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日本の市民メディアは消滅してしまうのだろうか(上) livedoorニュース
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投稿者 パイプライン 日時 2010 年 3 月 31 日 00:03:06: mqQUVKm/jkdw2
 

 


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http://news.livedoor.com/article/detail/4689287/
2010年03月30日15時18分 / 提供:PJオピニオン

【PJニュース 2010年3月30日】明日3月31日で日本の市民メディアの老舗、『JanJan』が休刊となります。2009年から2010年にかけて、韓国発の市民メディアの『オーマイニュース』や『ツカサネット新聞』が経営破綻しました。市民が記者になって情報発信をするという市民メディアが相次いで苦境に立たされています。日本に一般市民からの投稿記事を掲載する主な市民メディアがこの『PJニュース』のみとなってしまうのは寂しい限りです。一時期、マスメディアに対抗するまで成長する可能性も囁かれていた市民メディアですが、いったい何が起こったのでしょうか。市民メディアはこの日本に根付かぬまま消え去っていく運命なのでしょうか。PJニュースを運営する責任者・編集長として、日本の市民メディアの現状や将来展望について、ネット報道言論界の動向、市民メディアの外部環境、市民メディアの内部環境に分けて、綴ってみたいと思います。

■ネット報道言論界が創生期から成長期へ
まず、「市民メディア」を語る前にネット界での報道言論状況の移り変わりから見ていきます。PJニュースを創刊した2005年当初は、ネットで表現するジャーナリストや言論人の数は知れていました。いまでもそうですが、パソコンやインターネットに親しんだ人ほど、ネット言論を展開する傾向にあります。また、過激なネットの荒らしや誹謗中傷といったモラル問題がひところ、大きな社会問題になり、マスコミはそれをヒステリックに取り上げていました。ネット言論界の創生期に見られたカオスというものでしょう。当時、PJニュースもいろいろなメディアに取り上げられ、注目を浴びていた時期でした。

それが現在ではライブドアのニュースサイトでの注目度はひとときに比べて落ち込んでいます。これは、ネット・ニュースが創生期の混乱状況から成長期のふるいわけ状況に移行してきているということでしょう。カオスが常態化していたネットの言論界は09年頃から徐々に質が求められる時期に突入していったということでしょう。

ネットのニュースサイトでは依然として、芸能人のスキャンダルなどのエンタメ記事がもっともアクセスを稼げる記事なのですが、一方で、こうした記事がここ最近になって忌諱される風潮が出てきたのも事実です。中川淳一郎氏は『ウェブはバカと暇人のもの』と評しましたが、私はネットの報道言論界では非知識層と知識層の極端な二極化が進んでいると見ています。

この兆候は日本国内でも2009年の衆院選を期に、ネットの普及により日本国内でも急速に広がりつつあるような状況があります。自民党政権から民主党政権に変わり、日本はイデオロギー的な大きな転換期を迎えました。それは「エリート民主主義」から、「議論する民主主義」への転換といえそうです。これは民主党政権が掲げる情報公開とその説明責任の徹底という政策によって後押しされているのでしょう。つい先日、首相の記者会見も解放されることになりました。

その衆院選以降、ライブドアのニュースサイトでは最もアクセスが多いのは依然としてエンタメやスポーツ関連の記事なのですが、その後を追うように、急速に政治関連の記事がアクセス数を伸ばしています。しかも、これらの記事は単に読まれるだけではなく、様々な人がその内容に関して、いろいろな短いコメントを投稿しています。中には記事1本に対して、100件以上のコメントが付くこともしばしばです。これはある種の政治参加の表れでしょう。

とはいえ、口汚く感情にまかせたコメントが多いのもまた事実です。創生期にありがちな荒々しいフロンティア気風がまだまだネット界には色濃く広がっています。非知識層はネットを娯楽の道具や不満のはけ口と見る一方、知識層は情報収集・整理の道具や自己表現の空間と見ています。ネットに掲載された記事に対して、非知識層が誹謗中傷や罵詈雑言の大声を上げる一方、知識層が理路整然とした批評・批判を繰り広げています。

現在はネット報道言論界の議論の質が徐々に底上げされてきたような状況です。こうした場では身辺雑記のような記事は注目を集めませんし、論理を欠いた記事には大きな反発があります。市民記者の記事とて、質が求められることはいうまでもありません。

