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中國共産黨「日本解放第二期工作要綱」 (B)
http://www.asyura2.com/08/bd54/msg/502.html
投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 27 日 21:20:23: Gsx84HOp6wiqQ
 

(回答先: 中國共産黨「日本解放第二期工作要綱」 (A) 投稿者 石工の都仙臺市 日時 2008 年 11 月 27 日 21:18:55)

 
 
 
 
國民新聞(昭和47年8月)中國共産黨「日本解放第二期工作要綱」(B)
http://www5f.biglobe.ne.jp/~kokumin-shinbun/S47/4708/470801Bchina.html
 
 
中國共産黨

  「日本解放第二期工作要綱」(B)      


     B.工作主點の行動要領

            第1.群衆掌握の心理戰

            第2.マスコミ工作

           第3.政黨工作

            第4.極右極左團體工作

            第5.在日華僑工作

第1.群衆掌握の心理戰
 
 駐日大使館開設と同時になされなければならないのは、全日本
人に中國への好感、親近感を抱かせると云ふ、群衆掌握の心理戰
である。好感、親近感を抱かせる目的は、我が黨、我が國への
警戒心を無意識の内に捨て去らせる事にある。

 此れは日本解放工作成功の絶好の温牀と成ると共に、一部の
日本人叛動極右分子が發する

 「中共を警戒せよ!日本支配の謀略をやつてゐる」

 との呼び掛けを一笑に附し、叛動極右はますます孤立すると
云ふ、二重の效果を生むものである。

 此の爲に、以下の各項を速やかに、且つ繼續的に實施する。


1−1.展覽會・演劇・スポーツ

 中國の書畫、美術品、民藝品等の展覽會、舞劇團、民族舞踊團、
民謠團、雜技團、京劇團の公演、各種スポーツ選手團の派遣を行ふ。

 第一歩は、日本人大衆が中國大陸に對し、今なお持つてゐる
「輝かしい傳統文化を持つてゐる國」「日本文化の來源」「文を重
んじ、平和を愛する民族の國」と云ふイメージを掻き立て、更に高
まらせる事である。
 
 我が國の社會主義改造の誇るべき成果に就いての宣傳は、初期に
おいては少ない方がよく、全然觸れなくても構はない。

 スポーツ選手團の派遣は、ピンポンの如く、試合に勝ちうるもの
に限定してはならず、技術的に劣つてゐる分野の選手團をも數多く
派遣し、日本選手に學ぶと云ふ率直な態度を示して、好感を勝ち取
るべきである。


1−2.教育面での奉仕

 A.中國語學習センターの開設。

   全國都道府縣の主要都市の全てに中國語學習センターを開設
   し、教師を無報酬で派遣する。

   教師は、1名派遣の場合は女性教師、複數の場合は男、女
   半々とし、全て20歳代の工作員を派遣する。受講者資格は、
   もとより無制限とし、學費は無料又は極めて小額とする。

 B.大學への中國人中國語教師派遣の申し入れ。

   中國語學習センターを開設し、日本人青年層に中國語學習熱
   が高まつたところで、私立、公立の大學には個別に、國立大
   學に就いては日本政府文部省へ中國人中國語教師の派遣を申
   し入れる。

   申し入れを婉曲に拒否した場合は、「我が國の純然たる好意、
   奉仕の精bに對する非禮」を責めれば、日本のマスコミも
   大衆も、學生も許さないであらう。

   然し、第1囘で全勝を求める必要は無く全國大學の過半數
   が受け入れれば其れで良い。後は自然に受け入れ校は増加し
   ていくものである。

 C.委員會開設。

   「中日文化交流協會」を擴充し、中日民間人の組織する
   「日中文化教育體育交流委員會」を開設して實施せしめ、我
   が大使館は、此れを正式に支援する方式をとる。

