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ゲームの力が会社を変える:ゲーミフィケーションとは何か?
http://www.asyura2.com/09/it11/msg/869.html
投稿者 てんさい(い) 日時 2014 年 1 月 12 日 18:11:43: KqrEdYmDwf7cM
 

(回答先: 3種類のリワードを使いこなせ:マネタリーリワード、インナーリワード、ソーシャルリワード 投稿者 てんさい(い) 日時 2014 年 1 月 12 日 18:01:23)

http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1209/14/news008.html
ループス・コミュニケーションズの岡村健右氏が解説するゲーミフィケーション入門。言葉こそ新しいものの、実はわたしたちにとって非常に馴染み深い概念なのです。

「ゲーミフィケーション」は昔からある概念

 「ゲーミフィケーション」は、特に新しい概念というわけではありません。

 こういってしまうと、「ゲーミフィケーション」とは何か、その新しい概念について知りたいと思って本書(「ゲームの力が会社を変える -ゲーミフィケーションを仕事に活かす-」)を手に取った方は、驚かれるかもしれません。

 しかし、これは重要な点です。ゲーミフィケーションは決して新しい概念ではなく、すでにあらゆる業界やさまざまな場面に取り入れられており、私たちの誰もが必ず体験したことがあるものなのです。例えば、TSUTAYAのポイントカードやブログのアクセスランキング、もっと広義ではラジオ体操のスタンプカードもゲーミフィケーションの一種です。このように多数の事柄に導入され、多くの成果を上げている概念が、改めて注目を浴びているのが今の状態なのです。

 そもそも「ゲーミフィケーション」とは、ゲーム以外の分野にゲーム的要素を組み込むことで、ユーザーのモチベーションやロイヤリティなどを高める手法を指す言葉です。当然、テレビゲームやソーシャルゲームの中にも組み込まれていますが、それ以外の幅広い分野にも取り入れられています。

 ゲームに夢中になった経験がある人は多いでしょう。古くはファミリーコンピュータ、プレイステーション、ニンテンドーDSやWii、オンラインゲームやアーケードゲームなど、さまざまなゲームが存在してきました。ついつい時間を忘れて、1日中ゲームに没頭してしまう人も多いでしょう。最近では、ソーシャルゲームに熱中する人たちが増えており、手持ちのスマートフォンで気軽に始められるために、ゲーム人口の裾野を広げています。

 このように多くの人がゲームに熱中するのは、単に面白いからだけでなく、ゲームの中に、それだけの仕掛けや仕組みがあるからです。そして、そのような仕組みは、生活やビジネスなど多くの場面で活用されているのです。

 本書では、その中でも主に企業内での活用シーン、つまり社員のモチベーションを高めて仕事の効率を上げたり、社員や顧客の声を共有して社員教育に役立てたり、会社の知名度をアップしてブランディングするなどの活用法に注目していきます。

 本書を読み進める前に、ぜひ、ご自身の会社について振り返っていただきたいことがあ

ります。

 御社では、社員の士気は高いでしょうか。

 売上のみにフォーカスして、ギスギスした感じはないでしょうか。

 社内に笑顔や会話があふれていますか。

 自主的に他の社員と関わったり、会社を良くするようなアイデアを出したり、行動を起

こす社員はいるでしょうか。

 愚痴ばかりで、社内が鬱々とした雰囲気に包まれてはいないでしょうか。

 毎日のように遅刻する社員がいたり、離職率が高かったりはしないでしょうか。

 もし1つでも思い当たることがあるなら、ぜひ本書を読んで御社に取り入れてもらいたい仕組みがあります。

 それが、「ゲーミフィケーション」です。本書では具体的な成功事例を紹介しつつ、その仕組みを知っていただこうと考えています。
なぜ、ゲーミフィケーションは強力なのか?

