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第32回 IT後進国の旗を振る民放、NHK ネットと放送の融合に待ったなし!
http://www.asyura2.com/08/senkyo56/msg/587.html
投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 18:36:42: Dh66aZsq5vxts
 

(回答先: 第31回 アピアランスで給与も差別! アメリカ社会を蝕む肥満病 (2005/07/22) 投稿者 ROMが好き 日時 2008 年 12 月 06 日 18:27:14)

第32回 IT後進国の旗を振る民放、NHK ネットと放送の融合に待ったなし! (2005/07/28)
http://web.archive.org/web/20051226002458/nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050728_nettv/

2005年7月28日

 久しぶりに日本に戻ってきて、この数日間、新聞、雑誌のまとめ読みに熱中した。

 といっても、それほど日本のニュースに飢えていたわけではない。インターネット時代の今日、モバイル(ノートパソコン)を持参していたので、毎日ホテルに着くと、まず、インターネットにつなぎ、「NIKKEI NET」「asahi.com」「YAHOO!JAPAN NEWS」それに共同通信、時事通信のページで、日本のニュースをザッとチェックするのが日課だった。だから、主なニュース(見出し程度)は、たいてい知っていたが、やはり、ニュースの面白いところは細部にある。細部まで知ろうと思ったら、やはり一覧性と詳細報道の両面性をあわせ持つ、紙の大新聞のほうがすぐれているので、まとめ読みがいがあった。

 アメリカでは、地方にいることが多かったので、手に入る新聞は、大半のところで、地元紙か、「USA TODAY」のどちらかしかない。そうなると、情報量は、新聞よりテレビのほうが圧倒的に大きい。

 暇さえあれば、CNNをつけっぱなしにしておくのが、前からアメリカに行ったときの基本的な行動パターンだったが、今回は、それより、インターネットで「CNN.com」のページに行くほうが多かった。

 高速回線があるホテルなら、ケーブルテレビのCNNより、インターネットのCNN.comのほうがはるかに使い勝手がよく、情報量が大きい。100 メガの回線があったら、いまやテレビ時代は終わったというか、テレビとインターネットが融合した新しいメディア時代に入ったことを実感させられた。

 日本にいても、高速回線があったら、アメリカと同じ体験ができるはずと思って、いろいろやってみたが(事務所には光ケーブルが入っている)、どうもうまくいかない。

 似たようなことはできるが、ワン・クリックごとに少しずつ余計な時間がかかってしまって、アメリカの100メガ回線で味わえる瞬時の画像切り換えが無限にできるという感覚を味わえない。

 専門家に聞いてみたら、それは日米間をつなぐ光ケーブルの容量の問題で、それは相当太いことは太いのだが、どうしたって多数のユーザーが共用するラインである以上、トラフィックが込みはじめると、遅れが出ることは避けられないのだという。

 それなら、通常のオフィス・アワーから離れた真夜中の時間帯ならよいかというと、これまたそうでもなかった。そういう時間帯になると、回線が空くのを待っていたヘビー・ユーザー(企業や研究機関などは、個人では想像を絶するような大量のデータを日常的にやりとりしている)がどっと参入してくるらしくて、相変わらず、回線は込んでいるのである。

 というわけで、この先は、日本では実体験がむずかしい、画に描いたモチのような話になるので、想像力で補って、聞いて欲しい。

 
next: ネットと放送が完全融合したCNN…
http://web.archive.org/web/20051226002458/http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050728_nettv/index1.html

ネットと放送が完全融合したCNNのニュース番組
……………………………………………………………………
 100メガ回線で、画像が瞬時にオンデマンドで送られるようになると、テレビの見方が全く変わってくる。

 いま現にオンエアされているテレビは、放送局が編成したプログラムに従って送り出されてくる映像を、その順番で見ることを余儀なくされる。

 いま見た映像、興味深いから、もう一度見たいと思っても、それが再放送されるまで待たなけれなならない。しかし、オンデマンド方式だと、見方は自由自在である。

 CNNの場合、ニュースは一つのアイテムが短いものは20秒、30秒、長いものは、2分、3分にわたるものがあるが、これがすべて、アイテムごとに刻まれて、放送が終わった瞬間から、視聴者のデマンドに合わせて、すぐにネットで送られてくる。ネットを使えば放送を見逃すということがない。好きなアイテムを好きなときに好きな順番で見ることができる。要するに、これまでは放送局の特権であった編成権が完全に視聴者の手にゆだねられたに等しいことになったのである。

