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ヨウラ・ギュラーを発見 _ 運命の出会い? それとも…
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/433.html
投稿者 富山誠 日時 2013 年 4 月 05 日 22:00:03: .ZiyFiDl12hyQ
 

(回答先: アイリーン・ジョイス _ エロい美女は天才でも評価されない? 投稿者 富山誠 日時 2013 年 4 月 04 日 00:02:51)

Youra Guller 1961
http://www.youtube.com/watch?v=wrILKMChqlE

HMV ONLINE Guller|Classical
http://www.hmv.co.jp/en/search/adv_1/genre_VARIOUS_700/keyword_Guller/

Youra Guller 画像 - Google 検索
http://www.google.co.jp/search?q=Youra+Guller&hl=ja&lr=lang_ja&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=5LReUdWLEu-fiAfZ5oGoBg&ved=0CC8QsAQ&biw=998&bih=859


Youra Guller - YouTube
http://www.youtube.com/results?search_query=Youra+Guller+&oq=Youra+Guller+&gs_l=youtube-reduced.12...0.0.0.9176.0.0.0.0.0.0.0.0..0.0...0.0...1ac.

Youra Guller plays Beethoven Sonata No. 31 in A flat Op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=3Oa7vXHdFFg
http://www.youtube.com/watch?v=gyQrERwZ5cA

ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 ヨウラ・ギュラー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3080005

Youra Guller plays Beethoven Sonata No. 32 in C minor Op. 111
http://www.youtube.com/watch?v=Mb5c6048PlU
http://www.youtube.com/watch?v=H1NKhBHut00&playnext=1&list=PLFD382FA21994F233&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=28YD4lBafS4

http://www.youtube.com/watch?v=yUf1z1Nzjxs

Beethoven Piano Concerto No. 4 in G major Op. 58 - Various Cadenzas
http://www.youtube.com/watch?v=TJGoSs94SMw

Youra Guller performs 4 French BAroque composers
François Couperin - La fleurie ou la tendre nanette ; Rameau : Le Rappel des oiseaux ; Daquin : Les tourbillons ; Balbastre : Romance in C
http://www.youtube.com/watch?v=N6Eg7L24L3Q

Very underrated french clavier composers - Part I (Duphly, Balbastre, Ibert)
http://www.youtube.com/watch?v=kLU0tBQcBd0&playnext=1&list=PL019A446791D79760&feature=results_video

Youra Guller plays Bach - Liszt Fantasia and Fugue in G minor
http://www.youtube.com/watch?v=KPKkxTXfK8Q

Bach-Liszt - Youra Guller - Fantasy and Fugue in G Minor, BWV 542
http://www.youtube.com/watch?v=isA6BVn0-gQ

Prelude And Fugue In A Minor BWV 543
http://www.youtube.com/watch?v=FwDVStYAFaU

Youra Guller plays Scarlatti Sonata in G minor L 338
http://www.youtube.com/watch?v=G9nhhX97pII

Youra Guller plays Scarlatti Sonata in E major L 23
http://www.youtube.com/watch?v=oNmNHuhIp2Y

Youra Guller plays Chopin Nocturne N¢X7 En Ut Mineur
http://www.youtube.com/watch?v=sMNSRAiCV5k

Youra Guller - Chopin: Nocturne No.4 in F Major
http://www.youtube.com/watch?v=jzXJbU4IG74&playnext=1&list=PL91A3DC55FFE3B8D6&feature=results_video

Youra Guller - Chopin : Nocturne No.9 in B major
http://www.youtube.com/watch?v=bydminR-JmM

Youra Guller plays Chopin 12 Nocturne N¢X13 En Ut Mineur
http://www.youtube.com/watch?v=XwEWu6kByWg&playnext=1&list=PL93441F7038735E73&feature=results_video

Youra Guller plays Chopin Nocturne in D flat major Op. 27 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=Dljx9HG5jjk

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 2 in C# minor, op. 6 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=Z6vVAoQOTlo&playnext=1&list=PLB39A0D008B96C32D&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 7 in F minor, op. 7 No. 3
http://www.youtube.com/watch?v=5pHqCl1yyLM&playnext=1&list=PLB39A0D008B96C32D&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 13 in A minor, op. 17 No. 4
http://www.youtube.com/watch?v=UeujGer0OGg&playnext=1&list=PLB39A0D008B96C32D&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 20 in Db, op. 30 No. 3
http://www.youtube.com/watch?v=HS8-zJOszhM&playnext=1&list=PLB52030E74262F7B3&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 23 in D, op. 33 No. 2

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 32 in C# minor, op. 50 No. 3
http://www.youtube.com/watch?v=OCtwBsNZBaw

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 34 in C, op. 56 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=2sqJCnNvVDs

Granados - Danzas espanolas - Youra Guller - Oriental &Andaluza
http://www.youtube.com/watch?v=Q5RUjm6-76c

Granados - Jean-François Heisser - 3 Danzas españolas op 37
http://www.youtube.com/watch?v=VqHvT5wowDA&playnext=1&list=PL0158C5BA9FB37326&feature=results_video

Youra Guller plays Matteo Albeniz Sonata in D
http://www.youtube.com/watch?v=j8_O8Q0fkfw&playnext=1&list=PLKimvFrS7rtQpBN35YgC1SDejy7rn_IkH&feature=results_video

息を呑むほど美しいピアノだ。

奏者はマルセイユ生まれのフランス人。ルーマニア系。

9歳でパリ音楽院のイジドール・フィリップスのクラスに入り、コルトーにも師事。

コルトーは彼女のテンペラメントと詩情を高く評価し、同時期に音楽院に在籍したクララ・ハスキル(さきにヴァイオリンを専攻して卒業)のことは器用貧乏と見たらしく「ユーラに比べるとはるかに雑なピアノ」とさえ言ったという。

バッハ=リストでのオルガンの響きを意識したらしいペダルの多用が、これほどまで斬新に聞こえるのは驚異的。

クラヴサンのための曲もモダンピアノでの演奏として個性的でありながら精緻できらびやか。

ショパンは独創的に思えるが、あえて言うなら「ショパン・コンクールという権威」によってどこか平面的で辛気くさく単調になってしまった価値観を洗い流してくれるような鮮烈で無垢な語り口だ。この曲を録音したときの奏者の年齢(その生涯を通じ、中断しがちだったという演奏キャリア)を考えると、胸がいっぱいになって泣けてくるのは私だけではないと思う。

そしてグラナドスは小品をあっさりと弾いているが、これはもはや凄絶な美と呼びたい。このアンダルーサの「祈り」の歌心に並ぶのは、近年ではおそらくネルソン・フレイレがアンコールで弾く「精霊の踊り」くらい。

残念なことに、Youra Guller(ユーラ・ギュレ)の録音は数少なく、この他にはベートーヴェンのソナタ(作品110と111)、ショパン・アルバム、さらにシューマンの交響的練習曲&スイス・ロマンド/アンセルメとのベートーヴェン協奏曲第4番&ショパン協奏曲第2番&アルベニス(イサクのほう)の曲が幾つか。CDにするとおそらく4、5枚ぶん。以上の音源が、いまでも思い出されたようにときどき、再発でリリースされているようだ。フランス本国では再評価の波が来ているようなので、もしかするとそのうちにきちんとしたかたちでインテグラル録音集が出るかもしれない。期待して待ちたい。
http://www.amazon.co.jp/Youra-Guller-Prelude-Fugue-Ballade/dp/B0000037BU

私の好きなピアニスト− ユーラ・ギュラー(Youra Guller) 

私がユーラ・ギュラー(Youra Guller, The Romanian Jewish pianist 1895〜1980)のことを知ったのは、ちょうどドイツに赴任していたときに、会社の目の前にあったCDショップで「ユーラ・ギュラーの芸術(The Art of Youra Guller)」(lebel:Nimbus)というCDを見つけ、何の気なしに手に取ったときからです。

そのCDのジャケットには、戦前の写真なのでしょうか?若い女性の顔写真がアップで載っており、その、まるで映画女優のような上品さと美しさに惹かれて、その人となりをまったく知らなかったのですが、つい購入してしまいました。聴いてみると、とても写真通りの、上品かつ豊かな感性を示す演奏ながらも、時折、ちょっと尋常ではないパッションも感じられるもので、並のピアニストではないことは明らかでしたが、何回か聴いた後、CDラックにしまわれたままとなっていました。

その後、日本に帰国し、何年も経ったある日、とあるサイトでユーラ・ギュラーの弾いたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏を紹介する記事を読み、以前、そのドイツで購入していたCDを再度聴いてみて、その内容の素晴らしさを改めて気づき、慌てて彼女のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏を探し始めました。

既に、エラート盤のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏は廃盤になっており、中古レコード屋やインターネットで探しても見つからず、たまにE-bayで出品されてもすぐに入札が集中し、百ドルを超える高額でないと落札できず、なかなか手に入れることが出来ませんでした。

そうして探しているうちに、ある個人のサイトでこのCDを所有している方を知り、「なんとか聞いてみたいのだが」とメールを出してみたところ、「それではダビングして差し上げましょう」と厚意に預かることが出来、やっと、聴くことができました。期待に胸を膨らませて聴いたその演奏は本当に音楽性豊かで、素晴らしいものでした。未だに私の知る限り、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏で、この演奏を超えたものはありません。ピアノ演奏の極致、絶対的な「芸術」としか言いようがないものがこの演奏にはあります。

色々調べてみると、マルタ・アルゲリッチの必死の説得によってギュラーが78歳で録音したものであること、1909年、14歳でパリ音楽院をプルミエ・プリ(第1位)で卒業したこと(その時の第2位はクララ・ハスキルでした)などが分かってきました。

その後、この演奏のレコードやその他の手に入る彼女の録音はほぼ全て入手したのですが、驚くことにこの「幻の名盤」であったエラート盤は昨年、Apexというレーベルから廉価版で再販され、一部のファンを喜ばせました。また、最近はTahraというレーベルが積極的に昔の録音を発掘し、販売していますが、いずれも本当に素晴らしい演奏です。

(Tahra盤でのライブ演奏やNimbus盤の晩年のショパンのバラード4番の演奏などには演奏上の瑕がありますが、それでもそれを上回る非常に高い芸術性を感じとることができます)本当に素晴らしい、私にとって大事な「幻のピアニスト」です。

最初に紹介したNimbus盤のCDですが、レコードで発売されていたときとはジャケット(及び一部収録曲)が異なります。レコードの方のジャケットは眼鏡をかけた彼女の晩年の笑顔のアップの写真です。その顔写真は(失礼ながら)皺も多く、若い時の美貌は失われていますが、こういう風に歳を取りたいものだと思わせる、何とも味わいのある、素晴らしいものでした。

ユーラ・ギュラー…まさしくピアノの女神といって良いのではないでしょうか。
(注)ヴァイオリニストのジャック・ティボーは彼女を「音楽の女神」と呼んだそうです。
http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2009-09-09

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番

気が狂いそうになるほど美しい音 2009/12/21 By 楽長クライスラー

この2つの曲の美しさがこれほどまで露にされたことが他にあっただろうか?