 話を進める前に、まず基本的な疑問を解消しておきましょう。それは、「ゲーミフィケーションは、なぜ効果が出るのか」ということです。

 2011年11月25日、米国のゲーミフィケーションサミット主催者の1人であるゲイブ・ジッチャーマン氏が来日し、ゲーミフィケーションセミナーに登壇しました。私も、ゲイブ氏、テックブロガーのイケダハヤト氏、NHK出版の久保田大海氏、ゆめみ代表取締役社長の深田浩嗣氏と共に、パネルディスカッションに登壇させていただきました。

 大変勉強になるとても良いイベントだったのですが、そのときのゲイブ氏のプレゼンが分かりやすかったので、紹介させていただきます。

 「なぜゲーミフィケーションは強力なのか?」というテーマに対して、ゲイブ氏はこのように答えています。

 人は、元来何かを学び、習得したいという欲望を持っています。

 つまり、何かを習得したいという欲望を感じ、インセンティブを目的としてチャレンジし、達成したり、達成することで報酬を受け、やる気になるようなフィードバックを受けるうちに、最終的に習得に至るというわけです。例えば、第1志望の大学に合格したい→夢の大学生活を想像する→小テストや実力テストを受ける→徐々に点数や判定結果が高くなる→目標に近付いていることを感じ、勉強に対するやる気がアップする→第1志望の大学に合格する、などといったことも、この流れに則っています。

 必ずしも直線的にこの段階を経るわけではなく、返ってきたフィードバック自体がインセンティブとなり再チャレンジにつながるなど、段階がループすることがあります。このプロセスは何度も何度も繰り返されていきます。

 このループを繰り返し行ううちに、自分の中に「習得している」「成長している」「進歩している」という感覚が生まれます。この「進歩している」という感覚自体がインセンティブになり、同時にモチベーションになるというわけです。

 ゲームをしていると、徐々にゲーム内でのスキルが上がっていきます。ゲーム内では、ミッションをクリアしたり、モンスターを倒すなどの経験が求められます。そのような経験を経ることで、ゲーム内のキャラクターのレベルや体力などのパラメータが上がったり、新しいスキルを覚えたり、新しいエリアに行けるようになったりするなど、文字通り成長していきます。キャラクターが成長することで、「成長している」「進歩している」ことが実感でき、やりがいを生み出すというわけです。

 ゲームを続けるのが楽しいのは、このような仕組みが働くからなのです。

 また、ゲームでは快楽を伴う達成感を味わえることも、強力な効果を発揮する理由です。

 そもそも人間の行動プロセスは、以下のようになっています。

 人間は、「行動」によって賢くなります。行動した結果、達成感を感じると、その人の脳内にはドーパミンが分泌され、快楽を感じます。快楽を伴う達成という体験をすると、脳はその体験を再び味わいたいと感じ、同様の行動を求めるようになります。そうすることで、行動自体にも変化が生じるようになります。

 例えば、具体的には次のような流れを経るでしょう。

サッカーの試合で勝利する

    ↓

勝利による達成感、満足感を味わう

    ↓

再びその快感を味わいたいと感じる

    ↓

サッカーの練習に熱心に励むようになる

 ゲーム自体、行動→達成感→欲求→挑戦という人間の行動プロセスと同様のパターンから成り立っています。その上、ゲーム自体が最初の「行動」を生み出すこともできます。

 例えば、ゲームをしていてミッションやダンジョンなどをクリアしたり、ボスを倒したりした場合、達成感を感じることができます。それによって「ゲームが面白い」「達成感を再び感じたい」と感じることで、さらに熱心にゲームに取り組むようになるというわけです。

 ゲーム的要素は、このように人をやる気にさせる仕組みを持っています。実際、ゲーミフィケーションはあらゆる場所に利用できます。ゲーミフィケーションは、このゲーム的要素を、ビジネスに活用できないかという試みなのです。

 余談ですが、ガートナーの、ハイプ・サイクルに関する一連のスペシャル・レポートで1900を超えるテクノロジを76のハイプ・サイクルに分類し、それらの成熟度、企業にもたらすメリット、今後の方向性に関する分析情報を、毎年、「先進テクノロジのハイプ・サイクル」としてレポートしています。ハイプ・サイクルとは、新技術が実際に普及するまでの間、ユーザーやメディアの期待度や認知度が時間経過とともに、どのように変化するかを示した図のことです。ハイプ・サイクルには、「黎明期」「流行期」「反動期」「回復期」「安定期」の5つの段階があります。

 最新のレポートである「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2011」では、ゲーミフィケーションは「ピーク期」にさしかかっているとされ、ゲーミフィケーションが、今まさに流行していることがよく分かると思います。

