★阿修羅♪ > リバイバル3 > 435.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
ラジカセでクラシックを聴いている清貧の音楽ファンには音楽はわからない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/435.html
投稿者 富山誠 日時 2013 年 6 月 20 日 20:12:07: .ZiyFiDl12hyQ
 

ラジカセでこよなく音楽を楽しんでいる私は、オーディオに狂っている人より、より深く音楽を理解している

やはり、時々こういう人に出会います。またしても質の違い、いいや、この問題は、個人の生き方の違いなんでしょうね。論理的に言えば、それは”悪い楽器でこよなく音楽を楽しんでいる音楽家は良い楽器を持っている音楽家より、より深く音楽を理解している”と言っているのと同じ気がします。

確かにラジカセで十分音楽は楽しめます。高価なオーディオ機器を購入している人達を見ると、なんて馬鹿馬鹿しいことをしているのかと思う気持ちも理解できます。私はラジカセでこんなに音楽を楽しんでいる、それなのに、なんであの人達は、音楽を十分聞くこともしないで再生用の機器を弄繰り回してばかりいるのかと、苦々しく感じていることでしょう。また生の楽器の音を知っている人に、再生音にこだわらない人が多いのも事実です。

でも、オーディオに狂っている人達の大半は知ってしまったんですよね。装置によって演奏が異なって聞こえることを、下手な演奏だなと思っていたのにオーディオ装置を換えたら素晴らしい演奏で吃驚したり、ラジカセでは決して聴くことの出来ない美しいものを聴いてしまったり、素晴らしいオーディオ装置で聴いた音楽で人生を変えてしまうような感動にめぐり会ってしまったり......,生演奏で聴いた感動が良いオーディオ装置でよみがえることを、そうです、やはり別の深い世界に触れてしまった人が多いんです。でなければ、そんなに狂うこともなかったでしょうに。

ラジカセで音楽を楽しんでいるタイプの人はどちらかと言うと能動的に音楽に向かい合っている人で、機器に凝っている人はどちらかと言うと受身で音楽を聴いている姿勢を持っている人だと言うこともできるでしょう。では音楽の聴き方として能動的な聴きかたと受け身的な聴き方の違いは何処にあるのでしょうか。

ラジカセで十分という方は自分の中で音楽は広がって行くのでラジカセで十分と言うことなんでしょうが、私は能動的に聴くということはどうしても暴力的に音楽を聴くと言う姿勢を孕むと思っています。音楽は自分の掌中にあるという考え方を無意識にしてしまう危険性があると言うことでしょうか。もちろん能動的に音楽を聴く良さも素晴らしさもあるのですが、能動的な姿勢は音楽の深さを狭めてしまうということの方が多いのです。私は多くの演奏家を知っていますが、能動的に音楽を聞く演奏者も受け身で聴く方もいて、様様ですが、音楽の深さを感じさせ、才能を感じさせる演奏をする人には、どちらかと言うと音楽を受け身で受け止める人が多いのも事実です。ちょっと深い世界に入ってしまうのでここでは書けないのですが、それにははっきりした理由があると思うのです。

昔、ヴァイオリニストの楽器選定に付き合ったことがあります。その時、まだまだ未熟なヴァイオリニストだと思っていた人なのですが、名のあるヴァイオリンで試し弾きするのを聴いて愕然としました。こんなに素晴らしいヴァイオリニストだったんだと初めて気がついたんです。そして優れた直観力を持つ若い感性は、まだ良い楽器になれていなかったからこそ、優れたヴァイオリンの持つ生命力を、そのまま見事に引き出したのです。今までは、ヴァイオリンが技量に追いついていなかっただけだったのです。弦楽器に対する理解不足を本当に後悔しました。同時に、良い弦楽器の持つ凄まじい生命力は、所有した演奏家を永い間苦しめることになるだろうということもはっきりと私は意識していました。そして優れた楽器がもっているいやらしいまでの生命力が問いかけてくるものも、私に付きまとって離れないだろうと言うことも。

良い弦楽器はより深い未知の世界を感じさせてくれます。それは単に音楽を楽しむだけという事ではすまない世界です。確かにラジカセでこよなく音楽を楽しめると言うことは、その深い世界の一端を知っていて、想像力で補えるということなのでしょう。でも想像力で補えるのはその人、個人の能力と体験の範囲内でしかありません。ラジカセでこよなく音楽を楽しんでいるから優れた想像力をもっていると主張できるという考えは短絡的です。個人個人の感性やその深さは他人から簡単に推し量ることは出来ません。

より深い世界に常に向き合っていたいと、オーディオ装置に凝るのも名演のレコードを集めまわるのも、求めている次元がより深いということではなく、やはり生きる姿勢の違いということでしょう。そして私は、楽器のもつ様々な音も演奏家の表現する音楽も想像力で補えるほど、単純平易なものとは到底思えません。想像力を働かせるし、音楽は自分の中で広がっていくからラジカセで十分と言い切っている人は、音楽の大切な要素を無視している、一種の狭量さを否定できないのではないでしょうか。名器と言われる楽器ほど、その真の魅力を引き出すために音楽家は長い間大変な努力しています、そしてその世界は演奏者自身の手をも離れ飛び越えてしまう世界です。その深い世界に少しでも触れていたいと、魅力のあるオーディオ機器を、素晴らしい演奏の録音を、追い求めていくのも自然なことなのです。

能動的に楽しむ人と、受動的に音楽に接している人と、どちらがより深く音楽を理解しているか、それは、どちらとも言えません。言えるとすれば、どちらにいる人でも本当に音楽を深く理解している人なら・・・・私は他の人より、より深く音楽を理解している・・・・なんて言う訳はないでしょうね。私の方が豊かな感性の持ち主だと主張する人は、何も分かっていないということを自ら宣言しているようなものです。

やはり同じことの繰り返しになりますが、所詮は他人のことなのです、他人の感性云々は言う方が愚かなだけです。 自分以外の誰がどのような感性を持ちどのような楽しみ方をしているかなど分かりようがないからです、この認識は人としての大切な基本でもあります。 私はラジカセで音楽を楽しんでいる人もオーディオを追及している人もどちらも尊敬しています。
http://www.ne.jp/asahi/solanon/non/audio/audio4.html  

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 中川隆 2013年6月20日 20:44:34 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

言い換えると、ヤマハやカワイを弾いている音大の学生には音楽は絶対にわからないという事ですね。


アヴデーエワ、1837年パリ製エラールを弾く
http://www.youtube.com/watch?v=yINFx5sg_iw

久元 祐子・エラールによる『革命』
http://www.youtube.com/watch?v=mN-2h7kp7Ww

久元祐子・プレイエルとエラールによるショパン。
http://www.youtube.com/watch?v=PuWhORBTOm8

Satie (1866-1925) - Gnossienne No.1 played on a Pleyel Pianino (upright piano, 85keys, 1858)
http://www.youtube.com/watch?v=4nSr0ucWTb4

Liszt - (1811-1886) Consolation No.1 & No.2, S.172-1 & S.172-2 played on a Pleyel Pianino (1858)
http://www.youtube.com/watch?v=XOrOpZbmmGM


02. 中川隆 2013年6月20日 21:07:22 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

フランス人だけがヤマハから美しい音色が出せる理由

ハイドシェックの音色の秘密はここにあり。。。
エラール製のピアノと共に。
http://monchemin.exblog.jp/11777098/

フランスの好み

 どういうわけか…というのもちょっと変かもしれないが、このところフランスではピアノといえば──コンサートや録音の現場では──ヤマハを好む一派が主流をなしているようで、この国でのヤマハの支持のされ方は我々日本人から見るとちょっと意外でもあり、驚きでもある。

 この現象、いつごろからとははっきりわからないけれども、気がつくと現役のフランス人有名ピアニストの大半が、申し合わせたようにみんなヤマハを弾いているのにはどうしたわけかと不思議に思うところであるし、同時に、これは非常に興味をそそられる点でもある。

 フランス人は、横並び大好きの日本人とは正反対のメンタリティを持った人達で、ことさら人と違うもの、自分独自のものでなくては気がおさまらないところがあるから、世界的なスタインウェイ偏重の流れに一定の抵抗心と実践力があるのだとすれば、それはフランスならあり得ることのような気がする。しかし同時に、個人レヴェルで見た場合、多くがヤマハという同一メーカーばかりを談合したように弾くのは、これはこれで一種の横並びじゃないかと解釈できないこともないところではあるが。

 とはいえ、何事においても独自性を重んじ、あくまでも自分達の感性や眼力で選び抜いたものを、独特の流儀で使いこなすというのはいかにもフランス人らしい点であろう。

 そしてそれが、自国のプレイエルではなく、他ならぬヤマハであるというところが正直言って驚かされるところだが、彼らのヤマハの使い方を見ていると、なるほどと思わせられる点もなくはない。

 まったくの想像だが、フランス人のヤマハ好みの火付け役は遠くはエリック・ハイドシェック、近くはジャン=マルク・ルイサダあたりではなかろうかとも思ってしまうがどうだろう。

 彼らはキャリアのはじめの頃はスタインウェイを使っていたし、ルイサダはさらにファブリーニ(イタリアの高名な調律家で、名匠タローネの弟子)のスタインウェイを弾くなどして録音をやっていた。マロニエ君の印象としては、ファブリーニのピアノはイタリア的な華やかさというよりは、非常にコントロールの行き届いたなめらかさがあり、同時に極めて精密で均一な鳴り方をするという印象がある。ハンブルクのスタインウェイをベースに、より精度を高めると共に、ところどころの音域間にある音色の段差などは極力抑えられてムラなく繋ぐなど、どちらかというと整然とした印象で、ファブリーニ氏の理想と個性に彩られたピアノになっていると感じられる。

 そのせいか、彼が手がけたプレイエルを2種類ほど録音で聴いたことがあるが、おそらく極上の調整がされているのだとは思うけれども、それがいささかやり過ぎなのか、ひどくつまらない、面白味のないピアノになっていたことは残念に感じたものだった。

 こういうことを言うと多くの技術者から叱られるかもしれないが、それでも敢えて言わせてもらえば、楽器というのは基本は素晴らしく調整されていなくてはいけないけれども、音造りの面にまで綿密を極めた仕事を行き届かせるあまり、生来の個性までもを押さえ込んでしまうことに繋がっていくやり方は感心できない。あくまで大局的見地に立って楽器が持って生まれたものを尊重しながらピアノに自由と健康を与え、最後のところでは良い意味でのアバウトさみたいなものさえも必要ではないだろうか。それが上手く作用することによって楽器が本来の声で開放的におおらかに鳴るものだと感じるし、こういう在り方のほうをマロニエ君は好む。

 そういう意味では、あまりに厳しく統制されたガチガチのピアノはまるで自由のない盲導犬のようで、どこか技術者の技術にしめつけられた窮屈さみたいなものを抱えていて好きにはなれない。それに、細緻を極めた調整をやりすぎると楽器の器までもが矮小化する場合があると感じるのはマロニエ君だけだろうか。機械的な調整はやりすぎるということはないけれど、そういう場合、往々にして調律師も相当の凝り性であろうし、彼らの中には楽器の個性を超越したところに理想の音というのがあって、それがどうしてもピアノに投影されすぎるような場合があるように感じる。

 楽器本来の持って生まれた音色や響きを絶対優先──場合によっては「理解」というべきかもしれない──させずに、優秀ではあっても調律師個人の主観と理想によって仕上げられたピアノというのは、一見とてもクリアーで素晴らしいように感じるが、不思議と深い感銘が得られない場合が少なくなく、結局はただ技術者の技ばかりを見せつけられるだけに終わってしまう。

 これはピアノ本来の特性や持ち味と、音造りの方向性や思想が、根本のところで噛み合っていないためだと思われる。

 ちなみに、横山幸雄氏が日本で現在進めている戦前のプレイエルを使ってのショパンの録音は、すでに3枚がリリースされたところだが、その調整の見事さには本当に舌を巻くし、日本人の技術というのはまさに世界の頂点だと言っても差し支えないと思う。よくぞここまで戦前のプレイエルを完璧といいたいまでに端正に仕上げたものだと思うが、ただひとつ残念というか心に添わない点は、では、これがこの楽器の本来の響きかどうかということになると、少なくともマロニエ君はどうしてもそうは思われないところがあるのである。

 フランスのヤマハに戻す。

 上記のファブリーニを弾いた後あたりから、ルイサダはヤマハを使うようになったとおぼろげに記憶しているが、もしかしたら間違っているかもしれない。ただ、ルイサダは現在彼が獲得しているピアニストとしての地位からすれば、指のメカニックは悲しいかな相応のものではないのは周知の事実だろう。彼の演奏するショパンの評価が高いのも、ひとつには彼が技巧的な劣勢をカバーするために追求され磨き込まれたところの成果ではなかろうかという推測がマロニエ君にはある。

 同じスタインウェイでも、技術者の手が存分に入ったピアノは、弾きやすさの点、音色の美しさという点では他の平均を大きく上回るものがあるが、当然ながら逆の場合もある。そういう機械的な確実性という観点から彼らがヤマハに辿り着いたのだとしたらじゅうぶん考えられることだろう。というのも、ヤマハは単なるアクションの問題だけでなく、その音色も含めた総合的な意味において、少なくともコンサートグランドの場合、とても弾きやすくピアニストに寛大なピアノであるということは言えるような気がする。

 ルイサダはコンサートはもちろん、録音なども現在はほとんど日本でやっているようだし、中堅のミシェル・ダルベルトや古典作品を得意とするアレクサンドル・タローもヤマハをヤマハを多用、いま最も期待される実力派フランス人ピアニストのひとりであるジャン=フレデリック・ヌーブルジェに至っては、年代や収録場所の異なるCDでもピアノはすべてと言っていいほど徹底してヤマハを弾いているようだ。

 逆にこの流れに入らないのはピエール=ロラン・エマールとエレーヌ・グリモーで、彼らは一貫して定番のスタインウェイを弾いているものの、フランス人ピアニストとしてはこちらのほうがちょっと異端な感じがするし、彼らの演奏はスケールこそ大きくはないものの、そのスタイルは国際規格であって、フランスという枠内にとどまってはいない。

 ひとついえることは、フランスで録音されたヤマハを聴いている限りにおいては、日本で聴くヤマハとはかなり違うという印象がなくもない。ひとくちに言うと、これがヤマハかと思うほど、とても繊細で音が柔らかく、やや小ぶりに上品にまとまっている。そしてピアノの個性があまり前面に出ることなく、演奏をあくまでも黒子的に支えているピアノという感じだ。

 これらの要素を考えていくと、もうおわかりかも知れないが戦前のエラールを連想させるタイプという気がしてくるわけで、ピアノは完全に脇にまわり、あくまで作品と演奏が主役となっている。

 ルイサダが日本でおこなった録音の中には、同じヤマハでも本当に美しい華やかな音色のピアノがあるかと思うと、いかにも日本的な味噌汁みたいなヤマハの音で思わず抵抗を覚えるものもあるが、その点、フランスでのヤマハには目のつまった上質な布地のようなしなやかさと上品さがあって、独特の節度ある美しさがはっきり聴き取れるのはマロニエ君も認めないわけにいかない。

 その代価というべきか、楽器としての大きさはないけれども、ベーゼンドルファーのような一種独特の臭味もなしに、弱音域の繊細さを表現できる垢抜けたピアノになっている点は大いに評価したい。

 ひょっとすると、はじめからフランス人たちは確信犯的に、ヤマハにスタインウェイ的なスケール感を見切った上で、ピアノにより華やかでセンシティヴな面だけを活かした音造りをやっているのかもしれないし、それに適った演奏によって洗練された音楽表現をしていることも考えられる。

 こういう成り立ちの演奏を聴いていると、なるほどスタインウェイのいかにもスケールの大きな華麗な音色は、フランス人ピアニストの好むデリケートなニュアンスには若干齟齬を生んでいたのかもしれないという気がしてくるし、それがしだいに理解できてくるところがおもしろい。

 楽器そのものが強靱かつブリリアントで、すでにスタインウェイという色の付いたピアノであること、またこのピアノの持ついかにも英雄的な性格が、彼らの軽妙で陰翳を必要とする感性にはやや合わないことは充分考えられる。

 さらにフランス人は、ピアノに対するイメージを、今日的なコンサートの基準であるホールよりも、ショパンの時代に見られるようなサロン的な規模のこまやかさのある楽器と捉えて、よりコンパクトでデリカシーに溢れた楽器であることを求めているようにも思われてくる。決して既存の基準に盲従することなく、そのようなイメージの問い直しができる点もフランスの文化の深さを感じさせられるところで思わず唸ってしまう。

 そういう意味では、フランス人のイメージにあるヤマハは、ヤマハ自身が本来目指しているものとは少々違ったニュアンスに落とし込まれている可能性もあるのかもしれない。つまり、フランス人はヤマハをあくまで自分達流にちょっと上手に使いこなしているように感じられるのだが、そういう実に巧みな、他では思いつかないような使い方を発見する彼らの独創性にはいまさらながら敬服する。要はヤマハを使っていても、それは決してヤマハに対する全的肯定ではないのだろう。

 かつて、ミシェル・ベロフやジャン=フィリップ・コラールが彗星のごとく世に出てきた70年代の録音などは、ピアノはスタインウェイだったが、その音はかなり通常のスタインウェイとは違うものだった。いかにもフランスピアノ的華やかさに溢れたもので、スタインウェイの持つ音の太さや荘重さを犠牲にしてでも、線は細いけれども贅肉をそぎ落としたようなシャープかつ華やかなピアノだった。とうてい他の国では受け容れられないピアノだったと思う。

 その他にもジャン・ドワイヤン、セシル・ウーセ、フランソワ=ルネ・デュシャーブルなどは一時期ベーゼンドルファーを使っていたが、ドワイヤン以外はこのウィーンの強いイントネーションに最終的に馴染めなかったのか、その後はスタインウェイを弾いたようだ。ベーゼンドルファーはもちろん素晴らしいピアノだが、ウィーン特有なある種の個性──野暮ったいことを逆手にとって崇高な美にまで高めたような──は、おそらくフランス的センスの前では、民族学的にも相容れないもののほうが大きいはずだ。

 名匠イーヴ・ナットはエラールとスタインウェイを引き分けていたようであるし、コルトーは大半をプレイエル、晩年にスタインウェイ、フランソワは多くをスタインウェイで弾いていたように思う。

 これほどフランス人ピアニストがスタインウェイを使いつつもそこに安住せず、さまざまなピアノの音色に試行錯誤してきたのは、自国のピアノが大戦を境に弱体化してしまい、同じDNAを持つピアノを失ってしまったためかもしれない。

 そして、このところ彼らが目をつけたのがヤマハということだろうか。少なくともフランスに於けるヤマハへの支持の高さは並々ならぬものがあるのは間違いないようで、この勢いなら少なくともパリでは、コンサート会場はもしかしたらヤマハのほうがスタンダードという可能性もあるだろう。

 そういえば、スタインウェイに鞍替えして、生産国の日本でさえもヤマハを弾かなかったショパンコンクールの覇者アヴデーエワは、パリでのリサイタルでは、あのオフィス着みたいな黒いパンツ姿からお姫様風ドレスに大変身して、再びヤマハを弾いているのにはまたまた驚いてしまった。

 まったく何がどうなっているやらこの業界のことはさっぱりわからないが、いずれにしてもフランスはやはり独自のものを失っていないということだろうか。

 面白いのは、これほどヤマハが異例の高い評価を受けながら、カワイは見向きもされず、その気配もないのはどうみるべきだろう?

 マロニエ君の想像では、カワイにはわずかながら伝統的ピアノの源流を思わせる色があるからだと思う。その色というのは、ドイツ的とまで明確には言い切れないけれども、強いていうなら中央ヨーロッパ的とてもいうべきで、少なくとも西ヨーロッパの明るくて軽い色彩と燦々たる光りのまぶしさはない。どちらかというと、わずかな陰鬱さと深いものを求める生真面目なピアノである点をフランス人は敏感にかぎ取って、自分達の求めるものとはやや異なる要素の存在を見逃していないのだろう。

 その点、ヤマハは明るめといえば語弊があるが、少なくとも現代的な音色でありながら、しかもこれという楽器が放つ主張がない。音だけを聞いているといったいどこのピアノかまるでわからないような匿名的かつ無国籍的な音だし、しかも古臭さのない音がするところを、フランス人は自分達の必要なところだけ上手く捉えて使っているように思われる。

 ヤマハの持つこれらの要素、さらにはピアノとしてのある種の寛大さ、楽器としての潜在力があまり大きくないことがフランス人の求める色合いにたまたま適合したのではないだろうか

 かつてのプレイエルのようにフランス人そのものから出てきたような個性ならば相性も抜群だろうが、そうではない場合は、却って特徴的な音色がないほうがいいことは、エラールのようなピアノが昔からプレイエルの陰でしっかりと同時並行的に支持されてきたフランスの土壌ならではと言えるかもしれない。

 現代のプレイエルはついにコンサートグランドをカタログに載せるに至り、その音色はたいそう柔らかなものではあったが、まだまだ完成の域には達しているとは言い難い印象だった。フランス人にはどんな評価を下しているのか聞いてみたいところである。

 ちなみに、プレイエルのコンサートグランドP280はバイロイトの老舗、シュタイングレーバーによって委託生産されているということを耳にしたので、日本のシュタイングレーバー輸入元であるS氏にその旨を聞いてみたところ、現在のプレイエルにはまだコンサートグランドを製造する力がないので、おそらくそういうことだろうという回答が返ってきた。

 それが事実だとするなら、やはりピアノは民族性が色濃く出てこその楽器なので、わけてもコンサートグランドともなればぜひとも自前で作って欲しいものだし、それができないのなら、他国の工房に委託してまで作る必要があるのかと思われる。ドイツで作られたプレイエルという構図は昔も一度あったことだが(シンメル)、それでは一体何のためのプレイエルかとも思うし、だいいちこれではドイツピアノなのかフランスピアノなのかも甚だわかりにくいものとなる。

 シュタイングレーバーはドイツピアノらしい規律と実直さの中に、柔らに薫るような肉感的な響きを併せ持ち、あたかもドイツの威厳と優雅と官能が共存しているといった印象があるが、あのプレイエルP280の柔らかな要素はシュタイングレーバーの潜在力を活かしつつ、フランス的に味付けを変えて出来上がったものというわけか。

 ただし、いまだ発展途上というべきで、フランス人ピアニストたちが歓迎しているようにもあまり感じない。


 そのうちこの新生プレイエルにフランス人が触手を伸ばすのかどうかは知らないが、ここ当分はヤマハを使い続けることになるような気もする。
http://music.geocities.jp/petroler/mrn70.html
 


03. 中川隆 2013年6月20日 21:42:26 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

スタインウェイとベーゼンドルファーの弾き比べ
http://www.youtube.com/watch?v=0lauB-U_kdo

1842年製ベーゼンドルファー(愛の夢)
http://www.youtube.com/watch?v=7XH4etyYHrw

久元祐子ピアノリサイタル『ベーゼンドルファー いま 昔』
http://www.youtube.com/watch?v=yEB8d6ohY4Y

★ベーゼンドルファーにつきましては、意外に思われるかもしれませんが、私は、バルトークをベーゼンドルファーで弾くことで、理解することができました。

現在は、もうそのようなことはございませんが、一昔前は、バルトークのピアノ作品は、ピアノを打楽器のように扱い、“荒々しい民俗音楽風の作品だ”と思っている頭の固い先生方が、結構いらっしゃいました。

私は、高校生の時、バルトークのオーケストラ作品を聴き、彼を大好きになり、ピアノ曲も8分の7拍子などの変拍子をつかった、踊りだしたくなるような曲が大好きでした。


★バルトークは、ベーゼンドルファーのグランドピアノを持っていました。

ベーゼンドルファーで、彼の曲を弾きますと、ベーゼンのもっている豊かな倍音、意識的に聴くことはできなくても、確かに鳴っているその倍音が、限りなく音の広がりを感じさせ、安らぎを与えるのです。

まるで、ベッチャー先生のチェロのような音の響きです。

バルトークが求めていた音は、ぶっきらぼうで、乾燥した非人間的な音ではなく、このような音だった、と実感できました。


★「ミクロコスモス」を弾いても、なんて優しい愛情に満ちた曲なのだろう、と感動します。

同じことは、シューマンの作品をベーゼンで弾いてもよく分かります。

シューマンの天才的な耳は、ピアノ作品の和音の中に、倍音による限りない広がりを求め、また、聴いていたのです。

「謝肉祭」の冒頭の和音は、ルービンシュタインが弾くスタインウェイの剛毅で豊かな響きも素敵ですが、ベーゼンで弾きますと、もしやシューマンは、この豪華で、そして、どこか夢の中の世界のような、現実を超越したプラトンの言うところの「イデアの世界」を聴いていたのかもしれません。


★間違っても、現代の電子楽器では、決して聴くことのできない、体験することのできない「芸術としての音の世界」です。

この音の世界を作り出せるピアノ「ベーゼンドルファー」が、商業主義の犠牲にされず、人類の美しい英知の一つの結晶として、設計変更されることなく、同じ質を保ちつつ、作り続けられることを、心より願ってやみません。
http://blogs.yahoo.co.jp/nybach321/53495740.html


04. 2013年6月20日 22:07:48 : W18zBTaIM6

バルトークの家(ブダペスト旅行記1) 2012-09-11

先週、ブダペストに4泊5日、賞味、丸3日の、小旅行に行ってきました。

電車だったので、片道、1日、かかったのでありました。。。。

もちろん、飛行機も考えたけど、乗り換え、待ち時間などいれると、結局1日かかるだろうし、窓から見える景色も楽しいかな、と期待したのでした。。。。

ドレスデンから、プラハに行き、スロバキアを通って、ハンガリーに到着、
その間、全くパスポート検査なし、
シェンゲン条約により、一度、EUに入ってしまえば、中は自由に行き来できるのですね。

そして、電車の切符の安かったこと、
ユーロ・スペシャル・ハンガリーという切符があって、往復で約1万円、、バスより安かった


私は、バルトークを、まだ深く勉強したことがないのですが、そのうち、夢中になるだろうな、と思っていたので、まず、家を見ておこう、という気持ちで行ったのですが、

バルトーク、、、

好きになった、、、ドキドキ

なぜかというと、家の近所が、私の実家の近所と、そっくりだったからです。
これが、ハンガリーだという気がしなかったなー、、、、、、

実家に帰ったような気がした

バルトークの家は、ブダペストの中心、ドナウ川から、ちょっと離れた、住宅街の、丘の上にあります。
まず、バスで丘のふもとまで行きます。

左の教会が、ふもとの目印

そして、丘を上がります、それでは

ここで、右の道を行っても着くけど、左の方が近い^^
(ykは、カンが当たって、間違えなかったのだ!!!)


途中、こんなにモダンな家が一戸ありました。

ココです、この車庫が、バルトークのお家


ドアが開いているのは、私が、ベルを鳴らしたからですが、、

このドア、実は、自動でしか開かず、ものすごくゆっくり開くのです。
私がどんなに力を込めて押しても、ゆっくり、じわりじわりとしか、動かなかった。。。。。

(少し、待ってください、なーんて、アナウンスが、かかっているし。。。。)


これ、恨みのドア

ドアを開けて、すぐ、またちっちゃい階段を上がって、家はさらに丘の上に

バルトークがいるよ

こんなお家

バルトークが、アメリカに行くまで住んでいたお家です。

一階は、受付と、おトイレ

2階は、サロンホール


今は新しい大きなスタインウェイが置いてありますが、バルトークは、ベーゼンドルファーを3台所有していました。

3階が、バルトークの部屋

この椅子が、ものすごく大きいのだ
お相撲さんのお尻でも、余裕で座れるよ

普通の大きさの椅子もあるけど

ハンガリーの白地に赤の模様のカーテン、すてきです

これが、バルトークのベーゼンドルファー、ですが、なんと、数年前に、このピアノの中から、バルトークの煙草の吸殻、がでて来たのです、
(4階に展示があります、のちほど)

ベーゼンドルファーに、煙草を落とすなんて、あー、信じられない
バルトークの性格が、思いやられます

奥にある机は、コダーイの家の書斎にある、コダーイの仕事机を作った家具職人と同じ人が、作ったもの。
(コダーイの書斎が、また、立派だった、、、、バルトークは、羨ましかったのかな)

このピアノの部屋は、小さいです。こんな風だったら、日本でも可能。
私の将来の日本のピアノの部屋、こんなふうにしたいなー、、、と思った、、、
ひひひニコニコ

そして、さらに屋根裏部屋があって、そこには、バルトークの収集品が展示されています。

綺麗な階段を上がると


バルトークのサンダル

バルトークがピアノの中に落とした、煙草

ハンガリーの服と陶器

バルトークが集めた、貝殻

お金

生涯にわたって、いろんな場所で集めた昆虫

針にブスッと刺さって、かわいそうな、虫の死骸でした、、
そして、葉っぱ

そして、眼鏡、
右端のサングラスと、左端の老眼鏡が一番最後に使われていたものですが、相当、レンズの度は、きつい

真ん中の眼鏡は、耳にかける部分がない、
どうやって、鼻の上にのっていたのだろうか

そして、この鉛筆の中にフォークが混じっている、、、と思ったら、フォークではなく、インクをつけて五線を書くためのものだったらしい。。。。
良いアイディアですね^^

旅行に持ち歩いたメトロノーム、、
私は、時計かと思ったんだけどナー


椅子と箪笥

民謡のための楽器

お風呂用のタオルなどを入れて置く、箱らしい、、
そして、スキー用の靴下、

この辺り、そんなに雪は積もらないと、説明して下さったお姉さん、おっしゃっていたけどナ、、

窓から見える、山の景色

というわけで、

私の実家の近所と、大して、違いが分からなかったので、親近感が非常に湧いてきて、バルトークが好きになってしまったのでした。

世界は遠かれど近しですね。

マゼッパが一段落ついたら、今度は、バルトーク、始めようかな、
何の曲、やろうかな

ドキドキ


コメント


バルトークの住い、見せて頂いてありがとうございました。彼の秘密のいくばくかがチラッと分かるような気もします−−

たとえばあの収集品ですけど、民謡を収集しただけでなく何でも収集する癖があったかのようで、そういう性格だったんですね、なるほど。

それにその住いはとても快適で心なごむ感じがします。彼がアメリカで不適応を起したのも当然、という気がします。アメリカの環境はとてもガサガサした生きつらいものだったこと、感覚的によく理解できました。(ちなみにその五線を描くペン、バッハもそんなの使っていませんでした?)

その環境がykさんの日本のお宅の辺りに似てるとは、横浜近くでそんなとこと言えば・・・ 山手? それとも子供の国? どこでしょう? もしかしたら偶然ではないのかもしれませんね。
tomato-pia 2012-09-13 19:08:34


10. Re:無題

ハンガリー人って、身体が太短くて、丸顔でブス、(アジア系のせい?)、ヨーロッパ人の顔ですが、、、、、

長距離国際電車に乗っていて、おもしろかったのは、プラハに着いてから、急に色白、長身で、顔もビーナスやダビデ像みたいな美男美女がドタドタっといっぱい乗ってきて、ブラスチラバ(スロバキアですね)で、みんな降りて、かわりに、ものすごいブス族(お腹出てるし、日焼けして褐色)が、ドタドタっと、いっぱい乗ってきて、ブダペストで降りた。。。。
(^@@^)


ヨーロッパ内、言葉も違うけど、人種もちょっと違うんだなーと思いました。

ブダペストでは、英語とドイツ語が同じくらい重要視されていて、どちらかといえば、ドイツ語の方が、みんな得意だよ。。。。そんな歴史だったっけ、、、、
?、、でした^^

ドナウ川近辺の中央は、重厚で規模の大きなヨーロッパ建築、まさにドナウの真珠でしたが、バルトークの家の辺りは、日本と同じような、、、、
この辺に、日本大使館もあるよう^^、、

ykは、京都の伏見で生まれて、今も、亡き祖父母の古い家が伏見にありますが、両親は横浜に住んでいるんです。さすがに、バルトークの家の近所に、5重の塔はなかったけど、山の形とか、道路や木の感じが、日本と全く同じ。空気が、ぬる〜っと温かいし(暑い)、、日本にも、洋風の家はポツリポツリと建ってるのだからネ、、、、ここにお寺建てても良さそうです^^、お坊さん、いるかな(0?0)
yk 2012-09-13 19:47:44

http://ameblo.jp/727yk/entry-11352039575.html


05. 2013年6月20日 22:14:49 : W18zBTaIM6

Bartók - Piano Concerto No.2 - Géza Anda
Radio-Symphonie-Orchester Berlin Ferenc Fricsay 1959
http://www.youtube.com/watch?v=cJeAv-CWOzo
http://www.youtube.com/watch?v=fkfXJzFciNk
http://www.youtube.com/watch?v=4Tjy6deUDSI


Great Piano Concertos - Geza Anda plays Bartók Concerto 2
Recorded: Royal Festival Hall, London, 5 December 1973
BBC Symphony Orchestra, Pierre Boulez
http://www.youtube.com/watch?v=snMiVyQ1xVs

 演奏家には、作曲家のスコアを再現する義務がある。もちろん、音楽の内容をより高めるためのスコアの改変は禁忌というわけではなく、伝統的になされたきた経緯がある。しかし、作曲家が「この楽器で演奏しなさい」という指定がある場合は、もし可能であればそれに従うのが筋であろう。

 しかし、さまざまな事情でそれができない場合がある。今回取り上げるのは、1931年に完成したバルトークによるピアノ協奏曲第二番である。第一次大戦の後に作曲され、フルトベングラーと作曲者本人のソロによって初演された本作品の再現が、なぜ不可能なのか。

 本作品の録音はいくつかある。筆者は入手可能な演奏はほとんど聴いたが、唯一合格点を与えられる演奏は、古典となったゲザ・アンダ&フレンツ・フリッチャイのものくらいで、あとは感心しない演奏ばかりだ。なぜこのようなことが起きるのか考えてみよう。

 本作品のスコア上いわれていることは、この作品はベーゼンドルファー・インペリアルのために書かれている、ということである。スタインウェイでは弾けない音符が存在する。ほとんどのピアニストはスタインウェイで本作を弾くため、オクターブ移調されるのがふつうである。しかし、それでいいのだろうか。

 バルトーク本人による自作の録音はこんにちでも聴くことができる。彼はルービンシュタイン・コンクールでウィルヘルム・バックハウスに次ぐ二位入賞を果たしたほどのピアニストであったから、彼のピアノ独奏作品は自分の演奏能力の枠内で書かれているはずである。そして、録音の技術的なもののせいもあるかもしれないが、たとえば有名な「アレグロ・バルバロ」の演奏にしても、バーバリズムと縁遠い、優雅なタッチで弾かれていることがわかる。

 すると、この協奏曲の演奏がことごとく失敗している(ように筆者には思われる)のは、根本的にピアニストが弾き方を間違えていることが一因なのではないかと考えられるのだ。実は、この曲に、唯一ベーゼンドルファーで弾かれた録音がある。ゾルタン・コチシュ/イヴァン・フィッシャーによるフィリップスの全集の中の録音である。しかしこの演奏は失敗だ。なぜなら、コチシュはベーゼンドルファーをあたかもスタインウェイのように弾いているからである。まったくベーゼンドルファーの楽器としての性格を活かしていない。

 もうひとつの理由は、この曲の舞曲としての性格を指揮者が掴みきれていないところにある。アンダ/フリッチャイが成功しているのは、ピアニストが打楽器的な奏法に徹していないこと、指揮者がリズムを的確に把握していることによる。

 この曲の理想的な再現は、おもうに、「ベーゼンドルファーの特質を活かした柔らかい演奏」だと筆者は思っているが、もはやそれは現代では不可能になってしまった。なぜなら、ベーゼンドルファー社から指輪を贈られたバックハウスが理想的な弾き手であったはずだが、彼はすでに亡く、バックハウスの次にベーゼンドルファーを弾きこなせたフリードリヒ・グルダも鬼籍に入り、現存のピアニストで彼らに匹敵するベーゼンドルファー弾きはいなくなってしまったからである。

 おそらく、この曲は、これからも筆者的には「間違って」演奏されつづけてゆくことであろう。コチシュの試みが失敗に終わった今、誰もこの曲をバルトーク本人のタッチで弾いてみようとは思わないからだ。こうして、作曲家の意図は失われてゆく。「オリジナル楽器による演奏」など、所詮は幻想なのではないだろうか。


バロック・チェロの鈴木秀美氏に「バルトークにとっては(バイオリンの)スチール弦の響きはオリジナルでない」という一文があるのを知った。戦前のオーケストラではガット(羊腸)弦が一般的であったらしい。「ガット弦のオーケストラ+ベーゼンドルファーのピアノ+本曲の舞曲としての性格を把握した指揮者」というのが、この曲の筆者が考える理想的な再現、ということになる。
http://out-of-date.info/blog/archives/entry/2011/001523.html


06. 2013年6月20日 22:28:24 : W18zBTaIM6


私の好きなベーゼンドルファーについて書きます。

Model 290 インペリアル 

170年以上に及ぶ歳月の中で数々の名器を作りつづけてきたベーゼンドルファー、そのステイタスモデルとして誰もが思い浮かべるのが゛290Imperial"ではないでしょうか。このピアノを中心に歴史の紐を解くとともに、現在のベーゼンドルファーの魅力を探ってみたいと思います。

この“インペリアル”と言う称号がピアノに与えられたのは1880年に遡ります。当時,オーストリアは国交の際、相手国の国王に対する贈物のひとつとして、ベーゼンドルファーピアノを献上していました。

現在、ウィーン本社に残されているデッサンを見ますと、ドイツ、フランス、イギリス,スペイン,ベルギー,ロシア等々、それぞれ一台一台が全て異なったデザインで彫刻,装飾の贅が尽くされた逸品です。日本にも1869年に日墺両国の国交が開かれた折に,1台のベーゼンドルファーが皇室に納められています。

つまり、そのような経緯からオーストリア皇室御用達の製作会社であったベーゼンドルファーの最上級モデルが,皇帝(Imperial)と呼ばれるようになったのです。


モデル290は、長さが290cm、鍵盤数が,97鍵と大きく、その堂々たる風格は正にピアノの皇帝と呼ぶにふさわしいものですが,御覧になればそれと同時に、まるで美術工芸品のような細部に至る仕上げの美しさと、全体を包む気品と優雅さに気づかれる事と思います。例えば,250本に及ぶ弦の一端は全て、手間暇を惜しまぬ熟練工によって小さなループ状に巻かれ、1本ずつ独立してフレームのヒッチピンに掛けられます。

そのフレームは,他に類を見ない独特な深みを持つ金銅色に光り(これは例えば、ピアノコンチェルトの際に、弦楽器群のニスの色とマッチするようにも考えられています)、また、漆黒のボディーの横に埋め込まれたBosendorferの花文字も、ただ社名を誇示するのではなく、見事なバランスとコントラストに支えられています。

これらは、ほんの一例ですが、現代のピアノがその機能を追及するあまりに忘れかけている、楽器本来の美しさと趣味性を保ちつづけているベーゼンドルファーのポリシーのひとつの現れだと思います。


鉄骨(フレーム)の組み込み作業

ベーゼンドルファーの持つ低音は、そのボリューム、深々とした音色,オルガンのような響き、どれをとっても他のピアノでは得られない充実感が有ります。

これは西洋音楽の土台である通奏低音と言う概念を、我々に認識させてくれます。

特に、290,275のサイズになると、そのエクストラ・ベースの共鳴効果、響板とフレームの余裕から圧倒的なものとなります。

では、いったいいつ頃からこの8オクターブのピアノが存在したのか調べてみますと、歴史は古く、既に1907年にはその1台が作られています。これは、当時活躍していたイタリアのピアニスト兼作曲家であるブゾーニの要望が取り入れられたとのことです。かれは、J.S.バッハのc-mollのパッサカリアをピアノ版に編曲しましたが、以前は果たせなかったパイプオルガンの16フィートのCを、このピアノがかのうにしたわけです。

この他にも,バルトーク,ラヴェル等の曲の中にも何曲か有りますが、1965年までの間、年に2〜3台の割でしか作られなかったことから考えても、実際にベーゼンドルファーの97鍵をフルに使った演奏は少なかったことと思います。

むしろ、現在の演奏家や作曲家の方々にその可能性を探ってほしいと思います。


インナー・リム(外装内部・・スプルース材です)

大きな体格ににあわず、薄いボディー(親板)をしています。これは,親板にも響板と同じドイツ唐桧(とうひ)をムク材のまま使用するという贅沢の現われなのです。

ピアノ全体を鳴らすという設計思想は、ベーゼンドルファーの特徴である減衰の長い歌うような音゛シンギング・トーン"をもたらしますが、チェンバロやハンマーフリュ−ゲルの時代から、作曲家達の要望とともに歩んできた考え方であり、打楽器的な奏法や効果のみ強調されがちな他の現代のピアノとは、一線を画するものです。

といって、ベーゼンドルファーは、決して保守的では有りません。常に一流のアーティストとの交流からその意見を積極的に取り入れ、より明解なレスポンスが得られるアクションを開発するなど、伝統的な手法を重んじながらも、随所に革新的な改良を積み重ねています。

また、小さな調整ネジ1本に至るまでその機能と使い易さを考え,アフターケア−する技術者に対する心配りも忘れていません。


スタインウェイ物語よりの抜粋ですが・・

高城 氏曰く・・

「属啓成さんのヨーロッパの楽壇(音友)という本を読んだことがある。その中にベーゼンドルファーにまつわる忘れ難いエピソードが載っていた。・・

彼が、ハンブルグのスタインウェイ社を訪れた後、ウィーンのベーゼンドルファー社の工場を参観した。

古色蒼然とした工場に入り、写真をとらせてもらおうとしたら、どうしても承知してくれない。そこで、スタインウェイは写真をとらせてくれた、日本に帰って本を書くとき、スタインウェイの写真がでて、ベーゼンドルファーの写真が出なかったら、スタインウェイの宣伝しかならないではないか、と再び頼んだら、その返事が面白い。

そのほうが良い、わが社はいくら宣伝されても一ヶ月に12台(当時)しかできないのだから、と答えたそうである。 

名ピアニストの演奏旅行に無料サービスの調律師まで同行させて、宣伝につとめている会社とはわけが違うのだ。

また、属さんがピアニストのエリ・ナイに会った時、彼女の家には、三つの部屋にそれぞれ1台づつグランドピアノを置いてあったそうだが・・

それは、スタインウェイ、ベッヒシュタイン、ブリュートナーだった。

どのピアノが一番好きですか、との問いに対し、一番好きなのはスタインウェイだけれど、一番優秀なピアノはベーゼンドルファーで、高音部はメロディーを弾くように、低音部は伴奏を弾くようにできている、スタインウェイは微妙さに欠けていて、伴奏を弾くのに苦労する、と答えたそうです。

彼女は残念ながらベーゼンドルファーが買えなかったのであろう。」

ベーゼンドルファーがいかに貴重視されているかは、私(高城氏)が最近ヨーロッパ旅行をした時にも見せつけられた。

ミュンヘンのヘラクレスザールを訪れたとき、案内してくれた係りの人が、このホール用に備えたスタインウェイ、ベッヒシュタイン、ベーゼンドルファーの3台の中、特にベーゼンドルファーを指して、これはドイツにたった3台しかない(当時)、と誇らしげに説明した。それは、ベーゼンドルファーの最大型97鍵をもつインペリアルだった。

やはり、彼らもベーゼンドルファーは他のピアノとは格が違うと考えているように見えた。
http://www5.ocn.ne.jp/~ss-piano/C13_1.htm


07. 2013年6月20日 23:28:26 : W18zBTaIM6

スタインウェイとベーゼンドルファー 2013年03月08日


たとえば、ワルター・クリーンとかイェルク・デームスとかヴィルヘルム・バックハウスとか、ベーゼンドルファーをメインに弾いているピアニストがいる。

そういう人たちの録音はよく「音質がいまいち」「紙臭い」やら散々な表現でケナされることがよくある。いやいや、それはベーゼンドルファーの音なんですが…と思うんですが。

こうどうして、「音が悪い」と判断されるのだろう。どうして、元の音が違うという発想まで至らないのだろう。考察してみた。

録音、というものが発明されて、100年近くたとうとしている。その技術を発展させるために、いろんな音が基準となっただろう。ピアノの録音も、何のピアノを基準にしたかが結構大事になってくる。

そこで、スタインウェイのピアノが一つの基準とされたのではないかと思った。

スタインウェイのピアノがきれいに録れている、つまり高音部がキラキラしてるような音、それが「いい音」という価値観の刷り込みを私たちは無意識のうちにされてしまっているのかもしれない。「Hi-Fi」という言葉自体「High」という言葉が入り「高音域」が強調されているではないか。その反対の低音質が「Low-Fi」というのも解せない。

そういう録音法でベーゼンドルファーを録ったり編集されていたら、やはり歪曲した音になるだろうし、きれいにとても、「Hi-Fi」に慣らされている私たちは「音が悪い」と判断されてしまう。

こうして、文化というのは淘汰されて行ってしまう。何かでっかいものが「反対」を表明しない限り。
http://ryotaito.doorblog.jp/archives/51992150.html


うわ!ちがう。

 これが私たちの店で、ピアノを弾き比べた方のほとんどの方が発する第一声です。国産から輸入品までいろんなメーカーの商品が並ぶ店内では、同じメーカーのものだけを並べた店と比べると、音やタッチのよしあしよりも1台1台の違いがまづ強烈に印象づけらるようです。それでは、なぜそんなに違うのでしょうか、というよりもどのようにしてピアノの音色は決められるのでしょうか。
 
政治的な概念としての国家とは別に、世界は多様な民族、またはそれによって育まれてきた文化圏によって彩られており、それぞれが永い歴史によって培われてきた文化や価値観によって特徴付けられます。
 
私は、食いしん坊なので、ものを考えるときにいつも食べ物に置き換えて考える癖があります。食べ物も同じで、自然によって条件付けられながらも、1つ1つの民族が互いに影響されながらも、長い歴史の中で培って、引き継いできた食べ物は、それぞれに代えがたい味わいがあります。したがって、それらに甲乙をつけることはできず、それぞれが真実そのものなのです。

フランス料理も中国料理も美味いし、イタリア料理もロシア料理も美味いのです。もちろん日本料理が美味いのはご存知の通りです。ただ、アメリカ料理というものがあるのかどうか、それが美味いかどうかは私にはわかりませんが、これはまた、別に論じなければならない問題です。
 
音や音楽に対する感覚もまた同じで、それぞれの民族の美意識は、互いに影響されながらも独特のものが形成され引き継がれてゆきます。

 ピアニストがピアノを選ぶ場合、自分の音楽性にあった、もっと砕いていうと自分が表現したいものを、確実に表現してくれるピアノを選ぶのです。その選択の根幹にあるのは、やはりそのピアニストの美意識です。

その美意識は、根底において自分を育て培ってきた民族や文化圏に深く根ざしており、他からの文化的影響を受けながらその人独特のものとなってゆくのです。その美意識が演奏を聞く聴衆の持つ美意識と共鳴しあうとき最大の賛辞がおくられるのだと思います。そこにまさに大地にしっかりと根をおろした大樹のような文化的な真実があるからではないでしょうか。

その真実が、また違う文化圏の聴衆をも感動させ、魅了するのではないでしょうか。

 ピアノメーカーは、どんな世界的名器であろうと、自らを育んできた文化的なエリアを一番主要なマーケットと考えているはずです。したがって、そこの聴衆、ピアノ愛好家しいては個々のピアニストや作曲家の美意識にかなうピアノづくり、音づくりに励むのです。STEINWAYのピアノが、ニューヨークとハンブルグであれだけ違うのはそのためではないでしょうか。同じヨーロッパでも、フランスのピアノとドイツのピアノも明らかに違います。ドイツのピアノでもメーカーやその製作された時代によってかなり違います。
 
結論を言えば、美しさとか、真実は一つではなく、その文化圏やまた時代によって変化し、多様なものだということでしょうか。この世に、ピアノメーカーが一つしかなく、世界中のピアノが全部同じ音がしていたのでは、多様な美を奏でることはできず、音楽は成り立ちません。

確かめてください。1台1台違うことを。見つけ出して下さい、あなたと一番響き合えるピアノを。
http://www.imported-piano.com/?gclid=CIPrzYHr8rcCFQxepQodpxwArg

輸入ピアノ.com
♪スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー,グロトリアン、ペトロフ等のあこがれの輸入ピアノに出会えるサイトです。
http://www.imported-piano.com/column.html


08. 2013年6月20日 23:40:02 : W18zBTaIM6

コルトーのピアノ


シュナーベルといえばベヒシュタイン、ラザール・レヴィはエラール、ギーゼキングはグロトリアン、ボレットはボールドウィン……といった具合にピアニストの名がその愛器と強く結びついた例はあげるに事欠きませんが、わがコルトーの場合、それは云うまでもなくプレイエルです。

コルトーは専らプレイエルを愛奏し、遺された録音もプレイエルを弾いているものとわたしは思っていました――しかし、恐らくこれはわたしひとりに限ったハナシではなく、それこそ「コルトー=プレイエル神話」と仮に呼んでもおかしくないような厳然たる共通認識として世に広くおこなわれているような気がします。その一例として鈴木智博氏の『コルトーのレコード録音(IV)』中の一文を以下に掲げましょうか。


「コルトーは占領下のパリで、アルベール・スタジオに於いてショパンの4作品の全曲録音を行っている。いずれの録音も、コルトーには珍しく、スタインウェイのピアノが使用されている。……(下略)」

これを要するに、コルトーがスタインウェイのピアノを弾いているのは戦時下という特別な状況のしからしむるところであり、いつもはプレイエルを愛用していたものと氏は信じておられたように思われます(少なくともわたしはかく理解しました)。日本における斯道の権威たる鈴木氏の竜言ではありますし、実際あれらの戦中録音、コルトーにしては少しく枯れた感じのあるショパンは、弾いているピアノからして三十年代の艶麗きわまる名レコードと違うのではと思わせる体のものでした――

しかるに、近年ナクソスから復刻された一連のCDに附された Jonathan Summers の解説によると、少なくとも三十年代に集中的に録音されたショパンの多くはスタインウェイによる演奏で、プレイエルで弾かれた曲はごく一部(いま手許に資料がないのですが、確か前奏曲集がそうだとか……)に限られているのだそうです。

一九三二年に録音されたフランクの『前奏曲、アリアと終曲』に至ってはブリュトナーで弾かれていたとのこと(これはAPR盤の解説による)。何とまあ、HMV盤と仏グラモフォン盤と、それぞれのエチュードやワルツは実のところ同じスタインウェイで演奏されていたというのです。

そう云われてみると、件のフランクは少し落ち着いた響きでいつものコルトーとは何となく違うような気がしないでもありません――が、ブリュトナーならではの特色、と云われてもわたしのポンコツな耳にはチンプンカンプンですし、もっと問題なことには、プレイエルとスタインウェイの場合これがプレイエル、あれはスタインウェイと云われても違いがまるで分からなかったりします(笑)。

閑話休題――小林秀雄の音楽好きは周知のところですが、レコードで使用楽器を聴き分けられることを以て得意としていたそうで、フーベルマンはグァルネリウスだと断定していたとか。しかるにフーベルマンは実際のところストラド弾きだったような気が……(少なくとも世に名高きギブソンの盗難に遭うまでは)

他山の石とするに足ります。

ネットの音盤批評サイトにも使用楽器にこだわってこの演奏は何を弾いているだの何だのと大いに拘っておられる向きがありますが、そのような方々にお聞きしてみたいものです、コルトーの録音で使用されているピアノを正確に聴き分けておられたのか、否か。
http://d.hatena.ne.jp/mischa/20090814/1250258135


09. 2013年6月20日 23:50:46 : W18zBTaIM6

Erard (1868)
1868年制作 (パリ) 製造番号39608

1868年製作のこのエラール・ピアノをよく弾いています。

パリのエラール社は、フランスを代表する歴史あるピアノ名門会社で、19世紀末から20世紀初めにかけて、世界的な評判をとり、コンサートホールや各国の王宮にエラール・ピアノが備えられました。

リストはこのピアノを愛し、よく弾きました。制作年代から見て、リスト自身がこのピアノを弾いた可能性も捨てきれません。

典雅な雰囲気と高貴な音色が、19世紀の香りを今に伝えてくれています。

エラール社の創立者は、セバスティアン・エラール(1752−1831)です。

ストラスブールに生まれ、パリに出て、チェンバロの制作を始め、弟とともに、会社を設立しますが、フランス革命が勃発すると、ロンドンに逃れ、ピアノ製作技術を学びました。

フランス革命が終わり、フランスが落ち着きを取り戻すと、パリに戻り、エラール社を再興します。セバスティアン・エラールがこの頃制作に熱中したのがハープでしたが、甥のピエール・エラール(1796?−1855)とともに、ピアノの制作に精力を注ぐようになり、1821年にダブル・エスケープメン・アクションを完成させます。このメカニズム上の改良により、連打が楽にできるようになり、ピアノ演奏法、ひいては、ピアノ作品の可能性を大きく広げることになりました。

1830年にパリで7月革命が起こり、翌年にセバスティアンは亡くなります。後を継いだピエール・エラールは、エラール・ピアノの生産に取り組みました。

エラール・ピアノを愛用したのが、フランツ・リストです。リストは早くも、1824年の6月29日のロンドン王立劇場でのコンサートで、エラールが開発した「ダブル・エスケープメント」機能を備えた新しいグランド・ピアノを弾いて大成功を収めました。

エラールのピアノはリストの演奏と作曲の可能性を広げるにあたって大きな役割を果たし、リストが長く愛用する楽器のひとつとなります。

このエラールを弾いた感じは、走りが軽快な車を運転している気分です。免許を持たない私が言うのも変なのですが、面白いようにスピードが出て、ちょっとしたアクセルの踏み具合ですぐに反応してくれるしなやかな感性を持ち、音色は華やかで宝石のような輝かしさを持っています。

プレイエルのようなくぐもった香りとは対称的です。

リストはプレイエルを弾かなかったそうですが、エラールで華麗な演奏をしたリストの姿は想像に難くありません。

ダンパーは弦の上にあるのではなく弦の下にあります。ですから、ダンパーペダルを踏んだとき、ダンパーが上がるのではなく、下に降りるという構造です。

最初に弾いたときは、ギョッとしたのですが、考えてみるとペダルを踏む(下げる)という方向性がダンパーが降りる(下がる)という方向性に合致していて、慣れてくると足に直結したペダルのように感じてきます。

プレイエルとエラール。私は体調に関係なく?!どちらも曲によって使い分けながら弾いています。
http://www.yuko-hisamoto.jp/piano/erard.htm

Pleyel (1828)
1843年制作 (パリ) 製造番号10717

ショパンが愛用した楽器として有名なプレイエル社のピアノで、ショパンが生きていた時代に制作された貴重な楽器です。

ショパンがこの楽器を弾いたかもしれません。

ショパンの生家(ワルシャワ)に1848年製の同型ピアノが、またフランス国立パリ高等学院の楽器博物館に1839年製の同型ピアノが 展示保存されています。

数年前、調律師協会主催コンサートで、プレイエル、エラール、ベーゼンドルファーと、3台のピアノを弾かせていただきました。そのときのパンフレットに記されていたショパンの言葉は、

「私は気分が優れないときはエラールを弾き、気分のいいときはプレイエルを弾く」

でした。

プレイエルは、音を出すのにエネルギーが必要で、エラールは、すぐに良い音が出る、タッチがたやすくて体調が悪いときは、エラールのほうが演奏が楽。

つまり、気分が優れインスピレーションの表出、自らの内なる声を音にしたいときには、プレイエルが最も自分の分身としてふさわしい、ということだったのではないか、と想像しています。

ショパンと友情で結ばれていたカミーユ・プレイエルは、プレイエル2代目です。 ショパンが祖国のポーランドを離れ、ウイーンを経由して1832年にパリにきたとき、この天才を見出して、世の中に紹介したのはカミーユでした。ショパンがパリで行なう公式のコンサートは全て、プレイエルサロンで行われています。ジョルジュ・サンドとマジョルカ島に出帆するときにもこのピアノの手配を忘れていません。


アクションを手前に引きますとドノゴエのサインがあり、胸がときめきました。
NHKのある番組では、ドノゴエを「ショパンの専属調律師」と言い切っていましたが、ドノゴエは、当時のプレイエル社のアクション部門の主任技術者でした。ドノゴエがアクションを担当し、その際、OKがでた楽器のみに、焼き印がつけられたとされています。

プレイエルには、時折出会いますが、このドノゴエのサインが入っているものは数が少なく、ショパン時代のオリジナルアクションであり、当時の響きを再現しているという証でもあります。

(写真)

この楽器は、頭の後ろから柔らかく発声しているようなフランス語の響きにも似た、独特の魅力を持っています。タッチは、しっとりしていて、エラールのように軽やかに動くことができるタッチとは違っていて、コントロールしずらい楽器です。

「気分の優れないときはエラールを選ぶ」

と言ったと言われるショパンの気持ちがわかるような気がします。

また、プレイエルの大きな特徴として「第2響板」の存在があります。とりはずして弾くことも可能なのですが、やはりこの響板をつけて弾いたほうが、中で蠢くような情念、底鳴りするような一種独特の魅力を醸し出してくれます。

人によって好みが分かれるかもしれませんが、長年弾いてきて、私は、この第2響板をつけて弾く方がプレイエルの良さがでるような気がしています。

革命のエチュードを弾くと、最後の左手バスの音は、この楽器の最低音になります。楽器の限界ギリギリまで使って自分の心情を表現しようとしたのだと思われます。

この楽器は大きな音が出ませんが、この楽器でフォルテッシモを弾くと、かえって悲痛な思いが楽器の中でうずまくような感じがします。現代のスポーツカー並みの性能を持ったフルコンサートピアノで、余裕のフォルテッシモを出すと力強さは出るのですが、なかなか悲痛な思いが伝わりません。その点、プレイエルは、楽器自身が語ってくれるように思います。

ペダル記号をはじめ、ショパンが楽譜に書き込んだ指示記号は、このプレイエルを使って書いたものです。ですから現代のピアノで演奏するときは、少し現代用語に翻訳するような感覚でコントロールしたり、音の濁りが起きないように細心の注意を払ったりしなくてはなりません。

その点、プレイエルでショパンの指示を守って弾くと、ショパンが考えていた響き、そしてアーティキュレーション、ディナーミクを感じることができます。

右手で弾く高音部の黒鍵は、少し角が丸くなっています。ショパンが好んだ独特の指使い、黒鍵から白鍵に指を滑らせるようなレガート奏法です。

そのようにしてこのピアノは、ショパン自身、ショパンの女弟子、同時代のピアニストたちの手によって弾かれているうちに、少しずつ角が丸くなっていったのかもしれません。

プレイエルは、同音反復のしずらさ、スピードや音量の面で、エラールにははるかに及びませんでした。そうしたことから、ヨーロッパを席巻し、各地の宮殿やサロンに広まっていったのは、エラールでした。

プレイエルは、個々の楽器が手づくりの試作品のようです。一台、一台、微妙にタッチも音色もサイズ、高さも異なります。

注文を受け、芸術家とつくり手の間に濃厚なコミュニケーションが存在していた当時のピアノ界のありようにも思いを馳せることができる楽器です。
http://www.yuko-hisamoto.jp/piano/pleyel.htm


