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Re: イタリアの黒いプリンス byアレン・ダグラス (4)
http://www.asyura2.com/0502/cult1/msg/683.html
投稿者 kamenoko 日時 2005 年 6 月 08 日 01:23:13: pabqsWuV.mDlg

(回答先: Re: イタリアの黒いプリンス byアレン・ダグラス (2) 投稿者 kamenoko 日時 2005 年 6 月 06 日 15:18:36)

http://www.nationmaster.com/encyclopedia/Lyndon-LaRouche

イタリアの黒いプリンス
対国家テロ戦争 by アレン・ダグラス

その4

 NATOの暗殺局

テロリズム、暗殺の拡大と欧州政治的概観の再構築における、NATO指揮
部隊グラディオ、もしくはその関連による動きは目覚ましかった。

しかし極めて重大な但し書きをここに加えるべきであろう。冷戦時代の
欧州全体を、”緊張の戦略”テロで不安定化させたのはまずもって、
グラディオのような”公的”秘密部隊、NATOや各国の秘密情報部内の
”エンベッド”シナルキスト私的部隊である。元ファシスト、ナチス
精鋭やP2のような秘密結社の裏部隊と、これらが上級ポストに人員を
送る国家的組織 ”風車(Rosa dei Venti)や”防衛の核”といった
”公的”部隊の”並列”ネットワークは、実際はテロ/不安定化計画を
主導するNATO等の高官たちに虚偽の顔を与えつつ、危険な企てを進めて
いた。

この混乱は危険であるが、解明されてもいる。銀行家ロベルト・カルヴィ
(Roberto Calvi)の死去に次ぎ、80年初頭にP2のメンバーリストが
暴露されると、この秘密結社がイタリアを始めとする欧州幾つかの国と
ラテンアメリカの治安部隊と政党全般に浸透していたことが明らかに
なったからである。

”並列”部隊による殺戮は顕著である。”殺戮テロリスト真犯人の
誤識別に関する上院委員会(グラディオ・P2に関する”テロリズム委員会”
94-01年)の長ジョヴァンニ・ペッレグリーノ(Giovanni Pellegrino)に
よると、政治的動きに対するグラディオ主体の破壊・暴力行為は、イタリア
だけでも14,591件に上り、491人の死者と1,181人の負傷者もしくは身体
障害者を出したこの欧州諸国内に比類なき戦闘’活動’は、永劫記憶
されるべきであろう”。

伊仏グラディオへの戦略的支援は、NATOのサルディニア基地の他、ステイ
ビハインド部隊も置かれていた、独裁者アントニオ・デ・オリビエラ・
サラザール(Antonio de Oliveira Salazar's Portugal)のポルトガル
アジンター・プレス(Aginter Press)も行っていた。反ドゴール派の
古参、プロファシスト秘密軍組織(Secret Army Organization OAS)、
ドゴールがアルジェリアで包囲されるとポルトガルに渡ったイヴ・
グエリン・セラック(Yves Guerin Serac)が主導していた組織である。
主人シナルキストの最終ゴールを批判しながらセラックは、「OASの後を
追ってポルトガルに飛んだのは、闘争継続とその真の規模への、地球的
規模への拡大のためだった」と述べ、自身の計画をこう説明する。
NATOの”共産テロ”を口実に利用した”共産主義”との戦いであると。
すなわち;

「我々の政治活動の第一段階は、全ての体制側の組織にカオスを作り出す
ことだった。無差別テロ(多数の犠牲者を出す無差別殺戮)と選択テロ
(選ばれた人物を排除する)、2形態のテロリズムがこの状況を誘発する。
これらによる国の崩壊は、可能な限り”共産主義者の活動”に見せかけて
実行されなければならない。その後は軍、司法、教会の中枢に介入し、
解決策を示唆し、現行合法機関の脆弱性をはっきり見せつけながら
大衆世論を形成する。大衆世論は、我々こそが国家を救済できる唯一の
代表組織であると偏向形成されなければならないのだ。このような計画を
実行に移すには、当然ながら莫大な資金源を要する」。

ON党ヴィンチェンツォ・ヴィンチグエラによると、アジンター・プレスの
イタリア代表はステファノ・デッレ・チアイエだった。ダニエル・
ガンサーによると、”スペインで遂行された、推定50の暗殺を含む、何千
もの血なまぐさい攻撃の真の立役者はデッレ・チアイエだった」。

ポルトガル国内やその植民地で遂行された暗殺で、アジンター・プレスは
ポルトガルの秘密情報部PIDEと共謀した。ポルトガルのジャーナリストに
よると、69年のエドワルド・モンドラネ(Eduardo Mondlane)モザンビーク
開放運動(Frelimo)大統領と、73年のアミルカル・カブラル(Amilcar
Cabral)ギネア-ビッサウ(Bissau)解放運動リーダー暗殺が含まれる。
さらに、最近のセルジオ・フラミーニ(Sergio Flamigni)元伊上院議員の
暴露によると、PCIの支持をとりつけたDC(民主キリスト教)政権の
ジューリオ・アンドレオッティが遂に門下に下りかけた78年3月16日、
”並列”部隊は傘下組織 赤い旅団(Red Brigades)を使ったアルド・モロ
首相誘拐殺害をコーディネートした。

NATOとグラディオの組織に浸透していたシナルキスト・ネットワークは、
他の国家元首暗殺にも関与しているだろうか?