 それでは、今度はゲームの世界から、ビジネスの世界に目を向けていきましょう。
ビジネスにおけるゲーミフィケーション

 消費者だけでなく、企業の社員もゲーム化の対象となっています。

 ゲームの仕組みを利用して仕事をもっと面白くしたり、成果などを見える化して生産性を上げたり、社員に対する報奨システムとして活用することもできます。

 では、ゲーミフィケーションは、ビジネスのどのような場面で取り入れられているのでしょうか。

 最も典型的な例が営業です。営業マンは、受注や売上と連動して報奨金を得られるような給料体系となっていることが多いものです。これも、受注や売上へのモチベーションアップにつなげるためなのはいうまでもありません。それ以外にも、壁にランキングや売上に関するグラフを作成して、売上を上げたら星をつけるようにしている会社が多くあります。自らの売上の伸びを見える化して実感できるようになるだけでなく、他者と比較することにより、モチベーションを高めようという仕組みです。営業マン単位だけでなく、店舗単位、部門単位などで競争が行われることもあります。

 つまり営業マンは、報奨を受け取ったり、他者と競ったり、他者から評価されたりすることで、大きな喜びややる気を得ることができる仕組みになっているのです。

 私の知っている会社で、ホテルやホールなどを借り切り、照明や音響などに凝って、表彰イベントをやっているところがあります。芸能人などのゲストが来ることもあり、表彰式というよりもはや商業イベントです。社員の方に話を聞くと、参加するとやはり感動してモチベーションが上がり、気分が高揚するのを感じるそうです。

 競争は、営業でのみ行われているわけではありません。

 例えば、工場ごとに節電を競わせているメーカーもあります。東日本大震災による節電の必要性ということもありますが、それだけでなく、工場ごとに競わせることで、コスト削減の拡大をねらっているというわけなのです。

 私が聞いたところによると、工場ごとに、間引き運転、蛍光灯を間引きし昼休みと勤務時間外は消灯する、エアコンの空調温度設定を夏は高め、冬は低めにする、寒暖は作業員の衣服で調整する、エレベーターは極力使わず階段を利用する、自販機の照明を切る、などの工夫が見られたそうです。さらに、人件費の節約にもなるので残業をやめるなどした結果、かなりの節電とそれに伴うコスト削減ができたのです。

 他にも、アルバイトのティッシュ配りで、次のような例を聞いたことがあります。

 そもそも多くのアルバイトは責任感が乏しく、また昇進もないことから、やる気を出させるのが難しいものです。それゆえ、実際には配らずにこっそりとゴミ箱に捨てたにもかかわらず、「配りました」と嘘の報告をする人もいるくらいです。そこで、彼らが配るティッシュに1つずつ目印をつけておくことで、アルバイトのやる気を起こさせることができます。配布前に、担当者が分かるように、1、2、3、4、5などと目印をつけておきます。来店したお客さんがティッシュを持ってきた場合、ティッシュの数字を確認し、「1」とついていれば、「1」のティッシュを配ったアルバイトの担当者が、時給プラスアルファとしてボーナスを受け取れるという仕組みです。アルバイトはボーナスがほしいですから、来店につながりそうな顧客に積極的にティッシュを配るようになるというわけです。

 これらはすべて「ゲーミフィケーション」を活かした例です。これでおわかりと思いますが、ゲーミフィケーションは決して新しい概念ではなく、これまで多くの場面で実践されてきたことなのです。

ループス・コミュニケーションズの岡村健右氏が解説するゲーミフィケーション入門。モチベーションの喚起はビジネスを成功に導く鍵になります。そこで登場するのがゲーミフィケーションなのです。

ゲーミフィケーションが注目される理由(1)――従業員満足度を高める

 では、なぜ最近になって急に「ゲーミフィケーション」という言葉が脚光を浴びているのでしょうか。

 1つには、今までよりいっそう従業員を満足させる必要が生じてきたからです。

 高度成長時代には、一度入社したら定年まで同じ会社に居続ける終身雇用の働き方が一般的でした。会社に依存した生き方が当たり前であり、社員は会社に対する帰属意識が高く、会社に忠誠を尽くして働いてきました。

 ところが近年、長きにわたる不況や国際競争、円高などにより、企業は正社員を雇い続ける余裕がなくなってきました。それに伴い、雇用形態も次第に変化してきました。正社員の残業規制、早期退職制度、新卒採用の中止、パートタイマーや契約社員の増加などが目立ってきたのです。

 それにあわせて、社員の側も1つの会社に終身雇用を期待せず、短期間での転職を繰り返すように変化してきました。終身雇用制が崩れた結果、一生会社に居続けることが当たり前ではなくなってきたのです。そのように転職が当たり前になると、社員が会社に尽くすことも当たり前ではなくなります。