10. 2013年6月20日 23:57:01 : W18zBTaIM6

森田ピアノ工房
http://www.morita-piano.com/jp/index-j.html

森田ピアノ工房 修復実績一覧
http://www.morita-piano.com/jp/expe/expe02.html


11. 2013年6月21日 00:16:12 : W18zBTaIM6

エラール完成


森田ピアノ工房さんの、エラールのアップライトピアノが完成しました。(もう少し調整が必要のようですが)。1906年ぐらいのアップライトピアノです。交差弦です。ローズウッドの外装です。

弾かせてもらいました。すごく奇麗で、いい音が鳴ります。森田さんが以前からおっしゃっていたように、透き通るような音が鳴ります。またすごく響きます。とても豊かで、大きな音が鳴ります。高音部は特に透き通るような音が鳴り、低音部はしっかりした太い音が鳴ります。この低音部の音の厚みにはさらにびっくりです。とても素敵です。

まず、ショパンの幻想即興曲を弾いてみました。最近弾いてなかったので、うまく弾けなかったのですが、家のピアノよりも弾きやすいので、思っているよりもさらさらと弾けます。とてもショパンに似合う音で、ショパンの曲がさらに奇麗で、可愛くて、明るくて、キラキラした演奏になります。とても素敵です。弾いていても気持ちがいいです。それに、大きな音を出しても、全く音が割れません。

フランスのピアノなので、ショパンが似合うに決まっています。ブラームスはどうかと、今練習しているラプソディの2番を弾いてみました。低音の和音が多い曲です。また、これが凄くよく聞こえるのです。このエラールは低音部の厚みがあり、音も豊かでしっかりしているので、ブラームスもとてもかっこいいのです。すごくびっくりしました。森田さん(息子さん)が、このピアノは万能(どの曲にも合う)とおっしゃっていました。

このエラールに惚れてしまいました。プレイエルが見つかるまではこのエラールを購入しようと思っていたのですが、このエラールは思っているよりも数倍よくて、欲しくなってしまいました。プレイエルよりもこっちにしておけばよかったと思ったらどうしよう?とまで思ってしまいました(笑)本当に素敵です。

このエラールは出来上がったら見せてほしいというお客様が結構いらっしゃるみたいなので、すぐに売れてしまうかもしれません。弾きたい方は今のうちに工房に行かれる方がいいかもしれません。

今すぐにでも弾きに行きたい気分です。今までの工房のピアノの中で一番好きかもしれません。エラール弾きに行きたいです…
http://sakura-classic.tea-nifty.com/blog/2008/05/post_f4e3.html

プレイエルの弾いた感想(その1)

ピアノが到着してから、時間があれば弾きまくっています。今月末に演奏会があるので、練習をしないといけない曲があるのに、いろんな曲を弾いて遊んでいます。

プレイエルですが、だんだん音が出てきて、気持ちよくなってきました。しっかりした豊かな音なのに、フランスらしい、広がるようなキラキラした音が鳴ります。低音部もよくなり、高音部は、澄んだ、きれいな音が鳴ります。音はまろやかで、弾いていて、心が洗われるような、ほっとするような豊かな気持ちになれる音色です。

以前プレイエルが見つからなかったときに、エラールのアップライトを購入検討していました。エラールは他のピアノにはない、澄んだ高貴な音が鳴ります。幻想的に響き渡る音には心が洗われ、幻想的な世界へ導いてくれるような音が鳴ります。どのような曲を弾いても気持ちがよく、自分がうまくなったかのように錯覚してしまうようなピアノです。何とも言えないエラールの魅力があります。未だにエラールの音に魅了されています。

プレイエルは同じフランスのピアノですが、またエラールとは違います。ピアノと出会った時(1年ぐらい前)に書いたと思いますが、エラールは高貴な貴婦人のような音色で、プレイエルはコロコロとした子犬のような音色。と書いたと思います。昔のプレイエルは2台しか弾いたことがありません。でも、はじめて弾いたときにプレイエルの表現力、あのコロコロとした音色、ショパンを弾いたときにショパンの曲を手を引いて導いてくれるような感覚。これはプレイエルカラ感じられることです。プレイエルを選んで間違いではありませんでした。プレイエルを手に入れて、このピアノにして本当によかったと思いました。

以前感じたコロコロとした子犬のよう。という感じとは、ちょっと違う感じですが、以前弾いたプレイエルはもう少し小型でしたので、コロコロした子犬のような感じと思っていましたが、私のプレイエルはとても迫力があります。高貴な雰囲気を持っているのに、その中にちょっと悪戯っぽい感じのやんちゃな面があるような気がします。とても前向きで明るく、元気な感じがします。それなのに、どこか大人びて、余裕があるような感じがします。

エラールは何でも綺麗にしてくれるのですが、プレイエルは、一緒に曲を作っていける、親しみがすごくあります。私は、たぶんプレイエルのこういうところに惹かれたのだと思います。

タッチは少しずっしりした感じもありますが、決して鍵盤が重いわけではありません。鍵盤の感覚を手に感じることができるという感じです。手の感覚がそのまま鍵盤に伝わるという感じで、一体化したような感じにも思える時があります。

先ほども書きましたが、幻想的で広がりのある響きなのにキラキラした明るい可愛らしい音がするのですが、それなのに、太くて幅のある、重みもある、それなのに重すぎず、しつこくない音が鳴ります。今まで弾いたピアノの中で一番気に入っています。120%満足です。

外装に関しても塗装の仕方に関していろいろと悩みましたが、家に納品されて見ると、家にぴったりで、今の色も、今の状態も非常に満足するものになりました。素晴らしいものにしていただけて、本当に満足です。

このピアノで、私の苦手なベートーベンやモーツァルトを弾いてみました。素晴らしい安定感です。とても丁寧に弾けます。音も重すぎず、軽すぎず、素晴らしい音で奏でてくれます。しかも、あれだけ弾きにくかったモーツァルトが弾いていて楽しいのです。

以前にいいピアノと出会って、バッハが弾きやすくなったと書いたと思いますが、バッハは本当に弾きやすいです。メロディラインを自分で意識しなくても容易に出てきます。『あ!ここがメロディなんだ。ここを出せばいいのだ。』というのが、自然とわかってきます。しかも、出さないといけないと思ったら、今までみたいに苦労がなく、メロディを出すことができます。メロディが自然と聴こえてきて、メロディを聴くことができます。

ピアノに教えてもらえるというのはこういうことなのですね。いいピアノは弾き方を教えてくれるし、曲の良さや曲の特徴を教えてくれます。本当に素晴らしいです。今まで度の作曲家もあまり意識できずに、楽譜通り弾いていたような気がしますが、このピアノで弾くと、モーツァルトはモーツァルトらしさ、ベートーベンはベートーベンらしさの違いを教えてくれます。フランスの曲でも同じです。ショパン、フォーレ、ラヴェルなどのそれぞれの特徴を教えてくれます。

ラヴェルも苦手でしたが、ラヴェルを弾くとあまりにきれいで、ラヴェルも弾いてみたくなりました。今まで苦手がいっぱいあったのに、苦手がなくなっていくような気がしてきました。

今まで苦労してきたことは何だったのか、、今まで悩んできた何十年は何だったのか、と思うぐらい、この素晴らしいピアノは簡単に解決、解消してくれます。ピアノをいいものにしただけで、これだけ変わるなんて驚きです。

確かに、安いものではありませんし、高価な贅沢なものではありますが、これだけのことを教えてくれるピアノは決して高くもなく、ピアノの外観は素晴らしい芸術品で、音色は素晴らしく、その上、今まで自分でも、本でも、先生でも教えてもらうことが難しかったことを容易に教えてくれる授業料と考えると、すごく安いピアノです。

このピアノは一般に売られている新品の国産アップライトの3倍ぐらいの値段はしますが、今では手に入らない貴重なブリジリアンローズウッドをふんだんに使い、象牙と黒檀の鍵盤で、枠には、いい木の貴重ないい部分だけを贅沢に使った、しっかりとした材質で作られているピアノは、新品では手に入りません。現在新品で売られているプレイエルとこのピアノとは値段はほとんど変わりません。この値段でこれだけのピアノが手に入るなんて、びっくりします。手に入れて改めて、実感しました。

このピアノはアップライトですが、アクションに工夫があり、連打がグランドピアノ並みにできるそうです。その秘密はこれだそうです。

写真中央に穴のうしろからひもが出ていて、前の針金にかかっていると思います。これが鍵盤をたたいた後に、すぐにアクションが戻ってくるように工夫されている部分です。エラールはアップライトでも連打できるようにと作られているものが多いのですが、プレイエルでは珍しいようです。

このピアノは背も140cmと高く、この時代でも、現代でも大きいものでも135cmぐらいしかないのに、このピアノは140cmです。この分、C3のグランドピアノぐらいの弦の名が下がるようで、豊かな音がします。このピアノは、アップライトには持っていないグランドピアノの機能も備えたピアノみたいです。

グランドピアノのアクションは弦をたたいてから、引力があるので、すぐに下に落ちるので連打がしやすいのですが、アップライトは横にたたくので、戻りが遅いので、連打しにくいみたいですが、このピアノはそれを解消するための機能が付いているというわけです。すばらしいです。連打、トリル、早いフレーズなどがとてもなめらかに弾きやすいです。
http://sakura-classic.tea-nifty.com/blog/2008/08/1_a351.html

プレイエルの弾いた感想(その2)

もう一台の38歳のアトラスピアノは捨てられずに、また友達と2台ピアノの練習をするのに便利だろうと、同じリビングに置いてありますが、プレイエルが来てから全く弾いていません。どんなピアノだったのだろう?と思い、昨日弾いてみました。

以前、これは弾きやすいように調整してもらっているので、ましなはずなのですが、うるさいのです。ちょっと大きい音を出すと、耳がキ〜ンと言います。ピアノがギャンギャンなっています。バネのような鍵盤の感覚と音です。ピンピンという感じです。あれ?こんなピアノだったかな?と思うぐらいです。うるさくて、弾くと頭がずきずきするようです。かき氷を一気に食べたときの感覚に似ているかも(笑)

アトラスの方がよく鳴っているように感じるのですがあれ友達にアトラスとプレイエルを弾いてもらって、外にどれだけ音が漏れているか確認してみました。アトラスのときはほとんど聞こえていなかったのに、プレイエルは外にも聞こえています。近くで聞くと、アトラスの方がギャンギャン、ビンビンなっているのに、プレイエルはマイルドでなめらかな音なのに、プレイエルの方が大きい音なのです。でも、決していやな音ではありません。もれて来る音でさえまろやかできれいです。

昔の楽器は、音が鳴らない、音が小さい、コンサート向きではない。と言われている方がたくさんいらっしゃいますが、実は、すごくなっているのですね。弾き手からすると、国産ピアノの方が鳴っているように思いますが、近くでなっているだけで、うるさいだけでした。いい楽器は伸びがあり、響きに広がりがあるということを実感しました。

納品のときはうれしくて、隣の人と偶然会ったので、4歳の女の子のいる隣のご家族にプレイエルを見てもらいました。子供さんは、おもちゃのピアノが気に入って弾いてられるぐらいだそうで、ピアノにとても興味があるようです。弾いてみてごらん?といっても、弾きたいみたいなのですが、すごく恥ずかしがり屋さんで、ひとみしりやさんなのでなかか弾きません。見ていたら弾けないのかな?と思い、ちょっと離れてみたら、アトラスをひいてみました。ポンポンポンと。そのあと、せっかくだから、プレイエルも弾いてみたら?と言ったのですが、近くにいてたら弾かないので、少し離れたら、音を鳴らしていました。弾けないので、ポンポンポンですが。でも、プレイエルの方は、何度も何度もうれしそうにポンポンポンポンならしています。友達と、ピアノをしていない子供でもやっぱりわかるんだね。と言ってました。はっきりはわかりませんが、子供はきっとプレイエルの方が音がよくて気に入ったように思います。


私はこのピアノにして、このピアノが見つかって、森田ピアノ工房で修復していただいて、本当によかったと思っています。何一つ、選択の間違いがなかったと、実感しました。私にとっては、プレイエルが一番最高であり、プレイエルの中でも、このモデル、このモデルの中でもいい状態で保管されていた、このプレイエルを手に入れられたこと自体が感動ですし、なにかを妥協しないと、見つからないと思っていましたが、妥協は一切なく、手に入れられたので満足です。誰が何と言おうと、私はこのプレイエルが自分にとって最高のものだと思います。

まだまだ知らないピアノの方が多いと思いますし、ベヒシュタインもまだ弾いていません。ほかの有名なピアノもまだ弾いていません。もしかしたら、プレイエルよりもいいピアノがあるかもしれませんが、このプレイエルを手に入れたことは決して間違いないと思っています。いつか余裕ができたらドイツもピアノや、別のピアノも購入できれば…なんて夢の夢の夢の話を考えていたりします(笑)

ピアノは弦を変えたり塗装をしてから、安定するまでに1年半ぐらいかかるそうです。ピアノをどんどん弾き、ピアノがどのような素敵な音になっていくかの成長を楽しみにしたいと思っています。私のピアノの演奏、ピアノの人生、ピアノの成長、とても楽しみです。
http://sakura-classic.tea-nifty.com/blog/2008/08/2_3ac5.html

プレイエルでのモーツァルト

プレイエル、なかなか弾きこなせませんが、プレイエルからいろいろと、教えてもらいました。毎日勉強させてもらっています。

ペルルミュテールのモーツァルトのソナタ購入して聞きましたが、とても素敵です。
__p
ペルルミュテールというフランスのラヴェルに師事されたこともあるというピアニストさんですが、ペルルミュテールが大好きで、ショパンやラヴェル、フォーレのCDも持っていましたが、モーツァルトはほしいなと思いながらも、モーツァルトを聴くのも弾くのも苦手だったので、しばらく購入していませんでした。が・・・モーツァルトを演奏するということもあり、購入しました。

このペルルミュテールのモーツァルトソナタ全集ですが、素晴らしいです。もっと早く購入しておけばよかったかもしれません。モーツァルトの演奏でよくある淡々としたそっけない演奏ではなく、 心に響いて、やさしく心にしみる、やわらかくて丁寧な演奏です。モーツァルトって、こんな感じだったんだ。と思わせてくれるような 素敵な演奏です。やりすぎず、モーツアルトっぽさも残した、素敵な演奏です。 この演奏を聴いてから、モーツァルトのソナタがまた弾きたくなりました。 4枚組で、ソナタ全曲が入って、2671円って安いです。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2569525


この録音、プレイエルの音に聞こえるのですが、気のせいかな?と思っていたのですが、やはり、プレイエルでの録音でした。このCDの音の感じや、特に表現がプレイエルみたいで、私のピアノととても似ている。と思いましたが、やっぱりそうでした。なんか嬉しいです。なんか、ちょっとうれしくなりました。

いままでモーツァルトをここまで聞き込むことはなかったのですが、かなり聞き込んでいます。このモーツァルトの演奏は、プレイエルだから、これほどまろやかで、優しくて、やわらかくて、愛らしいモーツァルトになるのではないかとまで思いました。聴けば聴くほど素敵で、プレイエルはこうやって演奏してやると、素敵な音を奏でてくれるんだと、とても勉強になります。それから、モーツァルトのソナタ集(楽譜)を出してきて、弾ける曲を片っ端から弾いています。以前はやさしい、ゆったりとした曲が苦手だったのですが、今まであまり弾いたことのない第2楽章をプレイエルで弾くのもとても楽しくて、楽しんでいます。

イグナッツ・プレイエルの息子のカミーユ・プレイエルは優れたピアニスト兼作曲家で、特にモーツァルト弾きとしてショパンも高く評価していると、書いてあるHPを見つけました。プレイエルのピアノにはモーツァルトがとても合う気がします。あれだけモーツァルトの苦手な私が、プレイエルでモーツァルトを弾いているととても気分が安らぎます。これは、ペルルミュテールのCDの影響もあるかもしれませんが、モーツァルトを得意とするカミーユ・プレイエルが作ったプレイエルだからかもしれません。カミーユ・プレイエルがモーツァルト弾きとして評価されていたという文章を読んで、すごく納得ができました。

先日読んでいた「パリ左岸のピアノ工房」にこう書いてありました。

ショパンは公の場所ではほとんど演奏しなかったし、いつも非常に静かに演奏した。しかしこれは、のちによく言われたように、大きい音を出せなかったからではなく、あきらかにひとつの選択だった、と彼は言った。ショパンはエラールよりもプレイエルのピアノを好んだが、プレイエルはそっと繊細に弾いたときだけ美しいひびきが出るからだ。エラールについては、ショパンは「なにもかもがいつも美しくひびく。だから、美しい音を出そうと細心の注意を払う必要がない」と言ったという。

これを読んだ時に、改めて気がつきました。プレイエルは叩いたらだめだった。優しく弾かないといけなかったと。もっと優しく、もっと軽やかに、丁寧に弾いてみました。プレイエルが素敵な音を奏でてくれました。とても響きのある素敵な音に変わりました。やっぱりプレイエルいいです。タッチで変わる、意識で変わる、プレイエルとても素敵です。これが私の求めていたピアノです。

前にも書いたかもしれませんが、ショパンが「私は気分が優れないときはエラールを弾き、気分のいいときはプレイエルを弾く」と言ったのは有名ですが、すごくわかる気がします。プレイエルは弾き方でとても変わります。愛らしくもなり、やさしくもなります。イライラして弾いたり、気分がすぐれなければ、きれいな音が出てくれません。でも、エラールは少ししか弾いていませんが、私が思ったのは、とても万能なピアノで、本当に素敵な音が出ます。うっとりするような音が容易に出ます。きっと完成度の高い素晴らしいピアノなのでしょう。でも、そのエラールよりもショパンがプレイエルを特に好んでいたのもよくわかります。エラールはとても素敵なのですが、プレイエルはとても楽しいです。

このピアノでショパンを弾いて感じるのは、現在録音されている、演奏されている派手な演奏のショパンはちょっと違うような気がします。軽やかで、やさしく、愛らしい演奏が本来のショパンのではないでしょうか。ショパン好きの方は、プレイエルで優しく演奏してみてもらいたいです。たぶん今まで思っていたショパンと違う、本来のショパンが見えてくるような気がします。
http://sakura-classic.tea-nifty.com/blog/2008/09/post-8d82.html

スタインウェイの素敵なピアノ


滋賀の比叡平の素敵なお家の素晴らしいスタインウェイのピアノを弾かせてもらいに行ってきました。

森田ピアノ工房さんのピアノを購入されたのですが、私のホームページを以前からご覧いただいていて、プレイエルとの出会いを書いた日記を読んでいただき、共感していただけたようです。先日の演奏会でお会いできることができ、お家にご招待していただけました。

とてもやさしくて、とても多趣味で、とても気さくな方で、とても素敵な方なんです。森田ピアノ工房のスタインウェイに惚れられ、1年ほど前に購入されたそうです。私と同じで、スタインウェイに惚れられ、首ったけなんです。ちなみに、スタインウェイは男性だそうです。結婚相手を見つけられたような感じだったそうです(笑)

見に行ってびっくりしました。まず、驚いたのが、大きな木の木漏れ日の下を通り階段と通路を上がると、大きな木の扉の玄関がある素晴らしいデザイン住宅のお家なんです。玄関をはいると、廊下の左にガラス張りのとても広い部屋にピアノと、大きなスピーカー、ソファーが置いてあり、3面ガラス張りのあたたかい木の床の素晴らしいお部屋に、ローズウッドの素晴らしい木目のスタインウェイがありました。大きな窓からはお庭のとても大きな木がたくさん茂っていて、とても環境のいい素敵なピアノルームなんです。


他のお部屋も見せていただきましたが、リビングには暖炉があり、リビングには月が見える月見窓がありました。リビングの横にはおしゃれなお茶室スペースがあり、その横の階段からベランダに出ると、びわ湖が一望できるバーベキューが大人数でできるほどのスペースがあり、とても素敵でした。ほんとペンションというよりも、おしゃれなホテルのようです。

スタインウェイは私の印象ではとても力強い外観のイメージがありましたが、とても上品で繊細にもみえるのに迫力がとてもあり、見ているだけで気分がよくなるような素敵なピアノでした。

弾いていただいたのですが、床から響き、おなかに響くようなとても素晴らしい響きのある、聴いていて、ぞくぞくするような素晴らしい音色です。とても上品な音ですが、迫力があり、外観にとても似合っている音が鳴りました。思わず、音を聞いて「うわぁ」と声をあげてしまうぐらいでした。

プレイエルとはまた違い、とてもクリアな音が鳴ります。鍵盤に手を落とすと、クリアで、幅があり、とても音量のある音が鳴ります。スタインウェイでも、とても繊細で華麗な音が鳴ります。重低音はとても素晴らしいです。もう、このおなかに響く感じたまりません。

森田さんのグロトリアンをお持ちの友達と、初めてお会いする方との3人でお伺いしたのですが、そのもう一人の方の演奏がはとても素晴らしいものでした。バッハとショパンがお好きらしくて、特にバッハには感激してしまいました。ブラームスの小品も弾いていただいたのですが、最高でした。

バッハお好きなだけあって、とても気持ちよく、とても優しく、とてもやわらかく、とても華麗に演奏されていました。また、弾いてられる姿も美しくて見とれてしまいました。バッハって、こんな素晴らしい曲だったんだ、バッハってこんなに華麗だったんだと思ってしまいました。バッハは練習曲、地味な曲と思っていた時期もありましたが、これが、本当に好きな方が演奏されるバッハなんだと衝撃を受けました。

ほんと、あんなに楽しそうに、あんなに軽やかに弾かれるバッハ、すばらしかったです。私もあのバッハの演奏に影響受けたので、見習って頑張ろうと思っております。

14時ぐらいにお伺いしたのですが、話に花が咲き19時ぐらいまでお邪魔していました。趣味の合う方と、趣味の話をしていると話がつきませんね〜。しかもあのような素敵なお家で、木漏れ日が入る素敵な明るいお部屋で、中央に置いてある素晴らしいグランドピアノをみられることも、そこで演奏できることも、本当に、夢の世界にいるようでした。

帰ってからも、ずっとこころに気持ち良さが残り、心が洗われたようで、ほんと気持ちのいい時間を過ごさせていただきました。未だにまだ余韻が残っております。本当に素晴らしい時間でした。ありがとうございました。
http://sakura-classic.tea-nifty.com/blog/2008/09/post-3b7a.html


12. 2013年6月21日 20:45:26 : W18zBTaIM6

新しいヨーロッパピアノ 2007/9/1(土)  

京都の某楽器店に行く用事があり、そこに新しいプレイエルがあると聞いていましたので、弾かせてもらいに行ってきました。

弾いてみてびっくりです。今のプレイエルと昔のプレイエルは全く別のピアノに感じました。昔のプレイエルよりも音は軽いし、響きはないし、なんといってもタッチがおもちゃみたいです。それなのに値段は200万です。森田ピアノ工房のプレイエルよりもまだ高いのです。

噂には聞いていたけどこれほどとは思いませんでした。戦前プレイエルがすごく良かっただけに、かなりショックを受け、悲しくなってしまいました。

他の輸入ピアノも、戦前のピアノと比べるとあまりにも音が違いすぎます。きっと、今のプレイエルにはプレイエルのよさがあるのだと思いますが、昔のプレイエルにどうしても惹かれます。

そのほかにもピアノを弾きましたが、すこし音がいいかな。と思えたグランドピアノは900万です。びっくりです。

この900万円以上するベーゼンドルファーのグランドピアノを購入するなら、森田工房さんにある100万ぐらいの「AUGST FORSTER」の方がはるかに素晴らしい。あれだけ丁寧に修復されている楽器であり、あれだけ質のいい楽器を扱ってられる森田工房さん、新品プレイエルの何十倍も素敵なピアノなのに、新品プレイエルより安い。森田さんのピアノがどれだけ安いか実感しました。やはり愛情のかけてあるピアノは素晴らしい。

残念なことにここの楽器店の店員さん。戦前ピアノのことを話すと、絶対ダメだと言われました。購入したらダメだといわれました。修復も出来ないし、購入してもすぐにだめになるから、メンテナンス費用がすぐに200万円ぐらいいりますと。響板とか割れていましたら、修復は不可能です。とおっしゃいました。

森田さんは響板ももちろん修復されていますし、森田さんで治されたピアノは50年間調律だけで使用できるとおっしゃいました。この楽器店の店員さんは何も知らないのかなと。森田ピアノ工房のことを知らないのかな?とがっかりしてしまいました。
http://homepage2.nifty.com/sakura-classic/frame/hakurai_frame.htm


ピアノが答えてくれない 2007/8/30(木) 

工房に「1907年製 エラール」の未修理のものがあるとのこと。こちらも薦められました。これはとにかくいいピアノだと。きれいな音を奏でると。でもまだ修復されていないので弾けないからわからないのです。そういえば、私はピアノのメーカーがどのようなのもがあるのかも、そのピアノがどこの国のものなのかも、どういうものがあるのかも全く知りません。それなのに、プレイエル、プレイエルと叫んでいたのです。これではいけないと思い、すごい勢いでピアノを調べました。寝る時間も惜しんで調べました。

エラール、プレイエル、ブリュートナー、ベヒシュタイン、スタインウェイ、イーバッハ、グロトリアン、ザウター、ベーゼンドルファー・・・それぞれの国や特徴。あと、YOU TUBEで、そのピアノで演奏してるらしきものを紹介してもらって聴いてみました。それぞれ全く音が違います。ネットからの音なのできちんとは判断できないものの、違いがあることや雰囲気の違いが少し、理解できていたような気がします。それぞれの画像なども探し、いろいろと調べてみました。でもやっぱり、調べれば調べるほどプレイエルが欲しくなります。

森田さんの薦めてられるエラールもきっと森田さん親子があれだけいいピアノだといってられるので、いいピアノなのだろうと思うのですが、あの繊細で細い感じの高貴な響きのピアノはどうやら私の好みには合わない気がしてきました。弾けば語りかけてくれる、あふれんばかりの感情が表現され、幻想的な温かみがあり、とても親しみのある、あのプレイエルがやはり気になって仕方がありません。プレイエルのこともプレイエルを持っている人から、ホームページの情報から、色々と調べてみました。知識ばかり増えていきます。

どうしてももう一度あのピアノたちで演奏してみたくなり、無理を言って工房に会社帰りにお邪魔しました。バッハ、ショパン、ベートーベンを弾いてみました。それぞれのピアノに特徴はあるけど、今日は前みたいに奏でられません。あまりピアノが答えてくれません。最後にプレイエルを弾きました。気持ち良く弾けません。弾き方がわかりません。先日は素直に感情のまま弾いたから答えてくれたのかもしれませんが、いっぱい情報だけ詰め込んだからピアノが答えてくれなくなったのかもしれません。ちょっと落ち込みました。そう簡単に扱えるピアノたちではなかったようです。素直になりきれなかった、私の演奏が悪かったのだともいます。

未調整の音が狂ったものですが、エラールのアップライトを弾いて初めてエラールのすごさを感じました。すごいと聞いていましたが何がすごいか全くわかりませんでしたが弾いてみるとすごかったのです。エラールは音が小さくあまり響かないものだと調べた情報から思っていました。とんでもないです。すごい響いてすごい広がりのある幻想的なきれいな音です。他のピアノとは全く違う響きの音です。びっくりしました。調整すればさらに素敵な音色になるらしいです。弾いてみたいです。

エラール、プレイエル、ブリュートナー、その他のピアノたち。戦前のピアノはそれぞれ特徴がありそれぞれ素敵なピアノです。どれがいいと判断できないです。どれが一番いいピアノ?ときいていたことが恥ずかしくなるぐらいです。どれも選びがたいすばらしいピアノでした。

でも弾かせてもらいに行ってよかったです。前回のときには感じれなかったことがいっぱい感じ取れました。すごいです。毎回何かを発見できるピアノなんて今まであると思わいませんでした。たぶん手に入れたら、毎日弾くたびに発見だらけのような気がします。小さいころから弾いているアトラスピアノでは努力しても上手に弾けないと思いました。早くこのいいピアノを手に入れないと弾けないと思いました。でもこの素敵なピアノたちをうまく奏でることが出来ない私は選ぶことさえ困難です。

今の状況だと家のアトラスも弾けない。うまくもなれない。このピアノたちも奏でられない。かなり落ち込みました。どうしていいかわからなくなりました。どうしても手に入れたいです。工房にあったプレイエルは売れてなくなってしまいました。在庫もないです。どのピアノを買ったら良いのかわからなくなってしまいました。買うには資金もいるし、主人の許可もいるしどうしていいかわからないです。と、何を言ってるのかわからない私の話を森田さん(息子さん)は一生懸命聞いてくださりました。とりあえず、こんなことを言っても時間がたつだけで迷惑がかかるので、帰って考えてみることにしました。車で帰る途中、落ち込んでどうしていいのかわからず、気分的に家に帰れず、途中で車を停めて悩んでしまいました。このとき、シリンクスで知り合った横浜の女性からメールが入っていたので、思わず頼ってお電話してしまい、悩みを打ち明けてしまいました。その女性も私と同じように、このようなピアノと出会ったときに悩まれたそうで、他人事は思えないといって、いろいろとアドバイスをいただきました。とても助かりました。このピアノと出会った人はやっぱり悩むんだと思いました。

とりあえず、今、家で使っているアトラスピアノを、森田さんに調律してもらってはどうかと。森田さんに調律してもらうと国産ピアノでもすばらしい音やすばらしいタッチになると教えてもらいました。調律は上限3万円。結構きつい金額です。どうせ楽器を購入するならもったいないのでは?と考えました。しばらく悩みました。でもどちらにしても楽器が手に入るのは早くても半年先。それだったら、調律をしてもらった方が悩んでいるよりもいいのでは?試してみないとわからないのでは?と思い森田さんに調律のお願いをしました。
http://homepage2.nifty.com/sakura-classic/frame/hakurai_frame.htm


エラールの音 2007/9/19(水) 

またまた森田ピアノ公房さんにいきました。
森田さんはエラールのピアノはとてもいいピアノだと言われます。私はエラールをまだ弾いていないので、昔のエラールを使って演奏しているCDを聴いたり、ネットでエラールで弾いている画像を見たりしてエラールの音を調べてみたのですが、エラールの音について、チェンバロみたいな音で弦の生の音がするので響きは奇麗だけど、繊細すぎてあまり好みではないかな?と思っていました。

エラールの音について少し前から漠然と疑問はあったのですが、もしかして、ちゃんと調整されているエラールで録音されているのかな?本当にこのような音なのかな?と思っていました。あれだけ素敵だと言われているピアノです。このぐらいの音のはずがないと思っていました。森田さんとお話、私の疑問は明らかになりました。

私の最近仕入れた知識ではエラールという楽器は他のピアノに比べかなり丁寧なしっかりした作りになっているそうで、その分、修理が難しいみたいで修理できる人がいない。ということです。日本はもちろんのこと、フランスにもきちんと修理できる人が少ないのでは?とは思っておりました。たぶんその通りです、森田さんしか直せないのです。というかきっと森田さんは本来のエラールのように修理できるだと思います。

昨日お借りしたのCDですが、1897年製エラールと1874年製エラールでの録音のCDです。このエラールの音、私が購入したCDやネットで聞いたエラールとは違う音がします。あのチェンバロに近いピーンとした生の弦みたいな細い軽い音じゃなくて、きれいな他のピアノにはない伸びるのような響きがあります。奇麗なしっかりした音です。その中にもチェンバロに似たきれいな繊細な高貴な音も混じりあっているような響きです。いろいろな響きがまじりあってそれが心地よい音に重なっているような感じの音です。小さい細い音ではありませんでした。弾いていないのであまり偉そうなことは言えないのですが、CDを聞く限りでは明らかに違います。改めてまたまた森田さんはすごいと思いました。たぶんきれいなエラールの音を取り戻せるのだと思いました。

たぶんこのエラールを直せるのは森田さんしかいない!という自信をお持ちなのだと思います。ということは日本にあるエラールのピアノはたぶん森田さんが修理したもの以外は本来の音が鳴っていないのでしょう。海外でもそうだと思います。森田さんが修理していない本来のエラールの音をしていないエラールを、聴いたり弾いたりした人の評価がネットに流れれているので、それを読んだ私自身あまりエラールにいい印象を持っていなかったのだと思います。

私のようにエラールの評価をあまり出来ていない人が殆どだと思います。どこのページに行っても小さい繊細な音でホールには向かないとか、低音は音が悪いとか、響かないとか、古いから仕方がないとかの評価が多くあります。きっとちゃんとした本来の音のエラールがないことがこの間違った評価に繋がっているのだと思います。

あと、1858年製プレイエルで録音されているCDもお借りしました。でもやっぱりエラールよりプレイエルが私は好きかも知れないです。たしかにエラールみたいなきれいなクリアな響きのある音ではありませんが、プレイエルの独特の響きがあり、プレイエルを聴くとなぜかホッとして気持よくなってしまう音なのです。あたたかい、やさしい音が鳴ります。演奏者や曲も違うのでわからないことも多いですが、きっとこれは音の好みでしょうね。プレイエルに熱をあげてプレイエルに惚れこんで周りが見えなくなっていた訳ではなさそうです。やっぱり私はプレイエルが好きなのだと思います。
http://homepage2.nifty.com/sakura-classic/piano/070919_erard.htm

 
びわ湖ホールのエラール 2007/10/11(木) 

昨日は、びわ湖ホールでのエラールロビーコンサートに森田さんに連れて行っていただきました。

エラールは思っていた以上、奇麗な響きのある音で、すごく豪華で大きな音が鳴りました。エラールは小さい音なので、ホールに向いていないと言ってられる方、是非びわ湖ホールにエラールが置いてあるうちに演奏会に行ってほしいです。一音弾いただけで心に響くような素敵な何とも言えない今まで味わったことないぐらいの、とても奇麗な音でした。演奏が終わった後でも胸に響きがずっと残り、なんとも気持ちのいい後味でした。

エラールの音は繊細で細い上品な音で、あまり感情が外に出にくい音かな?と思っていましたが、上品ですが広がりのある奇麗な素敵な迫力のある音が鳴るのだと実感しました。とても胸に響く音でした。それに、昨日はとても天気もよく、琵琶湖がピアノのバック一面に見え、とても気持ちがよかったです。

エラールは以前に森田さんのところで弾いたプレイエルに感じたように、とにかく小さい音を奇麗に奏でてくれます。小さい音でも豪華で広がりのある、音を奏でてくれます。流れるような幻想的な胸に響くような音はフランスピアノの特徴なのでしょうか。なんとも気持ちのいい音です。

演奏者も弾いた感想をおっしゃっていましたが、「ピアノが生きている」と言われました。本当に、戦前のピアノは生きています。思ってる以上の曲を仕上げてくれます。やりたいことをやりたい以上してくれるピアノだと思います。

聴いていて、森田ピアノ工房さんで弾かせていただいたプレイエルを弾いた時の感覚がよみがえってきて、なんともいい気分になりました。奇麗な演奏を聴くと、家に帰ってからの自分の演奏も気持ちのいい演奏に変わります。私も早くあのような素敵なピアノで練習したいです。
http://homepage2.nifty.com/sakura-classic/frame/hakurai_frame.htm


思い出のエラール〜松本・京都・びわ湖〜世界へ 2007年 9月 4日(火)

昨年2月京都芸術センター【青柳いづみこ&染色家伊砂利彦コラボレーション】エラールにて演奏されたドビュッシー前奏曲集T、U。
(「音とかたちの出会い」〜伊砂利彦とドビュッシーをめぐって〜、京都芸術センター)
 弾かれた森田の秀作、1927年製エラールがびわ湖ホールにて8月30日披露コンサート。昨年春はエラールを長野、松本にてピアノサロン構想もあった。
 ライプチヒ音楽院坪井真理子も弾き込んだエラールがびわ湖ホールでスタインウェイ、ベーゼンドルファーの手本と、その真価を発揮しよう。

 世界の名品もフランス、パリにてもコンサートホール、パリ音楽院にもない、パリ管エッシェンバッハのプレイエルホールですらスタインウェイという現実。世界広しといえども森田の手になる秀作はびわ湖ホール以外にはない。

 50年のピアノの名工の手になる高品位に調整されたエラールが日本〜京都〜滋賀を超え、フランスにも響き木魂す。
 パリではハイドシェックも聴くであろう。昨年2月の青柳いづみこ女史の慧眼に感謝。
青柳いづみこは昨年末、パリ日本文化センターにて伊砂氏の作品を背景にフランス語レクチャーとピアノ演奏。音楽通のパリジェンヌ・ジャンの度肝を抜いたことも日本人の美意識を示す国際人として賞賛に値す。

ピアノスタジオ熊谷(スタインウェイ ハンブルク+ニューヨーク) 川上行人
http://9111.teacup.com/cultureartmusic/bbs/14

ショパンが愛用したピアノ 2008年04月17日22:38

昔、とあるCDがきっかけで、19世紀のピアノの響きに惹かれ、ショパンが日常的に弾いていた「プレイエル」や「エラール」の燻し銀のような響きに魅了されました。
そして、やがてどうしても、そういったピアノが欲しいと、寝ても醒めても思うようになって・・・
ついに、手に入れるに至りました。

ショパン存命時の頃よりは、少し後の製作年代のものですが、「弟子から見たショパン」「ショパンの響き」などの、ショパン研究の重要な書物を読みながら、実際に弾いて音で確かめていくと、ピアノの響板に張られた弦の上を、あたかも風のようなものがそよいでいくのが感じられ、その生々しさと「時代」というものを語りだす楽器の凄さに、驚嘆することがあります。

ショパンは晩年、パリの自宅で「プレイエル」と「エラール」、ロンドンのメーカー、「ブロードウッド」の3台のピアノを所有していましたが、図らずも、3台の同じメーカーのピアノが、現在我が家の一員になっています。

ショパンのノクターン、マズルカなど心情を吐露するかのような作品には、「語りかけるような」楽器が必要なのだと、感じさせてくれます。
決して、大ホールで朗々と響き渡るようなピアノは、必要ではなかったように思うときがあります。

ショパンは、おそらく少年時代には、デリケートなウィーン式のフォルテピアノで、鍵盤奏法を磨き、クラヴィコードやチェンバロにも触る機会があったのでは・・・
(彼の音楽は、驚くほどバロック的に感じますし、彼自身、プレイエルの殊更軽い鍵盤を好んだということからも・・・)

そういったことを踏まえておく、ということは、初期作品を弾くための手がかりにもなるし、ショパンの響きを追及する上で、大事なことだと思っています。

ピアノ科の学生さんでも、「エラール」やウィーンの「グラーフ」といった、ピアノのことを全く知らない方も多く、残念に思います。

特に、シューベルトのピアノ曲などは、「グラ−フ」の響きを多少でも知っていなければ、彼の世界に近づくのも困難であるように感じます。

少しでも、指を動かすことだけではない、楽器への興味を持って、演奏する方が増えることを、願ってやまないこのごろです。
http://blog.livedoor.jp/cemba6/archives/cat_25325.html



13. 中川隆 2013年6月21日 21:40:57 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


        ´   . : : : : : : : : : : ,...  -―    ̄ ̄ ̄「
        . ´   . : : : : : : : : :   j´ iヽ   \  ヽ   :i
       /    . : : : : : : : : : /  .:   ノ  \   丶    : :l
       ′  . : : : : : : : : :./   :/     ''" ̄ >,、 \}: : :j  i
      /     . : : : : : : : : :.//   _/_,       〃 f、ノ\ ヽ :′ j
    ;     : : : : : : : : : ://  . .:/ __ヽ        ゞ:;り 〕 ー\ ′
     {    : : : : : : : : : : /   V〃f ):,           "´ |.:/  .:
        : : : : : : : : :./ .: ハ  ゞ:リ          ' '''' |   .:.′
      \    : : : : : : / .: / :∧ "´ r'          ;  .::′.:
           : : : :/ .:. :/ .:.:.:.:', ''''            .′:/ ,.:.
         `   _/ .:.:j:ハ .:.:.:.:八      ⌒     /. .://.:;  /
            ノ/ .:.:.:i{ { .:.:}.:.:.:.:\          ..:'.:.:;〃 .:/ /
             //:.:.:/' i.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.丶..      /:.://: .://:/
             .'/i:.:./   li ;.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.> /:. イ /   .::/:/
             li|:!   リ .′.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:/"´:.:.::∨′.:.:;イ:/
             { !:.iゝ   j/.:.:.:.〃:/:.:.:ィ.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:// /′
             :.{   /.:.://:./;//.:.:.:.:.:.:./.://   /
                 ヾ  // /.:// /.:.:.:.:.:.:イ.:/ ´     ′
                  /´   /:.イ:{ /:.:.:.:/ ´       /  /

ベヒシュタインに触れてから、自宅のピアノを弾いてみても、あまり楽しくなくて、 日に日にヘタクソになっていくのだった。

あ〜、あのベルベットみたいなタッチの、ハチミツみたいな音色のピアノでなければ、 私は、弾けなくなってしまったのかしら…。
http://81072111.at.webry.info/201304/article_1.html

アップライトピアノの最高峰はなぜベヒシュタインなのか 28September2011


世界三大ピアノメーカーとしてはスタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインと言われています。
しかし、これがアップライトとなるとその評価はベヒシュタインが抜き出ているようです。

キング・オブ・アップライトと呼ばれるベヒシュタインのアップライトピアノ。その最高峰に「コンサート8」が君臨しています。(ピアニストのフジコ・ヘミングさんもご愛用)

このコンサート8はフランスのLs Monde de la Musique 誌のピアノ品質コンテストにおいて何度も第一位に輝き、数々の評価(賞)を獲得したアップライトピアノです。

そして審査員の賛辞を引用すると…

「コンサート8は、非常に素晴らしいアップライトである。その突き抜けるような力は、実に美しく自然な音の伸びによって、響きあうハーモニーからなる幻想の虹を描き出した。これまでに聴いたこともないような豊かな色彩。コンサート8はアップライトの理想像に限りなく近い。この楽器でならば、どんな様式の音楽でも弾きこなすことができる。
響きのバランスは実にグランドに近いので、残された疑問といえば、それは、わざわざグランドピアノを買う必要があるかどうかということ。世界一のアップライトピアノといわれて久しい楽器。」

先日もこのコンサート8の調律にお伺いしましたが、その質感、音色、タッチ・・・アップライトの域を超えているように感じます。
スタインウェインやベーゼンドルファーのアップライトピアノも触れたことがありますが、コンサート8ほどの感激は感じませんでした。

また以前に他県でスタインウェイのアップライトピアノを一度契約され、でもベヒシュタインも見てみたいとご来店されたお客様がいらっしゃいました。

そのときにベヒシュタインのアップライトピアノに驚かれ、あわててスタインウェイの契約を取り消されてベヒシュタインをご契約いただいたこともあります。しかもそのベヒシュタインはコンサート8ではなく、その一つ下のランクのピアノでした。

なぜベヒシュタインなのか。

先日のブログでも紹介しましたが、東京への出張の時、ピアノプラッツの清水社長ともその話になりました。
そこで思ったこと・・・。

よく「スタインウェイは鉄骨(フレーム)で音を鳴らす」「ベーゼンドルファーは箱で音を鳴らす」「ベヒシュタインは響板で音を鳴らす」といわれます。

そう考えると分かってくるような気が。

スタインウェイが鉄骨で音を鳴らすと考えるならばアップライトピアノはグランドピアノに比べて圧倒的に鉄骨が小さくなります。ベーゼンドルファーの箱で慣らすと言うことに関しても同様です。

アップライトピアノとしては素晴らしい音はなるかもしれませんが、やはりグランドピアノを主力と考えているスタインウェイやベーゼンドルファーでは無理があるのかもしれません。

対してベヒシュタインは響板で音を鳴らすといういたってシンプルな設計。それがベヒシュタインのクリアな透明感のある音を作り上げているわけですが、響板で音を鳴らすのであればコンサート8の響板は十分な大きさが得られます。そしてベヒシュタインは豊富なアップライトピアノのラインナップを持ち、アップライトとしての鳴らし方を心得ています。

アップライトピアノで最高を求められる方。
是非ベヒシュタイン・コンサート8もご試弾ください。
それを弾かずに決めるのは非常にもったいないと感じます。
http://pianofactory.blog118.fc2.com/blog-entry-210.html

C・ベヒシュタインピアノ (C.BECHSTEIN PIANO)

ベヒシュタインピアノは日本での知名度は低いですが、戦前スタインウェイと競ったことがあるほどの、ドイツでは名門のピアノでした。

澄んだ高音部の美しさや低音部の渋い響きはビロードのような音色とよく言われていて、当時貴族の間で深く愛好されていました。

ベヒシュタインの創業者カール・フリードリッヒ・ヴィルヘルム・ベヒシュタインは1855年にベルリンでピアノ工場を開設し、多くの優秀なピアニストと親交を深め、ピアニストの提案や要求に耳を傾け、ピアノを改良することによって優れたピアノを作りだしてきました。

特に影響が多かったのは、リストやベルリン・フィルの初代指揮者ハンス・フォン・ビューローです。

ある日ベヒシュタインはリストのリサイタルに出かけ、リストの凄まじい演奏に驚くと同時に、弦が切れてしまったピアノを目撃し、このときベヒシュタインはリストの演奏にも十分対応出来るグランドピアノを造る事を決意しました。

当時リストのピアノリサイタルではピアノの耐久性がリストの演奏の耐えきれずよく断弦し何台かのピアノが必要だったようです。現在のピアノでは十分な耐用がありますが・・・

う〜ん、リストで過激な演奏といったら「超絶技巧練習曲」とかまず頭に浮かんできますが、ラザール・ベルマンの演奏でこの曲を聴いたときには、あまりの凄まじさに声が出ませんでした(汗)

ラザール・ベルマンというピアニストは4本の手をもつ熊とも言われています。(大変失礼な言い方お詫び致します。)

ベヒシュタインは今までとは全く新しい技術を使って、グランドピアノを製作することの成功し、リストもこのピアノの価値を認め、これをきっかけにベヒシュタインとリストは一気に親交を深めることになり、ベヒシュタインの名声も高まりました。

その後も世界中のノウハウを積極的に導入して、アメリカの交差弦式鋳鉄フレームや、イギリス式の力強い音を出すことが可能な安定したアクションの採用、フランスで開発されたレピティションシステム(連打を可能にする機構)をいち早く採用しました。

しかし、第二次世界大戦で工場が甚大な損傷を受け一旦はその歴史に幕を閉じましたが、戦後アメリカの大手メーカー、ボールドウィンピアノ&オルガンコンツェルンに買収されて、ベヒシュタインというブランドネームは復活しましたが、1986年にボールドウィンに移っていた経営権が、ベヒシュタインの真の復興を願うドイツ人の手に戻りベルリンに再集結させ再興されたベヒシュタインは再び高い評価を得るようになりまして今日に至っています。

現在のベヒシュタインピアノは金属フレームやケースを鳴らすということは極力避けて、響板だけを純粋に鳴らすように設計されています。

こうする目的に音の反応を出来る限り良くしたいというもので、これが音の立ち上がりの鋭さやタッチに敏感という特性になっています。

このため、響板は1/100ミリという精密な単位でクラウン構造に加工されます。又、現在のピアノの多くは弦を押さえつけるのに棒状のカポダストロフィーを使用していますが、ベヒシュタインは全ての弦にアグラフを採用しています。

ピン板にはアカブナ材が十字に重なられた状態で使用され、こうすることのよってチューニングピンを長期間にわたって維持することが出来ます、っということは調律後の持ちが良い訳なんです。


ベヒシュタインピアノは特徴のある美しい音色を奏でてくれますが、様々な逸話がありまして、ドビュッシーは「全てのピアノ曲はベヒシュタインの為のみに作曲されるべきだ」・・・と言いきっちゃてます(汗)
まぁ確かにドビュッシーの曲を弾くのにベヒシュタインほど良く合うピアノはないと思いますがちょっと言い過ぎなんじゃないのかと・・・(笑)

しかし、そのしっとりとした美しい音色は例えばスタインウェイの輝かしい音色に食傷気味な人にとってはとても新鮮なものかもしれませんね。

●参考標準価格表

アップライトピアノ
オプス110      高さ110cm 価格約180万円
シュトュディオ115  高さ115cm 価格約120万円
シュトュディオ120  高さ120cm 価格約125万円
エレガンス122    高さ122cm 価格約125万円
11a (コンサート用) 高さ124cm 価格約345万円
8a  (コンサート用) 高さ131cm 価格約360万円

グランドピアノ
シュトュディオA189 奥行き189cm 価格約550万円
K(コンサート用)  奥行き158cm 価格約620万円
M(コンサート用)  奥行き180cm 価格約690万円
B(コンサート用)  奥行き208cm 価格約800万円
C(コンサート用)  奥行き232cm 価格約1000万円
EN(コンサート用) 奥行き280cm 価格約1550万円
http://tarotinleaf.seesaa.net/article/38169033.html



世界三大ピアノ ベヒシュタイン・ベーゼンドルファー・スタインウェイ 2008年8月5日


ピアノを弾かれる方ならすぐわかると思いますが、先日、世界の3大ピアノメーカーのベヒシュタイン・ベーゼンドルファー・スタインウェイのフルコンを生で聴き比べるチャンスがありました。3大ピアノがそろって一度に聴けるチャンスなんて滅多にないので非常に贅沢な時間でした。そして、それぞれの特長が手に取るように分かったので非常に勉強になりました。


杉並公会堂でのコンサートだったのですが、ここは日本で唯一世界3大ピアノを揃えているホールで、その3台で斎藤雅広さん三船優子さん加羽沢美濃さんが競演するという内容のコンサートでした。

ピアノは作曲に使う程度でそれほど弾けないのですが、それぞれのフルコンを一度づつだけ弾いたことがあります。個人的にはベヒシュタインがお気に入りです。今回のコンサートや弾いた経験をふまえて3大ピアノの個人的な印象を書いてみようかなと思います。

ベーゼンドルファー Model290 通称インペリアルは97鍵完全8オクターブで有名ですが、単音で弾くと音の粒が丸く大きくやさしい、「真珠」のようなイメージを持ちました。音量的には他と比べてそれほど出ないですが、音はやさしく、深い木の音がします。それを考慮してかステージでは一番前方に置かれていました。悪く言うとモワっとした感じがします。


スタインウェイ D-274はハンブルク・スタインウェイの方でしたが、やはりおなじみのきらびやかな感じで、スタインウェイ独特の空気感がでます。
音としては木というよりは「ガラス」の音のような、するどい音の印象を持ちます。音量的にも一番大きいので後方に置かれバランスがとられていました。


ベヒシュタイン D280は個人的にも一度だけ同ホールのものを弾くチャンスがあったのですが、一番お気に入りです。その時撮った下記の写真にあるように中にアシュケナージの選定時のサインがあります。

音としては和音を弾くと「水晶」のようなどこまでも透き通る印象があります。他のピアノと比べて倍音が少ないため、複雑な和音を弾いてもまったく音が濁らないです。

ドビュッシーがベヒシュタインを絶賛し愛用していたのも分かる気がします。
驚いたのはローインターバルリミットがかなり低いところまであることです。
通常の1オクターブ低いところで和音を弾いても音が濁らず、ちゃんと鳴ってくれます。このピアノだからこそ生まれる曲がありそうな、そんな可能性を感じさせてくます。

ピアノ本体だけでなく、演奏者によって音が変わってくるのも楽しめました。
斎藤さんは爆音で男性的な音に、三船さんはやはりピアニストらしい抜けた通る音に、加羽沢さんは作曲家らしいアンサンブルを重視したやさしい音になるのが分かりました。非常にためになるコンサートでした。下に写真を貼っておきます。夢は広がり、いつか幻のピアノ、ファツィオリのF308を弾いてみたいとな思っている今日この頃です。
http://plaza.rakuten.co.jp/tajin/diary/200808050001/


私の愛器:1928年製のベヒシュタイン

私が最初にベヒシュタインと出会ったのは、かれこれ20年くらい前に なります。当時20歳くらいだったのですが、都内大田区にベヒシュタインが 置いてあるサロンがありました。そこで行なわれたヴァイオリンとピアノのコンサートを 聴きにいく機会がありました。ベヒシュタインをサロン名に使っていたのですが、当時は 「ベヒシュタインってなに??」ぐらいでピアノの存在すら知らなかったです。 ただ、この時のピアノがすばらしく、なんとなく「ベヒシュタイン」という名前が 心の中に記憶されました。

ただ、私としてはやっぱりピアノはスタインウエイだなっていう気持ちがあって、 その後もいつかスタインウエイを持ちたいという気持ちをもっていました。 そして時が過ぎ、いままで使っていたヤマハを買い替えようということになったとき、 もう一度、「家で弾く」という前提でいろんなピアノを較べてみようと考えました。 アメリカやヨーロッパの一流メーカーのもので、日本にくるものはやはりスタインウエイが 圧倒的に多いのではないでしょうか。これは生産台数の関係もあると思います。 私も先程述べましたようにスタインウエイは大好きなピアノです。あの輝かしい音はスタインウエイしか出せないものなのでしょう。

ただ、いろいろなピアノを触っているうちに自宅で弾く(ウチはピアノの部屋は6畳しかありません) ということを考えると、スタインウエイは鳴りすぎるという感じがありました。 その時、記憶の底から「ベヒシュタイン」がよみがえってきました。

「そうだ、あの楽器なら自宅で弾くのにピッタリだ」

ということに気づいたのです。 ただ、それからもザウターやプレイエル、ベーゼンドルファーなど魅力的なピアノを 弾きました。はっきりいってどれもこれもすばらしいピアノです。しかし、どれか一つを決めなくてはならなくなったとき、私はやはりベヒシュタインを選びました。 なんといっても指先のほんの少しの圧力の掛け方で音色がかわり、そのまーるい音に魅了されてしまったのです。

ということで、私の愛器はベヒシュタインです。造られたのは1928年です。 よくいわれるベヒシュタインが世界大恐慌にあおられ苦境に立たされる少し前の黄金時代 最晩年のものです。

75年前のものなので現在のベヒシュタインとは弱冠設計が違うようです。

外見的にはまず、今はみることができない6本脚です。当時はまだ3本脚にする 技術が難しいものとされていたようです。 また、譜面台もピアニストが音を良く聴くことができるようにとのことで 透かしになっています。たしかにこれは効果があります。特に高音部は よく聴こえるような気がします。ただ、強度的には弱いので 慎重に扱う必要があります。

内部のつくりも現在とは少し違うようです。 例えばダンパー。私のピアノは現在のものよりダンパーが小さめです。 これはダンパーを小さくすることで消音する際に余韻を残すためだそうです。 弾いているとレガートとかはすごくやりやすいですが,歯切れのよさはありません。 勝手なイメージですがこれなんかは19世紀的な美意識な気がします。 現在のモダンなピアノは音の切れ味も重視されるので私のピアノよりもずっとダンパーが多きいです。 まぁなれてくるとベヒシュタインのもっている甘くて太い音がさらに堪能できるという感じはします。

それと最近やめてしまった総アグラフの設計。現在のほとんどの ピアノはスタインウエイが考案したカポダストロバーで高音の弦をとめています。 このカポダストロバーは、鉄骨の部分で弦を押さえることによって弦の振動を 鉄骨につたえ、音量と華やかさをだすことを目的としているそうです。

ベヒシュタインは今まで、これをつかわずアグラフという音1つにたいして 1つの弦を止める部品(アグラフ)を高音まですべての音に対してつかっていました。 これによって余計な共鳴を防ぐことができ、ベヒシュタインの魅力の一つでる クリアーな音色を創ることができたといわれています。 ただ、現在は大ホールで大音量をだせなければというピアニストとニーズに 合わせて変わっていかざる得ないのかもしれませんね。

古いピアノは現在のピアノよりも、より個性が強い気がします。私のベヒシュタインも派手では ありませんが、音がよくとおります。そしてかなりタッチに敏感です。ですのでレガートで弾く際は 本当に気をつけないと、すぐに意図したよりも大きな音が出てしまい、ガタガタになってしまいます。 ただ、うまく弾ければ非常に美しいのです。このへんがベヒシュタインは一部のピアニストからは 敬遠される原因かもしれません

以前、1920年代に造られたスタインウエイを弾く機会がありました。これも本当にやわらかく、とろける ような音色を響かせていました。今のスタインウエイとは少し違う印象を受けました。 これらは調整の仕方もありますが、楽器のもっている個性も大きいと思います。

話がそれますが,日本のホールにもスタインウェイとヤマハ・カワイばかりでなくこういった 古い再調整されたピアノも含めていろいろな楽器を入れて欲しいですよね。 現在のスタインウェイももちろんすばらしい楽器で私も大好きです。
しかし、ヴァイオリンなどとのアンサンブルにはあまり向かないような気がするのは私だけでしょうか。 その輝かしく鳴り響く音はどちらかというとソロに合うような気がします。

日本人は右にならえが得意なのでスタインウェイを入れておけばとりあえずいいだろうという感じがしてしまいます。 ベヒシュタインやブリュートナー,ファツィオリ、イーバッハ,グロトリアン,プレイエルなどいろんな楽器が弾いたり, 聴けたりできたらなんてすばらしいでしょうか。そんな日を夢見ています。
http://www.ab.cyberhome.ne.jp/~bech1928/bech.html

●ベヒシュタインの歴史

ベヒシュタインは1853年にカール・ベヒシュタインによって創業されたドイツ,ベルリンのメーカーです。 カールは1826年6月1日テゥーリンゲンの山なみの麓に生を受けています。カールには2人の姉が いました。すぐ上の姉のエミリエの夫はヨハン・グライツというピアノ職人でした。
karl 姉の夫がすぐれたピアノ職人だったということがカールをピアノ職人へと導いたのです。 義兄のところでの修行のあと、カールはプレイエルのドレスデン工場で働いています。そこで数年働いた後、 ピローというベルリンのメーカーでも修行しています。修行時代のカールの目標はパリへでて 修行することでした。当時パリはエラールやプレイエルなどの有名なメーカーがひしめき合い、 ヨーロッパのピアノ生産の中心的な場所だったのです。

カールは寝る間もおしんでフランス語を勉強し、 ついに1849年にパリへ旅たち、クリーゲンシュタインの 工房で修行を始めました。そして約4年の修行後、カールは1853年に独立したのです。 1853年は今も一流メーカーとして活躍しているスタインウエイとブリュートナーも創業された ピアノ史上栄光の年となったのです。

カールは最初のピアノに9ケ月要しました。すべて自分による手作りです。初期のベヒシュタインを 最初に認めた音楽家は、後にベルリンフィルの指揮者もつとめたピアニストのハンス・フォン・ビューロでした。 彼は1856年のリサイタルでベヒシュタインの使用してリストのソナタを弾きました。彼はリサイタル後の記事の中で ベヒシュタインの持つ優れた特徴を強調しました。そして、その後もビューローはベヒシュタインの有力な擁護者となったのです。

そしてベヒシュタインの擁護者として忘れてはならないのは、あのフランツ・リストでしょう。 ビューローのリサイタルの後、カールはリストのリサイタルをベルリンに聴きにいきました。 その夜はエラールを使っての演奏だったのですが、カールはこれ程までにすさまじい打鍵を見たことがないと述懐しています。 そして彼はこの演奏にエラールが耐えられるのか注意深くみていました。 その結果、リサイタル後、弦がぶつぶつきれてしまったエラールの残骸を目にするのです。 その夜、カールはリストの演奏に耐えられるピアノを作ろうと決心するのです。 そしてビュローのアドバイスをもらいながらグランドピアノを完成させ、ついにリストに弾いてもらう日がきました。

