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オオカミってやっぱすごい! ほんの少数のオオカミの群れが自然に奇跡をもたらすまで(米イエローストーン国立公園)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/632.html
投稿者 中川隆 日時 2016 年 4 月 24 日 08:39:16: 3bF/xW6Ehzs4I koaQ7Jey
 


Wolf in Yellowstone  イエローストーンのオオカミ
https://www.youtube.com/watch?v=8b0aCLiaaa0

イエローストーン国立公園 オオカミ
https://www.youtube.com/watch?v=TxqXSu0Er64

GRAY WOLVES IN YELLOWSTONE NATIONAL PARK イエローストーン
https://www.youtube.com/watch?v=9iL_HBAyWD8

未来を創る科学者達 (43)オオカミ復活をめざして 丸山直樹
https://www.youtube.com/watch?v=OTrpMSouUXM

絶滅したオオカミの「復活」が、日本の自然を救う!丸山直樹氏(日本オオカミ協会会長)
https://www.youtube.com/watch?v=ydLWQRmm-uY

オオカミってやっぱすごい!ほんの少数のオオカミの群れが自然に奇跡をもたらすまで(米イエローストーン国立公園)

2015年10月08日


 自然とは繊細なる生命体のようなものだ。ほんの少しの変化が生態系に大きな影響を及ぼすこともある。実際、バタフライ効果(※ 初期値のわずかな変化が時間の経過と共に大幅な影響を及ぼす現象のことで、蝶が羽を動かすだけで遠くの気象が変化するといった比喩的、寓話的な表現。)が最も顕著に現れるのが自然界である。

 アメリカのイエローストーン国立公園。この大きな自然保護区には長い間オオカミがいなかった。70年前に絶滅してしまったのだ。だがこの地に再びオオカミが住み始めると、自然の景観は劇的な変化を遂げた。なんと川の形を変え、緑豊かな森をよみがえらせたのだ。

 たった1つのオオカミの群れ(ウルフパック)がこのような劇的な変化をもたらすとは実に信じがたいことである。だがこれが本来あるべき姿だったのかもしれない。


How Wolves Change Rivers・movie translated melondeau

 21世紀前半における最も興味深い研究結果は、「栄養カスケード」の発見だろう。栄養カスケードとは、生態系を構成する生物が、食う食われるの関係(捕食被食関係)を通じて段階的に効果を及ぼす経路を表す用語である。

 そして、その典型的な例が、アメリカにあるイエローストーン国立公園で実際に起きたのだ。イエローストン国立公園周辺にはかつて多くのオオカミがいたが、1926年、野生のオオカミが殺されたという公式記録を最後に、完全に姿を消した。しかし、生態系回復の目的で1995年にカナダから連れてきたオオカミが再導入されると、実に興味深いことが起こった。この再導入は野生動物をめぐる「20世紀最大の実験」と呼ばれている。

イエローストーン国立公園の変化

 オオカミは頂点捕食者で、多くの種の命を奪い取ることは一般的によく知られている。しかし、彼らは同時に多くのものに命を与えているのだ。オオカミが戻ってくる前の70年間で、公園に生息する鹿の数は、捕獲される恐れがないため、増え続ける一方であった。

 生息数をコントロールしようという試みもあったが成功せず、鹿により公園内のほとんどの植物が食べつくされてしまうという事態に陥った。しかし、ほんの少数にも関わらず、オオカミたちが戻ってきた事で、公園には大きな変化が訪れた。

鹿の数が減少

 オオカミが鹿を捕獲するため鹿の数が減った。しかし、これはその後に起こることと比べたら、ほんの小さな変化である。オオカミの存在により、鹿たちの行動にも変化がおき、その変化は公園全体へと広がっていった。

 まず、鹿はオオカミたちから狙われやすく逃げづらい谷の合間や障害物があるような狭い道など、特定の場所を避けるようになった。


植物と鳥の復活

 これらの地域では、鹿が近づかなくなったため、植物たちが息を吹き返した。たった6年間で、木の高さが5倍になった場所さえある。裸同然だった谷あいの側面はあっという間にアスペンや柳、ハコヤナギが多い茂る森となり、すぐに多くの鳥たちが生息し始めた。