退廃と健全との間、あるいは此岸と彼岸との間を大きく振幅しているかのような、もう通常の意味での「演奏」の領域を超えているひとつひとつの音。ギュラーだけがこれらの曲の真の姿をさらけ出してくれた、とさえ思われる。

名前も耳にしたことのないこのピアニストの存在は、識者の方々のブログ等で初めて知ったのだが、それによると、この録音はアルゲリッチが世捨て人同然だったギュラーに懇願して実現したとのことだ。

ぞっとするほどの美人で、図抜けた才能のピアニストだが、所謂「幸せな」生涯を全うした女性ではないような感触がある。

アルゲリッチの音は大嫌いだが、彼女のおそらく無私な説得がなければこの音が歴史の中に刻印されることもなく、永遠に失われたという事さえ知りえなかったはずだとすれば、アルゲリッチの行動には心打たれるし、感謝のほかない。

自分が知らないだけで、実は世界には美しい音、卓越したピアニストが満ち溢れているのかもしれない。
http://www.amazon.co.jp/Pno-Sonatas-Ludwig-van-Beethoven/dp/B000TLWGFW/ref=sr_1_2?s=music&ie=UTF8&qid=1365162904&sr=1-2&keywords=youra+guller


Youra Guller 〜 ユーラ・ギュラーというピアニスト、もう10年くらい前だったか、とあるCD店で見掛けて・・・

「知らないピアニストだけど、何か凄そうな気配」を感じ、手にとってみるとバッハの”プレリュードとフーガイ短調BWV543”(リスト編)を弾いているではないですか!

これは運命の出会いとばかりに、レジに向ったのでした。

BWV543は、私にとって殊更想い入れのある曲で、かのアルベルト・シュバイツァーがオルガンを弾いたレコードを今も大切に持っています。実に深い祈りが籠められた・・・キリスト教の悟り・愛の境地とは、このことなのかと思わせる神々しい演奏。因みに私はクリスチャンではないので、厭くまで想像の世界ですが〜。

さて、このCDはギュラー80歳の時の録音。若い頃は映画界からのお誘いも多かったという美貌の持ち主で、確かにこのジャケットの写真が正に女優張りですよね。

何しろ澄んだ深い音楽を奏でるピアニスト。純度の高い美しい音色が、音楽の深い淵を覗かせるのです。これは本物です!
クララ・ハスキルにタッチが似たところがあって、モーツァルトも聴いてみたくなります。

バッハ・・・漆黒の背景に清澄な響きが染み渡ります。ショパンのエチュード・・・その楽曲を捉える鋭敏な感性は、どこかホロヴィッツを彷彿とするものがあります。更にバラード・・・技術的な衰えはありますが、やはりここでも深く澄んだ響きが印象的です。

どれも音楽の内奥に迫っていく何か・・・ハッとさせられる求心的な演奏なのです。

ギュラーは、優秀で14歳でパリ音楽院をアリーヌ・ヴァン・バレンツェンと第1位を分かち合って卒業したそうです。その時の第2位がクララ・ハスキルとのこと。

モーリス・ラヴェル、フェルッチョ・ブゾーニ、パブロ・カザルス、アルベルト・アインシュタイン等から、その演奏は絶賛されました。

しかし、録音は非常に少なく、私の知る限りでは他にベートーヴェンのソナタ第31番・第32番(ERATO 4509-98527-2 廃盤でしたが、再発された模様。マルタ・アルゲリッチが必死に説得して実現した録音とのこと。)、ショパンのマズルカ・ノクターン選集(Dante HPC021)があるくらいです。
いずれも素晴らしい演奏で、ピアノを好んで聴く方に〜演奏する方も含めて、お薦め◎です。今日、偶々ショパンのピアノ協奏曲第2番のCDをPianist.ccさんのブログで発見して、早速、注文したところです。♪

このCD、ギュラーのピアノを生かすべく慎重に丁寧に録られた様で、とても透明感のある良い音質です。



ナイス!0
ギュラーは本当に凄いピアニストですね。ベートーヴェンの31,32番はとんでもない高みに達した演奏で、これ以上の演奏は考えられません。しかもしれがこんな美人な女性が弾いているのだからさらに驚きです。
2008/12/28(日) 午後 10:23 [ dokuoh ]


DokuOhさん、確かに仰る通りですね。
何故こんなに録音が少ないのか、本当に不思議になります。かなり不遇な人生を歩んだ人の様ですが・・・その美貌故だったのでしょうか?
2008/12/29(月) 午前 8:25

解説によればユダヤ系で全盛期が第二次大戦と重なり、また闘病のため「伝説のピアニスト」となってしまった、とありました。
2008/12/29(月) 午後 2:24 [ dam**erra ]

damaterraさん、「ユーラ」「ヨウラ」はユダヤ人の名前ですね。
戦争・迫害と更に闘病が重なっては、録音すら残せない状況だったでしょう。
しかし、残念です・・・こんなに素晴らしい演奏家が埋もれているとは。
2008/12/29(月) 午後 4:25
http://blogs.yahoo.co.jp/william_kapell/36277876.html

ヨーラ・ギュラーはロシア人の父、ルーマニア人の母のもと1895年パリで生まれた。幼少より音楽の才能を見せ始め、10才でパリ音楽院に入学。同じクラスには同い年のクララ・ハスキルもいた。

ギュラーは数々のコンクール優勝後、華やかな音楽家人生を歩み始める。カザルス、ティボー、エネスコ、コクトーら当時の大音楽家たちと交流、特にフランス6人組との親交は深く、彼らの作品には彼女に捧げられた作品が少なくない。

第2次大戦後は度重なる病のため演奏活動を休止。しばらくアジア各地を療養旅行の後、1955年にロンドンに移住。60歳でカーネギー・ホールにてリサイタルを開き劇的なカムバックを果す。1971年、再び病に倒れ、1980年に世を去った。
この録音はカムバック直後の録音だが、技術も確かで病の後など微塵も感じられない。戦前の古きよきパリの香りが漂う、実にブリリアントなショパンである。ピアノ・ファン必聴の待望の復刻。
http://diskunion.net/classic/ct/detail/CL-110817015


僕のLP蒐集のピーク時期を少し越えた1979年、ユーラ・グレアのLP盤が突然発売されて話題にのぼったことがあった。当時は「ヨウラ・ギュラー」と紹介されたが、僕はユーラ・グレアの方が雰囲気が合ってゐて好きだ。先日、旅先でグレアの弾くショパンのマズルカに感動してしまった。今宵は、久々にLP盤を取り出して聴いてみることにした。

リスト編曲によるバッハの前奏曲とフーガなどを取り上げるところが、前時代的で面白い。ラモー、ダカン、スカルラッティなどのバロック音楽に混じって1曲だけショパンを弾いてゐる。それは練習曲、作品25−2である。

柔らかなタッチから繰り出される音楽は、現代のショパン演奏とは全く違う20世紀初頭の仏蘭西洋琴界のエスプリを感じさせる。僅か数分の練習曲1曲で、この演奏家の格調高さが十分に伝わって来る。その高貴で感傷的な音楽は、「一度聴いたら一生涯忘れられない」といふレベルである。

ティボーは「音楽の女神」と、また、ミヨーは「崇高さにまで達するほどの音の深さを持ち、輝かしい演奏をする少女」と評し、ロマン・ロランはグレアのベートーヴェンの後期奏鳴曲を高く評価した。

エネスコとの御前演奏やシゲティとのベートーヴェン全曲演奏會、さらにはローゼンタール、コルトー、ザウアー、ホフマン、ルービンシュタイン、ソロモンらと方を並べて倫敦・ウィグモアホールで洋琴独奏演奏會のシリーズに加わったといふ30歳代のグレアの活躍ぶりを知れば納得する。しかし、第2次大戦を境に、突然、楽壇から消え去ったのだった。

どのやうな経緯でNIMBUSが録音を行ったのか、とても興味がある。この企画を考えた担当者には心から感謝したい。
http://blog.goo.ne.jp/tenten_family6/e/84a7d791b250e211ddf41e38d5643215


ユーラ・ギュレ(ギュラー)は第一次大戦と第二次大戦の間には、フランスを中心にかなりの演奏会活動を行っていたようで、CDのライナーノートには彼女への賛辞を綴った当時の大音楽家のサイン入りポートレートが沢山掲載されている。シゲティと組んだベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲演奏会のポスターも本で見たことがあるが、大戦後はその頻度が少なくなってしまった。

 彼女が再度脚光を浴びたのは、1970年代に入ってからで、特にNimbus社に録音した小品集は、バッハの深遠さ、クープランなどのバロック小品における気品の高さ、ショパンの味わい深さなどで傑出した出来映えであった。

同時期にベートーヴェンの最後のソナタ2曲(Op.110と111)も録音しているが、こちらも同曲の演奏としてBestの一つと数えたい出来映えである。

 しかし彼女の録音は、これら以外には1957年ごろに録音されたショパンのノクターンとマズルカの抜粋盤しかない。つまりCD3枚だけしか発売されておらず、ライヴ録音からのCD化など、うわささえ聞いたことがない。前述Nimbus盤が国内盤LPとして登場したとき、ジャケットにはショパンの協奏曲第2番の放送録音に言及されていたが、こうしたものが登場することはないのだろうか? 決して奇をてらうことのない、誠実で気品ある音楽は、現代において非常に新鮮に感じられるのだが。
http://ameblo.jp/pianophilia/entry-10004383998.html


ヨウラ・ギュラー(1895 - 1980)は幻の名ピアニストと呼ばれ、録音も少なかったため一部に熱狂的な愛好者がいる。晩年アルゲリッチの薦めでレコーディングしたと言われるベートーヴェンのソナタ集のレコードは国内盤(ERATO)も出ていたし、

最近ではショパンの夜想曲集がGreen DoorからCD化されたので名前だけは知っているという人もいるかもしれない。フランスのtahraから出された放送用音源にはショパンの協奏曲ヘ短調が含まれている。

エドモンド・アッピア(1894 - 1961)指揮、スイス・ロマンド管弦楽団との共演で1959年6月10日のlive。第一楽章提示部、第二主題カット。音質はそれなりだが状態は決して悪くはない。

ピアノは初めからぐっとテンポを落としてたっぷりと歌わせている。第一楽章後半の木管との掛け合いなど絞り出すよう。夜想曲集を聴いたときにも感じたことだが、意外な程しっかりと音を鳴らしている。このヘ短調の協奏曲でも、じっくり(しっとり)聴かせるテンポにハキハキ鳴らされる音のアンバランスさが独特な雰囲気を作っている。

第二楽章はオケもテンポを落としてピアノとのバランスを修正している。フィナーレは一部崩壊寸前までフレーズを崩し着地点を見失いそうになるが、まあまあまあ。最後まで完走できてホッと一安心。

ヨウラ・ギュラーはパリ出身。パリ音楽院でイジドール・フィリップに学び、大戦前はフランスで活躍したが紆余曲折を経て(壮絶な人生らしい)大戦後に奇跡のカムバックを果たした。
http://kobakoshi.seesaa.net/article/41905127.html


ショパン ピアノ協奏曲第2番 1959.6.10
   ヨウラ・ギュラー(ピアノ),
   エドモンド・アッピア指揮,スイス・ロマンド管

      舟歌 1960.2.17
      マズルカ第20,29,17番 1962.4.6
      夜想曲第7,4番 1975.10.20

 ヨウラ・ギュラーあるいはユーラ・ギュレー(Youra Guller, 1895-1980)はパリの生まれで,9歳でパリ音楽院に入学し,イシドール・フィリップに学び,12歳で卒業して演奏活動を開始し,エネスコ,ティボー,シゲティなどと共演するなど,当時,コルトーとともにフランスを代表するピアニストと目されていましたが,第2次大戦中から病気のため演奏活動を中断してしまいます。

 その後,1955年に演奏活動を再開したのですが,録音は非常に少なく,CD化されているのはショパンの夜想曲とマズルカのデュクレテ=トムソン録音,ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30,31番のエラート録音,「ユーラ・ギュラーの芸術」と題されたニンバス盤くらいではないかと思います。