 クリック一つで、最新のニュース・アイテムの一覧表がサッと出てくる。その最も新しいものは、まだCNNの本番でもオン・エアされていない素材段階のものである。一つひとつのアイテムに、それがアップされた時刻が入っていて、これは9分前のニュースとか、1分12秒前に入ったニュースとか注記されていて、自分が見ているものが、本当に最新のものかどうかがすぐにわかる。

 それとともに、一つひとつのニュース・アイテムに「関連ニュース」のリストがついていて、どれをクリックしても、すぐに出てくる。自局の関連ニュースだけでなく、局外の関連情報へのリンクも多数張られているから、関連情報から関連情報にわたり歩いて、アッという間に、その道の“通”になってしまうことも可能だ。

 また、アーカイブがしっかりしているから、最新のニュースだけでなく、過去のニュースもキーワードでサーチをかけると、いくらでも引っ張り出すことができる。それも瞬時に出てくる。

 過去のニュース・アイテムにも、関連情報、関連ニュースのリンクがついているから、そこからどのようにでも情報探索の枝葉を広げていくことができる。

 このページに入りこんで、あちこちさまよい歩きをしてみると、自分がほとんど無限といっていいほどの情報の森に迷いこんでしまったような気がしてくる。

 
next: IT時代に完全に乗り遅れた日本…
http://web.archive.org/web/20060216073333/http://nikkeibp.jp/style/biz/topic/tachibana/media/050728_nettv/index2.html

IT時代に完全に乗り遅れた日本の放送局
……………………………………………………………………
 CNNが生まれて、すでに25年、毎日毎日朝から晩までニュースの送り出しをつづけてきたのだから、これくらいの情報量があっても当然という見方もあるかもしれない。だが、これだけのページを作ることができたのは、手持ちしている素材の量の多さもさることながら、それらの素材に構造を与えて、これだけ自由自在に利用することを可能にした、担当者の努力だろう。

 しかも、それを瞬時も休むことなく続けているというのがすごい。そして、これが全部タダというのがすごい。広告が沢山入っているから、それで経営が立派に黒字になっているにちがいない。

 いい情報は、もちろん、裸の素材そのものにも大きな価値があるが、それが加工されると、付加価値がどんどん付いていく。さらにそれが時間的に蓄積され、それが整理され、利便性が高まっていくと、原情報が持っていた情報価値が何倍、何十倍というレベルではなく、何万倍何十万倍にもふくらんでいくものなのだ。

 CNNは、放送メディアとしては、単なるニュース専門チャンネルでしかなかったが、「CNN.com」は、メディアの歴史上かつてないお化けのような新しい情報メディアになってしまっている。

 「CNN.com」を見たあと、CBS、NBCなどアメリカの主要なテレビ局のWebページをひととおり見て、さらに、日本の民放、NHKのページを見て、それを痛感した。「CNN.com」は段トツである。もう一つ、日本ではあまり知られていない「FOXNews.com」のページがなかなか健闘していることは申し添えておく。

 ひどいのは日本のページで、NHKをはじめ、ニュースの情報量という面ではCNNと比べて10万分の1どころか、100万分の1のオーダーといっていいのではないか。日本の放送局は、IT時代に完全に乗り遅れている。

 今回のアメリカでの取材は、NHKの人たちといっしょの仕事だったので、どうしてあんなにひどいページしか作れないのだと聞いたら、もちろん技術的にはもっといろんなことが可能で、そういうことをやりたがっている若い者も多いが、NHKが何か新しい試みを派手にやると、必ず「民業を圧迫してケシカラン」の声が強く出て叩かれるので、いまはみんな萎縮してしまって何もできないのだという。

 
立花 隆

 評論家・ジャーナリスト。1940年5月28日長崎生まれ。1964年東大仏文科卒業。同年、文藝春秋社入社。1966年文藝春秋社退社、東大哲学科入学。フリーライターとして活動開始。1995-1998年東大先端研客員教授。1996-1998年東大教養学部非常勤講師。2005年10月から東大大学院総合文化研究科科学技術インタープリター養成プログラム特任教授。

 著書は、「文明の逆説」「脳を鍛える」「宇宙からの帰還」「東大生はバカになったか」「脳死」「シベリア鎮魂歌―香月泰男の世界」「サル学の現在」「臨死体験」「田中角栄研究」「日本共産党研究」「思索紀行」ほか多数。講談社ノンフィクション賞、菊池寛賞、司馬遼太郎賞など受賞。  

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