   尚、本綱の全ての項目は、初期に於ては、純然たる奉仕に
   終始し、聊かも政治工作、思想工作、宣傳工作、組織
   工作を行つてはならない。


第2.マスコミ工作

大衆の中から自然發生的に沸き上がつてきた聲を世論と讀んだの
は、遠い昔のことである。次の時代には、新聞、雜誌が世論を作つ
た。今日では、新聞、雜誌を含め所謂「マスコミ」は、世論造成の
不可缺の道具に過ぎない。マスコミを支配する集團の意思が世論を
作り上げるのである。

 偉大なる毛主席は

 「凡そ政權を顛覆しやうとするものは、必ずまづ世論を作り上
  げ、先づイデオロギー面の活動を行ふ」

 と教へてゐる。

 田中内閣成立までの日本解放(第一期)工作組は、事實で此の教
えの正しさを證明した。日本の保守叛動政府を幾重にも包圍して、
我が國との國交正常化への道へと追ひ込んだのは日本のマスコミで
はない。日本のマスコミを支配下に置いた我が黨の鐵の意志とたゆ
まざる不斷の工作とが、此れを生んだのである。

 日本の保守叛動の元兇たちに、彼等自身を埋葬する墓穴を、彼等
自らの手で掘らせたのは、第一期工作組員である。田中内閣成立以
降の工作組の組員もまた、此の輝かしい成果を繼承して、更に此れ
を擴大して、日本解放の勝利を勝ち取らねばならない。


2−1.新聞・雜誌

A.接觸線の擴大。

   新聞に就いては、第一期工作組が設定した「三大紙」に重點
   を置く接觸線を堅持強化すると共に、殘餘の中央紙及び地方
   紙と接觸線を擴大する。

   雜誌、特に週刊誌に就いては、過去の工作は極めて不十分で
   あつた事を叛省し、十分な人員、經費を投入して掌握下に
   置かねばならない。接觸對象の選定は「10人の記者よりは、
   1人の編輯責任者を獲得せよ」との原則を守り、編輯を主對
   象とする。

 B.「民主聯合政府」に就いて。

   「民主聯合政府」樹立を大衆が許容する温牀を作り上げるこ
   と、此のための世論造成、此れが本工作を擔當する者の任務
   である。

   「民主聯合政府」叛對の論調を舉げさせてはならぬ。然し、
   如何なる方式かを問はず、マスコミ自體に「民主聯合政府」
   樹立の主張をなさしめてはならない。此れは、敵の警戒心を
   呼び覺ます自殺行爲に等しい。

   「民主聯合政府」に關聯ある事項を全く報道せず、大衆はこ
   の問題に就いて無智、無關心である事が尤も望ましい状態
   である。

   本工作組の工作の進展につれて、日本の叛動極右分子が何等
   の根據も掴み得ないまま焦慮に耐へ得ず、「中共の支配する
   日本左派勢力は、日本赤化の第一歩として、聯合政府樹立の
   陰謀を進めてゐる」と絶叫するであらう。

   此れは否定すべきであるか? もとより否定しなければなら
   ない。然し、否定は眞正面から大々的に行つてはならず、
   計劃的な愼重な間接的な否定でなければならない。

   「極右の惡質なデマで、取り上げるにも値しない」と云ふ形
   の否定が望ましい。

 C.強調せしむべき論調の方嚮

  @大衆の親中感情を全機能を舉げて更に高め、蒋介石一派との
   關係は完全に斷つ方嚮へ嚮かはせる。

  A朝鮮民主主義人民共和國竝びにベトナム民主共和國との國交
   樹立を、社説はもとより全紙面で取り上げて、強力な世論の
   壓力を形成し、政府に其の實行を迫る。

  B政府の内外政策には常に攻撃を加へて叛對し、在野諸黨の叛
   政府活動を一貫して支持する。特に在野黨の叛政府共鬪には
   無條件で賛意を表明し、其の成果を高く評價して鼓舞すべき
   である。