63年11月22日ケネディ米大統領暗殺をコーディネイトしたローマ・ニュー
オリンズ ベースのパーミンデックス(Permindex )社は、仏情報部SDECE
の調査によるとドゴール暗殺計画にも20万ドルを注ぎ込んだ。ファシスト
中核の概相とパーミンデックス/CMC人脈との関係をざっと調べてみるだけ
でも、その英米情報部高官、資金コネクションとの夥しい繋がりは、
パーミンデックスとローマベースのCMC(Centro Mondiale Commerciale )
がNATO/グラディオ組織の一部であることは疑いようのない事実であろう。

スイスのベルンに本拠地を置くパーミンデックス社は、ダレスの元根城
であり、特殊工作戦闘部(OSE)とOSSの精鋭高官たちが鎮座する。また
パーミンデックスの大株主であるカナダベースの弁護士兼投資家ルイ・
モーティマー・ブルームフィールド(Louis Mortimer Bloomfield)は、
CMC株式も50%所有している。ボードメンバーは、”反共産主義”に
貢献した貴族、様々な情報機関を経たファシストたちの混成である。
元ムッソリーニの農政次官、英国に支援されたシチリア独立運動の長官
グイティエレ・ディ・スパダフォラ公爵(Guitierez di Spadafora)、
戦後の国際ナチスの財政的トップ ヒャルマー・シャッハトの外戚であり、
サヴォイ王家の個人資産を管理していたローマの弁護士カルロ・ダメリオ
(Carlo d'Amelio パラヴィチーニ家の資産も管理していたとの情報も
ある)、CMCの設立会長・民兵武装組織のためのファシスト連合会
(Fascist National Association for Militia Arms)会長ジュゼッペ・
ジジョッティ(Giuseppe Zigiotti)ほか、戦時のファシストである
元OSSロンドンとOSE出身クレイ・ショウ(Clay Shaw)暗殺工作員らの
名前が散見される。

カナダのブルームフィールドがパーミンデックス会長の座に、その国際
組織CMCはローマに本拠地が置かれ、クレイ・ショーの牙城ニューオリンズ
のインターナショナル・トレード・マートはパーミンデックス/CMCの
子会社である。フリーダム オブ インフォメーションアクト(FOIA)に
よる公開情報によると、退役OSSショーは、CIAのためにも働いていた。
ショーの暗殺関与を示す証拠は豊富に揃っており、ニューオリンズ検察局
ジム・ギャリソン(Jim Garrison)から起訴されている。彼の電話帳に
黒いプリンスのメンバー、プリンセス・マルチェッラ・ボルゲーゼ
(Marcella Borghese)の名前があったことは注目に値する。またこの陰謀を
取り巻く下位人物のひとり、ダラスのナイトクラブ経営者ジャック・ルビー
(Jack Ruby 捨て駒リー・ハーヴェイ・オズワルドを暗殺)は、「ケネディ
暗殺の背後にはナチスとファシストがいた」と獄中から手紙で何度も訴えて
いる。信憑性の高いトービット(Torbitt)手稿によると、「ルビーは他の
誰よりもこの陰謀を知っている」。

パーミンデックス/CMCに、商業目的ではない巨大な資金源が流れた。幾つかの
基金は少なくとも、ナチス・カルテルと共謀していた30年代から、CIA長官の
座にいた53-61年までのアレン・ダレスと密接な関係を持っていたものを含め、
初期のナチスを支援した銀行から供給されている。フランス・イタリアの
報道によると、おそらく資金の行き先は、欧州のファシスト活動とジャック・
スーステル(Jacques Soustelle)とOASの資金援助をしていた怒れる反共
主義者フェレンク・ナジ(Ferenc Nagy)元ハンガリー大統領、もしくは
ニューオリンズ検察局ギャリソンによると、「(CIAの)エージェントとして
イタリアにファシズムを復活させようとした男ショーの、隠された生活」へと。
(6)

