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低威力地中貫通核兵器の民間人に対する脅威:核バンカー・バスターとその医学的影響
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投稿者 Kotetu 日時 2006 年 8 月 31 日 02:58:41: yWKbgBUfNLcrc
 

(回答先: 「核融合爆発は・・最少臨界量を必要としない」【「エネルギーと安全保障」日本語版】純粋水爆のサイズは自由自在。 投稿者 たけ(tk) 日時 2006 年 8 月 31 日 00:37:10)

低威力地中貫通核兵器の民間人に対する脅威:核バンカー・バスターとその医学的影響

(原文 http://www.ippnw.org/NukeEPWsFull.html

ヴィクター・サイデル MD(医学博士)、H・ジャック・ガイガー MD、MS(公衆衛生学修士)、ハーバート・L・アブラムス MD、ロバート・W・ネルソン PhD(博士)、ジョン・ロレッツ

要約

すでに配備されているB61−11爆弾の改良型、新世代の低威力地中貫通核兵器(Low-Yield Earth-Penetrating Nuclear Weapns, EPWs)の提唱者たちは、「最小限の相互被害」で、地中深く埋設された強固な地下要塞を攻撃できる、と主張している。しかし、きわめて低威力の核EPWであっても、都市または都市近辺の環境で爆発すれば、放射性ちりと放射性破片および他の放射性物質を数平方キロメートルに落下させることになる。広島、長崎に投下された原爆の10分の1の威力の核EPWは、数万の犠牲者に致死的な放射能を浴びせる。標的となった地下要塞に貯蔵される生物、化学兵器はEPWにより破壊されずに大気中に拡散するかもしれず、そうなれば無防備な民間人が殺傷される。核EPW攻撃による犠牲者数は、標的周辺の人口密度、ちりの拡散範囲、避難、立ち退きの可能性などの地理的条件で変わる。急性および永続性医学的悪影響に加えて、核兵器の使用は、核兵器拡散および核兵器使用に対する現行の規制を弱体化し、米国が広島、長崎で最初に核兵器を爆発させた1945年以降は維持されてきたタブーを破ることになる。

緒言

イラクに対する「専制攻撃」が切迫しており、地下司令部と、地下に貯蔵されていると想定されている生物、化学兵器を破壊する兵器の使用が懸念される。これらの標的は地中深く埋設され、地上爆発通常爆弾に対抗するべく、大量の鉄筋コンクリートで強固に保護されているであろう。地中貫通兵器−EPWs または”バンカー・バスター”は、高速で地面に命中し、爆発する前に地中に貫通するよう設計されている。地中貫通は爆発のエネルギーを ”カップリング(結合増幅)”して、地下標的に与える損害を増強する。

最近米国は、通常爆弾EPWおよび核爆弾EPWを配備した。最大かつ最強の通常爆弾システム(GBU−28、GBU−37)は、航空機から投下され、630ポンド(約300キログラム)の高性能火薬を、コンクリートなら6メートル、地中なら30メートルを貫通して爆発させる。通常爆弾搭載のEPWは地表から10メートル以内の浅く埋設された構造物は破壊できるが、さらに深く埋設され強固に保護されている標的には無力である。

米国はまた、航空機から投下する核装填(tipped)EPW(B61改11)を約50個保有している。実験によると現在のデザインは凍結地面を2−3メートル貫通するという。弾頭の威力は0.3キロトンから340キロトンだといわれる。EPW用に設計された新世代の核兵器の生産が提案され、考慮されている。1994年に制定された法律によって、現在5キロトン以下の威力の核兵器(ミニニュークと呼ばれる)の開発は禁止されているが、下院はこの規制を撤廃するよう勧めている。

