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韓国からの留学生キム・ソンハの「パンにハムをはさむニダ」より【マガジン9条】
http://www.asyura2.com/09/asia13/msg/613.html
投稿者 こーるてん 日時 2010 年 4 月 16 日 09:42:46: hndh7vd2.ZV/2
 

【マガジン9条】
韓国からの留学生キム・ソンハの「パンにハムをはさむニダ」
第一回バンドのための兵役拒否計画より
http://www.magazine9.jp/kim/100414/
        
キム・ソンハ1984年、釜山生まれ。韓国で家出と登校拒否を経て十代にイギリスに2年間留学後、現在は日本の大学に入学。留年の危機に直面している。仲間とロックバンド活動を試している(バンド名は長崎中央郵便局http://www.myspace.com/1004663602)。韓国徴兵制の不条理にムカつき、日本で韓国徴兵を考える会「PANDA」http://panda1panda2.web.fc2.com/の結成に参加。現在高円寺に滞住しながら、ローカルの「貧乏人」と交流している。納豆も食べられるので食生活には特に問題なし。


私の名 前はキム・ソンハ。私自身のことは雨宮処凛さんのコラムで6回も詳しく紹介されたので、自己紹介は省略する。(これをハングルに訳して親に送ったら「これは違う! お前は悪い子だ!」といいながらも「でも書いてくれた雨宮さんという人に感謝していると伝えて」と何か複雑な返事がきた。)

 雨宮さんのコラムを読んでくれた読者の方々から、いくつかのメッセージをもらってうれしかった。更に去年の12月25日の「マガジン9条」の忘年会では佐高信さんに出会い、憲法行脚の会で登壇させてもらったりもした。また雨宮さんの連載と「みんなのこえ」の反応をハングルに訳して韓国の兵役拒否者支援団体に送ったので、刑務所に入ってる彼らのところにも届けられ、韓国からも「日本のみなさん、ありがとう」との返事が来ている。

 私のことを取材して描いた雨宮さんの文章を読み、そしてその後の反響をみて、影響力のある「物書き」という仕事にすごい魅力と可能性を感じた。それで雨宮さんの紹介で「マガジン9条」の方々に紹介して頂き、今、こんな文章を書くことになったのだ。雨宮さん、ありがとう!

 全ては、「ただバンドがやりたい」という気持ちから始まったのだ。私は今、日本に留学しているが、その前はイギリスに留学していた。「リバティーンズ」などのイギリスのバンドが大好きだったので、帰国してから同じ音楽が好きな仲間たちを集めてバンドを結成してみた。しかしなぜかロックが好きなのに年齢による上下関係などがある雰囲気がとても気に喰わなかった。そんな中、ドラムの人が徴兵されたことをきっかけに「今の韓国ではまともに若者がバンドができる状況ではないかも…」と判断して、また韓国を出ること=留学を決めた。「なんで日本か?」というと、韓流好きな日本人とあまり変わらない。単純に映画とかみて面白そうだったからである。日本には世界的に有名なロックフェスもあるし、バンドをやっているフリーターの存在がかなり興味深くて来たのだが、日本にも社会的につらい立場にある人々もいるとは、来るまで知らなかったことだ。

さて、私が日本に来てからもう5年近くになっているが、強く印象に残っているのは2008年6月に起こった秋葉原事件だ。08年の6月、テレビをつけたら秋葉原で無差別殺人事件がおきたと報道されていた。
 日本社会に大きな衝撃を与えたこの事件を最初に聞いた時、犯人は何かの精神病であろうと思っていた。確かにそういう側面はないとはいえない。だが、時間が経ち非正規である不安な状況を悲観し、事件を起こしたという事情が次々報道されていく中、韓国で起こったある事件のことを思い出した。

 06年の6月、韓国と北朝鮮の国境でキム・ドンミン一等兵(当時22才)が普段自分を虐めて殴打していた上司や同僚の殺害を企んで、小銃や手榴弾を用いて7人を殺害、2人が重傷。詳しくは分からないが両事件の犯人は「口数すくない」性格だったようで、両方とも死刑宣告が下されている。

 雨宮さんのコラムで書いてもらったように、私を今、最大に苦しめているのは、「徴兵制」のことである。しかし「韓国の徴兵制」といきなり言われてもだいたいの日本人には分からない話だろう。「軍」に関わる話であることから平和や国際政治の問題として見なされる場合が多い。基本的にはもちろんそうだけど、この二つの事件の犯人に共通して見られるのは「切迫した心理状態」であって、背景には雇用問題もあるだろう。

 そもそも韓国軍の中で実際に戦闘に関わるような人たちは志願兵で構成されている。それではなんで徴兵制をやっているか。韓国軍の説明によると「北朝鮮があるから軍人を平和のために確保する」という。しかし軍行政に勤めていた人に話を聞いたら、軍事的に見ても今の徴兵はとても非効率的な組織体系になっているそうだ。「韓国軍の幹部っていうのは異常に数が多い。つまり日本でいうと官僚組織みたいになっていて組織維持のためにも一般兵士の数を維持しなければならない面もある」と彼は言っていた。
 つい最近、韓国の軍艦が沈没した事件も報道されたが、死者の中には高校を卒業してそのまま徴兵された人も、除隊数日前の青年もいたという。この事件で将校レベルの連中は全員救われた。(東亜日報3月27日付より)

 実際に徴兵された人々もこれくらいの内情は分かっている。それでもなんで行ったかと聞くと「就職が難しいから」。韓国の履歴書には「兵役欄」というのがあって「高卒」、「大卒」みたいに「徴兵済み」、「免状」と書かなければならない。企業が徴兵済みの人を好む理由は「服従に慣れていて反抗せずに長時間低賃金労働に耐えられるから」である。それでも皆が耐えられるわけではないので反抗する者もいる。徴兵された人々の一つの仕事は「治安維持」である。労働者がデモとかストライキを起こすとそれを鎮圧するために機動隊が登場する。彼らは「戦闘警察」という名前だが、徴兵で構成されている。

 形は違うけどこうした状況は、結局今の日本で「自己責任」という言葉のもとで起こっていることと、「同じ問題ではないか」と思うのだ。日本人のあなた方は、正社員になれないことは「自己責任」と言われて、貧困生活を我慢しなければならないのだが、私たちは「国家安保」のためだと言われ、自由な生活、例えばバンドをすることをあきらめる。ああ、しかしこんなこと言ってると「北朝鮮に賛同する者」扱いをされることもある。私はアメリカ文化も大好きだし、金日成主義なんか全然分からないのに…。ちょっと難しいので、この日本と韓国との「同じ問題」については、また回を改めて考えてみたい。

 私はこんな人だ。「徴兵が嫌で、ロックが好きで、日本滞在中の韓国出身の人」。しかし、私はあと半年くらいで徴兵されてしまう可能性もある。「どうすればいいか?」は私も分からない。その答えは「読者のみなさん」の中にあるかも知れないという期待もある。私と連絡を取るのは簡単なので何か提案がある方はいつでも連絡してほしい(こちら 「翻訳配達担当、大分KCIA」まで)。

 これから読者の皆さんと「マガジン9条」http://www.magazine9.jp/index.htmlを通して議論し合っていきたい。それではよろしく!

(9条マガジン編集)

不定期でお送りする新連載です。日本語を流暢にあやつるキム君は、原稿も日本語で書いてくれました。
日本と韓国を比較して、似てるところ似てないところ、
それから意外に知らない韓国ではタブーの話も、書いてくれる予定です。お楽しみに!

(転写終了)

みんな忘れているけど日本もアジアなんだよね。関係ないけど。

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