■より多くの身近なニュースを集めること、市民メディアの課題その1
さて、こうしたネット報道言論状況でどのような記事が求められているのでしょうか。これについて、報道である「ニュース」と言論である「オピニオン」に分けて考えていきます。「ニュース」についていえば、ネット以前・以後であまり大きな変化はありません。より多くの人が関心がある、あるいは関心を持つべき出来事を、よりより速く、より多角的に、より正確に伝える記事が、読者のもっとも重要な関心事でしょう。

事実関係を客観的に報道するのは従来のマスメディアが得意とするところです。特に新聞社や通信社はこの道では歴史もあり実績もあり、組織内部で暗黙知として時空的に共有され、日々の成果につなげています。一方で、市民メディアの記事に限らず、ブログやネットメディアの記事で実際に取材を重ねてもぎ取ってきたようなものはほとんど皆無というのが現状です。その多くはマスメディア報道の周縁部を切り取ったようなものです。

PJニュースでは以前、「あるある事件」や「かんぽ生命未払い事件」でマスメディアに先駆けて報じることができましたが、これらは例外です。マスメディアの報道体制に市民記者一人で太刀打ちするのはまず無理でしょう。新聞社・通信社に所属するプロの記者は日々、競合他社との競争にさらされ、日夜特ダネを狙うべく取材活動をしています。一方の市民記者の本業が記者であることはまずありません。身の丈にあった取材活動はそれはそれですばらしいことですが、それがマスメディアの組織的かつ継続的な取材活動を凌駕するのは困難であるのは確かです。

ただ、マスメデイア的な報道体制を市民メディアが整備すべきかというと、そうではありません。市民メディアがマスメディアを目指すのであれば、そもそも市民メディアである必要はありません。業務管理コスト的にも不利ですし、制度設計が根本から違います。

メディア・スクラムや誤報・虚報という問題はあるにせよ、より多くの人が関心を持つ出来事を報じるというマスメディアが持つ取材報道のノウハウは歴史を経てそれだけの合理性がありますし、これに変わる新たな取材報道のパラダイムは今のところ現れていないのが現状です。しかも、そのマスメディアが作りだしたニュースを読者が必要としています。

ネット報道言論界の「ニュース」といった分野で市民記者が活躍できる範囲はマスメディアがあまり手を出さないところ、市民記者の身の回りの出来事ということになります。これがマスメディアとの差別化になり、市民メディアの存在意義にもつながります。ただし、これはそもそも読者層が限られてしまい、一本の記事で大きな影響力を発揮したくてもできないことも意味しています。

現状のネット報道言論での「ニュース」分野で市民メディアの存在意義を問うならば、市民記者が住む地域のニュースをできるだけ多く集め、それらが互いに有機的に結びつけるような表現法を用いて、読者に提供していくということだと考えています。それには1日最低でも50本以上の記事が必要でしょう。これらを最低限のコストで達成できなければ、市民メディアのニュースに将来はありません。

■オピニオンは多様性と質の担保、市民メディアの課題その2
次に「オピニオン」について見ていきます。これまでジャーナリズム界でのオピニオンといえば新聞の社説や論説記事、著名人の寄稿や読者投稿が主でした。読者投稿といっても、すべてが掲載されるわけではなく、それを掲載するメディアの意向が働きます。ネット以降はこの「オピニオン」状況が大きく変化しました。ネットには一般読者のオピニオン投稿で溢れています。その典型が2ちゃんねるなどのネット掲示板やライブドア記事に付くコメント欄です。

こうしたコメントには現状、様々な批判や問題がありますが、それはネット報道言論界に大きな可能性が秘められていることを意味します。誹謗中傷などは論外として、短いコメントでもうなずけるものが多くありますし、新聞の社説などよりも的を射るものがたくさんあります。

そもそもマスメデイアによるオピニオンの表現方法は、言論の統一・画一化を図り、世論形成をマスメディアの意志によって促すシステムの中でできたものです。これは言論の多様性を阻害することにもつながっています。これが読者から否定されているのは明らかでしょう。その現れがマスメディア言論サイト「あらたにす」の低迷です。朝日、読売、日経3社の社説を並列に掲載することが売りだったのですが、この試みで読者は社説など限定的なオピニオンにはあまり関心が無いことが改めて浮き彫りになりました。

