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3種類のリワードを使いこなせ:マネタリーリワード、インナーリワード、ソーシャルリワード
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/868.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2014 年 1 月 12 日 18:01:23: KqrEdYmDwf7cM
 

(回答先: ゲーミフィケーションフレームワークについて 投稿者 てんさい(い) 日時 2014 年 1 月 12 日 17:58:58)

最近思うこととして、ゲーミフィケーションをデザインするということは、要するにリワードをデザインするということになるのかなということがあります。いつ誰にどんなタイミングでどのようなリワードを付与するのか?というところが肝になるというイメージです。もちろんこれを考える過程ではどんなリワードをもらうと嬉しいのか、それはなぜなのか、というようなことがわかっている必要がありますしリワードをデザインするために深掘って考えないといけないことは何段階かあるのですが、一言でゲーミフィケーションを説明するとするとリワードと紐付けて話すのがいいように思い始めています。

リワードは大きく以下の3種類に分類できます。

マネタリーリワード
インナーリワード
ソーシャルリワード

この分類は慶応大学武山教授からお話頂いた、The Wealth of Networksという書籍での主張をベースにしたものです。ここで言う「リワード」とは形のあるもの・ないもの関わらず、人間のモチベーションを維持・向上することに寄与するものというような意味合いで使っています。

マネタリーリワードというのはその名の通り、直接的な金銭によるリワードです。換金性のあるポイントであったり、景品であったり、割引クーポンだったりといったものに形を変えることはありますが基本的にはそのリワードがもつ物質的金銭的価値で評価されるのが金銭的リワードです。動機付けの理論的にも外発的なものに分類されますのでこのブログの読者の皆さんであればご承知のようにこのリワードの有効性は3つのうち最も低いと考えられます。また、一方で現在もっとも一般的に使われているのがこのリワードであり、他のリワードには目を向けられて来なかったという背景はゲーミフィケーションを実践する意味合いの大きいところでもあります。ただ全く使わない方がいいということでもなさそうです(特にナナピのお話を聞いているとケースによっては有効に機能させることもできそう)。短期的に行動をドライブさせたい時に、その後の中長期的なリワードデザインが伴っていればユーザの動機を損なわずに行動の変化を促すことも出来るでしょう。

インナーリワードというのは自分自身の心の中で強く意味を持つリワードです。何かを達成したという達成感、自分の能力が向上したという向上感、あるいは広く言うところの「自己実現」が成就する状態というのも一種のインナーリワードと言えるでしょう。また自分だけの特別な扱いをしてもらえるような特典、VIP待遇的なこと、特に金銭的価値は低いもののそこだけでしか得られないようなリワード、ファンであれば非常に嬉しい限定性の強いリワードなどは強力に働くインナーリワードとなります。こうしたリワードは、逆にそのファンでなければ全くリワードとして機能しないということも起こり得ます。

マネタリーリワードやインナーリワードについては、主にサービスを提供する側とその利用者の関係性の間でやり取りされるリワードですが、3つ目のソーシャルリワードについては主に利用者同士の間でやり取りされるリワードであるという点が大きく異なります。他者から承認されることとというのがソーシャルリワードの基本になります。栄誉、名誉、賞賛というものであったり、社会的なステータスといったもの。あるいはもっと簡易なものだと利用者同士の交流も1種のソーシャルリワードになり得ます。コミュニティへの帰属意識のようなものはリワードという言葉は直感的ではないものの、それが満たされている状態というのはソーシャルリワードが安定的に得られる状態が確保されていると言っていいかと思います。CGMなど自己表現型のコンテンツの作成も、「誰かに見られる」という要素があることで「ソーシャルリワードが得られるかもしれない」という期待値が高ければ取り組む意欲が湧きやすくなるでしょう。

1つのリワードがインナーリワードとソーシャルリワードは双方の働きを持つケースもあり得ます。ある事柄のファン層においては非常に価値のあるリワード(限定モノのグッズなど)は、それを有している事自体がリワード性の強いものですし、それを得るために努力を払ったというようなことがあれば余計にインナーリワードとして機能します。また、「それを持っている」ということを他のファンに自慢できるようになっていたり、あるいはそれとなく見せびらかせるような仕組があればソーシャルリワードとしての価値も生じます。

外発的、内発的という分類で見るとソーシャルリワードは外発性の強いリワードに位置付けられるでしょう。ただ承認欲求は「16の基本的な欲求」の中に位置付けられたり、マズローの欲求5段階説の中にも位置付けられるなど相当強力な欲求として働くためマネタリーなリワードよりは基本的に強力であると考えられるのではないでしょうか。ちなみにマズローの説を採用すれば、自己実現性の強いインナーリワードをソーシャルリワードが得られた後に獲得できるようにすると「自己実現」の欲求を満たすようにデザイン出来るのかもしれません。このあたりまでは考察及んでいませんが興味深いテーマだと思います。

これらのように、リワードをうまく使い分けることとその付与の仕方をうまくデザインすることがゲーミフィケーションを考える上ではとても重要です。こんなことから、一言で「ゲーミフィケーションとは何か?」を説明するときに「リワードを適切にデザインすること」と言ってしまってもいいかもというのが最近思うことです。  

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