   大衆が異なる政黨の共鬪を怪しまづ、此れに馴染むことは、
   在野諸黨の聯合政府樹立を許容する最大の温牀と成る事を
   銘記し、共鬪賛美を強力になさしめるべきである。

  C人間の尊重、自由、民主、平和、獨立の強調

   此處に言ふ「人間の尊重」とは、個の尊重、全の否定を言ふ。
   「自由」とは、舊道徳からの解放、本能の開放を言ふ。
   「民主」とは、國家權力の排除を言ふ。
   「平和」とは、叛戰、不戰、思想の定着促進を言ふ。
   「獨立」とは、米帝との提携の排除、社帝蘇聯への接近沮止を
   云ふ。


2−2.テレビとラジオ

 A.此れらは、資本主義國に於ては「娯樂」であつて、政府の
   人民に對する意志傳達の媒介體ではない。此の點に特に留意し、
   「娯樂」として利用する事を主點とすべきである。

   具體的な方嚮を示せば、「性の解放」を高らかに謳ひ上げる
   劇又は映畫、本能を剌激する音樂、歌謠等は望ましい叛面、
   スポーツに名を借りた「根性もの」と稱される劇、映畫、動畫、
   または歴史劇、映畫、歌謠竝びに「ふるさとの歌祭り」等の
   郷土愛、民族一體感を呼び醒ますものは好ましくない。

   前者をより多く、後者をより少なく取り上げさせるやう誘導せ
   ねばならない。

 B.テレビのニユース速報、實況報道の利用價値は極めて高い。
   畫面は眞實を傳へるものではなく、作るものである。目的意識
   を持つて畫面を構成せねばならない。

 C.時事解説・教養番組等に就いては、新聞に就いて述べた諸點が
   其のまま適用されるが、此れは極めて徐々に、少しづつ注意深
   くなされねばならない。


2−3.出版(單行本)

 A.我が國への好感、親近感を抱かせるものを、第一に取り上げさ
   せる。風物冩眞集、隨筆、家庭の主婦が興味を抱く料理、育兒
   所の紹介など、受け入れられ易いものを多面に亙つて出版せし
   める。

 B.社會主義、毛澤東思想などに關する理論的著作も好ましい。
   然し、我が國の社會主義建設の成果、現況に就いては、極右
   分子の誹謗を困難ならしめるやう配慮させねばならない。

 C.マスコミの主流から締め出された叛動極右の叛中國の言動は、
   單行本に出路を求めてゐるが、此れは手段を盡くして粉碎せね
   ばならない。

   特に、社會主義建設の途上で生じる、止むを得ない若干の歪み、
   缺點に就いて、眞實を傳へると稱してなされる曝露報道を絶對
   に放置してはならない。此れらに就いては、誹謗、デマで兩國
   關係を破壞するものであるとして、日本政府に嚴重に抗議する
   と共に、出版社主、編輯責任者、著者を告訴して根絶を期すべ
   きである。

 D.一般娯樂面の出版に就いては「デンマークの進歩を見習へ」と
   して、出版界に於る「性の解放」を大々的に主張せしむべき
   で、春畫、春本の氾濫は望ましい。

 E.單行本の出版に就いての今一つの利用法は「中間層文筆業者」
   の獲得である。「中間層」とは思想的に純正左派、または右派
   に屬しない、中間の動搖分子を言ひ、「文筆業者」とは、凡そ
   文筆を以て世論作りに聊かでも影響を與へ得る者全てを言
   う。

   彼等に對しては或いは原稿料を與へ、或いは出版の支援をなし
   て接近し、まづ「政治的・思想的立場の明快さを缺く」中間的
   著作をなさしめ、徐々に我が陣營へと誘導する。


2−4.本工作にマスコミ部を設けて、諸工作を統轄する


第3.政黨工作

 
3−1.聯合政府は手段

 日本の内閣總理は、衆參兩院の本會議で首班指名選舉を行つて選出
される。兩院で議員總數の過半を掌握すれば、人民の意志とは關係な
く、任意の者を總理となし得るのである。