 ツグミやヒバリなどの鳴き鳥の数も増え、渡り鳥の数も大幅に増えた。

様々な動物たちがまた戻ってきた

 木が増えたことにより生態系エンジニアの役割を果たすビーバーも住み着くようになり、生態的地位(自然環境の中である生物が他の生物との競争などを経て獲得した、生存を可能にする条件がそろっている場所)が増えていった。

 ビーバーの作るダムは、カワウソやマスクラット、カモ、魚、爬虫類、両生動物など多くの生物の住処となった。また、オオカミがコヨーテを捕食することで、コヨーテの餌食となっていたウサギやネズミの生息数が増加し、その結果、ワシ、イタチ、狐、アナグマなども増えた。

 オオカミの食べ残しを求めて、カラスや鷹などもやってくるようになり、熊さえもオオカミの食べ残しを餌とし、その個体数を増やしていった(熊の個体数の増加にはベリー類が再び育ち始めたことにも起因している)。

 また、熊は鹿の子をターゲットにするなど、オオカミにも影響を及ぼすようになり、本来あるべき自然のサイクルが出来あがったのだ。

 しかし、本当に驚くようなことが起きたのはここからである。

たった20年で自然環境が激変。水と緑の豊かな場所に

 オオカミは他の生物に大きな影響を与えただけでなく、川の特徴までも変えてしまったのである。それまでの曲がりくねっていた川は緩やかな蛇行流となり、浸食が減り、水路は狭まり、より多くの水のたまり場ができ、浅瀬ができるようになった。これらの全ては野生の生物たちにとって好ましい環境である。


 オオカミの出現で川の様態が変わり、森林が再生されることにより、川岸はより安定し、崩れることも少なくなった。そして、川は本来の強さを取り戻し、鹿たちに食尽された谷間の植物たちも再び生い茂り始めた。植物が増えたことにより、土壌の浸食を抑えることにつながった。


 こうしてみると、ほんの小さなオオカミの群れが、生態系だけでなく、イエローストーン国立公園という巨大な土地の自然地理学さえ変える力があることがよく分かるだろう。

 現在ではその個体数が安定したことから、1973年より絶滅危惧種に指定されていたオオカミは、2012年9月末に絶滅危惧種の指定を解除された。

 イエローストーンからオオカミが消えた理由は、自然破壊と人為的駆除が原因と言われている。「自然はそのままであるべきだ」とか「人間にとって都合がよくないかもしれない」という理由で、再導入に反対する声も上がっていたのは確かだ。

 だが、オオカミを絶滅に追いやったのは自然ではなく人間だ。結局のところ、我々人間がオオカミの運命を握っているのだ。イエローストーンでは、オオカミを復活させた後入念に個体管理を続けている。オオカミを復活させた以上、彼らに対する責任は人間にあるということを忘れてはならない。
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52202394.html  

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コメント
 
1. 中川隆[3564] koaQ7Jey 2016年8月08日 16:13:19 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[3926]


島に暮らすオオカミの集団、主食はシーフードだった
ナショナル ジオグラフィック日本版 8月8日(月)7時30分配信
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160808-00010001-nknatiogeo-sctch

群れを率いる雌オオカミ。2011年、カナダ・バンクーバー島の海岸でバーティー・グレゴリー氏が撮影。(PHOTOGRAPH BY BERTIE GREGORY, NAT GEO WILD)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160808-00010001-nknatiogeo-sctch.view-000


カナダ・バンクーバー島の海岸で暮らすオオカミの意外な生態

 カナダ西部に位置するバンクーバー島の海辺を、幽霊のように歩き回る動物がいる。彼らは海沿いの苔むした森でひっそりと暮らし、人々にその姿を見せることはめったにない。2011年、英国の映画製作者バーティー・グレゴリー氏は幸運にもその動物を目撃した。海辺のオオカミたちだ。「海岸に暮らすオオカミは特別な存在です。不思議な魅力とオーラを漂わせています」