2002年1月、国防省とエネルギー省は核態勢見直し(NPR)報告を提出した。議会に定期的に提出するこの文書には、国防省が必要と判断する核兵器が記載される。2002NPRは米国の核兵器の潜在的攻撃目標国として新たに5カ国を追加した。ロシアと中国に加えて、北朝鮮、イラク、イラン、シリア、リビアが脅威となる可能性のある国として名指しされた。NPRはまた、これらの国による生物、化学兵器の使用を抑止し、報復するのに核兵器が使用され得ると言明した。堅固な地中埋設標的の核EPWによる攻撃に、改めて強く注意が喚起された。2003年度エネルギー省特別予算として、現行のB61改造より有効とされる「核強力地中貫通弾、Robust Nuclear Earth Penetrator、RNEP」の予算配分が請求された。RNEPについて、B61を改良する場合の変更項目数と、米国の最大の核弾頭、B83の新たな改善策に、議論が集中した。改良の重点は、着弾時スピードが上昇しても、弾頭を壊さずに地中深く貫通させるように、外側装甲(ケーシング)を変更する、命中精度を上げる誘導装置の改良、正確な着弾角度で貫通力を保証する姿勢制御装置の改良、適正タイミングで爆発させる高性能ヒューズの設計、などである。

政府および米軍の関係者の一部は、これらの低威力地中貫通核兵器を使用しても、”最小相互損害”で済むと示唆している。そんなことはなく、地下核実験のデータと物理学的推定値に基づき、直接的に算定すると、きわめて低威力の核兵器といえども、都市環境で使用されれば、数万の民間人が犠牲になる。このような被災者がでれば、最高の医療施設でも対応できない。

キロトン級の核兵器がもたらす医学的被害(1万5千トンのTNT火薬の爆発力に相当する核兵器が1945年に広島、長崎で使用された)と、メガトン級核兵器による被害(TNT火薬2千万トンの爆発力に相当する威力の核兵器実験が米国と旧ソ連でなされた)が、詳しく研究されている。

核兵器爆発の特性

大威力の核兵器を使用した場合の影響の調査結果は、上空爆発か、地上爆発かで全く違う。広島、長崎に投下された原爆のように、核兵器を上空数千フィートて爆発させると、地上爆発の場合よりはるかに広い地域が爆風と熱線により破壊される。上空爆発により、核連鎖反応で発生する中性子とガンマ線の初期放出と、爆発で大気中に巻き上がる放射能粒子の降下により、地上の人々が被爆する。

一方、地表または浅地下爆発では、狭い地域が爆風と熱で破壊され、ガンマ線による被災者数も少ない。しかし、爆発の後で地面に巨大なクレーターができるのは確実である。1キロトンの核兵器の地上爆発で、ほぼ百万トンのちりが掘り出され、爆心地の周りの広い地域に撒き散らされる。爆弾が排出する核分裂生成物に加えて、地中から掘り出された物質が、核爆発で放出された中性子の初期照射により放射化され、フォールアウトになって蓄積する。

EPWは地下深く爆発するし、威力もこれまでの核弾頭よりはるかに低いので、核EPWは、人口稠密地域で使用しても、”最小相互損害”で済むと、この兵器を推奨する人々は、示唆している。2000年6月のワシントン・ポスト紙で、あるペンタゴンの官僚がつぎのように述べた。「今必要なのは、花崗岩の地下300メートルに掘られた要塞を、周辺の民間人を殺すことなく、攻撃できる何かである。」

われわれの一人(ネルソン)の分析によれば、EPWは、核爆発とその生成放射能を封じ込めておけるほど、地中深く貫通しない。ネバダでの核実験の結果によれば、1キロトンの核爆発が排出する放射能を完全に封じ込めるには、地下300フィート(100メートル)で完全に密閉する必要がある。しかし、最高硬度の鋼鉄で作られたミサイルでも、秒速900メートルで地面に衝突すれば、破壊され、地中に貫通することなどありえない。このことが、ミサイルの強化コンクリート貫通可能距離を、ミサイル長の4倍までに限定する。3メートルのミサイルなら12メートルが最大の貫通距離である。最高強度の素材を用いても、秒速1キロメートル以上の衝突速度なら着弾時に貫通弾と弾頭はくしゃくしゃに破壊される。比較的浅い地中での爆発で、地表は爆破され放射性ちりと破片が噴出する。放射能ファールアウトの最初のピークが数平方キロメートルの地域に広がる。その地域に2,3時間以上残留するすべての人の被曝は致命的で、残留時間がそれより短くても重大な傷害をうける。その詳細は後に述べる。

生物、化学兵器の拡散

EPWが地下貯蔵庫を攻撃した場合の影響を予想すると、放射線被曝の危険に加えて、貯蔵有害物質はEPWにより燃焼破壊されないことが確からしい。そればかりか、その一部は地表および空中に散布される。この種の有害物質を貯蔵する現今の地下施設は、通常、多数の貯蔵庫をもつ複雑な長いトンネル構造をしている。この種の構築だと、地下爆発の熱エネルギーと爆風の威力は減弱される。一部の貯蔵タンクは爆風で破裂するが、有害物質それ自身は破壊されない可能性が高い。