 1972年7月の現況で言へば、自民黨の兩院議員中、衆議院では
約60名、參議院では10餘名を獲得して、在野黨と同一行動を取ら
せるならば、野黨聯合政府は容易に實現する。

 然し、此の方式を取るならば、社會黨、公明黨の發言權を益する
に留まり、且つ最大の單獨多數黨は依然として自民黨であり、此の
2點は純正左派による「日本人民共和國」成立へと進む阻因と成るこ
とは明らかである。

 自民黨のみではなく、社會黨、公明黨、民主社會黨もまた、無産
階級の政黨ではなく、最終的には打倒されるべき階級の敵の政黨で
ある事を忘れてはならない。

 本工作組に與へる「民主聯合政府の樹立」と云ふ任務は、日本解放
の第二期に於る工作目標に過ぎず、其の實現は第三期の「日本人民
民主共和國」樹立の爲の手段に過ぎない。

 共和國樹立へ直結した、一貫的計劃の元に行はれる聯合政府工作で
なければ、行ふ意義は全くない。


3−2.議員を個別に掌握

 下記により國會議員を個別に掌握して、祕密裏に本工作員の支配下
に置く。

 A.第一期工作組が既に獲得したものを除き、殘餘の議員全員に
   對し接觸線を最少4線設定する。

 B.上の他、各黨の役職者及び黨内派閥の首長、有力者に就いては、
   其の祕書、家族、強い影響力を持つ者の3者に、個別に接觸線
   を最少2線設定する。

 C.上の接觸線設定後、各線を經て知り得る全情報を整理して、
   「議員身上調査書」の擴充を期し、公私生活の全貌を細大漏さ
   ず了解する。

 D.右により各黨毎の議員を「掌握すべき者」と「打倒排除すべき
   者」に區別し、「掌握すべき者」に就いては「聯合政府の樹立
   にのみ利用しうる者」「聯合政府樹立より共和國成立に至る過
   渡期に於ても利用し得る者」とに區別する。

   此處に言ふ「打倒・排除」とは、其の議員の黨内に於る勢力
   を削ぎ、發言權を低下せしめ、孤立に嚮かはせる事を言ふ。

 E.「掌握」又は「打倒」は調査によつて明らかと成つた其の議員
   の弱點を利用する。

   金錢、權力、名聲等、欲するものを與へ、又は約束し、必要が
   あれば中傷、離間、脅迫、祕してゐる私事の曝露等、如何なる
   手段を使用してもよい。

   敵國の無血占領が、此の一事に懸つてゐる事を思ひ、いかな
   る困難、醜惡なる手段も厭うてはならず、b聖なる任務の遂行
   として、やり拔かねばならない。


3−3.招待旅行

 上の接觸線設置工作と竝行して議員及び祕書を對象とする、我が國
への招待旅行を下の如く行ふ。

 A.各黨別の旅行團。團體の人數は固定せず、實情に應じて定める。

   但し、團體構成の基準を、「黨内派閥」「序列」「年齢」
   「地域別」「其の他」其のいづれかにおくかは愼重に檢討を加
   え、工作員の主導の元に、我が方に有利に成る方法を採らしむ
   るやう、工作せねばならない。

 B.黨派を超えた議員旅行團。議員の職業、當選囘數、選舉區、
   選舉基盤團體、出身校を子細に考慮し、多種多樣の旅行團を
   組織せしめる。

 C.駐日大使館開設後1年以内に、全議員を最低1囘、我が國へ
   旅行せしめねばならない。

   自民黨議員中の叛動極右分子で招待旅行への參加を拒む者に對
   しては、費用自辯の個人旅行、議員旅行團以外の各種團體旅行
   への參加等、形式の如何を問はず、我が國へ一度旅行せしめる
   よう工作せねばならない。