 さっそく聴いてみると,ギュラーの演奏はタッチは不揃いですし,素早いパッセージはたどたどしいですし,テクニックの面では決して秀でているわけではないのですが,その指先が紡ぎ出す詩情豊かでエレガントな表現が何ともいいがたいほど魅力的で惹き付けられます。

 最初のピアノ協奏曲では,揺れ動く旋律の流れやアクセントの妙味が心地良いですし,エレガントな愉悦感に満たされた至福の演奏であり,この作品の希に見る魅力的な演奏ではないかと思います。ちなみに,エドモンド・アッピア指揮のスイス・ロマンド管の演奏は可もなく不可もなしといった印象ですが,ギュラーの演奏の魅力を十二分に引き出し得ていると思います。

 次の「舟歌」は,ゆったりとしたテンポで運ばれており,テンポは揺れ動きますし,ところどころにタメが入ったりもするのですが,ギュラー自身の感じるままに演奏しているからか,たどたどしさや違和感はありませんし,聴いているうちに,ずぶずぶとこの演奏の世界に溺れていくような思いのする,大変にユニークでアダルトな魅力に満ちた演奏を堪能させてもらいました。

 3曲のマズルカは,ややとりすました印象があるのですが,自在で絶妙な間をもったリズムが素晴らしく,作品を生き生きと,そしてエレガントに再現しており,華やかさの中にも陰影のある,大変に印象的な演奏を味わうことができました。

 2曲の夜想曲はギュラーが80歳のときの録音で,比較的オーソドックスな演奏となっているのですが,多少の重苦しさを感じないでもありませんし,以前の演奏のような匂い立つような魅力が希薄になっているのは事実なのですが,それでも往年のギュラーの演奏の魅力の一端を垣間見ることできる演奏を聴かせているのではないかと思います。

 こうして聴いてみると,このCDには1959年代末から70年代までの録音が収録されていて,いずれもギュラーのエレガンスの香り立つ演奏を聴かせてくれていたのではないかと思いました。

 音質については,スイスロマンド放送の音源は比較的良好なコンディションにあり,ギュラーのユニークな演奏の魅力を伝えうる,申し分のない音質ではないかと思います。

 そんなわけで,これは録音自体が非常に少ないギュラーの演奏の特色と魅力を十二分に伝えうる,大変に貴重な1枚として強力に推薦したいと思います。
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/cdreviews/2008-2/2008070401.htm

Isidore Philipp 門下のヨウラ・ギュラー Youra Guller(1895-1980)は知る限りSP録音を残していないが、英Nimbusより最晩年の演奏がCD発売されている
(1973年録音のベートーヴェン「ソナタ,Op.110 & 111」が仏ERATOより、仏Danteからは1956年録音のショパン「5つのノクターン&11のマズルカ」が発売されていたが現在見かけない)。

バッハ=リスト、ショパン、グラナドスなど、どれも大きなスケールで演奏されており、フィルム・ノワールから抜け出してきた様な容貌と裏腹なその哲学的解釈は、フランスのマリア・ユージナと言いたい。

NImbus収録のグラナドス「スペイン舞曲第2番・オリエンタル」は、何ともいえない侘寂の世界で、この曲の魅力が十二分に堪能できる。その他、1958年頃の放送録音にリスト「ソナタ」やベートーヴェン「ピアノ後奏曲第4番」などがあるが、比較的若い頃の演奏はフランス風の典雅な印象。

師匠のイシドール・フィリップもそうだが、ヨウラ・ギュラーの若い頃の録音に乏しいのが残念だ。未発売のプライベート録音などが、更に発見されると面白い。
http://www.78rpm.net/column10.html

ギュラー,ヨウラ(ユーラ)Guller,Youra
1895年1月16日・仏マルセイユ〜1981年1月11日?(1980年の歿年記録もある)・仏パリ

映画界からスカウトされた程の美貌を誇ったピアニスト。
ギュラーが断ったオファーが美人女優グレタ・ガルボに行ったという伝説もある。美貌だけではなく、ヴァイオリニストのティボーから『音楽の女神』とまで絶賛された実力も持っていた。演奏活動の長い中断期間のせいもあり、晩年に再び注目されるまで幻のピアニストとして知られていた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ロシア人の父、ルーマニア人の母のもとに生まれる。

パリ音楽院にてイシドール・フィリップ(Philipp,Isidore 1863年〜1958年)に師事。

1907年(12歳) 音楽院在学中から演奏活動を開始。

1909年(14歳) パリ音楽院を1等賞(プルミエ・プリ)を得て卒業。同じ1等賞に、アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(Barentzen,Aline van 1897年〜1981年)が居る。

1915年(20歳) 演奏活動を中断してオーストリアに行き、ウィーンのレシェティツキ(Leszetycki,Teodor 1830年〜1915年)に師事。

その後、ホセ・イトゥルビ(Itrubi,Jose 1895年〜1980年)の後任としてジュネーヴ音楽院教授に就任。

第二次世界大戦中は、ユダヤ系であったが故の差別を受けた事もあり、演奏活動が制約された時期であった。

1955年(60歳)、フランスのパリにて再デビュー。再び演奏活動を開始。

1956年(61歳) 仏DUCRETET-THOMSONレーベルにショパンのマズルカ11曲とノクターン5曲を録音。

1958年(63歳) 1月15日、エルネスト・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団と、ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58を録音。

1959年(64歳) 6月10日、エドモント・アッピア指揮/スイス・ロマンド管弦楽団と、ショパン・ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21を演奏。
【注a】この時の放送録音はtahraレーベルから復刻されている。

1961年(66歳) 4月7日、アルベニス『イベリア』より“トリアーナ”を録音。

1962年(67歳) 4月6日、シューマン・交響的練習曲Op.13を録音。

1973年(78歳) マルタ・アルゲリッチの強い奨めにより、仏ERATOレーベルにベートーヴェンのピアノソナタ第31番および第32番を録音。同曲における秀演の誉れが高い。
仏ERATOによるLP。恐ろしい高値で取引されている。

↑これは仏ERATOによる最近復刻されたギュラーのベートーヴェン(CD)。
Amazonにて購入可だが、在庫切れを覚悟する必要があるだろう。頻繁にAmazonを捜せば中古の出品が見つかる。
Beethoven: Piano Sonatas Nos. 31 & 32, Opp. 110 & 111

1975年(80歳) NIMBUSレーベルにて最後の録音を行う。
現在、NIMBUSよりCD復刻されている最後の録音『The Art of Youra Guller 』(ヨウラ・ギュラーの芸術) (NIMBUS / NI5030)
Amazonにて購入可

1981年1月11日、パリにて逝去。1980年逝去説もあり、はっきりしない。

ギュラーの演奏は、録音そのものが未だ埋もれている可能性もあるものの、全盛期を伝える録音がない。録音を残すようになったのはパリに於ける再デビュー以降がほとんどであり、それ以前は録音の機会すら無かったと言ってよい。ユダヤ系であった故の差別も経験し、戦前〜戦中のパリ在住時代は活動上の辛酸を舐めた。長いコンサート休止の間には心身のバランスも崩れて薬物依存になりかかった事もあったようである。

しかし、ギュラーの支持者は非常に多く、コンサート休止中でもギュラーの許には公演依頼が引きも切らなかったという。

最晩年(1975年)に録音したLPによってギュラーは我が国でも広く知られるようになるが、ギュラーの天衣無縫とも言える閃きに溢れた若々しいピアニズムは晩年の録音であっても充分な魅力と音楽的霊感に溢れている。今後、失われていたギュラーの録音が再発見され、復刻される事を期待したい。
http://www.pianist-sonobe.com/pianist_library/k/Guller.html


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実は僕はまだ上記の youtube の演奏をまだ聴いていないので判断できないのですが、Toura Guller には両極端の評価が有りますね。

どっちが正しいのかな?

単に好みの問題?


Beethoven Piano Sonata No.31, 32 Toura Guller

号泣しました。体が硬直し汗だくになり、涙が溢れてきました。この演奏をCDショップで試聴したときのことです。私はこの演奏を聴くまで、ギュラーという演奏家の名前すら知りませんでした。曲が大好きなベートーヴェンの後期ピアノ・ソノタだったというだけの理由から試聴したのです。安易な考えはすぐに裏切られました。31番の冒頭から金縛りになり、最後まで聴き続けたのです。

これほど「臨場感」のある演奏を私は知りません。「臨場感」とは演奏会に接しているような臨場感ではなく、作曲家の人生そのものを体験しているような臨場感です。このような経験はアラウのシューベルトを聴いたとき以来です。いわば自分の魂が演奏家とその音楽を媒介して、ベートーヴェンの魂と一体化し、ベートーヴェンの苦悩に満ちた人生を走馬灯のように見ているようなそんな錯覚に襲われるのです。

ここでは楽器の音はしません。鳴っている音はベートーヴェンの魂の叫びそのものであり、人生そのものです。もはや楽器は楽器でなくなり、聴衆とベートーヴェンの魂とを繋ぐ、魂のタイムマシンと化しています。どんな曲を聴いても、どんなに演奏が素晴らしくても、普通は聴いている音はピアノの音であるということを意識しますが、そういうことが一切ありません。これは音楽であると言うことすら憚れます。

もう具体的にどうこういうのが馬鹿馬鹿しくなります。ギュラーはかなり大胆にテンポゆらすのですが、それが恣意的でなく、それどころか一つ一つのフレーズがベートーヴェンが話し掛けているようなそんな感覚に襲われます。音楽は洗練されておらず、女性が弾いていながら、野暮ったいところすらあります。それが無類の説得力を生み出しているのです。彼女は女性でありながら、いったいどうやってここまでベートーヴェンと同化できたのか!全く信じられません。

31番、一楽章冒頭からいったいなんという慈悲に満ちてるのだろう!ただ音が綺麗なだけでなく、すぐそばに誰かがいて包み込んでくれているような安堵感があるのです。(1:08)からの信じられない美しさ!「美しい」ということばでしか表現できないことがなんともどかしいか。零れ落ちていく音を一つ残らず手ですくって受け止めたい、そんな衝動に駆られます。

三楽章、まるで人生の終焉を告げる鐘ような、突き刺さる二回目の嘆きの歌最後の和音。そこから始まるフーガのなんという繊細さ。そしてどうしようもない寂寥感。音楽が次第に力を増してくると、押さえつけるような入魂の打鍵一音一音が激しく心を揺さぶり涙が止まらなくなります。最後はもの凄い生命力をもって一気に天上まで駆け上がります。

32番一楽章、序奏が終わって主部が始まってからの生き物のように蠢くグロテスクな音の塊には驚愕します。いったいこれは音楽なのか?