1991年の湾岸戦争および他の貯蔵地点の破壊の例によれば、爆薬の点火により有害物質が放散することが確認されている。2002年9月に上院に送られたメロ、ネルソン、フォン・ヒッペルの報告は、次のように述べている。「核攻撃は、標的の生物、化学兵器を破壊するよりは、むしろ、それらを放散させるであろう。したがって、もっとも起きそうな結果は、大気中への致死性物質の放出で、風下の広範な地域の無防備な民間人を殺す可能性がある。軍人はかなり防御されるであろう。

電離放射線の影響

核兵器使用の医学的被害についてのかつての研究には、次のような電離放射線による傷害が分析の対象となった。(1)核爆発による爆風および熱に耐えて生存した被災者の、第一次放射線照射による被曝傷害;(2)核爆発により生成した放射性核種のフォールアウトによる被曝傷害。最初の傷害例は広島の地下壕で被爆した人々で、爆風と熱からは逃れたが、放射線疾患で死亡した。広島、長崎のその他の生存者は第一次放射線放出時の中性子線とガンマ線被曝障害をこうむった。中性子線とガンマ線は遮蔽物を貫通するので、爆心よりかなり遠隔な地点でも放射傷害を引き起こす。2,3シーベルト(100レム)の被曝により、重篤な疾患、運動障害、さらには死亡が結果する。より少量の中性子線、ガンマ線による被曝でも、がんが発生することが、ABCCおよびその継続機関の放射線影響研究所による広島、長崎の原爆被爆者の長期追跡調査で証明されている。

爆発で放出される中性子線およびガンマ線の直接被曝に加えて、被災者は爆心地域または遠隔地でフォールアウト中の放射性核種を吸入または摂取する。これら摂取または吸入した放射性核種はアルファ線とベータ線を放射し、体内組織に深刻な障害を与える。米国および旧ソ連が行った大気圏核実験により生成した半減期の短い放射性ヨード、I−131の吸収により米国で生じた甲状腺がんを推定した国立がん研究所の報告がある。1963年の部分的核実験禁止条約により、大気圏内核実験を禁止した理由は、フオールアウト中の放射性核種であった。

地中浅く1キロトン級の核爆発があると、地面の放射能が2,3平方キロメートルに高濃度に拡散するであろう。放射能の60パーセントは局所的に高濃度に残留し、最初の24時間で、放射能は半分以上低減する。この間、フォールアウトが拡散する距離は風速が決定するが、破片が広い地域に分散する。

図10.43キロトン地下核実験からのフォールアウトの等線量線。内側の2本の線内では致死的被曝および急性放射線傷害が発生する。核地中貫通兵器による被曝と同等と考えられる。(ネルソンの資料)

図1は、0.43キロトンの地下核実験が排出するフォールアウトによる等放射能線である。地下34メートルに埋設した場合排出される放射能総量は減るが、中心部にもっとも近い線内の人々は1時間あたり1,000ラドかそれ以上被曝し、2番目の線内の人々は1時間あたり100ラド被曝する。1時間あたり1,000ラドの被曝だと、大多数の人は10分間の被曝で放射能起因症状を呈し、45分間被曝すれば致死量に達する。1時間あたり100ラドの被曝でも、1,2時間被曝すれば放射線起因疾患になり、4,5時間の被曝で致死的な傷害をうける。被曝した人々をできるだけ早く、その地域から退避させねばならない。もちろん、被災者は熱や爆風が作った破片で傷害を受けているか、他の人々の救援に追われているだろう。放射能は見えず、検出するには感知バッジその他のモニターが必要だから、被災者は放射能被曝とその強度に気づかない。これらの被災者が被災地域から脱出したら、衣類その他の放射能付着物を除去し、被災者その他の更なる被曝を防止せねばならない。被災者は、排水が管理されたシャワーにより、皮膚や毛髪の放射性物質を洗浄せねばならない。