 D.旅行で入國した議員、祕書の内、必要なる者に對して、國内で
   「C・H・工作」を祕密裏に行ふ。


3−4.對自民黨工作

 A.基本方針

   自民黨を解體し、多數の小黨に分裂せしめる。

   自民黨より、衆議院では60名前後、參議院では10餘名を
   脱黨せしめて、聯合政府を樹立すると云ふが如き、小策を取つ
   てはならない事は先に述べた所であるが、右派、左派の二黨
   に分裂せしめる事も好ましくない。

   此れは、一握りの叛動右翼分子が民族派戰線結成の據點として、
   右派自民黨を利用する可能性が強いからである。

   從つて、多數の小黨に分裂する如く工作を進めねばならず、又
   表面的には思想、政策の不一致を口實としつつも、實質的には
   權力欲、利害による分裂である事が望ましく、少なくとも
   大衆の目にはさう見られるやう工作すべきである。

 B.手段

   自民黨内派閥の對立を激化せしめる。

  @自民黨總裁選舉時に於る派閥の權力鬪爭は常に見られる現象
   で通常は總選舉を經て若干緩和され、一つの黨として受けて曲
   りなりにも保持していく。

   今囘は其れを許してならない。田中派と福田派の對立の繼續と
   激化、田中派と大平派、三木派、三派の離間、中間五派の不滿
   感の煽動等を主點として、第一期工作組は工作を展開中である。
   總選舉後、若干の變動があつても、派閥の對立を激化せしむる
   と云ふ工作の原則は變はらない。

  A派閥對立を激化せしめる尤も有效な方法は、黨内の非主流派と
   なつて政治活動資金の調達に困難を生じてゐる各派に個別に
   十分な政治資金を與へる事である。

   政治獻金は合法であり、此れを拒む政治家はゐない。問題は方法
   のみであり、工作員からAへ、AからBへ、BからCへ、Cから
   Dへ、Dから議員又は團體と云ふ如く間接的に行ふのは言ふ迄も
   ない。

  B先に述べた議員個人の掌握は、其れ自體が聯合政府樹立の有效な
   手段と成るが、派閥對立激化に就いても活用するのはもとよりで
   ある。


3−5.對社會・公明・民杜各黨工作

 A.基本方針

  @各黨内の派閥鬪爭を激化せしめ、工作による操縱を容易ならしめ
   る。派閥と云ふに足る派閥なき場合は、派閥を形成せしめる工作
   を行ふ。但し、黨を分裂せしめる必要はなく、分裂工作は行はな
   い。

  A日本共産黨を含めた野黨共鬪を促進する。

 B.手段

 自民黨の項に同じ。


3−6.「政黨工作組」で統轄

 對政黨工作は「聯合政府樹立工作」の中心をなすものであり、本工作
組に政黨工作部を設け、其の下部機構を、自民黨班、社會黨班、公明黨
班、民社黨班の四班に分かち、各班毎に派閥名を冠した派閥小組を設け
る。


第4.極右極左團體工作


4−1.對極右團體工作

 我が黨は日本解放、日本人民共和國樹立工作を進めるに當たつて、
日本の極右團體に對する對策は必要であるか? 必要だとすればいか
なる對策をたてて工作を進めるべきか?

 第一に認識しなければならない彼我の關係は、彼等は利用し得べき
中間層に屬するものではなく、水火相容れざる敵である事である。

 では、彼等の現有勢力はどうか? 東京に於る極右團體數は約
180餘。シンパも含めて人數は約40萬、全國には1人1黨的な
ものも含めれば約800團體、總數100萬未滿で問題にするには足
りない。

 世論の動嚮はどうか? 我が方は、逸早く「マスコミ」を掌握して、
我に有利なる世論作りに成功した。

 敗戰日本を米帝が獨占占領した事は惡質極まる罪惡であるが、
米帝が日本の教育理念、制度を徹底的に破壞し、國家・民族を口にす
る事が、あの悲慘な敗戰を齎した軍國主義に直結するものであると
教育せしめた事は、高く評價されねばならない。