二楽章の痛々しいほどの美しさといったら!もう号泣しました。ボロボロに泣きました。音が綺麗という表面的で低次元な美しさではありません。人間の魂の美しさとでも言い換えられるでしょうか。ベートーヴェンの晩年の魂はこれほどまでに気高かったのか。

最近は打撃音すら耳に刺激が強いので、ピアノ曲はほとんど聴いていませんでした。ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタはそれなりに満足している演奏を持っており、もう買わないだろうと思っていました。それだけに、今回の出会いは衝撃でした。ただただ芸術の奥の深さを痛感しています。一生大切にしたい素敵なものに出会えた気がします。
http://dokuoh.blog35.fc2.com/blog-entry-197.html

5つ星のうち 1.0 やはり古い, 2011/1/20 By R "ピアノ弾き"

レビュー対象商品: Pno Sonatas 31 & 32 (CD)

73年の録音ですが、やはり何もかも古いです。

昔のベートーヴェン解釈ではよかったのかもしれませんが(たとえば第9を90分かけて演奏するとか)、現代では受け入れがたい解釈だと思います(小さな一例ですが、32番1楽章のテーマをペダルでつないだりはしない)。

たとえばコルトーのショパンを個人的に楽しむのはいいかもしれないけれど、実際の演奏では今はそうしないのと同じかと。使っている楽譜の版も素性のよくない版ですね。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B000TLWGFW/ref=cm_cr_dp_synop?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending#R13U6DYEBTT5JP

音楽談義〜ユラ・ギュラーが弾くピアノ・ソナタ32番〜 2008年10月24日

ベートーヴェンにとって最後のピアノ・ソナタとなる「32番」(作品111)はこれまで4回に亘って記載してきたので、改めて取り上げるのはやや気が引けるところ。

しかし、30年以上も座右の曲としてきたので思い入れも深くこの際ご容赦を。

現在手元に12名のピアニストのCD盤を所有しているが、楽譜を読めず楽器の演奏も何一つできない素人の悲しさで自分には演奏者の上手下手(うまいへた)はあまり分からず、ただ「好き」か「嫌いか」という個人的な判断だけで勝手により分けているところで、その「嫌い」に属する1枚にユラ・ギュラーの演奏がある。

去る9月12日付けのブログ「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32番追加試聴♯4」で「退屈感を覚える演奏」だと率直に裁定(?)していたところだが、これがオーディオ仲間の杵築のM崎さんとはまったく違う見解になってしまった。

先日、M崎さんがワディアの「170iトランスポート」の試聴にお見えになった際に、ギュラーとゼルキンの2枚をそれぞれコピーして帰られたので、後日、その演奏の感想をお尋ねしたところ「ギュラーの演奏」がたいへんな名演だとおっしゃるわけ。

M崎さんは「クラシック音楽=命」みたいな方で、就寝する前でもクラシックを聴いてそのモードに入らなければ眠れないというほど、特にベートーヴェンの作品への思い入れは深く、その熱意は自分なんかを遥かに凌駕していると認めざるを得ないほどの大先達。

そのM崎さんが「32番」(作品111)の演奏の順位をつけるとすれば、1位ギュラー、2位内田光子、3位バックハウス、4位ゼルキンとのこと。

「えッ、ギュラーがそんなに名演かなあ〜。」

因みに、自分の順番は1位バックハウス、2位内田光子、3位ゼルキンでギュラーは遥か後方に位置づけしているところ。ただし、くどいようだがこれは”名演”とは別のあくまでも個人的な「好き・嫌い」の観点からの順番。

というよりも表現として正確を期すると、それぞれの演奏を聴いてどれだけ感銘を受けたかの「度合い」と言い換えた方がいいかもしれない。

感銘の度合いということになると音楽鑑賞の”おおもと”となる感性も人それぞれだし、その曲目に投影される人生経験だって千差万別なので演奏の好みに違いがあっても当たり前だろう。

とは言いつつも、「盤鬼」ともいえるM崎さんがあれほど推薦されるのだから自分の鑑賞力に不安を覚えるのは致し方ないところ。しかも”納得の名演”だと激賞している他のクラシック愛好家のブログまで教えてもらった。やっぱり気になるので再度ギュラー盤にチャレンジしてみた。

それも前回は「ワディア270CDトランスポート」による試聴だったので今回はiPodに取り込んで「ワディアの170iトランスポート」による試聴。因みに今のところ自分のシステムでは明らかに後者の方が音質が上。

しかし、これほどまでしてもやっぱりこの演奏には退屈感を覚えるんですよね〜。何回聴いてもどうも感銘を受けない。

結局のところ自分の聴き方のポイントがどこか普通と違うのかしらん。

まあ、音楽評論家による推薦盤ランキングで1位になっている名盤なるものが自分には”サッパリ”で、むしろ下位グループに好みのものが属していたりする経験が結構あって、実際にオペラ「魔笛」なんかがそうだが、どうも自分の聴きかたが偏っているのは認めるところ。

話がやや飛躍するが、肝心の音楽でさえこういった傾向なのでオーディオ・システムの音質についても言うに及ばず。これまでオーディオ談義をいろいろ展開(70回)してきたが、内容についてはあまり盲信されない方がいい。

断定的な物言いは極力避けてきたつもりだし、人に押し付ける気持ちも毛頭なく「ふーん、ほんまかいな?」と思っていただける方がこちらも気が休まろうというもの。

結局、ここで何が言いたいかというと「音楽&オーディオ」ってのは極めて個人的な世界であって、「いい音楽・いい音とは何か」について「公式的な正解はない」というのが「正しい解」なのではなかろうか!

最後に、開き直って(?)たびたび引用させてもらうのが作家「村上春樹」さんの次の言葉。

「僕らは結局、血肉ある個人的記憶を燃料として世界を生きているのだ」。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/688119954f3f2c36b7657b35efb6b717


まあ、1位 バックハウスは絶対に揺るがないんですけどね。

 

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コメント
 
01. 2013年4月05日 22:18:49 : W18zBTaIM6


ヴィルヘルム・バックハウス
(Wilhelm Backhaus、1884年3月26日ライプツィヒ - 1969年7月5日フィラッハ)

ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 ヴィルヘルム・バックハウス 旧盤(1952)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3081639

BACKHAUS plays BEETHOVEN Piano Sonata No 32 Op.111 COMPLETE (1952)
http://www.youtube.com/watch?v=loB0mOYWC7s

ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 ヴィルヘルム・バックハウス 新盤
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3079516

Great Pianists play Beethoven Opus 111 - Wilhelm Backhaus
http://www.youtube.com/watch?v=JoeseZdKWYg


02. 2013年4月05日 22:33:30 : W18zBTaIM6

内田 光子(1948年12月20日 - )


ベートーヴェン ピアノソナタ第31番 内田光子 2009年
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8603326

ベートーヴェン ピアノソナタ第32番 内田光子 2009年
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8616065


03. 2013年4月05日 22:44:36 : W18zBTaIM6

クラウディオ・アラウ(Claudio Arrau León 1903年2月6日 - 1991年6月9日)


Beethoven by Arrau - Sonata No 31 in A flat major, op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=KvzhwzbRvpw
http://www.youtube.com/watch?v=XFjKa1l78Dc&playnext=1&list=PL27FE6BC6D2846462&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=2FjUIzp-Qqw&playnext=1&list=PL27FE6BC6D2846462&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=JjoumEDNrPE&playnext=1&list=PL27FE6BC6D2846462&feature=results_video


ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 クラウディオ・アラウ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3115660

Claudio Arrau Beethoven Piano Sonata No. 32 (Full) 1977
http://www.youtube.com/watch?v=1ljq4MwzAbo


04. 2013年4月05日 22:52:01 : W18zBTaIM6

エリック・ハイドシェック(Éric Heidsieck, 1936年8月21日 - )


Beethoven - Sonata No. 31 in A-flat major, Op. 110 (Eric Heidsieck)
http://www.youtube.com/watch?v=dMiiDzXgGQk&playnext=1&list=PL765841BFCBD7FF9D&feature=results_video

Beethoven - Sonata No. 32 in C minor, Op. 111 (Eric Heidsieck)
http://www.youtube.com/watch?v=yxI9ZlTRcYc&playnext=1&list=PL765841BFCBD7FF9D&feature=results_main

ベートーヴェン ピアノソナタ 第32番 op.111 エリック・ハイドシェック
http://www.youtube.com/watch?v=GZAOiTF0zec
http://www.youtube.com/watch?v=F808RehMVTg
http://www.youtube.com/watch?v=v6Efm8MmpaY


05. 2013年4月05日 23:09:58 : W18zBTaIM6

グレン・グールド(Glenn Herbert Gould, 1932年9月25日 - 1982年10月4日)


Glenn Gould - Beethoven's Piano Sonata No.31 (OP.110) Live 1958
http://www.youtube.com/watch?v=_8PFbsbew54
http://www.youtube.com/watch?v=_sXnoUGBWmM
http://www.youtube.com/watch?v=quTnnILV8yw

Glenn Gould "Piano Sonata No. 31" Beethoven
Musical Academy Stockholm, 06.X.1958
http://www.youtube.com/watch?v=nQJLCOY2Xj0
http://www.youtube.com/watch?v=G8qBnce1TCY
http://www.youtube.com/watch?v=pCsE3KC0gwk

Glenn Gould - Beethoven, Piano Sonata No.31 Op.110 [ 1963 ]
http://www.youtube.com/watch?v=0RkVCxGkqZ8

Glenn Gould-Beethoven-Sonata No.31 op.110 (HD)
http://www.youtube.com/watch?v=U0VsTnuipEE

Glenn Gould - Beethoven, Sonata No 31 Op. 110 - III
http://www.youtube.com/watch?v=KosCjMJG5ks
http://www.youtube.com/watch?v=UJG8VqU8XNE

Glenn Gould - Beethoven - Sonata Nr. 32 c-moll op. 111
http://www.youtube.com/watch?v=0EUSlM0IXhU
http://www.youtube.com/watch?v=efYOuzy5uH4
http://www.youtube.com/watch?v=O9rWdZRqzWA


06. 2013年4月05日 23:18:56 : W18zBTaIM6

ルドルフ・ゼルキン(Rudolf Serkin, 1903年3月28日 - 1991年5月8日)

Rudolf Serkin - Beethoven Sonata No. 31, Op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=2r_-lUIRW7I

http://www.youtube.com/watch?v=V89Z1z9rYqc
http://www.youtube.com/watch?v=osUKPNrS4rY
http://www.youtube.com/watch?v=Y0Rj3w869bg


Beethoven Piano Sonata N° 32 Op 111 Rudolf Serkin
http://www.youtube.com/watch?v=ZW3bzsZD0p0


ゼルキン ベートーヴェン:ピアノソナタ第32番 ハ短調
1987年10月 ウィーン、ムジークフェラインザール
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16224027
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16224449


07. 2013年4月05日 23:52:34 : W18zBTaIM6

アルトゥル・シュナーベル(Artur Schnabel, 1882年4月17日 - 1951年8月15日)

Artur Schnabel "Piano Sonata No 31 " Beethoven
http://www.youtube.com/watch?v=MyezA5IMijg
http://www.youtube.com/watch?v=EraG09Cm5V4
http://www.youtube.com/watch?v=rYYXZwirkaA
http://www.youtube.com/watch?v=Z10kjZwUlTY


Artur Schnabel plays Beethoven Sonata #32 in C min Op. 111
http://www.youtube.com/watch?v=CpiPHjSRUOg

http://www.youtube.com/watch?v=CpiPHjSRUOg&playnext=1&list=PL038B8DF25DDFF2AE&feature=results_video


08. 2013年4月06日 00:13:17 : W18zBTaIM6

スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Richter、1915年3月20日 - 1997年8月1日)


Sviatoslav Richter plays Beethoven Sonata Op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=Ni7XBxwQEkA
http://www.youtube.com/watch?v=6qOzMUwkz0A
http://www.youtube.com/watch?v=GgVM9ryoK8g

Sviatoslav Richter plays Beethoven's Piano Sonata Op.110 (Live 1993)
http://www.youtube.com/watch?v=8hakiqUJO4I

Sviatoslav Richter - Beethoven - Piano Sonata No 32 in C minor, Op 111
http://www.youtube.com/watch?v=ixKjGXyfIMw

Sviatoslav Richter plays Beethoven - Sonata no.32 in C minor, op.111
http://www.youtube.com/watch?v=Mwgl11tY_po
http://www.youtube.com/watch?v=bzrZWsnh67M
http://www.youtube.com/watch?v=srv9YN8n3Yk