【写真】島に暮らすオオカミは泳ぎも得意
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/magazine/15/091800009/092100005/?P=2&img=ph2.jpg


 グレゴリー氏は帰国すると、ドキュメンタリーの製作を開始した。ナショナル ジオグラフィック初のYouTubeシリーズ「ワイルドライフwithバーティー・グレゴリー」として、8月3日から公開されている。

「海辺のオオカミはユニークな捕食者と言えます。この素晴らしい景色の中で狩りをしているのです」。米国メリーランド州ほどの面積を持つバンクーバー島とその西に浮かぶ島々は、太平洋岸北西部の自然を今も残す辺境の地だ。

 レインコースト自然保護基金の科学ディレクター、クリス・ダリモント氏は20年近く前から、海辺に生息するオオカミの生態を研究している。めったに目撃されることのない海辺のオオカミについて、興味深い事実をいくつか教えてくれた。
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2タイプいる海辺のオオカミ

 海辺のオオカミには二つの個体群がいる。本土の海岸に生息するものと島の海岸にすむものだ。グレゴリー氏が注目したのは後者だ。「本土の海岸に住むオオカミはあらゆる点で“海岸性”と言えます。ただし、島のオオカミに比べると、シーフードをあまり食べません」とダリモント氏は話す。
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海を頼りに生きる

 島のオオカミは内陸のオオカミと異なり、文字通り、海だけを頼りに生きている。遺伝子がそれを証明している。2014年に生態学専門ジャーナル「BMCエコロジー」に発表された研究論文によれば、島の海辺に生息するオオカミたちは内陸のオオカミと全く異なるDNAをもつという。

 オオカミの場合、こうした遺伝的な差異は決して珍しくない。ただし、2014年の研究に参加したカナダ、カルガリー大学の研究助成金担当者エリン・ネイビッド氏は、バンクーバー島の西岸という狭い範囲で独自のDNAが見つかることは珍しいと述べている。

「オオカミは広い範囲を移動する動物です。行動圏は数百キロに及び、小さな水域くらいは難なく越えてしまいます」

「遺伝的な分化について考える場合、長い距離によって隔てられた個体群が遺伝的な差異をもつようになるという状況を思い浮かべるのが一般的でしょう」


食料の9割がシーフード

 オオカミが食べるものといえばシカやヘラジカを想像するかもしれないが、海岸のオオカミたちの主たる食料はシーフードだ。そのうち、4分の1近くがサケ。それ以外には、フジツボや二枚貝、ニシンの卵、アシカ、アザラシ、カワウソ、死んだクジラなども食べる。
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超一流のスイマー

 ダリモント氏によれば、海辺のオオカミは海と陸を自由に行き来して生きているという。狩りをするときは、陸から海の岩場まで何キロも泳ぎ、アシカやアザラシ、動物の死体を食べる。「最も長く泳いだ記録は、陸地から12キロ離れた群島です」とダリモント氏は話す。
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陸のオオカミに比べて小柄

 こうした食生活の影響もあり、体はカナダのほかの地域に生息するオオカミよりも小さい。「内陸のオオカミのほうが20%ほど大きい体をしています。犬に例えると、グレート・ピレニーズくらいでしょうか」。しかも、海辺のオオカミは赤茶色の個体が多いという。
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減少する海辺のオオカミ

 米国アラスカ州南東部の海岸にはもっと多くのオオカミがいる。しかし、海辺のオオカミは全体としては減少している。「かつては米国カリフォルニア州の温帯雨林でも、オオカミたちが歩き回っていました。しかし、温帯雨林が消失し、バンクーバーの北にあるこの島が安住の地になったのです」とダリモント氏は話す。

「つまり、彼らを大事にしなければならないということです」


2. 中川隆[-5627] koaQ7Jey 2018年2月18日 09:27:44 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]

Wolves Howl - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=L28CnhmeAD4

悲しいから鳴く?オオカミの遠吠えの意味
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52139953.html


残念なことに日本にオオカミはもういない。オオカミの遠吠えがどんなものなのか?実際に聞くことはできないが、荒野に響くオオカミの遠吠えは遠くからでもよくわかるし、とてつもなく恐ろしく感じることもあるだろう。

 低く長い続くというその鳴き声は、彼らにとっては遠く離れていてもコミュニケートできる完璧な方法だ。だが、オオカミはどうして、広大な森やツンドラで、姿の見えない相手に対してと必死に連絡をとろうとするのだろう?