 極右は、嘗て輝かしい成果を收めたやうに、「國家」「民族」と云ふ
スローガンで民衆に近づく道を封じられてゐるである。否、彼等が其れ
を強調すればする程、民衆は彼等から離れていくのである。

 800に分裂し、マスコミを敵とし、直接に民衆へ呼び掛けても、
效果が上がらぬ彼等は、翼なきタカであるか? 工作の對象として取り
上げるに値しないものであるか?

 此處で我々は、日本解放工作の尤も困難なる點、即ち、我が方の弱點
の所在を十分に承知しておかなければならない。

 @國會議員の過半數を工作組の掌握下に置き、國會での首班指名選舉
  で、我が方の望む人物を選出させ、聯合政府を成立させる事は
  合法行爲で可能である。

 A右は日本人大衆の意志とは、關聯なく行ひ得る。

 Bマスコミは右の工作が順調に進むやう、背後に隱れ全面的に支援
  する。

 上の3點から聯合政府樹立に就いては、極右勢力が其の阻害の素因と
なる恐れは殆どない。若し彼等が聯合政府樹立前に武裝叛革命戰を惹き
起こせば、世論の總攻撃を受け、日本官憲によつて彈壓粉碎される事
は間違ひない。

 問題は、聯合政府樹立直後の民心の大變化にある。大衆は「聯合政府
・・共和國成立」と云ふ革命圖式がデマでなく眞實だと直感するであろ
う。彼等を騙し續けてきたマスコミへの怒り、彼等の意志を完全に無視
して首班指名選舉を行つた議員への怒り、生活樣式が一變すると云ふ
恐怖感、此れらが組織されて爆發したらどうなるのか?

 此の時點で、統一された、組織を操る極右勢力が存在すれば、此れ程
大きな危險はない。彼等の微小な力「一」は、忽ちにして「百」
「千」と成らう。大衆は、彼等の武裝蹶起に背を嚮けないどころか、
其れを望み、其れに投じるであらう。もとより、最後の勝利は我が方に
歸するが、一時的にせよ、内戰は避けられず、其れは我々の利益とはな
らない。

 以上の分析に從へば、對策は自ずから決まつてくる。

 A.極右のマスコミ奪囘の叛激戰に對しては、常に先手をとつて粉碎
   せねばならない。

 B.極右團體の大同團結、乃至は聯携工作を絶對に實現せしめてはな
   らない。凡ゆる離間、中傷工作を行つて、彼等の感情的對立、
   利害の衝突を激化させねばならぬ。

 C.各團體毎に、早期に爆發せしめる。彼等の危機感をあふり、怒り
   に油を注ぎ、行動者こそ英雄であると焚き附け、日本の政界、
   マスコミ界、言論人等の進歩分子を對象とする暗殺、襲撃はもと
   より、我が大使館以下の公的機關の爆破等を決行するやう、接觸
   線を通じて誘導する。

   我が公的機關の爆破は建物のみの損害に留め得るやう、準備して
   おけば實害はない。事後、日本政府に對して嚴重抗議し、官憲を
   して、犯人の逮捕はもとより、背後團體の解散をなさしめ、賠償
   を要求し、マスコミには、全力を舉げて攻撃させ、人民の右派
   嫌惡を更に高め、定着させる。

 D.右のため、必要な經費と少量の米製武器彈藥を與へる。此れは
   蒋介石一派が日本の極右に資金・武器を與へたのである、と日本
   官憲に信じ込ませる如く工作して、二重の效果を生むやう配慮せ
   ねばならない。