リストはベヒシュタインの真価を認め、そして2人はこの偉大なヴィルティオーゾが亡くなるまで親友となりました。 リストに認められたベヒシュタインは市場にも受け入れられ、拡大の一途をたどることになります。 1879年にはロンドンにも出店しています。さらに数年後にはヨーロッパ、アメリカ、南アメリカ、アジアの主要な 都市に販売代理店を設けています。 生産台数も1870年には年間400台、1883年には1200台、1910年には5000台もの生産を誇るように なりました。 その間、1900年には創業者カール・ベヒシュタインはベルリンで、その栄光にみちた生涯を閉じています。

カールの死後、会社は3人の息子、エドウィン、カール、ヨハンによって経営されます。 しかし、20世紀前半は世界的に難しい時代を迎えていました。 第1次世界大戦がはじまると、激しいインフレが起こりベヒシュタインのピアノは1桁違う値段になってしまったのです。 この苦難の時代は兄弟が力を合わせて乗り越えられたものの、1926年には工場の建設をめぐってエドウィンとカールが 対立し、エドウィンは会社を去ってしまいました。 そしてあの世界大恐慌と第2次世界大戦を迎えます。ゲルマンの誇りとしてのベヒシュタインはアメリカ・イギリスから徹底的に 工場を破壊されてしまいます。ハンブルグのスタインウエイがあまり損害を受けなかったのに較べると 戦後しばらく操業を開始できなかったベヒシュタインの損害のはげしさがお分かりになると思います。

ドイツのメーカーはベヒシュタインにしてもブリュートナーにしても敗戦国となってしまい、工場が破壊されて、戦後なかなか 過去の栄光を取り戻すのは難しかったようです。一方戦勝国のスタインウエイはそこまでは影響を受けずに戦後のシェアを一気に 引き上げました。現在、スタインウエイが世界のホールのほとんどに入っているのはそういった背景もあるようです。

ベヒシュタインは苦労しながらも40年代の終わりにはなんとか生産再開にこぎつけました。しかし1962年にはアメリカの ボールドウィン社の傘下になるなど、その後も苦難の道は続きます。 しかし、1986年にやっとドイツ人による経営にもどりました。かれらはベルリンに組織を再集結させて創始者カールの考えを 復活させるべく活動を開始します。現在は同じドイツのメーカーだったツィンマーマンとホフマンも含めてベヒシュタイングループとして 経営を安定させて、美しいベヒシュタイントーンを聴かせてくれます。

また、ベヒシュタインは創業から150年を迎えた2003年に、かなり大きな設計変更を行ないました。 まさに今までのベヒシュタインのイメージを変えてしまうほどのものです。
ベヒシュタインというと、大きなホールでの演奏よりは少し小さめな会場での演奏の方がピアノの 微妙なニュアンスが伝わりやすく、適しているというイメージだったのではないでしょうか。 しかし反面、音量がスタインウエイなどに比べると少ないという指摘があったのも事実だと思います。 今回はそのような問題を解決すべく設計が変更されたようです。
具体的には高音域の音量を大きくするためにハンマーヘッドを大きくしたことがあります。 その結果、ベヒシュタインだけが保持していた総アグラフが採用されなくなり、スタインなどと同じように 高音域の弦を押さえるのにカポダストロバーが採用されるようになりました。 また側板も以前よりも厚くなったようです。また、ベヒシュタインの外見的な特徴であった、むきだしの ピン板もフレームで覆われました。

これらの結果はどうだったでしょうか。僕はピアノを生業にしている方が感想を述べているのを 2回ほど聞く機会がありました。どちらもかなり好意的な意見でした。
僕の意見としては、以前のベヒシュタインとスタインの中間的のところかな〜というのが感想です。 音量的には以前よりもパワーがあります。そして音色は以前は木が鳴っているイメージでしたが、 今回のものはそれにフレームがもつ、きらびやかさが加わった感じでしょうか、すこし華やかになりました。 どちらが良いかは個人の好みですが、今回の設計変更でより一般的なものになったような気がします。

話は横にそれますが,ベヒシュタインと日本とは結構関係が深いのです。というのは日本楽器(現ヤマハ)は 大正10年にベヒシュタインと輸入代理店契約を結んでいます。さらに大正15年にはベヒシュタイン社の監督技師である エール・シュレーゲルを招聘し、技術顧問をしてもらっています。
シュレーゲルはベヒシュタインに入社する前にブリュートナー社に在籍していたこともあり、 名門と呼ばれる両社でのキャリアは数十年にも及んでいました。

当時,日本楽器に所属していて、後にディアパソンを作った大橋幡岩や,カワイをつくった河合小市なども シュレーゲルの指導を受けています。彼は日本楽器3代目社長の川上嘉市のもと、大活躍したようです。彼のもとで技術者たちは 今まであまりしていなかった、「よい音とは」「よいピアノとはなにか」という抽象的で感性的、音楽的な議論を続け、 そして整調技術をはじめとする製作技術を学んだのです。戦後、大橋幡岩は当時を振り返ってこう述べています。いわく 「彼を境に日本楽器の、否日本のピアノは生まれ変わった」。
日本楽器ではそれまではスタインウエイをモデルとしていたのですが、これ以降、戦後までベヒシュタインをモデルとすることになります。 私は戦前のヤマハのピアノは弾いたことも聴いたこともないんですが,どんな楽器だったんでしょうね。

日本とベヒシュタインでもう一つ。ベヒシュタインは出来上がったピアノを出荷するとき、最初の出荷先を記録に残しています。その中に 「His Imperial Majesty,The Mikado of Japan」という記載があるそうです(英語なのは不思議ですが(笑))。ミカドなんていう 言葉をつかっていることからかなり古いものでしょう。もしかしたら皇居で皇族の方々が今でも弾いているかもしれませんね。


●ベヒシュタインピアノの特徴

側板
ピアノのボデイの曲線の部分を側板といいます。ベヒシュタインはここの部分には標高の高い山に生育している赤ブナ材をまげ それを17層に接着しています。
後でのべますが、響板には弾力性のあるものを使い、側板には硬い材質のものを使うことによって 響板振動のエネルギー損失率を下げているのです。

支柱
ピアノの裏にまわると太いはりのようなものを見ることができます。これは弦の張力を鉄骨とともに支えている「支柱」と 呼ばれる部分です。
支柱は張力を支えるだけではなく響板や鉄骨の振動も含めた低音や高音の響きの成分をピアノ全体に伝えるという 重要な役割もになっています。

ピン板
ピアノの鍵盤のすぐ前には弦をとめるチューニングピンとそれを支えるピン板が見えます。 ピン板はチューニングピンをしっかりと支えるために特に硬い材質である、「ブナ材」を28層にわたり 木目を交互にして接着されているます。また、外見的にもベヒシュタインはピン板が鉄骨でおおわれていなく むき出しになっています(2003年の設計変更でかわりました)。これはチューニングピンの長さを短くしてしっかりとピン板につけ、調律のもちを 良くしようとの工夫です。

響板
よくスタインウエイは鉄骨を、ベーゼンドルファーは箱を、そしてベヒシュタインは響板を 鳴らそうとしているといわれます。ベヒシュタインのクリアーなサウンドはこの辺に秘密があるのかもしれません。

ベヒシュタインの響板にはヨーロッパ南東部、特に厳しい気候の高い山に生育する「ハーゼルフィヒテ(とうひの一種)」 が使用されます。この木は板状に切断されたあと、10年にわたり寝かされます。こうしてゆっくりと響板として 最適な含水率を達成し、内部繊維組織を安定させるのです。そしてさらに響板の形に加工されたのち数ヶ月、通常の 室内と非常に近い湿度、温度の中で寝かされます。このことによって完成後のひずみやそりを避けているのです。

鉄骨
いうまでもなく現代の巨大な弦の張力を支えているのは主に鉄骨です。それだけに現代のピアノにとって鉄骨は 非常に重要なパーツになっています。ベヒシュタインの鉄骨は昔ながらの砂型でつくる、 ねずみ鋳鉄と呼ばれる材料で作られます。これは笛のような雑音を防ぐ効果があり、周波数特性に優れているといわれています。 そして、この鉄骨も自然の環境に長期間放置し、内部の歪みを十分に取り除く努力がされています。

●ベヒシュタインを愛した音楽家たち

ベヒシュタインを愛した音楽家の中では、まずなんといってもリストでしょう。彼はこんな言葉を残しています。 いわく

「この28年間ずっと貴社のピアノを弾き続けてきたが、ベヒシュタインピアノはいつでも最高の楽器だった。」

また,ピアノ音楽に革新をもたらしたドビュッシーもベヒシュタインを愛する1人でした。 かれもこんな言葉を残しています。

「ピアノ音楽はベヒシュタインのためだけに書かれるべきだ。」

これは私の勝手なイメージですが,ベヒシュタインのピアノは音を重ねていったときに,もちろん響きあうのですが, それぞれの音の芯はぼやけません。なので非常に鮮明な音作りができるのです。 ドビュッシーの音楽はフンワリと響かなくてはいけませんが,ぼやけてしまってはきれいではなくなってしまいます。 そんなところから彼はベヒシュタインを愛したのでないでしょうか。

ほかにも著名な音楽家がベヒシュタインの賛美する言葉を残しています。

アルトゥール・シュナーベル
「ベヒシュタインは指と耳を満たす」

フルトヴェングラー
「ベヒシュタインは間違いなく現在製作されている中で最高のピアノのひとつである。 とりわけ高貴で豊かな音色。甘いのに、崇高。」

ケンプ
「ベヒシュタインの時代に生きられて嬉しい。」

バックハウス
「私は、堂々たるベヒシュタイングランドの信奉者です。」

最近ではフジコ・ヘミングさんがベヒシュタインを愛用されていますよね。彼女のカンパネラの高音の涼やかな音を 聴くとやっぱりベヒシュタインはいいな〜なんて思ってしまいます。
http://www.ab.cyberhome.ne.jp/~bech1928/PF.html


14. 中川隆 2013年6月21日 23:00:18 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱醯鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱霾鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱驩鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱雖雁聴隅鬱鬱鬱鬱羈贍貔躍鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱詣觀召_召状隅鬱羇剤錐鋸醯艪鬱鬱歡笵鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱醢儲ィ鑓テ羽Ы⊇没踈佼Y荘繍鬱鬱鬱鬱甑璢霾鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱勧鬱藹韲菅莢べ⊇∃Ц它∬⊇羽讙蠢鬱葢温輻鬱鬱諸荻Y呈シ隴鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鐔鬱露媛どベ   ベS辷Щ坦旦鏥鬱鬱`驩讒鬱鬪舜悠⊆ジY停o鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱齬醯譴甜Ρ       `∃Ш珀伽躇遏T鬱鬱鬱鬱芦サY川ジベ介Y蹄ヲ霾鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱醯佼三、      ベ∃滋譴靄謔鬱噬ッ¨       ``ベ⊇川浴壮穉隴罅T鬱鬱鬱鬱鬱
鬱盛護燗燗鷦妓冖マ∴、      ベ俎罎靄躇諚牧べ              ベ⊇川衍掘雁隴鬱鬱鬱鬱鬱鬱
鬱醢世鎰鋸謐鬱廷レ、          沼貍隴謡鈷⊆゛                `ベ∃氾狛挧鍠薩鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱靉咒謐鬱鬱鬱醢止        ∃堀鍠狽拔シ`∴               ベベ川Y珀掘鐫遏T鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠢=@     ‘氾荘珀召Κ`∴、                ベベ川Y壮掘隴鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱蠢蹟蠢蠧熨鬱影        ベY珀笠に∴3、                  `ベ介衍衒鐫鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱醪攤J蠡J鬱’         ‘∃衍衒旦Щ辷゛                   ベ∃衍衒鋸遏T鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱記鷦騾粳”            ベY珀狛錐自.                    ベ∃衍珀鍠疆鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠢,``                `ヨ召Y定ネ此                   ベ∃汾珀掘儲鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱監                   ベ交ベヨ疆齔                  ∴S⊇浴衒鍠譴鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠢』                  ベ三ヘベ鴪彭                ベ⊇⊇氾衒掘儲鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱ル                  ∃川シ  ヅ’                 ベベ3氾珀伽疆鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱』                  `当癶、        、  u∴     ベベ⊇Y珀雄鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱。                  ″  シ  、uムЩ糴庇     ∴シ⊇汾衍儲鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱監                      ∴、∃ヨ櫨鬱鬱齔      `3⊇氾珀遏T鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱テ                逧此払(錙鬱鬱鬱h     ベ3⊇氾衒鬱鬱鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠢』              『鬱JJ鬱鬱鬱鬱影忙      ベ⊇⊇浴郤弭儲鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠢=@             『鬱鬱鬱鬱鬱Г      ベジ⊇Y交氾据鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鹹              情苛泣罅         ∴3S川Γ ヨ据鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱醢=@           ヴ県戸”          ⊇⊇ジ   ∃据鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠧=@                       ⊇⊇゛    ヨ溷鬱鬱鬱
鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱鬱蠧止.                  ベシ       旧疆鬱鬱鬱

スタインウェイを愛する演奏家はフツーじゃない?


アイノラのシベリウス Sibelius in Ainola

舘野 泉(ピアノ) Izumi Tateno(Pf)
シベリウス愛用のピアノによる演奏


試聴はこちら
http://www.tsutaya.co.jp/works/20097161.html

シベリウスの住家でシベリウス愛用のスタインウェイによって録音された、極めて特殊な演奏である。演奏しているのがなじみの深い舘野さんときては、聴かないわけには行かない。
http://members.jcom.home.ne.jp/tapiola/sibelius/pccl0243.htm


アイノラはシベリウスが作曲活動に終止符を打ち,以後30年間アイノ夫人と過ごした別荘。舘野泉さんにとっては特別な場所で,折りに触れてこのアイノラを訪れて,シベリウスが愛用したスタインウェイを弾いたそうだ。

このCDはシベリウスが晩年を過ごした場所でシベリウスが愛用したピアノによってレコーディングされている。コンサートホールのフルコンサートのスタインウェイでの録音と違って,小型の古い楽器で場所も録音に適してるとは言えないなど様々な苦労があったようだ。しかしここでもまた味わい深い「樅の木」を聴くことができる。北欧の音楽が好きな人,ピアノが好きな人,舘野泉さんのファンの人,とにかくたくさんの人に聴いてもらいたい1枚。
http://94174930.at.webry.info/200701/article_4.html


『アイノラのシベリウス』を聴きました。

「アイノラ」とは、1904年の夏の終わり頃に完成した家で、シベリウス夫人の名「アイノ」に因んで名づけられました。シベリウスとアイノ夫人は死ぬまでそこで暮らしたのです。

その「アイノラ荘」のシベリウスのピアノ(スタインウェイNo.171261。長さ180cm弱の小型グランド・・・これはシベリウスの50歳の誕生祝賀の際に、市民からの募金でプレゼントされたもの)で、舘野泉さんが1994年にレコーディングしたものです。

残響が少なく、アイノラの部屋で弾いている臨場感がたっぷり味わえます。


・・・「アイノラでは静寂が語りかける」とシベリウスは言った。ブリキの雨樋の音を嫌って、木の樋に変えさせたくらい、自然の音を大事にする人だった。このアルバムにはその静寂が響いていると思う。・・・
http://yok-rhythm.jugem.jp/?eid=29


シベリウス自身は、ヴァイオリンを得意とし、本格的にピアノを練習したり、人前で演奏したことはなかったそうです。

それどころかは50歳ごろまで自宅にピアノを持っていなかったので、これらのピアノ曲のほとんどはピアノを使わずに机上で作曲されたそうです。

にもかかわらずの名曲の数々、

「凄い!」と言うべきなのか、「横着者!」と言うべきなのか。

しかも多くは、手っ取り早く収入を得るために作られたもの・・・
と言ってしまえば未も蓋もありませんが、
それでも名曲を山ほど書いてしまうのが天才の天才たる所以。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kisohiro/sibeliuscomplete.html

ヘルシンキ紀行 アイノラ シベリウスの家 09/8/14
http://www.nakash.jp/opera/2009hokuou/03ainola.htm
http://www.nakash.jp/opera/2009hokuou/04ainola2.htm

Glenn Gould plays Jean Sibelius Sonatine in f-sharp minor Op. 67 no. 1
http://www.youtube.com/watch?v=ZVR-PIGHpYI
http://www.youtube.com/watch?v=QB1PLlnGYm8

グールド Gould, Sibelius / Sonatine op.67 no.1-3
http://www.youtube.com/watch?v=ihwv5tevCig

Glenn Gould plays Jean Sibelius Sonatine in E major Op. 67 no. 2
http://www.youtube.com/watch?v=AwZyGhNPJ8o
http://www.youtube.com/watch?v=u9DyBV0Bzbs

Glenn Gould plays Jean Sibelius Sonatine in b-flat minor Op. 67 no. 3
http://www.youtube.com/watch?v=E-YC-kteB5A
http://www.youtube.com/watch?v=FVbQCVbIH6w

Glenn Gould plays Jean Sibelius Three Lyric Pieces ''Kyllikki'' Op. 41
http://www.youtube.com/watch?v=-kkiaRId8hQ
http://www.youtube.com/watch?v=DrPMX-Sh-tQ
http://www.youtube.com/watch?v=5A9fHOfMlqw

Sibelius (Kyllikki) Glenn Gould. Grabación como arte. Esdemusica.
http://www.youtube.com/watch?v=EVMhVf3NDQo

Gould's Kyllikki
http://www.youtube.com/watch?v=_qM4ZeHbrRA


グレン・グールドのシベリウス〜音の風景となったシベリウス
 
「シベリウスの(交響曲第)五番なしに生きられなかった」。グレン・グールドはシベリウスの音楽に特別な愛着をもっていた。もちろんピアノ曲もソナチネを中心に一枚のアルバムとして残している。そのライナー・ノート「シベリウスのピアノ音楽」でその理由を明らかにしている。簡単にいうなら、グールドが評価の基準としてよく引き合いにだす、ピアノ独自の書法や対位法にあり、「無視されるべき宿命を背負って生まれてきたものとは限らない」(三浦淳史訳)と書いている。だが、それ以上に録音を聴いて感じるのは、シベリウスの音楽にある北方的なものへの共感や憧れだ。 

ラジオ・ドキュメンタリー「北の理念」の作者であるグールドにとって「北」とは思索の場であり、その厳しい禁欲性は同時にエクスタシーに通じていた。グールドのシベリウスは一般的なシベリウス解釈とは全く異なるが、シベリウスを通してかれが表現しようとしたものはまったく独自の世界であり、あえていうなら音による映画といえるかもしれない。というのも、この録音はグールドの数あるレコード(CD)のなかでも新しい実験が試みられている。

録音を聴くとわかるが、ピアノの響きがさまざまな距離のパースペクティブから多層化されている。これはグールドが映画のなかでスクリャービンを録音したときの方法で、ピアノに対してマイクが近いものから遠いものまでいくつかおき(主にピアノに近いマイク、ホール全体を捉えるマイク、それよりさらに遠いマイク)、それらを音響効果として立体的にミキシングしている(映画でグールドは、悦に入りながら指揮し、エンジニアにどのトラックを使うか指示していた)。 

独特の音響空間を作るのに大きく役立っているのは一番遠いマイクで、あるときは近距離のマイクが拾った響きが(音量のコントロールではなく)次第に遠のいて小さくなったり(ソナチネ第二番第一楽章終わり)、また逆に彼方から聞こえる響きが近くの響きに重なっていったり、それはフレーズや情緒的な気分の切り替えなどと関連して、まるで映画のクローズアップやオーバーラップ、フェードイン・アウト、ダイアローグ・カットなどの手法を思わせる。このような通常ではあり得ない空間的な奥行きや響きの重層化は、グールドの枯れたピアノの音色と淡々とした表現と共に、シベリウスの飾りや厚みを取り去った音楽がもつ透明性を際だたせ、さらに孤独に彷徨うかのように北のイメージへと誘っていく。

グールドは後にシベリウスの録音について「シベリウスにはあの種の音の操作は必要なかった」と語った。しかしそうは思わない。確かに素朴な音楽を現代的なテクノロジーのエクスタシーで包み込んだが、快楽的であるがゆえに、その「北の理念」がもつ禁欲を追求していこうとする愉悦に満ちている。グールドのシベリウスは再創造された音による映画、あるいは実験的な音響作品として、北の透徹した空気感を秘めた音の風景をかいま見させてくれる。
http://keisukeasa.exblog.jp/10750207

グールドのピアノ

「グレン・グールドのピアノ」という本を読みました。

グールドはその独特なタッチを生かすために、終生自分に合ったピアノしか弾かず、それがおいそれとあるシロモノではないために、気に入ったピアノに対する偏執的な思い入れは尋常なものではなかったことをあらためて知りました。

彼がなによりも求めたものは羽根のように軽い俊敏なタッチで、これを満足させるのがトロントの百貨店の上にあるホールの片隅に眠っていた古びたスタインウェイでした。

グールドはこのCD318というピアノで、あの歴史的遺産とも言っていい膨大な録音の大半を行っています。

1955年に鮮烈なデビューを果たしたゴルトベルク変奏曲は別のスタインウェイだったのですが、これが運送事故で落とされて使えなくなってからというもの、本格的なグールドのピアノ探しがはじまります。

そして長い曲折の末に出会ったのがこのCD318だったわけですが、実はこのピアノ、お役御免になって新しい物と取り替えられる運命にあったピアノだったのです。

ニューヨークのスタインウェイ本社でも、グールドの気に入るピアノがないことにすっかり疲れていたこともあり、この引退したピアノは快くグールドに貸し与えられ、そこからグールドは水を得た魚のように数々の歴史的名盤をこのピアノを使って作りました。

グールドはダイナミックなピアノより、音の澄んだ、キレの良い、アクションなど介在しないかのような軽いタッチをピアノに求めました。驚くべきは1940年代に作られたこのピアノは、グールドの使用当時もハンマーなどが交換された気配がありませんでしたから、ほぼ製造時のオリジナルのピアノを、エドクィストという盲目の天才的な調律師がグールドの要求を満たすよう精妙な調整を繰り返しながら使っていたようです。

しかし後年悪夢は再び訪れ、このかけがえのないCD318がまたしても運送事故によって手の施しようないほどのダメージを受けてしまいます。フレームさえ4ヶ所も亀裂が入るほどの損傷でした。録音は即中止、ピアノはニューヨーク工場に送られ、一年をかけてフレームまで交換してピアノは再生されますが、すでに別のピアノになっており、何をどうしても、以前のような輝きを取り戻すことはなかったのです。

それでも周囲の予測に反してグールドはなおもこのピアノを使い続けるのです。しかしこのピアノの傷みは限界に達し、ついにグールド自身もこのピアノを諦め、あれこれのピアノを試してみますがすべてダメ。そして最後に巡り会ったのがニューヨークのピアノ店に置かれていたヤマハでした。この店の日本人の調律師が手塩にかけて調整していたピアノで、それがようやくグールドのお眼鏡に適い、即購入となります。

そして、死の直前にリリースされた二度目のゴルトベルク変奏曲などがヤマハで収録されました。

ただし、グールドがこだわり続けたのは、なんといってもタッチであり、すなわち軽くて俊敏なアクションであって、音は二の次であったことは忘れてはなりません。音に関してはやはり終生スタインウェイを愛したのだそうです。

この事を巡って、当時のグールドとスタインウェイの間に繰り返された長い軋轢はついに解消されることはなく、ヤマハを選んだ理由も専らそのムラのないアクションにあったようで、やがてこのピアノへの熱はほどなく冷めた由。

たしかに、アメリカのスタインウェイ(とりわけこの時代)の一番の弱点はアクションだと思いますが、これを当時のスタインウェイ社に解決できる人、もしくはその必要を強く認めた人がついにいなかったのは最大の不幸です。

のちにアメリカの調律師でさえ、現在の最先端修復技術があれば事態は違っただろうと言っていますし、当時のグールドの要求を実現してみせる技術者は、実は40年後の日本にこそいるのではとマロニエ君は思いました。

現在の日本人調律師の中には、グールドが求めて止まなかったことを叶えてみせる一流の職人が何人もいるだろうと思うと、タイムマシンに乗せてトロントへ届けてやりたくなりました。
http://pianopiadiary.blog65.fc2.com/blog-entry-459.html


調律師からみたグレン・グールド:ゾッとするピアニスト!? 2007/6/12(火)


調律師達は、グレン・グールドという人について、複雑な思いを持っているとのこと・・・

調律師の間には、グールドと仕事をする場合、決して握手をしてはいけない、という不文律があったという。

それを承知していたある調律師(スタインウエイ社)が、グールドとの一仕事を終えて、仕事の内容を讃えあうつもりだったのか、握手をせず、肩にちょっと触れた。

すると、大変なことが起こった・・・

グールドは、そのために肩が壊れ、完全な演奏ができなくなった、と言って、スタインウエイ社を訴えた。

グールドとの争いを避けたスタインウエイ社は、莫大な金をグールドに支払ったという。

おそらく、過去にも、握手をして大変なことになったものと思われます。

昨日来た調律師さんは、上のジャケットのグールドの目に睨まれて、ゾッとしたらしいのです。

・・・

グールドが一風変わった人だった、というのは多くの人が知っている伝説です。

例えば、ある有名指揮者と共演した際、椅子の高さを30分も調節し、その間、聴衆と指揮者はずっと待たされていたとか・・・

医者の間では、彼はアスペルガー障害だったとの説が強いらしい。

アスペルガー障害:発達障害に分類される精神疾患
         非言語的行動の著しい障害があり、仲間をつくることができない
         自閉症とは異なり、知能の障害はない
         異常なほど、一つの興味に熱中する
         ・・・

調律師さんは、そんなこともあって、素直にグールドのことを好きになれないらしかった。

・・・

そういうことを聞いた後で、グールドの音楽が違って聞こえるかどうか、ちょっと試してみた・・・

爽やかな昼下がり、木々を渡る風の音の中に、グールドのピアノが流れ始めた・・・

ああ、なんと美しい音楽・・・

16歳のリヒャルト・シュトラウスの、輝かしいラルゴ・・・

異常性は全く感じられない・・・

ところが、ピアノを離れた途端、その人は異常な人になる・・・

・・・

芸術行為を評価する時、天才、という言葉を使う人ほどつまらない人はいないな、と思う。

須賀敦子さんが、「ユルスナールの靴」の中で次のようなことを書いていた・・・

ヨーロッパのある美術館で、彼女はレンブラントの絵の前に立っていた。彼女は、この画家は、なぜここまで光を惜しんで描いたのだろうか、と必死で考えていた。すると、連れの男が、大きな秘密を洩らすかのようにささやいた。

「レンブラントは天才だ」

彼女の男に対する気持ちはあっという間に萎えた・・・

・・・

グレン・グールドが天才ですって?

それは、グレン・グールドは狂人だ、と言っているのと同義だと思うけどなあ・・・

・・・

精神科医の森田正馬は、次のように書いています・・・

「私は精神病の研究によって、天才は変態者であり、偉人は、凡人の偉大なものであるということを知った。単に心理学や哲学をやったばかりでは、こんな事には気がつかない。天才とは、ある限局した偏頗の発達であって、例えば肉体的にいえば、非常に肥満したものが、見かけのように決して健康ではなく、心臓麻痺にかかりやすいというようなものです」(森田正馬全集、第五巻、543ページ、白揚社)

・・・

グールドは、恐ろしく、苦しみに満ちた孤独の中から、あの音楽を生み出した。だから、涙が出てくるほど、あの音楽は純粋で、美しいのかもしれない・・・

・・・

狂人という言葉を安易に口にする人と同じくらい、天才という言葉を軽く口にする人は、苦手だなあ・・・
http://blogs.yahoo.co.jp/slowlifeeye/33830563.html


15. 2013年6月21日 23:19:10 : W18zBTaIM6

Aino Sibelius 画像
http://www.google.co.jp/search?q=Aino+Sibelius&lr=lang_ja&hl=ja&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=imDEUcHiHIHTkAXhoIH4DA&ved=0CCsQsAQ&biw=1034&bih=859

16. 2013年6月21日 23:25:50 : W18zBTaIM6


シベリウスは、初めて親しんだ楽器がピアノであったにもかかわらずピアノに愛着を持つことはなかったようで、

「管弦楽でこそ自分を最大限に表現できる!そういう意味ではピアノは不完全だ!」

といった内容のことを自身でも語っています。また、何よりも自然と静寂を愛したシベリウスは

「作曲するのにピアノはいらない」

とも言っており、窓から湖を臨めるアイノラの静かな一室で、ピアノではなく机に向かって、五線紙をうめていったそうです。

そんなシベリウスが創作初期から晩年にわたって100曲以上ものピアノ曲を書いたのは、社交好きと浪費癖がたたって貧窮してしまった生活をやり繰りする費用を稼ぐためだったそう…。

けれども動機やピアノという楽器に対する気持ちはどうであれ、 彼のピアノ作品には、世界の表舞台を歩いてきた偉大なる作曲家の飾り気のない日常の吐息のような、ひっそりとした、けれど活き活きとした魅力があるのではないでしょうか。
http://www.prima-gakki.co.jp/column/fin_001-01.html


17. 中川隆 2013年6月22日 13:44:48 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


        ´   . : : : : : : : : : : ,...  -―    ̄ ̄ ̄「
        . ´   . : : : : : : : : :   j´ iヽ   \  ヽ   :i
       /    . : : : : : : : : : /  .:   ノ  \   丶    : :l
       ′  . : : : : : : : : :./   :/     ''" ̄ >,、 \}: : :j  i
      /     . : : : : : : : : :.//   _/_,       〃 f、ノ\ ヽ :′ j
    ;     : : : : : : : : : ://  . .:/ __ヽ        ゞ:;り 〕 ー\ ′
     {    : : : : : : : : : : /   V〃f ):,           "´ |.:/  .:
        : : : : : : : : :./ .: ハ  ゞ:リ          ' '''' |   .:.′
      \    : : : : : : / .: / :∧ "´ r'          ;  .::′.:
           : : : :/ .:. :/ .:.:.:.:', ''''            .′:/ ,.:.
         `   _/ .:.:j:ハ .:.:.:.:八      ⌒     /. .://.:;  /
            ノ/ .:.:.:i{ { .:.:}.:.:.:.:\          ..:'.:.:;〃 .:/ /
             //:.:.:/' i.:.:.j:.:.:.:.:.:.:.丶..      /:.://: .://:/
             .'/i:.:./   li ;.:.:.:.:.:/:.:.:.:.:.:.> /:. イ /   .::/:/
             li|:!   リ .′.:.:/.:.:.:.:.:.:.:.:/"´:.:.::∨′.:.:;イ:/
             { !:.iゝ   j/.:.:.:.〃:/:.:.:ィ.:.:.:.:.:.:.:.:.:/.:// /′
             :.{   /.:.://:./;//.:.:.:.:.:.:./.://   /
                 ヾ  // /.:// /.:.:.:.:.:.:イ.:/ ´     ′
                  /´   /:.イ:{ /:.:.:.:/ ´       /  /


ホロヴィッツ・トリビュート/長富 彩 2012年12月19日

生き生きとした粒立ちよいソノリティ。細部まで明晰で深く濃密な音楽。
長富の音楽性を更に高く飛翔させた、銘器“ホロヴィッツ・ピアノ”との出逢い。

20世紀最大のピアノの巨匠、ウラディミール・ホロヴィッツ(1903 - 1989)。ウクライナのユダヤの家系に生まれたホロヴィッツは、1928年に劇的なアメリカ・デビューを果たして、圧倒的な人気を誇るピアニストとなる。

「悪魔的」と形容されるほどの大きな感動を呼び起こす彼の演奏を支えるのは、最弱音から最強音まで完璧にコントロールされた強弱法と、独特のタッチとペダリングで生み出される色彩豊かなトーンであった。

爆音ピアニストのように言われることが少なくないが、実際には、ホールの一番後ろでも美しく聴こえる最弱音にこそホロヴィッツの特徴があり、それゆえCDでは実際の演奏の魅力を伝えることが難しいと言われてきた。タカギクラヴィアの高木裕社長は、ニューヨークのスタインウェイ社で、ホロヴィッツの専属調律師を勤めていたフランツ・モア氏から、ホロヴィッツの「音の秘密」が、独特の調整が施された特別の楽器にあることを知らされた。


“長富の音楽性を更に高く飛翔させた、銘器CD75との出逢い”広瀬大介氏(音楽学・音楽評論)

世の中には、モノとしての性能を極限まで突き詰めるため、手間暇や費用を惜しまずに最高の状態に整えられた、ただの道具といった次元を遙かに超えた「銘器」が多々存在する。たとえば、車の世界では、より速く安定した走りを実現するために、職人が腕によりをかけた、微細なチューニングが施された最高級車が存在する。そのような銘器は、コントロールするひとの僅かなさじ加減を感じ取り、その僅かな違いに応えようとする。指揮者カルロス・クライバーは、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団をはじめて指揮する際、その超一流の演奏能力をロールスロイスの運転に喩えたという。指揮者のわずかな仕草に敏感に反応する超一流オーケストラも、まとまったひとつの楽曲を奏でるという意味ではひとつの大きな楽器といえるだろう。

もちろん、個々の楽器の世界にも、このロールスロイスやベルリン・フィルに匹敵するような銘器が存在する。

ウラディミール・ホロヴィッツが、自身の専用楽器として演奏していたニューヨーク・スタインウェイCD75。この楽器が類い希な銘器であることは、ピアノ音楽をこよなく愛する人の間ではつとに知られている。CD75がタカギクラヴィアの手に渡ったことで、”御年100歳”を迎えるこの楽器は、新たな息吹を与えられ、かつてのような素晴らしい音を再び響かせるに至った。
http://tower.jp/article/feature_item/2012/12/19/1102

ホロヴィッツのスタインウェイ 2012年6月15日

昨日、いつもは見ることのない「徹子の部屋」を、「上村恵美子のおしゃべりクッキング」の流れで眺めていたら、調律師の高木裕という人は出てました。この人、ホロヴィッツのピアノの調律をやった人なんだそうですね。

ホロヴィッツが使用したというピアノが出てきてびっくり。
今月18日だかに100歳の誕生日を迎えるという、スタインウェイのグランドピアノです。

日本ではピアノというのは、10年くらいで潰して新しいものに変えるそうですが、外国では古いピアノを修復しながら長いこと使うのも珍しくないとのこと。ただし、メンテナンスは大変みたいですが。

ホロヴィッツといえば超絶技巧で名高い伝説のピアニスト。

あのムソルグスキーの「展覧会の絵」を、さらに装飾豊かに自ら編曲したカーネギーホールのライブは「このピアニストには手が何本あるのだろう」と言わせたほど。

また、技巧ばかりでなく、一聴してすぐホロヴィッツとわかる独特の音色もその魅力。お時間のある方は、こちら「ホロヴィッツon TV」で名高い”ショパンのバラード1番”をご覧ください。

Horowitz plays Chopin Ballade 1
http://www.youtube.com/watch?v=XhnRIuGZ_dc

画像を見ていただいておわかりになると思いますが、故・吉田秀和先生もご指摘してるように、この大ピアニスト。かなり特異な弾き方をしています。

弾く時の手は、卵を握るような手の形をしろというのが普通なのに、大きく手をペタンと広げ、しかも手首はピアノの鍵盤の下。ホロヴィッツ以外には見たことのない奏法です。
これはチェンバロのように、ピアノの弦を掻く効果があるのではないかと言われていたのですが、ホロヴィッツ仕様100歳のスタインウェイの音を聞いてびっくり。

まさにあのホロヴィッツの音ではありませんか。

いや、もちろんホロヴィッツが弾くようなわけにはいきませんが、キーンと耳に残る独特の音色はまさしくそれ。わたくしは音色の違いは、主に奏法やピアニストの技量によって起ると思ってましたが(それは当然のこととして)、なにより楽器の違いがここまでとは、当たり前とはいえ盲点でございました

ホロヴィッツのピアノは、高音やフォルテになると時々スピーカーがハウリングを起こしたように、音が割れることがあるのですが、それはずっと録音の古さから来ると思ってましたが、違ったのですね。

高木氏に言わせると、ホロヴィッツは愛用のスタインウェイに、さらに微妙な不協和音ともとれるような調律を指示していたそうです。

1983年の来日では、吉田先生に「骨董品」と言われたホロヴィッツでしたが、たしかにミスタッチの多い技巧的にはひびの入った演奏でしたが、あの音色を生で聞けた観衆はきっと満足したに違いありません。

ピアノって、ヴァイオリンやチェロほどそういう音色をあまり意識しませんが、当然ながらここまで違いがあるのかと感心した次第です。

そういえば、吉田秀和先生が「一生繰り返して聴く価値のある演奏」と言わしめた、リヒテルのバッハ「平均律クラヴィーア組曲」ですが、あの霧がかったような不思議な音色はピアニストのリクエストによるものかもしれません(使用ピアノはスタインウェイ?)。

後年、リヒテルはヤマハのピアノを使ってショパンのスケルツォを演奏していますが、その靄がかった感じがまったくなく、クリアな音色になっていたのですが、それもピアニストチョイスだったのでしょう。

近年はピアノフォルテを使って演奏する人も増えましたが、ピアノの音色。
もっと幅があってもいいかもしれません。
http://masuo-san.com/?p=6349


ホロヴィッツが恋したピアノ 2012年06月18日

「徹子の部屋」でコンサートチューナーの高木裕さんが出演していた。

見てみると、「ホロヴィッツが恋したピアノ」といわれるNYスタインウェイの実物を前になかなか楽しいトークを展開し、番組後半ではこのピアノで実際にチューニングを実演してくれている。

このピアノは、モデルCD75、1912年6月19日製造ということで、あと数日で百歳の誕生日を迎える。70年代後半にホロヴィッツ専用のピアノとなり、1983年のホロヴィッツ初来日の記念すべきコンサートに使用された。このコンサート後、ホロヴィッツがなぜこの楽器を選んだのかを徹底的に研究するために、スタインウェイ社のR&D部(研究開発部)に持ち込まれた。

高木さんは、公演時にこのオールドスタインウェイに衝撃を受け、NYのスタインウェイ社の戸を叩くことになったそうだ。そのピアノはいまや高木さんのタカギクラヴィアが所有している。

ホロヴィッツの好みは、


中音域は「こもった感じ」。

高域は『スーパー・ブリリアント』と呼ばれるきらきらとした音。

低域は『だーん』という深い音


だったという。ピアノというのは最強音(フォルテッシモ)の音量は決まっている。それだけにいかに最弱音(ピアニシモ)を美しく聴かせるかが大事。だからホロヴィッツはピアニッシモに芯のある音を求めたとのこと。
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2408/20120618/

HOROWITZ'S STEINWAY No.314503
マエストロ、ウラディーミル・ホロヴィッツが晩年愛用していたスタインウェイD型No.314503を弾いてきました。

No.314503
普通は上に503などとは書いてありません。確か。
うちのスタちゃんには「B」と書いてあります。

生涯に渡りスタインウェイだけを弾いたホロヴィッツ、その晩年に自宅でもコンサートでも愛用していたのが、このNo.314503(1943年製Concert D model CD503)です。 ワンダ・トスカニーニ婦人との結婚記念のピアノです。

1985〜1987年、No.314503で演奏されたホロヴィッツのコンサート
(日程・都市・会場)

1985 
10/26, 11/2   パリ   Theatre des Champs-Elysees
11/17, 11/24  ミラノ  La Scala

1986
4/20       モスクワ   Bolshoi Hall
4/27       サンクトペテルブルグ Shostakovich Hall
5/11       ハンブルグ Musikhalle
5/18       ベルリン Philharmonie
6/1       ロンドン Royal Festival Hall
6/21, 6/28, 7/6 東京 人見記念講堂
10/5       ワシントンD.C. The White House
10/19      ボストン Symphony Hall
10/26      シカゴ Orchestra Hall
11/16      フランクフルト Alte Oper
11/23      アムステルダム Concertgebouw
12/14      ニューヨーク Metropolitan Opera

1987
5/24       アムステルダム Concertgebouw
5/31       ウィーン Musikverein
6/7       ベルリン Philharmonie
6/21       ハンブルグ Musikhalle (最終公演)


このピアノ、もうそれ自体音楽でした。
ピアノがすべてを知っているようでした。

ホロヴィッツが弾いていたころとはアクションも鍵盤の重さも変えられてしまっているようですが、それでもなおこのピアノは音楽であり続けているようでした。
なんとも高級感ある、半艶消しのピアノです。
さすがにフルコン、天板も大きい!
写真ではわかりにくいですが、側板には搬送用の板が付けてありました。

間違いなく今までで弾いたピアノの中で最高のものだと思います。
ちなみに2位は日本ベーゼンドルファーショールームのレンタル用インペリアル、3位はやはりベーゼンドルファー大阪ショールームのレンタル用セミコンです。

ただ「ホロヴィッツの」ピアノとしてみてしまうとがっかりされた方もいたのではと思います。
いろいろな方が弾いて、当時のものとはアクションも変わってしまって、調律もフランツ・モア氏が常にしているわけではないでしょうから。
実際、このピアノでのモスクワ凱旋講演での演奏を聴くとやはり違った音色の印象を受けます。
もっとピアノ自体が全盛期な感じがします。

さすがにフルコン!迫力あります!
うーん、いつかはフルコン欲しい!

この広い響板での低音部の迫力、中音部のやや曇った(nasal)感じ、高音部のスタインウェイらしいクリアさ、それぞれ別のピアノのような響きですが、曲を弾き出すと一変し、それらがきれいに音楽を奏でていきます。(そんなにうまく弾けるわけもありません、自己満足です)
次はこう、次はこうよ、とピアノが教えてくれているようでした。
至福のひとときでした。
ホロヴィッツは指を伸ばして鍵盤の根本の方を弾いて、fにするときに鍵盤の手前を弾いたそうです。
また、シフトペダルは普通は音量を抑えるとき(または音色を変えるとき)に使いますが、ホロヴィッツはfのときに使い、さらに大音量が必要なときにペダルを離したそうです。そんな使い方もあるのですね。

裏側です。
らくがきだらけです(^o^)。搬送した人たちのものもあるようです。
支柱も傷だらけでした。

何はともあれ、日本を回っている間にぜひ一度弾いてみることをお勧めします。百聞は一見にしかずではありませんが、百読は一聴にしかずといったところです。
http://www.geocities.jp/playeraoinoue/piano1/horowitz/horowitz.html


ホロヴィッツのピアノ #314503 に会う 2010.10.16 Saturday

規模のあまり大きくないホールや地方での多くの場合は、コンサート会場には1台の備え付けピアノしかないところが多く、軽量で自身で持っていくことのできるギター他大多数の楽器とは異なり、そこにあるピアノを弾かなくてはいけないというのが、ピアニストの宿命です。

この宿命と完全に無縁であったピアニストが、我らがホロヴィッツでありました。彼は、コンサートツアーに自身のピアノ、もしくは彼がお気に入りのニューヨークスタインウェイのコンサート部門の貸出しピアノを運搬し使用しました。

1962年にドイツからアメリカのニューヨークスタインウェイ社に渡ったフランツ・モアさんがホロヴィッツの調律を担当し始めてから、ホロヴィッツは、亡くなる前までに、合計5台のニューヨーク・スタインウェイを使用したとのことです。

その中で、1943年にニューヨーク・スタインウェイ社から贈呈され、以後の長きに渡って自宅で愛用し、また、晩年の数年間は、1986年のロシア帰国コンサート、日本での2度目の来日コンサートを含む各国のコンサートに持参して回ったシリアルナンバー#314503は、ホロヴィッツ亡き後、2度だけ日本のスタインウェイ特約店を展示・試弾会で回って来ましたので、それに行かれたホロヴィッツファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

で、私も2007年の1月に、そのピアノに会いに行きました。ピアノが回ってくるその3ヶ月前から、私は情報を得て、予約を入れ、心の準備をして、ホロヴィッツと彼のピアノに礼儀を払い、彼が良く愛用したのと同じグレーのボウタイをして行きました。
ついに憧れのピアノの前に案内されると、とても神聖な心持ちになり、手のひらで撫でてピアノに挨拶しました。
「Hi,how do you do? これが、ホロヴィッツの分身?
この前に、気の遠くなるほどの長い時間、伝説のピアニストが存在していたのか。
数え切れないほど、これに触れて、鍵盤を押さえ、あの音を出していたのか。」

このピアノとともにあったホロヴィッツの姿を想像し、翁が弾いたスカルラッティのソナタL33(K87)を弾き、約1時間の幸福な時を分身とともに過ごし、感無量でした。


天井にシリアルナンバーの下3ケタが
鍵盤蓋には、ホロヴィッツの爪あとが。彼は、爪をかなり長く伸ばしていて、晩年のスタジオ録音のレコーディングをヘッドホンで聴くと、その爪が象牙鍵盤に当たる「カチッ」という音が聴こえます。特にジュリーニと録音したモーツアルトの協奏曲のCDのカップリングのソナタの方を聴いてみて下さい。

ペダルの裏の方の下から覗いてみました。
さらにペダル裏より中央寄りに進んで、響板の裏側です。ピアノを運んだ人達のサインらしいです。

さて、分身を弾いて音を出してみた感想は…
ものすごく鍵盤が軽かったです。

フォルテシモが普通のグランドピアノに要する6割の力で出せる、という感じで、とても音量や音色の変化を微調整するのが難しかったです。

簡単に音が出てしまい、制御するのが難しい。心の迷いが即、音となってしまう。という感じでした。ただ、単に私自身に演奏技術が全く備わっていない事の証なのかもしれませんが。

また、それまで接した全てのアコースティックピアノの中に、これと似たタッチを持った物は1台もありませんでした。そして、そのタッチは、私は感じたのですが、な、なんとヤマハの電子ピアノのクラビノーバに似ていたのです!
大ショックワッ!

自分で弾いていると音のダイナミックさはよくわかりませんでしたが、建物の2階の部屋に置いてあったこのピアノを人が弾いているのを、3階のロビーで離れて聴くと、ゴジラの鳴き声のような物凄い重低音が、美しい中高音と極めて音楽的にダイナミックに混ざり合って、まさにホロヴィッツのCDやDVDの音がしていました。つまり、遠くで聴くとあの音がするのです。遠くでバランスよく響くという感じでした。

1943年製のこのピアノは、世界的大指揮者トスカニーニの末娘ワンダとの結婚記念にとニューヨーク・スタインウェイがプレゼントした物と言われていますが、70歳あたり以降は、そのキーの重さは、その時期のホロヴィッツの好みで、全鍵の平均が42gで沈むように軽く調整されたアクションが入れられていました。

主人亡き後、スタインウェイ社がピアノを買い戻し、その軽いアクションでは、他人が弾く事ができないので、50gに調整されたのアクションが入れられていました。

その50gでさえ、軽すぎてよく弾ききらなかった、(音が簡単に出てしまって、制御できない)のに、ホロヴィッツ生前の鍵盤は、多分、本当に口でフーッと吹いてもキーが沈んで・音が出そうなやつだったに違いありません。

ところで、このピアノがホロヴィッツの結婚祝いに贈られたと言われていることに対して、私は大きな疑問を抱いていて、未だ解けていません。と言いますのは、

「1933年に結婚したホロヴィッツに、どうして、1943年製のピアノをスタインウェイ社が10年以上も経ってプレゼントしたのだろうか?」

この答えを求めるべく、現在まで知りえたことは、この#314503をホロヴィッツに渡ります前に、結婚祝いに1941年製のピアノがプレゼントされていて、それをホロヴィッツが気に入らずに#314503と入れ替えられたということです。それで、答えを予測してみますと、あくまでも私の推測ですが、

赤い旗ホロヴィッツがヨーロッパからアメリカに移住したのは、1939年夏なので、ニューヨークスタインウェイ社は、それ以前には、ホロヴィッツに贈る機会はなかった。移住後、アメリカに落ち着いてから、41年に結婚祝いという口実を元に贈った。というもので、史上、スタインウェイ社がD型を送ったのは、ホロヴィッツだけとされています。アントン・ルービンスタインやホフマン、ラフマニノフにも贈っていないスタインウェイ社がホロヴィッツだけに贈ることになるには、年代的にラフマニノフの死去が1943年3月であり、スタインウェイ社が衰えているラフマニノフに気兼ねをする必要がなくなったことも考えられますが、贈呈には天下のトスカニーニの令嬢との結婚というそれ相応の公的理由が必要であったのでしょう!?
 http://horowitz.keyboard-tie.shop-pro.jp/?cid=27266 


ホロヴィッツのではないスタインウェイをちょっと触ってきました 

ホロヴィッツのピアノを試弾させていただいた、横浜の馬車道ピアノロワイヤルさん(http://www.pfpf.jp/top.html)に、またちょっとお邪魔しました(^^;

ホロヴィッツのピアノ以来、ウチのクラビノーバですら鍵盤が重いと感じるようになってしまったのですが、触らせてもらった30年前のO型スタインウェイも、 重い、というか、普通の重さでした(笑)

んー、鍵盤の動きも音色もこれまたすばらしかったです。

そもそも、普通のスタインウェイって、鍵盤の重さはいくらなんですか?
と店員さんにお聞きしたら、

たとえば新品のフルコンだと、56g重で出荷して、お客さんに選んでもらった後にお客さんに合わせて調律して大体48から52g重くらいに仕上がるのが普通だそうです。

新品のO型もちょこっと触らせていただきましたが、こっちは確かにちょっと重めか?
という感じでした。これが、56g重くらいって感じ?
これまた、すごい綺麗な音だなぁ。。。うーん、イイ。

でもって、主に触らせていただいた30年前のO型のほうは、ホロヴィッツのピアノよりも音色の変化が少なめでした。

フルコンのD型とベビーグランドのO型の違いも大きいのでしょうけど。

ホロヴィッツのピアノのノリで行くとメリハリがつかない感じがしました。
かなり強く弾いてもあの「ドォーーン」って感じの低音は出ず。。。

あと、最初に触ったときに感じたんですが、鍵盤の戻りがほんのすこーし遅かったですね。

というか、たぶん、それで普通なんだとおもいます、それら全部が。

ホロヴィッツのピアノのほうが、非常に軽くて戻りが早い鍵盤で、
タッチに対して音の変化が非常に鋭い、って感じですね、やっぱり。
ずいぶん様子の違うピアノでしたが、慣れれば意外にヤミツキ?そんな感じ。
やっぱり、何年後かにもう一度弾いてみたいなぁ、ホロヴィッツのピアノ。
http://reihoutateyama.blog.so-net.ne.jp/2006-12-03



18. 中川隆 2013年6月22日 13:57:20 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


               ,.  ‐ァ′     '"´ ̄`ヽ
              /   /           `'^⌒\
              / r=7           }、,ノヽ  ヽ   
          /   |l /            /‐'-へ|   Y
            /     !l/      . :   . : /    1   l  
          j     l/     i : : : : : :/     |     !
         |    〃      l : : :/ :/_/        |     |
         |    j       |ノ: // /`     ‐-|     |
         |    |       !_:/__       _ |  |: j
         l    |        |ィ爪ハ`      ィ爪` |  jl |
         l     l        l弋_リ       弋リ |:l i:|リ
         |:   |:|    | 、、、         `¨ ハ| |:!
         |l   |:|     |        '  ``,小、 |l
         |!: :/ j:/|     l         __    人l: : :|!
         j/ / : |: :|   i  : ト、        ,.ィ仆 j : : |
            / ,仆: : 八{ : |: : |:l  >  __.. ィ个/从: : : |
        /ィ´:|i: f : : ,へ:| : :トi       { : ノ: :!〃 } : :!: :リ
       / | : !: :|: :/.:r-弋: { ヽ     い: : /  /: :/|:〃
          |: : : :j :/ ̄ヽ ヾ  ̄ ̄ ̄`ヽ「\ ノ/ j/

フランス人だけがヤマハから美しい音色が出せる理由

思春期の頃に聞く音楽は、その人の人生に最も影響を与える


人の性格を知るには、その人が好きな音楽を知るのが一番早いと言われている。人は自分の性格や気質を投影した音楽を聞くので「音楽がその人を語る」のである。

逆に音楽がその人を、その世界の人に変えてしまうこともある。これについては以前にも書いた。

(無意識を自覚する方法。自分が何に洗脳されているか、一瞬で知る方法)
http://www.bllackz.com/2011/02/blog-post_3799.html

音楽は、今ではいつでもどこでも聞ける。だから、人々はそれが呪術的なものであると忘れがちだ。しかし、音楽は人間の心理を操ることもできる強力な洗脳装置でもある。

自分の好きな音楽を聞くと、人は知らずしてその音楽の背景にある考えに染まっていくし、逆に自分の考え方に合う音楽を集めて、考え方を強化していく。

あなたは、どんな音楽が好きだろう。

今、あなたが好んで聞いている音楽こそが、自分の人間性を語るものだから、よく聞く音楽のリストをもう一度確認した方がいいかもしれない。

好きな音楽というのはだんだん人によって偏っていく

音楽と言っても、メロディー中心に聞く人もいれば、歌詞を大事にして聞く人もいる。

あるいは、ジャンルを中心に聞く人もいれば、自分の生き様を体現している歌手やグループを中心にして聞く人もいる。

音楽の聴き方は多種多様で、しかもひとりの人が数百曲、数千曲を好きな曲として認識する。

人間の好みはひとつではないし、人間の感情もひとつではない。ひとりの人が、あるときは喜びに満ち、あるときは哀しみに暮れて、その時々に聞きたい音楽が変わる。

それでも、好きな音楽というのはだんだん人によって偏っていき、自分の好みのリストが出来上がっていく。

面白いのは、そのリストは常に流動的であり、しかも年齢と共にどんどん変わって行くことである。

(1)子供の頃の好きだった音楽
(2)思春期の頃に好きだった音楽
(3)大人になって好きになった音楽
(4)高齢になって好きになった音楽


音楽は大きく分けると、この4つの年齢層で「好きな音楽リスト」が変わって行く。

その人の思い入れや性格で、それほど明確に音楽の趣味がはっきりと分かれない人もいるだろうし、逆にくっきりと分かれる人もいるから、論理的に4分割はできないかもしれない。

しかし、平均化すると、この4分割の中で、自分の好きな音楽がゆっくりと変化すると考えるのは自然だ。

音楽も自我を投影したものになっていく

思春期の頃に聞く音楽は、実はその人の人生に最も影響を与えるものであると言われている。大雑把に言えば15歳から20歳頃に聞いた音楽だ。

思春期というのは、強烈な自我が芽生えて、自分のアイデンティティを強化する時期に当たる。

性に芽生え、社会性に芽生え、自分が何者なのかというのを無意識に模索する。

「自分が何者なのか」というのは、自分が何を好み、何を好まないのかをはっきりさせる時である。

当然、音楽も自我を投影したものになっていく。

自分の世界観に合った音楽を選び、それを繰り返し繰り返し聞くことによって、音楽の中に含まれている世界観が自分のアイデンティティと同一化していく。

だから、「思春期の頃に好きだった音楽」というのは、多くの人たちが考えている以上に重要な意味を持っている。

自分が思春期だった頃に一生懸命に聞いていた歌を思い出して欲しい。無意識に、あなたはその世界観を好んでいるはずだ。この嗜好は永遠に続く可能性がある。

ただし、思春期を過ぎてから40代に入るまでの間に、音楽の幅はどんどん広がっていき、一時的に思春期に聞いていた音楽の世界観や影響力は失っていく。

20代から30代は、人生の幅が広がると共に、受け入れる音楽も幅が広がっていくので、思春期の頃に聞いていた好きだった音楽が新しい音楽によって薄められて消えて行く。


40代を過ぎたあたりから聞く音楽が固定化

面白いと思うのは、40代以降はもう新しい音楽を貪欲に吸収していこうとする気力が失われることだ。全員がそうではないが、そういう人がどんどん増えていく。

この年代になると、新しい趣味や新しい仕事をどんどん開拓したいという意欲も失われる。むしろ「知っていること」を極めたいというスタンスに変わる。

聞く音楽もそれを反映するのか、新しい音楽を知りたいという欲求よりも、知っている音楽を聞いてほっとしたいという気持ちになっていく人が増える。

音楽を仕事にしていたり、音楽を一番の趣味にしている人は別だ。このような人は新しい音源を手に入れることが生活なので、当てはまらない。

しかし、普通の人は40代を過ぎたあたりから聞く音楽が固定化していくことが増える。

そのとき、懐かしさと共に回帰していくのが、アイデンティティを模索している時に聞いていた音楽か、もしくは感受性の強い20代に聞いていた音楽になるのである。

これはあくまでも一般論なので、誰もがそうだと言うわけではない。しかし、多くの人は10代の後半から20代あたりに聞いていた音楽に回帰して、それが「自分の音楽」になっていく。

高齢になると、さらにその中からスローテンポの音楽に移行していくと言われている。激しく、アップテンポな曲では自分の心拍数に合わないからだ。

自分の身体の条件反射や行動力が落ちると早い音楽が受け止められなくなって落ち着かなくなる。

しかし、年代を通して言えるのは、その人が好む音楽というのは間違いなく、その人の世界観を有するものであるということだ。聞いている音楽を知れば、その人が分かる。

逆に、自分がどんな人間なのか分からなくなったり、自分を見失ったら、自分が好きな音楽のリストを見つめれば、自分が見えてくる。

あなたは、どんな曲に回帰して行くだろうか?
http://www.bllackz.net/blackasia/content/20130605T0058520900.html

要するに、子供の頃からエラールやプレイエルやベーゼンドルファーを弾いてきた人でないと微妙な音色の違いが認識できないんですね。

だから同じヤマハを弾いてもフランス人と日本人とでは出せる音色が全く違ってきてしまうという事なのです。



19. 中川隆 2013年6月22日 17:19:13 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

オーディオ装置によって演奏評価が変わってしまう怖さ

私の友人に、日本有数のクラシック音楽のレコードコレクターや、そこまで行かなくても部屋中レコードで埋まっているという大変うるさい音楽マニアがいます。そのうるさい友人達は、レコードやCDの音楽評論のいい加減さに怒っている人も多いです。

甚だしいのは、、××という評論家という評論家(中川註: 宇野功芳以外は考えられない) がけなしているレコードやCDがあると喜んでそのレコードやCDを買いに走る友人がいます。

なぜならその評論家がけなしているレコードやCDの演奏は決まって素晴らしい演奏だからです。くだんの友人はなんとも嬉しそうに、にこにこしながらそういうレコードを何枚か聴かせてくれました。

通常、二人の意見が必ずしも一致する訳ではないのですが、たしかに評論家の評価と異なり、これらの演奏はどれも素晴らしい演奏でした。もともと感性の異なるのが人間ですし、感性が異なるが故の面白さがあると思うので、評価が異なるのはそれはそれで当然のことですが、明らかに限度を超えた的外れな評論もあるのですね。

限度を超えた的外れな音楽評論の原因についてその友人とも話したのですが、再生装置の違いによるとしか考えられないという結論になりました。やはり立ち上がりの悪い音では演奏の良し悪しは判らないことが多い事を友人もよく知っているから意見は一致したのだと思います。

音楽を楽しむのなら、ラジカセでも十分音楽は楽しめます。でも、評論を生業としているのなら、演奏の良し悪しを判断するのに再生装置がいいかげんだと、演奏の良し悪しは判らないことも多いことは認識する必要があるんじゃないでしょうか。

私は今まで数え切れないぐらい生録をしてきました。DATが出てきてから、音も良くなり、破綻の少ない録音が簡単に出来るようになり、音も今までのアナログ録音と異なり、生演奏を聴いているようで、それなりに満足していました。気になっていたのは、生演奏の粗が目立たないぐらいでした。でも粗が目立たないのは演奏家にも好まれましたし、アナログ録音でも、再生音の場合、粗は目立たなくなるのが普通でしたから最初は、それ程気にしていませんでした。

それが5回目か6回目かのデジタル録音で、何人かのピアノソロ演奏をダビングのために再生していて、愕然としました。デジタル録音だと誰が弾いているのか良く判らないのです。あれほど顕著だった演奏者による演奏の違いが曖昧なものになっているのです。

慌てて、サブに録音していたカセットの音と比較してみて驚きました。カセットの方は明らかに生の音色とは異なるし、ワウフラによる音揺れとバランスの悪さはあるのですが、演奏の違いは判るのです。とほほと言う気分でした。

その後、DATの改造をして色々調整してみてもこの溝は埋まりませんでした。そして、SACDやDVD-AUDIOが出現してからその溝は益々深くなっているような気がします。勿論、音色や音場感など改良された面も多いのですが、音楽の生命感がますます希薄になって来たように感じます。

やはり再生音というのは録音も含めて機器に注意しないと危険な面があるんじゃないでしょうか。生演奏を聞いての評価と異なり、CDやレコードの再生音で演奏に対する評価をする場合はそれなりに再生装置に気を配る必要があると思っています。そしてデジタル録音は一見、生演奏に近く聴こえる分だけ危険な気がします。大げさに言うと文化の破壊にもつながる面があるのではないのでしょうか。心配です・・・・。
http://www.ne.jp/asahi/solanon/non/audio/audio20.html


【毒舌】宇野功芳【クラシック評論家】


『クラシックの名曲・名盤』などのベストセラーを書いた毒舌クラシック評論家宇野功芳(うの こうほう)について。

宇野功芳は日本人で唯一あの大指揮者ワルターと文通していた。

父は漫談家の牧野周一。
評論だけではなく自ら指揮も振る。
その指揮ぶりも一部マニアの間で大絶賛されている。


104 : 名無しの笛の踊り [] 2011/11/30(水) 20:43:52.26 ID
:raJRdtp+
なんていったって,吉田先生の本は読まなくても宇野先生の本は売れに売れまくっていますからね。
実質上,宇野先生は日本クラシックが生んだ最高のアイドルは中村紘子や小澤征爾以上に宇野先生ですね(笑)


14 :名無しの笛の踊り:2012/07/23(月) 01:14:15.25 ID:/TIjsA/3
宇野先生の執筆された本はよく立ち読みさせてもらってます。


15 :名無しの笛の踊り:2012/07/23(月) 05:38:40.92 ID:5vnm8QSO
演奏に順位つけたり幼稚極まりない。
それを有り難がるガキどもがいるんだから仕方がないか。


16 :名無しの笛の踊り:2012/07/23(月) 05:48:00.31 ID:PUVkavKK

年月が経てば、食べ物の好みも多少は変わっていきます。
演奏の良し悪しや、好み、感じ方が変わっても不思議じゃない。
逆に、一度悪い(良い)演奏と決め付けたからといって、
『生涯その考え方(感じ方)を貫き通すべきだ』と考える方が異常です。
物理法則と一緒くたにしてはダメです。


61 :名無しの笛の踊り:2012/08/22(水) 08:58:18.76 ID:pBjvgHoU
素人なのにオケを指揮真似するようになっちゃった時点でオワコン。


76 :名無しの笛の踊り:2012/09/27(木) 23:28:35.69 ID:Uje/Yp0R
なんだかんだ言っても結局みんな宇野が好きなのさ。


77 :名無しの笛の踊り:2012/09/28(金) 00:32:53.46 ID:VhEGmzGi
宇野タソは日本一の人気評論家だといえよう

554 : 名無しの笛の踊り [] 2012/03/26(月) 23:00:38.55 ID:rwpOtulp

宇野さんは、学生時代にワルターとの文通が話題になって、学長から

「一流の評論家として育てたいから楽理に変わらないか?」

と誘われて、

「自分は演奏家を本業としたいから」と言って断った人だからな。

やっぱり、その評論は主観的にならざるを得ないし、もっと学生時代に評論家と
して勉強してたら、また違ったかもしれん。

まぁあれこれ言ってもしょうがないよ、そういう人なんだもの。
でも、こういう人がいないとまた評論の世界も面白くないのも事実だとおもう。
よく言えば客観的な評論も、いいんだか悪いんだかよく分からん評価されても、
読者は参考にもならんし、面白くもないし。


555 : 名無しの笛の踊り [] 2012/03/26(月) 23:15:31.33 ID:2NFrnpsa
>>554

>いいんだか悪いんだかよく分からん評価されても、
>読者は参考にもならんし、面白くもないし。

まあそりゃ確かだ。
毒にも薬にもならんのじゃこの世に必要ない


557 : 名無しの笛の踊り [sage] 2012/03/27(火) 08:59:17.36 ID:wYo9/hQ+ >
「自分は演奏家を本業としたいから」

その結果があの音楽漫談かwwww
まあ所詮は演奏家崩れだからな。


241 : 名無しの笛の踊り [] 2011/12/30(金) 09:27:58.64 ID:rer4raRp

末期のフォンテックの宇野評が、時に録音を理由に無印だったりとかなり微妙だった。
確か反発したフォンテックが、レコ芸の広告ページに「一部の評論家が当社のCDの録音について云々」というのが載ったんじゃなかったっけ?