Sviatoslav Richter in Leipzig - Beethoven op 111 live 1963
http://www.youtube.com/watch?v=0n1KGqfpZiU

Beethoven - Sonata N.32 Op.111 (Richter)
http://www.youtube.com/watch?v=CBFphuxUlQA

Beethoven - Piano sonata n°32 op.111 - Richter Rellingen 1991
http://www.youtube.com/watch?v=-rv8oZZLPTc


09. 中川隆 2013年4月06日 00:33:10 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

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エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud, 1969年11月7日 - )

Hélène Grimaud - Beethoven - Piano Sonata Nº31 Op110
http://www.youtube.com/watch?v=lPpy5YrhMp4

Hélène Grimaud: Piano Recital - Preview
http://www.youtube.com/watch?v=Vzo3XmW35C0&playnext=1&list=PLD72A8F9ECB5D0D53&feature=results_main


10. 2013年4月06日 01:06:25 : W18zBTaIM6

マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini, 1942年1月5日 - )

Beethoven - Piano Sonata No. 31 in A-flat, Op. 110 Pollini
http://www.youtube.com/watch?v=TVlBB8IA2GQ
http://www.youtube.com/watch?v=wQpHbFO84bE

Pollini Beethoven Piano Sonata No.31
http://www.youtube.com/watch?v=UGPvBiYWbqE

Pollini Beethoven Piano Sonata No.32, Op.111 Rec;1976; Live
http://www.youtube.com/watch?v=49UdKb2rnd8

Pollini LIVE 1973 Op 111 part
http://www.youtube.com/watch?v=UaT_3HDe9mM
http://www.youtube.com/watch?v=xPqWkc-lilo

Beethoven Piano Sonata No.32 in c op.111
http://www.youtube.com/watch?v=_6YEan3UEdU


Maurizio Pollini plays Beethoven: "Arietta" from Sonata in C minor no.32 op.111 live at Lucerne Festival 2012 (April 30th)
http://www.youtube.com/watch?v=Ndv73B-pVas



11. 2013年4月06日 01:20:04 : W18zBTaIM6

フリードリヒ・グルダ(Friedrich Gulda, 1930年5月16日 - 2000年1月27日)


Friedrich Gulda "Piano Sonata op 110" Beethoven
http://www.youtube.com/watch?v=9AnM_ef1sn0
http://www.youtube.com/watch?v=FgDuPMF8g94
http://www.youtube.com/watch?v=LCp0B4bJ_wI


Friedrich Gulda Beethoven Piano Sonata no.31 op. 110 LIVE
http://www.youtube.com/watch?v=tTPzvh9BEfM
http://www.youtube.com/watch?v=GZI8wVrB2dw
http://www.youtube.com/watch?v=HCOugbPJ_-M


Great Pianists play Beethoven Opus 111 - Friedrich Gulda rec. 1953
http://www.youtube.com/watch?v=hm2OHmszHs4

Friedrich Gulda - (Live Salzburg 27 juillet 1964) Beethoven (Sonates n°2,14,31,32)
http://www.youtube.com/watch?v=cTk2L20hbsM


12. 2013年4月06日 01:23:24 : W18zBTaIM6

クララ・ハスキル(Clara Haskil, 1895年1月7日 - 1960年12月7日)


Great Pianists Play Beethoven Opus 111 - Clara Haskil live recording, 1953
http://www.youtube.com/watch?v=6deWQW9Ltcg&playnext=1&list=PL4D9FA79B6CE63E30&feature=results_video


13. 2013年4月06日 01:34:13 : W18zBTaIM6

エトヴィン・フィッシャー(Edwin Fischer, 1886年10月6日 - 1960年1月24日)


Edwin Fischer performs op. 110 8th Nov. 1938, Abbey Road Studios, London
http://www.youtube.com/watch?v=BYZsGmiwvSI

http://www.youtube.com/watch?v=MRojWkykWXE&playnext=1&list=PL16368EF98490A38D&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=LkxPF9f8rTs&playnext=1&list=PL16368EF98490A38D&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=LkxPF9f8rTs


Great Pianists play Beethoven Opus 111 - Edwin Fischer
http://www.youtube.com/watch?v=fc78baFyMOs

BEETHOVEN - SONATE POUR PIANO N° 32 - EDWIN FISCHER ( 1954 ) VINYL
http://www.youtube.com/watch?v=PaKacwKYwnM
http://www.youtube.com/watch?v=qrny45ldzjs


14. 2013年4月06日 01:38:34 : W18zBTaIM6

ヴァルター・ギーゼキング(Walter Gieseking, 1895年11月5日 - 1956年10月26日)

Great Pianists play Beethoven Opus 111 - Walter Gieseking
http://www.youtube.com/watch?v=Kv8t9p4LRtg


15. 2013年4月06日 02:17:11 : W18zBTaIM6

アナトリー・ヴェデルニコフ(Anatoly Vedernikov、1920年5月5日-1993年7月29日)

Anatoly Vedernikov plays Beethoven Sonata No. 31 Op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=waX63zwOReo
http://www.youtube.com/watch?v=Ef8cspId0jU

Anatoly Vedernikov plays Beethoven's Piano Sonata No. 32 op. 111
http://www.youtube.com/watch?v=X6NPxQykspI
http://www.youtube.com/watch?v=QbGeLnG3R8k
http://www.youtube.com/watch?v=7hPVnRIDEA0&playnext=1&list=PLD91B9AA3D138A880&feature=results_video


16. 2013年4月06日 09:56:31 : W18zBTaIM6

ベネデッティ・ミケランジェリ(Benedetti Michelangeli, 1920年1月5日 – 1995年6月12日)


Beethoven - Piano sonata n°32 op.111 - Michelangeli 1961
http://www.youtube.com/watch?v=a_YbAzeLWZg

MICHELANGELI - SONATE OPUS 111 - BEETHOVEN Klavier - Turin 1962 -
http://www.youtube.com/watch?v=sVbjJrtWCLM
http://www.youtube.com/watch?v=YYN6Klrplk4
http://www.youtube.com/watch?v=xnpB_V4x6_k

Arturo Benedetti Michelangeli suona L.v. Beethoven Sonata op. 111 a Vienna 1982
http://www.youtube.com/watch?v=ZEQ-3o0ojLM

Beethoven - Piano sonata n°32 op.111 - Michelangeli 1988
http://www.youtube.com/watch?v=p8iRk43TL0s

Great Pianists play Beethoven Opus 111 - Arturo Benedetti Michelangeli (1990)
http://www.youtube.com/watch?v=p-csY9iuprg
http://www.youtube.com/watch?v=WamK5OLsJi0

Arturo Benedetti Michelangeli suona Ludwig van Beethoven Sonata in do min.
http://www.youtube.com/watch?v=7__8bk3l8qY

Beethoven Piano Sonata No 32 Op 111 C minor , Arturo Benedetti Michelangeli
http://www.youtube.com/watch?v=GSez73gFpdE

BEETHOVEN.- Sonata piano Nº 32 Do menor Op. 111
http://www.youtube.com/watch?v=4lp1wXoYY6Y


17. 2013年4月06日 10:18:38 : W18zBTaIM6

ヴィルヘルム・ケンプ(Wilhelm Kempff, 1895年11月25日-1991年5月23日)


Kempff - Sonata No.31 in A flat major, Op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=9ocDy-byKwM
http://www.youtube.com/watch?v=_UpDFhc54R0
http://www.youtube.com/watch?v=ePOW0tZaa-M

Beethoven - Kempff (1951) La Sonate pour piano n° 31 in A major
http://www.youtube.com/watch?v=e8s7sNF07iU
http://www.youtube.com/watch?v=trJ5d9xr2AI

http://www.youtube.com/watch?v=Bdu5P043dqs

ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 ハ短調作品111 ヴィルヘルム・ケンプ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1733595
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1733411

Beethoven: Sonata no. 32 Studio Recording, 1951
http://www.youtube.com/watch?v=s8Z7KdfdYZc
http://www.youtube.com/watch?v=O49BXFqqGdY


18. 2013年4月06日 10:23:27 : W18zBTaIM6

イヴ・ナット(Yves Nat, 1890年12月29日 ベジエ - 1956年8月31日 パリ)

Beethoven - Yves Nat (1954) - Sonata No 31 in A flat major, op 110
http://www.youtube.com/watch?v=WFE1UgYqdzQ

http://www.youtube.com/watch?v=be3HcAQrqWc
http://www.youtube.com/watch?v=Si6RVJn3SNs


Beethoven - Yves Nat (1954) - Sonata No 32 in C minor, op 111
http://www.youtube.com/watch?v=r0c4r7QPG68
http://www.youtube.com/watch?v=4MEG-LZeQpU


19. 2013年4月06日 10:37:09 : W18zBTaIM6

アルフレッド・ブレンデル(Alfred Brendel, 1931年1月5日 - )

ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 アルフレート・ブレンデル
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3081307

Beethoven Piano Sonata No.32 Op.111 Alfred Brendel
http://www.youtube.com/watch?v=w5ZUnbHhCJk
http://www.youtube.com/watch?v=2HiyWXGZURk
http://www.youtube.com/watch?v=q_nFsCrEmXQ


20. 2013年4月06日 10:47:31 : W18zBTaIM6

エリー・ナイ(Elly Ney, 1882年9月27日 デュッセルドルフ - 1968年3月31日 トゥッツィング)


Elly Ney plays Beethoven Sonata No. 32 in C minor Op. 111 (1936)
http://www.youtube.com/watch?v=tZKMO9afACQ

Elly Ney - Beethoven opus 111 (Hamburg 1965)
http://www.youtube.com/watch?v=DqbrQn80SQA
http://www.youtube.com/watch?v=jvSsxqczhJc
http://www.youtube.com/watch?v=wALSUw91QuM

Great Pianists play Beethoven Opus 111 - Elly Ney rec. 1968
http://www.youtube.com/watch?v=a_rcA5cszxU


21. 2014年2月23日 20:05:12 : 2D6PkBxKqI
ウラディーミル・ソフロニツキー( Vladimir Sofronitsky, 1901年4月25日 サンクトペテルブルク – 1961年8月26日 モスクワ)

Sofronitsky plays Beethoven Sonata no.32 in C minor, op.111
Live performance, 1952, Leningrad
http://www.youtube.com/watch?v=ctCGc6EW0cY
http://www.youtube.com/watch?v=AzyOwhhdmtU
http://www.youtube.com/watch?v=jF8y3lspb4Y


Sofronitsky op.111.wmv
live rec. at Scriabin Museum 14.06.1956
http://www.youtube.com/watch?v=sfJF9W41Qsw


Beethoven: Sonata No.32 in C Minor, Op.111 - Vladimir Sofronitsky
Studio recording, 1951-09-01
http://www.youtube.com/watch?v=KnxAMTOkC88
http://www.youtube.com/watch?v=BSnCAiHrj-Q
http://www.youtube.com/watch?v=0Hh274bKlEs


22. 中川隆 2014年2月23日 20:34:33 : 3bF/xW6Ehzs4I : 2D6PkBxKqI

今、ソフロニツキーの Sonata No.32 Op.111 を聴いて感激してしまいました。

バックハウスに匹敵する唯一の名演かもしれないですね。


23. 2014年2月23日 23:01:08 : 2D6PkBxKqI

ソフロニツキーの他の演奏は

youtubeに聴くウラディーミル・ソフロニツキー
http://amezor-iv.net/shisou/140223211008.html


24. 2014年3月23日 16:13:02 : 2D6PkBxKqI

結局、ヨウラ・ギュラーの Sonata No.32 Op.111 は何がいいのかさっぱりわかりませんでしたが、この曲の第2楽章はバックハウスやソフロニツキーの様に早いテンポで一気に進めないと神韻縹渺とした雰囲気が出ないのですね。