オオカミは単にでたらめに遠吠えしているのではないことはわかっている。彼らは群れによって特有のさまざま遠吠えを、状況によって使い分けている。また、人間の話し方のように、個体によっても鳴き声が違うので、科学者たちは鳴き声によって個体を特定できるという。
 
 オオカミの遠吠えにはいくつかの目的があるが、最も特徴的なものは、群れから離れたメンバーを呼び戻す為のものだ。実験的にあるオオカミを群れから一度離してみて、ほかの仲間がいなくなった仲間に向かってどれだけ必死に遠吠えするか観察してみた。

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 隔離された個体が群れの中でも高い地位にあるオオカミだと、群れは頻繁に遠吠えをした。群れの中での親しい仲間だったオオカミを引き離した場合にも同じような現象が起こった。

 研究者たちは、群れの中で不可欠な仲間がいなくなることでストレスがたまり、遠吠えするのではないかという生物学的な仮説をたてた。だが、その後のさまざまな分析でも、オオカミのストレスレベルは変わらなかったため、遠吠えの動機は本能的、原始的欲求ではないということがわかった。チューリッヒ大学のドクター・サイモン・タウンゼントは次のように説明する。


 オオカミの群れというコミュニティーの中で、より重要な役割を果たしている個体がいなくなると、仲間の遠吠えはより激しくなるようだ。コミュニティーがうまく回るよう、残されたオオカミたちがこの個体と接触を試み、元の群れに戻そうとするのは当然であるが、仲間との友情が絡むときも同じ現象が起こる。

 群れから仲間がいなくなることにより、強いストレスを感じて分泌される副腎皮質ホルモンのレベルが高くなるのかと思ったがそうではなかった。「群れ」というコミュニティーを形成して暮らしているオオカミには、人間と同じような感情があり、社会的、社交的要素を持っているという説明につながる。


 オオカミの群れには、人間に近い複雑な社会的相互関係が働いているのかもしれない。この研究には参加していないが、ノッティンガム・トレント大学のオオカミの遠吠えの専門家ホリー・ルート・ガターリッジはこの発見が重要な意味をもつ理由をこう説明している。

 「オオカミは愛する仲間がいなくなり、一緒にいたいと思うから、遠吠えという行為を選んでいる。遠吠えの引き金となる社会的な接触から切り離すことはとても難しいし、ホルモンがその引き金を変えることもある。つまり、オオカミは本能で鳴くのではない。自ら判断して、複雑な社会的相互関係を考慮し、相手を思う気持ち (尊敬や愛情) が遠吠えという行動に変わっているということなのかもしれない。」
http://karapaia.livedoor.biz/archives/52139953.html  


3. 中川隆[-11265] koaQ7Jey 2019年3月23日 13:17:06 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[744] 報告

2017.12.16
NYT記者がオオカミと戯れたくて取材 前編
イヌとオオカミの違いってなに? 研究最前線に迫る
https://courrier.jp/news/archives/106568/


イヌの祖先はオオカミだとされるが、その共通点と相違点はどこにあるのか。どこで彼らは袂(たもと)を分かったのか。子オオカミと戯れたい下心丸出しのNYT記者が、研究者たちの最新の発見に迫る現場ルポを前後編でお送りする。


「オオカミはイヌにはならない」

私は屋外の囲いのなかに座っている。膝の上には4匹の子イヌが乗り、私の指をしゃぶったり、帽子や髪の毛に噛みついたりしながら、興奮のあまりうれションしまくっている。

彼らは生後8週で、鼻先から尾の先までが約60cm、体重は3〜4sほどだ。噛み痕がいっぱいある鹿の皮を奪い合って、唸ったり叩いたりする。そして私の顔を、長い間行方不明だった友達、あるいは新しく見つけた玩具かのように舐めまわす。