おそらく、接待か謝金かをフォンテックがケチったのでは?

ちなみに最もクソミソだった都響のブル5は、小石は推薦。
自分自身の感想は、ほぼ小石のと同じだったので、宇野の装置がクソか、耳が腐ったのかどっちかだと思った。


245 : 名無しの笛の踊り [sage] 2011/12/30(金) 22:13:12.94 ID:VPrPjrhz
宇野氏のオーディオ環境は?


247 : 名無しの笛の踊り [] 2011/12/30(金) 22:43:47.90 ID:QakaLny0
マランツ7かマランツ8の真空管アンプ
SACDプレイヤーはなし


248 : 名無しの笛の踊り [sage] 2011/12/30(金) 23:22:16.88 ID:dH+0O0Xu
スピーカーもワーフェデールの骨董品ユニットでしょ。
メンテナンスしていなければ、最新録音はまともに鳴らないだろう。


298 : 名無しの笛の踊り [] 2012/01/08(日) 07:21:41.21 ID:0Q8kitcq

使用機器のうち、新製品はプレーヤーだけで、アンプとスピーカーはいずれもモノーラル時代あるいはステレオ初期の名品である。 今のものに比べると、周波数レンジは狭いし分解能も悪いが、中音域の美しさ、豊かさ、気品は最高で、使用年数は実に五十年を超える。 もちろん、一生使い続けるつもりだ。

CDプレーヤー・ラックスマン=D500X、S

ターンテーブル・トーレンス=TD126MK111

トーンアーム・SME3012

カートリッジ・シュアー=ウルトラ500, M44-7(モノラル用)

プリアンプ・米マランツ♯7

パワーアンプ・英クォードU型モノーラル用2台

スピーカー・英ワーフェデールのスーパー3(トゥイーター)と15(ウーファー)英グッドマンのAXIOM80(スコーカー)をテレビ音響製9立方フィートマルチホール型エンクロージュアルに収納

304 : 名無しの笛の踊り [sage] 2012/01/08(日) 22:42:05.75 ID:6jEWXA0+
>>301
こりゃひどい
機器の一つ一つの性能以前に、古くて重篤なメンテが必要なものが多い
それをしてるとは到底思えない
これじゃ音質評価はおろか、音楽だってどう聞こえてるか怪しいもんだ


305 : 名無しの笛の踊り [] 2012/01/09(月) 04:26:24.64ID:PcHZ75jG
>>301
最新録音をこのような骨董的な再生装置で聞いて批評を書いているのだからヒドイ。


909 : 名無しの笛の踊り [] 2012/07/07(土) 20:46:19.71 ID:9PDwo8jB
そんなレコード用のオーディオでCDの音が引き出せているのかね?


306 : 名無しの笛の踊り [sage] 2012/01/09(月) 04:32:04.62 ID:tbuQ4Y7F
それ以前に81歳じゃ相当耳が遠いと思われ


308 : 名無しの笛の踊り [] 2012/01/09(月) 10:07:26.07 ID:CN4i4nwB
>>305
読者が同じレベルだから問題ないと思われ

329 : 名無しの笛の踊り [] 2012/01/13(金) 13:00:18.29ID:l0cnGtx/
ショルティ指揮シカゴ交響楽団ってどうして宇野功芳に嫌われてるんですか?


: 名無しの笛の踊り [sage] 2012/01/16(月) 12:25:08.00 ID:LJiMzt8l
>>329
多分、再生装置のせいではないかな?
あんな古いおそらくメンテナンスも碌にしてないような機器ではショルティやカラヤン等の最適な再生は無理だろう。
http://archive.2ch-ranking.net/classical/1320727400.html
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/classical/1342928242/

昔、オーディオ評論家の第一人者だった青木周三さんが当時これ以上はあり得ない最高の装置として音楽評論家 宇野功芳さんに推薦し、宇野さんがそれ以来50年間ずっと使い続けている装置


プリアンプ : 米マランツ♯7

パワーアンプ : 英クォードU型モノーラル用2台


スピーカー

トゥイーター : 英ワーフェデールスーパー3
ウーファー : 英ワーフェデールスーパー15
スコーカー : 英グッドマンのAXIOM80

エンクロージャー : テレビ音響製9立方フィートマルチホール型


ターンテーブル:トーレンス=TD126MK111
トーンアーム:SME3012
カートリッジ:シュアー=ウルトラ500


青木周三

分割の良すぎる音より、演奏会場の一番いい席で聴こえる音、実演に近い音の方が良い

マランツとマッキントッシュの真空管式パワーアンプは音が硬くて音楽を聴くのには向かない。メインアンプは QUADII以外には考えられない

AXIOM80 はJBL の30cmウーハーと組み合わせて、大型のエンクロージャーに入れると真価を発揮する。


宇野功芳

最新の機器は情報量が多すぎる

上記のアンプとスピーカーは いずれもモノーラル時代あるいはステレオ初期の名品である。 今のものに比べると、周波数レンジは狭いし分解能も悪いが、中音域の美しさ、豊かさ、気品は最高で、使用年数は実に五十年を超える。 もちろん、一生使い続けるつもりだ。


他のプリアンプと聴き比べたが、マランツ♯7の音は冷たい位の気品が他のプリアンプとはまるで違う。 清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったが、それが正解だった

QUAD II の音質の暖かさと柔らかさは無類である

QUAD II をQUAD のトランジスター・アンプに変えると、最初は楽器の細部のニュアンスが良く聞き取れて愉しめたが、すぐにうるさくなってしまう。 QUAD IIの暗く沈んだ音は何時間聴いても飽きない、疲れない。


上の装置の音質を10 とするとタンノイでは最高級アンプを使ったがせいぜい 3 か 4 程度の音しか出なかった。山中敬三さんもこれには驚いておられた。


ESL63 は音質自体は良いのだがエネルギー不足で失格


___________

要するに、オーディオ評論家の宇野功芳さんは仕事上、自宅のマンションの6畳のリスニングルームで毎日6時間、7時間 大音量で音楽を聴かなければならないので、以下の条件を満たす機器しか使えないという事でしょう:


クラシックしか聴かない
リスニングルームは6畳
疲れる音は ×
音楽の陰影が巧く表現できないと ×
低音が出て、スケールが大きな音で、音場感も良くないと ×
楽器の音色が正確に再現できないと ×
故障が多いものは ×


即ち、

音が硬いトランジスター・アンプ や マランツ・マッキントッシュの真空管式パワーアンプは ×

故障が多いマランツの真空管式パワーアンプは ×

低音が出ない小型スピーカーや QUAD の静電型スピーカーは ×

クラシック音楽の陰影が表現できないJBLやアルテックやマッキントッシュのスピーカーは ×


従って、QUAD II型アンプ と ワーフェデールかグッドマンの 3 way スピーカー以外は最初から対象外になってしまうのですね。


20. 2013年6月28日 01:25:39 : W18zBTaIM6

72:RW-2 2010/04/21(水) 15:44:37HOST:125.173.203.61.ap.yournet.ne.jp

昔は外盤はなぜ音がイイのかっちゅう話題になった際に、

まずは楽器が違う。
それから製作スタッフ(ミクサー、エンジニアー等)が違う。

てな論評でした。

ところが海外著名オーケストラとスタッフ連れてきて録音したら、やっぱりいつもながらの日本盤の聴きなれた録音にしかならなかったとか。

実際に音を決めていた大きな要素は箱(ホール)だったようでやんす。

NHKホールじゃ誰が録ってもバイロイト祝祭劇場やウィーン楽友協会大ホールの
音にゃならんでしょうし、どのオケが演奏してもやはりNHKホールの音になって
しまうんでしょね。

もっとも天井が見えないくらいライトがぶら下がったホールに期待してもどもならんでしょうけど。
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/lite/read.cgi/music/11602/1267522956/


21. 2013年7月10日 10:06:21 : KxxBl3LzOk
ロシア人のピアノの先生をお世話したことがあります。
高等音楽学校の先生ということでした。(ちなみにご主人はモスクワ音楽院の教授)
その方が言うには、日本のピアノは素晴らしい。
ベーゼンドルファーなんてそんなに良いピアノじゃない。
スタンウエイは、ホール用に特注で作った物は素晴らしいのが多いが、普通に販売されているのはそんなにいいものではない。
身近にある楽器で素晴らしいのは、ヤマハかカワイだ。
自身の音楽学校の教授用のピアノはカワイだとのことでした。

22. 2013年7月10日 10:27:14 : KxxBl3LzOk
アンプで音が大きく変わることはないと思います。
音源→ケーブル→アンプ→ケーブル→スピーカ
で耳に音が聞こえますが、まず、ケーブルは信号を素通しするだけですから、ケーブルによって音が変わるなどということは無い。(殆ど切れかかっているなら別ですが

実は、スピーカにつながるメインアンプも信号を増幅はしていますが、今の技術水準からいったら、ケーブルと同じようなものです。
もし違いがあるとすれば、アンプの出力インピーダンスの違いから、スピーカーが勝手に振動する現象を抑えられるかどうかでしょう。
真空管アンプにしたら柔らかい音になった、というのはこんなことが原因でしょう。
しかし、いまのアンプはスピーカの持つ抵抗に比べて十分出力インピーダンスは小さいからそんなに差が出るとも考えられない。
メインアンプを取り換えたら音質が変わったなどは、ケーブルを無酸素銅の物にしたら音質が向上した、といった類の迷信でしょう。

23. 中川隆 2013年7月11日 21:11:45 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6
>アンプで音が大きく変わることはないと思います。


まともな装置で聴いた事有りますか?

アンプは高調波歪を加える、言い換えると倍音成分を追加するのですね。

音色は倍音の入り方で決まるので、部品一つ変えただけでも音色が大きく変わります。

それから「真空管(アンプ)の音」と言われているのは、真空管の音ではなく、トランスの音です。その証拠に、トランジスタアンプの終段にトランスをつけて、スピーカーにつなぐと真空管アンプの音になります。

ですから、アンプのコンデンサやトランスを別のメーカー製に変えると音が激変するのですね。

スピーカーによる変化は更に大きいです。

ケーブルをウェスタンエレクトリック製にしただけでも音がかなり改善されるのは有名な話ですね。


24. 中川隆 2013年7月12日 08:22:25 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6
>まず、ケーブルは信号を素通しするだけですから、ケーブルによって音が変わるなどということは無い。(殆ど切れかかっているなら別ですが)

スピーカーケーブルの抵抗がアンプの抵抗に比べて無視できないから、影響が出て来るんですよね:


スピーカーケーブルの長さで音が変わる  

スピーカーに限らず、オーディオシステム、部品間を繋ぐ電線の問題は実に頭の痛い問題である。つながないことには音が出ないので、電気を使う装置の宿命としてつきまとう。電線不要の蓄音機がうらめしい。この問題であまりに悩むと電線病となる。すべてを電流伝送にすればよいのだが、あらゆるコンポーネント間が電圧駆動になっているため、この問題は避けて通れない。ここでは、私の考え方と解決のヒントを紹介しよう。

  WE755Aは、8インチの秀作、不世出のフルレンジ・ユニットである。このスピーカーは、高能率で実に細かい音を再現するに長けているが、ボイスコイルのインピーダンスが4オームと低く(ごく普通のスピーカー・ケーブルでは特に顕著だ)、アンプとの接続が全長1メートルくらいでは20センチ程度の長さの差があると音に出てしまう。むっとして、ケーブルを短く切るが、短ければ短いほどによい。理論的にも現実的にもケーブルは無いのが理想的である。将来は、スピーカーも電流駆動にしたいと思っているが、この分野はまだまだ研究が必要だ。  

  低いインピーダンスのスピーカーは、ケーブルの影響を受けやすい。下図左にあるように、SPケーブルが長い場合、ケーブル自体の抵抗が多くなり、アンプ側からみると、ボイス・コイルを駆動しているのか途中の配線を駆動しているのか、訳がわからなくなる。WE755Aスピーカーのボイスコイルは、銅線を直径1インチのボビンに35回程度巻いてあるだけである。交流的には磁界内でインピーダンスを持つが、DCR(直流抵抗)では、2オーム程度と低い。周波数が低くなってくるとDCRはより大きな問題となってくる。
 

  プロ用システムの600オームインピーダンス伝送  

家庭用の装置では、ケーブルの長さは数メートル程度でおさまるが、劇場や野外PAなどの場合では、このケーブル長が数十メートルに及ぶことがある。このため業務用の装置では、アンプからの出力インピーダンスを高く送り出している。歴史的に業務用の装置ではアンプからは600オームの送り出しにして、スピーカーのすぐ近くにマッチング・トランスを設置し、ここでスピーカーのインピーダンスにあわせる。ケーブルが短い場合は、当然トランスを入れないほうが音質的に優れるが、使用される環境が特定できないプロユースでは、安定した性能を発揮するために、高めのインピーダンスで送り出して、マッチングをトランスで取るようにしている。

  多くのウエスタン・ユーザーは、シアター用のシステムをそのまま自宅のリスニング・ルームに持ち込んで聴いていると思われる。バランスどりもこのプロユースのインターフェースで行っている。しかしながら、ホーム・ユースでは、ケーブル長が短ければ、高いインピーダンスで送り出す必要もなく、間にマッチング・トランスを入れる必要もない。これら取り去ることにより、理論的にも現実的にもシステム性能は、飛躍的に向上するはずである。束縛から解き放たれたウエスタンのドライバーは、想像を絶する音の世界を現出する。基本性能の高さをいかにマスクして使いやすくしているかが、如実にわかる。しかしウェスタンのドライバーを、素の状態で他の装置とバランスをとるのは、至難の業である。これはレーシング・マシンのチューニングの世界に通じるものがある。


 
  リモート・トランス方式  

  高性能のスピーカーケーブルは、非常に高価である。私のように懐に余裕のない者は、数メートルのケーブルに十万円も出せない。というか、もともと無いのが最高の状態のものに、泣く泣く資金を投入するというのは、技術的にも忍びない。そこで、数メートルの範囲であれば、アンプの出力トランスをアンプの外に出してしまえ、ということになった。これが、私流のリモート・トランスという方法である。普通は出力トランスは、上左図のようにアンプのシャーシの中に収まっているが、これを外して上右図のようにスピーカーのすぐ傍にもってきてしまう。そうすると低インピーダンスの配線部分は、とても短くてすむ。数十センチくらいと短ければここには、目いっぱい高いケーブルを使ってやることもできる。アンプとトランス間は、高目のインピーダンスでつながっているし、電流は数十ミリアンペア程度と極めて少ない。よってケーブル延長の影響は、スピーカーの場合より圧倒的に少ない。但しこのケーブルには数百ボルトの電位があるので、感電に気をつけないといけない。またアンプとトランス間はすべてはんだ付けでやらなければ危険である。回路がプシュプル方式の場合は、お金さえかければ、さらに効果的な回路構成をとることができるが、一般の人にはお勧めしない。ここで節約した資金は、別の場所に投資したほうがいいと思う。

  モノーラル・アンプを使う
 
このリモート・トランス方式にしなくとも、モノラルのアンプを2台にして、それぞれをスピーカーのすぐ傍に置く手がある。この場合、コントロール・アンプとメイン・アンプの間のケーブルは、通常の電圧伝送であっても、まだまだ伸ばす余裕がある。スピーカーのケーブルは、ボイスコイルのインピーダンスが低いので延ばせないのである。私の使用しているウーファーRCA 1444のインピーダンスは、30オームである。よってケーブルの影響を受けにくい。これも業務用のものである奥ゆかしい仕様になっている。反面、ネットワークのインダクタが巨大化するが、その点は本HPのネットワークの項目も参照されたい。
http://homepage3.nifty.com/western/audio/sp_cable/sp_cable.htm


25. 中川隆 2013年7月12日 08:55:57 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

>メインアンプを取り換えたら音質が変わったなどは、ケーブルを無酸素銅の物にしたら音質が向上した、といった類の迷信でしょう。


確かに安物のシステムコンポならそうかもしれないですね。
しかし、高級オーディオはこういう世界ですから:

デッカ「デコラ」はBUDの宝物。古いSPから新しいレコードまでなんでもよく鳴ります。

つい最近使われているスピーカーコードを古い単線に換えてみました。

ところがどうでしょう、高音がきつく、堅くてうるさい音になってしまいました。

換えた理由はオリジナルがビニール被膜だったからです。ビニール被膜のコードは音が良くない!と頭で決めた先入感があって、いつかは換えてみたいと思っていました。しかし結果は全く裏目に出ました。安心して音を聴いていられないのは、落ち着かないことこの上なしです。

さらに悪いことに、オリジナルのコードを捨ててしまったのです。ああなんということを、と思っても時既に遅し。覆水盆に返らずです。そんなこんなで居ても立ってもいられず、取り敢えず単線は外し、布被膜の撚り線にしてみましたが、多少の改善は見られたものの、「デコラ」オリジナルの音には復しません。

ビンティージ・オーディオはそれが創り出された当時の完成度が、コード一本によって歪められ、バランスが崩れてしまう、ということが本当によくわかりました。オーディオはトータルバランス。
http://bud-jazz.dreamlog.jp/archives/4989053.html


常識的にはスピーカケーブルの抵抗値は低い方が良いのですがそうでもないことが多いことは皆さんもよく御承知のことと存じます。とくにこの Goodmans Axiom80 はその最たるものでしょう。ラウザーユニットとは異なってインピーダンス変動が大きく、常識が通用しないことは驚くべきものがあります。

単発使用では定電流駆動に近い特性のアンプがベストなのですが2発、4発ではそうではありません。近いうちに指定4発箱に入れたシステムをつくる予定ですがアンプは新たに作る必要があるでしょう。
http://www.audio-maestro.com/ma2.html


ウエスタンのシステムをオリジナルの状態のコンビネーションで使用するというのは、ある意味で正解である。ウエスタンは、まさにその状態でバランスをとっている。

ウエスタンのスピーカーのリード線などを見ても、こんなところに細くて純度の低い銅線を何故使用するのだろうかと思うが、実はそれでもってバランスをとっている。6Nや7Nを使用すると破綻することがある。594Aのダイヤフラムのリード線も細い。オリジナルのWE755Aのリードも初期は細い。

アルテック以降の755Aでは、"良い"銅線が使用されている。バランスというものの本質が分かっていない後期の設計者が、抵抗値が低ければよい音になるだろうと思って、変えてしまったものかも知れない。いずれにしろ、ALTEC 755Aは、外見も仕様も全く同じだが、Western 755Aの音はしないのである。
http://homepage3.nifty.com/western/audio/nazo2/nazo2.htm

ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーなど、本物のF1マシンです。

100万円の、ゴミケーブルごときレベルのもので、鳴らせるわけがありません。
500万円の、ゴミアンプごときレベルのもので、鳴らせるわけがありません。

スピーカーとアンプ、又は、ケーブルとの相性が合うだの合わないだの、低いレベルの話を、いつまでも言っていてはダメです。

F1のレベルは、「品質と技術の絶対的な高さ」だけです。ただそれだけです。徹頭徹尾、それが要求されています。F1レースの世界と全く同じです。

そして・・、

例えケーブル類が全て、第一級品のプロ用であって、健全なものだったとしても・・・、

アンプは? 

ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーの設置角度、高さ、奥行き、場所は?、

一ミリ単位で、全てその音から逆算していって、本能的に計算できるでしょうか?、

部屋の音響処理は?、

そして、たった一個のプラグが音に与える影響まで、この箇所は金か銀か、全ての箇所を、一つも間違えずに、音から、一つの前後の狂いもなく、全プラグの正解を逆算できますでしょうか?


音響処理グッヅなど、さらに混乱を招いてしまうだけに終わり、ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーの前では、害悪になるのみで、これもまたゴミに過ぎません。全く役にも立たないどころか、足を引っ張る程度のものばかりなのです。

自分の耳で、目で、肌で、部屋の中を徘徊している音の複雑なルート、それが全て明瞭に見えているだけの「能力」がなくてはなりません。同時に、周波数特性の計測装置より正確に、全てのケーブルと機材の特性が、耳で把握できなくてはなりません。

ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーとは、それほどまでに恐ろしいものだと認識されてください。

そこまでは無理だと、誰でも思われるでしょう。そう思われるのであれば、「妖刀」には、絶対に近づいてはならないという「印」です。

それが、し・る・し、です。


又は、音の修行僧として、一生涯を送るかです。

選択は、二つに一つです。例外はあり得ません。


もう一種、同程度に恐ろしいものを書いておきます。アルテック612Aモニター(銀箱)のオリジナルです。別の箱に604ユニットが入ったものは、その限りではありません。612A(銀箱)オリジナルには、WE同様、絶対に近づかないでください。

612A(銀箱)オリジナルも、上記の能力が全く同レベルで必要な「妖刀」、「化け物」です。鳴らしきれるはずがありません。
http://www.procable.jp/setting/17.html


26. 中川隆 2013年7月12日 11:41:33 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


>スタンウエイは、ホール用に特注で作った物は素晴らしいのが多いが、普通に販売されているのはそんなにいいものではない。身近にある楽器で素晴らしいのは、ヤマハかカワイだ。


スタインウェイとヤマハとでは何が違うのか

■ Blue-Tが考えるスタインウェイ

スタインウェイは90%以上の音楽ホールに納入されている、世界最高峰のピアノであると表現されています。 世界には様々なピアノメーカーがあります。各メーカーは独自の考え方、音の理想像を掲げ楽器を制作しています。 世界中のピアノメーカーの中で何故スタインウェイだけが人気を独占しているのでしょう?

理由はスタインウェイはリスナーではなくプレイヤーの為の楽器だからなのです。 良く調整されたスタインウェイは他メーカーのどんなに良く調整された楽器よりも信頼できる仕事をしてくれます。その事がピアノメーカーとして支持され人気がある大きな理由です。

どのように最高峰なのかスタインウェイがヤマハとどの様に違うのか?を検証していきたいと思います。

検証方法としてヤマハのピアノとの違いを動画で行います。

ヤマハは国内最高のブランドであり、世界的にも人気が高くニューヨークの販売ギャラリーでもスタインウェイやベーゼンドルファーなどと並べて販売されている優秀なピアノです。

主にピアノ演奏家など上級者向けを対象としたスタインウェイに対して一般顧客をターゲットにしたピアノです。わかりやすく例えると高級ベンツと大衆車トヨタといった感じかと思います。スペックもポテンシャルも価格相応に違いがあって当然です。ヤマハはファンが多くスタインウェイより好きだという方も多くいます。

スタインウェイはドイツのハンブルグとアメリカのニューヨークに工場があり二カ国で製造されています。どのように違うのか、Blue-Tなりにまとめてみました。


☆ハーフタッチが出来る 
ハーフタッチとは鍵盤を下まで弾き込ませずで上部から中間程度の深さまでで弾くテクニックのことです。

ヤマハ ハーフタッチ
http://www.youtube.com/watch?v=T2FyGF3-5H0&feature=player_embedded
ところどころ反応せず音が充分に出ない箇所があります。


スタインウェイ ハーフタッチ
http://www.youtube.com/watch?v=Th3ueVdh5ws&feature=player_embedded
ハーフタッチに反応し音が出でます。曲を演奏する場合、ハーフタッチの音抜けではなく、音質や表現法に気を配ることが出来ます。演奏レヴェルの向上が可能です。


ヤマハ エオリアンハープ
http://www.youtube.com/watch?v=YPYEdNyU-UQ&feature=player_embedded
ヤマハでハーフタッチで弾くと反応が鈍く、思うような響きにならない。
音の濃度が薄いため鍵盤の深さを100パーセント使わない限り音抜けがする。
音のニュアンスは良く聴こえず、弾き手にとっての満足度が低い。

スタインウェイ エオリアンハープ
http://www.youtube.com/watch?v=JhtdpmtwAKE&feature=player_embedded
楽譜通りに自分のイメージする演奏が可能です。

☆アフタータッチが出来る
アフタータッチとは鍵盤の下半分、鍵盤の底を主に弾き込むテクニックのことです。
スタインウェイは鍵盤を上部から底まで全部使って弾いてしまうと音が明るく鳴りすぎてしまいます。
ピアノテクニックの重要な部分である為、演奏家は様々な局面で使用します。タッチをコントロールし色々な表現をする上で有効です。


ヤマハ アフタータッチ
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Au6ZnVAg7PM
楽器がアフタータッチに反応しないため音がスカスカに感じます。


スタインウェイ アフタータッチ 
http://www.youtube.com/watch?v=T4U_puof060&feature=player_embedded
演奏者のイメージする独自の表現が可能です。


☆ハーフペダルが出来る
ペダルは大事です。

ヤマハ ハーフペダル
http://www.youtube.com/watch?v=dd4qAXidX90&feature=player_embedded

ヤマハの場合、ダンパーペダルを踏むと弦を押さえるフェルトが水平に一気に上がる。このため物理的にハーフペダルが出来ない。
シンプルで簡易的な響きのみペダルで作れるが、複雑な響きは濁りを生じ不快なためロングペダルは出来ない。
踏むか離すかどちらかの選択になる。加減はほぼ出来ない。

スタインウェイ ハーフペダル
http://www.youtube.com/watch?v=FhVzhKe_QEQ&feature=player_embedded

ペダルを10分の1〜10分の10まで無段階で調整しながら演奏できる。
ロングペダルをして沢山の音を演奏者の裁量で混ぜる事が出来る。数小節にわたって踏み換えなしに濁らず複雑な響きを出すことが可能。
ダンパーペダルは回転して上がるためハーフーペダルが可能。弦を押さえるフェルトが徐々に離れる機構になっている。

☆ニューヨークとハンブルグの違い

形状、外装

ハンブルグ
日本のヤマハと奥行きサイズやデザインがほぼ一緒で、見た目ではヤマハとの違いがほぼ無い。ヤマハと同様のヨーロッパ的な滑らかで角が取れた丸みのあるピアノケースが印象的。標準外装は光沢のある艶出し仕様。


ニューヨーク
形状と奥行きサイズが多様で、同じサイズでも形状が異なる。例えばO型とL型は同じ奥行きだが、響板が丸形と四角型に分かれる。そのため共鳴板の大きさが異なる。(O型よりもL型の方が共鳴板が大きい)
またA型は大きく3種類に分かれ、Short-A型183センチ/Middle-A型188センチ/Long-A型200センチ/となる。
ニューヨーク本社は多様なピアノの形状やサイズ、奥行きなどの製造をしており。年式によって共鳴板の形とデザインが異なる。
アメリカらしい角張っていて無骨なピアノケースが印象的。標準外装はマットな艶消し仕様。

設計 材料
ニューヨーク、ハンブルグ共に設計は同じ。素材、材料が異なる。

アクション、弦

ハンブルグ
レンナー社製 アベル社製 レスロー社製 


ニューヨーク
ニューヨーク自社製・カナダ等の北米製・アベル社製

鍵盤 アクリル鍵盤。

ハンブルグ
象牙の場合は一枚貼りが多い 象牙の2枚貼り
ハンマー ドイツ製は固いので針を刺して使用する。 購入当初から音が出やすい。


ニューヨーク
ニューヨーク製は柔らかいので硬化剤を使用し固めてから針を刺す。最初は殆ど音が出ない。


音色
ハンブルグ
輝く明るさと煌めきがあり透明感がある。
その後はピアノ技術者と持ち主により個性が決定される。


ニューヨーク
骨太で唸るような迫力と、柔らかな煌めきがある。その後はピアノ技術者と持ち主により個性が決定される。


品質
ハンブルグ
どのハンブルグを弾いても一様に安定感があり、むらがほぼ無い。響板を含めたボディーの品質は水準が高いが、極上品は20台に1台程度と少ないように感じる。しっかりと最終調整された物が市場に出るため、安心して購入できる。
職人さんの細やかな作りが日本人の物作りと通じるように思う。


ニューヨーク
響板を含めたボディーなどピアノの心臓部がかなりしっかりしている。楽器そのものは極上品が3台に1台程度と非常に多いように思う。しかし調整や整音が殆どされておらず、作りっぱなしの状態で販売される。市場に出ている殆どのNY製は調整がされていない為、粗悪品のようなイメージがある。
購入者が最終調整をする必要があり、ハンブルグと同等レヴェルに仕上げるにはかなりのコストと時間が必要。


販売に関して

ハンブルグ
日本のどこでも、新品・中古販売されているのでいつでも購入可能。
ある程度品質が安定しているので購入してすぐに弾いてもそれなりに満足させられるのでは。


ニューヨーク
日本では新品選定・中古選定は不可能。リビルド販売もされない。ニューヨークなど北米から購入する必要がある。購入しても音が出ない。調整されていない。部品交換が必要。タッチにむらがあるなどアクシデントが多く、一般の方が購入されるのは危険に思います。購入当初はハンマーの性質上、音がクリアでない為、弾き手さんが何年もかけて音を作っていくピアノです。
当店でも販売するまでに相当の努力でようやく販売するまでに至った。

印象

ハンブルグ
個体差によるが印象として女性的な音と外見。ヨーロッパ的と表現する人もいる。
スリムで密度があり、艶やかに煌めく音色が魅力。弾き心地、音色の重心がやや高めで、全音域に渡って柔軟性と機敏ある操作性。
個人的な主観ではハンブルグもニューヨークも極上品は似ており優劣は付けがたい程、素晴らしい。


ニューヨーク
個体差によるが印象として男性的な音と外見。アメリカ的と表現する人もいる。
骨太で密度があり、底なりする重低音と煌めく音色が魅力。弾き心地、音色の重心が低く、全音域に渡って柔軟性と機敏ある操作性。
個人的な主観ではハンブルグもニューヨークも極上品は似ており優劣は付けがたい程、素晴らしい。
http://www.blue-t.jp/piano/zaiko/steinway.html


27. 中川隆 2013年7月12日 11:49:01 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

世界3大ピアノ弾き比べ (後悔しないピアノ選び)


日本では多くの方が、ピアノというとヤマハやカワイのピアノを思い浮かべるようですが、世界の3大ピアノメーカーと言えば、スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタインです。

どのメーカーも、生産量はヤマハに比べて圧倒的に少ないですが、老舗の高級ピアノメーカーとして大変有名です。

では実際に、ピアノのメーカーによって、音はどのくらい違うものなのでしょうか。

今回、比較的近いサイズのグランドピアノで弾き比べをする機会がありましたので、その音をお届けしたいと思います。

今回使用したピアノは、以下の通りです。(価格はいずれも税込み)


ヤマハ・グランドピアノ S4B (販売価格 4,095,000円)

ヤマハ・グランドピアノ S4B ヤマハは、国内では、圧倒的なシェアと販売網を持つピアノメーカーです。「ピアノというとヤマハ」と思っている方も多いのではないでしょうか。 ピアノの量産を成功させ、ピアノの値段を大幅に下げることに成功したピアノメーカーでもあります。


今回使用するSシリーズは、ヤマハのグランドピアノの中でも高級品で、同じサイズの一般的なヤマハのグランドの2倍近い値段がするものです。


ベヒシュタイン・グランドピアノ Model A.160 (販売価格 4,200,000円)

ベヒシュタイン・グランドピアノ Model A.160 ベヒシュタインは、ドイツのピアノメーカーです。「ピアノのストラディバリウス」とも呼ばれ、リストやトビュッシーが絶賛したピアノとしても有名です。

ベヒシュタインのピアノの特徴は、ひとつひとつの音が濁らない「音の透明感」と「音の立ち上がりの鋭さ」、そして「響きの強さ」です。

ベヒシュタインは、3大ピアノメーカーの中では唯一、アップライトピアノにも力を入れていることでも有名です。

ベーゼンドルファー・グランドピアノ Model.185 (販売価格 10,500,000円)

ベーゼンドルファー・グランドピアノ Model.185 ベーゼンドルファーは、オーストリアのピアノメーカーです。 ピアノのボディー全体を鳴らして醸し出す、その柔らかい音は、「ウィンナー・トーン」を今に伝える「ウィーンの宝」とも言われます。

創業から180年で、まだ生産台数が5万台程度と、その生産台数の少なさから、幻の名器とも言われました。 色々な輸入ピアノの調律を行う有名な調律師さんなども、最後はベーゼンドルファーに魅了される方が多いと言われるほど、他のメーカーのピアノにはない、素晴らしい音を奏でます。


スタインウェイ・グランドピアノ Model A-188 (販売価格 9,870,000円)

スタインウェイ・グランドピアノ Model A-188 スタインウェイは、世界で最も有名な高級ピアノメーカーで、高級ピアノの市場では、日本も含めて圧倒的なシェアを誇っています。 有名な音楽ホールに置かれているピアノは、ほとんどがスタインウェイですし、テレビやラジオ、そして音楽CDなどで聴くピアノの音のほとんどは、 このスタインウェイのピアノの音と思ってよいでしょう。

スタインウェイのピアノが、プロのピアニストに支持されている理由は、「音の迫力と力強さ」「適度な響き」、そして幅広いジャンルの音楽に合う「表現の多彩さ」にあります。 特に、高音部の音が低音部の音に負けず、華やかで、ホールの隅々まで届くことが、ピアニストとして安心できるところだと思います。


音の比較

それでは、実際に、それぞれのピアノの音を聴いてみてください。

ヤマハ
ベヒシュタイン
ベーゼンドルファー
スタインウェイ


いかがでしたでしょうか。


ベヒシュタインのクリヤーな音、

ベーゼンドルファーの木が奏でるやさしい音


がわかりましたでしょうか。 録音した音ですので、実際にピアノの近くで聴いたときのような鮮明な違いは確認しにくいかもしれません。今度は、これらのピアノで同じ曲を演奏してみます。

「エリーゼのために」の弾き比べ

「エリーゼのために」を、それぞれのピアノで弾いたときの音を聴いてみてください。 「エリーゼのために」の始めの部分だけでなく、いくつか特徴的なフレーズの音も録音してみましたので、それらの音を比較してみますと、それぞれのピアノの特徴が理解できるのではないでしょうか。

ヤマハ 「エリーゼのために 1」
ヤマハ 「エリーゼのために 2」
ヤマハ 「エリーゼのために 3」

ベヒシュタイン 「エリーゼのために 1」
ベヒシュタイン 「エリーゼのために 2」
ベヒシュタイン 「エリーゼのために 3」

ベーゼンドルファー 「エリーゼのために 1」
ベーゼンドルファー 「エリーゼのために 2」
ベーゼンドルファー 「エリーゼのために 3」

スタインウェイ 「エリーゼのために 1」
スタインウェイ 「エリーゼのために 2」
スタインウェイ 「エリーゼのために 3」

なお、ピアノは調律の仕方(調律の善し悪し)によっても、かなり音が変わります。

また、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、スタインウェイのピアノは、工業製品というよりも、1つ1つ手作りされた工芸品ですので、ピアノの個体によって、かなり音が変わります。

実際、これらのピアノを購入するときには、同じメーカーの同じモデルでも、いくつかの(人によっては、かなり多くの)ピアノを弾き比べてみて、一番自分が気に入った音のピアノを購入するのが普通です。


今回試弾させていただいたピアノについて個人的に感想を言わせていただくと、ヤマハのピアノは、かなり上手に調律されていますが、スタインウェイは、特徴的な高音部の華やかな響きが少なく、あまりスタインウェイらしい音になっていないように思えました。

録音された音ですと、あまり違いが実感しにくかったかもしれませんが、実際に弾いてみますと、小さなお子様でもわかるくらい音が違いますので、楽器店などでそのような機会があれば試してみてください。ピアノという楽器の奥の深さを楽しむことができます。


ピアノの違いは、音だけではありません。材質や製法も、メーカーによってかなり違います。それによって、ピアノ自体の価値にも、かなりの違いが生じます。
http://www.convivace.jp/pianoselect_comp.shtml


28. 中川隆 2013年7月12日 12:13:15 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

ピアノの終着駅〜スタインウェイ〜


ピアノの開発が1600年代から始まって、1900年初頭にはピアノの開発はされ尽くしたと言われています。そのピアノを、とうとう開発し尽くした会社が、あのスタインウェイ&サンズです。

スタインウェイの特徴は残念ながら、もしかすると素人には分からないかもしれません。というのも、ある意味では没個性的でもあるからです。

例えば


渋くて重みのある音を出すベーゼンドルファーや、

軽いジュラルミンのようなフランス音がするプレイエル、

気品あふれる音を出すベヒシュタイン


等にくらべると、どんな音も出てしまう所が「何の音のするピアノだかわかんない!」と言う人が多いのです。

事実、確かにどんな音も出ます。太い、豪快な音から繊細な音、ベールに包まれた音、ジェット機のようなつんざく音、何でも出ます。

おそらくプロのピアニストなら、まず家庭にベーゼンドルファーや、ベヒシュタイン、ブリュートナーを趣味で置いたとしても、コンサートでは絶対この種のピアノを選ぶ事はないでしょう。

なぜなら、様々な曲目、様々な雰囲気を作る必要性があるリサイタルでは、どんな音でも出るピアノでなければ、仕事が勤まらないからです。


事実、ベーゼンドルファーは私は大変気に入っているピアノですが、あれでラフマニノフやスクリャービンを弾くのはちと無理があります。

単純に分かりやすくいうと、ppp〜fffまで、自由自在に出る、それがスタインウェイです。

そしてもう一つ、スタインウェイのすごい所は、多声部の曲や、ソフトペダルを多用した場合に、その各声部の輪郭がハッキリと出る事です。これは残念ながら、ベーゼンドルファーはもちろん、ヤマハもできません。

特にソフトペダルを使用した時の音は、もうスタインウェイ特許の音であり、他のピアノメーカーはパクリで!(もしくはおまけで!)ソフトペダルを付けていると思って良いと思います。

私は他のコラムで書いた通り、ヤマハのピアノも絶賛しています。近年のヤマハのピアノはすばらしい。しかし、悲しいかな、そのヤマハに出せない音が、ショパンや、スクリャービンの曲の中に出てくるのです。それがスタインウェイの出す弱音ペダルの音です。

そしてもう一つ、スタインウェイのすごい所、それは文句のつけようがないアクション(鍵盤とハンマーとが一体になっている部分)です。

スタインウェイのアクションは、フェザータッチと申しましょうか?的確に弾く者の音楽思想をその通りに伝えます。

もっと分かりやすく言うと鍵盤が異常に軽い!

さらにもっと分かりやすく言うと、スポーツカーのハンドリングという感じ(?)

逆にいうと、下手な弾き方をするとすべての音がfffになってしまう程ですが・・・

まあとにかく超敏感なアクションです。つまり、なんていうんですかね?

赤く腫れ上がった痔を思いっきりつねる感じでしょうか?
もしくは、痔の手術で肛門に注射ををすると、この世の物と思えない程の激痛がする程、肛門の神経はこんなにまで敏感だったのかというような敏感さ・・・(わかんねーだろうな、やった人でなければ。しかも俺はこれを2度もやってしまったんだから)


さて、スタインウェイの長所を並べてきましたが、ここで短所をあげてみたいと思います。

もしかするとこれは他の外国製ピアノメーカーもそうなのかもしれませんが、湿度の変化はもちろんですが、温度変化に非常に弱い!

ホールで、倉庫から引っぱり出してきたばかりのスタインウェイはぜ〜んぜん音が出ません。

そこで、照明を当ててピアノを温めるのですが、ヤマハなどはものの10〜20分で絶好調になるのに、スタインウェイは30分経っても音が出ません!

1時間経ってようやく絶好調ときてます!
これを知らないとピアニストはえらい目に合います。

さて、スタインウェイをお求めになりたい方は、金持ちは別として、中古をお探しになる事をお勧めします。なぜなら(すべてのピアノメーカー全般に言える事ですが)中古なら新品の半値で買える事がほとんどだからです。

私も欲しいです。知り合いの調律師が(アメリカにはスタインウェイのセミコン中古が今400万であるんだけど・・・)といっていました。

そりゃあ安い!!400万でセミコンスタインウェイですか!!・・・でもね・・・はあ〜〜〜。
http://www.muratapiano.com/message/piano/back-p1.html


29. 中川隆 2013年7月12日 12:32:17 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6


ようやく世界のトップレベルにおどり出たヤマハ

スタインウェイの右に出るピアノはないと言われていますが、一方で、とかくヤマハのピアノは音楽業界では、レベルが低く見られがちなのですが私にはそれがよく理解出来ません。

たしかにフルコンピアノの場合、スタインウェイには出て、ヤマハでは出ない音はあります。

特に、私が思うにスタインウェイの場合、弱音ペダルを使うとまったく別物のピアノかと思わせるほどの違った音が出てきますが、ヤマハは残念ながらスタインウェイほど多彩な弱音ペダルの効果は期待出来ません。曲の中で神秘的な音が必要な場合、そのすべてがヤマハは出るとは限らないのです。

しかし、そういう部分は曲の中では2割も満たない事がほとんどです。つまり、あとの8割はヤマハで十分ということになります。

そしてもう一つ、スタインウェイとヤマハの違い、それは、アクションの違いです。

スタインウェイのアクションはたしかに素晴らしいものがあります。こちらの意志を素直に伝えるアクション。故にとても弾きやすいものです。フェザータッチとはこの事かな?とも思えます。

スタインウェイにくらべると、ヤマハのアクションは少々、ねばりっこい感じがあります。

しかし、それでも間違いなくヤマハのアクションはスタインウェイの次に素晴らしいものです。

ここでひとつ、スタインウェイとヤマハ以外のメーカーについて述べます。

ピアノのメーカーには、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、プレイエル、ザウアー、ブリュ−トナ−、ホフマン(このすべてのピアノを私は弾いた事があります)など、いろいろなメーカーがあります。

どのメーカーも、個性的な面では非常に気に入ってはいますが、ホールでどんな曲でも弾きこなさなければならない事を考えると、どれも完璧な性能ではないと思います。ホールで弾くという点においては間違いなく、スタインウェイの次には、ヤマハではないかと、私は思っています。

そして私が強くヤマハを推す理由。それは普及品レベルのピアノの価格です。

前にも述べた、スタインウェイ、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファー、プレイエル、ザウアー、ブリュ−トナ−、等の外国製のピアノの値段はおよそ、ヤマハの3〜4倍。

はたして一般庶民がピアノごときに800万円ものお金を出せるでしょうか?私は一生かかっても出せません。

しかしヤマハは、200万も出さなくても、一級品に近いピアノを手に入れさせてくれるのです。(ただし、ここではっきりしているのは、ヤマハは一級品ではないという事です・・・といってもプレイエルやブリュ−トナーは一級品とはいいがたいのですが)

そしてもう一つ、ヤマハを推す理由。それはヤマハ独自のオートメーション化による製品の均一性です。

スタインウェイ等の外国製のピアノはそのほとんどが、手作りによるものです。ですから、たしかにピアノ一台一台が微妙に違うものが多く、年数が経てば、更にその違いが明確になってきます。当然のごとく、新品でも「当たり外れ」があります。特にブリュ−トナーやペトロフなどの共産圏で作られたピアノはかなりはずれが多いと聞きます。

その点、ヤマハの普及品ピアノ(Cシリーズ)は絶対に、はずれはありません。機械で作っているだけでなく、検査も相当厳しいようで、私は今まで、はずれのヤマハを見た事がありません。これは本当に素晴らしい事で、誰が買っても安心して同じ高品質のヤマハが手に入るわけです。もっとも、そのおかげでどれもこれも同じ音が出るので「非個性的」とも言われますが、はずれをつかまされるよりはましでしょう。

ところで、ピアノを完璧な状態に整備する事はとてもお金がかかる事を御存じですか?

たとえヤマハでも最高の状態を保つために除湿器を入れ、調律、整音(音を整える)、整調(アクションの整備)をくり返せば、1年に6〜7万円以上かかります。電子ピアノと違ってピアノは維持費がとてもかかるのです。

しかしそうやって、最高の状態にしてあるヤマハのピアノはとても素晴らしい音がするものです。

本来は、新品の時の音の美しさはきちんと整備と修理をくり返せば何十年でも保つ事ができるのですが、私が時々見かけるヤマハピアノ所有者のピアノは実際は整備を怠ったが為に驚くほど、ひどい状態のピアノが多いのです。

「ヤマハのピアノは音が金属的で薄っぺらい音で嫌い」・・・良く聞く意見ですが、そのほとんどが整備がまったくされていないピアノなのです。

もっともスタインウェイも、私が遭遇したそのほとんどが、やはりあまり良くない状態がほとんどでした。整備が行き届いていないスタインウェイよりも、完璧な状態のヤマハの方が良いピアノである事は間違いありません。

もしも、よい状態のスタインウェイやヤマハのピアノの音を聞きたければ、それぞれのショウルームへ行けば間違いなく遭遇出来ます。ヤマハにおいては銀座ヤマハ本店が良いでしょう。

今、ヤマハは残念ながらどんどん値上げを行っていて、一般庶民に対してピアノが「高嶺の花」になりつつある状態なのですが、それでも外国のピアノに比べたら、どう考えてもスタインウェイの次のレベルと言えるピアノが驚くほどの安値で売られている事を皆さんがもっと気がついて欲しいと思います。

実際、ヤマハのC3であれば、まず音大受験には申し分ないレベルのはずですから。
http://www.muratapiano.com/message/piano/back-p4.html

ヤマハグランド改superG3

私がいつもお世話になっている調律師がヤマハのG3グランドピアノを改造したとのことで、工房に訪れて試弾をしてみた。

そのピアノは弦、ハンマー、響板、アクションを改造してありました。様々なパーツをヨーロッパメーカーの部品に交換、改造、そのお味は・・・びっくりするぐらいの出来でありました。

音はヤマハとは到底思えない!素晴らしい音であり、またアクションはびっくりする程の敏しょうさ!

もっとも驚いた事は、私がもっているC7よりも、中高音域はこのG3改の方が優っていたという事です。

私自身、本当はスタインウェイが欲しいのですが、そうはいっても、セミコンのスタインウェイでも600万はします。

庶民にとってスタインウェイをもつ事は、生活を犠牲にしない限り、一生無理でしょう。私も御多分にもれず、その1人ですが、この国産ピアノを改造する事なら、資金的に可能です!

もちろん、改造費は150万円ほどですが、それでもスタインウェイを買うよりかは安い。

ヤマハピアノはもともとの限界は低いと思いきや、パーツを変えて、あちこち改造すると、ここまで良いピアノに仕上がるとは驚きでした。

ピアノは、ハンマーや弦は使用量によっては、いつか寿命が来ます。その時、また新しいピアノを買うより、こうして改造することをお勧めします。
http://www.muratapiano.com/message/piano/back-p16.html


30. 中川隆 2013年7月12日 13:38:35 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

ベーゼンドルファーすばらしい!!

ついにベーゼンドルファーを弾いてきました!

お盆休みが取れたので実家に帰り、そこから青春18切符で片道5時間かけて、静岡県磐田市にある日本ベーゼンドルファーまで行ってきました。ベーゼンドルファーでは夏休みに試弾会をやっていて、時間予約すれば好きに弾かせてもらえます。僕も2時間半もショールームにいました。

「ピアノ全体を鳴らす」、「比類なきピアニッシモ」、「ウィンナートーン」、「インペリアル」などネットでベーゼンドルファーを探してみるとこんな売り言葉が出てきます。

それで実際弾いてみると、これがまさにその通り!!すばらしい!


「ピアノ全体を鳴らす」
ベーゼンドルファーを弾いているとスタインウェイとは違う向きから音が聞こえてくる。(少なくとも僕にはそんな風に聞こえた。)部屋の大きさやピアノの位置とは関係なく、なんというか正面からだけではない響きが感じられました。これがなんとも心地いい。

スタインウェイの高音域は、天に届くようなクリアな音ですが、ベーゼンドルファーはクリアさをやさしさで包み込んでいるような感じでした。僕はあんまり大きな音で弾くのは好きではない(し、できない)ので、自分と他の誰かひとりのために弾くにはベーゼンドルファーの方が合っている気がしました。


「比類なきピアニッシモ」
ピアニッシモを売りにしているベーゼンドルファー。そのピアニッシモはというと、これがまたほんとに出る!たとえていうなら、「エリーゼのために」の、初めのピアニッシモがきちんと出る。きれいに入る。もちろんうちのスタちゃんでも出るが、なにかが違う。(もちろん上手いひとが弾けばどちらでもきれいに入るのでしょうね。)


「インペリアル」
97鍵!のインペリアルも貸し出し用のものが置いてあり、弾かせていただきました。88鍵以外の低音域は白鍵も黒く塗ってあって、また鍵盤蓋内側のBosendorferの文字も88鍵ピアノを同じ位置に書いてありました。間違ってしまわないためにでしょう。

大きさもさることながら、その音色もすばらしかったです。ゾウとマンモスの違いといったらいいでしょうか、そんな表現じゃわかんねーよっていわれそうですが、大きさのなかに、やさしさ、あたたかさがあるように感じました。

ベーゼンドルファーをみると、まず気付くのがピアノケースの薄さです。ケースのつくりもスタインウェイその他とは違ったつくりで、一枚板の内側に切れ込みを入れ、曲げて、その切れ込みを再び埋めるというなんとも手間ひまかかりそうな作りかたをしています。こういったひとつひとつのこだわりが、ベーゼンドルファーをベーゼンドルファーたるものにしていくのだなと思います。

ただ広いコンサートホールやピアノ協奏曲などではスタインウェイの音量音色が必要なのかもしれません。

それともうひとつ。ソフトペダルを踏んでも音色があまり変わらない印象でした。スタインウェイはソフトペダルは音色を変えるペダルであって弱音ペダルではありません。(とfareast representativeに言われました。)
http://www.geocities.jp/playeraoinoue/piano1/bosendorfer.html

ベーゼンドルファー と タイムドメインスピーカー 2007年11月

今日はベーゼンドルファーへの調律に際して調律師さんとお話しする機会があり とても興味深い内容も含まれていたので以下に列記しますと
(私=わたくし、小提琴奏者の発言内容
 調=調律師さんのお話しになられた内容)


私「弦楽器奏者としては、やはりベーゼンドルファーで伴奏してもらえるととても楽なんです
弦楽器が“横糸”だとすると

スタインウェイは“縦糸”の様に絡んでくるのでそれはそれで混ざらなくていいのですけれども

ベーゼンドルファーは“横糸”を支える様に響いてきてくれる…
丁度、塩分が濃くて体が浮く「死海」の湖に入った様な感じでとても弾き易いんです」

調「ベーゼンドルファーはピアノの躯体が共鳴する様に考えて作っているので  倍音成分が沢山出て、その様に感じられるのでしょうね」


私「そうですね
  ですから躯体を締め付けてしっかりさせよう…などとしたりするヤマハのピアノは絶対に駄目ですよね(笑)
  ヤマハがベーゼンドルファーを買収したりしては絶対に困ります!」


調「ヤマハが買収しようとすることには、ウィーン市民も猛反対なのでヤマハではない企業に決まりそうだと聞いていますが…」


調「ところでベーゼンドルファーの(ピアノの内部の鋼鉄製の)フレームの色が  どうしてこの様な色なのかご存知ですか?
  実はこのフレームがフタの裏に映った状態が、客席からは見えるのでこのフレームの色は、そうしたフタの裏に映った状態で一緒にアンサンブルをする弦楽器の色と馴染む様に染められているんですよ」


私「その様なところまで音楽のことを考えて造ってあるのですか…
  もう絶対に、ヤマハなんかに買収されては困りますね(笑)」


調「それにスピーカーのタンノイも倍音成分が豊かということで、スピーカーの音の最終チェックにはベーゼンドルファーのピアノの音を使っているんですよ」


私「その話は私も聞いたことがあります
  私も昔、タンノイのスピーカーを使っていたんですが今は、違うスピーカーで聴いているんですよ
  楽器の側はベーゼンドルファーの躯体の共鳴みたいに可能な限り豊かな倍音成分が出たほうが良いですよね
  けれどもスピーカーの側は箱が一緒に鳴ったりして余計な共鳴音がすると音源のせっかくの倍音成分が濁ってしまいますよね」


調「そうですね
   音源に倍音成分が収録されているのにそれにスピーカーがさらに余計な響きを加えてどうするんだ? という感じですよね」


私「そうなんです
  ですからその点では楽器の側とは正反対にスピーカーの側は、躯体が可能な限り共鳴しないほうが音源に含まれている細かい倍音成分まで忠実に再生できるので
  そのためにスピーカーを箱に入れずに卵型の入れ物に入れたり筒の上にスピーカーを乗せて錘を吊るしたりしてそうした余計な付帯音が発生しない様にしているスピーカーがあるんですよ」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


結局ベーゼンドルファーの買収先は、ヤマハに決定してしまったそうです。

なお上記記事の丁度1年後、既述の日本ベーゼンドルファー直営の調律会社は解散してしまったもののその、日本ベーゼンドルファー直営の調律会社に勤務していた調律師さん方が興された会社の、別の調律師さんとお話しさせていただく機会がありその調律師さんのお話しでは

ひとつにはヤマハは

 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の管楽器でのつながりもあり
(ウィーン・フィル独特の音色を有する管楽器の老朽化に伴いウィーン・フィルのメンバーが、その楽器を提供し裁断して分析することをヤマハに対して許諾しヤマハは、その貴重な楽器を裁断してしまってまでも分析して老朽化したウィーン・フィルの管楽器の復元に努めたことがありました)

 オーストリア政府側からの働きかけもあってベーゼンドルファーを買収したものであり、そしてヤマハにとってベーゼンドルファーは、決して利潤を生む会社として買収したものではなく、ヤマハとしてはベーゼンドルファーを、その様な働きかけによって買収することによって得られる人脈やつながりのほうを重視しているとのご見解でした。

posted by Yoshii9 ユーザー 小提琴奏者 at 2007年11月
http://shyouteikin.seesaa.net/article/68958313.html


スタンウェイとベーゼンドルファーはどっちが弾きやすいですか?