放射線被曝の医学的被害

放射線傷害により複数の器官系が悪影響を与える;その範囲、重篤度、進行、病状継続期間は、被曝線量、およびガンマ線、中性子線、あるいは特定組織に集積して作用する放射性核種による被爆、などの被曝タイプによって変わる。ストロンチウム-90は骨に、I−131は甲状腺に集積する。この種の被曝は後年になってがんを発症させる。

急性の放射線による傷害では、有糸分裂中の細胞および代謝が盛んな細胞が放射能に敏感である。したがって、リンパ細胞、赤芽細胞、腸陰窩細胞などの激しく増殖する細胞が、高度に分化した筋肉や神経細胞よりも、強く影響される。

上皮細胞がとくに傷つきやすいので、最初の症状はたいてい消化管の傷害を反映した持続性嘔吐、下痢、体液および電解質の消失などである。骨髄(白血球)および他の免疫防御機構も傷つきやすく、重篤な貧血、出血、および二次感染が共通して発生する。致死的な線量による被曝では、数日から1週間、あるいはそれ以降に死亡する。

全身に比較的高線量の放射線を浴びた人々の命運を決するのは、造血組織および消化管の傷害である。被曝線量が2シーベルト(200レム)以上だと、吐き気と嘔吐が即時に現れる症状で、そのおよそ3分の1の被災者は食欲消失と下痢をともなう。

いわゆる”前駆”症候群のこの初期症状に続いて、3つのタイプの特徴を示す末期症状が出現する。被曝線量が20−150シーベルトの場合、神経系および循環機能の崩壊で数時間から数日で死に至る。5−12シーベルトであれば、消化管症状が、数日から数週間で次第に重篤化し、末期にいたる。より低い2−4シーベルトの被曝であっても、被曝後数週間で、骨髄不全による死亡をまぬかれないであろう。

被曝直後に症状が発現しても2,3日間は白血球数は変化しない。造血細胞、赤芽細胞の破壊により、次第に赤血球、白血球、血小板の数が減少する。しかし、骨髄が活動停止し、失われる血球の補給が不可能になり、放射線障害が現実に明瞭になる。被曝2,3週間のこの時点で、感染および骨髄不全により、発熱、悪寒、口腔咽頭潰瘍、貧血が発現する。

乳幼児、子供、老人、慢性病患者、妊娠可能年齢婦人がとくに易損性が高い。これらの人々はすでに病気または栄養失調により、抵抗力が低くなっているかもしれない。現に、イラクでは、1991年の爆撃により給水および食料供給が影響を受け、国連による経済封鎖とそれに対するイラク政府の対応の結果、食料が不足し、医療、衛生のインフラストラクチャーが破壊されたために、感染と栄養失調が蔓延している。爆風による傷害、火傷に被曝がかさなれば、相乗的に作用する。その他の相乗有害効果としては、被曝による免疫機能の低下と病原体による感染が挙げられる。

急性放射線傷害に特異的な効果がある治療法は存在しない;維持療法(経静脈輸液、血液透析、抗生剤投与)が提供可能な治療のすべてである。抗生剤治療という手段があるのだが、−適当な薬剤が手に入るとは限らない−、なおかつ感染が主な死亡原因である。非致死的被曝被災者にとって、抗生剤投与治療が可能かどうかが、急性症状を切り抜け、回復できるかどうかの決め手である。たとえ、切り抜けても、長期的影響が出るかもしれない。大多数の被爆者について、医師には被曝線量と被曝の種類を特定することができない。したがって、回復可能な被爆者を死亡が確実な患者から(被曝線量、被曝の種類が分かれば)区別し、救助効率をあげることは可能なはずだが、現実には(分からないので)不可能である。病院、診療所、その他の医療施設が、適当な汚染除去装置を備えていなければ、医師、看護士、医療従事者が、被曝者の汚染された衣類で被曝する危険にさらされる。

核EPWの爆発後の数週間に、上述したような被曝が、一挙にではなく、時をえらばず、発生するであろう。もし、治療救助体制が存在すれば、治療上もっとも重要な感染と出血に効果的に対処できるだろう。