 E.本工作は工作組長自ら指揮する直屬機關「P・T・機關」をして
   實施せしめる。


4−2.對極左團體工作

 A.學生極左團體は、一定任務を與へ得ない團體(又は個人)と一定
   任務を與へ得る者と區別して利用する。

 B.前者には、資金・武器を與へて小規模な武裝暴動を頻發せしめ、
   全國的な社會不安を高めると共に、日本官憲をして奔命に疲れせ
   しめる。犯人及び直接關係者は、駐日大使館に於て保護し、
   必要ある場合は我が國の船舶で中國に逃亡せしめる。

 C.後者には、各階層の極右分子中、我が工作の著しい阻害と成る者
   に對しての暗殺・脅迫・一時的監禁等を使用する。其の保護に
   就いては前項に同じ。

 D.前二項に關聯して起きる、日本官憲による我が大使館への「犯人
   引き渡し要求」又は「搜査への協力要請」は、其の事實無し、
   必要無しとして斷乎拒否する。

   續いて、マスコミの全力を舉げて官憲の不當を攻撃せしめ、日本
   政府へは、國交斷絶も辭せずと壓力を加へ、官憲の要求を制約せ
   しめる。

 E.逮捕された犯人に對する援助は一切行つてはならない。又、其の
   犯人との接觸に使用した中間聯絡者に對しては、直ちに「P・T
   ・機關」をして必要、適切なる處置を構ぜしめ、官憲の追跡搜査
   を許してはならない。

 F.本工作は、對極右工作と共に「P・T・機關」をして實施せしめ
   る。


第5.在日華僑工作


5−1.華僑の階級區分

 約5萬3千名に上る在日中國人は、現在の思想、言動を問はず、本質
的には資産階級、小資産階級に屬する階級の敵であつて、無産階級も
同志ではない。

 然し日本人民共和國成立以前に於ては、彼等を「階級の敵」と
規定してはならず、統一戰線工作に於る「利用すべき敵」に屬する
ものとして規定し、利用し盡くさなければならない。


5−2.工作の第一歩・・逃亡防止

 國交正常化が近づくにつれて、彼等は必然的に動搖し不安を感じる。

 不安の第1は、我が駐日大使館開設後、祖國へ歸國させられるのでは
ないか? 其の際、在日資産を處分して得た携帶又は送金外貨を歸國後、
中國銀行に預金させられ封鎖されるのではないか、との不安である。

 第2は、蒋介石一派の言動をとつてゐた者、及び「臺灣獨立運動」に
從事してゐた者の罪を恐れる恐怖不安である。

 此れに對し

 「居住の許可、私有財産の保護は日本政府の保證する所であり、中共
  大使館の干渉し得ざる内政干渉がある事」

 「民主國日本に於ては、思想・言動の自由が保護されてをり、其れ
  が外國人に及ぶことは、國府大使館時代の實例で證明されてゐるこ
  と」

 等を舉げて、第一期、第二期工作員と共に、彼らの不安解消に全力を
舉げ、彼等に日本殘留を決定せしめなければならない。

 對在日華僑對策の第一歩は、彼等を掌握して利用する爲に日本ヘ留め
る事であり、決して臺灣又は東南亞細亞各地へ逃亡させてはならない。


5−3.工作の第二歩・・青少年把握

 工作の第二歩は、華僑の小・中・高校・大學等の生徒學生及び青年を、
先づ掌握する事である。

 A.駐日大使館開設と同時に、大使自ら各地の華僑學校へ赴き、祖國
   からの贈物として、施設擴充に十分なる寄附金を無條件で與へ
   使用させる。同時に、政治色のない圖書館を大量に寄附する。

 B.祖國から來日するスポーツ選手團の試合、各種の公演、展覽會に、
   青少年を無料で招待する。

 C.華僑學校へ女性の中國教師1名を派遣する。此の一切の費用は
   大使館で負擔する。教師は初期に於ては一切、思想・政治教育
   を行はず、忠實熱心な教員として全生徒の信望を勝ちとる事に
   全力を盡くす。