1)音の立ち上がりの鋭さ
ベヒシュタイン>スタインウェイ>ベーゼン

2)音の広がり
ベーゼン>スタインウェイ≒ベヒシュタイン

3)残響の多さ
ベーゼン>スタインウェイ>ベヒシュタイン

4)音の分解能
ベヒシュタイン>スタインウェイ>≒ベーゼン

5)鍵盤のタッチ(強弱)と音の相関性
ベヒシュタイン≒スタインウェイ>ベーゼン

6)音色の意味合い(暗いとか深みのある音とか)
ベーゼン>スタインウェイ≒ベヒシュタイン

7)音色の美しさ
ベーゼン>スタインウェイ≒ベヒシュタイン

スタインウェイもベーゼンも全機種弾かせてもらったことがありますが、ベヒシュタインは下位機種だけです。

意味ありげな音であったり、美しい音なら良いという、 単純なものではなく、あまり音に意味があると、弾ける曲が限られてしまいオールマイティーなピアノでは なくなってしまいます。

フルコンでスタインウェイとベーゼンのインペリアルでは明らかに違うことが分かりますが、両者とも下位機種になればなるほど、たいした違いではなくなってゆきます。たとえベーゼンでも、これなら日本製とどこが違うの?という感じ。

まあ、ショールームでは販売上の都合があって本当のことは分からなくて、所有して初めてそのピアノの特質が分かるものですが・・・

もう一つ、フルコンを個人宅に所有する方は例外的で普通は190センチから210cmが多いのではないかと思います。

ヤマハのCFVSもスタインウェイのD型も広告塔的な製品で、渾身の力を込めて生産していますが、それ以外はそうでもないので、フルコンを基準に比較をしても一般ピアノの比較にはなりません。

ピアノブックでは何を比較したのか分かりませんが


ハンブルグスタインウェイ(1A),ベーゼン(1A)
ベヒシュタイン(1B)
シゲルカワイ(1C)
ヤマハS(2B)


にランク分けされています。

もっと大きな問題は、地方公共団体が持つホールのスタインウェイは、経費節減で、保管環境がよくなく、しかも、調律代を節約しているので、ヤマハとどこが違うの?というぐらいにしか調整していないピアノの方が多いことです。

自分の思い通りに弾けて、思う音が出せれば、弾き易いといえますが、最大の問題は、だれでもスタインウェイを弾けば、スタインウェイの音が出るわけではなく、やはり弾くピアニストによると思います。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1422700639


aslan026さん
サイズにもよりますね。
スタインウェイ、ベーゼンどちらも調律した事ありますが、アップライトなら両方欲しいです。
予算的な意味で(笑)

ただ、グランドであればベーゼンですね。ベーゼンのグランドの音色がとても好きです。
スタインウェイも好きなんですが、音色で選ぶなら…かな。

サイズも室内用(サロン利用迄)ならベーゼンの方がいいと思いますし、それ以上のサイズなら、ベーゼンのインペリアル以外だとスタインウェイを選ぶかな。そう思うと、ベーゼンの方が買いやすい(笑)
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1061290730?fr=rcmd_chie_detail

スタインウェイとベーゼンドルファーどっちが好き?

スタインウェイは、上手いやつはもちろんのこと、誰が弾いても、へぼい奴が弾いてもゴージャスな音がする。

一方、ベーゼンは、下手なりに「こう弾きたい」っていう志があると、「こうしてみるといいよ」と、まるで楽器に心があるかのように、教えてくれたりします。しかし、何も考えないで弾くと、とても酷い音がします。

スタインウェイは、下手なやつでも、音におぼれることができるので、便利だけど、妥協に誘う楽器と言えるかもしれません。

一方、ベーゼンは、奏者を成長させてくれる楽器のような気がします。

また、自分のアイディアを試すならスタインウェイ、楽器からアイディアをもらうにはベーゼン、ということもできるかもしれません。


ヤマハなどは、バカ正直とでも言えるような楽器で、下手は下手なりに、上手いやつはすばらしく、聴こえます。

ただし、スタインウェイやベーゼンのような、奏者を越えたところにあるような、オーラみたいなものはありませんね。

ただしそれは、状態の良い楽器の場合のみ。
ヤマハでも、状態の悪い楽器は、誰が弾いても酷い音がします。


女にたとえれば、
彼女にするならベーゼン
ヤり友達ならスタインウェイ
レイプするならヤマハ
ですかねえ。


カワイは、気まぐれすぎて手に負えません。
機嫌が良いときと悪いときの差が激しい。


他は・・・ディアパゾンくらいしか弾いたことないけど、良い楽器だと思います。
なぜか重いのが多いけど、思ったことを表現してくれると言う意味では、ヤマハより優れています。


他は弾いたことない。

プレイエルをちょろっと弾いたことがあるくらいで、これはまた特殊で、ロマン派を弾くと良い音がするけど、近代以降は弾けない。
不思議な感じがします。

みなさんの好きな楽器は何ですか?


dschkinderさん
練習において、スタインウェイを使うと、耳があのゴージャスな響きに慣れてしまい、自分の実力が分らなくなる。

また、スタインウェイは音響も少々きつい為、長時間の練習は疲労感が大きい。
しかし、ベーゼンは練習用にしては、少々これも倍音の豊かさが大きすぎ、実力判断が困難となる。

したがって、練習用として使うなら、ヤマハが最高である。
サロンコンサートや割合狭いホールの場合、スタインウェイは音が割れる可能性がある。

しかし、ヤマハでは少々響きが薄い。
したがって、サロン用ではベーゼン。
そして、大ホールではスタインウェイが最高。

しかし、曲への適応度から行くと、ヤマハが最高だと思われる。
スタインウェイとベーゼンの中間点にある、響きがやはり日本人の私としては、好きなのかもしれない。

カワイはもっての他です。

eight8thmanさん
>スタインウェイは、…誰が弾いても、…弾いてもゴージャスな音がする。
>ベーゼンは、…何も考えないで弾くと、とても酷い音がします。


私も、同感です。

スタインウェイの、あのキラキラした響きは、誰が弾いても、何を弾いても美しいですよね!

一方、ベーゼンドルファーの、あの「音の塊」は、弾き手も、作品も限られてくるように思えます。

何も考えないで、ベーゼンを置いているホールや家庭が結構有りますが…、確かに酷い音がします。

したがって、普及率が示すとおり、楽器の性能としてはスタインウェイの上が上なのでしょうが、私は「ベーゼンを弾くピアニスト」が好きです!

ちなみに、ベーゼンドルファーは高級スピーカーシステムを作っているのをご存知ですか?

ベーゼンのスピーカーで聴くベーゼンのピアノソフトは、本当に、実音と聞き分けられない位、よく鳴ります。ではベーゼンのスピーカーでスタインウェイのソフトを鳴らしますと…、やはりスタインウェイの音でしたね!


r_baggio_italia_no10さん
断然ベーゼン。妻の愛器でもあります。
ベーゼンについては語り尽くせないので割愛。

次がベヒ。こいつは多重人格のようなところがあって、手に馴染むまでに時間がかかる。…が、それが面白い。

個人的にはカワイも好きです。ただし物による。個体差にバラつきがあるのも、楽器1つ1つに個性があるからでしょう。良品に良いコンディションで出会うと気持ち良くプレイさせてもらえるんですよね。

女性にたとえるなら、ベヒは可愛い妹、カワイでいくつか恋をし、生涯の伴侶にはベーゼンドルファー。そんな感じでしょうか。

8マンさんのおっしゃる通りベーゼンはメンテナンスも結構大変です。
万能にどの機種も調律しますという調律師さんに頼んでもダメです。

ベーゼン専門の技術者との関わりが絶対に欠かせません。
彼らはベーゼンドルファーという楽器の個性をよく理解し心からその音色を愛する人達です。技術も高く的確です。

きちんとした技術担当者とともにユーザーが音を「育てる」というつもりでメンテナンスを欠かさなければ、一般住宅でも充分に真価を発揮し年々成長します。酷い音を鳴らしているのは、メンテナンスがおろそかになっているのでしょう、かわいそうに。

音楽との適性は狭く、ハイドン後期、ベートーヴェン、シューベルト、シューマン、ブラームスこのあたりまでが合うとされていますが、シューベルトなどは一度ベーゼンで聴いたら他のものはシューベルトには聴こえなくなるぐらいです。グリーグの小曲などとも意外にいいマッチングですよ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1423137149


まあ、コンサート・ホールならともかく、家庭で毎日練習用に小さな音で弾くならハイドシェックみたいにリストアしたエラールやプレイエルを使うのが一番いいみたいですね。

馬鹿でかい音のヤマハやカワイを練習でずっと使っていると微妙な音色の変化がわからなくなってしまうそうです。

ヤマハ・カワイの音はラジカセの音

エラールやプレイエルの音は高級オーディオの音


という事ですね。


31. 中川隆 2013年7月12日 14:03:03 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

ハイドシェックの音色の秘密はここにあり。。。
エラール製のピアノと共に。
http://monchemin.exblog.jp/i3/

ハイドシェックのリサイタルを聴いて 2008年06月09日

以前から一度聴いてみたいと思っていた、エリック・ハイドシェックのリサイタルに行ってきました。ハイドシェックは、今年72歳を迎えるフランスの名ピアニスト。噂には素晴らしいと聞いていましたが、全てのプログラムを聴き終えて、心から充実感と幸せを感じられるリサイタルでした。

長い年月をかけて活躍してきた熟練のピアニストに共通するものは、音楽の自然な流れの中での雄弁さだと思っていましたが、ハイドシェックも、まさにそうでした。テンポは、どちらかといえば速めなのですが、一音や一小節の中で語るものの多いこと!

音色が美しく、多彩なのにも感心しましたが、1882年製造のエラールのピアノを愛用しているということで、そのようなこだわりも音作りに大きく影響しているのだろうと思いました。
http://miho-osawa.sblo.jp/article/15829906.html


ハイドシェックは、素晴しいピアニストだと思つてゐる。コルトオとケンプに師事して、彼らの“音”のマジックを、獨自のブレンドで繼承した人だ。

テンペラメントの豐かな、人生への愛を感じさせる自由と、音色の豐かなパレットが、彼らに共通する。ハイドシェックはさうした要素を繼承する、今日では極めて稀なピアニストと云へるだらう。


ハイドシェックといふと、宇野功芳氏が援軍喇叭を吹き續けた演奏家の1人で、宇野氏流には「超個性的」であるがゆゑに尊いといふ話になりがちだが、私は、彼の「超個性的な」解釋は、率直に云つて、居心地が惡い。

私がこのピアニストを愛するのは、何よりも、その音である。

最初の《悲愴》の出だしから、明るくやはらかい伸びは、今日の金屬的で闊達さのないピアノの音と、同じ樂器とは思へない。その後の一音毎に噛んで含めるやうな左手の和音に乘つて右手の歌ふカンタービレは、それだけで、充分表現になつてゐる。

まして、アンコールのドビュッシーに至つては、それこそ音だけで出來てゐるやうな音樂である。


ハイドシェックの音色は、千變萬化するが、表面が亂反射するやうな質の輝きとは違ふ。水面が千變萬化しながら、光を食つて、底深い湖底を想像させる、垂直方向のスペクタクルを帶びてゐる。たつた一音の佇ひの中に、想像の翼を廣げたくなるやうな音なのである。

それに較べると、彼の解釋を獨特のものにしてゐるテンポの搖れには疑問が多い。伸縮自在なのはいゝが、軟體動物のやうに、テンポの捕へ所がない。彈けてゐるのか、彈けてゐないから、奇妙なテンポやアーティキュレイションにならざるを得ないのかが分らない。

とにかく、良かつたのは、アンコール。
あのドビュッシー、あれだけは生涯もう聽けない音かもしれない。
http://blog.livedoor.jp/theclassic/archives/813995.html


32. 中川隆 2013年7月12日 14:12:41 : 3bF/xW6Ehzs4I : W18zBTaIM6

森田ピアノ工房
http://www.morita-piano.com/jp/index-j.html


森田ピアノ工房在庫一覧
修復の完了したピアノのみ掲載しております。
その他在庫のピアノは直接お問い合わせください。
http://www.morita-piano.com/jp/item/item.html


「森田ピアノ工房」は、ピアノ修理を始めて50余年。清水焼や、大石蔵之助ゆかりの地、 京都は山科の町工場を拠点に、ひたむきに技術を磨き、本物志向を追及しています。

中でも1900年前後に創られたピアノはヴァイオリンのストラディヴァリウスに 匹敵する物として永久にその価値を損なわないよう、心して修復することを志して来ました。

工房は、1階が修理工房、2階が展示場(ショールーム)。 あらゆる修理が可能な設備を備え、業務は、アクション(音を鳴らすための装置)の修理、 再設計から木工、鉄工、塗装、さまざまなトラブルへの対応など、多岐に渡ります。

また、舶来製の部品から捻子、木材、鉄工材、塗装、皮革、ピアノ椅子,ミュージックロールなど、 幅広い在庫をとり揃え、注文に対する対応を心がけています。 ピアノに関するあらゆる修理のご相談、ご注文等はお気軽にご連絡ください。
  

森田ピアノ工房 代表/森田 裕之
〒607-8307 京都府京都市山科区西野山射庭ノ上町216 

Tel.075-594-2401 Fax.075-594-2755
E-mail::info@morita-piano.com

事業内容

舶来ピアノ及び国産ピアノの復元、改良、再生・復元修理、販売全般
調律・出張修理
新品ピアノの販売(舶来及び国産ピアノ全般、他)
http://www.morita-piano.com/jp/info/info.html

ERARD
France/Paris

びわ湖ホール
http://www.biwako-hall.or.jp/

に当方が修復したエラールのフルコンサートグランドエクストラベースモデルを常設させて頂いております。


33. 2013年9月08日 20:11:29 : W18zBTaIM6

_EMIクロニクル 【嗚呼、霧の倫敦(ロンドン)】


_恥ずかしながら、モノラル時代の英EMIといえば霧に包まれたような音、そういう印象があった。

_よく言えば上品なのだが、何か奥歯に物が挟まったような、スノッブな物の言い方が鼻につく、ともかく最後まではっきり言わないのである。

_同じイギリスでもDeccaは全く逆で、社交的でペチャクチャしゃべる化粧美人。

_この両者の極端なサウンドの違いゆえに、ブリティッシュ・サウンドは誤解に誤解を重ねているように思う。

_もうひとつの誤解は、イギリスの音楽界そのものに対するもので、他国に比べ自国の音楽文化が弱体化しているようにみえる点である。しかしロンドンといえば、モーツァルトの時代からの一大商業都市で、世界中の音楽家が集まってきた音楽の都である。晩年のハイドンは自分の略歴で最も栄誉あるものとして、オックスフォード大学からの音楽博士を第一に挙げるくらいであった。そもそもクラシック音楽という概念自体も18世紀の英国貴族が考え出した(Ancient Musiks)もので、当時でいえばコレッリやヴィヴァルディ、ヘンデルがそれに相当し、時代が下るに従って古典派、ロマン派とレパートリーを増やしていった。この文化遺産を記録に残そうとしたのが、英HMV〜EMIの本来の強みである。

_このため、英HMVと言えばレコード業界では老舗中の老舗で、失礼な言い方をすれば、アメリカの本家Victorが金に物を言わせて大物アーチストを収録したのに比べ、英HMVはどちらかというと音楽家が自ら評価を得るために録音する、そういう趣のあるレーベルである。ともかくアメリカで赤色と黒でアーチストを区別していたが、英HMVにはそうしたものが無い。あえていえば全てが錦の帯を締めた一級品である。


実はEMIグループの強さは、米国流儀の利益誘導型とは異なるローカルルールを尊重したところだろう。独エレクトローラ、仏パテ、西イスパヴォックスなど、独自企画で優秀な録音が多く存在する。

 モノラル期の録音を挙げると、ウィーンを中心としてフルトヴェングラーを収録したクルーは、明らかに戦前からのマグネトフォンを使っており、それをわざわざ78rpmのラッカー盤にダビングしたというもの。やや高域の堅い音質は、Decca録音にも負けない艶を持っている。

仏パテは名録音技師であるアンドレ・シャルランも加わり、フランス物を中心に洒脱な音を残している。

スペインのイスパヴォックスは、技術提供をロンドンから受けていたらしく、ややくすんだ音色ながら静謐な音楽を奏でる。

逆に米Voxなどには、明らかにEMI系のクルーを使って録音したものが存在する。各地の録音クルーは新聞でいえば特派員のようなもので、録音の企画さえあれば機材、人材に融通を利かしていた可能性もある。

ステレオ時代のHMVショップ(1960年代)

 はたしてモノラル期のEMIのビロードのような肌触りは、どこから来るのであろうか。特に木管の中域の艶やかさは、他のレーベルでは得難く、オーケストラでの対話を豊かにしている。声楽での柔らかく自然なイントネーション、ピアノの凹凸のない均質な響き、飴色のバイオリンの音色など、美点を挙げると色々ある。

だからこそ、このどんよりした「霧の倫敦の響き」には違和感を覚えるのである。

とある英国の老エンジニアは、LPの音を料理に例えて

「EMIは燻製で、Deccaは直火焼き」

と言ったとか。今となっては煙にまかれて一緒に燻製にならないように用心しなければなるまい。


ここでブリティッシュ・サウンドにみる2つの潮流が見えてくる。

つまり1900年から続く高域の強い音調を好むグループと、1925年以降の恰幅の良い音調を好むグループである。

戦後のスピーカー・メーカーで言えば、

カン高い音の代表はLowtherであり、柔らかい音の代表はGoodmannである。

TANNOYや QUADはこのふたつの中間といったところだろう。

よくイギリスのオーディオは典雅なヨーロピアン・サウンドと評されることが多いのだが、実はとてもバラエティーに富んでいるのである。

そしてTANNOYを民生用のエンクロージャーそのままで使用していたのはDeccaのほうで、EMIは響きがタイトなLockwwod社のバスレフ箱を使っていた。

イギリスは、戦後の復興が遅れて「英国病」ともいわれる慢性的な経済悪化を辿っており、英国民の78rpm盤への執着もそうした経済力の低迷が産み出したともいえる。

 こうした問題から何が生まれるかというと、EMI は世界一のレコード会社として多彩なアーチストを擁しているにも関わらず、演奏のもつ本来のサウンドが、何か太いクレヨンで塗り潰されているような印象が拭えないのである。ヴィクトリア朝の画家ターナーのような画風といえばいいのだろうか。

もちろんこれはDeccaにもあって、本物より美しく響くウィーンフィルなどはその代表例であるし、どの録音もスタインウェイみたいに聞こえるというのは暗黙の了解であろう。こちらはフランスの新古典派画家ダビッドのような感じ。

逆にコルトーが録音で使ったピアノのほとんどがスタインウェイであるにも関わらず、プレイエルのように聞こえるというのがEMI。

_やはりこの課題を乗り越えるサムシングエルスが必要なのだ。

_しかし両社の高級電蓄は、スピーカーユニットさえ共通していることもしばしばあり、ここからサウンドの違いを説明することは難しい__http://quwa.fc2web.com/Audio-107.html


34. 2013年9月08日 20:28:42 : W18zBTaIM6

 名匠イーヴ・ナットはエラールとスタインウェイを引き分けていたようであるし、コルトーは大半をプレイエル、晩年にスタインウェイ、フランソワは多くをスタインウェイで弾いていたように思う。

 これほどフランス人ピアニストがスタインウェイを使いつつもそこに安住せず、さまざまなピアノの音色に試行錯誤してきたのは、自国のピアノが大戦を境に弱体化してしまい、同じDNAを持つピアノを失ってしまったためかもしれない。
http://music.geocities.jp/petroler/mrn70.html

シュナーベルといえばベヒシュタイン、ラザール・レヴィはエラール、ギーゼキングはグロトリアン、ボレットはボールドウィン……といった具合にピアニストの名がその愛器と強く結びついた例はあげるに事欠きませんが、わがコルトーの場合、それは云うまでもなくプレイエルです。

コルトーは専らプレイエルを愛奏し、遺された録音もプレイエルを弾いているものとわたしは思っていました――

しかし、恐らくこれはわたしひとりに限ったハナシではなく、それこそ「コルトー=プレイエル神話」と仮に呼んでもおかしくないような厳然たる共通認識として世に広くおこなわれているような気がします。

その一例として鈴木智博氏の『コルトーのレコード録音(IV)』中の一文を以下に掲げましょうか。


「コルトーは占領下のパリで、アルベール・スタジオに於いてショパンの4作品の全曲録音を行っている。いずれの録音も、コルトーには珍しく、スタインウェイのピアノが使用されている。……」


これを要するに、コルトーがスタインウェイのピアノを弾いているのは戦時下という特別な状況のしからしむるところであり、いつもはプレイエルを愛用していたものと氏は信じておられたように思われます(少なくともわたしはかく理解しました)。日本における斯道の権威たる鈴木氏の竜言ではありますし、実際あれらの戦中録音、コルトーにしては少しく枯れた感じのあるショパンは、弾いているピアノからして三十年代の艶麗きわまる名レコードと違うのではと思わせる体のものでした――

しかるに、近年ナクソスから復刻された一連のCDに附された Jonathan Summers の解説によると、少なくとも三十年代に集中的に録音されたショパンの多くはスタインウェイによる演奏で、プレイエルで弾かれた曲はごく一部(いま手許に資料がないのですが、確か前奏曲集がそうだとか……)に限られているのだそうです。

一九三二年に録音されたフランクの『前奏曲、アリアと終曲』に至ってはブリュトナーで弾かれていたとのこと(これはAPR盤の解説による)。何とまあ、HMV盤と仏グラモフォン盤と、それぞれのエチュードやワルツは実のところ同じスタインウェイで演奏されていたというのです。

そう云われてみると、件のフランクは少し落ち着いた響きでいつものコルトーとは何となく違うような気がしないでもありません――が、ブリュトナーならではの特色、と云われてもわたしのポンコツな耳にはチンプンカンプンですし、もっと問題なことには、プレイエルとスタインウェイの場合これがプレイエル、あれはスタインウェイと云われても違いがまるで分からなかったりします(笑)。


ネットの音盤批評サイトにも使用楽器にこだわってこの演奏は何を弾いているだの何だのと大いに拘っておられる向きがありますが、そのような方々にお聞きしてみたいものです、

コルトーの録音で使用されているピアノを正確に聴き分けておられたのか、否か。
http://d.hatena.ne.jp/mischa/20090814/1250258135

コルトー 戦後録音集
1947−54,ロンドン(EMI 0946 351857 2 0)

ショパン、シューマン、ドビュッシーなど昔から得意にしていた作品を録音したもの。
ほとんどはLP以前の1940年代末の録音だが、奇跡に近い復刻状態で、19世紀のサロンに迷い込んだかのような堂々とした弾きっぷりに脱帽。

この当時、ロシア系やリスト系の技巧的なピアニストがほとんどを占めるなかで、コルトーの演奏は弱めの打鍵でサラッと弾く奏法であり、この状態で録音として残っていたのが不思議な感じである。

ちょうどコルトーは戦時中のナチスとの関係で演奏活動が途絶えていた時期で、世評でいう技巧の衰えがどうのという以上に、ピアノを弾く喜びに満ちた表情が印象的である。
http://quwa.fc2web.com/Audio-107.html


35. 2013年9月08日 20:46:34 : W18zBTaIM6

コルトー 初期録音集(1919−1935 Victor音源)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18395517

ショパン 幻想即興曲 アルフレッド・コルトー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18856863

コルトーが弾く『英雄ポロネーズ』
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10443159

ショパン:バラード第1番
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3819685

ショパン バラード第2番 アルフレッド・コルトー(1929年)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21783539

SP盤で聴くショパン『舟唄』(ピアノ:アルフレッド・コルトー)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14452258

コルトー - ショパン『ワルツOp.34-2』
http://www.nicovideo.jp/watch/nm16605860

ショパン:ワルツ第9番 変イ長調 作品69-1「告別」
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6886656

ショパン:24の前奏曲集 Op.28(1955ライヴ)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18395558

ショパン:ピアノソナタ第3番
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3705925

コルトー シューマン演奏集1
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18935755

コルトー シューマン演奏集2
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18935791

シューマン ”子供の情景”より終曲”詩人のお話”
http://www.nicovideo.jp/watch/sm423828

シューマン:ピアノ協奏曲 Op.54
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10923212

コルトー フランク演奏集
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18362154

フランク:前奏曲、コラールとフーガ大百科
http://www.nicovideo.jp/watch/sm17469068

フランク:交響的変奏曲大百科
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18362072

ドビュッシー:《子供の領分》より
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20869024

ラヴェル:水の戯れ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3804157

スクリャービン:練習曲 Op.8 第12番 嬰ニ短調 『悲愴』
http://www.nicovideo.jp/watch/sm13683833

フランク:ヴァイオリンソナタ
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3731521

ティボー&コルトーのフランク・ヴァイオリンソナタ オーパス蔵復刻盤
http://www.nicovideo.jp/watch/sm14423293

ドビュッシー ヴァイオリンソナタ 第1楽章 Pアルフレッド・コルトー Vnジャック・ティボー 1929年録音
http://www.nicovideo.jp/watch/nm6534066

ベートーヴェン 「大公」 カザルス・トリオ 
http://www.nicovideo.jp/watch/sm2814761

【試し撮り】ピアノ3重奏「大公」(カザルス・トリオ)大百科
http://www.nicovideo.jp/watch/sm20921527

サン・サーンス:ピアノ協奏曲第4番 Op.44
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18362225

晩年のコルトー(字幕あり版)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10341608


36. 2013年9月08日 21:30:50 : W18zBTaIM6

Beethoven Piano Concerto One Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=j9WeQJ_VNNc&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=BLwxLozEmdU

Cortot/Beethoven sonata op.101
http://www.youtube.com/watch?v=FuTRYrCaxBI&feature=related

Beethoven Scherzo from Sonata op.106 - A.Cortot (piano roll 1927)
http://www.youtube.com/watch?v=Stwy9mHgjOU&feature=related

Alfred Cortot - Beethoven sonate en mi majeur op.109 - rolls 1920
http://www.youtube.com/watch?v=AxZN1_E2Q-c
http://www.youtube.com/watch?v=YY1rIZ5D4tA

Cortot rare Beethoven Sonata excerpts
http://www.youtube.com/watch?v=lhfautOThho

Alfred Cortot plays Weber Grand Sonata No. 2 in Ab, op. 39
http://www.youtube.com/watch?v=pfFx5OdsOMM&playnext=1&list=PL538E4B53ABF71B33
http://www.youtube.com/watch?v=3MsAy9hbHuE&playnext=1&list=PL538E4B53ABF71B33
http://www.youtube.com/watch?v=EFMGLQCq9Ws&playnext=1&list=PL538E4B53ABF71B33
http://www.youtube.com/watch?v=JzhgV_NND8Q

Alfred cortot Schubert Litanei
http://www.youtube.com/watch?v=Du07TuqTL-8

Cortot plays Mendelssohn "Variations Sérieuses"
http://www.youtube.com/watch?v=Mrk1lYNPwHw&playnext=1&list=PL26F1BD8B8DEAAEA2
http://www.youtube.com/watch?v=oSvNioPOH_w&playnext=1&list=PL26F1BD8B8DEAAEA2

Alfred Cortot plays Schumann Concerto
http://www.youtube.com/watch?v=Fozmyk8odhw
http://www.youtube.com/watch?v=tMtGfe9nGLg
http://www.youtube.com/watch?v=T6mna_7zZ-w
http://www.youtube.com/watch?v=k7jrQVK-NLI

Alfred Cortot plays Schumann op.15
http://www.youtube.com/watch?v=pKtqKtoqzZM

Cortot plays Schumann "Vogel als Prophet"
http://www.youtube.com/watch?v=3HQ9yxiDLSM

Schumann - Alfred Cortot (1929) - Etudes symphoniques op.13
http://www.youtube.com/watch?v=tLwU26R9fDI&playnext=1&list=PL5754D5B7EA6E1794
http://www.youtube.com/watch?v=xLp35Gwpfv0&playnext=1&list=PL5754D5B7EA6E1794

Souzay & Cortot: Schumann Dichterliebe, Op.48
http://www.youtube.com/watch?v=qH8JiaN9w6g
http://www.youtube.com/watch?v=V5QD3NoQwro
http://www.youtube.com/watch?v=y0WSemLdX7o

Alfred Cortot plays Liszt's Piano Sonata, S. 178
http://www.youtube.com/watch?v=wEKYRA55blo
http://www.youtube.com/watch?v=8aH0WsEUmcg
http://www.youtube.com/watch?v=I658fqmmL0g&feature=fvsr

Alfred Cortot plays Liszt: Hungarian Rhapsody No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=qBsoCD94lPk

Alfred Cortot plays Liszt Etude "La leggierezza"
http://www.youtube.com/watch?v=MtS-1gCwTKg

Liszt St Francis Legend Cortot Rec 1935
http://www.youtube.com/watch?v=kJinrJPX_K4

Chopin Concerto 2 Larghetto Cortot Rec 1935
http://www.youtube.com/watch?v=vr0YufxTaQc

Alfred Cortot plays Chopin Sonata No. 2, Op. 35
http://www.youtube.com/watch?v=ldFzmdibjfQ&playnext=1&list=PLA862A142EADFA833
http://www.youtube.com/watch?v=vWa1bEobmxM&playnext=1&list=PLA862A142EADFA833

ショパン 夜想曲第2番変ホ長調作品9-2 A Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=Ot46i1Jhpt8

CHOPIN '' FANTASIE IMPROMPTU'' ALFRED CORTOT ON PIANO
http://www.youtube.com/watch?v=XpAVBHMAK8U

Alfred Cortot plays Chopin "Barcarolle" Op.60
http://www.youtube.com/watch?v=KZNSiYX3dRo

Alfred Cortot: Chopin Waltzes Op.69, Nr.1 ("Farewell Waltz"), Nr.2 (1943)
http://www.youtube.com/watch?v=e3ja7b-d6LQ

Chopin Etude and Prélude by Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=Iaz93R9XMn4

Chopin's Preludes & Nocturne by Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=W7cBWNkOReg&feature=related

Alfred Cortot - Chopin Préludes 1955
http://www.youtube.com/watch?v=vXYw6EkDuTg
http://www.youtube.com/watch?v=FesIlDIu3j8
http://www.youtube.com/watch?v=ronUfqgIIYA
http://www.youtube.com/watch?v=SaceukRHdVg&feature=channel_video_title

Chopin étude and 5 preludes op 28 Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=gNDXIFJTrxo

Chopin préludes op 28 by Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=pZp39DQKRD8&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=LvQu9H5KSmY

蓄音機でコルトー Cortot Chopin - Prélude - 7.8.9.10
http://www.youtube.com/watch?v=gA3S9_oFhmI

Alfred Cortot performs Frédéric François Chopin : Étude in E major, Opus 10-3
http://www.youtube.com/watch?v=MIVjN4VIWLE

Alfred Cortot – IMPROMPTU
http://www.youtube.com/watch?v=yMM3xbjM5kk&playnext=1&list=PLE454CFEDA66449D9
http://www.youtube.com/watch?v=wjytajfXyJo

ALFRED CORTOT - Chopin Ballade
http://www.youtube.com/watch?v=tdmq2objNGE&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=e778c8Aoq8s&playnext=1&list=PL90DB01A73E18E829
http://www.youtube.com/watch?v=55VfHw9bpkI&playnext=1&list=PL90DB01A73E18E829
http://www.youtube.com/watch?v=IJnZ2BI-WWk

Chopin: Ballade no. 2 F major, Op 38 (Cortot 1929 version)
http://www.youtube.com/watch?v=mX3EbkjRA_Q

Alfred Cortot plays Chopin Fantasy in F minor, Op. 49
http://www.youtube.com/watch?v=hEoM3Lby8FQ

Frédéric Chopin - Wiosna - Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=t778ejt1oMI

Alfred Cortot: Chopin Scherzo No.2 in B-flat minor, Op.31
http://www.youtube.com/watch?v=0RCfNiP0-GM

Alfred Cortot: Chopin Scherzo No.3 in C-sharp minor, Op.39
http://www.youtube.com/watch?v=lJs_pEpXkBk&playnext=1&list=PL6ECA9ADF880DD8C7

Alfred Cortot - Chopin Nocturne。op.15
http://www.youtube.com/watch?v=8Cgy_uUnA4U
http://www.youtube.com/watch?v=q6JmQwe6Cjs

Alfred Cortot: Chopin Nocturne Nr.7, Op.27, Nr.1 (1951)
http://www.youtube.com/watch?v=XW7LTvH6POE

Cortot plays Chopin Nocturne No.15, op.55 no.1
http://www.youtube.com/watch?v=JrIgCFsr1Xs

Cortot: Grande Polonaise Chopin
http://www.youtube.com/watch?v=ED9H8RHDX1o
http://www.youtube.com/watch?v=Gn0zXQyyLq0

Saint Saens Concerto 4 C minor Andante,Allegro Cortot Rec 1935
http://www.youtube.com/watch?v=RjP52u4Y218&playnext=1&list=PL2D4E88A2DCAD7128
http://www.youtube.com/watch?v=ws5NKrvPtFY&playnext=1&list=PL2D4E88A2DCAD7128

Cortot: Saint-Saens étude and Chopin Andante
http://www.youtube.com/watch?v=sy9-sPDRA_0

Saint-Saens Etude en Forme d'une Valse Cortot Rec.1919
http://www.youtube.com/watch?v=QJot3tfsUBM

Saint-Saëns, Etude en forme de Valse (Cortot) rec. 1931
http://www.youtube.com/watch?v=yrcYcanf2tU

Alfred Cortot plays Prelude, Chorale and Fugue by César Franck
http://www.youtube.com/watch?v=iPRRZwnq-6E
http://www.youtube.com/watch?v=PshMjygz_p8
http://www.youtube.com/watch?v=gmNixJp7_Eo

Alfred Cortot plays Franck Prélude, Aria et Finale
http://www.youtube.com/watch?v=ThSwy7Mald4
http://www.youtube.com/watch?v=AQOflVcVogI
http://www.youtube.com/watch?v=dt_jV8tUsug

Alfred Cortot - Cesar Franck: Quintette pour piano et cordes en fa mineur
http://www.youtube.com/watch?v=Oh1cqi_Od88&feature=fvst
http://www.youtube.com/watch?v=JNB4I6OR1w4&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=pjbf2lW5Obo
http://www.youtube.com/watch?v=EjpSE-2vCJ0&feature=channel_video_title

Claude Debussy's preludes livre 1 " La fille aux cheveux de lin."
http://www.youtube.com/watch?v=nZDPyMvuOJs

Debussy Preludes No's 6 and 7 Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=bB9XxGS0BGo
http://www.youtube.com/watch?v=bB9XxGS0BGo&feature=related

Debussy Preludes No's 8 and 11 Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=_UWX0e_LQe8

Debussy Les sons et les parfums tournent dans l'air du soir
http://www.youtube.com/watch?v=llol6KujYnA

Debussy Ce qu'a vu le vent d'Ouest - Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=Oigf0iD012I

Alfred Cortot plays Debussy La sérénade interrompue
http://www.youtube.com/watch?v=ka-jAvkSfnA

Debussy Children´s Corner ALFRED CORTOT pt
http://www.youtube.com/watch?v=TwFJEYEOlOc
http://www.youtube.com/watch?v=5a3DU4afU8A

Alfred Cortot plays Debussy Children's Corner (rec. 1928)
http://www.youtube.com/watch?v=xin4P5UQgdQ

Alfred Cortot Plays Debussy "The Snow is Dancing" (1923 & 1953)
http://www.youtube.com/watch?v=TxKHFlavYoU

Cortot plays DEBUSSY
http://www.youtube.com/watch?v=_Z0trCq_yPc&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=Y3WOnhUb8Rk&feature=related

Debussy La Cathedrale engloutie Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=bnUfSy-AUqQ

Debussy Minstrels - Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=AYKi_fEKuxI

Debussy Des pas sur la neige - Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=WQlHhS8cEx8

Debussy Le vent dans la plaine - Alfred Cortot
http://www.youtube.com/watch?v=sT6GAnJe4DE

Alfred Cortot plays Debussy "De pas sur la neige" (1937 & 1949)
http://www.youtube.com/watch?v=tl7bSFeJ454

Alfred Cortot plays Debussy Voiles
http://www.youtube.com/watch?v=milPGd2zCF8

Debussy - Fêtes Galantes - (Maggie Teyte, Alfred Cortot 1936) - 03 Clair De Lune
http://www.youtube.com/watch?v=5BT_-tntio4

DEBUSSY - Sérénade de la poupée
http://www.youtube.com/watch?v=_Z0trCq_yPc

Alfred Cortot: Ravel, Concerto for the left hand
http://www.youtube.com/watch?v=dettFV4HDpk
http://www.youtube.com/watch?v=Xm_l5ai9siY
http://www.youtube.com/watch?v=a_3IhUYRwDk

CORTOT plays RAVEL SONATINE
http://www.youtube.com/watch?v=1PCaDpAcfeo&playnext=1&list=PL1C0D7FBC6D27E2B6
http://www.youtube.com/watch?v=YzjrpJzJfoQ&playnext=1&list=PL1C0D7FBC6D27E2B6
http://www.youtube.com/watch?v=cXRol4j-bKs&playnext=1&list=PL1C0D7FBC6D27E2B6

Ravel Sonatine Anime Cortot Rec 1931
http://www.youtube.com/watch?v=1j4Fg_t_fM8

Alfred Cortot plays Fauré's Berceuse from 'Dolly'
http://www.youtube.com/watch?v=4TgXWjzYA70

______


Alfred Cortot & Jacques Thibaud - Beethoven Violin Sonata No.9 in A Op. 47 "Kreutzer"
http://www.youtube.com/watch?v=dRn-6IisR38

http://www.youtube.com/watch?v=oOi0cU86H_s
http://www.youtube.com/watch?v=RzWkwRkPtxQ

Cortot, Casals, Thibaud Piano Trio - Beethoven: Kakadu Variations
http://www.youtube.com/watch?v=cdLEn789-g4

Jacques Thibaud- Franck Violin Sonata
http://www.youtube.com/watch?v=RI0N-3-cL0U
http://www.youtube.com/watch?v=V5uTJg--Ww0
http://www.youtube.com/watch?v=k0GbFN97Qwk
http://www.youtube.com/watch?v=fxegM220Y0o

Casals, Cortot, Thibaud Trio Mendelssohn
http://www.youtube.com/watch?v=Z8q_7QWqNT8
http://www.youtube.com/watch?v=-_7Qp6idFU4
http://www.youtube.com/watch?v=654RLmVxaws&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=y6_9AtgnanE


37. 2013年9月08日 22:17:26 : W18zBTaIM6


328 :JBL:2010/02/01(月) 13:33:57 HOST:p2038-

20畳の部屋で不満タラタラの人。
4〜5万円のラジカセで音楽を聞き、涙を流している人。
どちらが幸せ?


329 :551:2010/02/01(月) 13:41:44

JBLさんに激しく同感です。
オーラトーン5CとかロジャースLS3/5Aとかウエスタン100Fをメインにしている人を心から尊敬してしまいます! 
なぜって、弱い私には出来ないから、です。


334 :ビックリマスダ:2010/02/01(月) 17:45:43 HOST:p5087-

JBLさん、それってどちらも不幸せかも?


338 :神々のたそがれ:2010/02/01(月) 18:00:18

ラジカセしか知らない不幸せ、大型システムを知ってしまった不幸せ??
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/11602/1261060674/


38. 2013年9月08日 22:49:17 : W18zBTaIM6

_とある友人の紹介でオーディオ輸入業を仕事とされている方のご自宅を訪問させていただき、ご自慢の装置でいくつか音盤を聴かせていただいた。

_何とスピーカーや高性能アンプ、CDプレーヤーなどで正味1,600万円ほどだという。地下1階の防音の効いた30畳ほどのリスニング・ルームにどっしりと鎮座している様は誠に神々しい。

_あらゆるジャンルの音楽(J-Popから民族音楽風のもの、Jazz Vocal、クラシック音楽など)を耳にしたが、どうやらこのマシーンはオーケストラを聴くために調整してあるらしく、やはりクラシックのしかも管弦楽曲が抜群の音色で鳴っていた。レヴァイン指揮するサン=サーンスの「オルガン」交響曲第 2楽章冒頭やアバド&ルツェルン祝祭のマーラー「復活」冒頭、ドビュッシーの「海」第3楽章終結などなど、まるで目の前で実際に演奏されているかのごとくめくるめく錯覚をおこすほどの見事さであった。その彼曰く、

世間の人は生演奏で聴くのが一番いいというじゃないですか。

確かに「実演」がベストです。でも、実演が必ずしも良い演奏とは限りません。

先日などは3万円も払ってベルリン・フィルを聴きに行ったところ金管の何某がとちったものだからアンサンブルがガタガタになり、最低だったんですよ。

だから、名演を聴くならしっかり調整された最高のオーディオ装置で聴く方が良い場合が多いんです

_なるほど、確かにそう言われればそうかもしれない。ついでに彼が言っていたのは


「それまで名演だと思っていた演奏がこの装置で聴くと、特にオーケストラの良し悪しが手にとるようにわかるようになり、がっかりさせられることも多々ある」


ということ。ゲルギエフの「ハルサイ」などはその典型らしい。

へぇ、そうなんだと感心しながらもちょっと腑に落ちないなと感じる。


僕はSP復刻盤といわれる戦前録音された録音レンジの狭いCDを時折聴く。音質が悪いとはいえ感動させられてしまうのだから音の良し悪しを超越するエネルギーがあるのだろう。メンゲルベルクのチャイコフスキー「悲愴」やフルトヴェングラーのベートーヴェンなどはその際たるもので、今の時代に聴いてもその音楽の素晴らしさは最新録音盤を超える何かが確かにある。

音を聴きたいのではなく音楽を楽しみたいのである。音がいかに完璧に再生されるかに興味があるのではなく、心が震える感動体験がしたいのである。

_確かにCD ラジカセじゃ限界があろう。でも、僕は今もっているオーディオ装置で充分だなと正直思ってしまった。そこそこ優秀な装置があれば音楽は「愉悦」を運んでくれる。そして何といっても、多少の瑕があろうと実演・生演奏のもつ波動が一番だ。

こう書くうちに以前柳田邦男氏が、「人生の1枚のレコード」と題するエッセーでメンゲルベルクの指揮するバッハのマタイ受難曲に言及し、その感動的な演奏に対する深い想いを書いておられることを思い出した。その中で「追記」された文章があり、それがとても印象的で、僕の今回の体験と何となく同じようなニュアンスを感じたので、その部分を抜粋させていただく


39. 2013年9月08日 22:49:51 : W18zBTaIM6

-------------------------------------

_メンゲルベルク指揮のマタイ受難曲は、心を病んでいた私の次男・洋二郎も何度となく聴いていたレコードだった。1993年夏、自ら命を絶った洋二郎の遺体を病院から引き取って家に帰った時、偶然にもマタイ受難曲のアリア「主よ憐れみたまえ」がテレビから流れた。

憐れみたまえ、わが神よ をテーマ曲にしたアンドレイ・タルコフスキーの映画『サクリファイス』が、まさに終わろうとしていたのだった。私は、立ちすくんだ。それ以後、マタイ受難曲は、私にとって人生全体をゆさぶられるような重い曲となっている。

_なお、音楽美学やドイツ音楽史の専門家で国立音楽大学教授の礒山雅氏は、詳細な作品研究の著書『マタイ受難曲』(東京書籍)のなかで、メンゲルベルク指揮のこの演奏を、バッハの基本からはずれていて、とくにテンポの伸び縮みがあまりにも恣意的だと、きびしく批判し、

「聴いていて途方に暮れ」
「うんざりする」

とまで書いている。批判は演奏に対してだけでなく、聴き手に対しても向けられ、

_この演奏に感動して涙する若い聴き手がいると聞くのだが、そういう人はどうやって耳の抵抗を克服しているのか、知りたいものである

_と冷笑している。どうやら楽譜を読みこなす力のない私や息子は、マタイ受難曲を聴くには失格らしいのだが、音楽とは人生の状況のなかでの魂の響き合いではないかと考えている私は、

それでもメンゲルベルク指揮のあの演奏は私の魂をゆさぶる

という感覚をいまも抱いている。

かけがえのない日々
柳田邦男著_http://www.amazon.co.jp/gp/product/410124913X/250-8550177-4320268?ie=UTF8&tag=opus3net-22&linkCode=xm2&camp=247&creativeASIN=410124913X


40. 2013年9月08日 22:57:18 : W18zBTaIM6

_完成されたシステムを晒すスレ


7000万クラス
GOLDMUND Apologue Anniversary

6000万クラス
MAGICO UltimateV

4000万クラス
FM ACOUSTICS Inspiration XS-1
Avalon Acoustics Tesseract

3000万クラス
TIDAL Sunray G2 / T1 G2
Westlake Audio Tower SM-1
Wilson Audio Alexandria XLF

2000万クラス
FOCAL Grande Utopia EM
mbl 101 X-treme
The Sonus Faber

1000万クラス
YG ACOUSTICS Sonja 1.3
Daniel Hertz M1
McIntosh XRT2K

500万以上1000万未満
TAD-R1MK2
VIVID audio G1 GIYA
JBL Project EVEREST DD67000
TANNOY KINGDOM ROYAL


_____

国産フラッグシップ プリアンプ

TAD-C600 315万円
TECHNICAL BRAIN TBC-Zero/EX 312万9千円
ラックスマン C-1000f 210万円
アキュフェーズ C-3800 178万5千円
エソテリック C-02 147万円

同価格帯海外製 プリアンプ

Constellation Audio VIRGOU 346万5千円
Mark Levinson No52 346万5千円
darTZeel NHB-18NS 315万円
Ayre KX-R 310万8千円
EAR Paravicini 312 313万円
FM ACOUSTICS FM245 273万円
PASS XP-30 189万円
Jeff Rowland Corus 189万円
GOLDMUND Mimesis 27.8 172万2千円
Spectral DMC-30SS 165万9千円
Mark Levinson No326S 147万円

海外製ハイエンド プリアンプ

FM ACOUSTICS FM268-C 1000万円台
GOLDMUND Mimesis 22 History 1018万5千円
Constellation Audio ALTAIRU 924万円
Dan D’Agostino MOMENTUM PREAMPLIFIER 441万円
http://awabi.2ch.net/test/read.cgi/pav/1322353958/


41. 2013年9月08日 23:00:27 : W18zBTaIM6

ハイエンドスピーカー
_http://www.ac2.jp/tp/au_hispk.html

スピーカー追求道
_http://www.diyloudspeakers.jp/


B&W
_http://www.bowers-wilkins.jp/

Tannoy
_http://www.esoteric.jp/products/tannoy/

KEF
_http://www.kef.com/html/jp/showroom/flagship_hi-fi_series/muon/fact_sheet/muon_group/muon/index.html
_http://www.kef.com/html/jp/showroom/floorstanding/index.html

Avalon Acoustics
_http://www.avalonacoustics.com/
_http://www.taiyo-international.com/products/avalon/sentinel/
_http://www.taiyo-international.com/products/avalon/

Sonus faber
_http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/SONUSFABER.html
_http://www.noahcorporation.com/sonusfaber/index.html

VIVID audio
_http://www.vividaudio.com/
_http://www.stellavox-japan.co.jp/02vividaudio/index.html

Wilson Audio
_http://www.axiss.co.jp/fWilson.html

GOLDMUND  
_http://www.stereosound.co.jp/hivi/detail/newsheadline_241.html
_http://www.goldmund.com/
_http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20111114_490853.html

LINN
_http://www.linn.jp/products/detail/speakers1.html

JBL
_http://www.harman-japan.co.jp/jbl/
_http://www.jblpro.com/
_http://www.hibino.co.jp/proaudiosales/product/jblpro/index.html

McIntosh
_http://www.mcintoshlabs.com/us/Pages/Home.aspx#
_http://www.mcintoshlabs.jp/jp/Pages/Home.aspx#


42. 2013年9月08日 23:08:01 : W18zBTaIM6

これはラジカセで聴いても、7000万円のシステムで聴いても感動はあまり変わらないかな?


_バッハ/マタイ受難曲
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団 指揮:ウィレム・メンゲルベルク
録音:1939年4月2日、ライブ
Willem Mengelberg [Matthäus-Passion]_http://www.youtube.com/watch?v=zayss_RBkj8

_http://www.nicovideo.jp/watch/sm9021434
_http://www.nicovideo.jp/watch/sm9138508
_http://www.nicovideo.jp/watch/sm9139225

"Wenn ich einmal soll scheiden" Matthäus Passion
Willem Mengelberg, conductor
Amsterdam 05.IV.1936
_http://www.youtube.com/watch?v=1fONRdneB6k

Willem Mengelberg "Final Chorus" Matthäus Passion
Willem Mengelberg, conductor
Amsterdam 05.IV.1936
_http://www.youtube.com/watch?v=hZ_d-erPkOA


43. 2013年9月08日 23:20:13 : W18zBTaIM6

圭子の夢は夜ひらく/藤圭子
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1811038
http://www.youtube.com/watch?v=PpRthIn_IvM


"ブルース" 藤 圭子/圭子の夢は夜ひらく (1970年)
http://www.nicovideo.jp/watch/nm13039873
http://www.youtube.com/watch?v=6SpElrC3438


44. 2013年9月09日 12:01:30 : mz6CkRXG8Y
ヤマハ、カワイがわるいともおもわんし

スタンウェイが、それほどいいとも思わん
実際潰れかかってるように聞いてるが…

かいがいでも売れてるのは、ヤマハ、カワイだろ・


45. 2013年9月09日 13:00:59 : AZCK8n8ZRY
Jazz喫茶とかいってもいい音
と思ったことは一度もない。

それほど広くないところに、大型のスピーカー
とかおいてもいい音になるわけがない。

結局、部屋なんだよ
アンプなんかも、高いのより安いほうがいい場合が多い。
安いのと高いのは構造がよく似ている。構造がシンプル

成金が高いのかって自画自賛しているしているのがいるが
わかってる人が聴くとたいしたことがほとんどだ。


46. 2013年9月09日 20:56:20 : HppyiJ0996
フルトウ”エングラー指揮 ベルリンフイル ベートーウ”エン の5番が
心を撃つ!

ハイデルベルグ場内で聴いた カールミュンヒンガ‐ ミュンヘンフイル オーレルニコレ フルート、リリーラスキーヌ ハープ
モーツアルトの「フルートとハープのための協奏曲」が忘れられない。
三多摩


47. 2013年9月09日 23:43:01 : HppyiJ0996
>46
ハイデルベルグ場内 × ハイデルベルグ城内 ○

ロンドンの ザ・アカデミー セント オブ マーチングのホールで聴いたネビル・マリナーのアカデミー室内管弦楽団は30年経過しても私の心に穏やかさを保っている。 曲はブルッフのバイオリン協奏曲だった。
大好きなベート―ウ”エンのバイオリン協奏曲と同じ楽想で激しくも熱情あふれる名曲だと懐かしむ。三多摩


48. 2013年9月09日 23:51:38 : HppyiJ0996
プラハのスメタナホールで旅の途次、バーツラフ・ノイマン指揮 スメタナの「わが祖国より」ドボルジャークの「シンフォニー8番”新世界より」を聴いた時は涙があふれ、止まること知らず。

(1976年8・17 プラハ城が聳えるカレル橋のたもとで遠い祖国を偲ぶ)

三多摩


49. 中川隆 2014年2月23日 21:11:41 : 3bF/xW6Ehzs4I : 2D6PkBxKqI

ベヒシュタインの音はスタインウェイやベーゼンドルファーより美しい


ブレハッチが学んだポーランドの学校には、スタインウェイは学校に1台か2台くらいだったとのことで、それも状態がいいとは言えないものもあったそうな。

キーシンが学んだ学校にもスタインウェイはなかった。
ソ連製かチェコ製のピアノがあった。

ロシアでスタインウェイが入ってきたのは、帝政ロシア末期で、音楽学校ではスタインウェイよりもブリュートナーやベヒシュタインなどのドイツピアノが多かったそうで、家庭でもベヒシュタインを好むピアニストが多かったんだそうです。

ソフロニツキーやゲンリヒ・ネイガウスなどもお家ではベヒシュタインだったんだそうな。

そんなこと聞いたら、急にベヒシュタインが弾きたくなった。
http://sora003.blog100.fc2.com/blog-entry-181.html

ソフロニツキー Bechstein を弾く- YouTube
http://www.youtube.com/results?search_query=Sofronitsky%20Bechstein&sm=12

ソフロニツキーの演奏は

youtubeに聴くウラディーミル・ソフロニツキー
http://amezor-iv.net/shisou/140223211008.html


50. 中川隆 2014年2月23日 21:14:30 : 3bF/xW6Ehzs4I : 2D6PkBxKqI


スクリャービン博物館のソフロニツキー 2009-12-13

やっといま現在のCDを聴く環境にも慣れてきたかなという今日この頃、折りよく以前話題にした、『スクリャービン博物館のソフロニツキー 第一巻』(VISTA VERA)が到来しました。曲目は以下の通り。

•ノクターン第二番
•ノクターン第四番
•ノクターン第五番(以上一九六〇年ライヴ)
•ノクターン第六番
•ノクターン第一二番(以上一九五八年ライヴ)
•前奏曲 op.28-14〜18, 21, 22(一九六〇年ライヴ)
•バラード第一番(一九五五年ライヴ)
•バラード第四番(一九五八年ライヴ)
•ピアノ・ソナタ第三番(フィナーレ欠;一九五六年ライヴ)

ノクターンのあらかたと前奏曲はソフロニツキーのファンにはお馴染みのレパートリーですが、バラードの一番と四番、そしてロ短調のピアノ・ソナタは、おそらく初出の曲目です(ノクターンの六番も、けっこう珍品の部類に属するような気が)。


ARBITER からリリースされたスクリャービン博物館ライヴ
http://www.hmv.co.jp/en/artist_Scriabin-1872-1915_000000000021454/item_Piano-Sonata-No-8-etc-Sofronitzky-1960-Scriabin-Museum_2777586


が、ピアノの調律の狂い*1と録音の歪みとが相俟って、聴いていて苦痛なくらい酷い音でしたから、今回の盤にも音質的には全く期待はしていませんでしたが、意外にも、あそこまでひどくはありません(無論、所詮はアマチュア録音なのだからという見切りも肝要)。

期待のバラードは、四番はソフロニツキーにしては……という感じがしないでもないものの、一番は聴き応え十分。第一主題の丈高さと第二主題部のエレガントな歌いまわしとが自然に共存しており、コーダの果敢な突進は霊感にあふれています。ソフロニツキーの崇高なロマンティシズムの精髄といっても過言ではありますまい。

ロ短調のピアノ・ソナタは、この曲にたくさん含まれている、あまりにも美しいノクターン風の部分が心憎いまでみごとに弾き分けられており、とりわけ心に残ります。一楽章の第二主題の物憂げな風情、うつつならぬ夢のようにいつの間にか終わってしまう二楽章の中間部、そして濃艶きわまる三楽章……ソフロニツキーのフレージングはことさらに滑らかなレガートを用いることなく、ときにアルカイスムにも接近するのですが、常に驚くほど自在であり、しかも高雅な気品を失うことはありません。

一方で、ソフロニツキーであればいくらでも劇的に盛り上げようがあったであろう一楽章は、特に緩徐部に重きが置かれていることもあって、やや推進力や構成感といった要素に乏しいように思われます(五分過ぎで、何とはなし暗譜があやしそうな感じがするのも、この曲を普段から弾いているわけではないためか知れません)。

しかしながら、録音されなかったというフィナーレ抜きで、この演奏の一部分を取り上げて粗探しするのは当を得たことではありますまい。おそらく全曲を通して聴くことができたときにはじめて、ソフロニツキーが一楽章をあのように弾いた真意も伝わってくることでしょう――換言すれば、目下のところソフロニツキーのこの曲に対する解釈は謎のままであり続けるのであり、聴く前にそう思った以上に、フィナーレの欠落に落胆している自分がいます……

既出レパートリーでは、前奏曲集の抜粋など、晩年のソフロニツキーならではの峻厳な凄みが利いていて、一九四九年の全曲演奏とも、はたまた五十年代のスタジオ録音とも違った味わいがあります。出来からいえば、このCDの白眉かもしれません。

*1:スクリャービン遺愛の古いベヒシュタインは、調律してもリサイタルの最中に狂いだすような按配であったとか。
http://d.hatena.ne.jp/mischa/20091213/1260705265


51. 中川隆[2543] koaQ7Jey 2016年5月21日 18:59:49 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[2804]

Satie (1866-1925) - Gnossienne No.3 played on a PLEYEL grand piano model 3bis (1905 - 85keys)
https://www.youtube.com/watch?v=0ToYjQbHsYg


高崎、アトリエ ミストラル所有のプレイエル1905年製グランドピアノ(85鍵)で弾いたサティのグ­ノシエンヌ第3番です。

古い良質の楽器は単なる物ではなく、周りの人々のさまざまな思いが込められた唯一無二­の存在になっているような気がしてなりません。
この楽器でサティを弾いてみたとき、なにやらとても不思議な空間が自然にわき上がって­来たような感覚に見舞われ、一もなく二もなく演奏会を開くことを決めてしまったのでし­た。

動画ではその雰囲気までは伝わろうはずがありませんが、昔の楽器の素敵な世界を少しで­も楽しんでくださいませ。

2014.11.29. アトリエ ミストラルにて
http://atelier-mistral.jimdo.com/

古典鍵盤楽器奏者/筒井一貴 つれづれ草紙:
http://bergheil.air-nifty.com/blog/

2014年12月 1日 (月)
高崎「アトリエ ミストラル」のプレイエルピアノ


高崎の「アトリエ ミストラル」の1905年製プレイエル3bisで、来年2015年2月1日に行うオールサティ演奏会の1曲を弾いてみました。グノシエンヌ第3番です。

古い楽器(に限らず古いモノ)は単なるモノではなく、何か言いようのないナニかが込められている気にさせられるのが常ですが・・・

やはり、サティが生きていた時代のパリで生まれたピアノであるこの1905年製のプレイエル、魔物が棲んでおりますぞ。

現代人の生活は魔物だとか妖精だとかとはほぼ無縁になってしまいましたが、古い楽器と関わっていると意外と普通に出会えます(笑
http://bergheil.air-nifty.com/blog/2014/12/post-fec3.html

プレイエルのあるサロンコンサート会場-貸しスペース - サロンコンサート会場 〜アトリエミストラル〜


アトリエ ミストラル は、旧かんら信用金庫の建物を利用したスペースとして、群馬県高崎市にオープンしました。

ショパンが愛したピアノとして有名な 1905年製プレイエル3bisピアノ 及び完全修復済みの1928年製西川オルガンを常設し、定員80人程度までのサロンコンサート会場としてご利用いただけます。

旧銀行という堅牢な造りのため、残響が長く、響きがよいと演奏家にもお客様にも大変好評をいただいております。

コンサート会場としてのご利用のほか、音楽教室の発表会、アンサンブルの練習、各種講座や教室、イベント会場としてもお使いいただけます。ご利用料金はこちら。

アトリエミストラルでは、コンサートの企画もしております。 詳しくはこちら。


〒370-0074  群馬県高崎市下小鳥町312−4
(代表 櫻井紀子)
TEL 090−8047−3757  
http://atelier-mistral.jimdo.com/

常設ピアノ フランス 1905年製 プレイエル3bis のご紹介


アトリエミストラルでは、1905年製フランス プレイエル3bisピアノを常設しています。

ショパンが愛したピアノとしても有名なプレイエルピアノは、人間の声のような温かい音色と繊細でありながら豊かな響きで、全世界にコアなファンを持つピアノです。


プレイエル社(フランス)について


2007年に創業200周年をむかえたプレイエル社は、ハイドンの友人で作曲家のイグナッツ・プレイエルによって1807年に創業されました。

「ピアノとは演奏者の声としての楽器であり、そして芸術品であるべき」と主張したイグナッツ・プレイエルは、その生涯を楽器創りに捧げました。その後2代目を継承した彼の息子のカミーユ・プレイエルのもとで、飛躍的な事業の発展を遂げました。彼は当時の幾多の著名芸術家と親しく関わり、彼らの意見を元にさまざまなピアノの改良を行いました。