複合作用と医療機関の対応

都市または都市近辺の地下要塞を標的にした核EPWの使用には、ふつうは、同時に通常兵器による空爆、戦闘ヘリコプターの攻撃、陸上戦闘などの軍事行動がともなうことに、留意する必要がある。これらの複合軍事行動により、パニックが起き、避難命令の通達が阻害され、民間人犠牲者数を激増させる。放射線被爆に加えて、外傷患者が医療施設にあふれることになる。その結果、医療機関、医療用人員、医療資材、用具の提供および医療体制全体の機能が損なわれるにちがいない。全血、赤血球、血小板、血漿、アルブミン、乳酸リンゲル液などの輸血用資材、包帯、点滴用資材、注射器、抗生剤、麻酔薬が必要である。病院は、1991年の湾岸戦争の時のように、上水の給水、下水排出の停止、電話その他の通信手段の途絶、電力供給設備の破壊、輸送手段の崩壊により、機能不全に陥る。

避難と空洞化

避難と空洞化のスピードと達成度はいくつかの要素で決まる:(1)被災者の移動能力;(2)輸送手段の確保;(3)被災者、輸送手段の物理的ダメージまたはパニックによる、避難、退避の阻害、などである。ファールアウトからの被曝の大部分は爆発ご2,3時間で起こる。たとえば、ニューヨーク市のセントラル・パークの南の端で、ウイークデイに低威力核EPWが爆発すると、数百万人を急速に退避させなければならない。バグダッドはニューヨークより人口密度が高いので、爆発地域からもっと多くの被災者を退避させる必要がある。

1950年代と1960年代に、核兵器使用に対処するするのには”民間防衛”が有効だという想定で、非難、退避の課題が広範に研究された。その結果、避難の大部分は自動的に起こり、制御不能だという推測がなされた。核EPW爆発地点からの、制御不能の避難行動により、混乱、密集、大渋滞を起こすだけでなく、バンカーバスターが地下の生物兵器施設を攻撃した場合には、人から人伝染性の生物兵器に暴露される犠牲者数がより増加する。

核兵器使用の規制体制およびその他の無差別大量破壊兵器使用の禁止措置を弱体化する

米軍戦力に低威力核兵器を導入せよという核武装論者の努力は、核兵器使用の閾値を引き下げ、核兵器使用を受け入れやすくしようという動きの一つの側面である。低威力核兵器の唱道者は、通常兵器のかわりに使用できる、何故なら、相互の損害は最小だからだ、と主張する。われわれの分析によれば、それは正しくない。

さらに、低威力核兵器の使用は、大威力核兵器の、空中、水中、宇宙空間での使用に対する規制、制限を弱体化させる。その上、EPWのような新たな核兵器の開発には、地下核実験再開が必要になり、それは現行の世界的禁止体制の侵害で、包括的核実験禁止条約(CTBT)が世界的に承認される展望を打ち砕くことになる。それはほぼ確実に、新たな世界的核拡散の悪循環を加速することになる。米国以外の諸国も自分の新核兵器をもつという対応をするからである。

米国は現在通常兵器戦力において圧倒的な優位性を誇っており、誰も対抗しようのない世界に冠たるスーパーパワーである。核兵器は依然として米国市民の大多数の脅威になっている。CTBTおよび核兵器が他の諸国に拡散するのを防止する条約は、大いに米国の安全性を高める。新設計の実験を行い、新核兵器を開発するのは、結局、米国の国家安全保障だけではなく、地球の安全を崩壊させるものである。

(邦文文責:渡植貞一郎)

謝辞

Physicians for Social Responsibilityのプログラム・アナリスト アダム・ヒューズに、米国の核兵器にかんする最近のデータの使用の便宜供与を感謝する。

文献

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著者

Victor W. Sidel;モントリオール医科大学アルバート・アインシュタイン医科大学の著名な社会医学科教授。元IPPNW副議長、米国IPPNW支部、Physicians for Social Responsibility (PSR)創設者の一人、元会長.

H. Jack Geiger:ニューヨーク市医科大学、コミュニティ医学名誉教授。

Herbert L. Abrams;スタンフォード大学放射線学名誉教授、国際的安全保障と国際強力協力のためのsタンフォードセンター客員研究員。米国IPPNW支部、Physicians for Social Responsibility (PSR)創設時副会長、元会長.

Robert W. Nelson;プリンストン大学、ウウドロウ・ウィルソン社会、国際関係学部、社会、地球安全保障プログラム理論物理学者。

John Loretz;IPPNWプログラム・ディレクター。


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http://www.ask.ne.jp/~hankaku/html/bunker-buster-ippnw.html

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