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泥棒に追い銭。GXロケットを開発し続ける愚。(環球閑話時事の徒然、2008.12.19)[科学技術になると思考停止する愚
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/159.html
投稿者 南青山 日時 2010 年 7 月 09 日 00:57:53: ahR4ulk6JJ6HU
 

(回答先: やっぱり出た“事業仕分け倒産”第1号 [日刊ゲンダイ] ギャラクシーエクスプレス,GXロケット 投稿者 乃依 日時 2010 年 7 月 08 日 12:05:27)

http://blogs.yahoo.co.jp/ash1saki/57988649.html

(南青山コメント)
スーパーコンピュータもそうだったが、はた目で見るかぎり、マスゴミもネットも「科学技術になると思考停止する愚」から免れていないように思える。
「科学技術信仰」というか、「科学技術」という錦の御旗を立てられると、多くの人が思考停止に落ち入ってしまうようだ。
スパコンもそうだったが、官製プロジェクトはその多くが天下り先、省益、庁益の温床、官僚や大学の面子争いの結果、誕生、継続してきたものが多い。
GXロケットは、下記の引用記事を見るかぎり、まさに「泥棒に追い銭」事業の代表であり、事業仕分け以前に中止してしかるべきプロジェクトだったように思える。

(以下本文記事)
<宇宙予算>大幅増額 1966億円に

政府は17日、文部科学省が09年度予算編成で要求している中型ロケット
「GX」の開発プロジェクトなど宇宙開発利用予算について、前年度比60億
円(3.1%)の大幅な増額を認める方向で調整に入った。総額は1966億
円となる。来年度を「宇宙基本法元年」と位置付け、宇宙開発を積極的に推進
する姿勢を打ち出すため、例外的な大幅増を認める。

GXロケット関連では、第2段に搭載する液化天然ガス(LNG)エンジン技
術の完成度を高めるプロジェクトの費用として、前年度比51億円増の107
億円が確保される見通しとなった。衛星打ち上げの需要やエンジンテストの成
果をみて、10年度以降の本格的開発に着手するかを判断する。

また、災害監視などに対応する衛星の開発費として10億円(前年度比6億円
増)、地球環境変動観測ミッション(GCOM)を推進する費用として72億
円(26億円増)などを認める。

宇宙基本法は今年8月制定で、内閣に宇宙開発戦略本部が設置された。文科省
の宇宙開発利用予算は07年度が対前年度比1.9%増、08年度が同比
1.8%増だった。【加藤隆寛】

(毎日新聞 2008/12/18)

宇宙開発予算が増額になったのは喜ばしい事ですが、GXロケット
開発の増額の部分を除けば、今年度比略同額。その上、「きぼう」関
連の費用の増加が全体予算を圧迫しますから、惑星探査や天文観測
衛星と言った科学技術関連予算はますます厳しくなったというべき
でしょう。

その中でも、GXロケットの開発に、なお、100億円以上を投入す
る理由が良く判りません。
GXロケットは、当初、官民共同で、実績のあるロシア製の第一段
ロケットの在庫を安く購入し、燃料コストの安い新開発の第二段ロ
ケットを組み合わせ、射場も米国に確保する事で、柔軟な打ち上げ
スケジュールと打ち上げコスト低減を目指すと言う良い事ずくめの
ロケット開発で、しかもJAXAの出費は新開発の第二段エンジン
のみという虫の良いプロジェクトでした。

しかしながら、当初簡単に開発できると思われていた天然ガス燃料
エンジンの開発が難航し、つれて開発コストも高騰しました。加え
て、当初は、安く買い叩ける筈だったロシア製第一段エンジンは別
の会社が購入してしまった為、別のロシア製エンジンを積んだアト
ラスロケットを高値で購入しなければならない事になってしまいま
した。この様に当初の目論見は完全に外れ、お題目も雲散霧消して
しまっており、安全保障つまり情報収集衛星打ち上げとしてしか使
えない、高コストロケットになってしまっています。

少し考えれば判りますが、アトラスロケットの第二段を値段の高い
エンジンに取り替えた上で、アトラスロケットの打ち上げを日頃行
っている射場から発射するのです。しかもアトラスロケットは、コ
スト競争力ではアリアンに適わず、米国政府の調達専用になってい
るロケットなのです。GXが国際的に通用する訳がありません。

GXロケットは20機を製造した段階で一機75億円を予定している
そうですが、現時点で約90〜100億円と見られるH−IIAの
打ち上げ費用と比べても、7割〜8割のコストがかかる一方で、低
軌道への投入能力は、2トンでしかなく、最少構成でも10トンと
されるH−IIAと比べ20%程度にしかなりません。
これを低軌道への1トン当たりの打ち上げコストで比較すると、実
にH−IIAの4倍に達するのです。

打ち上げるものもないのに、JAXAのロケット屋が天然ガス燃料
ロケットを作ってみたかったばかりに1000億円以上の予算を投入し、
しかも当初の構想のロケットエンジンの開発に失敗し、追加で、更
に、1000億円を国際的にも競争力のないロケットに注ぎ込むのは、
納税者に対する背信行為であるとしか言えません。

情報収集衛星という名の偵察衛星は、日本の安全保障上、必要であ
ると思いますが、何故、GXロケットで打ち上げる必要があるのか?
何故、米国まで、持っていって打ち上げる必要があるのか判りませ
ん。その一方で、H−IIAは、打ち上げる機会が少なすぎて量産
ができず、打ち上げ作業の簡素化合理化が行えずにいます。GXが
偵察衛星打ち上げ専用ロケットになった処で、年間に1機の打ち上
げ機会が得られるとは限りません。つまり、いつまでたっても、量
産ができず、打ち上げ手順に習熟できない、従って高コスト構造か
ら脱却できないというH−IIAの欠点がGXにも全て当てはまる
事になるのです。
安全保障目的だから予算が青天井だと思っているのだとすれば、も
っての他です。宇宙開発も安全保障も巨額の費用がかかる割りに目
に見えるリターンが少ないだけに、予算の効率的な執行義務は高い
と考えるべきなのです。

GXロケットの速やかな開発中止、及び偵察衛星打ち上げのH−IIA
への一本化、それによる打ち上げコストの削減を強く求めます。
 

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