 以前は、会社と社員は一心同体でつながっていました。ところが時代が変わり、社員が会社に対してメリットを感じないとつながれない状態になってしまったのです。分かりやすいメリットといえば給料ですが、お金だけでつながるというのは寂しいものです。理想は、会社と社員は同じ目標に向かって邁進する状態ですが、社員の心は次第に会社から離れつつあるのです。

 そんな中、社員がその組織に所属していることに誇りを持っている会社があります。

 本書で多数紹介していますが、そのような会社の社員は、みんな楽しんで、しかも自主的に会社のために働いているのです。その違いは何でしょうか。

 その仕掛けが、実は「ゲーミフィケーション」なのです。

 企業が成長するためには、社員に貢献してもらう必要があります。それには、従業員のやる気を引き出す必要があります。そして、やる気を引き出すためには、社員に単に給料を渡すだけではなく、社員が会社にいてうれしい、楽しいと感じるところまで引き上げる必要が出てきているのです。そのために大きな力を発揮するのがゲーミフィケーションです。

 社員のやる気につながる仕掛け、ゲーミフィケーションの具体的な事例については、後の章で述べたいと思います。
ゲーミフィケーションが注目される理由(2)――ソーシャルメディアの流行

 ゲーミフィケーションが注目されているのは、最近のソーシャルメディアの流行も影響しています。

 ソーシャルメディアの普及により、自社、他社問わず、その評判がすぐに耳に入るようになってきました。良い評判ならいいのですが、炎上などで悪い評判があっという間に広まる事例は皆さんもご存じでしょう。Twitterでリツイートされたり、トレンド入りしたり、Facebookの「いいね!」で拡散したり、はてなブックマークでホットエントリー入りしたりすることで、悪い噂はどんどん広まっていきます。そのうち、Googleで関連検索キーワードに入ってしまったら、インターネット上で自社について検索するすべての人に評判が伝わるようになってしまいます。

 例えば、自分の勤務する会社に「ブラック企業」という噂が立ったら、会社から気持ちが離れ、働きたくなくなってしまうでしょう。家族や周囲の耳にも入り、心配されたあげく、転職を考えるように勧められるかもしれません。

 近年は口コミがものをいう時代です。企業側に都合の良いCMやマスコミなどの情報をそのまま鵜呑みにする時代は終わり、顧客自身が発信する情報が口コミとして歓迎されるようになりました。実店舗でものを買う場合でも、購入前に口コミサイトで値段と評判を調べてから買うのが当たり前になってきました。同様に、就活生や転職希望者なども、入社前には必ずその企業の評判を調べるようになってきています。そのときに「ブラック企業」などという悪い評判が立っていたら、それだけで就職の「対象外」とされてしまいかねません。

 しかし、これはマイナスの面だけではなく、プラスの側面もおおいに持ち合わせています。例えば、ソーシャルメディアによって経営者の魅力的な考え方や社風などが広まった結果、ファンを増やし、知名度が上がったり、結果的にビジネスが拡大したり、人材採用につながることもあります。

 ソーシャルメディアは、共感をベースに情報を拡散する力があります。企業側の持つ情報がプラスならそのプラスを拡散させることができ、マイナスならそのマイナスも広がってしまうのがソーシャルメディアなのです。

 また、インターネットやソーシャルメディアにより、会社のトップと従業員がつながれるようになったという側面もあります。

 インターネットやソーシャルメディアがない時代は、トップである社長と現場の平社員が直接話をすることはほとんどありませんでした。年に一度社長が新年の挨拶などをし、現場の社員は一堂に会してそれを聞いているだけというものでした。社長の言葉が社員に伝わることはあれど、一般社員の言葉が社長に届いたり、直接交流するなどということはまずありえなかったのです。

 ところが社内専用のSNS、通称「社内SNS」などがあると、トップが発言したことに対して、現場の社員がコメントをするということが起こります。社員のコメントに対して他の社員が即反応し、トップと社員一同が同じ階層で会話をするといったことが日常的に起きているのです。

 皆さんがご存じの例では、ソフトバンクがまさにこの例に当たります。孫正義社長が「やりましょう」とツイートすれば、他の社員もそのように動かざるをえません。これまでに孫社長が「やりましょう」と言ったことは、東京都・地下鉄走行中の電波対策、福島の学校への放射量測定器提供、レストランでのWiFiスポット提供、公衆iPadの設置など、その多くを実現してきました。孫社長が「やりましょう」と言ったことの経過はオープンにされており、「『やりましょう』進捗状況」で誰でも確認することができます。