NATO部隊もまた、少なくとも62-62年にかけてのド・ゴール大統領暗殺未遂に
関わっている。この要因は明らかに、66年フランスのNATO軍コマンドー
からの撤退であろう。最終的にフランスは、50年代の”覚醒オペレーション”
”反共産主義”におけるNATOの主要ターゲットとなり、グエリン・セラック
のような反ドゴール派は必然的にNATOの協力者となった。元仏軍情報局
DGSE長官ピエール・ラコステ(Pierre Lacoste 1982-85)は、ド・ゴールと
彼のアルジュエリア独立計画に対する幾つかの”テロ活動”は、”フランス
グラディオ組織の限られたメンバー”が関与していた、と90年アンドレ
オッティがグラディオの存在を公にした後に苦々しく認めている。

62年のド・ゴール暗殺未遂事件の捜査を5年がかりで行った仏SEDCEは、
暗殺が英仏の司令官クラスのグループによってブリュッセルのNATO本部で
計画され、作戦遂行ネットワークに元ファシストたちが採用されたことを
突き止めた。

また86年2月28日にストックホルムで暗殺されたオロフ・パルメ(Olof Palme)
スウェーデン首相のケースがある。グラディオの並列部隊関与の確たる
証拠はないものの、スウェーデンの調査記者は疑いを持っているようだ。
スウェーデンの最有力日刊紙Dagens Nyheterは、92年4月28日の一面見出しを
「オロフ・パルメ暗殺の裏にNATO情報部内部のトップが」とし、ゴラン・
ベッケルス(Goran Beckerus )記者は、SOPSの名称で知られるNATOの内部
委員会がコードネーム”オペレーション・ツリー”暗殺計画を監督したと
告発する。

 貴族とマルタ騎士団

国際テロリズムの真の立役者を解明するために、グリーン/マッシニャーニ
が暗示のみを残した領域に踏み込むべきであろう。

イタリアのグラディオ、P2研究者が再三暗示しているように、彼らの前に
あるのは、アンタッチャブルかつ堅固に固められた権力組織活動の表面的
トレースに過ぎない。言い換えれば、イタリア上院”テロリズム委員会”
ペッレグリーノ上院議員が確信しているように、P2のジェッリは更に
巨大な地下サークルの表の顔であり、P2を’港’とするなら、最近も「国を
動かしているのは自分だ」と自慢げに語るために再浮上したジェッリは
ただの’港湾長’の域を出ない。それではこの巨大な権力を構成するのは
誰、もしくな何なのか?国の外部からのそれは英米シナルキストたちで
あるが、イタリア国内の巨大な権力の保護を受けているはずのグラディオと
エンベッド’並列グラディオ’は、スカウトされた秘密情報部員だけで
あるはずがない。

グリーン/マッシニャーノは、のちにグラディオの主要構成員となった
XMASの主導者層を、名指しは”黒いプリンス”とイタリア王位継承権を主張
しているアオスタ公爵の2名に留まったものの、イタリアの大貴族とみなして
注目している。ローマの黒い貴族の間では実際、1900-45年までイタリアを
統治したヴィットリオ・エマヌエレ3世(Victor Emmanuel III よって
ムッソリーニはヴィットリオ・エマヌエル3世国王の首相ということになる)
よりアオスタ公の方が人気が高い。イタリアの黒貴族リーダーとして知られる
プリンセス エルヴィナ・パッラビチーニ(Elvina Pallavicini)はかつて、
「アオスタ公のほうがはるかによいけれど、今の私たちはヴィットリオ・
エマヌエレにしがみついているのよ」と宣言したことがある。XMASの中核から
ボルゲーゼのようにNATOのグラディオ組織重要構成員となった貴族は、
どのくらいいるのだろうか?

’並列’グラディオによる最も悪名高い工作のひとつ、アルド・モーロの
誘拐殺害に、貴族が極めて重要な役割を果たしたのは間違いない。仔細に
調査を進めてゆくと、さほど不意打ちではないことがわかる。バチカン/
英諜報部/CIAによる”ラット・ライン”敷設やその他の”反共産”活動に、
貴族組織の中でも最有力のSMOM(マルタ騎士団)はなくてはならない存在で
あった。アレン・ダレスとジェイムス・アングルトンはSMOMメンバーだった。
SMOMメンバーの多くはP2有力メンバーである。ただしSMOMの方が比較にならぬ
ほど古く強大で、いくつかの事実からP2はSMOMの”工作部隊”としての副産物
とみなす方が妥当であろう。まずはモーロ殺害事件における貴族の役割を
手短に解説し、それからSMOMの詳細に移りたい。