また彼は、パリの名高い演奏会場「サル・プレイエル」を開設し、彼の親しい友人であるショパンをはじめ、歴史的音楽家たちがこぞって演奏会を開き、使用したプレイエルを絶賛、プレイエル社発展とその絶頂期と黄金時代をもたらす大きな原動力となりました。

中でも、ショパンはプレイエル・ピアノを「完全無欠」といい、生涯プレイエル・ピアノを愛用しました。カミーユの後を継いでプレイエル社を支えたのは二人の名経営者オーギュスト・ウォルフとその後継者となったギュスターヴ・リオンでした。彼らの時代にプレイエル社は最盛期を迎えまます。プレイエル・ピアノは現在までに実に200年もの間、世界の偉大な芸術家たちを魅了し続けています。


プレイエル3bisについて


プレイエル社では、1870年に初めて MODEL No.3bis が登場し、1900年代に入って現在の一体型フレームによる総鉄骨方式に改められた他、内部メカニックもプレイエル社独自のダブルアクションが装備されます。

アトリエミストラルに常設されたプレイエル3bis は、No.3bis型の完成形となる 164cmのモデルとして1905年に登場しました。

このモデルは当時のプレイエルのグランドピアノの中でも、サイズと価格がお手頃で最も人気があって傑作の名望高いモデルで、グノーやマスネ、フォーレら世界的に著名な音楽家にも愛用されました。

その後、このモデルは紆余曲折を経て現在 MODEL P-170としてその伝統は見事に現代に生き続けています。

その特徴は、プレイエルの理想を体現したと言っても良いもので、“シンキングトーン”を体現した、極めてまろやかに長く鳴りつづける声のように歌う響き、明快で艶と甘美さを兼ね備えた音色が演奏者のイマジネーションをかきたたせる魅惑的なピアノと言えましょう。
http://atelier-mistral.jimdo.com/プレイエル3bis-常設ピアノについて/


52. 中川隆[7013] koaQ7Jey 2017年3月08日 12:49:25 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7477]


ロシア・ピアニズムの贈り物 – 2014/7/25 原田 英代 (著)

1945年全ソ連演奏家コンクールでリヒテルと首位を争ったロシア最長老の名匠にして、65年間モスクワ音楽院で教えたヴィクトル・メルジャーノフ(1919-2012)。

彼の愛弟子だったピアニスト原田英代がロシア的《響き》の謎を追った。

グリンカ、チャイコフスキー、ラフマニノフ、ショスタコーヴィチ、ホロヴィッツ……
数多の卓越したピアニスト・作曲家を輩出し、世界を震撼させたロシア・ピアノ楽派とは何なのか。

19世紀からソ連時代をへて現代へと、どのような教えや技法が受け継がれてきたか。

古来、ロシアの教会では楽器の演奏は許されず、人間の声による典礼だけが行われ、また民衆の生活には歌があった。《歌》がロシア音楽の基盤であり、そこから
独自の「語る音楽、歌うピアノ」が確立した。

フランツ・リストの弟子たちを源流とする豊麗たる系譜。楽譜の読み方。身体の使い方。

スタニスラフスキーに学ぶ感情表現。言語のリズムと音の関係。演奏活動の実際。
ロシア・ピアニズムを特徴づける「重量奏法」の習得を果たし、ドイツを拠点に活躍 、師匠の教えを胸に精進しつづけるピアニストにしか書けない本書は、ピアノを弾く人にはインスピレーションを、音楽愛好家には驚きを届けるだろう。
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%BB%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E8%B4%88%E3%82%8A%E7%89%A9-%E5%8E%9F%E7%94%B0-%E8%8B%B1%E4%BB%A3/dp/4622078430


2015年 02月 14日
原田英代さんピアノリサイタル
http://tannoy.exblog.jp/23670993/

切っ掛けは、Bellwoodさんの原田英代さんの書かれた「ロシア・ピアニズムの贈り物」と言う本の紹介記事でした。

いつもながらの的を得た感想で、この本の魅力を知った私は、実際に聞いてみようと思い立ち、リサイタルを探してみました。

すると、今月五反田でこの『ロシア・ピアニズムの贈り物』の本の内容をお話ししながら演奏するというもってこいの案内を見付けました。

勿論、とうのBellwoodさんもお誘いしたのですが、当日は 庄司 紗矢香さんの演奏会があると言われてましたが、最終的には、社内の飲みにケーションになったようでした(笑)。


五反田は、30年ほど前はそれこそ飲みにケーションによく来ていました。久しぶりに来ても、勿論新しいビルも建ってはいるのですが、池上線や国道一号は変わりようもなく、全体には以前の印象と変わりませんでした。今時めずらしい街なのかもしれません。国道に面して、デザイン会社が入っているデザインセンターの五階が今日の会場です。

いろいろなデザイン系の会社が集まっている、デザインセンターは外見もなかなか凝っています。この裏は、池田山と呼ばれる昔からの高級住宅街です。その山の傾斜地が後ろ側に拡がっています。私が何時もやってきていたのは、池上線沿いの下町でしたが、この東側の高級住宅地は、そのまま上がっていくと白金台ですから、五反田駅はまったく違う顔を持っているのですね。


さて、今日お聞きする原田英代さんは、ベルリンの壁崩壊後、東西交流が自由になった1990年に西ドイツの音楽大学でモスクワ音楽院のメルジャーノフ教授の教えを受けることになり、小柄で手の小さい彼女が、如何にダイナミックな演奏が出来るようになったかをはなしてくださるそうです。

会場はいつもはカルチャーセンターに使われているという細長いつくりの教室形式で、縦長の部屋の中央にピアノが置かれ、いつもの演奏会とは反対にピアノの後ろにも席が設けられ、原田さんの指使いが見られるようになっていました。ピアノはベーゼンドルファーのグランドピアノです。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=23670993&i=201502%2F15%2F99%2Ff0108399_915562.jpg

会場に来られている方々は、女性の比率の方がはるかに高く、実際にピアノを弾かれているかたやピアノの先生が多かったように思えます。そう言う指導者や演奏家を対象にした説明会の様です。

構成は、著書の「ロシア・ピアニズムの贈り物」の目次に沿って行われ、ロシア・ピアニズムの歴史と特徴。恩師のメルジャーノフ先生との出会い、教えられてきたことを曲を弾きながら説明するという形式でした。前半はロシア・ピアニズムの特徴と演奏家の系図を細かく説明されました。

後半は、実際に奏法の違い、指使いの違い、ピアノに対する姿勢の違い、手首を硬くせず、膝と肘を自由に、肩の力を抜くかを説明されました。良い例と悪い例での音の違いは驚くべき事でした。説明が具体的で、詳細にわたり如何に原田さんが熟知されているかがわかり驚きました。演奏されたの順序は違うかもしれませんが以下のような曲です。さすらい人幻想曲が素晴らしかったです。

ベートーヴェン;ソナタ「テンペスト」より第3楽章
シューベルト:「さすらい人」幻想曲より第1楽章
ショパン:ワルツ 嬰ハ短調 op.64-2
チャイコフスキー:組曲「四季」より
ラフマニノフ:プレリュードop.23-4,5 他
チャイコフスキー(プレトニョフ編曲):「くるみ割り人形」からアンダンテ・マエストーソ 

テーマの中心は、ロシア独特の重量奏法の具体的な実現方法の説明でした。原田さんは大変小柄な方です。手もピアニストとは思えないほど小さな手です。あの小柄の身体からベーゼンドルファーがしなるような音を出されるのです。驚きでした。座った席はピアノから1メートルぐらいですから、指使いもすべて解るのですが、その重い奏法には本当に驚かされました。

またピアノという鍵盤をおせば音が出てくる楽器から、弾き方の差でいかに違いを作るかを実際に聞かせてくれました。重量奏法の実際をチャイコフスキーのピアノ協奏曲の冒頭の部分をつかって差を聞かせてくれるのです。大変面白く解りやすい説明ですね。体の使い方の説明も上手くなる場合と、問題がある音の差を聞かせてくれるのです。ピアノを習っている方にはどれほど役に立つでしょう。

原田さんのピアノの音を如何にきれいに会場に響かせるかとの説明は、オーディオマニアにも大変参考になりました。以前Toddさんと何回か杉並公会堂で演奏会の録音をしたとき、ピアノの足の向く方向で会場に響く音がガラガラ変わるのがしりました。ピアノが響く方向が足のむきで変わるのです。また、原田さんは、その足が置かれているステージの木材を叩いて良い音のするところを見付け、そこに足を置く努力もされているそうです。また、ピアノの響きを決めている一番大きな要素は、ピアニストが座っている椅子の材質だそうです。良い音がするのは、上下するピアノ専用の椅子だそうです。ただ小さいのでお尻の大きな人には向かないと会場を笑わして下さいました。良くないのは、座面が柔らかすぎる椅子だそうです。

重量奏法は2000人収容する大ホールでも一番後ろの席までしっかりと音が到達する奏法だそうです。ピアノという楽器は、鍵盤押して音が出るのではなく、鍵盤は下向きに押すが、ハンマーは上向きに動いている、そのハンマーのヘッドが弦に触れるところまで意識をして音を弾くと、ピアノは響きとなって会場に飛んでいってくれるのだそうです。

良い演奏をするためには、事前に会場に響く音を想像し、倍音を充分に響かせ、その響きを指先で感じ、体中の皮膚でその響きを感じる事が大事だと。音楽は、空間と言うキャンバスに描く時間芸術だと言われました。演奏するときには、会場の残響時間も考慮した明確な画像を作り上げなければいけなと、細密画を描くときのような繊細な筆さばきは要求されるのだと。そうして空間に描かれた波動は、聴く人の心にも同じ様な共鳴をおこし、その記憶が何年経っても心の中に響きいていくだろうと、それが良い演奏だと。機械的なアクションが弦に触れるとき、他の弦とも重なりハーモニーが生まれ、音楽が響くのだと言われています。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=23670993&i=201502%2F15%2F99%2Ff0108399_1029060.jpg

とても印象的で、実際に差を解りやすく演奏しながら説明してくれる原田さんのピアノに対する愛情を感じる素敵なレクチャーでした。演奏会終了後、その本を求め、サインもしていただきました。買い求めたCDからは、今日演奏していただいたシューベルトやチャイコフスキーなどの素晴らしい響きが聞こえてきました。ベルリンのイエスキリスト教会の豊穣な響きの中でも、音が混ざらず一音一音しっかりと聞こえてきます。ピアノ録音としても一流な盤だと思いました。今日の講演はピアノの演奏方法ばかりではなく、響きの問題、しいては音楽の再生方法にも大変有意義なヒントを貰いました。またピアノの響きを追求する技術的な手法が、そのまま良い音で音楽を響かせる方法論にもなっていました。オーディオ的にもとても有意義な晩になりました。


Commented by Bellwood at 2015-02-16 10:10 x

このレクチャーコンサート行けなくて残念でした。ふだんは暇なのにいざとなるとイベントが同じ日に集中するのが不思議です。この日はもともと、いま話題騒然たるパーヴォ・ヤルヴィ/N響+庄司紗矢香に行くつもりでリザーブしていた日。飲み会の日取り調整でそれを断念していたところへのお誘いでした。

ピアノを弾くことに、よく「打鍵」といいますが、とんでもない誤解を生んでいるようですね。ピアノの音が出る場所が鍵盤だと思い込んでいるひとも少なくない。それは聴き手だけではなく演奏者にとっても同じようです。「打鍵」の原語は、ドイツ語だそうです。英語でも「strike the keys」と言います。原田さんは、著書でこの「叩く」という言葉にダメ出しをしています。フランス語語源の「タッチ(touch)」のほうが実際の感覚に近いとのことで、こちらを使うそうです。キーを押し下げていく最後の一瞬のところでハンマーが跳ね上がる。その感覚はクラブサン(チェンバロ)と同じなのですね。

ファンのなかには音楽を過剰なまでに文学的にとらえ、造形的な努力、職人的な鍛錬や知見を軽視するいわば小林秀雄、丸山真男気取りのインテリ風を吹かせる輩が多いですが、困ったものです。

Commented by s.y at 2015-02-16 12:24 x

GRF さま。
せんだって、さる高名なピアニストと吉祥寺のバーで同席する機会がありました。
隣の女性が「あなたの高音は綺麗なのに、なぜ他のピアニストの高音は汚いの?」というような意味のことを聞きました。

答えは「低音と同じ音量を出そうとするからじゃないかなあ」というようなものでした。不思議なことを聞くなあ、という感じでポツリと、そうつぶやかれました。

名人上手にとって、どんなジャンルでも問いに対する回答は自明な単純なものであることが多いように思います。
オーディオの答えも簡単なもののはずなのですが・・・・。
S.Y


Commented by TANNOY-GRF at 2015-02-16 12:27

Bellwoodさん 本当に残念でした。オーディオ的なヒントの集大成みたいなレクチャーでもありました。本を買ってようやく気がついたのですが、去年の夏の集中豪雨の時、武蔵野文化会館で、聞いたバリトンのトレーケルの伴奏をしていました。2メートルに届く巨人族のような風貌のトレーケルの横で、小さな赤い服をきたピアニストの自信に満ちた音を、ようやく思い出しました。

Commented by ヨシザワ at 2015-02-16 21:13 x

昨年末にホールを借りてピアノの収録を行いましたが、ほんと難しい。第一楽器が何時も弾いている自身のものでないのが演奏者にはつらいですね。調律師になんどもヴォイシングを頼んでいました。鍵盤の深さや重さも微妙に違うし。誰かさんみたいに自分のピアノを会場へ運ぶ気持ちもわかります。同じ鍵盤楽器でもオルガン、チェンバロ、ピアノでは奏法がちがいます。まー当たり前と言えばあたりまえなんでしょうが。最近は現代のピアノとは別のモーツアルトやベートーヴェン時代のピアノ、所謂フォルテ・ピアノもだんだんと使われるようになり鍵盤界はますます複雑に。

Commented by TANNOY-GRF at 2015-02-16 22:08

s.yさん そのきれいな音を出すために、どれほどの努力を毎日重ねているか、当事者でなければ解らないのでしょう。オーディオも、どれだけの音を聞いてきたかを音はそのまま表します。結論は簡単なのですが、そこにいたる道程が。

Commented by TANNOY-GRF at 2015-02-16 22:11

ヨシザワさん ピアノは難しいですね。いい調律師に恵まれないと鳴らないし、またそのピアノの位置が少しでもずれると、全く音が鳴らなくなります。SPの置く位置と同じ事が起こります。ピアノの種類が増えたからと言って音楽の種類が増えるわけではないのですが。

Commented by s.y at 2015-02-17 12:02 x

GRF さま
そうです!まさにその通りです!
たゆまぬ努力の総量を一言などでは現せないでしょう。だから淡々とつぶやくように、答えられたのでしょう。
内心で自らの、これまでの鍛練の道筋を振り返られていたのではないかと・・・。
S.Y
http://tannoy.exblog.jp/23670993/


2017年 03月 07日 渋谷 白寿ホールにて

二年前に五反田のカルチャーセンターでロシア・ピアニズムの贈り物と言うレクチャーを聴講した原田英代さんの演奏会に行ってきました。

会場の白寿ホールは、井の頭通りから渋谷のオーチャードホールに入る一方通行の入り口にあります。小田急線の富ヶ谷駅が最寄りです。何時もオペラシティに行くときに乗る渋谷行きのバスがその富ヶ谷まで連れて行ってくれます。家からバス停まではワンブロックですから、バスが最短の交通手段です。初台のオペラシティまでは30分程ですから、その先の富ヶ谷も40分では着くと思ってゆっくりと家を出て、バスの小旅行を楽しみました。

甲州街道の曲がり角や、中野通りへの曲がり角などは、信号2、3回待ちでしたが、その他は順調で時間通り白寿ホールの反対側でバスを降りました。開場の6時半までまだ10分もあったので、一階で時間をつぶしていたら見慣れたお顔が。長身のAionさんがマフラーだけで来られました。お宅は神泉の駅のそばなので、近いのですが、帰りは寒いのでは思うほど軽装でした。五階の会場までのエレベーターの混雑を避けるため、10分ほど待ってから上がると、ワイングラスを片手にBellwoodさんが待っておられました。私も負けじと、量は多いいけれど、値段は800円もするワインを飲んでいると、エビネンコさんもご到着。連絡は取り合ってはいないのですが、いつものメンツが揃ったようです。

エビネンコさんは、原田さんの「ロシア・ピアニズムの贈り物」の本を熟読されています。わたしは来る前にその二年前のレクチャーの記事を再読して思い出していました。

原田さんはどうしたら、会場全体に音を響かせるかの実演をしてくれたのです。その時はカルチャーセンターの教室でした。今日は、音に定評がある白寿ホールの会場です。どのような音を響かせるのか楽しみにしてきました。


今日は、前半が「シャコンヌ」と「さすらい人幻想曲」です。いずれも迫力のある曲です。どのように音を響かせるのでしょうか?レクチャーでは、ピアノはキーをたたいたときに音が出るのでは無く、ハンマーがアクションして弦をたたくまで意識を持って弾くと音が伸びてよく響くと言っていたのを思い出しました。


ところが、演奏は小ホールを圧倒するような大きな音で始まりました。ペダルを踏みっぱなしのような、開放弦の様な大きな響きです。家だったら、慌ててヴォリュームを絞るほどの大きな音に驚きました。音が響く白寿ホールの特性に合わないような大きな音に驚きました。2000人はいるホールでの音量のようです。響かない池袋や渋谷のホールならちょうど良いのかもしれませんが。そんな中、ブゾーニの編曲のバッハは、どこかオルガンの音が鳴っているような和音が聞こえてきました。ハーモニーの力ですね。


「さすらい人幻想曲」も、最初のテーマが壮大になりました。シューベルトなのに、シューマンのような響きも聞こえてきます。この曲は、河村さんでも聴きました。やはりダイナミック演奏だったのを思い出しました。彼女もロシア・ピアニズムの手法なのでしょうか?第一部の前半は、ボリュームの位置が、一時間半ぐらい大きいまま終わりました。

休憩時間集まった皆さんも同じ感想で、後半はどうなるのだろうかと心配したほどです。


ところが、後半が始まると、ボリュームの位置は適正な音量になっていました。それどころか、弱音の透明さ、響きの奥深さが出てきました。リスト特有の音の切れも出てきて、響きが研ぎ澄まされていきます。ラフマニノフは元々手の大きなピアニスト用の曲です。それがご自分も言われるように小さな手でどんどん進んでいきます。ただ、三連符のリズムの最後の拍子が大きく聞こえるのが、少しだけ気になりました。


すぐ続けて、アンコール曲に入りました。一曲目もラフマニノフでしたが、よりよくなってきました。二曲目のシューマンは言うことありません。そして最後は、お得意のチャイコフスキーの舟歌がすてきでした。繊細さが出てきました。最初にこの曲から入れば、すてきな演奏会になったのにと思いました。来週は、メジュエーワのシューベルト演奏会です。ロシア・ピアニズムを今一度聞いてみようと思っています。


原田さんの演奏会は、これから五年間掛けて、テーマを変えて定期で演奏されるそうです。

今回のテーマは「さすらい」です。

その後「葛藤」「変容」「統一」「光」というように変化していくそうです。

原田さんは、毎年二月から三月、そして真夏に日本に戻ってきます。ドイツでの先生の仕事の空いたときなのでしょうね。これからまだ4回演奏会はあるので、どのようにこの白寿ホールに合わせて音響を合わせてくるのか、来年も今一度おつきあいしてみようかと思っています。


■原田英代ピアノリサイタル 第1回 さすらい

J.S.バッハ=ブゾーニ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV.1004より “シャコンヌ” シューベルト:幻想曲「さすらい人幻想曲」 ハ長調 D.760

【休 憩】

リスト:巡礼の年 第1年「スイス」 S.160 より “オーベルマンの谷”

ラフマニノフ:コレルリの主題による変奏曲 op.42

【アンコール】

@ラフマニノフ:プレリュード ト長調op.32-5
Aシューマン:「ウィーンの謝肉祭の道化」より 間奏曲 op.26-4 
Bチャイコフスキー:「四季」より6月「舟歌 」

■2017年3月3日金曜19:00〜 @白寿ホール
http://tannoy.exblog.jp/27612774/


53. 中川隆[7014] koaQ7Jey 2017年3月08日 12:52:18 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7478]

原田英代 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%8E%9F%E7%94%B0%E8%8B%B1%E4%BB%A3
https://www.youtube.com/results?search_query=Hideyo+Harada+

54. 中川隆[7016] koaQ7Jey 2017年3月08日 13:51:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[7480]

「ロシア・ピアニズムの贈り物」(原田英代 著) 2015年01月29日
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2408/20150129/46020/

著者の原田英代さんのCDも聴いてみた。以前から気になっていたCDだったが、改めて聴いてみて驚いた。シューマンの「幻想曲ハ長調」は、その昔、ポリーニのLPを聴いて虜になった。原田のこのCDは、それ以来の衝撃だ。

原田は、遅咲きのピアニストで、東京藝術大学音楽学部、同大学院で松浦豊明氏に師事した後、渡欧。1984年ジュネーブ国際音楽コンクール・ピアノ部門最高位の栄誉に輝いている。普通ならここで華々しくデビューするだろう。ジュネーブ国際音楽コンクールといえばそのピアノ部門上位入賞者は、アルゲリッチ、ポリーニなどそうそうたるもの。日本人では、86年(三位入賞)仲道郁代も名を連ねている。原田は、それでもなお研鑽を重ね、ベルリンの壁の崩壊で東西往来が自由になった機会にモスクワ音楽院教授メルジャーノフのマスタークラスに応募。それが師との運命の出会いとなった。遅咲きというよりも、自らメルジャーノフの下での長い精進の時を選んだのだ。

原田は自分の手がピアニストとしてはとても小さいことに思い悩んでいた。ラフマニノフはおろか、チャイコフスキーのピアノ協奏曲も思うように弾けない。生涯の師ベルジャーノフとの運命の出会いのいきさつが印象深い。

原田が、オーディションのときに自分の悩みを打ち明けると、「10度はとどくのかね」と訊かれ、「いいえ」と答えると、「では、伸ばせば」との言葉が返ってきた。(p.4)

ロシア・ピアニズムは、決して大男の弾くピアノではなかったのだ。

前半は、ロシア音楽の歴史とリストを源泉とするロシア・ピアニズムの系譜を丹念にたどる。巻末に人名索引もあるので音楽史的なレファレンスとしても充実した内容となっている。名匠ネイガウスの辛辣なラフマニノフ評や、その弟子であるリヒテルやギレリスらのエピソードも豊富でロシアのピアニストの系譜の裏面史も豊富で興味深い。。

けれども、それ以上に充実しているのは著者自身の体験も交えて語られる後半のロシア・ピアニズムの真髄であろう。ここには、師メルジャーノフの肉声も含め、音楽や芸術についての驚くほどに豊かな箴言にあふれている。

著者が語るロシア・ピアニズムの真髄とは何だろうか。

それは、民衆の《歌》であり、人間の肉体と魂が発する《声》と《言葉》であった。そこに独自の「語る音楽、歌うピアノ」が確立したという。一方で、直感的なロマン的感情に任せず、厳密な読譜を求める。身体の使い方、「重量奏法」、スタニスラフスキーに学ぶ感情表現の教育メソッド、言語のリズムと音の密接性など。その修練の奥義は、日本の禅の精神にも通ずる肉体と精神との合一なのだ。

演奏家の生々しい修練や演奏活動の現場は、私たち音楽愛好家にも示唆に富んでいる。

人間の心理的考察を重要視したメルジャーノフは、ありとあらゆる時代の文学を読むことを推奨したという。リヒテルら音楽院の学生は、仲間と会うたびに「今、何世紀を読んでいるんだい」と訊きあったという。ラフマニノフの音楽や演奏はドストエフスキーかと問われたメルジャーノフは、「いや、最も近いのはチェーホフだ」と答えたという。なるほど、エレーヌ・グリモーがロシア・ピアニズムに傾倒し、いかにリストのロ短調ソナタを弾こうとも、それはドストエフスキーにはならずにスタンダールになってしまうのだと思う。

ピアノという楽器の音に、人間の歌唱や言語を聴くのは一見不可解のようだ。けれどもロシア・ピアニズムは、様々な感情によって千差万別に揺れ動く言葉の抑揚、単語や韻文の持つ言霊のような韻律を創造的に探求していく。著者は、シューベルトの「水車小屋の娘」や「冬の旅」のピアノ譜の様々な解釈とピアノ表現の創造的探求を自分の体験に基づいて詳細かつ具体的に解き明かしている。しかし、圧巻なのは著者が取り組んでいる「朗読と音楽のコラボレーション」だ。なかでも、ドイツ人女優コリンナ・ハールフォーフと共演した、アウシュヴィッツに囚われたヴァイオリニスト、アルマ・ロゼの生涯を語るプログラムは魂を揺さぶる。アルマはついに生還しなかったが、収容所のオーケストラ・メンバーに死者はいなかったという。極限状態におかれても失わなかった気高さと音楽の力を語っている。

オーディオファンにとっても参考になるのは、「音」や「響き」そのものの奥の深さだろう。

師メルジャーノフは、「ロシア人にとって『鐘の音』は特別なものだ。…優れた鐘つき男は一人で百種以上の鐘の音をつき分けることができたのだ」と語ったという。

ある批評家がシャリアピンに尋ねた。
「フェージャ(シャリアピンの愛称)、君の喉にはパレットがあるのかい」
シャリアピンが答えた。
「それなしで、どうするって言うんだい!」(p.273)

著者はボロディン四重奏団との共演体験のなかで「倍音」の重要性についても言及している。ドイツやロシアでは、響きの豊かさが足りないと、「オーヴァートーン、オーヴァートーン!」(“overtone”=倍音)と叫ばれるという。

こういったことが、オーディオではおろそかになっていないだろうか。オーディオというのは、必ずしも生音の忠実な再現だけではないが、音楽というものの本質をとらえるためには音楽家の生の音に接して音への感性を鍛える必要があるのだと思う。著者は、「活きている響き」と題している章で私たちに警鐘を鳴らしている。

…昨今テクノロジーの発展により録音技術が高度化し、何でも同じように響くことに慣れた私たちの耳は、音への感性が衰弱しはじめているのではないだろうか。


気軽に読める本ではないかもしれないが、ピアノ学習者やクラシック音楽愛好家だけではなく、オーディオファンにもおすすめしたい。

ストラさん

生音に接していると感覚として身についてくる音や身体で感じる響きの種類の数は半端ではないです。

byベルウッド at2015-01-29 16:28


ベルウッドさん、こんばんは。

いやあ、参りました。さすがに造詣の深さがにじみ出た書評でした、お見事です。私なんぞの情感ばかりの日記はどこかに隠したい思いです(笑)。

グリモーさんが少なくともロシア文学ではなさそうで、鋭い対比でしたね。ブラームスから始まって、バッハ、そのさきはペルトという流れの人ですし、『野生のしらべ』で書かれているような特異な性格の持ち主なので、スタンダールかどうかは分かりませんが・・・(笑)。

次は機会があれば、岩波書店から出ている『どこまでがドビュッシー?』について、鋭い書評をお願いできれば、と思います。

byかもん! at2015-01-29 21:18


ベルウッドさん、こんばんは。

ベルウッドさんのこのシリーズ(勝手にシリーズだと思ってます)本当に参考になります。先日のペライアのバッハも早速購入してしまいました。私は恥ずかしながら彼の演奏を聴いたことがなかったのですが、家内と友人達は彼の大ファンで毎年コンサートに出かけおり、「ウチにCDは無いのか?」と詰問されておりました...

ロシアのピアニストの話も本当に興味深いですね。以前、娘のピアノの先生(彼女はセルビア人)と雑談した際、「ピアノのコンクールでロシア人が出てくると、ロシア出身と聞いただけで負けた気がする」と言ってました。「短距離走で横に黒人のランナーが居る」ような感じだそうです。

話のレベルを落として申し訳ありませんが、音楽の世界でのロシアの存在感はただものでは無い、と感じた話でした。

byのびー at2015-01-29 23:11


ストラさん

いやあ、脳内活性ですねぇ〜。

アナログ録音は事前にマスタリング段階で雑音的なものを除去したりノーマライジングしているような気がします。サービス過剰なんですね。かえってSP時代、機械式吹き込みや、電気式であってもテープ以前のいわゆるダイレクトカッティングのものには、魂を揺さぶるような音が入っています。

そういう刺激を受けないと脳(聴感とか五感)が退化しますね。

byベルウッド at2015-01-30 09:00


かもん!さん

よい本を紹介していただいてありがとうございました。ご紹介がなければ気がつきませんでした。本当に地味な良書です。そもそも原田英代さんというピアニストが、故国日本よりも本場ヨーロッパで高い評価と実績があるひとなのですね。

ところで昨日かおとといの日経新聞で松田華音さんについて18歳の『原石』と評してました。「天才」だと絶賛はしにくかったのでしょう。原石であのように派手に売り出すのはよくないですね。私の勝手な憶測としては、あれは母親がよくないのです。五嶋みどりさんのようにどこかで激しい母娘の葛藤が起こらないとひとりの音楽家として自立しないでしょうね。

いや、余計なことまで書いちゃいました。どうぞお許し下さい。

byベルウッド at2015-01-30 09:06


のびーさん ありがとうございます

>「短距離走で横に黒人のランナーが居る」ような感じ

言い得て妙ですね。まさにそうなのでしょうね。なんだかこう体格的なものと、旧東欧の英才教育的なものが合体した、どうにも勝てる気がしない相手というイメージです。

ところが原田さんは、手が小さいことを悩んでいたピアニストなのです。それまでの先生も、「ラフマは無理だね」と突き放し、特殊な指遣いで大きな指の跳躍をごまかしたり…。

ところがメルジャーノフ先生はこともなげに「では伸ばしたら」と言ったというのです。小さい手でも「伸びる」…そういう修練の基本を教えているのがロシアピアニズムだというわけです。

河村尚子さんなども小柄なひとで手は決して大きくありませんが、やはりドイツでロシア系の先生についていました。日本人女性であっても世界的に活躍するピアニストが出てくるようになったのはそういうことなのかもしれません。

byベルウッド at2015-01-30 09:16


ベルウッドさん、

超遅レスでスミマセン。

ベルウッドさんお薦めの原田さんのシューマンともう1枚グリーグのLyric Piecesを買ってみました。
まだ全曲聴いていませんが、グリーグのCDからWedding Day at Troldhaugenを聴いた後、シューマンを今聴きながら書いています。

感激しました。
散文的なシューマンの世界が心地よく広がります。
クライスレリアーナから聴き始めて続けてアラベスクを聴いた後、今最初のトラックに戻って幻想曲を聴いています。
ヘンテコな聴き方ですが聴きたい曲から聴き始めたので…

ロシアのピアニズムというと体の使い方、フィジカルについてのレッスンが特徴ということを聞いたことがありますが、原田さんの演奏はテクニカルもさることながら、アラベスクではその緩急と極めてゆっくりなパートでの音楽的表現に感銘を受けました。

録音も素晴らしく、私は例によってマルチチャンネルで聴いていますが、イエスキリスト教会の豊かな響きが心地よいです。
それに残響が多いのにピアノの切れ味がすばらしく、スタインウェイがスタインウェイらしくまさに歌っています。
マルチチャンネルのソロピアノの優秀録音に久しぶりに出会いました。

これからゆっくり聴いてみます。
ご紹介ありがとうございました。

byK&K at2015-02-04 21:04


K&Kさん ありがとうございます。

このシューマンのCDはほんとうに素晴らしいですね。

最初に「幻想曲」を聴いてのけぞりました。次に「アラベスク」で舌を巻いて、最後にとっておいた一番好きな「クライスレリアーナ」でノックアウト。聴く順番はK&Kさんと逆ですね。私は好きなモノを最後にとっておくタイプで(笑)。

私にとっても久々のピアノソロ優秀録音です。田中伊佐資さんだったか「自分のシステムが数倍音がよくなったと錯覚するCD」というようなセレクションがありますが、そういうCDですね。ピアノの音に明晰さと響きの豊かさが両立しているし、イエスキリスト教会のホールトーンとスペース感がよく出ていますね。

演奏も素晴らしい。感情表現が豊かでほんとうに重厚なロマン主義文学を読んでいるよう。人間の感情は四字熟語にしてしまえば「喜怒哀楽」ですが、同じ喜びでも、何かを達成した喜びもあれば、愛するひとと得た幸福の喜びもあるし千差万別。原田さんのピアノはテンペラメントが豊かで、一音一音に意味が込められていると感じます。

グリークやシューベルトも買っちゃおうかな(笑)。

byベルウッド at2015-02-05 08:43
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2408/20150129/46020/


55. 中川隆[-7696] koaQ7Jey 2017年5月14日 12:22:32 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]


アルゲリッチ 私こそ、音楽!(2012) ARGERICH BLOODY DAUGHTER 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Bloody+Daughter


映画 96分
製作国 フランス/スイス
監督: ステファニー・アルゲリッチ


映画、アルゲリッチ!!『Bloody Daughter』
http://ameblo.jp/padmacat/entry-11937321767.html

2014-10-11

映画の邦題には驚かされる事がある。
けれども、最近は原題をそのままタイトルに使う事が増えたせいか、邦題と映画の内容にここまでギャップを感じた事はなかったように思っていたのですが・・・・

天才ピアニスト、アルゲリッチの映画を見てきました。
公式サイトです。

http://www.argerich-movie.jp/


それにしても、日本での『アルゲリッチ・私こそ、音楽!』というタイトルはどうなのでしょうか。

映画が始まった途端に出てきた本当のタイトル『Bloody Daughter』をそのまま使えないのはわかりますが、この映画は、偉大なるピアニストであるアルゲリッチのドキュメンタリーでは決してありません。

この映画は、偉大なピアニストであり「聖なる怪物」と呼ばれるアルゲリッチと3人の娘達、そしてアルゲリッチと彼女の母、この映画を撮った末娘のステファニーと彼女の父親の、それぞれアルゲリッチを巡る壮絶な家族のドキュメンタリーだという方がよほどしっくりする。

アルゲリッチ自身の演奏シーンも多少は出てきますが、あっけない程に短い時間ですぐにカットされてしまう。それでも彼女の演奏するショパンのピアコン1番の音の響きには鳥肌が立つ。

そして、彼女が演奏するラヴェルの音の美しさは忘れられない。

素晴らしい演奏で聴衆を魅了するアルゲリッチですが、3人の、それぞれ父親が違う娘達の母親にはまるでなれない。いや、なれないどころか、逆に子供達に依存してるかのようにそばにおき、学校にも行かせない。次々に変わる母親の恋人や友人が子供達のシッター。


この『Bloody Daghter』とは、末娘ステファニーの父親であり、ピアニストでもあるスティーヴン・コヴァセヴィッチがステファニーを呼ぶ時に使う言葉だそうですが、文字通り、ホラー映画のタイトルのように呼ぶのではなく、英語では「ややこしい、とんでもない」などの意味があるそうで、そこに愛情もこめて呼んでいるそうですが・・・・まさしく「とんでもない」娘達と親達の関係が、垣間見えてくる。

アルゲリッチが、ショパンコンクールで栄光をつかむ直前に生まれた長女(彼女の父親である指揮者ロバート・チェンとは長女が生まれる前に離婚)リダは、幼少期を施設で過ごし、ピアニストらしき母親を求め、プロコフィエフのピアコンのレコードを聴きながら遊ぶのが母親を偲ぶ唯一の方法だったという。

ショパンコンクールに出場した時のアルゲリッチには母親が付き添っていたそうですが、不眠に苦しみ、優勝した時には完全に消耗しきっていた・・・というのを読んだ記憶がよみがえる。

存在自体を知らなかった長女リダについて、どうして自分の手で育てなかったのかと、率直にアルゲリッチに質問するステファニーに向い、「それでも・・・絶対に産みたかった」とポツリポツリと、自分のペースで自分だけの言葉で語るアルゲリッチ。

次女のアニーは、姉の存在を知らないままステファニーのおむつを変えたりして、末娘の母親代わりでもあったという。彼女の父親は偉大な指揮者、シャルル・デュトワですが、彼女は父親そっくり顔をしていて、どこか達観しているような態度を見せる。学校にもまともに通わないで育ったというのに、彼女はアリゾナ大学の教授になり、コロンビア大学の博士号を取得しているというから、これはいい意味でもとんでもない娘さん。

末娘のステファニーが、11歳の頃からカメラを回し続けたおかげで、この映画は出来たのだともいえるのかもしれないが、母親の気持ちで拘束され続け、演奏旅行に同行させられ、自分の人生がまるでないような状態だったという。偉大で聖なる怪物である、そんな母親に振り回され続けた彼女は、いまだ本当の父親の戸籍に入れることができていない問題までも抱えている。

父親とその戸籍問題を解決すべく、(この戸籍問題には16年もかかってるという!)事務的な手続きの電話をする場面が出てくるが、やはりピアニストであるスティーヴン・コヴァセヴィッチは、こういう時にはまるで役に立たない。
ステファニーの気持ちにもまるで寄り添おうとも出来ない。
「ピアニストという蛮族がいる」という言葉が私の脳裏をよぎる・・・・・

それでも、美人だった母親ではなく、容姿はそれぞれの父親に似た3人の娘達は、自分達の道を選び、成長しているのがすごいとも思う。トスカニーニの孫であり、ホロヴィッツの子供であり、早くから音楽の英才教育を受けていた娘さんが少女時代から荒れた生活で健康を害したあげく、残酷な形で若くして命を落とした事をふと思い出すが、それを思うと、顔は似てはいないが、彼女達にはアルゲリッチの強い血が流れているのかもしれない?と、思ったりもする。

また、アルゲリッチはそんな母親になれない自分を隠さない。
寝起きのパジャマ姿で果物をつまみながら語る。
来日した日本の新幹線の中ではちらし寿司を美味しそうに大きな口をあけて食べる。

赤裸々によくぞ見せてくれたと驚いた場面の一つが、演奏直前の恐怖が彼女クラスのピアニストにとってどんなものなのかと、ショックを受ける程、アルゲリッチが演奏直前にナーバスになる姿でした。

「私は高熱が出てるのよ」「頭がひどく痛いの!」「ひどく眠いの」「弾きたくないのよ!!」等々、舞台に出る直前まで、荒れる、荒れる。

まるで駄々っ子のようにも見えるが、常に完璧を求められ、自身も完璧でないと許せないのであろうアルゲリッチが演奏直前に抱えるプレッシャーがどれだけ重いものかと感じる。

けれども、これに幼い頃から付き合わされてきた娘は、たまったものではないだろうとも思う。

このドキュメンタリーは、復讐ではなく、家族の和解の為のものだと語るステファニーの言葉の向こうに彼女達の深い心の傷が感じられるのだけど、けれども同時に娘達にとって母は「女神」であり、そしてまた「守ってあげたい」存在でもあるのだ。

唯一この映画に登場するアルゲリッチの元夫である、ステファニーの父親の語る言葉が、印象的だった。

アルゲリッチは、母親、妻という形、いや、女性になろうとすること自体が無理なのだ。

自由奔放に生きてるように見える彼女だけれど、鬱病や癌も超えて、年を重ねた彼女が、寝起きのままの素顔を娘に超アップを撮られて、文句を言う姿は不思議な可愛さがあり、やはり魅力的。

考えながらポツリポツリと語る彼女だけれど、言葉にすることは難しい場面や心情が多かったのだろう。「口ではいえない」「言葉にできない」というような返事が多かったように思う。

けれども、そんな彼女と、今はもうそれぞれが独立して別の場所で生活してる為、なかなか集まれないという、3人の娘達がピクニックに行き、ネイルをする場面はことに心に残った。ネイルの色の選び方も彼女達の心を映しているようにも思えたりも。

女性ばかりが集まった時の華やぎと心を許した女性同士の絆のようなものが感じられる、この場面にはホッとさせられる。

そしてステファニーの出産場面から始まった、この映画のエンディングは、さらにやすらぎを感じさせられる。孫の為にピアノを弾きながら歌うアルゲリッチの歌が下手なことに、なんだか泣き笑いしたくなったのだ。

アルゲリッチ、彼女は歴史に残るピアニスト、そして「聖なる怪物」であると共にやはり魅力的な人でもあることが伝わる、家族にしか撮れないドキュメンタリー映画です。
http://ameblo.jp/padmacat/entry-11937321767.html

2014年 11月 16日 "Bloody Daughter"の温かな眼差し

『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』(原題:Bloody Daughter)をようやっと観た。於:ヒューマントラストシネマ有楽町。アルゲリッチの三女、ステファニー・アルゲリッチ(スティーヴン・コヴァセビッチとの子供)による、映画監督デビュー作だ。→http://www.argerich-movie.jp/#wrapper

これはとても楽しい作品だった。アルゲリッチの一家がまるで目の前に生活しているかのように映し出されていく。ドキュメンタリーだから何の細工もされていない。音楽家の生身の記録に、ぐいぐいと引き込まれていく。

映像の途中途中に挟み込まれるアルゲリッチの演奏。それと次のような日々の記録が前後して描かれていく。そのインパクトは堪らない。音楽家としてだけではなく、女性としての凄まじい生きざまが感銘を呼ぶのだ。

1957年、弱冠16歳でブゾーニ国際ピアノコンクールと、ジュネーヴ国際音楽コンクールで優勝。それでも飽き足らず1965年のショパンコンクールで優勝。ピアニストとしての栄光を駆け上がっていく。そんななかにも彼女は一人の女性としても疾走する。さまざまな恋愛を繰り広げる。


1963年、ニューヨークで中国系作曲家ロバート・チェンと結婚。
1964年、ジュネーヴで長女リダ誕生。チェンと離婚。
1965年、ロンドンでスティーヴン・コヴァセヴィッチと恋愛。
1969年、コヴァセヴィッチと破局。ウルグアイのモンテビデオでシャルル・デュトワと結婚。
1970年、スイスのベルンで次女アニー誕生。
1974年、デュトワと離婚。アニーを連れてコヴァセヴィッチと同棲。
1975年、コヴァセヴィッチとの間に、ベルンで三女ステファニー誕生。
1977年、コヴァセヴィッチと破局。
1980年、ショパンコンクールでイーヴォ・ポゴレリチ事件。
1983年、ミシェル・ベロフと交際、ジュネーヴで一家一緒に暮らす。
1987年、ベロフと破局。アレクサンドル・ラビノヴィチと交際。
1989年、ブリュッセルに転居。
1996年、コペンハーゲンでヴィオラ奏者となった長女リダと共演。


アルゲリッチの疾走は、いつまでも続く。そしてそれを見守る子供たちの温かなまなざしが、胸の奥を熱くくすぐる。
http://hankichi.exblog.jp/23049964/


56. 中川隆[-7570] koaQ7Jey 2017年6月10日 22:03:35 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

スタインウェイの、兄弟ピアノの「音」 2012年02月05日
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2629/20120205/28548/


グロトリアン(Grotrian)というピアノをご存じでしょうか。日本では有名でないので、知っているとすれば、そうとうピアノに詳しい方です。ヨーロッパでは評価が高く、ハノーバー音学大学では80台すべてがグロトリアンだそうで、スタインンウェイとは兄弟に当たるピアノなのだそうです。


2月4日(2012)、板橋市民文化会館で、若い頃にお世話になった声楽家がプロデュースしたコンサートがありました。着席して良く見ると、ステージ上に、塗装のツヤがなくなったピアノがあります。ピアノの足には大きな飾りが付いていて古そうに見えますが、ピアノの側面にメーカー名はありません。

演奏が始まると、その音はスタインンウェイによく似ていて、高音はベーゼンドルファーのようでもあり、どこのピアノだろうと不思議でしたが、休憩時間に謎は解けました。調律師さん(ナトリピアノ)の解説付きで、ステージに上がってピアノを見ることができたのですが、そのピアノは「グロトリアン」というドイツ製で、クララ・シューマンが生涯愛用したピアノと同時期に作られた同型だそうで、とてつもなく貴重なグランドピアノだったのです。


更に驚いたのは、グロトリアンというピアノの生い立ちが、スタインンウェイの兄弟だったことです。つまりスタインウェイは、スタインウェイ氏と息子たち、そしてグロトリアン氏によってドイツで創業されたものの、当時のヨーロッパの政情不安から、スタインウェイは息子達とともにアメリカに渡ってスタインウェイ社を起こしたのでした。

しかし、スタインウェイの長男とグロトリアンがドイツに残り、スタインウェイと同じ技術で製作を続けたピアノがグロトリアンなのです(長男がドイツに残った理由は、彼女と別れたくなかったからとか!!)。当初は、グロトリアンとスタインウェイの文字を両方ともピアノの名盤に入れていたそうで、私が接したグロトリアンにもしっかり入っていました。しかし後でスタインウェイ社に裁判を起こされて負けたために、スタインウェイの名前は消えたそうです。


この日のコンサートで使われたグロトリアンは、現代のスタインウェイのルーツですから、音が似ていて当然だったというわけです。私のささやかな謎は解消しましたが、音楽関係の片隅にいる者として、スタインウェイに兄弟があったとはツユ知らず、お恥ずかしい限りでした。今でも、ドイツでグロトリアン社はしっかり生産を続けていて日本にも輸入されています。


(グロトリアンの歴史)
http://piano.perma.jp/piano-maker/grotrian.html

コメント

グロトリアン=シュタインヴェヒのピアノは戦前に10台以上が日本に入っているらしいです。
昭和50年頃に 輸入が再開されたとか何かで 一度話題になったことがあります。

当時オーディオ評論家の菅野沖彦さんが音色をいたく気に入って録音に使用されたり、ご自宅に購入されたというグラビア記事を雑誌で見た記憶があります。
byさすらいのサラウンダー at2012-02-05 14:34


お恥ずかしながら、Grotrian、小生知りませんでした。スタインウェイはUSとドイツものがあってUSの方がドイツの音がする云々というウンチクは売り場で聴いたことがありましたが、Grotrianの音も聴いてみたい!

弾いてみたいです!!
キータッチもやはりスタインウェイと似ているのでしょうね。
あの「浅い」感じはたまらない魅力があります。
byマーサ君 at2012-02-05 22:51


さすらいのサラウンダーさん
よくグロトリアンをご存じでしたね。菅野沖彦さんが気に入るのですから、音は良いのだと思います。この日のコンサートのピアニストは一流ではなかったので、ピアノの性能を出し切っているとは思えませんでしたが、それでも小気味よく音が出ていました。

マーサ君さん
グロトリアンを初めて聞いたときに、スタインウェイ?ベーゼン?と迷ったのですが、WEBの記事を読むと、グロトリアンのピアノの木材へのこだわりは半端じゃなくて、そのせいでベーゼンに負けないくらい綺麗な高音が出るみたいです。

演奏会では、伴奏も含めて何人かのピアニストが弾いたのですが、細かいパッセージがうまく弾けていない場面が多かったのが気になりました。これは、ウデのせいばかりでなく、鍵盤が重かったせいではないかと想像しています。

100年前のスタインウェイを弾いた(叩いた程度です!)ことがありますが、鍵盤はすこぶる重かったです。我が家にも50年物のグランドピアノがありますがタッチは重いです。昔のピアノは、一般にキーが重かった? その点、ヤマハは軽くて弾きやすいですね。

スタインウェイの鍵盤は「浅い」感じなのですか?もっとも、タッチの重さの調整には限界がありますが、鍵盤の深さの方は、ウデの良い調律師ならかなり自由に変えられますから、どの程度までがピアノの個性なのか、自分にはわかりません。
b ykitatanuki at2012-02-06 01:16


写真有り難うございます。
やはり文字列二段で格好いいですね。まさに「只者じゃない」オーラが溢れかえっています。

スタインウェイのコンサートグランドは浅かったです。
でも最高に弾きやすかったです。
「ああ、この高音、この低音〜〜!」
と陶酔しながら弾いていましたから、(笑)。

確かにキーは重いです。


私は深夜は防音室がないので電子ピアノのみで、初代クラビノーバーを愛用していますが、手放さない理由はやはりキーの重さです。初代のキーは重かった。
小生キーがある程度重くないと駄目でして。
日本製でも昔のは重いですが、舶来品の重さには勝てません。(^_^;)

拙宅の外国製もタッチが重いですよ。
随分前ですが、ピアノの先生が
「こんなピアノじゃ腱鞘炎になりますよ」
なんて無茶苦茶言っていました。
たんなる嫉妬だったのかな(笑)。
byマーサ君 at2012-02-06 16:27


kitatanuki様、
こんにちは、森図春人です。
ヴァイオリンの話には付いていけませんでしたが、ピアノなら一言。
グロトリアンとは珍しいピアノですね〜同じようなピアノにベヒシュタインというのもありました。リパッティが録音に使っていたピアノです。

録音に皆がスタインウェイを使いだしたのは、1970年代以降のような気がします。故園田高弘さんも、最初はヤマハでした。

ドイツの舶来ピアノの鍵盤は重いと言うのは、よくわかりませんな。
グランドピアノのアクションはどれも同じですから、古いピアノは湿ったりして、ブッシュの滑りが悪くなっているんだ思います。

鍵盤の重さはピアニストによって好みがあるでしょうが、あまり重いのは弾くのがしんどい。しかしウィーンアクションのピアノは逆に恐ろしく軽くて繊細ですからそれも怖いし、その中間、ヤマハや河合のグランドピアノぐらいがよろしいんではないでしょうか。

グレン・グールド氏のゴールドベルクの再録音にはヤマハのコンサートグランドが使われたというし、国産ピアノが舶来品より悪いという間違った先入観は捨てんといかんです。
by森図春人 at2012-02-10 16:08


マーサ君さん
〜拙宅の外国製もタッチが重いですよ。
 随分前ですが、ピアノの先生が

 「こんなピアノじゃ腱鞘炎になりますよ」

 なんて無茶苦茶言っていました。
 たんなる嫉妬だったのかな(笑)〜

これは、嫉妬でもなんでもなくて、ホントに重い鍵盤だと普通の人は腱鞘炎になります。ウチの家内はピアノ教師ですが、クラビノーバは鍵盤が重いので危ないと言って弾くのを敬遠してます。

初代のクラビノーバを愛用している、マーサ君さんは、よほど鉄のウデをお持ちのようですね(笑)。やはり、男性の方が指の力は強いようですし、ピアノという楽器は、やはり体格の大きな西洋人の楽器なので、鍵盤は重くて当然なのかも?
bykitatanuki at2012-02-11 23:36


>クラビノーバは鍵盤が重いので危ないと言って弾くのを敬遠

実は、かなり前の話ですが、某女性とデートの時クラビを弾きに行きました。弾いたあとに私が言ったことがまずかった。

「このクラビ、鍵盤軽いな。軽くなったよ、ボクのクラビの半分くらいかな。ピアノ弾きがオモイの弾けないなんて僕は認められないね」って。その後、彼女(ピアノ科卒)に代わったのですが、ミスタッチの連続。目には涙が。。
その後、私たちは晴れて別れました(爆)。
今思うと可哀想すぎました。(>__<)。

これは笑えますが、笑い事ではないですね。自分も、若い頃ですが歌の発表会の時に、仲間の出番の直前に「最近うまくなったね」とホメてやったら、急に硬くなって歌詞を忘れた事があります。それにしても、マーサ君さん、ピアノも女性を転がすウデも、なかなかなようで・・・。まあ、オーディオの方もよろしくお願いします。
bykitatanuki at2012-02-12 01:42

kitatanuki様、
森図春人です。奥様がピアノの先生でしたか。
私も少しピアノ調律の勉強をしました。鍵盤を浅くするのは鍵盤の前に紙のワッシャをたくさん入れたら出来ます。鍵盤を重くする調整はまだ勉強していません。どないするんでしょうか。

それと、調律師の方ですけど、ベーゼンドルファーをスタインウェイの音にしたらアカンのとちゃいまっしゃろか(つい関西弁がでました)
皆さん耳が肥えていらっしゃいますね。ピアノの生音が出るアンプやスピーカーは何がありますか。ヤマハはヤマハピアノの音がするような気がしますけど・・・
by森図春人 at2012-02-12 10:26


森図春人さん
自分には、ピアノの音色についてウンチクを垂れるには、経験も見識も不足しています。ただ、くだんの調律師さんが、いろんなメーカーの楽器をじっさいに、目の覚めるような音に仕上げるのを、目を丸くして、ただただ感じ入って眺めたり、調律師特有の饒舌に巻き込まれて、耳学問になっているという程度です。

オーディオについても、ピアノの音色を鳴り分ける程には、自分の技術が到達していないので、発言できる段階に至っていません。
bykitatanuki at2012-02-12 17:18


kitatauki様、
優秀な調律師はユニゾン合わせが上手いですね。ピアノの弦は1音に3本づつ張ってありますから、ユニゾンがぴったり合ってないと気持ち悪いし、ユニゾンのよしあしで音がかなり変わります。

次に割り振りが問題です。平均律はオクターヴ以外に純正はありませんから、唸りを聴いて少しずつ狂わせないかんので、これがまた問題ですわ。しかもチェンバロやクラヴィコードと違ってピアノのピンを回すのにはえらい力がいります。弾きもせん低音や高音まで88鍵全部合わさないかんし、ピアノの調律は大変ですな〜
それから、最近俄かにファツィオリちゅうイタリア製ピアノが注目されています。私は見たことも聴いたこともありませんけど。
by森図春人 at2012-02-13 13:35

マーサ君、
森図春人です。
ピアノの先生は、ピアノのタッチを上達したいなら、クラヴィノーバじゃなく、クラヴィコードを練習したらいいと言われます。

クラヴィコードは小さい音の鍵盤楽器ですけど、音の表情は豊かですし、強弱も付きます。

すとんと鍵盤を押さないとちゃんとした音が出てくれんという困った楽器でして、いきなり取りついても弾けません。

それが10年も弾いていると、やっとちゃんと鳴るようになるんですわ。それと、音楽性に音量は関係ないということもわかってきます。
バッハの平均律には持って来いの楽器です。是非どうぞ。
by森図春人 at2012-02-13 14:05

kitatanuki様、
こんにちは、森図春人です。
私も同感です。レコードでピアノのメーカーを聴き分けるのは出来ないと思います。

同じメーカーでも機種、年代、状態によって音が違うでしょうし、おっしゃる通り調律によっても変わります。同じピアノでもピアニストによって音色は変わります。

録音するホールや録音機材や録音技師によっても音が違いますし、レコード製造会社の音づくり(はしたらアカンけど)によっても音が変わります。

変数が多すぎます。結局生のピアノを聴くしかないでしょう。

宮沢明子さんの古いレコードに、愛器グロトリアンの新鮮な響きというレコードがあります。買って聴いて見ます。
by森図春人 at2012-02-14 10:36

kitatanuki様、はじめまして。 “カイ”と申します。

当方はド素人の趣味でピアノ弾きを楽しませていただいている者でして、
グロトリアンというピアノメーカーの名前は聞いたことがあり、また写真で
姿形は見たことがあったのですが、その音色は聞いたことがなかったので、
非常に興味深く拝読させていただいた次第です。


>これは、嫉妬でもなんでもなくて、ホントに重い鍵盤だと普通の人は腱鞘炎になります。ウチの家内はピアノ教師ですが、クラビノーバは鍵盤が重いので危ないと言って弾くのを敬遠してます。


以前、当方が教わっていたピアノ講師は、腱鞘炎について“ピアノ学習者なら、
まあ一度はなるものだ”とか言っていたのを思い出しました。当方は腱鞘炎になる
ほどピアノを弾きこんだ経験がないのですが、そんなものなのでしょうか。
byカイ at2012-08-18 14:57
http://community.phileweb.com/mypage/entry/2629/20120205/28548/


57. 中川隆[-6540] koaQ7Jey 2017年9月02日 17:45:55 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

上野の森のメジューエワ  GRFのある部屋2017年 09月 01日
http://tannoy.exblog.jp/28108262/


前日の金曜日は久し振りに深酒して、ワインは三人でシャンペンを含めて三本、そしてウィスキーも気がついたら封を開けていました。そんなわけで、演奏会当日の午前中は寝ていたので、家を出たのが開演一時間前、何時もならそれでも余裕で付くのですが、二日酔い気味なので日和って、駅までタクシーを待っていたら、土曜日の所為かなかなか来ません。そんなときに限って、電車は事故の影響で遅れているし、上野駅のホームに滑り込んだときは、開演5分前。上野の文化会館の小ホールの坂を上っているときには、待っている係員の方も心配されるほど。私の入場を待ってドアが閉まりました。


なんだか、何時もぎりぎりに到着している記事ばかり書いていますが、何時もはそんなことはなく、だいたい15分前には到着しています。会場前の30分以前だと外で待たされるので、開場した後ぐらいを目標ですね。川崎だと、阿佐ヶ谷から一時間以上掛かっていますから、開演前に気付け薬の白を一杯所望します。スパークリングやビールだとトイレが心配ですし・・・


そこだけ空いた自分の席に座って周りを見渡すと、回りは初老の男性陣でほぼ満席です。それでも、すぐに開演と言うことはなく、10分ぐらい経ってからメジューエワの登場です。所作が日本人的で、京都の深窓の令嬢という感じが何時もします。東京のという感じはしないのがわれながら不思議ですが。

http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=28108262&i=201708%2F31%2F99%2Ff0108399_08284434.jpg

早速、一曲目のベートーヴェンピアノソナタ27番が始まりました。目の前の1925年生のNYスタインウェイCD135が少し古めかしい音を出し始めました。今日は特に古めかしい響きで驚きました。明るい音で、和音も深いのですが、音の質が揃っていない感じがして、27番を聴いている最中は、少し心が落ち着きませんでした。

旧いNYスタインウェイでは1887年製をよく江口玲さんの演奏会で聴きます。


フィリアホールで 川久保賜紀さん GRFのある部屋
http://tannoy.exblog.jp/25156440/


モーツァルト以前には良いのですが、ベートーヴェン以降のダイナミクスが重要な曲には、現代のピアノの方がマッチすると思っています。今日のNo.135は現代と19世紀のピアノの中間ですね。ちなみに、このピアノは神戸の会社が所有してきて、東京まで輸送してきます。費用も掛かるのですが、メジュエーワの意向もあるのでしょう。


「クラシック・ニュース」ピアノイリーナ・メジューエワ 演奏生活20周年をむかえて! - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1S1Hfsnudik


この動画の最後の方で、次回以降の東京文化会館もこの楽器を演奏すると言っています。彼女の日本語は完璧ですね。


27番は、後期のベートーヴェンのソナタの入り口です。彼女も、晩年の世界への序書のつもりで弾いていると言っています。つぎの28番は、違う世界観ですから、27番の方が合っています。続いて、30番の規律正しい音、正しいだけではなく倫理的にも清々しさを感じさせる演奏は多くはありません。彼女の楽譜を読みながら演奏するスタイルにも、常にスコアと対面して、確認している演奏を感じます。スコアを見ながら弾けると言うことは、実は眼をつぶっていても弾ける技量を必要とします。彼女は、スコアと左手の間を確認にしてるようです。右手を見ることはほとんどありません。時として右手だけで弾くときは左手は指揮をするようにタイミングを示しているのです。


ピアニストほど暗譜を求められる楽器はありません。その他には、ヴァイオリンがソロを弾くときぐらいです。ピアノももちろん、他の楽器と協奏するときは、必ず譜面を見ながら弾かざるを得ないのですが、ソロの場合は、暗譜の演奏を求められるのです。譜面を見ながら演奏していた大家はもちろんリヒテルです。しかし、リヒテルの譜面の読み方は、時として感情を爆発させたときのブレーキ役として譜面を使っているように見えるのです。


メジューエワの譜面は、楽譜に音楽に誠実に、譜面による規矩を作り、それを守ることによりあの高貴な倫理性を出しているのだと思います。譜面を読みながら弾くという行為は、当たり前のように見えていて実は大変難しい演奏スタイルなのです。彼女はそれを貫き通して音楽に誠実に仕えているのでしょう。


30番の二楽章を聴くとショパンのピアノソナタの第二番の旋律を思い出します。28番が新しい時代の幕開けを感じるのは、シューベルトのピアノソナタと同じです。モーツァルトもそうですね。突き詰めていくと時代性をも越える世界に入っていくのでしょう。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=28108262&i=201708%2F31%2F99%2Ff0108399_20294905.jpg

休憩時間に、エビネンコさんとお会いしました。先日のミューザ以来です。三月のヤマハホールでのメジューエワでもお会いしましたね。


ヤマハホールのメジューエワ GRFのある部屋
http://tannoy.exblog.jp/27648506/


そういえば、その時の公演のCDが先日でました。何時もの若林工房の録音ですが、CDで聴いてもヤマハのピアノの音がします。そしてろくおんはワンポイントに近い方法なので、ホールの音の影響を凄く受けます。このホールでは、音がこもり気味ですが、その感じは良く出ていますが、ピアノの音をとるには良い環境とはいえませんね。それに、リヒテルのヤマハの音とは違うのは、チューニングの差でしょうか?チューニングと言えば、席に戻るとステージ上では、調律師がチューニングをやり直していました。やはり湿気で微妙に音がずれていたようです。音はだいぶ合ってきました。


後半の一曲目は、31番からです。最後の三曲のソナタの中では一番聴いているかもしれません。ピアニストに依って、全く違う曲のようにも聞こえます。バックハウス、ケンプ、リヒテル、ギレリス、ブレンデル、アシュケナージ、バレンボイム等々の巨匠たちの演奏を聴くたびにそう思うのです。第一楽章の出だしの優しさから、一転してベートーヴェンの世界が展開します。短いけど印象的な第二楽章のスケルツォを経て、第三楽章は複雑な構成の深いテーマから始まり、忘れられない変イ短調の『嘆きの歌』から変イ長調のフーガに移り、少しずつ盛り上がっていくところを、淡々と丁寧に、しかし、力強くメジューエワは弾いていきます。そしてあの和音の連続、そして無限の広がりをか感じさせる最後のフーガの上昇旋律。引き寄せられるように譜面の動きを追っている自分がいました。


メジューエワの譜面の読みは、イザベル・ファーストのときのようなバッハ自身の自筆の譜面を使って、ながれやダイナミクスを見ているのではなく、建築の設計図みたく音楽の構造を示しているのであり、その骨組みの中で最大限自分を爆発していくときの枠組みとして使っているのだと感じました。その意味ではリヒテルと同じですね。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=28108262&i=201709%2F02%2F99%2Ff0108399_09433886.jpg

そしてベートーヴェン特有のハ短調で書かれた最後のピアノソナタ32番が始まりました。どこから聴いてもベートーヴェンとわかる調整と構成です。ワルトシュタインやテンペストも、悲壮もすべての要素がこの最後のソナタの第一楽章を聴いているとよみがえってきます。協奏曲の皇帝のように、ピアノのフレームが軋むようにも鳴り響くのです。きわめてベートーヴェン的ですね。その意味で、1925年製のこのピアノが、メジューエワの音のサイズと合っているのではと思いました。休憩時間に調整した後の和音は破綻なく鳴り響いています。


第一楽章のきわめてベートーヴェン的な響きを終えて、第二楽章もある意味きわめてベートーヴェン的な旋律です。そして静かに変奏していくいくつものヴァリエーション、ベートーヴェンの最後のピアノソナタは、ハ長調で静かに締めくくられるのでした。その小さな日だまりのような、陽光が差してくる光がメジューエワの演奏にも感じられて幸せな気分で曲は終わりました。素晴らしい演奏でした。


イリーナ・メジューエワの日本デビュー20周年記念リサイタル Vol.1  


2017年8月26日(土) 東京文化会館小ホール
オール・ベートーヴェン・プログラム

ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第27番 ホ短調 Op.90
ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第30番 ホ長調 Op.109

【休 憩】
ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第31番 変イ長調 Op.110
ベートーヴェン|ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111

【アンコール】
ベートーヴェン|6つのバガテル〜第5曲 Op.126-5
http://tannoy.exblog.jp/28108262/


58. 中川隆[-6526] koaQ7Jey 2017年9月03日 11:55:02 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

ヤマハホールのメジューエワ GRFのある部屋 2017年 03月 19日
http://tannoy.exblog.jp/27648506/

ヤマハホールに行くには新橋駅の方が近いだろうと赤坂見附で銀座線に乗ったのが大間違い、溜池山王のホームの人多さに仰天して、なおかつ、虎ノ門と新橋のあいだは、久しぶりに超満員でつぶされました。全く身動きとれぬまま乗ったのはどのくらいぶりでしょう。新橋駅で排水溝にあふれる水のようにはき出されるまで、呼吸も困難な混み具合でした。夕方六時過ぎの官庁のかえりのラッシュアワーなのでしょうか。

杉並の家から来る場合、銀座は時間は掛かりますが、地下鉄一本でこれますから便利なところなのですが、赤坂見附で乗り換えてすこしだけでも近い方と選んだのが間違いだったようです。気を取り直して地上に出ると、暗くなった街には冷たい東の風が吹いていました。幸いにも花粉はあまり飛んでいないようです。この時期の演奏会では花粉症が最大の懸念事項ですから。

銀座のヤマハホールは、定員333名の小さなホールです。幅も比較的狭く、先日の白寿ホールよりも小さく、やはりピアノを専門に聞くホールですね。エレベータしかないホールへのアクセスが悪く、また下ろされる七階から、ホールの入り口である八階と称される二階分は優にある階段を歩かされるのが大変です。

脚の悪い方は、右側の汎用エレベーターで八階まで行けるのでしょうが、チケットはどうなるのでしょう。そしてお手洗いはその七階にしかありません。このアクセスの悪さは、四人に一人は高齢者の日本のホールとは思えない配慮のなさです。

前回の河村さんの時も、ホールの構造に驚きましたが、今回はますます嫌いなホールになりました。いざというときの避難誘導は出来るのでしょうか?