   續いて、語學教育を通じて、全生徒に祖國愛を抱かせる事、
   及び生徒を通じて自然に其の家族の状況を知る事の2點を任務
   に加へる。教員數も、教員に與へる任務も漸増するが、其の時期
   を誤つてはならない。

 D.祖國觀光旅行。派遣教員による生徒の掌握が進んだ時點で、祖國
   觀光旅行へ招待する。此の後、次第に、政治・思想教育を行つて
   青少年を完全に掌握する。


5−4.國籍の取得

 A.駐日大使館開設後直ちに、在日華僑の中國國籍の取得、パスポー
   ト發給申請の受理を開始するが、決して強制してはならず、且つ
   受理期間を制限してはならない。

   飽く迄も、彼等が個人の意志で決定し、自發的に申請すると云ふ
   形式を取らせねばならぬ。時間が掛かる事は問題とするに足ら
   ない。

   掌握せる青少年に「中國人が中國の國籍を取るのは當然のことで
   ある」との考へが徹底すれば、彼等は自然に兩親を説得する。

   此れ青少年の自發行爲であり、子供と共に行動する親の行爲も又
   自發的行爲である事は言ふ迄もない。

 B.日本政府に對しては「在日中國人の國籍問題に就いて」の祕密
   交渉申し入れ、下記を要求する。

  @在日中國人の日本への歸化を認めてはならない事。

  A在日中國人で中國國籍を取得せず、無國籍者を自稱する者に對し
   ては、各地の在日居留期間が滿期と成る際、居留期間の政治延長
   許可を與へてはならない事。

  B蒋介石一派が發給するパスポートを認めない。其の所持者に、
   日本居住を許可してはならないし、旅行入國をも認めてはならな
   い。

   中國人に就いて、2種類のパスポートを認める事は、2つの
   中國を作る陰謀に該當する尤も惡質な叛中行爲である事を認め
   る事。


5−5.中國銀行の使用を指定

 A.在日華僑の大部分は商人であり、其の年商總額は約1兆圓に達し
   てゐる。駐日大使館開設と同時に、日本に進出して各地に支店を
   設ける中國銀行は、中國との貿易に從事する全ての日本商社に
   口坐を開設せしめる他、華僑に就いては、其の大部分の資産を
   中國銀行へ預金せしめる如く工作せねばならない。

 B.資産階級は狡猾無比で、資産を分散隱匿して保全を圖る習性を持
   つ動物である。正面からの説得で、取引銀行を中國銀行一本に絞
   る事はあり得ない。

   青少年の掌握、國籍取得がゆきわたり、日本政府が我が方の國籍
   問題に就いての要求を入れ、最早我が大使館の意志に抗し移行す
   る事は困難と成つた段階で、下の諸點を實施する。

  @「祖國の銀行を使はう」「事實で素朴への忠實を示さう」等の
   スローガンの元に「中國銀行への預金運動」を華僑自體に展開さ
   せる。

   青少年に運動の先鋒隊として宣傳、説得工作をなさしめると共に、
   父母の言動を監視せしめ、實行しない場合は摘發せしめる。

  A預金を中央銀行一本に絞らなければ、パスポートの有效期限の
   延長申請を大使館は受理しないであらう、と意識的なデマを口
   から口へ傳へて、「延長申請が許可と成らねば無國籍と成つて
   日本に居住出來ない」との不安を煽る。

  B華僑仲間の密告を「祖國への忠誠行爲」として奬勵する事を
   暗示する。


5−6.政治・思想教育

 國籍を取得し、預金を中國銀行に集中せしめた後に於て、5萬3千
の華僑を、日本解放の爲の一戰力となすべく、政治教育、思想教育を
開始する。


5−7.「華僑工作部」で統轄

 本工作に「華僑工作部」を設け、全工作を統轄せしめる。


(昭和47年8月特別號)
 
 
 
 
 

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