だがこの子たちは、オオカミなのだ。

この子たちが成熟して体重約45kgになるころには、あごの力はヘラジカの骨を噛み砕けるほど強くなる。

この子たちは、目も見えず耳も聞こえず立ち上がることもできないときから人間の近くにいたので、人間が近寄っても大丈夫だし、身体検査にも抵抗せず、耳の後ろを掻かせたりもする──すべてがうまくいけば。

それでも育て親の人間でさえ、用心は必要だ。たとえ生後すぐから哺乳瓶でミルクを与え、母親のように世話をしてきた人間でも、彼らがケガしているとか気分が悪いときには、囲いに入るべきではない。彼らが捕食反応を起こすかもしれないからだ。

オオカミから追いかけられて逃げるのが楽しいなんて人はいないだろうし、オオカミを追いかけるふりする人もいないだろう。経験が豊かなオオカミ飼育者ほど油断がない。

私が何年もかけて取材してきたオオカミ専門家、イヌ専門家たちの言うことに共通点が1つあるとすれば、それは、「どんな育て方をしても、オオカミはイヌにはならない」だ。

オオカミとイヌは同種だと言う科学者もいるほど共通点も多いが、それと同じくらい相違点もある。

身体的には、オオカミのあごのほうがずっと強力だし、オオカミは年に1回しか繁殖しない。イヌは年に2回だ。

行動は、オオカミ飼育者によれば、オオカミはイヌに比べて捕食本能が発動しやすく、自主性が高く、食物やその他の物への独占欲が強い。多くの研究から、オオカミのほうが子供の面倒見がいいこともわかっている。

そして、オオカミには、ラブラドールレトリーバーのような「人類みんなを愛しています」的レベルのフレンドリーさはカケラもない。逆に、ドッグ・トレーナーとペットフードメーカーがイヌに内在する「オオカミ性」を促進しようとしても、オオカミと同じようにはならない。

科学的合意によると、イヌは1万5000年以上前に絶滅したオオカミの一種から進化してきた。オオカミの巣穴からさらってきたオオカミの子が進化したのではなく、狩人から残り物を餌にもらったりしながら人間と接する時間が増えた個体が進化したというのが、ほとんどの科学者の現在の考えだ。

これらのオオカミのうちだんだん人間を恐れなくなったものが、さらに人間に近づき、残飯にありつくようになり、より多くの子、しかもオオカミのどう猛さが少ないDNAを持つ子たちを産むようになった。これが代々繰り返され、オオカミが、科学的用語ではないが「フレンドリー」になるまでに進化したのが、最初のイヌだ。

オオカミの子に人間が一緒にいられる相手だとわかってもらうには、1日24時間、週7日、何週間もぶっ通しで一緒に過ごす必要がある。一方、イヌの子なら身近な人間にすぐに従うようになる。野良イヌであっても、適切な時期に人間と接したことがあれば、フレンドリーになる。

Photo: Renaud Philippe / The New York Times

オオカミとイヌの遺伝子には類似点も多くあるが、大きな違いもあり、この遺伝子がいつどのように活性化するか、またその違いが何であるかを科学者たちが究明している。

いくつか手がかりはある。

イヌの人懐っこさは、ウィリアムズ症候群のようなものが原因ではないかとする最近の研究もある。ウィリアムズ症候群とは、人間の遺伝子疾患で、過度な社会性の高さを生じさせるなどの症状を示す。患者は普通の限度を超えて、誰に対してもフレンドリーなことで知られる。

また別の研究では、イヌの生後早い段階の「社会化期」に、なんらかの発達の遅れが生じることでこの違いが生じるのではないかとするものもある。この遅れはDNAのなかから発見されるかもしれない。遺伝子そのものではなく、いつどのように遺伝子を活性化させるかをつかさどる部分に発見される可能性が高い。