前置きが長くなりましたが、地下鉄の混雑やホールの使いにくさもちろん、演奏には関係ないのですが、次回の文化会館の方に期待しましょう。ヤマハホールですから、今日のピアノはヤマハです。

前回、名古屋で聞いたときはスタインウェイでしたが、どこかヤマハ的な響きがしたのを覚えてきます。最も彼女が尊敬するリヒテルは、ヤマハのピアノを弾いていたのですから、ロシアン・ピアニズムには合っているのかもしれません。二年ほど前のレオンスカヤもヤマハを使っていました。


http://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=27648506&i=201703%2F18%2F99%2Ff0108399_05085179.jpg


今日の席も、名古屋の時と同じようにまえから4番目、右側の席です。ピアノの響きが良く、演奏者の表情がよく見られます。演奏中譜面をみつめる彼女の端正なお顔を見ていられる特等席です。前回のショパンの時の表情は忘れられません。


「ところが、その柔らかでしとやかな印象とはうらはらに椅子に座った瞬間、目つきがまったく違い、真剣勝負の気迫がみなぎります。そして、打ち落ろされた音には、度肝を抜かれました。ショパンのボロネーズ第一番です。嬰ハ短調のショパン特有の響きが、予想を上回る音量できこえてきたからです。

久しぶりに、調音がしっかり出来て、コンサートグランドピアノ特有の腰がしっかりした音を聴いたような気がします。スタインウェイの楽器ですが、中音の厚みはヤマハのピアノの響きさえ感じます。通常の硬質で、高音がきれいなスタインウェイではありません。ペダルワークの的確さから来るのか、音の重なりと余韻のコントロールが見事で、和音がとても解りやすく聞こえます。

驚いたまま、疾風のようにボロネーズが駆け抜けていきます。二曲目のノクターンは、一転して、柔らかな響きの中に、粒立ちの良い高音の鍵がきらめいていました。そして、ワルツから、バラードの第四番です。この曲ほど、彼女の二面性を良く表している曲は無いと感じました。

静かにはじまる導入部。悲しみに満ちたショパン特有の旋律を一音一音響きを確かめながら静かに弾いていくゆったりとした時間。段々盛り上がっていくにつけ徐々に見えてくるショパンの狂気。


一瞬の全休止。

雪崩打つようにすべてが崩壊していく最後のコーダ。両手が交差しても、目だけは眼光鋭く譜面の中に没頭していく彼女の顔は、すさまじい力で、狂乱のコーダを進行してきます。驚きました。全力で弾いている彼女の背中は首から肩に掛けて、アスリートのように盛り上がり、尋常ではない力がみなぎり、格闘技のように音を切り開き、重ね合わせていきます。

眼光背紙を徹するという言葉を思い出させる気迫に溢れた鋭い、真剣で立ち向かう剣士のような殺気さえ感じる演奏でした。

驚き、感動しました。」

 

と、前回書いたとおりです。ところが、今回のシューベルトは表情が違います。真剣ですが、穏やかな表情で楽譜を見ているのです。もちろん、全音譜面を見ながら弾いていますから、視線は楽譜を追って左上から右下へ移っていきます。結果として音楽の設計図が正確に再現されていきます。空白の時間が過不足無く表現されるのです。それが安心感となって誠実に音楽が進んでいきます。


何よりも音が穏やかで柔らかい。シューベルトは音階が穏やかに繋がります。そして、時々輝いていた景色に雲がかかるように音階が微妙に動き、日が陰り悲しみが姿を現します。D.946の二曲目に現れていました。シューベルトの悲しみは、水車小屋のほとりを流れるきらきら日を浴びて輝く水の流れにも現れます。透徹した空の青さのようなモーツァルトの悲しみとは違い、幸せが移ろいで行くのです。


休憩時間は、先日の白寿ホールに引き続いてエビネンコさんと、感想を延べ合いました。彼は初めて聞くメジューエワの誠実さとエレガンスさに感銘を受けたようです。実際に彼女の真摯な演奏を聴けば誰もがそう思うことでしょう。


後半は最後のピアノソナタD.960です。若い頃リヒテルの演奏を聴き驚き感銘しました。それから、どれだけこの演奏を聴いたことでしょう。リヒテル特有の沈潜した響きでは無く、メジューエワは、むしろ大きめな音で淡々と進んでいきますが、次第に情熱が燃えてきて、裂帛の気合いに満ちてきます。一方、譜面の空間を感じているのでしょうか、音の無い時が止まり、再び動き出す休止符がとても的確だし、大空間を感じさせてくれました。長い第一楽章だけで、感情があふれてきて胸が一杯になりました。


長いソナタを、充実した時間として過ごすことが出来ました。アンコールは、アレグレットと前半の三つのピアノ曲D946の第一番の省略された部分から冒頭の繰り返しを演奏してくれました。アンコールまで統一感のとれた演奏だったと思います。メジューエワさんの礼をする姿が優雅ですね。心に残る演奏会になりました。

2017年3月17日(金) 19:00開演
ヤマハホール(東京 銀座)


シューベルト:

2つのスケルツォ D593

3つのピアノ曲(即興曲)D946

ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D960

アンコール

アレグレット ハ短調 D915 

3つのピアノ曲 D946 第一番から


Comments(4)

Commented by S.Y at 2017-03-21 11:04

GRFさま
銀座のヤマハ・ホール、満員だったのですね。
退出時のエレベーターも大混雑だったのではありませんか?
非常階段も開放されたのかなあ?
でも、あの階段も暗くて下までおりるのは大変ですね。

ヤマハホールはクラシックの生音(?)に特化していて、残響音が異常に長いと思うのですが、いかがでしたか?
僕はジャズ、ポピュラー系しか聞いていませんが、残響音が長すぎる、響きすぎると感じています。

S.Y


Commented by TANNOY-GRF at 2017-03-21 20:24

あのホールは、行きも帰りも大変です。非常ドアも少ないし、階段がとても歩きにくいです。333名でもホールを7階に作るのは反対ですね。昔のヤマハホールは良かったです。レコードコンサートにもよく行きました。おとはクラシック用で、Jazz
やポピュラーもやるのですか?


Commented by S.Y at 2017-03-22 11:34 x

GRFさま
僕が銀座のヤマハ・ホールで聞いたのはアマチュアのお稽古事の発表会ですね。
ちょいとした義理があるでおつきあいさせていただいたのでした。(笑)

ジャズやらポピュラーの演奏を想定していないような残響なので、それを知らずに雇われたPAさんが通常のライブハウス風のセッティングをしたので、大変なことになってしまいました。
音は割れてバンバン響いて、うるさいこと、うるさいこと。
まいりました。
ましてシロウトの演奏ですから・・・・。(涙)

旧ヤマハ・ホールには、隣のガス・ホールともども、映画の試写会などで何度も通いました。懐かしいですね。

本日あたりから脱亜入欧したオーディオ三点セットで交差法による位置合わせです。(フフ)
フランスのCDプレーヤー、スウェーデンのプリメインアンプ、オーストリアのスピーカー。なんちゃってEUですね。(爆)
S.Y
http://tannoy.exblog.jp/27648506/


59. 中川隆[-6073] koaQ7Jey 2017年10月24日 18:23:43 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

「2018年度版!」「YouTube」の動画を安全にダウンロードする方法について
https://www.japan-secure.com/entry/blog-entry-459.html

YouTube動画変換 - MP3、MP4、AVIダウンロード
https://www.onlinevideoconverter.com/ja/video-converter


60. 中川隆[-5722] koaQ7Jey 2017年12月24日 08:06:29 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

どっちがいいか?AAC MP3音質・汎用性・圧縮率を比較してみる
https://www.winxdvd.com/blog/saiko-aac-vs-mp3.htm

音声ファイル形式といったら普段はAACとMP3をよく耳にする。音楽配信サービスからダウンロードした楽曲や、YouTubeなどのサイトに投稿された動画や、携帯電話向けの着うたなどでもAACかMP3形式が採用される。ではMP3 AACどっちがいいのか?迷っているんだよね。今回は音質・圧縮率・汎用性などを比較してAACとMP3の違いを解説し、AAC MP3変換の方法も紹介するよ。


AACとMP3の違いは?

MP3とは、MPEG Audio Layer 3規格によって音声データの圧縮方式の一つ。拡張子は.MP3。
高い圧縮率ながらも音質の劣化はほとんど発生しなくて、更に320kbpsのMP3とCD、FLAC、APE(圧縮していない音源)の 音質と比べて人間の耳でまったく聞き分けられない。一方、MP3を発明したドイツのフラウンホーファー研究所が4月23日、MP3に関連する各種特許の保護期間が終了したと発表。

AACとは、MP3と同じで音声データを扱うための圧縮方式の一つ。拡張子としては、標準的な.aacのほか、.m4a、..3gp、.m4p、m4r、.f4vなどもよく用いる。1997年開発された音声規格AACはMP3の後継形式として策定され、MP3よりも更なる高品質化・高圧縮化の音を提供できる。iPodおよびiTunesが標準でAACを使用することを発端に、次世代DVDの音声規格として普及してきた。

AACとMP3の違い MP3 AACどっち AAC MP3音質


YouTubeからMP3へ動画ダウンロード・変換ししたい!

オススメの最適なソリューション:
WinX HD Video Converter Deluxe -迅速にYouTubeの音楽をMP3に無料で変換保存できる。初心者でも操作しやすい!

MP3対 AAC比較 AAC MP3変換

1AACとMP3の違い:AAC MP3どっちの音質のほうがいいがいいのか?

誰でも知っている通り、AACとMP3は非可逆圧縮方式を採用されたから、CD、FLAC、APEといったロスレス形式の音声ファイルと比べると音質の差が少々ある。ではMP3対 AAC比較したら、AAC MP3音質ってどっちが上なのか?実は非可逆圧縮の音源に対しては、ビットレート値が高いなるほど音質が良くなり、逆に低くなるほど劣化される一方、上限周波数も音質に影響を与える。ここでは圧縮しない曲をAAC MP3変換してみて、右画像にように、CBR(固定ビットレート)モードで、ビットレートが192kbps以上なら、AACの上限周波数はMP3より少ない。ビットレートが160kbpsになると、MP3とAACの上限周波数は約19KHz。ビットレートが128kbpsになると、AACの上限周波数はMP3を大幅に超えた。というこで、理論上ではAAC MP3音質比較するなら、MP3高ビートを勧めて、ビットレートが160kbps以下であればAACほうがいい。

一方、実際には256kbpsのAAC は320kbpsのMP3と同じ程度のクオリティと持っている。ビットレートが低いと、MP3エンコードする時高域周波数がカットされて、楽曲においての楽器の高周波倍音も損なわれる。切り捨てられる音が人間の耳で普通に聞き取れないが音の立ち上がりや質感がやや劣る。AACでは48の全帯域幅(最大96kHz)音声チャンネル対応でき、16の低周波サウンドトラックも含めることができて、DVDの次世代標準された音声符号化規格となっている。

まとめ:AAC MP3音質比較:AAC > MP3

【関連記事】H.264(AVC)対H.265(HEVC)、H264とH265ファイルの違いは何ですか?
https://www.winxdvd.com/blog/saiko-h265-vs-h264.htm


AACとMP3の違い

2 AACとMP3の違い:音声の圧縮率はMP3 AACどっちが一番高いのか?

MP3エンコードする場合は、非圧縮音声データ量を最大約1/10〜1/12のサイズに圧縮するだけではなく、低周波数帯域のゆがみも極めて少ない。12KHz〜16KHzといった高域周波数を犠牲にすればさらに高い圧縮率を得ることもできる。

AACは高圧縮高品質の代表のようなコーデックとして、エンコードする場合は、非圧縮音声データ量を最大約1/20のサイズまで圧縮し、MP3の圧縮率を大幅に超えた。右側の表から明らかなように、AACとMP3は低ビットレートで同じなサイズを持ち、高ビットレートでAACサイズがはるかに小さくなっている。

まとめ: 圧縮率でMP3 AACどっちがいい:AAC > MP3


3 AACとMP3の違い:汎用性・用途でMP3対 AAC比較してみる

MP3は今最も広く知られ普及している音声形式として、汎用性も高くてほとんど全てのデジタルオーディオプレーヤー、モバイル端末に対応できる。それにエンコード・デコード速度もAACより速いし、ID3タグ情報も編集しやすいし、数百曲の音楽も短い時間でエンコード・デコードすることができるたため、音楽愛好家の間で長く流行をつづける。でも著作権保護機能がないから、MP3音楽ファイルの不正コピー、ネット通じて不正配布、交換も問題となっている。

1997年開発された音声規格AACはMP3を超えるためのだが、色々な原因で普及が進まなってしまった。けれど音質・圧縮率に優れるのメリットで徐々に知られるようになってきているにつれて、AACはiPhone、iPod、iPad、iTunes、Nintendo端末、PlayStationなどのデバイスにおける標準の音声フォーマットになる。またApple Musicといった音楽配信サービスにもAAC形式を採用する。


まとめ:汎用性でMP3 AACどっちがいい:MP3 > AAC


追記:AAC MP3変換に関するフリーソフト&サイトオススメ


MP3 AACどっち

WinX HD Video Converter Deluxe:シンプルで使いやすい!YouTube、FC2、ニコ動などのサイトから好きな音楽・曲を勝手気ままダウンロードしてAAC、MP3に変換することができる。
https://www.winxdvd.com/hd-video-converter-deluxe/index-jp.htm


AAC MP3音質 MP3対 AAC比較

AAC MP3変換
online-convert:サイトの表記は英語だが、ビットレートやサンプリング周波数、音声チャンネルも設定可能で簡単にAAC MP3変換することができる。

URL:http://audio.online-convert.com/convert-to-aac


61. 中川隆[-12480] koaQ7Jey 2018年5月21日 03:07:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14107]
多くのスピーカーは、ピアノの立ち上がりが遅く、打鍵感がスッキリしない。
また、ピアノの響きも濁りやすい。

ここでピアノの濁りについてわかりやすくするために、少し音階について説明する。

「純正律」という音階がある。

純正律の音階は、それぞれが完全に割り切れる倍数の関係にあり、複雑に音が重なっても澄み切ったハーモニーが生み出される。

しかし、純正律では「転調や移調」が非常に困難になるため、一般的には、1オクターブを単純に12分割して得られる「平均律」が使われる。

楽器には、バイオリンのようなフレットを持たない弦楽器のように奏者が音階を自由にコントロールできるものと、鍵盤楽器のように奏者が音階を変えられないものがある。

キーに応じて音階(発生する周波数)が決められている鍵盤楽器から複数の音を出したとき、響きには割り切れない周波数の「唸り」が生じる。

しかも、ギターのように音源が少ない楽器(ギターの弦は6本)とは違い、ピアノは100本を超える弦(音源)が同時に共振する。ピアノから良い音を引き出すには、それらの響きを「上手く混ぜる」ことが重要になる。

ピアニストのタッチでもその響きは変わるし、もちろん会場の温度や湿度でも音が変わる。熟練の調律師は、この「唸り」を絶妙に分散して、それをピアノの「味わい」に変えている。

本来は濁っている音を澄み切った響きとして聞かせているピアノの音をオーディオで再現するときに、スピーカーを始めとする再生系に「よけいな響き(人間に不愉快な響き、楽器のが発生する振動とは違う成分の響き)」が発生していると、その音が「複雑だけど美しい音」から「濁って不快な音」に変わってしまう。

大きなスピーカー(キャビネット)から生まれる響きは大きいが、小さいスピーカーからは小さな響きしか生まれない。LS-3/5a はこの小型スピーカーの利点の大いに生かし、ピアノを濁らせずに再現するという難しい仕事をいとも簡単にこなしてしまう。当然、ピアノよりも響きのシンプルな人間の声も美しさもすばらしい。

LS-3/5a が聞かせる 500Miles は、演奏が生きている。アーチストの魂が見えるような音が鳴る。この音を聞いてしまえば、ほかのスピーカーでボーカルを聞きたくなくなるほど、素晴らしい音だ。
https://www.ippinkan.com/LS35_59_58.htm


62. 中川隆[-12499] koaQ7Jey 2018年5月21日 07:23:57 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-14131]

ピアノには100を超える弦が張られていますが、それらは「平均律」という「割り切れない音階」でチューニングされています。

そのため複数の音を同時に鳴らしたとき、ピアノの音は必ず「濁り」を生じます。

調律とはピアノの音を正確に合わせるだけではなく、この「割り切れない濁り」をどれだけ「味わい」に変えるかが腕の見せ所。

それを環境(温度や湿度)と演奏者(ピアニストの好み)に合わせます。

けれどスピーカーに濁り(キャビネットやユニットの共振)があると、ピアノの音は不必要に濁り、その美しさが損なわれます。

現代的な高性能スピーカー、TAD R1 Mark2 や MAGICO は技術的にこの問題を解決し「共振を極限まで低減」することで美しいピアノを再生します。

しかし、そういう技術がなかった当時は「スピーカーの共振を楽器になぞらえる」ことで、美しい響きを生み出していたのです。

LS-5/8 は共振しますが、その共振は楽器の響きと完全に一体となり、私達には楽器の音とスピーカーの共振を聞き分けることができません。これが、冒頭から言い続けていた「魔法」の正体です。
https://www.ippinkan.com/LS35_59_58.htm


63. 中川隆[-13749] koaQ7Jey 2018年12月08日 09:22:22 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21841] 報告
2018年 12月 07日
週末は上野にメジューエワのドビュッシーを GRFのある部屋
https://tannoy.exblog.jp/30205596/


先週末の土曜日はもう12月に入っていました。相変わらず暖かく、昼過ぎに出かける時に、夜になったら寒くなるかもと、薄いセーターを上着の下に着てきましたが、電車の中では暑くなって困りました。三日前の北海道も、異常なぐらいな暑さでしたから、いよいよ地球温暖化の影響が出ててきたようです。


今日は待望のメジューエワのドビュッシーです。椀方さんがメジューエワを一回も聴かれていないと言うことなので、関西地方の琵琶湖の演奏会をお薦めしていたのですが、その時の演奏曲目が、没後100年記念のオールドビュッシーのプログラムでした。メジューエワの最初のCDがドビュッシーだったこともあり、私もドビュッシーを実際に聴いてみたいので、今日の公演を探し出し随分も前に購入しました。


その後、椀方さんが急用で行けなくなったという連絡を受けて、思い出してこの演奏会のチケットを確認したところ、発券用のメールが見つからず、焦りました。メールで購入する場合、手続きの途中で、手続きを中断するときもあるからです。しかし、メジューエワの演奏会をやめることはないので、焦ってまた申し込んだのが10月頃でした。


先週の出張前に家人から、今週末はチケットが郵便で送られている上野の演奏会だから、忘れないようにといわれました。


えっ!郵便で送られている?


それでコンビニ発券用のメールがなかったのだとようやく納得しました。老人力もますます磨きが掛かってきています(苦笑)。折角だから家人も誘ってみると、その日は、上野で展覧会を見てそのあと六義園のナイトショーで紅葉を観に行く予定だそうです。無理言って、フェルメールと夜の紅葉鑑賞の間にメジューエワの演奏会をいれてもらいました。食事付きです。家人は随分と豪華な週末になったようです(笑)。


https://tannoy.exblog.jp/iv/detail/?s=30205596&i=201812%2F07%2F99%2Ff0108399_11014256.jpg


そんなわけで、別々の席で聴いたわけですが、前から七番目のJ列は同じでした。しかし、メジューエワ来日20周年記念の三回の公演は、前から二列目と三列目でしたから、四列下がるだけでピアノの音が随分と違うと演奏が始まって気がつきました。音が来ないのです。


ドビュッシーの曲にはピアノの選定も大切な要素です。琵琶湖の時は、1927年製のエラールを選んだようです。今回は1922年製のNYスタインウェイです。どちらも時代背景は合っていますので、期待してきたのですが、音が小さい、冴えがない、和音の響きが薄い!冒頭の曲はそういう曲でもあるので、まだ彼女の調子が出ていない所為なのかと、しばらく聴いていましたが、どうもぱっとしません。期待の「沈める寺」まで来て、今日の演奏は今までの中で一番つまらないと感じました。彼女らしい気迫が表れないのです。


めずらしいこともあります。今日で彼女の演奏会は6回目ですが、ここまではっきりしない演奏も初めてです。前回がリストとラフマニノフ、その前がショパンでした。三回連続の上野での公演でも、最初のベートーヴェンの前半も少し音がずれていた記憶があります。彼女の演奏には正確な音のチューニングが必要です。それはわかっているのでしょうが、毎回、第一部での音が少しズレ気味なのも気になります。


古楽器の所為だからでしょうか?それならば管理している側でしっかりと音を合わせて貰いたいと思うのです。もっとも、ドビュッシーの前奏曲集の第一巻は、第二巻の濃密な構成とは違って、風が吹くような曲でもありますから、ショパンやラフマニノフのような力は入っていません。それでも、第一部だけ聴いていると、彼女の調子が上がらない所為かとも思いました。また、このところの一年間で四回も聴いてきたため彼女の演奏スタイルに飽きてきたのかとさえ思っていたのです。印象は、皆同じで、家人もヤマハホールの時の演奏とは随分と違うと印象を語っていました。


ところが、第二部の「映像」の第一集が始まるとその印象が変わり始めました。「映像」の第二集になると、ようやく彼女本来の響きが出てきました。左手の弾き方が、音があってきたのか柔らかく、奥行きのある音を出し始めたのです。二部最後の「喜びの島」になると、ドビュッシーの音の整合性というか、響きの調和というのか、音の純度が上がってきました。


二回目の休み時間でも、そうとう調律を追い込んでいました。それだけ、ずれるのなら、もっと弾き込んで音の安定性が出てから演奏会を始めて欲しいと思います。これは、ピアノを貸し出している会社の責任です。


第三部の前奏曲集第二巻は最初の「霧」の音からして違います。やわらかく散らばる分散音が霧の柔らかさを現し始めました。次の「枯葉」の和音も、ヴィーノと妖精のいきいきとした旋律も浮かび上がってきました。そうで、これがメジューエワのドビュッシーですね。


そのままどんどんと加速して、ふかみとダイナミックさも増し、最終局の「花火」は見事な演奏でした。演奏に乗ったときの彼女は、まったく超人的な境地に入るのです。この一曲を聴けただけでも、今日も来て良かったと思いました。


アンコールの二曲目は、「月の光」でした。花火で燃え上がった内部の炎をみずから沈めていくような滋味深い響きが出ていました。良かったです。


会場の外に出てもまだ暖かく、和風洋食屋さんで夕食をとった後、六義園に行く家人と別れて、大江戸線でのんびりと新宿まで戻り、今日は暖かいので、手前の新高円寺で降りて、近所からどんどん姿を消してしまった本屋さんに寄り、新刊書を探そうとしましたが、阿佐ヶ谷にあった大型店ほどの品揃えはないので少しがっかりしました。阿佐ヶ谷でも四軒あった新刊書をおいてある本屋さんは一軒だけになりました。


淋しいですね。

日時:2018年12月1日

場所:東京文化会館小ホール

ピアノ:イリーナ・メジューエワ


第1部: 前奏曲集 第1巻

     第1曲 デルフィの舞姫たち

     第2曲

     第3曲 野を渡る風

     第4曲 音と香りは夕暮れの大気に漂う

     第5曲 アナカプリの丘

     第6曲 雪の上の足跡

     第7曲 西風の見たもの

     第8曲 亜麻色の髪の乙女

     第9曲 とだえたセレナード

     第10曲 沈める寺

     第11曲 パックの踊り

     第12曲 ミンストレル


《休憩》


第2部: 映像 第1集

     水に反映

     ラモーを賛えて

     運動


    映像 第2集

     葉ずえを渡る鐘の音

     そして月は廃寺に落ちる

     金色の魚


    喜びの島


《休憩》


第3部: 前奏曲集 第2巻


     第1曲 霧

     第2曲 枯葉

     第3曲 ヴィーノの門

     第4曲 妖精は良い踊り子

     第5曲 ヒースの茂る荒れ地

     第6曲 風変わりなラヴィーヌ将軍

     第7曲 月の光がふりそそぐテラス

     第8曲 オンディーヌ(水の精)

     第9曲 ピックウィック卿を讃えて

     第10曲 カノープ

     第11曲 交代する3度

     第12曲 花火


《アンコール》


   ピアノのための12の練習曲 から 第11番 変イ長調

   ベルガマスク組曲から 第3曲 月の光変ニ長調

使用楽器:1922年製 NY STEINWAY "Art-Vintage"
https://tannoy.exblog.jp/30205596/

64. 中川隆[-13748] koaQ7Jey 2018年12月08日 09:25:08 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-21841] 報告

GRFのある部屋 "メジューエワ" の検索結果
https://www.exblog.jp/search/?blogid=1020108399&t=0&q=%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%A8%E3%83%AF
65. 中川隆[-12896] koaQ7Jey 2019年1月18日 14:14:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告

ピアノの音響特性 - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%AE%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E7%89%B9%E6%80%A7

▲△▽▼


音階の周波数
https://tomari.org/main/java/oto.html


音階は、「音を高低の順番に並べたもの」あり、音の高低は周波数で表します。

音は、周波数が半分になると1オクターブ低くなり、周波数が倍になると1オクターブ高くなります。

1オクターブには12の音があり

(@ド、Aド#(レ♭)、Bレ、Cレ#(ミ♭)、Dミ、Eファ、Fファ#(ソ♭)、Gソ、Hソ#(ラ♭)、Iラ、Jラ#(シ♭)、Kシ)、

その12の音は、隣り合う半音間での周波数の比率が同じです。
(音階に対して等比数列的に増える)

音の周波数を a0,a1,a2・・・・a12 とし、この等比数列の公比をrとすると、

a12 = a0r12 = 2a0 であるから、r12 = 2 より r=12√2(r=1.059463094)、

よって

an =a0rn = a0*(2(1/12))n

となります。

通常常音階の基準音として使用される「ラ」の音 (ピアノ鍵盤の49番目) は、440Hz の音が使われております。

この基準音階周波数と上記の式より、ピアノの鍵盤(通常88)の周波数を計算すると下記の表になります。音のサンプル波形は正弦波形です。


ピアノの鍵盤の音階と周波数

鍵盤番号 周波数(Hz) 音階名※

1 27.500 ラ A0
2 29.135 A#0
3 30.868 シ B0
4 32.703 ド C1
5 34.648 C#1
6 36.708 レ D1
7 38.891 D#1
8 41.203 ミ E1
9 43.654 ファ F1
10 46.249 F#1
11 48.999 ソ G1
12 51.913 G#1
13 55.000 ラ A1
14 58.270 A#1
15 61.735 シ B1
16 65.406 ド C2
17 69.296 C#2
18 73.416 レ D2
19 77.782 D#2
20 82.407 ミ E2
21 87.307 ファ F2
22 92.499 F#2
23 97.999 ソ G2
24 103.826 G#2
25 110.000 ラ A2
26 116.541 A#2
27 123.471 シ B2
28 130.813 ド C3
29 138.591 C#3
30 146.832 レ D3
31 155.563 D#3
32 164.814 ミ E3
33 174.614 ファ F3
34 184.997 F#3
35 195.998 ソ G3
36 207.652 G#3
37 220.000 ラ A3
38 233.082 A#3
39 246.942 シ B3
40 261.626 ド C4
41 277.183 C#4
42 293.665 レ D4
43 311.127 D#4
44 329.628 ミ E4
45 349.228 ファ F
46 369.994 F#4
47 391.995 ソ G4
48 415.305 G#4
49 440.000 ラ A4
50 466.164 A#4
51 493.883 シ B4
52 523.251 ド C5
53 554.365 C#5
54 587.330 レ D5
55 622.254 D#5
56 659.255 ミ E5
57 698.456 ファ F5
58 739.989 F#5
59 783.991 ソ G5
60 830.609 G#5
61 880.000 ラ A5
62 932.328 A#5
63 987.767 シ B5
64 1046.502 ド C6
65 1108.731 C#6
66 1174.659 レ D6
67 1244.508 D#6
68 1318.510 ミ E6
69 1396.913 ファ F6
70 1479.978 F#6
71 1567.982 ソ G6
72 1661.219 G#6
73 1760.000 ラ A6
74 1864.655 A#6
75 1975.533 シ B6
76 2093.005 ド C7
77 2217.461 C#7
78 2349.318 レ D7
79 2489.016 D#7
80 2637.020 ミ E7
81 2793.826 ファ F7
82 2959.955 F#7
83 3135.963 ソ G7
84 3322.438 G#7
85 3520.000 ラ A7
86 3729.310 A#7
87 3951.066 シ B7
88 4186.009 ド C8


※音階名は国際式音名表記です。

人間が聞くことが出来る周波数は、個人差や年齢差はありますが20Hz〜20000Hzと言われています。

聴力は年齢を重ねるとともに衰えていき、とくに高い周波数の音が聞こえづらくなっていき、15000Hz以上の音は20代後半ごろよりだんだん聞こえなくなるようです。

下記の周波数音も、どのように聞こえるかお試しください。


https://tomari.org/main/java/oto.html


▲△▽▼


ピアノの一番低い音は聞こえない
http://myamada.my.coocan.jp/003-piano.html


楽器の音というと,心地よく聴けて当然と思っていた.しかも,誰もが聞いたことがあるピアノが出す音ならば聞こえて至極当然だ.しかし,驚いたことに3割の人にはピアノの一番低い音(一番左端の白鍵)の周波数(27.5Hz)(参照)の音が全く聞こえていないし,残りの7割の人にもあまりはっきりとは聞こえていない.
 
人の可聴域は 20Hz〜20000Hz ときく.可聴域には個人差があるし,高齢になると高音域が聞こえにくくなるので,誰にでも 20Hz〜20000Hz が聴こえるわけではない.よく話題に上るのは,お年寄りが耳が遠くなって大声を出さないと会話できなくなることだ.私の父も,普段はテレビを高音域を強めに調整して且つ大音量で鳴らしている.母は父より耳が聞こえるのでその音量に少々げんなりしているようだ.たまに帰省したときは,少し音量を下げてもらったり,耳栓をしたりしている.要するに,可聴域というと高音域側が問題になることが多い.
 
「可聴域と音程の判別能力」について記述したサイトによると,138名へのアンケート調査(有効回答の年齢幅は5〜56才)で,可聴域の上限は,およそ 9000Hz〜22000Hz で,平均は約 18000Hz とのこと.また,別のサイトで可聴域の年齢テストをやってみたら,私は 16000Hz までは辛うじて聞こえた(音程の違いは判らなくて,鳴っていること だけが判る)が,17000Hz は全く聞こえなかった.さらに,また別のサイトの可聴周波数域チェッカで自分の可聴域をチェックすると 13750Hz だった.2つのテストで少々結果が違うのだが,聴こえる高い音には限界があるということは実感できた.音程が非常に高い音や非常に低い音は,アンプやスピーカーの特性によっては鳴りにくいことも考えられるので,正確にはちゃんとしたスピーカーでテストした方がよい(今回は,PC用のスピーカーでやったので鳴りにくかったということはあり得る).いずれにしても,ピアノや他の楽器の一番高い音は 4000Hz 程度なので,健常者には充分に聴こえる周波数だ.
 
さて,本題の低音側だが,上記サイトによると,可聴域の下限は,およそ 11Hz〜73Hz で,バラつきが大きく,年齢による傾向は特に認められないとのこと.私がここに掲載されていたグラフの点を数えてみると,下限が30Hz以上の人は(2点以上が重なっているものは1点として数えた),16人/57人=0.281 となった.つまり,約3割の人は30Hzの低音が(音量をいくら大きくしても)全く聞こえない.私の場合,低音に関しても,可聴周波数域チェッカで自分の可聴域をチェックしてみると(10Hzきざみ),30Hz は何とか聴こえたが,20Hz は音量を上げても全く聴こえなかった.こんな私には,いったいピアノの最低音 27.5Hz が聴こえているのだろうか?
 
そんなことを考えながら,家のピアノの一番左側のキーを叩いて耳を澄ましてみると,最低音のあたりは「ビーン」という雑音ばかりが目立ち,ピアノらしい澄んだ音色とは掛け離れた音であることにあらためて気づく.以前から,ピアノの一番低い音の辺りはビンビンした音で,あまりきれいな音ではないなあと感じており,ピアノの性能が悪いのが低音の音色の悪い原因と思っていた.しかし,実は自分の耳が悪かったためなのかもしれない.きっと倍音ばかりが聴こえていて肝心の基音がほとんど聴こえていないのだ.今まで,聴こえている気がしていただけだったのか‥‥‥ (;_;)
 
ネットで調べていて,ピアノよりも低い音がでる楽器を見つけた.ベーゼンドルファー社のピアノには,一般的なピアノの最低音のラ(27.5Hz)よりさらに低音のド(16Hz)まで出るものがあるという.16Hzになると過半数の人が聴こえないのではないか.そして,極めつけは,パイプ・オルガンで,さらに1オクターブ下のド(8Hz)の音が出るものがあるらしい.ここまでになると殆どの人が聴こえないはずだ.だいたい,8Hzというと,1秒間に8回だ.太鼓を1秒間に8回叩くぐらいなら私にもできるが,それによって聴こえる超低周波音だ.何か聴こえる人いますか?
http://myamada.my.coocan.jp/003-piano.html

▲△▽▼


CDのスペクトラム(周波数帯域) Uploaded Jan.28th,2010
http://web1.kcn.jp/oshikuma_lab/theatertopics4.html


市販CDソース(新旧)の中から優秀録音と思われるものを含めてそのスペクトラムを調べて各々のソースに必要とされる帯域とそのピークエネルギ−に対する情報を得ることにする。測定は各ジャンル毎に分類して行った。測定サンプル数は多くないが傾向を把握することができる。詳細な測定結果を次に示す。


1) オーケストラのスペクトラムは全帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっている。フルバンドジャズやフュージョンのスペクトラムは広帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっており、オーケストラ同様に全体のバランスをチェックする目的に適している。


2) 大太鼓の基音は約40Hzであるから、大太鼓を十分再生するには40Hz以上の再生帯域が必要である。一方、オルガン曲では、測定した2曲共にアナログ録音であるが、約30Hzから録音されている。オルガン曲を十分再生するには30Hz以上の再生帯域が必要である。


3) オーケストラやフルバンドジャズのピーク音圧は高いので、広帯域特性とダイナミックレンジを備えたスピーカを選択することが必要である。


4) これらとは対照的に小編成のジャズ、室内楽、ソロ楽器、ボーカルの帯域は相対的に狭いので、広帯域でなくとも必要とする帯域をカバーするスピーカであれば大きな問題は発生しないと思われる。

かって、故池田圭氏宅で男性ボーカル録音をWE555で試聴したことがあったが、再生帯域上の問題は感じられず堂々とした再生音が得られていたと記憶している(WE555+15Aホーンの組み合わせによる音圧周波数特性は 5kHz以上でロールオフ特性となるが、高音域成分の少ない男性ボーカル帯域を再生する目的には特性上の問題は少ない)。


5) (1)、(4)からスピーカ再生帯域は、通常言われているクラシック向き、ジャズ向きという分類でなく、種類や編成によることがわかる。

以下の測定では、測定用として特性を管理したCDプレーヤと半導体アンプ(プリ部)を用いて、プリ出力として得られる各曲のピーク値を記録している。


オーケストラ

スペクトラムは全帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっているため、全体のバランスをみる目的に適している。

橙: ミネソタオーケストラ/RR907CD/Track7(Tchaikovsky/Hopak from Mazeppa)/Eiji Oue
緑: ドイツグラモフォンベストレコーディング(Stereo Sound Reference Record Vol.9)/C30G00102/Track10&11(ストラヴィンスキー火の鳥)/ブーレーズ指揮、シカゴ交響楽団
紫: ワーグナー ニベルングの指輪/SICC20008/Track2(ワルキューレの騎行)/ジョージ・セル指揮, クリーブランドオーケストラ
黄: ストラビンスキー春の祭典/SICC 20040/Track2-3/ブーレーズ指揮,クリーブランドオーケストラ
青: ベートーベン前奏曲集/TDGD90013/Track2(Coriolan)/サー・コリン・デイヴィス指揮, バイエルン放送交響楽団

室内楽

測定した2曲の帯域は狭く高域のエネルギーが少ない。広帯域特性よりも質感の再生が重要となってくる。

緑: モーツァルト ピアノトリオ/UCCG-1285/Track7/アンネ・ソフィー・ムター, アンドレ・プレヴィン, ダニエル・ミュラー・ショット
紫: ヴィヴァルディ 四季/UCCP-9057/Track1(春 第一楽章)/イ・ムジチ

オルガン

2曲共にアナログ録音であるが、約30Hzから録音されており、低域テスト用として十分である。

緑: サンサーンス交響曲第3番/3UCCD7056/Track2/エルネスト・アンセルメ指揮, スイス・ロマンド管弦楽団
紫: 菅野レコーディング Best Sound Selection/SSSA1(TGGS119)/Track2(JSバッハ/オルガン・コラール)

ピアノ曲

測定した3曲のスペクトラムは、非常によく似ており、帯域は70Hz-数kHzとなっている。

紫: リスト 超絶技巧練習曲/UCCG-1440/Track13(ラ・カンパネラ)/アリス=紗良オット
緑: 献呈/TOCE55880/Track3(ショパン 幻想即興曲)/蔵島由貴
橙: Stereo Sound Best Sound Selection柳沢功力/SSRR1/Track7(シューベルト 楽興の時)/内田光子

弦楽器(ソロ)

バイオリンソロに比べてチェロソロは低域に伸びており、しかも高域にもスペクトラムが広がっている。スペクトラムの観点からみるとチェロがソロ楽器として全帯域のスムーズなつながりのテストに用いることができる。

緑: バッハ & イザイ/NF-53002/Track7(Obsession)/ジョゼフ・リン(violin)
紫: 菅野レコーディング Best Sound Selection/SSSA1(TGGS119)/Track1(パガニーニの主題による変奏曲/ヤーノシュ・シュタルケル(cello))

女性ボーカル

4曲/4人とも非常によく似た狭帯域スペクトラムとなっている。8kHz付近のピークに違いがありレベルこそ低いものの声の特徴に影響を与える(聴感上の違いと一致する)。ボーカルを生かすために伴奏のエネルギーが控えめとなっていることが読み取れる。

紫: イタリア歌曲集/POCL1753/Track1(アラゴネーゼ)/チェチーリア・バルトリ(メッゾ・ソプラノ)
青: スペイン歌曲集/457 726/Track4(エリザベート・シュワルツコップ(ソプラノ))
橙: 鮫島有美子/SD104/Track2(この道)
緑: さくら横丁/VICC60276-3/Track3(からたちの花)/佐藤美枝子

男性ボーカル

男性ボーカルは女性ボーカルに比べて数100Hzのエネルギーが大きいことが特徴であり、この帯域の再生能力が影響する。また、5-10kHz付近のピークはレベルこそ低いものの声の特徴に影響を与える。

緑: ロンドンベストレコーディング(Stereo Sound Reference Record Vol.9)/C30L00101/Track4(ペーター・シュライアー(バリトン))
紫: スペイン歌曲集/457 726/Track1(ディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウ(バリトン))

ジャズ&フュージョン

フルバンドジャズやフュージョンのスペクトラムは広帯域(35Hz-20kHz)にわたり概ね一様となっており、オーケストラ同様に全体のバランスをチェックする目的に適している。オーケストラやジャズのピーク音圧は高いので、広帯域かつ大音圧再生可能なスピーカを選択することが必要である。

一方、これらとは対照的に、小編成のジャズの帯域は50Hz-5kHzに偏っており、新旧録音で大差ない。そのため、古典的な30-38cmシングルコーンでも再生できそうな特性である。

緑: My Funny Valentine/TKCV-35348/Track6(It's all right with me)/Eddie Higgins Quartet
紫: 甦るビッグバンドサウンド/MLZJ2001/Track10(シング・シング・シング)/角田健一ビッグバンド
橙: マーカスミラー/VICJ-61266/Track9(シルバー・レイン)
青: Alfie/A9111/Track1(Alfie's Theme)/Sonny Rollins with orchestra conducted by Oliver Nelson


ポップス

スペクトラムの主要な帯域は、50Hz-5kHz程度で低域のエネルギーを必要する一方、高域にかけてなだらかに減衰する。中低域中心の伴奏とボーカルという構成となっているためと思われる。

緑: ビートルズフォアエバー(1993年版)/UND-2/Track3(Rock and Roll Music)/ザ・ビートルズ
橙: Stereo Sound Best Sound Selection ノンサッチ/SSRR2(WQCP745)/Track1(After the Gold Rush)/k.d.Lang
青: Stereo Sound Best Sound Selection ノンサッチ/SSRR2(WQCP745)/Track8(Tan Bi)/Youssou N'Dour
紫: 大吟醸/YCCW0034/Track8(時代)/中島みゆき
黄: Taking a Chance on Love/SICP 632/Track5(I won't dance)/Jane Monheit, Michael Buble

http://web1.kcn.jp/oshikuma_lab/theatertopics4.html


66. 中川隆[-12894] koaQ7Jey 2019年1月18日 14:17:53 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告

耳トレ!


耳トレ!-こちら難聴・耳鳴り外来です。 – 2011/10/3 中川雅文 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E8%80%B3%E3%83%88%E3%83%AC-%E3%81%93%E3%81%A1%E3%82%89%E9%9B%A3%E8%81%B4%E3%83%BB%E8%80%B3%E9%B3%B4%E3%82%8A%E5%A4%96%E6%9D%A5%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82-%E4%B8%AD%E5%B7%9D%E9%9B%85%E6%96%87/dp/476781202X

                      

大学教授で現役のお医者さんが書いたこの本には「耳の健康」に対する情報が満載で実に”ため”になる本だった。


☆ 日本語は世界一「難聴者」にやさしい言語

どの国の言語にもそれぞれ固有の周波数帯というものがあり、母国の言語を繰り返し聞いて育つうちにその周波数帯以外の音を言語として聞き取る脳の感受性が失われていく。

そのため生後11歳くらいまでには母国語を聞いたり発音する能力に特化した脳が出来上がる。

日本語で頻繁に使われる周波数帯は125〜1500ヘルツで、英語は200〜12000ヘルツと随分と違う。日本語は世界の言語の中でもっとも低い周波数帯の言語で、英語は世界一高い周波数帯の言語である。

したがって、英語民族は高齢になると早い段階で高い音が聞き取りにくくなって不自由を感じるが、日本人はすぐには不自由を感じない。その点で日本語は世界一難聴者にやさしい言語である。

※ これは一人で二か国の言語を操るバイリンガルの「臨界期」が10歳前後と言われる所以でもある。また、英語圏の国で製作されたアンプやスピーカーなどのオーディオ製品には、高音域にデリカシーな響きをもったものが多いが、これで謎の一端が解けたような気がする。その一方で、とかく高音域に鈍感な日本人、ひいては日本のオーディオ製品の特徴も浮かび上がる。


☆ 聴力の限界とは

音の高い・低いを表す単位がヘルツなら、音の強さや大きさ(=音圧レベル)は「デシベル(dB)」であらわす。

人間が耳で聞き取ることのできる周波数の範囲は「20〜2万ヘルツ(空気中の1秒間の振動が20回〜2万回)」の間とされているが、イルカやコウモリなどは耳の形や構造が違うのでこの範囲外の超音波でさえ簡単に聞き取れる。

ただし人間の場合は20ヘルツ以下の音は聴覚ではなく体性感覚(皮膚感覚)で感じ取り、2万ヘルツ以上の音(モスキート音)は光や色として感じ取りその情報を脳に伝えている。

※ 人間の耳は一人ひとりその形も構造も微妙に違うし、音を認知する脳の中味だって生まれつき違う。したがって同じオーディオ装置の音を聴いたとしても各人によって受け止め方が千差万別というのが改めてよくわかる。

自分でいくら「いい音だ」と思ってみても、他人にとっては「それほどでもない」という日常茶飯事のように起こる悲劇(?)もこれで一応説明がつくが、音に光や色彩感覚があるように感じるのは超高音域のせいだったのだ!


☆ 音が脳に伝わるまでの流れ

耳から入った空気の振動は外耳道と呼ばれる耳の穴を通り、アナログ的に増幅されて鼓膜に伝わり、アブミ骨などの小さな骨に伝わってリンパ液のプールである蝸牛へ。そこで有毛細胞によって振動が電気信号に変換され、聴神経から脳に伝わる。これで耳の中の伝達経路はひとまず終了。

この電気信号が言語や感情と結びついた「意味のある音」として認識されるまでにはもう少し脳内での旅が続く。

電気信号が聴神経や脳幹を経て脳内に入ると、まず、大脳の中心部にある「視床」に送られる。ここは、脳内の情報伝達の玄関口となっている。視覚、聴覚、皮膚感覚などあらゆる感覚情報が必ず通る場所で、単純に音だけを聴いているつもりでも、様々な感覚情報とクロスオーバーしている。

また「視床」を通過すると音の伝達経路は「言語系ルート」と「感情系ルート」の二つに大きく分かれる。前者は最終的に「言語野」に到達するが、後者は大脳の一次聴覚野を通らず、いきなり「扁桃体」に直結していて「イヤな音」「うれしい音」というように音を直感的・情緒的に受け止める。

※ 音楽を聴くときにカーテンなどでスピーカーを隠してしまったり、あるいは目を瞑って聴いたりすると、機器の存在を意識しないでより一層音楽に集中できるのは経験上よく分かる。

さらに、直感的なイメージとしてオーディオマニアが音楽を聴くときには主として「感覚系ルート」がはたらき、それ以外の人たちが(音楽を)聴くときには主として「言語系ルート」が働いているように思うが果たしてどうだろうか・・・。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c85e3a32c3aca5331dd2fb7adaf73d2a

67. 中川隆[-12832] koaQ7Jey 2019年1月21日 10:35:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-22225] 報告
フランス音楽の世界 GRFのある部屋 2019年 01月 20日
https://tannoy.exblog.jp/30371863/



長い間、クラシック音楽を聞いてきたつもりですが、やはりドイツ・オーストリアの音楽を中心に聞いてきたのだと思います。ここに来て、パグ太郎さんとOrisukeさんの影響で、フランス音楽やフランスの演奏家の盤が増えてきました。


レコードの世界では、ドイツ盤や英国盤のレコードと比べると、フランス盤は、レコード自体の盤質も硬く、総じて硬い音の印象があります。ヨーロッパを旅するとき、その国の空港でレンタカーを良く借ります。


運転中は、ライトクラシックの番組ををよく聞いています。音楽の時はそれほど感じないのですが、アナウンスの声や宣伝の時になると、音質が国によって随分違うのに気がつきます。そうじてドンシャリなのですが、それでも高域の明確なカーブと、子音が良く聞こえる音と、低域中心の音に別れます。


これはオーディオでもいえるようで、ドイツ人の好む音と、フランス人の好む音はまるで違っています。日本人お好みは、英国の放送に似ていると思います。フランスの車は、サスペンションも椅子のクッションもゆったり柔らか目なのですが、流れてくる音は、カチカチの音なのに驚かされます。

f0108399_09550270.jpg


今回のKenYoshida氏の録音問題も、きわめてフランス的な音だと思うと、凄く納得するのですが、問題のアルファレコードではなく、たとえば、ディリカのピアノ曲や同じくアーベンと演奏しているベートーヴェンのチェロソナタなどは、とても落ち着いた録音です。MIRAREというレーベルで、ジャケットもとても凝っていて、一枚一枚が美術品のようなつくりです。


Ken Yoshida氏の革新的な音作りとは違って、MIRAREレーベルの音は、ジャケットのように落ち着いて聞いていられます。そこで、MIRAREのカタログを見ていたら美しいジャケットばかりで、知らない曲が多いので、ひさしぶりにジャケット買いをしました。そして、そのCDが昨日、ヨーロッパから届きました。美しいジャケットばかりで、見ているだけで楽しくなります。


f0108399_18450587.jpg


中でも、ピアノの前で憂い顔で首を傾げている女性と、パリのカフェで、誰かを待っているような女性の姿のジャケットです。よく見ると、ドイツ兵の軍服姿もあり、どうやら占領下のパリの絵のようです。そして、雨に煙るセーヌの橋と、アルプスの山間の風景でしょうか?ジャケットを見ているだけで、中の音楽が聞こえてくるようです。

この演奏をしているのが、フランスの女流ピアニストのアンヌ・ケフェッレックです。ベテランのピアニストで、調べてみたら、同期生でした。非常に味わい深い演奏を行っています。バッハやフランスのサティなどを得意にしています。滋味深い音にとても落ち着きます。


Anne Queffélec - Bach & Händel - Live Concert - HD - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=ZTRdbqxTa6M

同じフランスのレーベルでも、arufaレーベルとは正反対の音作りで面白いと思いました。
https://tannoy.exblog.jp/30371863/

68. 中川隆[-10736] koaQ7Jey 2019年4月09日 12:00:51 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1302] 報告

タンノイはいぶし銀か(その4)

なぜだか、タンノイの音こそがいぶし銀のように語られる。

それに、タンノイといえば、ある年代以上のオーディオマニアにとって、
五味先生と強く結びつくわけだが、
その五味先生はどういう音をいぶし銀と表現されているのかというと、
タンノイの音のことではなく、ベーゼンドルファーのピアノの音である。

ステレオサウンド 52号のオーディオ巡礼で
《拙宅のベーゼンドルファーは購入して二十年になる。今以ていぶし銀の美音を響かせてくれている》
と書かれている。

ベーゼンドルファーはいうまでもなくスピーカーではなく、ピアノのこと。
スピーカーだったら、わかりにくい。

A社の○○というスピーカーがいぶし銀の美音を響かせてくれる──、
そんなふうに書いてあっても、スピーカーはどんな部屋で聴くのか、
どんなセッティングがなされているのか、組み合わされるアンプやその他の機器は……、
そういった諸々のことで、音は大きく変ってくるのだから、
スピーカーの型番を持ち出されても、何の参考にもならないが、
ピアノであれば、そうではない。

スタインウェイほど聴く機会は多くはないかもしれないが、
ベーゼンドルファーは名の通ったピアノであるから、聴く機会は少なくないはずだ。

ただベーゼンドルファーのピアノであっても、必ずしもいぶし銀の美音を響かせてくれるわけでもない。
そのことも52号には書かれている。

五味先生はベーゼンドルファーのピアノを、
ベーゼンドルファーの調律師ではない人に調律してもらわれている。
そのことを書かれている。

同じことを「西方の音」におさめられている「大阪のバイロイト祭り」でも書かれている。

     *

 大阪のバイロイト・フェスティバルを聴きに行く十日ほど前、朝日のY君に頼んであった調律師が拙宅のベーゼンドルファーを調律に来てくれた。この人は日本でも有数の調律師で、来日するピアニストのリサイタルには、しばしば各地の演奏会場に同行を命ぜられている人である。K氏という。

 K氏はよもやま話のあと、調律にかかる前にうちのピアノをポン、ポンと単音で三度ばかり敲いて、いけませんね、と言う。どういけないのか、音程が狂っているんですかと聞いたら、そうではなく、大へん失礼な言い方だが「ヤマハの人に調律させられてますね」と言われた。

 その通りだ。しかし、我が家のはベーゼンドルファーであってヤマハ・ピアノではない。紛れもなくベーゼンドルファーの音で鳴っている。それでもヤマハの音がするのか、それがお分りになるのか? 私は驚いて問い返した。一体どう違うのかと。

 K氏は、私のようにズケズケものを言う人ではないから、あいまいに笑って答えられなかったが、とにかく、うちのピアノがヤマハの調律師に一度いじられているのだけは、ポンと敲いて看破された。音とはそういうものらしい。

(中略)

 ピアノの調律がおわってK氏が帰ったあと(念のため言っておくと、調律というのは一日で済むものかと思ったらK氏は四日間通われた。ベーゼンドルファーの音にもどすのに、この努力は当然のように思う。くるった音色を──音程ではない──元へ戻すには新しい音をつくり出すほどの苦心がいるだろう)私は大へん満足して、やっぱり違うものだと女房に言ったら、あなたと同じですね、と言う。以前、ヤマハが調律して帰ったあとに、私は十歳の娘がひいている音を聞いて、きたなくなったと言ったそうである。「ヤマハの音にしよった」と。自分で忘れているから世話はないが、そう言われて思い出した。四度の不協和音を敲いたときに、音がちがう。ヤマハに限るまい、日本の音は──その調律は──不協和音に、どこやら馴染み合う響きがある。腰が弱く、やさしすぎる。

 ベーゼンドルファーはそうではなかった。和音は余韻の消え残るまで実に美しいが、不協和音では、ぜったい音と音は妥協しない。その反撥のつよさには一本一本、芯がとおっていた。不協和音とは本来そうあるべきものだろう。さもなくて不協が──つまりは和音が──われわれに感動を与えるわけがない。そういう不協和音の聴きわけ方を私はバルトークに教えられたが、音を人間にかえてもさして違いはあるまいと思う。

     *

そういうベーゼンドルファーの音を、いぶし銀の美音と表現されている。
http://audiosharing.com/blog/?p=26956

69. 中川隆[-10759] koaQ7Jey 2019年4月16日 09:39:23 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1289] 報告
クラシック演奏家のスキャンダル
クラシックの中で一番好きな楽器はヴァイオリンだが、ピアノも嫌いというわけではない。

モーツァルトのピアノソナタ(グールド)を聴いた時間からすると人後に落ちないはずと思っているし、またドビュッシーのピアノ曲も大好きで特に「ミシェル・ベロフ」(フランス)のCD盤は今でも愛聴盤の一つ。

   

しかし、このベロフさん(1950年生まれ)は残念なことにその後まったくの鳴かず飛ばずである。

前途ある有望な若手のピアニストがいったいどうしたんだろう?