グラディオの組織名は、ローマの短剣Gladioに因んで付けられた。78年
5月9日直示的には赤い旅団に殺害されたアルド・モーロは、ローマ競技場、
刀剣士たち(グラディエーター)が死闘を繰り広げた場所の外に遺棄された。
この象徴的繋がりは、調査記者でありしばしばSID内部のスポークスパーソン
となるミーノ・ペコレッリ(Mino Pecorelli)が強調するように、明らかで
あろう。赤い旅団の実行工作員はマリオ・モレッティ(Mario Moretti)で
あるが、フラミーニ元上院議員の近著によるとモレッティは幼少期より
有力貴族カザーティ・スタンパ(Casati Stampa)家の庇護を受けていた。
アンナマリア・カザーティ・スタンパ侯爵夫人は、愛人としてネオファシスト
の若者数人を囲っており、うちひとりがおそらく高校進学資金援助を受けて
いたモレッティであったのだろう。グラディオの指示で、ネオファシストの
モラッティは”左翼”に転向し赤い旅団を率いた。(7) 
カザーティ・スタンパ家とファシズムは深いつながりを持つ。彼女の夫の
叔父アレッサンドロ(Alessandro)はムッソリーニの最初の政府に閣僚
入りしており、ムッソリーニが転覆すると最初の王政主義政府に閣僚として
迎えられた。

カザーティ・スタンパ家と近しい友人に、自由党ジョルジオ・ベルガマスコ
(Giorgio Bergamasco)がいる。ベルガマスコは、ピエモンテの貴族
エドガルド・ソーニョ・ラータ・デル・ヴァッリーノ伯爵(Edgardo Sogno
Rata del Vallino)率いる民主抵抗委員会(Committee of Democratic
Resistance)の創立メンバーのひとりである。ソーニョはスペイン市民戦争で
フランコのために、次いでムッソリーニのために戦い、その後英国SOEに転じる。
アレン・ダレスの支払い台帳に年間1千万リラを受け取っていた記録が残る
彼の委員会は、グラディオの伸張核組織であった。国防大臣ジューリオ・
アンドレオッティを包囲した74年のクーデターを率いたのもソーニョであり、
フラミーニの著作はモレッティ率いる強硬路線赤い旅団の活動が、実は
ソーニョのNATO支配組織によって実行されていたかを解き明かしている。

モーロ殺害直後に、ラルーシュのイタリア同僚が刊行した小冊子”誰が
アルド・モーロを殺したか?”は、ローマのオリガルキー カエターニ
(Caetani)家への注意を喚起している。モーロの遺体はカエターニ宮殿
の近くで発見された。グラディオの真のリーダーは、英国貴族で第二次
大戦中からその後数十年の間英国情報部高官を勤めたヒューバート・
ハワード(Hubert Howard)とする調査もある。ハワードは17世紀の
セルモナータ(Sermoneta)大公ロフレード・カエターニ(Roffredo)の娘
レリア・カエターニと結婚し、夫妻でカエターニ宮殿に住んでいた。
西側・イスラエル・ソビエト情報部の2重、3重エージェント イゴール・
マルケヴィッチ(Igor Markevich)もここに住んでいた。彼とハワードは
高位の’秘密’メーソン組織のリーダー格で、複数情報筋によると
赤い旅団とのモーロ開放’交渉’を率先したとされる。連絡係の隠れ蓑と
して都合が良い。英国情報部ヴェテラン ハワードはまた、複数筋から
グラディオ秘密チーフと指摘されており、その情報は信憑性が高い。
英国で最も権力を持つ家系のひとつ、ノーフォーク公爵家の一員である
カトリックのハワードはイタリア貴族と親密な繋がりを持ち、特に
ベネチア貴族との親交は少なくとも18世紀から続いている。彼の母は
ベネチアとジェノヴァの有力家系、ユスティニアヌス帝の子孫と主張する
ジュスティニアーニ家の一員である。またハワード一族は19世紀にローマ郊外
フラスカーティ(Frascati )枢機卿を輩出しているが、その2世紀前まで
カエターニが有していたポストである。13世紀の終わりにべネデット・
カエターニ=ボニファティウス8世を輩出しているカエターニ家は、教会内
での権力を長く保持しつつ、20世紀の”啓蒙的”イタリア貴族の翼をなし、
ムッソリーニの影響を未だに振りまいている。

イタリア貴族がファシズムとテロリズムの扇動に演じた役割を記す報告書の
すべてがプリンセス エルヴィラ・パッラヴィチーニに言及している。
カトリック貴族の国際統合組織”高潔と伝統(Noblesse et Tradition)”
において、パッラヴィチーニは分離派でありヨハネス・パオロ2世から88年に
駆逐されたマルセル・レフェーブル大司教の、ローマおよび海外チーフ・
スポンサーをつとめる。プリンセスはまたその最近の死まで、ドゥーチェ
(ムッソリーニ)の孫娘 元ポルノスターでネオ・ファシスト党員として
地元選挙区から立候補したアレッサンドラ・ムッソリーニ等、ネオ・
ファシスト・グループの後援者であり続けた。

・・・続く

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