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Re: ASEM開幕、 もう一つの視点から
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投稿者 影の闇 日時 2010 年 10 月 15 日 17:48:58: HiXvZf/FmwPNU
 

(回答先: ASEM開幕、菅直人総理の尖閣諸島領土問題アッピールは難しい 投稿者 taked4700 日時 2010 年 10 月 04 日 00:59:06)

タイトルのついでですから、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議菅首相出席について、書き込んでおきます。

当初「国会」を理由に出席を見合わせていたのは、外務省の敷いたレールに従い、鳩山政権とは外交姿勢が変わったことの意思表示だった、と見るべきです。 
それは、ASEMというのが、APECつまりはアメリカに対抗して、欧州のアジアへの影響力確保の場となってることと鳩山政権の外交スローガンを見れば、容易に分かることです。 「友愛」「東アジア共同体」という理念は欧州と同様であり、国際的には、アメリカ離れと共に、欧州への接近をアピールするものだったからです。 ところが、親米派主流の霞ヶ関の猛烈な巻き返しに出遭い、鳩山政権は座礁、後を継いだ管政権は官僚の腕力にねじ伏せられたまま、内外の政策を次々に変えて(元に戻して)いった。 官僚側からすれば、今回の「尖閣」と共に、単に政権が替わっただけでなく、外交姿勢も変わった(従来以上に米寄りになった)ことを、国際的に、しかも明示的に示す意図があった、ということです。


ところが、中国の予想以上の態度と、国際政治を完全に読み間違って、日本外交は、元に戻るどころか、却って金縛り状態になってしまった。 その何よりの証明が、先月16日、日本が中国と領土問題で対立する最中、もう一方の当事者台湾が、あろうことかその中国と、尖閣の目と鼻の先で「合同海難救助訓練」を行ったこと、そして中ロが「領土問題」に関しての「共同声明」を発表したこと、更には米国務省の日本への冷ややかな態度です。

一見無関係に思えるでしょうが、中台の「合同海難救助訓練」と「中ロ共同声明」が、「領土問題」に関して、中国と共同歩調を取ることの意思表示、又同時に、この「声明」で、背後に米軍部(国防総省)が居るとみて、表向き日本へ、その実アメリカに対して、「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」の当事国が共同歩調を取ったということが肝心なのです。

何れも、これは第二次大戦後の支配体制=ヤルタ体制に直接響く事柄であることを示しています。 
今日のアメリカの世界に対する指導力の源になってるのは、戦後の秩序(枠組)を作ったヤルタ体制の守護者という所に求められます。 個々の事例で対立したり逆らうことはあっても、中国もロシアも、大枠として、アメリカのリーダーシップを認めているのも、詰まる所、この点に在るのです。 (更に、それを否定することで生じる害と比べたら承認することで受ける利益が遥かに大きいということで、多くの国が支持していると見なければならない)

従って、「中ロ共同声明」は、日本以上に、アメリカに対してクギをさしたものだと見なければならない。 よもやお前さんは、自らリーダーシップを否定する真似はしないよな?と。

今回、「領土問題」は日本に分が有ると思い込んでる人が多いのに改めて驚かされましたが、国際的に見たら決してそうではないことは知っておくべきです。
解り易く言えば、領土問題で日本側に立つことは、丁度、オーデル・ナイセ線の問題を巡って、ドイツ側に立つことと同じなのです。 アメリカ(や欧州諸国)がナチスドイツを支持することが有り得ないのと同じく、この問題の行く末は見えている、ということです。 

「領土問題」に関して、アメリカが頼みの綱と思い込むのは完全な誤りであることを駄目押しておきます。

しかも沖縄返還前後の態度から判る様に、この問題を日中間の紛争要因にしようという魂胆が露骨に表れている。 「領土問題」に火を点けるのは米軍部の思惑に沿うものであることを考えれば、中国側からの仕掛けは有り得ないのであり、今回の「事件」も、3月の「韓国哨戒艇沈没事件」同様、日米韓の「極東安保体制」にガッシリと組み込んで置くという米軍の思惑を背景にした、米軍のプレゼンスを至上命題とする国家官僚の謀(はかりごと)であったと見て、先ず間違いは無いのです。

それに絡んで、今回、官僚側の姿勢を示す、忽せに出来ない大きな問題が露呈していたことに気付かれなかったでしょうか? 外務省の徹底したサボタージュです。 外務省が全くといってよい程動かなかった、それどころか政治家の足を引っ張ることさえした。 事件当初から、中国側からの働き掛けに全く応じようとはせず、岡田外相をつんぼ桟敷に置いて、事態を悪化させるままにして、日中関係を一時梗塞状態にしたのは外務官僚の不作為にあるのです。 だからこそ、管政権(仙谷官房長官)は外務省ルートを諦め、バイパス的に細野豪志氏を使ったのです。 しかし、それさえ”二元外交だ”として横槍を入れる。 今回のASEM出席やそこでの日中の”手打ち”を含めて、外務省を全く蚊帳の外に措いたのは、日中関係ばかりか、その他の関係でさえおかしくして仕舞うことになりかねないことに、遅まきながら政権側が気付いたということでしょう。
中国側との「会談」が予想される状況だったにも係らず、中国語の通訳を同行させることすらしなかった所に外務省の意趣返しが覗えます。

そうしてこれらから透けて見えるのは、日米関係が全てに優先するのであり、日中関係が一時的に後退しても、又日欧関係その他が疎かになっても、日米関係を磐石にすることの方が大事だという霞ヶ関の不動の信念です。 −最早、それは外交ではない。 此奴等をこの異様な”金縛り状態”にしているものは何なのか? 

我々はあらゆる予断や思い込みを排し、この実権を握っている集団の在り様を、冷静に、在りのままに見て行く必要が有るのではないか?

と同時に、1年前までは野党経験のみで、僅か1年で、官僚の信頼を勝ち取り、彼等を上手く使いこなすーなんてことは有り得ないのであり、そういった政治的能力が欠けてるからこその鳩山政権の頓挫だったことを思えば、仙谷がどうの、前原がどうした等の見方は丸で逆立ちしている、と言っておかねばならない。

その意味では、むしろ、彼等は”タレント”と考えた方がよく、力量が有りそうな仙谷官房長官は、精々MCといった役どころでしょう。 元タレントが(或いは最近はタレントのまま)政治家に横滑りする例が増えていますけど、これこそが必然、彼等はこの力学を弁えた者達なのです。

逆に、小沢一郎の様な本物の政治家が彼等及び官僚達から忌み嫌われるのは、こうした関係や構造を破壊する要素があるから、と思えばよい。

我々はこの辺で、ズームインしてスポット・ライトを浴びてる対象の一挙手一投足を意味在るかの如く論ずるのは止して、その場の光景から一歩も二歩も引いて、全体を眺め直してみる必要が今こそ有るのではないか?

フットライトを浴びる”タレント”よりも、その周りの、薄暗い中で動き回るスタッフ達、プロデューサーに始まり、サブ、FD、AD等、この場を仕切り、「空気」を醸し出す黒子達の「集合的無意識」(佐藤優)を対象化する秋(とき)に来ていると思います。
 

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