 社員の方から聞いた話ですが、孫社長がそのような行動を起こすまでは、ソフトバンクは現在とはまったく違った企業だったそうです。今では考えられないことですが、中間管理職に頭が固い人が多く、新しいことに取り組みたいと思っているやる気あふれる現場の社員の声もなかなか上まで伝わらず、実現しづらかったそうなのです。それが、孫社長の鶴の一声で風通しが良くなりました。2010年からは、ソフトバンクでは全社員がツイッターを使い、社員同士がフラットに交流しています。これはまさに、インターネットやソーシャルメディアが普及したおかげといえるでしょう。

 従来のビジネスは、部門内で協力して進めていくものであり、チームワークが重視されてきました。ところが、ソーシャルメディアの普及によって、部門内だけでなく、他部門や遠隔地、それこそ海外でビジネス展開をしているところであれば、海外の社員も含めた他部門と力を合わせてビジネスを進めていけるようになったのです。

 少し前に社内SNSが流行しましたが、まさにこれを目的としていたのです。
ゲーミフィケーションとソーシャルメディアは両輪

 一般に広く普及している無料のソーシャルメディアをうまく活用したいと思う人は多いでしょう。その際、「ソーシャルメディアとゲーミフィケーションはどちらも必要なのか?」と考える人もいるかもしれません。ところで、どちらか一方を導入するだけで、社内の活性化につながるのでしょうか。

 まず、ソーシャルメディアをただ使うだけでは、残念ながらうまくいきません。

 2004年2月にミクシィが日本で誕生しました。その後、20代女性の大半が使うまでに広く普及し、ミクシィ自体が注目の的となっていたことは記憶に新しいと思います。現在では、ユーザー数は2500万人を超えています。

 ミクシィは日本のソーシャルメディアの先駆け的存在ですが、私をはじめ、この「ソーシャルメディア」というものに可能性を感じた人は多かったでしょう。この頃からさまざまなソーシャルメディアが日本の中で普及し、利用が拡大していきました。今では、TwitterやFacebookが一般でも広く普及しているのは、皆さんご存じの通りです。

 さて、ミクシィが隆盛になった頃、プライベートでミクシィを使う一般社員たちの中で、「会社でもミクシィのようなものを使いたい」というニーズがわき上がってきました。「社内の風通しを良くしたい」「新入社員同士でコミュニケーションをとらせたい」「距離を超えて遠隔地の社員とも交流したい」「縦割り組織の弊害をなくし、部門を超えたコラボレーションを促したい」などのニーズがあったところに、ソーシャルメディアというサービスが合致したのです。

 私が所属しているループス・コミュニケーションズでも、5年ほど前から多くの企業への社内SNS導入支援「エンタープライズ・ソーシャルネットワーク」を行っています。

 わが社では、社内でソーシャルネットワークを活用する目的を、

部門を超えた情報共有で、コラボレーションやイノベーションを促す
社員の持つ知識を蓄積し、再利用する
全社員のソーシャルリテラシーを高める
社員を大切にする経営のプラットフォームとする

の4点と捉えました。

 そして、ミクシィのようにパブリックなソーシャルネットワークのグループを社内で活用するオープンなスタイルから、社内でクローズして利用できるクラウドサービス、利用端末のIP制限ができるサービス、社内サーバにインストールするタイプなど、各種とりそろえて、各企業の目的などに合わせてツールを選定し、導入のアドバイスやサポートをしました。

 しかしながら、多くの企業では社内SNSはあまりうまくいかず、途中でやめてしまった企業が多いということも聞いています。

 なぜ、このような結果につながってしまったのでしょうか。その理由は、5つあると考えています。

 1つ目は、とりあえずツールを導入してしまったためです。

 とりあえずツールを導入してしまったケースでは、社員が何をすれば良いのか分からず、投稿がほとんどされないケースが多いのが特徴です。社内のコミットメントをとらずにスタートしてしまうと、「社内SNSは業務なのか業務外か」という意見も出がちです。さらに、情報システム部門主導で導入した場合には、セキュリティなどの制約が増えてしまい、社外では使えない、モバイル端末では使えないなどの締め付けが多くなり、使われない原因となるケースも見られます。