25. 中川隆 2014年10月18日 04:40:25 : 3bF/xW6Ehzs4I : b5JdkWvGxs


愛聴盤紹介コーナー〜ピアノ・ソナタ32番追加試聴♯4〜 2008年09月12日


たしか以前のブログで、クラシック音楽を本格的に鑑賞するには聴く側に”心のゆとりと静謐感”が必要だと書いたことがある。もちろん一般論としての話で例外も当然あることとは思うが・・・。

さて、これらがどこからやって来るかといえば、人間の精神的な内面の話なのでなかなか難しいが、ひとつ言い切れるのはそのときどきにおかれた個人的な環境や体調によってもたらされるものと無関係ではないということ。

たとえば取り巻く環境ががうまくいっているときや前夜に十分睡眠をとって何となく体調が”いいな”と感じるときは、精神活動が活発になって音楽を聴く気にもなるし曲趣にも深く没頭できようというもの。

一方、なにか悩み事があったり前の晩に十分睡眠が取れなかったときなど気分・体調がいまいちのときは、(自分の場合は)なかなか音楽を聴く気にならない。

また、聴いたとしてもそういうときに限って音質にいろいろと不満を持ってしまい「こんなはずではない」とオーディオ装置のどこかをいじってしまう(クロスオーバーや線材など)のが落ちで、最後にはわけが分からなくなってしまうのが自分のパターン。

というわけで、体調不良のときは聴覚の方も普通ではないのだからできるだけ音楽鑑賞を避ける、そして止む得ない場合でも「オーディオ装置は絶対にいじらない」というのを自分のささやかなモットーにしている。

さて、前置きが長くなってしまったが夏場はどうも音楽鑑賞には適さない環境。寝苦しさに伴う睡眠不調、それに日中の暑さも手伝ってなかなか本腰を入れて音楽を聴く気にならない。

先日、たまたま思い立って小泉純一郎氏激賞のイタリア歌劇「アンドレア・シェニエ」(DVD)を視聴してさっぱり良さが分からなかったのも体調不良のせいかもしれない。(笑

しかし、不思議に最悪の体調のときでも聴ける曲目が在ってそれがベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタ32番(作品111)。

この32番はとにかく理屈抜きにメチャクチャに好きな曲目で自分にとって精神安定剤のような役割を果たしてくれるソナタ。第二楽章を聴くたびに「至福の時間〜生きていてよかったなあ〜」という気に(一時的にではあるが)させられる。

現在バックハウスを筆頭に8枚のCD盤を持っているが、つい最近これに新たに下記の4枚を加えてみた。いつまでもバックハウスばかりにこだわるのも進歩がないだろうとの殊勝な心がけ(自画自賛?)。

1ヶ月ほど前に仕入れて、いよいよ寸暇を見つけて9月11日(木)午後にこの4枚の聴き比べをやってみた。

☆ 1 スティーブン・コヴァセヴィッチ(1940〜 ) 1973年録音
   第一楽章:9分28秒   第二楽章:17分27秒

☆ 2 ユーラ・ギュラー(1895〜1981) 1973年録音
   第一楽章:10分26秒  第二楽章:18分36秒 

☆ 3 ルドルフ・ゼルキン(1903〜1991) 1987年録音(ライブ)
   第一楽章:9分18秒   第二楽章:19分1秒 

☆ 4 イェルク・デムス(不明) 1998年録音
   第一楽章:8分34秒   第二楽章:16分45秒

ベートーヴェンの最後のピアノ・ソナタとなったこの32番は変わり型で二楽章しかない。第一楽章は「闘争と平和」第二楽章は「孤独な魂の歌」とも言うべきもので、重厚感から軽いスウィング風のノリ(リズム感)まで、極めて幅の広い表現力が求められるとあって、ピアニストにとっては弾きこなすのが難しく、幾多の名ピアニストがあえなく轟沈している超難曲。

早速4名の演奏について感想に移りたいがあくまでも私見であることを最初にお断りしておく。

誰にでも好き嫌いがあるので多様性を前提としつつ、これまでバックハウス、リヒテル、内田光子、アラウ、ケンプ、グールド、ミケランジェリ、ブレンデルをじっくりと聴き込んで比較した上での自分勝手な感想です。それに再生装置だってそれぞれに違うし・・・。


☆ 試聴後の感想


1 スティーブン・コヴァセヴィッチ(1940〜 ) 1973年録音
は全体的にスケール感に乏しく小粒でこじんまりとしている。リズム感に乏しい演奏で一音一音が間延びしていてそのあいだが空っぽになっている。途中から退屈感を覚えた。自分なら下位グループそれも末尾に分類する。

2 ユーラ・ギュラー(1895〜1981) 1973年録音
も1と大同小異。第一楽章の滑り出しはなかなかで「これはいい」とファースト・インプレッションが働いた。「直感は正しい、誤るのは判断だ」とはゲーテの言葉だが、残念なことに一転して後半から間延びしてしまって二楽章もこれの延長でリズムに乗り切れないまま終わってしまう印象。とにかく聴く側に退屈感を覚えさせてしまう演奏は失格だ。これも下位グループの末尾に分類。

3 ルドルフ・ゼルキン(1903〜1991) 1987年録音(ライブ)
は極上品。全体的に叙情味と包容感があり何といっても音楽に神々しさがある。一音一音を丁寧に紡いで磨かれた演奏の奥から音楽の神が語りかけているような印象を受けた。

さすがはゼルキン、やはり大家だなあ〜。掛け値なしに久しぶりに深い感銘を受けた。これだからクラシックは止(や)められない。もちろん上位グループに分類だがもしかするとバックハウスを上回っているかも。


4 イェルク・デムス(不明) 1998年録音
は好演だが全体的にまとまりすぎた印象でイメージの広がりに乏しいと思った。中位グループに分類。ゼルキンの演奏を聴いた直後ではやはり物足りない。

最後にゼルキンと比較する意味でバックハウスのCD盤を引っ張り出して聴いてみたが、「剛毅で端正で堂々とした演奏」の一言に尽きる。
一方ゼルキンは「やさしさと包容力に満ち溢れた演奏」で第二楽章が前者と比べて6分も長いが散漫な印象を受けない。

録音はゼルキン盤のほうが明らかにいい。ライブなので大ホールに溶け込んでいくピアノの音の美しさが筆舌に尽くしがたいし、一発勝負という真剣さと音楽の自然な流れもプラス要素。

もし、ベートーヴェンが生きていたら、バックハウスとゼルキンのどちらに軍配を上げるんだろうかと想像するだけでも楽しい。

最後に小林利之氏の「ステレオ名曲に聴く」(東京創元社)にこの32番のソナタの名解説があるので紹介しておこう。(296頁)

「アリエッタと題し、深い心からの祈りにも通ずる美しい主題に始まる第二楽章の変奏が、第三変奏でリズミックに緊張する力強いクライマックスに盛り上がり、やがて潮の引くように静まって、主題の回想に入り、感銘深いエンディングに入っていくあたりの美しさは、いったい何にたとえればよいか。

ワルトシュタインやテンペストなどが素晴らしくて親しみ深いと言っても、まだこれだけの感銘深い静穏の美しさに比ぶべくもないことを知らされるのです。」
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5142448c5f988c241a9ade7b820a651c

音楽談義〜「ピアノソナタ32番のスゴイHP」〜 2011年06月09日


私のお気に入り Ludwig van Beethoven Piano Sonata No.32 op.111
http://www.est.hi-ho.ne.jp/tisachito/bach/Sonata32/Sonata32.html#top

若いときからずっと傾倒してきたベートーヴェンの作品。

さすがに「楽聖」といわれるだけあっていずれも傑作ぞろい、素人があれこれと”出来栄え”について口を挟むのはとても恐れ多い気がするが、とりわけ後期の作品に関しては一段と高く聳え立つ山のような趣がある。

まあ、具体的に絞り込むとすればピアノ・ソナタでは30番〜32番、弦楽四重奏曲では14番と15番、そして交響曲では第6番と第9番といったところかな〜。

これらの作品にはベートーヴェンが最晩年に到達した哲学的な心境が横溢し、極めて内省的な性格、深い思索と達観の世界、秘めたる高い精神的な感動といったところが大きな特徴で、最初の一音を聴いただけで思わず”居住まいを正したくなる”ところが明らかに前期、中期あたりの作品とは違う。

仏教に「解脱」(げだつ)という言葉がある。

広辞苑によると「束縛から離脱して自由になること。現世の苦悩から解放されて絶対自由の境地に達すること。また、到達されるべき究極の境地。涅槃(ねはん)」とあるが、これが「ベートーヴェンの到達した境地に近いのではあるまいか」なんて勝手に思ったりする。

さて、これら後期の作品の中でも自分が一番深く傾倒しているのがピアノ・ソナタ32番(OP.111)の第二楽章。ベートーヴェン最後のソナタとしてピアノ単独による表現では限界を極めたとされる作品。

この曲には音楽評論家「小林利之」氏の名解説がある。

「深い心からの祈りにも通ずる美しい主題に始まる第二楽章の変奏が第三変奏でリズミックに緊張する力強いクライマックスに盛り上がり、やがて潮の引くように静まって、主題の回想にはいり、感銘深いエンディングに入っていくあたりの美しさはいったい何にたとえればよいか。「ワルトシュタイン」などが素晴らしく美しくて親しみ深いと言っても、まだこれだけの感銘深い静穏の美しさにくらぶべくもないことを知らされるのです。

この曲を聴きながら折にふれ自問自答するのが「クラシックファンのうち、このソナタを好きになるような人とは一体どういう人なんだろう?」。

つまり無意識のうちに「自分捜し」をしているわけだが、少なくとも「苦労知らずのネアカ人間で万事に積極果敢なタイプ」は好きになれない曲目だと断言していい気がする。

いや、「好きになる資格がない」と言い換えた方がいいかもしれない。

「タフでなければ生きていけない、優しくなければ生きる資格がない」とは、どこかのハードボイルドの小説に出てくる言葉だが、まあ〜、これは関係が無いっか。

さて、現在この曲目のCD盤は全部で12枚所持している。

バックハウス、内田光子、アラウ、グールド、ミケランジェリ、リヒテル、ケンプ、ブレンデル、コヴァセヴィッチ、ギュラー、ゼルキン、デムスと多彩に富む。

沢山持っていても何も自慢にはならないがこの曲目への愛情のひとつの証(あかし)にはなる。

「日本広し」といえども「32番」をこれほど愛し、そして多く所持している人間はそうそうはおるまいと内心ひそかに自負してきたわけだが、そのプライド(?)が木っ端微塵に砕け散ってしまうときがついにやってきた。

何とこの「32番」について「99枚ものCD盤(当然レコード盤も含む?)を試聴しその結果を掲載しているホーム・ページ(以下「HP」)があった」。

私のお気に入り Ludwig van Beethoven Piano Sonata No.32 op.111
http://www.est.hi-ho.ne.jp/tisachito/bach/Sonata32/Sonata32.html#top

ウーン、参った!

