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『葉隠れ』精神の一つの魅力的解釈は、隆慶一郎『死ぬことと見つけたり』でないかえ
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投稿者 藪素人 日時 2011 年 1 月 22 日 17:31:45: BhHpEHNtX5sU2
 

 「葉隠」の識者の評価はかんばしいものを知らぬ。たとえば、勝部真長「『葉隠』なども、佐賀鍋島という藩の内部での「なかまの掟」であって、「田横海島五百人の倫※」であることにかわりはない。武士道というものは、具体的には、そういう狭い仲間意識たることを免れないので、…」などと評判は良くない。

 隆慶一郎は「葉隠」を読んで「面白い」と思った。面白いという解釈はいけないのか、と思うところから「葉隠」に記されている断片的な素材からタイトルにある小説を書いた(未完)。
 斎藤杢之助(もくのすけ)は毎朝、虎に食い殺されたり、槍で突き殺されたりして「死ぬ」シミュレーションをしてから起き出す。死んでいるつもりだから毎日爽快である。ある事件を起こして浪人になるが、鍋島藩では浪人といえども無断で藩外に去ることは許されぬ。生活保護程度の捨扶持があてがわれる。莫逆の友・中野求馬は藩に仕えて出世への道を歩む(それも家老になって殿に厳しく諫言し切腹を命じられて死ぬため)。盟友・牛島萬右衛門も浪人である。

 この三人の胸のスクような生き様が活写されておる。下は本題から外れるがサービス。

(※ 田横(漢の斉王田栄の弟)は、高帝が立つに及び、横はその徒五百余人と海島中にたてこもった。高帝の召しをうけて洛陽にゆくことになったが、その道中「われ仕うることを潔とせず」といって自殺してしまった。そこでその徒五百余人もまた跡を追うて自殺してしまった)。

「死ぬことと見つけたり」隆慶一郎/新潮文庫 H6年から
 「もっとよ。もっと高く。もっと」
 杢之助は自分の頭を踏んでいる足をつかんで、さらに高く持ち上げようとしていた。少女(「愛」)の躰は軽かったが、腕だけの力では中々持ち上がらない。…
危うく揺れていた少女の躰が一時安定した。柿の枝をつかんだのである。
 「上を見ちゃ駄目」
 確かめようとして上を向いた途端に、鋭い声が降って来た。あわててうつむいたが。胸の動悸が急に大きくなる、一瞬に見えたものが目の奥にしっかり焼きついてしまった。
 滑らかで真白な肉の間の桃色の割れ目。ふっくらした二つの丘の間に、桃色の小さな突起物があった…。なんとも可愛く、美しかった。
 思わず躰が慄えた。手にも慄が伝わる。
(抜粋おわる)

 当時、下にはなにも履いていねえにしても着物の裾はふくらはぎぐらいまであるはずで、こんな情景がハッキリ見えるとは思えねえが、ま、作者の心象風景でんしょう。読者もまたこの風景を共有し馥郁と味わうことができるんでんす。

 愛は美しい女人となり求馬の妻となる。杢之助は彼女に「忍ぶ恋」心を生涯抱きつづける。「忍ぶ恋」も葉隠れには上級のものとしてあるんだど。  

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