この研究は始まったばかりで、ある意味大きな賭けだ。2017年の春と夏、2人の科学者がカナダのケベック州に行き、6匹の子オオカミの発達をモニターし、行動をテストし、遺伝子サンプルを採取した。私は彼らに同行する機会を得た。

私は、別のオオカミたち(子と成体)も訪問した。どのようにこの研究プロジェクトが始まるのかを垣間見るため、そして正直に言えば、子オオカミと遊ぶ機会を期待していた。

私は、動物との直接的な、オオカミの目をのぞき込むような経験を記事にしたかった。しかしそれはあくまで比喩的な意味でだ。おとなのオオカミの囲いに入る前の訓練で強調されたのは、絶対に彼らの目をのぞき込んではならないということだった。
https://courrier.jp/news/archives/106568/

4. 中川隆[-11264] koaQ7Jey 2019年3月23日 13:19:46 : b5JdkWvGxs : dGhQLjRSQk5RSlE=[745] 報告

2017.12.17
NYT記者がオオカミと戯れたくて取材 後編
野生のオオカミを飼育するのは倫理的に問題では?
https://courrier.jp/news/archives/106713/


米インディアナ州にある「ウルフ・パーク」で飼育されている母オオカミ、ティンバー


オオカミと眠る

「ズー・アカデミー(Zoo Académie)はカナダのセントローレンス川の南岸、モントリオールから2時間のところにある動物園と訓練所を兼ねた施設だ。オーナーのジェサント・ブシャーはオオカミを含む世界中の野生動物や家畜を訓練してきた。

2017年春、ブシャーは、この動物園で2匹の雌オオカミと1匹の雄オオカミで繁殖に成功、どちらの母親も6月初めに同じ巣穴で出産した。

珍しくセントローレンス川が氾濫し、巣穴が安全ではなくなったので、ブシャーは生後7日で子オオカミを巣穴から取り出さねばならなかった(通常は生後2週間)。

そこから子オオカミたちを社会化させる奮闘が始まった。ブシャーとアシスタントは最初の数週間は昼も夜もオオカミたちと過ごし、それから徐々に一緒の時間を減らしていった。

6月30日、キャスリン・ロードとエリノア・カールッソンが同僚数名とやってきた。カールッソンの研究室で遺伝子研究の指揮を執るダイアン・ジェネルーもそのひとりだ。

ロードが属するカールッソンチームは、マサチューセッツ州ウースターにあるマサチューセッツ大学医学部と、マサチューセッツ州ケンブリッジのブロード・インスティテュートに分散されている。彼らは、子オオカミと子イヌの行動と遺伝子を組み合わせた研究をしている。

進化生物学者のロードは、オオカミの世話に関してはベテランだ。彼女はこれまでに5腹分の子オオカミを育てあげた。

「1週間休みなく、1日24時間、一緒にいなければなりません。一緒に眠り、4時間おきに哺乳瓶でミルクをあげるんです」とロードは言う。

左から研究者のキャスリン・ロード、ミッシェル・コルトゥーキアン、ダイアン・ジェネルー
Photo: Renaud Philippe / The New York Times

最初の何日かはシャワーを浴びないそうだ。子オオカミたちが臭いを嗅ぎ分けられるようにするためだ。

これは非常に重要だ。子オオカミにとっても子イヌにとっても周囲の世界を探検しながら誰が友達で誰が家族なのかを学んでいく重要な時期だからだ。

オオカミは生後2週間くらいでこの時期を迎えると考えられている。その時まだ子オオカミたちの耳は聞こえず、目も見えない。臭いがすべてなのだ。

イヌの場合、目も見え、鼻も嗅げ、耳も聞こえるようになっている生後4週間頃から社会化期が始まる。この発達の違いがカギとなっているのではないか、つまりイヌはすべての感覚を使えるので、人間との関係を強める能力に長けているのではないかとロードは考えている。