自分をはるかに上回る99枚ものCD盤を聴きとおして記事にしている「HP」はおそらく空前絶後、日本はおろか世界でも皆無だろう。

世の中にはスゴイ人がいるものである、と同時に自分以上にこの32番にトコトン入れ込む方がこの世にいらっしゃると知って何だか心の底からうれしくなってしまった。

「リンクご自由に」とあったのでご本人にお断りなしに紹介させてもらう。

このHPの表題は「Piano Sonata No.32 op.111」

表題に続くご本人のコメントには「あくまでも素人の私の独断と偏見の言いっ放しです。なにとぞご容赦ください。感想は主に第二楽章について」と随分控え目な表現があり、なかなか柔軟な方のようである。

そして、それぞれの演奏者の評価が5段階に分けられジャケットの写真と寸評が記載されている。

その結果は次のとおり。(2011年6月9日現在)

☆☆☆☆☆(五つ星)21枚  ☆☆☆☆☆(四つ星半)30枚  ☆☆☆☆(四つ星)24枚  ☆☆☆(三つ星)21枚  ☆☆(二つ星)3枚

「繊細さと柔軟さを併せ持つ表情豊かな演奏が好き」とこれまたコメントにあるのでそういう観点からの評価だと思うが残念なことに自分とは好みが合わないようで、たとえば何度聴いても退屈感を覚えるギュラーの演奏には「五つ星」が付けられている。

自分の評価の基準は何よりもスウィング感とリズム感を重視、極端に言えばジャズみたいなノリが好みで、この曲目に限っては思い入れたっぷりのゆったりとした演奏スタイルはあまり好きではない。

”深遠な内容”と、分かりきっているのにことさら深刻に演奏されると追い討ちをかけるみたいで”くどい”というのがその理由。

それにしても「五つ星」21枚については大半がまだ聴いたことがない演奏者なので、これからこの名曲を聴く楽しみが増えるのはうれしい。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32番が大好きな方でまだこの「HP」をご覧になっていない方は随分と参考になること請け合い、一度アクセスされても損はないと思うが。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2fdf96f5e32818f35bb6a9ca5f79e978

愛聴盤紹介コーナー〜ピアノ・ソナタ32番♯1〜 2007年04月01日


CD番号       F30L−20136
収録年        1962年
作曲者        ベートーヴェン(1770〜1827)
題名          ピアノ・ソナタ第32番ハ短調作品111
演奏者        ウィルヘルム・バックハウス(ピアノ)

ベートーベンは全部で32曲のピアノ・ソナタを書いているが、ごく初期の作品2に始まって最晩年の作品111に至るまで、生涯に亘ってまんべんなく作曲しており、一曲ごとの歩みが巨匠の作風と見事に重なり合っている。その意味ではモーツァルトのピアノソナタと共通するところがある。

この32番(作品111)は1822年に完成し、あの大公トリオと同様にルドルフ大公に献呈されている。

私がこの曲を知ったのは、芥川賞受賞作家の五味康祐氏(故人)の名著「西方の音」を読んだときで、40年ほど以上前のことである。

当時はまだクラシック音楽にのめりこんで日も浅く、ベートーベンに共鳴する所が多くいろんな作品を集中して聴いていたがこの曲は中でも特に感銘を受けてレコードでよく聴いていた。

曲は2楽章という無駄のない構成で書かれ、第一楽章はハ短調で深刻な悲壮感と緊張した精神性が感じられ、第二楽章は変奏曲形式のハ長調のもとで孤独な魂の独り言ともいえるような趣で、明暗のくっきりした個性的な曲である。

私が好きなのは第二楽章の方だ。

まず深い心からの祈りに通じる変奏からゆっくりと始まっていき徐々に盛り上がって力強いクライマックスを迎え、それから静かに潮の引くように徐々におさまっていき、主題の回想に戻って感銘深いエンディングへと入っていくあたりの美しさはとても筆舌に尽くしがたい。

あえて表現するとしたら、人間の魂を救済するような趣の深さといえばいいのだろうか。

第九もたしかにすごいが、これは大規模な合唱とオーケストラによって圧倒されるところが大きいが、対照的にこの作品111はピアノだけの表現力でピタリと焦点を定めて内面に鋭く切り込んでくる印象がする。

かなりとっつきにくい曲だが、一度良さが分ると人生の節目に応じて聴く曲となり生涯の伴侶になるだろう。

音楽には一度聴いて好きになる曲と何回も聴いて好きになる曲と二通りあるがこの曲はどちらかといえば後者だ。

演奏の方だが、技巧的にも精神的にも難度の高い作品だけに幾多の著名なピアニストが挑戦している。

アラウ、バックハウス、ブレンデル、ブッフビンダー、キンダーマン、ケンプ、グールド、ミケランジェリ、ハイドシェック、ポミエなど枚挙にいとまがないが、現在、このうちアラウ、バックハウス、グールド盤を所有している。(CD盤)

この中ではバックハウスのものが一番好きだ。演奏の流れが実に自然で、しかも銀盤の獅子王と言われただけあって、豪気かつ端正で力感が漂っており、それでいて、不思議なくらい安らぎが感じ取れる。まるで演奏という行為が無となって音楽を通じてベートーベンと会話をしているような気になるところが良い。

アラウ、グールドも悪くはないのだがややテンポが私の感性とは合わない。他のCD盤にはバックハウス以上のものがあるとは思わないが、ミケランジェリ盤はダークホース的な存在で是非聴いてみたいと思っている。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/24c922b3090f8822bca3775baeeb029f

愛聴盤紹介コーナー〜ピアノ・ソナタ32番・追加試聴♯2〜 2007年05月10日


以前、愛聴盤紹介コーナーでベートーベンの「ピアノ・ソナタ32番」について、3つの盤を紹介したが、その後新たに仕入れた盤があるので追加報告。

☆ピアノ・ソナタ32番(ピアニスト:ミケランジェリ、10枚セットのうちの1枚)

ミケランジェリ(1920〜1995)には大いに期待していたのだが正直言ってがっかりしてしまった。どうも強弱のバランスがしっくりこない。

あの勝負どころともいえる第2楽章の甘美で優しい追憶を髣髴とさせる内面の奥深さの表現が物足りず、おまけに、ミスタッチが少ないと定評のあるミケランジェリにしてはかなり外れた音が目立ち感心できない出来栄えだった。当日は本来の調子ではなかったのかもしれない。とにかくアラウ、グールド盤にも及ばない印象を受けた。

ライブの一発勝負の怖さとともに改めて内面的な深さを要求する32番のソナタを弾きこなすのがいかに難しいことか認識を新たにした。ミケランジェリほどのピアニストにしてにしてこういう具合だから他のピアニストの挑戦は推して知るべきなのかもしれない。

追記:ミケランジェリ程の奏者がこんなはずではないのでほかにも32番のソナタがあると思う。後日見つけ出してみたい。

☆ピアノ・ソナタ32番(ピアニスト:リヒテル)PHCP−5119フィリップス

期待していたミケランジェリにがっかりしたので、あとはもうリヒテル(1915〜1997)しかおるまいという期待を込めて、ミケランジェリ盤のすぐ後にネットで手に入れた。

これはライブ録音だが期待にたがわずなかなかの名演だった。第二楽章の深く瞑想的に沈降する極めて内省的な演奏は、さすがに精神性豊かなピアニストの巨人リヒテルだ。バックハウスを除けばおそらくベストだろう。

リヒテルは語っている。
【舞台に出てすぐ弾いてはいけない。30秒待って「バーン」とやる。演劇というよりは神秘主義だな。これは。しかし、ベートーベンのピアノ・ソナタ32番は、逆に、椅子に座るやすぐに弾き始めなくてはだめだ。気でも狂ったかのようにね!】(引用「リヒテルは語る」51頁、ユーリー・ボルソフ著、音楽の友社)

さすがのリヒテルもこの32番だけはもったいぶった演奏は通用しないことを率直に告白しているところが面白い。

しかし、リヒテル盤がどんなによくてもバックハウス盤を超え得ないことも明らかだった。バックハウス盤は演奏の緻密さ、クライマックスへの展開力、そして何よりも演奏そのものを不思議にも意識させないところに大きな利点があり、何だかベートーベンの心から自然に湧き出てくる呟きを聴いている感がする。

やはり32番に限ってはバックハウス盤が頂点にいることを再認識するとともに将来に亘ってこれを超える演奏は出現しないという絶対の確信(?)を持った。

なお、ベートーベンの作品の中で最も深遠なものの一つともいえるこの32番を私が知る範囲で女流が弾いたという話をあまり聞かないし、おそらく弾けないと思う。

晩年になって誰もが垣間見る悔恨と侘しさを回想しながら共感をもって優しく癒してくれるのはゴツゴツと骨張った男の指でなければとても聴けない!

と、ここまで書いておいていたところ、最新刊の「管球王国」(vol.44、4月29日購入)を何の気なしに見ていたら156頁に日本が誇る世界的ピアニスト内田光子さんが録音した32番のCD盤が紹介されていた。

ウーム、意表をつかれた感じだが内田さんならもしかすると・・・・。
彼女の気品と芸術性に溢れた演奏は神品のようなモーツァルトのピアノ・ソナタで証明済みだし、使っているスタンウェイは特につくりがいいと読んだことがあり、その響きの美しさは他の追随を許さない。各国で開催するコンサートは常に大入り満員だ。これは是非聴いてみなくてはならないと思った。

追伸:早速、5月6日にネットオークションで落札したのでいずれ試聴結果を報告の予定。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/00830baa7e5c3f130ccbf97535c10644

愛聴盤紹介コーナー〜ピアノ・ソナタ32番追加試聴♯3〜 2007年06月14日


ベートーベンのピアノ・ソナタ32番の試聴については既に5セットが終了している。あくまでも自分の好みの範囲であることを前提にするとバックハウスが一頭地を抜いている。

今回新たに内田光子、ケンプ、ブレンデルの3セットを追加購入し試聴してみたので感想を記してみる。

☆ ウィルヘルム・ケンプ(ドイツ・グラモフォンPOCG−90111)

朴訥というべきか、人間味溢れる眼差しともいうべきか、穏やかな演奏が基調となっている。ケンプの人間性そのもののような気がして好感がもてるがややタッチが弱く厳しさが足りない印象がする。このソナタの主題はこの盤のライナーノーツによると「闘争と平和」と書いてあったが、何だか平和だけに肩入れした感じ。世の中、平和だけで成り立てばそれに越したことはないのだが・・。

☆ アルフレッド・ブレンデル(フィリップスUCCP7086)

ブレンデルといえば、知的ということばで代表され、あのグールドが相当かっていたという記事を読んだ記憶があるので、今回の対象盤に組み込んでみたが一言でいって期待はずれだった。

全体的に考え込みすぎてリズムに乗り切れていない感じがする。もともと説教味を帯びた第一楽章がますます堅苦しい。それに一番大切な第二楽章に躍動感が足りない。無味乾燥で、音楽学校の生徒さんが一生懸命に楽譜をなぞっている印象。

☆ 内田光子(フィリップス475 6935)

これはなかなか聴かせる演奏だった。内田節とでも言うべきか、曲の内面に深く入り込んで自然に糸を紡いでいく趣が感じ取れる。これなら「葛藤と安息の境地」が両立していると思った。

肝心の第二楽章の”聴きどころ”のクライマックスから段々と潮が引いていく感じのところはバックハウスに匹敵するほどロマンチック。しかし、惜しいことにそれからエンディングにかけてがやや間延びした印象を受けるのが残念なところ。高揚感と虚脱感の落差がもっと欲しい。やはりこのソナタの世界は男の悔恨と侘しさがふさわしい。女流ではこの辺が限界かも。しかし、孤軍奮闘、全体的に好演の印象で録音はこの盤が一番良い。(なお、彼女の「30番作品106」は絶品だった)