 2つ目は、インターフェイスが使いづらいためです。

 インターフェィスが使いにくいツールだと、社員が使わなくなってしまいます。例えば、書き込みがしづらかったり、他の社員が書き込みをしてもそのことが通知されないと、すぐにコメントに反応することもできず、その結果、徐々に使われなくなってしまうのです。その他、社外では使えないとか、モバイル禁止などもこの例に含まれるかもしれません。

 3つ目は、目的・テーマを設定しなかったためです。

 目的、テーマを設定せずに運用を開始してしまうと、明確な目的がないので、仕事に関係のないプライベートのことなども書かれるようになっていきます。コミュニケーションは図れますが、これでは企業活動にプラスになることは限られてしまいます。そうこうするうち、経営陣から「社内SNSを導入したことで仕事にプラスの影響はあるのか」というツッコミが入ります。確かにコミュニケーションによって社内の風通しは良くなるかもしれません。しかし、テーマの中心は仕事に関することでないと会社に認めてもらう活動にはなりません。社内SNSといえどもコストがかかるものです。そのコストに見合った効果を求められたとき、十分な説明ができなければ、企業としては中止せざるをえなくなってしまうのです。

 4つ目は、社員の参加意識が低いためです。

 社員1人ひとりの参加意識が低いと、書き込みがされません。また、特定の一部門だけで導入してしまうと、他の部門の社員は自分には関係ないことだと考え、参加率が下がります。投稿しない社員も、他の社員の投稿を読んだり、「いいね!」ボタンを押したりするなど、社員1人ひとりが参加できるような仕組みにしないといけません。

 5つ目が、社内の締め付けがきついためです。

 単にソーシャルネットワークツールを社内に入れただけでは、風通しが良くなり、部門間の垣根が取り払われることはありません。特に、縦割りで上下関係が厳しい企業は、現状の組織のままツールだけ導入しても、社員が自由な発言をしなくなります。また、社内のコミットメントをとらずに始めてしまった場合、社員が投稿に躊躇してしまいます。その結果、よく投稿する社員ほど、「あいつは仕事をせずに何をしているんだ」と非難されてしまったり、優秀で忙しい社員は参加しなくなったりする事態が起きてしまいます。そのため、まずは、社員の理解と文化の醸成を行っていかねばならないのです。

 このうち一番問題なのは、4つ目の「社員の参加意識が低い」という部分です。

 それ以外の使いやすいインターフェイスの選定や目的・テーマ設定は導入前に行えばいいだけの話ですし、コミットメント不足や社内の締め付けなどの部分は、経営者や担当者が意識して全社に周知したり、意識改革をする時間や機会を持てばいいということになります。

 しかし、いくら他の4つをクリアしても、社員の意識が低ければどうにもなりません。

 逆に、社員の意識さえ高ければ、他の部分がクリアできていなくてもうまくいくことさえあるのです。そういう意味で、社員にやる気を起こさせることが一番重要です。そのやる気を起こさせるために、ゲーム的な要素を入れて社員にやる気を起こさせること、つまり「ゲーミフィケーション」が重要になってくるのです。

 一方、ゲーミフィケーションだけでも、やはりうまくいきません。

 ゲーミフィケーションだけ取り入れても、社員個人個人でバラバラで取り組んでもらうだけでは、やはりモチベーションアップにはつながりにくいからです。

 他者との比較がなければ競争原理が働かず、やる気が起きません。たとえ他者と比較ができても、単なる売上の数字のみでの比較では、営業以外の部門、バックエンドを担当する社員が参加できません。

 そこで、営業以外の部門の社員も楽しんで参加できるような仕組みが必要となってきます。ゲーム的要素にソーシャル的な要素を組み込んで、社内のいろいろな人たちと交流させたり、競争させたりする必要があるのです。

 このように、ゲーミフィケーションとソーシャルメディアは、両輪の関係であるといえるでしょう。ゲーミフィケーションには、ソーシャルメディアの利用が基盤として必要なことが多いものです。また、ソーシャルメディアを利用することにより、交流が増えたり、他者への拡散も期待できるのです。

 社内に課題があるなら、ぜひこのあとに続く章でゲーミフィケーションの具体的な取り入れ方を学び、社内に導入していただけたらと思います。ゲーミフィケーション+ソーシャルメディアで社内を活性化させ、課題を解決に導いていきましょう。


 

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