おそらく、イヌのほうが機能している感覚が多いので、嗅覚、視覚、聴覚によって人間一般と特定の臭いをもつ個々の人間を識別できるのだろう。

この社会化期が終わると、オオカミは人間の赤ん坊の人見知りのようなものを経験する。軽度ながらイヌにも同様のことが起こる。家族以外を突然怖い存在と感じるようになるのだ。

Photo: Renaud Philippe / The New York Times

社会化期の遺伝的変化を突き止めるのは簡単にはいかないようだ。とはいえロードもカールッソンも、これは追究する価値のある説だと考えている。ブロード・インスティテュートも同様の考えで、未知の、いわば「もしかすると」の世界に飛び込んだ科学者たちを支援するプログラムから、研究費を少額ながら助成している。

科学者たちが究明したい問題は2つある。そのひとつは「森に棲んでいた1匹のオオカミが、どのようにして人間の家に住むイヌになったか」という問いだとカールッソンは言う。

もうひとつは「イヌのもつ恐れや社会性は、人間と同じく感情や行動に関係しているのか」という問いだ。そうだとすれば、人間の自閉症、ウィリアムズ症候群、統合失調症など、社会的交流に影響する症状について、イヌを研究することでなんらかの洞察が得られるかもしれない。

Photo: Renaud Philippe / The New York Times

研究者たちが最初にやって来たとき、ズー・アカデミーの子オオカミたちは生後わずか3週間だった。

私がアカデミーを取材した朝、部屋に入ると、マットレスと研究者たちと子オオカミがあちこちに転がっていた。人間たちは昨晩からほとんど寝ておらず疲れていたが、この時期の子オオカミは数時間ごとに目覚め、クンクン鳴いたり、届くところにある温かい体を前足で触ったりする。

母オオカミは子のお腹を舐めることで排尿や排便を促す。人間が世話をする場合は、同じ理由で子オオカミのお腹をマッサージするが、たいていの場合、排尿の予測がつかない。そういう次第で、彼らの話題の中心は、子オオカミのおしっこだった。「量は?」「誰のうえに?」「どの子が?」という具合だ。

そこで私は1匹の子オオカミを渡され、抱っこしてミルクをあげるように言われた。その子はまるで毛虫のようで、しつこくて単純で、目的のためにはぜったいにあきらめない。

猛獣の毛皮を着て、牙も爪もあるが、子オオカミたちはそれでも腹を空かせ、頼りなかった。私は自分の子供たちをだっこして哺乳瓶でミルクを飲ませていたころを思い出さずにはいられなかった。おそらくトラの子にもクズリの子にも、同じように拒絶できないものがあるのだろうと思う。哺乳類に特有のなにかが──。

ズー・アカデミー、お昼寝の時間
Photo: Renaud Philippe / The New York Times


オオカミとイヌの社会化期の違い

ロードが研究の初期段階で目的としたのは、オオカミの社会化期がイヌのそれよりも早く始まり早く終わるという見解を確証することだった。

ロードは、子オオカミたちに「未知との遭遇」をさせる実験をした。それは、小刻みに揺れながらブンブン音を立てる鳥よけの棒、三脚、赤ちゃん用モビールを合体させたシロモノだ。

生後8週目の子オオカミを使って実験するロード博士
Photo: Renaud Philippe / The New York Times

そのシロモノに子オオカミが慣れてしまわないように、1週間に1匹だけテストした。1匹の子オオカミを、壁の低い狭い囲いに移し、モビールを動かす。子オオカミの気を散らさないように実験者は身を隠す。

子オオカミがどのようにそのシロモノに遭遇し、その周りを歩き回ったか、それから身を守ったか、近づいて臭いを嗅いだかなどはすべてビデオカメラに録画された

https://courrier.jp/news/archives/106713/

5. 中川隆[-11225] koaQ7Jey 2024年3月21日 16:41:25 : tfaGy4WHNQ : VHJjN283Q00yQ2c=[1] 報告
【Front Japan 桜】オオカミが日本を救う[桜R6/3/20]
2024/03/20
https://www.youtube.com/watch?v=gIwq9t0e3WE

キャスター:高山正之・高清水有子

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