結局8セットの自己流での分類は次のとおり。


上位グループ
バックハウス、リヒテル、内田光子

中位グループ
アラウ、グールド

下位グループ
ケンプ、ミケランジェリ、ブレンデル


となった。

これで、32番のソナタを弾いた著名ピアニストはほとんど聴き尽くしたので当分打ちとめ。あとは成長株キーシンあたりを見守るぐらいだろうか。

なお、最近NHKBSハイでベートーベンのピアノ・ソナタ演奏の特集に出演しているピアニスト兼指揮者ダニエル・バレンボイムも実力からいって有資格者なのだが、彼には何の恨みも無いのだが、昔、芳しくない噂の記事を読んだことがあるのが引っかかっている。

その噂とは、
彼の奥さんは世界的なチェリスト”ジャクリーヌ・デュ・プレ”(1945〜1987)だった。彼女は可哀想なことに多発性脳脊髄硬化症という難病に苦しみぬいて42歳で非業の最期を遂げたが、夫であるバレンボイムはその闘病生活に対してどうも冷たい態度に終始しケアが十分ではなかったらしい。

ワタシは当時”デュ・プレ”の才能に大注目していたのでそういう趣旨の記事を読んだ記憶が鮮明に残っている。もちろん、ケアの程度の問題もあるし、そもそも真偽の程は確認できないのだが、根も葉もない噂ではないような気がする。何故なら、こんな噂を広めても誰も得するものがいないから。

もちろん、これは、彼の芸術性とは何ら関係の無い話であり、これまた世間にはよくある話なのだが、その記事を見て以来彼の演奏とは自然に距離ができてしまって遠ざかるばかりである。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/3b161a672377106711b7e669672bd9cb


26. 中川隆[1555] koaQ7Jey 2016年2月18日 16:19:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[1451]


リチャード・グードのベートーヴェン
H 投稿者: thetac 投稿日:2014年 5月13日(火)
http://9311.teacup.com/dokugenban/bbs/24

私が現在存命中の最高のピアニストだと尊敬するリチャード・グード。

録音が少なく、しかもこの人の真価を伝えるものはほとんどない。実演での圧倒的な印象は忘れられない。ベートーヴェンも最高だが、ショパン、バッハもほんとうによい。

そのグードの2013年のライブ演奏がYouTubeに上がっている。著作権違反だというのはわかっているが、こんな素晴らしい演奏を紹介しないわけにはいかない。

大体、この10年の間にグードにライブでベートーヴェン全集を録音させていれば、歴代ベスト盤になったことは間違いないのに、どこの会社もやらなかった。YouTubeに上がっているこの31番ソナタをきけば、これほどの演奏をちゃんと録音して発売しないレコード会社はみなつぶれてしまえといいたくなる。
リンクは以下に。

ベートーヴェン 31番ソナタ
https://www.youtube.com/watch?v=uWKEsOiF4vc
https://www.youtube.com/watch?v=PfCJj6pwhWc
https://www.youtube.com/watch?v=mkSlNbcn9mw
https://www.youtube.com/watch?v=6ho8WuKI0UI

ショパン夜想曲
https://www.youtube.com/watch?v=jM5BsSw4c2M

ショパン マズルカ
https://www.youtube.com/watch?v=uT96QIQWGF4

モーツアルト 協奏曲第23番
https://www.youtube.com/watch?v=AUDc5FYmcVY
https://www.youtube.com/watch?v=UPHMpLi6TRY


27. 中川隆[-6529] koaQ7Jey 2017年9月03日 10:45:21 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

上野の森のメジューエワ  GRFのある部屋2017年 09月 01日
http://tannoy.exblog.jp/28108262/


前日の金曜日は久し振りに深酒して、ワインは三人でシャンペンを含めて三本、そしてウィスキーも気がついたら封を開けていました。そんなわけで、演奏会当日の午前中は寝ていたので、家を出たのが開演一時間前、何時もならそれでも余裕で付くのですが、二日酔い気味なので日和って、駅までタクシーを待っていたら、土曜日の所為かなかなか来ません。そんなときに限って、電車は事故の影響で遅れているし、上野駅のホームに滑り込んだときは、開演5分前。上野の文化会館の小ホールの坂を上っているときには、待っている係員の方も心配されるほど。私の入場を待ってドアが閉まりました。

なんだか、何時もぎりぎりに到着している記事ばかり書いていますが、何時もはそんなことはなく、だいたい15分前には到着しています。会場前の30分以前だと外で待たされるので、開場した後ぐらいを目標ですね。川崎だと、阿佐ヶ谷から一時間以上掛かっていますから、開演前に気付け薬の白を一杯所望します。スパークリングやビールだとトイレが心配ですし・・・

そこだけ空いた自分の席に座って周りを見渡すと、回りは初老の男性陣でほぼ満席です。それでも、すぐに開演と言うことはなく、10分ぐらい経ってからメジューエワの登場です。所作が日本人的で、京都の深窓の令嬢という感じが何時もします。東京のという感じはしないのがわれながら不思議ですが。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=28108262&i=201708%2F31%2F99%2Ff0108399_08284434.jpg


早速、一曲目のベートーヴェンピアノソナタ27番が始まりました。目の前の1925年生のNYスタインウェイCD135が少し古めかしい音を出し始めました。今日は特に古めかしい響きで驚きました。明るい音で、和音も深いのですが、音の質が揃っていない感じがして、27番を聴いている最中は、少し心が落ち着きませんでした。

旧いNYスタインウェイでは1887年製をよく江口玲さんの演奏会で聴きます。


フィリアホールで 川久保賜紀さん GRFのある部屋
http://tannoy.exblog.jp/25156440/


モーツァルト以前には良いのですが、ベートーヴェン以降のダイナミクスが重要な曲には、現代のピアノの方がマッチすると思っています。今日のNo.135は現代と19世紀のピアノの中間ですね。ちなみに、このピアノは神戸の会社が所有してきて、東京まで輸送してきます。費用も掛かるのですが、メジュエーワの意向もあるのでしょう。


「クラシック・ニュース」ピアノイリーナ・メジューエワ 演奏生活20周年をむかえて! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1S1Hfsnudik


この動画の最後の方で、次回以降の東京文化会館もこの楽器を演奏すると言っています。彼女の日本語は完璧ですね。

27番は、後期のベートーヴェンのソナタの入り口です。彼女も、晩年の世界への序書のつもりで弾いていると言っています。つぎの28番は、違う世界観ですから、27番の方が合っています。続いて、30番の規律正しい音、正しいだけではなく倫理的にも清々しさを感じさせる演奏は多くはありません。彼女の楽譜を読みながら演奏するスタイルにも、常にスコアと対面して、確認している演奏を感じます。スコアを見ながら弾けると言うことは、実は眼をつぶっていても弾ける技量を必要とします。彼女は、スコアと左手の間を確認にしてるようです。右手を見ることはほとんどありません。時として右手だけで弾くときは左手は指揮をするようにタイミングを示しているのです。

ピアニストほど暗譜を求められる楽器はありません。その他には、ヴァイオリンがソロを弾くときぐらいです。ピアノももちろん、他の楽器と協奏するときは、必ず譜面を見ながら弾かざるを得ないのですが、ソロの場合は、暗譜の演奏を求められるのです。譜面を見ながら演奏していた大家はもちろんリヒテルです。しかし、リヒテルの譜面の読み方は、時として感情を爆発させたときのブレーキ役として譜面を使っているように見えるのです。

メジューエワの譜面は、楽譜に音楽に誠実に、譜面による規矩を作り、それを守ることによりあの高貴な倫理性を出しているのだと思います。譜面を読みながら弾くという行為は、当たり前のように見えていて実は大変難しい演奏スタイルなのです。彼女はそれを貫き通して音楽に誠実に仕えているのでしょう。

30番の二楽章を聴くとショパンのピアノソナタの第二番の旋律を思い出します。28番が新しい時代の幕開けを感じるのは、シューベルトのピアノソナタと同じです。モーツァルトもそうですね。突き詰めていくと時代性をも越える世界に入っていくのでしょう。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=28108262&i=201708%2F31%2F99%2Ff0108399_20294905.jpg


休憩時間に、エビネンコさんとお会いしました。先日のミューザ以来です。三月のヤマハホールでのメジューエワでもお会いしましたね。


ヤマハホールのメジューエワ GRFのある部屋
http://tannoy.exblog.jp/27648506/


そういえば、その時の公演のCDが先日でました。何時もの若林工房の録音ですが、CDで聴いてもヤマハのピアノの音がします。そしてろくおんはワンポイントに近い方法なので、ホールの音の影響を凄く受けます。このホールでは、音がこもり気味ですが、その感じは良く出ていますが、ピアノの音をとるには良い環境とはいえませんね。それに、リヒテルのヤマハの音とは違うのは、チューニングの差でしょうか?チューニングと言えば、席に戻るとステージ上では、調律師がチューニングをやり直していました。やはり湿気で微妙に音がずれていたようです。音はだいぶ合ってきました。

後半の一曲目は、31番からです。最後の三曲のソナタの中では一番聴いているかもしれません。ピアニストに依って、全く違う曲のようにも聞こえます。バックハウス、ケンプ、リヒテル、ギレリス、ブレンデル、アシュケナージ、バレンボイム等々の巨匠たちの演奏を聴くたびにそう思うのです。第一楽章の出だしの優しさから、一転してベートーヴェンの世界が展開します。短いけど印象的な第二楽章のスケルツォを経て、第三楽章は複雑な構成の深いテーマから始まり、忘れられない変イ短調の『嘆きの歌』から変イ長調のフーガに移り、少しずつ盛り上がっていくところを、淡々と丁寧に、しかし、力強くメジューエワは弾いていきます。そしてあの和音の連続、そして無限の広がりをか感じさせる最後のフーガの上昇旋律。引き寄せられるように譜面の動きを追っている自分がいました。

メジューエワの譜面の読みは、イザベル・ファーストのときのようなバッハ自身の自筆の譜面を使って、ながれやダイナミクスを見ているのではなく、建築の設計図みたく音楽の構造を示しているのであり、その骨組みの中で最大限自分を爆発していくときの枠組みとして使っているのだと感じました。その意味ではリヒテルと同じですね。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=28108262&i=201709%2F02%2F99%2Ff0108399_09433886.jpg


そしてベートーヴェン特有のハ短調で書かれた最後のピアノソナタ32番が始まりました。どこから聴いてもベートーヴェンとわかる調整と構成です。ワルトシュタインやテンペストも、悲壮もすべての要素がこの最後のソナタの第一楽章を聴いているとよみがえってきます。協奏曲の皇帝のように、ピアノのフレームが軋むようにも鳴り響くのです。きわめてベートーヴェン的ですね。その意味で、1925年製のこのピアノが、メジューエワの音のサイズと合っているのではと思いました。休憩時間に調整した後の和音は破綻なく鳴り響いています。

第一楽章のきわめてベートーヴェン的な響きを終えて、第二楽章もある意味きわめてベートーヴェン的な旋律です。そして静かに変奏していくいくつものヴァリエーション、ベートーヴェンの最後のピアノソナタは、ハ長調で静かに締めくくられるのでした。その小さな日だまりのような、陽光が差してくる光がメジューエワの演奏にも感じられて幸せな気分で曲は終わりました。素晴らしい演奏でした。

イリーナ・メジューエワの日本デビュー20周年記念リサイタル Vol.1  

2017年8月26日(土) 東京文化会館小ホール
オール・ベートーヴェン・プログラム

ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 Op.90
ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109

【休 憩】
ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111


【アンコール】
ベートーヴェン|6つのバガテル〜第5曲 Op.126-5
http://tannoy.exblog.jp/28108262/


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