人は他人の意見と自分の意見の距離感を気にします。自分の意見が大勢の人々の意見と異なれば、その原因を追究し、思考を繰り返すでしょうし、同じであれば自分に納得するものです。この判断をする道具として2ちゃんねるや記事のコメント欄が活用される時代になりました。これは先に述べた「エリート民主主義」から「議論する民主主義」への移行を表しています。

これはネットの登場で、言論界も新たなパラダイムに移行したことを意味します。ただし、マスメディアで散々議論してきたポピュリズム的な問題がネット言論界にも残っています。これは自由と公正に関する問題と同義ですが、これが解決されるにはまだまだ時間が必要でしょう。

こうしたネット言論界の発展状況で、市民メディアのオピニオンもある程度認知されているような現状があります。PJニュースでも時事問題について、マスメディアの社説・論説にない鋭いオピニオンを掲載することが時々あります。こうしたオピニオン記事を毎日数多く掲載できれば、市民メディアの価値がぐっと向上するのでしょうが、いまはその黎明期といった状態にあります。

一方で、個人のブログやそれを集めたサイトなどでは、著名人やアルファブロガーと言われる人々がこの手のオピニオン記事を多く掲載し、注目されています。知名度・認知度、そして実力があればこそなせる技ですが、一般の人が同じことをしてもネット界の情報の渦に巻き込まれてしまうだけです。

市民メディアの存在意義は、あまり表現がうまくない人の声でも、より多くの人々に届けることにあります。実際、PJニュースにはオピニオン記事の投稿は結構あります。しかし、その多くは論点が無かったり、あまりに私的な内容だったりするため、掲載を見送っています。「それでも掲載すべきだ」という声があるのは確かですが、それらをすべて掲載してしまうと、個人的なブログと代わり映えしなくなり、市民メディアとしての意味が無くなります。オピニオン記事であっても著名人の記事と競合関係にあるため、その数と質の向上は必至です。【つづく】

■関連情報
PJニュースは一般市民からパブリック・ジャーナリスト(PJ:市民記者)を募り、市民主体型のジャーナリズムを目指すパブリック・メディアです。身近な話題から政治論議までニュースやオピニオンを幅広く提供しています。

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パブリック・ジャーナリスト 小田 光康

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コメント
 
01. 2010年3月31日 14:24:59
>ブログやネットメディアの記事で実際に取材を重ねてもぎ取ってきたようなものはほとんど皆無というのが現状です。その多くはマスメディア報道の周縁部を切り取ったようなものです。

・事件の当事者が記事を書くような、多くの投稿者のあるメディアに成長することが望まれること
・そのような記事の信憑性を容易に確認できるようなメディアの中のシステムづくりが可能なこと
・事件の当事者になるような現役の人が、時間的な余裕のなさ、発表を制限されやすいことなどを越えるインセンティブを与えられるようなシステムであること(決して収入のことを示しているわけではありません)などをクリアすることが必要ではないか
そうであれば、短い時間の中で数の多さや事件の多さなどとは関りなく、市民メディアとしての評価がたかまるものと思えます。
記事に対する評論や関係付けも大事で、それらがきちんと整理されていちづけられていることが必要です。阿修羅の掲示板は自然とその萌芽があったかに思われます。(そのためか、私はjanjanをあまり見ないで終わってしまった。知人がライターにいたりしたけれど。)


02. 月光.4号 2010年10月10日 11:17:52: 0f5rQOkNOg4ek : vYuuBTgsa2
 日弁連・会長:宇都宮健児は、「虚偽(詐害行為)は正当な弁護士業務だ」と主張(議決)して、懲戒対象弁護士を擁護し、これを撤回せずに、現在も裁判で争っております。

 弁護士を指導・監督する立場にある宇都宮健児のこの主張は、不法行為を教唆するものであり、国民への背任でありましょう。

 表向きは、社会正義の実現(弁護士法1条)を強調し善人面しながらも、裏陰では、「虚偽(詐害行為)は正当だ」と指導しているのですから.社会問題化している.弁護士トラブルが急増するは当然です。

 日弁連・会長:宇都宮健児のこの行為は国民を愚弄し、国民への背任でありましょう。

 しかし、不思議な事に、この卑劣な事実に対して、誰もが関心を示しません。
 権力・名声を得ている者(団体)の力の大きさを知らされるものです。


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