儲けが目的だったのです。昔から支配層が被支配層に求めたのは労働又は金品の形としての税金です。それを拒否すれば支配層は暴力を振るった為、被支配層がその対抗手段として支配層から独立するか、そうでなければ支配層の権力を制限する、つまり民主化するかの二つしか無かった訳です。

アメリカが独立戦争に勝った後民主制を敷いたのは欧州での惨めな支配層と被支配層の関係を新大陸でも繰り返したくなかったからだ、と私は解釈します。この頃には既に支配層の間では民主化を国民の不満を宥めて騙す手段として考えられていた筈です。勿論、古代ギリシャ時代に既に民主の理念はあった訳ですが、この民主は支配層の間での権力の共有であって女性や奴隷には何の権利も無かったのですから、貴族階級と市民階級の間での民主とは違います。


>相互信頼度が高いのではなく、他者をはじめから疑ってかからない、国内的にもそうした心象風景が日本人の心をつい最近まで支配して来たことは否めないでしょう。けれども、日本人が最初からそうした国民性を有していたわけではなく、偶然にも他国の支配を受けて来なかったアジアの歴史上も希有な国民だったことなど、日本人が他者を疑ってかからなくはならないような心性に至らずに済んだ歴史的経緯も看過することはできないでしょう。対外的な問題に対処するとき上層部の人達の見識がその程度の基盤しか有し得ないとしたら、日本の先行きはまったく危ういとしか言えません。その点をあっしらさんも前掲のスレッドと一聯のレスの中で指摘してもいます。

日本人が外国人に対し彼らが日本人と同様のお人好しさや善意や信頼度を持っているという前提で交際しようとする危険性については私も何年も前から警告して来ました。だからこそ前にも外国人に対応する職にある日本人に対し特別な訓練の必要性を説いてきたのです。外国人に今まで何度も酷い目に遭わされた企業人は直ぐに対応してきたのですが、政治家と官僚は自分達の失敗が直ぐに自分の懐に響かないからいつまで経っても良くならないのです。これを正すには外国人との交渉で失敗した政治家と官僚を直ちに解雇する法律を作らなければ駄目です。


>岩住さんの“論理教育”の概容が見えて来ぬまま、こんな質問をすることは躊躇されるのですが、物理学者 Ernst. Machの思考方法についてどう思われるでしょうか。私見ですが、摂理の背後に何かしらの(自然の)英知が感得されるとする岩住さんの思惟の領域を脇におけば、Machの論理実証主義と岩住さんのそれとは多くの部分で暗合しているのではないかと推察しているのですが、間違っているでしょうか。
 それから、おそらく岩住さんは山本義隆氏と同じ世代ではないかと想われますし、物理学のカテゴリーで生体物理と理論物理がどのような系統に配されているのか存じ上げませんが、東大の学部時代や院生当時を通じて山本氏と何らかの接点がありましたら、どんな印象をお持ちであったか、お聞かせいただければ嬉しく思います。これは、“理科系論理体系”と“文科系論理体系”を媒介言辞にしてあっしらさんとやり取りをされていたときに、ふと湧いた疑問です。すなわち、山本氏ならばどのような応答をするだろうかと。何卒よろしくお願い申し上げます。

私は1961年に渡米しましたから、日米安保反対の学生運動が始まったばかりの頃です。山本義隆氏の名前は始めて聞きました。彼の履歴をインターネットで見ましたが、彼は数年後輩に当たりますし、たとえ時期が一時重なっていても私は航空工学と電気工学の出身ですから出会う事は無かったでしょう。それに当時の私は全く政治には興味ありませんでした。Machについては彼の物理学者としての仕事は知っていますが、彼の哲学的な思想については勉強した事はありません。

日本では哲学を何か特別な学究的な物と捉える人が多いようですが、哲学というものに対する私の認識は「日本の取るべき戦略」にも述べました様に、哲学は人間の数だけ存在する、というもので欧米人のphilosophyに対する認識と同じです。真理は科学理論の手続きを経て到達できても、哲学から真理に到達する事は不可能です。ですから私は他の哲学者の言う事には「それはその人の価値観に過ぎない」と思うだけで殆ど意に介しません。私が他の哲学者から学ぶとすれば論理の構築法だけで、その人の哲学の内容が何であろうと意に介しませんし、ましてや尊敬の念を抱くこともありません。私は偉人の伝記にも全く興味が無いのです。これは二度と同じ事は起こりえないのだから、偉人の経歴が自分に役立つ事はあり得ないという理由です。私が求めているのは科学理論としての真理だけです。

私のいう論理教育とは飛躍のない論理を一歩一歩築いていく訓練という意味であって、形式的な論理演算を教えるという意味ではありません。授業としては論理演算を教えるのは簡単ですが、それだけでは殆ど役に立ちません。従って、与えられた価値観から出発して哲学的思想を飛躍無しに組み立てる訓練と言えるでしょう。そして論理演算は組み立てた議論の論理性をチェックする為に使うだけです。日本人はこの訓練を積んでいないので、欧米人の色々な思想を学ぶと畏敬の念に駆られてたちまち嵌められてしまうのです。何だこんな物俺だって作れるよ、と思えば欧米の思想家なんてちっとも尊敬しなくなります。日本人は欧米人の碌で無しを買いかぶりすぎです。

最後になってしまいましたが、「どうしたら純粋培養の羊の群が獅子の群に変容するのでしょうか?」という如往さんの問いについては、日本だけでなくどの国でも被支配者の大多数は羊で愚かで、彼らを総動員して政権を倒す手法は昔から同じです。つまり政治的野望を持った一握りの人達が愚かな羊たちを洗脳し集団行動に駆り立てる事です。今までのやり方は資本主義とか共産主義というイデオロギーがあって政府を組織し、愚衆に利益を約束して、その組織を動かす権力を手中に収める事が政治家の目的だった訳です。

私の提案する数理民主主義は修正資本主義を内蔵していますが今までのイデオロギーと根本的に違うのは政治権力を持つのは人間ではなく幸福指数という数式です。政治家や官僚は幸福指数を補佐する役割を果たす事になります。幸福指数に含まれる係数は国民が持つ綜合的価値観を満たした時に指数が最高値を示す様になっている訳ですから、政治家や官僚の特定個人が自分の価値観を国民に押しつけようとすると指数が下がります。また、幸福指数の係数には拘束条件が付けてありますから衆愚制度に陥る心配はありません。この幸福指数イデオロギーで先ず国民を洗脳し集団行動に駆り立てて大規模なデモ行進を全国的に繰り広げるのが最も良い戦略だろうと思います。

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      HOME > 議論20掲示板



フォローアップ:


 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。