気になってそれとなくアンテナを張っていたところ小耳にはさんだ情報によると「女流ピアニストのアルゲリッチから身も心もすっかり骨抜きにされた」とのことで、エ〜ッ(笑)。

お上品なクラシック界にふさわしくない生臭い話だが、噂の真偽を確かめる術もないし、まあどうでもいいことなのだが、つい最近


現代の名演奏家50 クラシック音楽の天才・奇才・異才 (幻冬舎新書) – 2017/1/28
中川 右介 (著)
https://www.amazon.co.jp/%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E3%81%AE%E5%90%8D%E6%BC%94%E5%A5%8F%E5%AE%B650-%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E9%9F%B3%E6%A5%BD%E3%81%AE%E5%A4%A9%E6%89%8D%E3%83%BB%E5%A5%87%E6%89%8D%E3%83%BB%E7%95%B0%E6%89%8D-%E5%B9%BB%E5%86%AC%E8%88%8E%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E4%B8%AD%E5%B7%9D-%E5%8F%B3%E4%BB%8B/dp/434498451X


を読んでいたらこのベロフの件の「いきさつ」が詳しく書かれていた。

犬も歩けば棒に当たる!

   

206頁〜210頁にかけて詳述されており、手短に要約すると、

「ベロフとアルゲリッチは4年間の同棲生活を解消した。この間、ベロフは肉体的にも精神的にもすっかり疲弊してしまったが、ようやく演奏活動を行えるほどまでに回復した。ただしベロフは今でもアルゲリッチのことを絶賛している」

よかったですねえ、喧嘩別れじゃなくて(笑)。

それにしてもアルゲリッチというのは雰囲気に不潔感が漂っているとでもいうのかな、どうも好きになれないピアニストである。

本書によると、ベロフと知り合った当時は指揮者のデュトワと離婚し、ピアニストのコヴァセヴィッチと暮らして娘を生んだものの破局した後だったそうだ。

つまり特定の男性がいなかったので、ベロフは「飛んで火に入る夏の虫」ならぬ「蜘蛛の巣」によってがんじがらめにされたようだ(笑)。

そして、デュトワの名前がここでも出てくる。この人はその筋ではとかく有名な人なのだ。


画像右側の「クラシックCDの名盤」の180頁にも宇野功芳さん(音楽評論家)がこう書いている。

「デュトワは美人演奏家殺しである。アルゲリッチ、チョン・キョンファをものにし、噂では諏訪内晶子にも子を産ませ、それが彼女のDVの原因にもなったとか」

ほんまかいな(笑)。

クラシック演奏家といっても所詮は人の子で「木の股」から生まれたわけでもないので仕方がないのだろうが、かって、指揮者のブルーノワルターはこんなことを言っていた。

1 恥ずかしいことながら音楽家は概して他の職業に従事している人々に比べて別に少しも善くも悪くもない。

2 音楽に内在する倫理的な呼びかけ(高揚感、感動、恍惚)はほんの束の間の瞬間的な効果を狙っているに過ぎない。それは電流の通じている間は大きな力を持っているが、スイッチを切ってしまえば死んだ一片の鉄に過ぎない「電磁石」のようなものだ。

3 人間の性質にとって音楽が特別に役立つとも思えず過大な期待を寄せるべきではない。なぜなら、人間の道徳的な性質は非常に込み入っており、我々すべての者の内部には善と悪とが分離しがたく混合して存在しているからだ。

まあ、そんなところなんだろうが、「音楽は哲学よりもさらに高い啓示」(ベートーヴェン)というほどなんだから、少しは演奏家にもストイックな姿勢が必要のような気もするが皆様のお考えはいかがですか。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/c9424147dc23385540df825bafbfd222

70. 中川隆[-9696] koaQ7Jey 2019年6月10日 16:11:04 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2763] 報告
スタインウェイ ベーゼンドルファー ヤマハの違いが聴こえますか? - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=FL81a7rnD0g
71. 中川隆[-9695] koaQ7Jey 2019年6月10日 16:13:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2764] 報告
グランドピアノ世界三大メーカーなど弾き比べ - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=NP65tIBLYyw
72. 中川隆[-9694] koaQ7Jey 2019年6月10日 16:15:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2765] 報告

スタインウェイ・ベーゼンドルファー・ベヒシュタイン 弾き比べ byフロイデ ピアノプラザ - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=YxomtL58fRI&list=RDNP65tIBLYyw&index=2
73. 中川隆[-9693] koaQ7Jey 2019年6月10日 16:26:47 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2766] 報告

ベーゼンドルファーのピアノは何が違うのか ヤマハ傘下の世界3大ピアノメーカーの今
田中 泰 2018/07/22
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8C%E9%81%95%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8F%E5%82%98%E4%B8%8B%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C3%E5%A4%A7%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BB%8A/ar-BBKUPbf#page=2

東京の中野坂上駅前にある「ベーゼンドルファー・ジャパン」ショールームの様子(提供:ヤマハ)© 東洋経済オンライン 東京の中野坂上駅前にある「ベーゼンドルファー・ジャパン」ショールームの様子(提供:ヤマハ)

 「世界3大ピアノ・ブランド」という言葉がある。その内訳は、スタインウェイ(アメリカ/ドイツ)、ベヒシュタイン(ドイツ)、そしてベーゼンドルファー(オーストリア)の3ブランドを指すのが一般的だ。

 そこにブリュートナー(ドイツ)を加えて「4大ピアノ・ブランド」という見方もあるようだが、これは少し無理があるように感じられる。

 そもそもなにをもっての「3大ピアノ・ブランド」なのだろう。現在の販売シェアから言えば日本のヤマハやカワイが入っていてもおかしくないのだが、どうやら過去にどれだけすばらしいピアニストたちに愛された楽器であるかということが根拠となっての「3大ピアノ・ブランド」であるようだ。

リストが愛した名器の誕生

 さて、ここで注目したいのがオーストリアの名器ベーゼンドルファーだ。“音楽の都ウィーン”で1828年に設立されたベーゼンドルファーは、ウィーンに集まる数多くの音楽家たちからの助言によって改良を重ね、「ウィンナートーン」と呼ばれる美しい音色を創り上げていく。その音楽家たちの筆頭に挙げられるのが、伝説のピアニストにして作曲家のフランツ・リストだった。

 圧倒的な超絶技巧と華麗なショーマンシップによってヨーロッパ中を席巻していたリストは、ピアノに対する要求も多く、音色のすばらしさもさることながら、リストの激しい演奏に対応できた唯一のピアノということで、ベーゼンドルファーの名声は一気に高まった。

 しかし、商業ベースとは無縁の丁寧な手作業によって作られるピアノの台数は極めて少なく、創業から190年という長い歴史の中で製造された総数はわずか5万台。現在も年間250台というペースで作られているというのだから驚かされる。その結果として経営状態は悪化。2007年にヤマハの子会社となることでそのブランドを保ち、現在に至っている。

 そう、つまり「世界3大ピアノ・ブランド」の1つベーゼンドルファーは、現在日本のヤマハ傘下にあるのだ。これはなにやらクルマ業界のブランド吸収合併に似ているような気がする。

 たとえてみれば、「トヨタ」が英国の老舗ブランド「ジャガー」を傘下に収めたようなものだ。ピアノ・ファンの間で当時大きな話題となった“ヤマハによるベーゼンドルファー買収”から10年。この出来事は、2つのピアノ・メーカーにとってどのような結果をもたらしたのだろう。

窮地のベーゼンドルファーを買収した意味

 「1980年をピークとするピアノ生産は、その後の人口減少などに伴う売り上げ減が予想される中、ヤマハでは、お客様ニーズに応える高付加価値製品を提供し、ブランド力を強化していくことで、更なる拡販を目指しておりました。そんな折に、世界最古のピアノメーカーとも言われるベーゼンドルファー買収の話が持ち上がり、彼らと一緒にやっていくことがヤマハグループとしてのプレミアム領域のピアノを広げることにつながるのではないかと考えたことがきっかけでした」

 こう語るのは、ヤマハ楽器事業本部部長の伊藤執行役員。調査のためにウィーンのベーゼンドルファーを視察した伊藤氏が目にしたものは、客からのオーダーとは関係なく材料の購入を行い、自らの考えに基づいた生産を行っていた結果、1年以上前の作りかけのピアノがゴロゴロしている工場の状況だったという。「これはだめだ」ということで、まずは効率化を提案し、経営難に陥っていたベーゼンドルファーを回復させることに専念する。

 一方ベーゼンドルファー側はヤマハ傘下に収まることをどのように考えていたのだろう。ウィーンのベーゼンドルファーに長く勤めてきた調律師の井上雅士氏はこう語る。

 「ヤマハの傘下に入ることが決まった際には社内に動揺がありましたね。私のイメージの中では、日本的な大量生産を押し付けられるのではないかという危惧です。ところがそれは大きな誤解だったのです。“あなたたちの文化を守って良いピアノを作ってください”というヤマハからのメッセージは、私たちベーゼンドルファーに勤務する全員の気持ちをポジティブなものに変えてくれました。正直、ヤマハ傘下に収まるまでの4年ほどは、先行きがまったく見えず、とても不安定な状態だったのです。これでは気持ちも落ち着かず、良い音のピアノを作る環境とは程遠い環境でした。それが改善されたことはとても良かったと感じています」

 なるほど、ヤマハがベーゼンドルファーの技術面に一切口を出さなかったというのはとても新鮮な驚きだ。

 素人考えとしては、ヤマハの革新的な技術とベーゼンドルファーの伝統が合わさったときに生まれるすばらしいピアノに期待してしまうのだが、現実はまったくそうではなく、技術者同士の交流すらもないという。

 「彼らは1828年の創業以来積み重ねてきた伝統や技術をかたくなに守り続けています。暖かな音色や弦楽器との融和性など、ヤマハのピアノとはまったく違う音楽の場で活躍できるピアノを目指しています。それが彼らの持つ価値であり、彼ら自身もそれをさらに磨いていこうと願っています。そこにヤマハの意向を入れるつもりはまったくありません」

 伊藤執行役員のこの言葉が心に残る。どうやら伝統を尊重するという意思こそが双方共通の考え方だったようだ。

ベーゼンドルファーの黒字化にヤマハが貢献

 その結果として10年が経過した現在の状況はと言えば、ベーゼンドルファー自体の売上に特に大きな変化はないようだが、財務基盤が安定してきたことによって赤字続きの収益が大幅に改善され、現在は黒字化しているという。

 一方のヤマハにとって、今回の買収は成功だったのだろうか?

 「1980年のピーク時には全世界で100万台のアコースティックピアノが作られていました。それが30年あまり過ぎた現在はピーク時の半分弱に減少しています。その反面デジタルピアノの販売数が伸びていますので、合わせると全世界で年間200万台以上のピアノが生産されています。

 ヤマハとしては、さまざまなニーズに即した製品を出していくことを目標に掲げていますので、結果的にはアコースティック楽器の中にベーゼンドルファーという個性的な商品を持てたことはとても有意義だと考えています。買収に要した費用以上にベーゼンドルファーから学んだことや発見できたことが、数字には現れない価値を大いにもたらしてくれたと認識しています」というのがヤマハ側の見解だ。

 ベーゼンドルファーの魅力とはいったいどこにあるのだろう。何が「ベーゼンドルファー・マニア」とまで呼ばれる熱烈なファンやユーザーを生み出すのだろう。

 "ベーゼンドルファー使い"として知られるピアニストの三輪郁氏はその魅力を「オーケストラに例えるとウィーン・フィルみたいな感じですね。倍音の響きがとても良くて、弾いていると鍵盤の上から下まで同じ方向でハーモニーを作り出せるのです。弦楽器のように、弾きようによって自分の生み出す音程が聞こえてくるし、色彩感も魅力です」と表現する。

 なるほどこれは、バックハウスが愛し、オスカー・ピーターソンを魅了して、キース・ジャレットの名盤「ザ・ケルン・コンサート」にも使われた名器ベーゼンドルファーに、改めて注目してみたくなるコメントだ。

ディーラー整備への期待

 そのベーゼンドルファーは、現在東京の中野坂上駅前にある「ベーゼンドルファー・ジャパン」において体験可能だ。展示されている美しいピアノの中でも装飾が施されたピアノの存在感はまさに息を呑むばかり。コンサートのためのピアノというよりも、富裕層が美しい家具をチョイスするようにして購入する姿が想像できそうな楽器の数々は、まさにウィーン伝統の美術工芸品さながらだ。

 この高価で美しいピアノをどこで売るのかはヤマハにとっての大きな課題に思える。今回の買収は、トヨタがジャガーを購入するようなものだと例に出してみたが、仮にそうなったとしても、トヨタのショールームでジャガーを売ることはあり得ないことだろう。それはヤマハとベーゼンドルファーの関係においても同様で、ヤマハと同列にベーゼンドルファーの価値を伝えることは難しい。

 目的を持ってショールームにやってくる顧客が購入者のほとんどだというのだから、まさにその対応が求められる。そう考えると、現在唯一の「ベーゼンドルファー・ジャパン」店舗をいかに拡大していくのかが今後の鍵に思えてくる。クルマの世界がそうであるように、ディーラーの整備こそがベーゼンドルファー飛躍のための次なる1手であると考えたい。
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%81%AE%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%81%AF%E4%BD%95%E3%81%8C%E9%81%95%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8F%E5%82%98%E4%B8%8B%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C3%E5%A4%A7%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%AE%E4%BB%8A/ar-BBKUPbf#page=2

74. 中川隆[-9691] koaQ7Jey 2019年6月10日 16:37:15 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2768] 報告

中島みゆきをアンティークピアノで弾きました。

ピアノソロ:1894年ベーゼンドルファー社製ピアノ(ウィーン式アクション/85鍵)使用
https://www.youtube.com/results?search_query=%E4%B8%AD%E5%B3%B6%E3%81%BF%E3%82%86%E3%81%8D+%E4%BD%9C%E8%A9%9E%E3%83%BB%E4%BD%9C%E6%9B%B2++%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E3%82%BD%E3%83%AD%EF%BC%9A1894%E5%B9%B4%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC%E7%A4%BE%E8%A3%BD%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%EF%BC%88%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%BC%8F%E3%82%A2%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%EF%BC%8F85%E9%8D%B5%EF%BC%89%E4%BD%BF%E7%94%A8+&sp=mAEB

中島みゆきをアンティークピアノで弾きました。

使っているピアノは100年以上昔、1894年製のアンティークピアノ。このような楽器を使ってこのような曲を弾くのはまことに愉しいです。

現代では世間で聞こえる音のほとんどは電気を通していますが、このころに世間で聞こえていた音は生音が主流でした。1877年にエジソンが蓄音機を実用化し、このピアノが作られた1894年にはSPレコードの大量生産ができるようになって、次第に「録音」というシロモノが世間に知られるようになった時代。こんな時代の楽器がどれほど豊かな音世界を伝えていたのか、この動画で使っている楽器は奇跡的にオリジナルほぼそのまま、まさに時代の生き証人です。

75. 中川隆[-9525] koaQ7Jey 2019年6月18日 12:27:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2948] 報告

ドイツ製ヴィンテージ・オーディオ販売 クラング・クンスト KLANG-KUNST
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/479.html


KLANG-KUNST オーディオの歴史 オルゴールとロールピアノ
https://www.klang.jp/index.php?ci=10143

ポリフォン社の大型オルゴール
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_801.jpg


 ベルリナーが発明した「グラモフォン」やエジソンが発明した「フォノグラフ」が、まだ玩具レベルで音楽鑑賞用には不十分な性能しかなかった19世紀末から20世紀初頭にかけて、「オルゴールの時代」がレコードの本格化よりも一足早く訪れ、主に欧米で大流行した。写真はドイツで1889年に創業したポリフォン社(POLYPHON)の大型オルゴールである。写真の中央に見える大きな金属製のディスクを交換することで好みの曲を再生できるので、音楽の楽しみ方としてはCDやアナログディスクで曲を選ぶオーディオに近いスタイルといえる。

 ディスク式のオルゴールは、櫛歯と呼ばれる金属製の音源を、楽譜を移したディスクの孔で間接的に弾いて音を出す。櫛歯の振動は共鳴箱として巧みに作られた木製ケースで増幅され、黄金色の音の洪水ともいえるほど豊かさになる。機会があったら、ぜひ大型のオルゴールを聴いていただきたい。きっと、最新の高級オーディオ装置でさえ及ばないほどの美音に驚かされるだろう。

 それほどいい音のオルゴールだが、オルゴール以外の音色を出すことは原理的に無理がある。また、オルゴールはジングル・ベルが苦手といわれるように、同じ音の連打があまり早くできないので、編曲もアルペジオを多用した同じようなパターンになりがちだ。このため、たくさんオルゴールを聴く音楽好きは、しばらくすると飽きてしまうという致命的な問題が生じた。20世紀になって蓄音機が改良され、レコードビジネスが本格化してレコードの選択の幅が広がると、オルゴールは急速に衰退してしまった。どんな音色も、人の声さえも出せる蓄音機の魅力には勝てなかったのである。

 ポリフォン社のオルゴール事業も衰退したが、同社は第一次世界大戦中にグラモフォンのドイツ支社を傘下に収めた。グラモフォンの本社がイギリスにあったため、敵国資本としてポリフォン社に売却されたのだ。ドイツのグラモフォン社、すなわち「ドイツグラモフォン」は、その後クラッシック音楽の録音を中心に大いに活躍したのだが、その母体がオルゴール会社であったことはあまり知られていない。

ウェルテ・ミニヨンのロールピアノを録音したCD (TELDEC 8.43931)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_802.jpg


 オルゴールのほかにもうひとつ、素晴らしい音楽再生装置が同時代に開発された。それはロールピアノと呼ばれる自動演奏機能付きピアノである。なかでも、1904年ごろから活躍したドイツの「ウェルテ・ミニヨン社(WELTE-MIGNON)」の装置は、ペダル操作も含め、ピアニストの演奏を驚くほど忠実に再現できるという高度なものだ。その仕組みを簡単に解説しよう。

 まず、ピアニストの打鍵とペダル操作を、各キーやベダルに連結された黒鉛の棒で高速に巻き取られていく長いロール紙に記録する。ロール紙に記録された黒鉛の線は、キーを押す力が強ければ濃く、弱ければ薄い。また、キーやペダルを押している時間が長ければ線も長い。このように記録されたピアニストの微妙なタッチを、職人が再生用のロール紙に移すのだが、そのとき、穴の大きさでタッチの強さを、穴の長さで時間の長さを再現する。このロール紙をハーモニカのように空気吸引孔が並んだ読み取り装置を通過させることで、ピアニストの演奏どおりにキーを押したりペダルを踏んだりする動力を空気の流れとして得る。

 スタインウェイのグランドピアノとの組み合わせによるウェルテ・ミニヨンのロールピアノは、当たり前だが生のグランドピアノに等しい超高音質だ。どんなハイエンドのオーディオ装置よりも上に決まっている。写真のCD(独テルデック 8.43931)は、1969〜70年に旧東ドイツのスタジオで録音されたウェルテ・ミニヨンのロールピアノで、ブゾーニ(Feruttio Busoni)やシュターフェンハーゲン(Bernhard Stavenhagen)といった今世紀初頭に活躍した大ピアニストの歴史的演奏が聴ける。

大ピアニスト「フェルッチオ・ブゾーニ」(1866〜1924年)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_803.jpg

 ブゾーニはイタリアに生まれてベルリンを拠点に活躍した作曲家兼ピアニストで、カザルスがバッハの無伴奏チェロ組曲を再発見したように、バッハの鍵盤音楽に対して多大なる貢献をした。バッハのピアノ楽譜には「ブゾーニ編曲」とあるものが少なくない。ブゾーニは性能の悪い蓄音機のための録音を嫌がり、レコード録音の最中に妻へ送った手紙には、「このいまいましい録音機のご機嫌をとるため、強弱もペダルも制限しなければならず、思い切り弾けない」といった不満を書いている。ブゾーニは1922年ごろに英コロンビアで録音し、4枚のSPレコードが発売された。

 たった4枚を集めれば、この大ピアニストのコレクションは完結してしまう。すべて両面盤なので8面あるのだが、なぜか黒鍵のエチュードが2回録音されている。4枚のうち1枚は両面を使って「ハンガリー狂詩曲第13番」が録音されていて、B面には「狂詩曲」という曲名どおりの気違いじみた超絶技巧が吹き込まれているが、当時流行した「表現主義」の自由闊達さなのか、あるいは片面で4分程度しかない録音時間の不足に急き立てられてのヤケクソなのかは分からない。だが、最も少ないとされる両面ショパンの盤では間の取り方が舌を巻くほど絶妙だし、バッハの「平均律クラビーア」では荘厳さに圧倒される。ハ長調のプレリュードとフーガしかないのだが、ブゾーニが弾くとこの音数の少ない曲が不思議とシンフォニックに聴こえる。

ブゾーニが録音したハンガリー狂詩曲第13番(1922年録音)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_804.jpg

 では、そのブゾーニが渋々録音したオリジナルのコロンビア盤とロールピアノのCDを比較してみよう。古い80回転のコロンビア盤は、4枚とも濃い青のレーベルで、「ニュープロセス盤」とよばれる表面に良質なシェラックを用いたローノイズ盤だ。これをEMGの卓上型蓄音機で再生する。20世紀末にアナログレコードからCDになって音が悪くなったとオーディオ愛好家が嘆いたように、1930年ごろに機械式蓄音機から電気蓄音機に世代交代して音が悪くなったと嘆く熱心な愛好家に向けて、機械式蓄音機をハンドメイドで作り続けたのがイギリスのEMGだ。いっぽう、CDはプレーヤーこそSONY製の普及品だが、自作のAD1シングルアンプで増幅し、オイロダインというドイツの名スピーカーで再生する。

 録音が優れていることもあって、CDの再生音はすばらしい音質と迫力だ。「ラ・カンパネラ」と「リゴレットのパラフレーズ」というリストお得意の華麗な曲なのだが、早いパッセージで音が少し乱れ、全体に味気ない。このあたりはロールピアノの限界だろうか。対する古いコロンビア盤は、音が貧弱で常にスクラッチノイズを伴う。それでも、聴くにつれノイズは気にならなくなり、しだいに録音当時の薫香を豊かに感じるようになる。かなり独断的だが、古いコロンビア盤+蓄音機の勝利となった。

EMGの卓上型蓄音機(ゼンマイから回転計付きモーターに改造してある)
https://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10218_805.jpg

https://www.klang.jp/index.php?ci=10143

76. 中川隆[-9524] koaQ7Jey 2019年6月18日 12:35:28 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[2949] 報告

フェルッチョ・ブゾーニ(Ferruccio Busoni, 1866年4月1日 エンポリ - 1924年7月27日 ベルリン)は、イタリア出身でドイツを中心に世界中で活躍した作曲家・編曲家・ピアニスト・指揮者・教育者。

本名はダンテ・ミケランジェロ・ベンヴェヌート・フェッルッチョ・ブゾーニ (Dante Michelangelo Benvenuto Ferruccio Busoni) 。

作曲家として新古典主義音楽を提唱しただけでなく、電子音楽や微分音による作曲など、未来的な音楽像を提唱した。

イタリアに生まれ、少年時代をほとんどトリエステに過ごす。

母親アンナ・ヴァイス=ブゾーニはトリエステ出身のプロのピアニストで、祖父ジュゼッペ・ヴァイスを通じてユダヤ人の血を引いている[1]。

イタリア人の父親フェルディナンド・ブゾーニはプロのクラリネット奏者をつとめるかたわら、画業もこなし、ブゾーニの少年時代に両親はしばしば演奏旅行を行なった。

ブゾーニは神童で、7歳で両親の公開演奏会においてデビューした。数年後にはウィーンで自作のいくつかを演奏し、フランツ・リストのピアノ演奏にも接した。

ウィーンでは、リストやヨハネス・ブラームス、アントン・ルビンシテインにも面会している。リストは、ブゾーニの演奏の真価について消極的な返事を出したらしいが[2]、一方のブゾーニは、「リストのピアノ曲は、ピアノ芸術のアルファにしてオメガである」と最大限の賛辞[3]を捧げており、リストのピアノ曲の校訂・編曲も手懸けている。

13歳で《24の前奏曲》Op.37を完成、そのほか大量にピアノ作品を作曲したが「少年期の作品はあまり意味がない」とブゾーニはこの時期の作品の完成度に否定的であった。その後、彼の周囲に作曲とピアノで並ぶものはいなくなり、アントン・ルビンシテイン国際音楽コンクール(英語版)の作曲部門とピアノ部門の両部門に挑戦し、作曲部門は優勝(《ピアノと管弦楽のためのコンツェルトシュテュック》Op.31a)、ピアノ部門は第二位という結果を得て若手のホープに躍り出た。


ドイツ人としての活動

ブゾーニは短期間グラーツで学んだ後、1886年にライプツィヒに赴き、その後いくつかの教職に就く。まず1888年にヘルシンキで教鞭を執り、同地で後の夫人イェルダ・ショーストランド (Gerda Sjöstrand) に出会っている。1890年にはモスクワ、翌年から1894年までアメリカ合衆国でも教鞭を執った。アメリカではヴィルトゥオーゾのピアニストとして演奏旅行もこなしており、有名なバッハの《シャコンヌ》の編曲も、この頃に手懸けたようである。

1894年にベルリンに居を構え、同地でピアニストや指揮者として一連の演奏会を行い、とりわけ同時代の音楽の普及につとめた。ウィーン国立音楽院やヴァイマル、バーゼルでは、数々のマスタークラスで教鞭を執り、クラウディオ・アラウやエゴン・ペトリらの門弟を育てた。

《ピアノ協奏曲》は完成できなかったオペラ「アラジン」(Aladdin)から派生した作品であったが、この協奏曲完成後はロマン主義からの脱却と新古典主義への偏愛を見せるようになる。このころから「ピアノ演奏法」の著作に取り掛かる。

新音楽への道

第一次世界大戦中は、まずボローニャに避難して音楽院を監督し、それからチューリッヒに移った。交戦中の国々で演奏することをその間、拒否し続けた。チューリッヒ時代の弟子に、後に米国における電子音楽の先駆者の一人となるオットー・ルーニングがいる。1920年にベルリンに帰り、作曲のマスタークラスを主催した。有名になった作曲家の弟子にクルト・ヴァイルやエドガー・ヴァレーズ、シュテファン・ヴォルペらがいる。

ブゾーニは腎臓病のために亡くなり、ベルリンで埋葬された。


死後

ブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から盛んに作品の出版が行われていたにもかかわらず、没後は多くの作品が品切れになり、瞬く間に忘れられた。特に少年期には契約した出版社が多く、作品全曲の収集はきわめて難しかったが、ラリー・シツキー(英語版)が可能な限りのピアノ作品全曲の収集に成功、著書も出版された。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A7%E3%83%BB%E3%83%96%E3%82%BE%E3%83%BC%E3%83%8B



▲△▽▼


Busoni 録音集 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Busoni+plays


Liszt Hungarian Rhapsody No 13 Busoni Rec 1922 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=lGEDeH-1UL8

Ferruccio Busoni - Liszt Hungarian Rhapsody No. 13 (1922, 80 rpm) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=aK_RIiGaILE

BUSONI PLAYS Liszt - Hungarian Rhapsody - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=IYHt3k38hNQ

77. 中川隆[-9259] koaQ7Jey 2019年7月05日 18:56:53 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[3422] 報告

銚子の散歩道 ミスタッチを恐れるな - 2019年07月04日
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52296690.html


ミスタッチを恐れるな

「聴衆がいないのに演奏するのは音楽ではない。音楽を創ることは演奏家の気分、天候、朝新聞で読んだ記事や舞台に上がるまでに会った人や何かに左右されるものなのだ。演奏を録音して固定することは、芸術の基盤であるはかなさ(太字は訳者)に背いている。」RIMG1155「レコードを初めてロンドンで吹き込んだのは人生で最悪の思い出だ」「私は苦痛に見舞われた。絶望的なほどの苦痛。照明、空調、音響、どれもが人工的だった。HMVが録音スタジオの設備を音楽に馴染むようなものに変えるまでかなりの時間が経過した。」以上ピアニスト・アルトゥール・シュナーベルの証言
「高額のギャラを呈示されて、シュナーベルは理想と機械の融合を実現することができそうだと、録音を承諾した」プロデューサだったフレッド・ガイスバーグの証言
アルトゥール・シュナーベルをアビィロードスタジオに迎えての録音は困難を極めた。担当エンジニアは後のビートルズ時代にはスタジオの支配人の責にあったエドワード・チック・フォウラーだった。RIMG1168彼は78回転レコードの片面を録るのに29枚のワックス盤を費やした。ワックス盤はテープのように使いまわしがきかなかったから。この演奏が当時の最高水準の音質として記録されたのもフォウラーの技術によるところが大きいとされる。
シュナーベルはヨーロッパと大英帝国のみで発売するという契約のもと、やっと録音を決意する。
予約発売された「100枚組」のセットは1932-38年にかけて録音され順次発売され1939年に完結する。
レコードの出現以来ミスタッチを許さない風潮に支配されるなか、ピアニストへの脅迫観念をシュナーベルは払いのけていく。精密さへの軽蔑、自然な情感の表現を最優先するゆえに、ミスタッチにも恵まれている。ミスのない模造品のような演奏か、ミスを恐れずに思うままに表現するか。


RIMG1150

「音楽を食い物にするのではなく、音楽に仕えるものとしての演奏家のありかたを具現した最初の人物だった」クラウディオ・アラウはピアニストの死に際してこう述べた。
ベートーヴェンのピアノソナタ全集が完結した際、評論家ハロルド・ショーンバーグはこのシュナーベルを「ベートーヴェンを発明した男」と書いた。
アビィロードではスタインウェイを使用して録音することがほとんどですが、シュナーベルはベヒシュタインだったんですね。
http://blog.livedoor.jp/thorens/archives/52296690.html

78. 中川隆[-11064] koaQ7Jey 2019年10月03日 10:15:01 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1758] 報告
2019年 10月 02日
アルゲリッチ・酒井茜 ピアノデュオ 

秋の音楽シーズンの三日目は待望のアルゲリッチです。アルゲリッチは親日派ですね。二十年以上も続けている大分別府の音楽祭も、最近始まった広島の音楽祭も、同時に全国各地で行う演奏会も、毎年開かれています。ソロでの演奏は25年ぐらいやっていなくて、必ずほかの演奏家とのコラボレーションを行っています。あるときは、ヴァイオリンソナタ、あるときはチェロソナタ、ピアノ協奏曲、室内楽などです。

今回は、待望のアルゲリッチと酒井茜のピアノデュオで、プロコフィエフの「シンデレラ」とストラヴィンスキーの「火の鳥」です。会場も久しぶりのサントリーホール。地下鉄を二本乗り継いで行きます。


広場には会場前のファンファーレが鳴っていました。開場自体は時間通りでしたが、ホールの中では、最後の音合わせをしているのでしょう。15分前まで内側のドアは開けられず、ホール内の通路に人は溢れかえりました。サントリーホールは、特に二階のホワイエが狭いのが難点ですね。待っていると、ひさしぶりに、O画伯とお会いしました。席もすぐそばでした。

f0108399_11035392.jpg

ピアノの調律はようやく終わりに近づいています。響きは透明ですが、少し線が細い感じもしました。でも調律師とアルゲリッチでは、まったく音が違いますから参考にはなりません。対面のLB席には、パグ太郎さんとOrisukeさんが並んで座られていました。白いシャツのがっしりとした体格で、日焼けした顔が見えないのが、Orisukeさんです(爆)。

f0108399_11040002.jpg


ゆったりとアルゲリッチさんと酒井さんが入場してきます。歩きは遅いですが、とても77歳とは思えません。最初の曲は連弾で、モーツァルトの4手のためのピアノソナタです。低音部をアルゲリッチさん、高音部を酒井茜さんが演奏します。この二人はしっかりと特徴が違い、スピード速く、切れ味のいいのが酒井さんで、鉈で断ち切るような凄い響きがアルゲリッチさんです。しかし、16歳の時のモーツァルトのお姉さんとの連弾を目的に書かれた曲には、アルゲリッチの特徴を活かすようなパートはなく、響きも弱く、物足りなさも感じました。

ところが、二曲目のプロコフィエフ・プレトニョフ編曲の二台のピアノのための組曲「シンデレラ」はまったく変わりました。この曲は、編曲者のプレトニョフとアルゲリッチとのSACDは私の部屋の音調整用の定番になっています。

f0108399_11204558.jpg


耳だこになっているほど、聞き込んでいる曲ですから、演奏の差はすぐにわかります。酒井茜とプレトニョフの差はやはり大きいです。力強さが違います。高域の切れは素晴らしいですが、低音部が活躍する右側のピアノはプレトニョフの様にはいきませんが、これはこれで素晴らしい演奏です。アルゲリッチ側は、先ほどのピアノと同じ楽器なのかと思うほど違う響きです。左手の破壊力は、77歳とは到底思えません。二台の響きが、CDより軽いのは、演奏者とホールの差だと思っていました。


それにしても、凄い演奏です。第九曲目の魔法が解けて、カボチャの馬車もすべてが崩壊していく様は、アルゲリッチしか演奏できないかもしれません。プレトニョフは指揮者として日本に良く来ています。アルゲリッチとスケジュールが合えば、ぜひ聴いてみたいですね。

休み時間にOrisukeさんが、右側のピアノは何でしょうかと訊いてきました。蓋が取ってあってわかりにくいからです。プログラムにはKAWAIの宣伝があったので、両方ともKawaiでは無いかと言われました。確かに、スタインウェイの低域と違う響きがしています。会場に戻ってよく見ると、右側のピアノもKawaiでした。高域の切れ味は素晴らしいのですが、低域の混沌とした響きがすっきりと整理されるのが違いますね。

休憩後は、ストラヴィンスキー自身の編曲になる、『春の祭典』でした。今回は、アルゲリッチが右側のピアノで指使いがよく見えます。彼女の奏法はどんなに大音量でも、指は延びたままです。ホロヴィッツと同じですね。指を曲げて打ち下ろすのではなく、指の腹でコントロールしているのです。驚きました。音量の差は、タッチするスピードの差なのでしょうか?ストラヴィンスキー特有の不協和音がオーケストラよりピアノ版の方がより鮮明に解ります。ピアノからオーケストラのいろいろな音色が聞こえてきます。

堪能しました。長い曲なのですが、あっという間に終わりました。会場中割れんばかりの拍手です。何回か呼び出された後、二曲のアンコールを連弾で演奏しました。ラベルのマ・メール・ロアから第五曲と第三曲めからでした。どちらも柔らかくストラヴィンスキーとは対極の音楽です。大満足の演奏会でした。

演奏会終了後、近くのレストランで、大満足の感想会を行いました。演奏会を批評するような発言は勿論なく、三人とも世紀の名演を見た満足感で一杯でした。アルゲリッチはどこまで行くのでしょうか?彼女の演奏に毎年接することが出来る、日本の幸せも感じました。

Orisukeさんは、明日のあさから仕事で、これから車で三時間以上走って帰られるそうです。そんなスケジュールの中を良く来られたと驚き、感心しましたが、今日の演奏を経験できたのは、一生の宝物ですね。
https://tannoy.exblog.jp/30810575/

79. 中川隆[-13284] koaQ7Jey 2020年3月26日 22:01:02 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1620] 報告
ピアノの歴史

ピアノが誕生して約300年になリます。

3世紀に渡って発展を遂げてきたかのように思えますが、実は20世紀になってからは、ほとんど変化がみられません。

ピアノは19世紀未に完成の域に達してしまったのか、それとも音楽そのものがピアノにそれ以上のものを求めなかったのか、はてまた・・・

そのあたりの謎を、歴史をひもときながら考察してみましょう。


最初のピアノフォルテ

現在のピアノの原型をつくったのは、イタリアのクリストフォリ(1655〜1731)であった。

チェンバロの音が強弱の変化に乏しいことを不満に思い、爪で弦をはじいて鳴らす代りにハンマー仕掛けで弦を打って鳴らすという、現在のピアノ・ メカニズムを発明したのが、1709年。 彼はこのメカニズムを備えた楽器を“クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ”(弱音も強音も出せるチェンバロ)と名付けた。 この名称を短くつめて、現在“ピアノ”と呼ばれているわけである。

このクリストフォリの仕事は、イタリアでは後継者がなく、ドイツのオルガン製作家ジルバーマンに受け継がれた。彼はクリストフォリの発明に改良を重ねて 新しいピアノをつくった。 J.S.バッハは、フリードリッヒ大王に献呈されたジルバーマンのピアノを、王の御前で演奏している。(1747年)


ピアノフォルテの改良

ドイツのピアノ工業に最も大きな貢献をしたのは、ヨハン・アンドレス・シュタイン(1728〜1792)であった。

彼はジルバーマンのピアノのメカニズに新たな改良を加え、ドイツ式もしくはウィーン式と呼ばれるアクションを完成させた。このアクションは長年にわたって評判をとった。シュタインのピアノは軽快なタッチと音が特長で、モーツァルトはこのピアノの明るく平均された音色を愛し、多くのピアノ曲を書いた。

一方イギリスではヨハネス・ツンペが、クラヴィコードの流れを継承して、クラヴィコードにハンマーアクションを装置したスクウェアピアノ を制作した。ピアノを初めてソロ楽器として公開演奏したのは、J.C.バッハ(J.S.バッハの息子)であったが(1768年)、そのとき使われたのがこのスクウェアピアノであった。

そしてこのツンぺの発明したイギリス式アクションに改良を加え、弦の張力を増し、フレームも強いものにしたのが、イギリスのジョン・ブロード・ウッドである。彼のイギリス式アクション(1780年頃)は、抵抗感のあるタッチと力強い音を生み出した。現代のピアノの先駆ともいえるであろう。晩年のベートーヴェンは、このブロードウッド製のピアノで数々の傑作を書いた。



ホールでの演奏に耐える音量と音域を追求

初期のピアノフォルテは、1台1台が手作りであったから、決まったモデルを量産したのではない。 従って同じメーカーでも、つくるたびに新しいアイデアを加えて、形も多少変えていった。その音域も18世紀の終り頃までは5オクターブが標準であったが、1800年の境を過ぎると、年を追って音域を増してくる。

フランス革命(1789年)以後、それまで貴族のものであったピアノ音楽も 一般大衆化し、ピアノ工業も大きく発達したのである。1000〜2000人の人達に聴かせるためのホールもでき(18世紀末)、ピアノも音域の広がりとともに、ホールで聴くに耐える音量や音の伸びが要求されるようになった。弦はより高い張力で張られ、それを支えるフレームにも、頑丈な鉄骨が使われ始めた(1799年)。

手作りで1台のピアノを完成させることは不可能な時代に入ったのである。


現代グランド・アクションの完成

音量を増大するのみならず、ピアノ奏法の発達にともない、タッチの面でもピアノに対する要求は大きくなっていった。 素早い連打やトリルなどの装飾音、早い連続したパッセージの多用(ロマン派音楽)が作曲面であらわれるに従って、ピアノのアクションにも、より敏感なものが要求されるようになった。
この要求に応えてアクション機構も一層精密さを増し、アフタータッチがよりクリアーに感じられ、素早い連打を可能にする画期的な現代グランドアクションが、フランスのピエール・エラールにより1821年に発明された。


様々な部分に加えられた改良

1820年を過ぎる頃から、ピアノの製造方法に各国で多くの改良や発明が行われた。ミュージックワイヤーを使うようになったのもそのひとつで、それによってピアノフォルテ時代の細い真鍮線に比べて、音量が著しく増大した。

1826年には、ドイツ系のフランス人ハープが、フェルト製のハンマーを発明した。低音の音量を豊かにするために、太い銅の巻線を使うようになったのも大きな発明である(1820年)。 また、スペース的な実用性を高めるために張弦を交叉にした「交叉弦」も、やはり19世紀前半に考案された。音域もショパン、リスト時代は82鍵にまで増大した。

ショパンは、20歳でワルシャワからパリへ渡ってからは、生涯を終えるまでプレイエル製のピアノを愛用した。リストは、ベヒシュタイン、ベーゼンドルファーなどのピアノを使っている。拡大されたピアノの音域と、増大された音量を縦横無尽に駆使した最初の作曲家は、リストであった。


質的向上をめざした19世紀以降のピアノ工業  〜現代のピアノの完成〜

19世紀の半ば、ショパン、リスト時代を持ってピアノのメカニズムの原理と工法は、一応の完成の域に達した。メーカーのその後の努力目標は、もっぱら質の向上に向けられていった。 ピアノの弦はさらに太い巻線になり、また全体の張力も増大したため、それを支えるために鋳物の鉄骨を組むようになった(1840年)。 そのうえに華やかな明るい音を求めるとなると、弦の張り方も限度まで張力を高めることになる。現代ピアノの張力のトータルは、20トンにも及んでいる。

ヨーロッパピアノメーカーの特色と変遷

パリのエラール社は現代の20世紀まで、フランスを代表するピアノ名門会社であった。創業者セバスティアン・エラール(1752〜1831)は、 フランスでピアノフォルテをつくった最初の人である。19世紀末から20世紀初めにかけて、エラールの品質は世界的な評判をとり、演奏会ホールや各国の王宮にもエラール・ピアノが備えられた。

ドイツのブラウンシュヴァイクのグロトリアン・シュタインヴェークは、今日のスタインウェイの前身会社で、今なお堅実な製品を出している。この一族の一人であるハインリヒ・エンゲルハルト・シュタイヴェーグはアメリカに渡り、ニューヨークに工場を開き、名前を英語読みにかえてスタインウェイをつくりはじめた(1853年)。これがニューヨークのスタインウェイである。後にまたこの一族の一人がドイツに戻って製造を始めたのが、今日のハンブルグスタインウェイである。かくしてこの会社は二種の製品を出すことになった。

ベヒシュタインの元祖フリードリヒ・ウィルヘルム・ベヒシュタインは、19世紀半ば過ぎに、ロンドンのピアノ工場で徒弟として修行を積み、バリではハープに弟子入りをして1853年にベルリンで小さな工場を開いたが、数十年で一流メーカーに進出。リストやビューローもこのピアノを愛した。

ライプチヒのブリュートナーも、1853年にユリウス・ブリュトナーが3人の仲間とともに工場を開き、創業はじめから品質の良い、音量の充実したピアノとして評判をとった。モシュレス、ライネッカ、リストなどが愛用し、1867年のパリ万国博では一等の金賞を得て一躍有名になった。

ウィーンには名門ピアノ、ベーゼンドルファーがある。イグナツ・ベーゼンドルファーによる1828年の創業で、音楽の都ウィーンを象徴する歌うような伸びのある音質が長所で高い評価を得た。

総じて19世紀半ば以後のピアノは、大会場にふさわしい音量が要求されるので、一昔前に比べて鍵盤も長く、沈みも深い。協奏曲などでオーケストラに負けてはならないので、ピアノの設計にもその対応が必要になってくるのである。また一方で作曲家もオーケストラに挑戦するような作品を書くのは、リスト時代から始まっていた。音域の面でも第一次世界大戦後は、88鍵が標準になった。

このようにして、音の質、タッチ、音域、音量、そして総合的に現代の要求に応えるピアノが完成したのである。

https://www.miyajimusic.com/piano/known/known1_1.php

80. 中川隆[-13283] koaQ7Jey 2020年3月26日 22:03:21 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1621] 報告
No.12"エラール"
http://www.piano.or.jp/enc/kenban/erard.html

解説:伊藤 綾子

エラール社(1780--1959)は1780年にセバスチャン・エラールによって創業された、19世紀フランスを代表するピアノ・メーカー。

歴史的な作曲家(ハイドン、ベートーヴェン、リスト、ショパン、メンデルスゾーン、ヴェルディ、ワーグナー、シャブリエ、フォーレ、ラヴェル)がエラールを所有していただけでなく、18世紀には顧客にマリー・アントワネット王妃もいた王宮の楽器職人であった。

パリ音楽院の業者であったこともあり、19世紀後半のパリ音楽院でのレッスンはエラールのピアノで行われ、音楽家、ピアニスト、作曲家達が、その響きによって育成されている。

そして、時代の先端を行くピアニスト(若きリスト、ルービンシュタイン、パデレフスキー)が広告塔となってエラールを演奏会で使用し、その発展を促した。
http://www.piano.or.jp/enc/kenban/erard.html

81. 中川隆[-13282] koaQ7Jey 2020年3月26日 22:04:58 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1622] 報告
エラール
https://museum.min-on.or.jp/collection/detail_G00240.html

製作者:フランス、エラール社 
製作年:1899年
サイズ:全長=257p、幅=151p、高さ=106.5p
音域:A₂〜a⁴、85鍵

「ピアノの貴婦人」と称され、外装はホワイトクリーム色で側板や脚に見事な彫刻が施されています。全体的に、ヴェルサイユ宮殿を建てたルイ14世の時代の様式を持っている豪華なグランド・ピアノです。


ベートーヴェンとエラール

ベートーヴェンのピアノ作品のなかで1803〜1816頃はフランスのエラール製(F₁〜c⁴、68鍵)のピアノを使用して作曲していたと言われています。

ベートーヴェンはこのピアノの音域の広さをピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」に反映しています。低音の反復音で始まり、突然最高音域に跳躍して旋律が奏でられます。

第23番の「熱情」の終楽章では、このピアノの最高音c⁴がふんだんに使われています。

https://museum.min-on.or.jp/collection/detail_G00240.html

82. 中川隆[-13281] koaQ7Jey 2020年3月26日 22:10:31 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[1623] 報告
2017.06.14
【ショパンが愛したピアノ】なにが違う? ピアノメーカーの特徴を紹介2


こんにちは! ピアニストのRiLuMi(リルミ)です。

ピアノは持ち運びができない楽器なので、演奏の仕事では各会場にあるピアノを弾くことになります。ピアニストにとってはどこのメーカーのピアノが置いてあるのかなということも楽しみのひとつなのですが、ピアノに馴染みのない方の中にはあまりメーカーの違いに関心を寄せたことがないという方も多いようです。

そこで、ピアノの種類やメーカーについて紹介してみようと思い立ちました。前回はビギナー向けということでYAMAHAのCシリーズとSteinway & Sonsのコンサートグランドを取り上げました。


今日はフランスのピアノメーカー、PLEYEL(プレイエル)とErard(エラール)を紹介します。

どちらもピアノ好きの方以外には聞きなれない名前かもしれませんが、プレイエルは世界最古のピアノメーカーであり、かのショパンが愛用していたことでも知られています。エラールも様々な作曲家が所持し、顧客にマリー・アントワネットがいたりと、どちらも歴史的人物に関わりのあるメーカーです。

そんなロマンある2社のピアノですが、現在演奏会などで聴くことはなかなか難しいので、音源をご紹介します。

ショパンが愛した音、プレイエル
早速プレイエルの音から聴いてみましょう。




創始者のイグナッツ・プレイエルは作曲も演奏もこなす多才な人物でしたが、様々な要因とフランス革命によって市民に糾弾され、音楽家として生きていくのが難しくなります。そこでまず楽譜の出版業を起こし、その 2 年後からピアノ製造をはじめました。

息子カミーユ・プレイエルは父イグナッツから会社を譲り受け、作曲家の支援をしたり演奏会用ホールを作り事業を拡大したりします。そういった中で出会ったひとりがショパンでした。

こちらはプレイエルショールームの紹介動画です。





上記のショールーム動画内でも説明がありますが、ショパンの曲にはプレイエルがピッタリ。ピアニストのコルトーは、プレイエルのピアノを使ってショパンの録音を残しています。

もとは家具職人! 才能ありすぎのエラール

エラールの創始者であるセバスチャン・エラールは建築をはじめ機械や機構にも鋭い感性があり、家具職人からチェンバロメーカーへと移ります。

技術力のあった彼はあっという間に師匠の能力を超えてしまうと、それが理由でクビになってしまいました。次の職場も才能ゆえにうまくいかず、自分の工房を持ったのちに初のピアノを発表するも、周囲のやっかみで職人のグループから外されてしまいます。

しかし彼はピアノ作りを続けるために、時の王妃マリー・アントワネットに取り入り、多くのピアノを贈ったとされています。

そんな波乱万丈なエラールのピアノはどんな音がするのでしょう?





こちらはスタインウェイとエラールの比較動画です。音の違いがハッキリわかると思います。





動画からもわかるように、現在のピアノより鍵盤も少なく、聴きなれない音がしますよね。チェンバロからピアノへの過渡期には、様々なピアノが発明され作られてきました。プレイエルもエラールもその流れがあったことが伝わると思います。

そしてこの二社はフランス革命・世界恐慌・第二次世界大戦と大きな時代の波を受け、最終的にひとつの会社となりますが、すでに生産を終えています。

新たにピアノが作られることがないと思うと寂しくもありますが、今ある楽器は長く大切にされていくでしょう。

今後もし見かけたり、演奏する機会があるとしたら、それはとても幸運なことだと思います。

https://cosmusica.net/?p=4203
83. 2021年1月08日 10:05:38 : BBvn1aJu7g : Q0NCdzYvcHFWaWM=[7] 報告
「音楽&オーディオ」の小部屋
芸術的な価値をコストで割り切ることの是非 2021年01月08日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/4bc0bcbda9955d2011768f1f42b9b132


いつぞやの「読売新聞」に掲載されていた記事を再掲してみよう。
         

ストラディバリウスといえば周知のとおり数あるヴァイオリンの中でも王様的な存在だが、この種のネタは旧くて新しいテーマとしてこれまでも度々提起されている。

その理由は「数億円もするヴァイオリンが、はたしてそれに見合う音を出しているのか?」の一点に尽きる。

煎じ詰めると「藝術的な価値をコストで割り切れるのか」というわけで、結論の出しようがない不毛の議論を性懲りも無く何度も何度も〜(笑)。

この新聞記事では演奏者の正体が明かされていないところがポイントで、たとえば一流の演奏者が弾くのと二流の演奏者が弾くのとではいかなる名器であっても違った響きを出すのが当たり前だから随分と無茶な話のように思える。

ちなみに、ずっと以前に「名器ストラディバリウスの真価とは」と題して投稿したことがあるので、以下再掲しておこう。

音楽は「音」で成り立っているが、ご承知のとおりその「音」というのは物体の振動によって発生し、空気の振動として伝わっていく。

楽譜は読めなくても、せめて音響の原理ぐらいは理解しておこうと思って(今更、何だ!)読んでみたのが次の本。

「よく分かる音響の基本と仕組み」(2007年、岩宮真一郎著)  

音の正体、聴覚の仕組み、など興味深い項目について分りやすく解説されていた。それに頁のところどころにはさんである”コラム”も面白い。193頁に以下のコラムがあった。

ヴァイオリンの世界では「ストラディバリウス」や「ガルネリ」といったいわゆる「名器」がとてつもない値段で取引されている。中には10億円以上のものがある。こういった神格化された名器の音は、はたしてその値段にふさわしいものだろうか。

きちんとした聴き比べ実験が試みられている。ストラディバリウス(数億円)、プレッセンダ(数千万円)、中級品(50万円)、低級品(5万円)の4種類のグレードのヴァイオリンが使われた。

一流の演奏家による演奏を録音し、被験者に何度も聴かしてそれぞれの音の特徴を覚えさせる。そして、音だけ聴かせてどの楽器かを回答させた。その結果、ストラディバリウスの正答率は53%だった。あまり高い正答率とはいえないが、全然分らないというものでもない。少なくとも「中級品」「低級品」と間違えることは少なかった。

「音の伸びがいい」「音の厚みがある」ことがストラディバリウスと判断する手がかりだったという。

ところがである。同じ被験者で生演奏で同じ実験をしたところ、正答率は22%に下がってしまった。これはほぼ偶然にあたる確率である。演奏者の素晴らしい演奏に聴き入ってしまい聴き比べがおろそかになってしまったのだろうか?名器の秘密に迫るのは難しそうだ。

以上のような内容だったが、この話、オーディオ的にみて実に興味深いものを含んでいるように思う。

電気回路を通した音では聴き分けられたものが、生の音では聴き分けられなかったいうのがポイント。

このことは目の前でじかに聴く音の瑞々しさ、生々しさは楽器のグレードの差でさえも簡単にカバーしてしまうことを示唆している。

したがって、オーディオにはあまり熱を入れず生の演奏会を重視する人たちがいるというのも一理あるのかもしれない。

さて、ストラディバリウスの真価は果たしてこの程度のものだろうか。

日本の女流ヴァイオリニスト千住真理子さんがストラディバリウスの中でも名品とされる「デュランティ」を手に入れられた経緯は、テレビの特集番組や著書「千住家にストラディバリが来た日」に詳しい。

テレビの映像で、彼女が「デュランティ」を手にしたときの上気してほんのりと頬に紅がさした顔がいまだに目に焼き付いて離れない。

千住さんによると、凡庸のヴァイオリンとはまったく響きが違い、いつまでも弾いていたいという気持ちにさせるそうである。

やはり、プロの演奏家にしか真価が分らないのが名器の秘密なのだろうか、なんて思っていたところ、逆に「ストラディヴァリは神話に過ぎない」とバッサリ一刀両断している本に出会った。               
                          
「贋作・盗作 音楽夜話」(2010.5.10)

著者の「玉木宏樹」氏は東京芸大の器楽科(ヴァイオリン)を卒業されて現在は音楽関係の仕事をされている方。

本書は表題からもお分かりのとおり、音楽の裏話を面白おかしく綴った本だが、その57頁から75頁まで「ヴァイオリンの贋作1〜3」の中でこう述べてある。

「ではストラディヴァリは本当に名器なのでしょうか?私の結論から申し上げましょう。それは神話でしかありません。値段が高いからいい音がするわけではなく、300年も経った楽器はそろそろ寿命が近づいています」

「ヴァイオリンの高値構造というのは一部の海外悪徳業者と輸入代理店によってデッチ上げられたものですが、ヴァイオリニストというものは悲しいことに最初から自分独自の判断力を持つことを放棄させられています」

「ヴァイオリニストにとっての名器とはいちばん自分の身体にフィットして楽に音の出るものと決まっているはずなのに、その前にまずお金で判断してしまうのです」といった調子。

以上のとおりだが、芸術家としての千住さんの話もご尤もだと思うし、玉木さんのドライな説もなかなか説得力があり、どちらに妥当性があるのか結論を出すのがなかなか難しいが、この問題は冒頭に述べた「芸術的価値をコストで割り切れるのか」に帰するようで、つまるところ当のご本人の価値観に任せればそれで良し!

オーディオだって似たようなものだから(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/4bc0bcbda9955d2011768f1f42b9b132

84. 2021年4月17日 13:45:24 : RSLdzPRb1s : Y0wwMFV6MDlreDI=[28] 報告
Date: 9月 27th, 2012
日本のオーディオ、日本の音(その4)
http://audiosharing.com/blog/?p=8532


ステレオサウンド 62号の「日本の音・日本のスピーカー その魅力を聴く」に参加されているのは、
岡先生、菅野先生、黒田先生で、特集の最後に鼎談が載っている。

菅野先生が、そこでジュリアス・カッチェンのことを語られている。
     *
もう死んじゃったジュリアス・カッチェンというピアニストと、たまたま録音の仕事をしていきるときに、ピアノ選びをやったことがあるんです。
そのときにかれはヤマハのピアノに猛烈にしびれた。最近じゃリヒテルがすごいしびれているようですけど、どういうしびれかたをしているのか知りません。カッチェンには、なぜヤマハのピアノにしびれたのかを非常に興味をもって聞いたわけです。
そこで、かれが言うには、とにかくピアノからこんな美しさをもった音というのは聴いたことがない、と。
ぼくは片一方にあったスタインウェイがすごく張りのあるキラッと光ったいい音がしているので、こっちのほうがいいだろう、と主張したら、かれはさかんにメンデルスゾーンのロンド・カプリチオーソを弾きながら比べているわけ。そして、汚いって言うんですよ、スタインウェイの音が。これはジャリジャリして汚い、と。ヤマハの音がずっとピュアであるというわけ。
そのとき、ぼくは感じたんですが、これは意外にもぼくらの盲点なのかもしれないぞ、明治以来、急速に欧米文化をとり入れていくうちに、日本人の内部に欧米文化へのあこがれだけでなく、コンプレックスが育ってきていることは否定できないことだけれども、ぼくもまたそのコンプレックスをとおして、ヤマハとスタインウェイをくらべていた可能性があるな、と。
     *
ステレオサウンド 62号は1982年3月発売の号なので、
まだグレン・グールドがスタインウェイからヤマハのピアノにしたことについての情報は入ってなかった。

菅野先生は、この鼎談で、さらにデビッド・ベーカーについても語られている。
     *
この2S305については、デビッド・ベーカーというジャズ録音の専門の人が絶賛しているのを聞かされたことがあるんです。
かれは、ものすごくほれこんで、あんなきれいな音のスピーカーはない、それはきれいな音であり、しかも非常にアキュレイト(正確)だって言うんですよ。これこそモニターとして最良だ、と。
そして、かれの口からアメリカのスピーカーの悪口がポンポン飛びだしてきたわけ。
その話をかれとしたのは5〜6年まえのことですが、それほどまでにかれを感動させたスピーカーが25年まえに開発されたものであったのに、それじゃ他にはどうか、というと、これだけが突出していたんですね。それから長い空白がある。
     *
ヤマハのピアノとスタインウェイのピアノの比較、
欧米のスピーカーシステムと日本のスピーカーシステムの比較、
スタインウェイのピアノと欧米のスピーカーシステムの共通するもの、
ヤマハのピアノと日本のスピーカーシステム(ダイヤトーンの2S305)の共通するもの。

いま、グールドのゴールドベルグ変奏曲を聴くにあたって、
石英CDで聴くことのもつ意味、
ダイヤトーンの2S305で聴くことの意味を秤にかけたとき、
私にとっては後者の与えてくれるもの、そこから得られるものがずっと大きく多い、と思っている。

http://audiosharing.com/blog/?p=8532

85. 中川隆[-13652] koaQ7Jey 2022年2月22日 12:42:36 : 8wE9VECBbI : ZUgzZGVEQkJQVlU=[7] 報告
ベヒシュタインを愛用したアルトゥール・シュナーベル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1758.html
86. 中川隆[-11688] koaQ7Jey 2024年2月04日 22:57:05 : RLrsjn2fSA : eFFwUjZ3MGR5REU=[3] 報告
【気になる】ヤマハとカワイの違い
株式会社 名古屋ピアノ調律センター
2024/01/26
https://www.youtube.com/watch?v=ZX8C0aoDPXM

ピアノの知識が少ない方でも一度は名前を聞いたことがありそうな、日本のピアノメーカー「ヤマハとカワイの違い」についてお話しします。

0:50 日本のピアノメーカーの歴史
2:46 ヤマハのピアノ
5:25 カワイのピアノ
8:54 音色聴き比べ〜ヤマハ〜
9:18 音色聴き比べ〜カワイ〜

  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
  削除対象コメントを見つけたら「管理人に報告する?」をクリックお願いします。24時間程度で確認し違反が確認できたものは全て削除します。 最新投稿・コメント全文リスト
フォローアップ:

このページに返信するときは、このボタンを押してください。投稿フォームが開きます。

 次へ  前へ

▲上へ      ★阿修羅♪ > リバイバル3掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

▲上へ      ★阿修羅♪ > リバイバル3掲示板
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