★阿修羅♪ > 経世済民69 > 765.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
過去最大の落ち込みをした民間給与  (2009年)     NEVADAブログ
http://www.asyura2.com/10/hasan69/msg/765.html
投稿者 愚民党 日時 2010 年 9 月 30 日 01:31:34: ogcGl0q1DMbpk
 

(回答先: トヨタの下流社会対策  (軽自動車参入)     NEVADAブログ 投稿者 愚民党 日時 2010 年 9 月 30 日 01:26:18)

2010年09月28日

急速に進む人員削減とデフレスパイラル

【ソニー】は赤字に陥っていますTV事業部の人員削減を急いでおり、希望退職者を募集していますが、会社側の思惑通りの数が集まっていないと言われており、今後は強制解雇的な動きをするかも知れません。

この強制解雇では、【JAL】が『整理解雇』を検討していると報じられていますが、これは16,000人削減する再建プランとなっているものの想定した数が辞めないために、『整理解雇』を発動することになりそうですが、【武富士】の倒産もあり、今後、大企業から放出された優秀な人材がハローワークに殺到する事態になるはずです。

円高もあり、今までのスタッフを抱えることは不可能になってきている大企業が多く出てきており、数人単位から数十人単位の解雇・人員削減が多発することもあり得、年末に向けて雇用情勢は一気に悪化するはずです。

大企業の従業員は、よい生活を送っているために、本当の経済の実態を知らないことが多く、退職してハローワークに行って実態を見て愕然としたという話もよく聞きます。

昨年、大手企業を退職した40歳代の男性社員は割増退職金を含め2000万円余りをもらって海外旅行に行ったりしてのんびりしていましたが、今やこの2000万円も半分以下になり、そろそろ仕事を見つけようとしてハローワークに行って愕然としたと言っていました。

自分の希望した年収(最低でも700万円)は一社もなく、あるのは年収300万円以下の非正規社員だったのです。
これでは月額20万円の住宅ローンは払えません。

今後、この40歳代の男性は住宅ローン破綻をしてホームレスになるか、もう一度安アパートから出直すしか道はないかも知れませんが、雇用情勢は日々悪化しており、果たして年収300万円の非正規社員のポストもあるかどうかわかりません。

週刊ダイヤモンドが報じていましたが、パイロットの卵がハンバーガーチェーンの採用に応募したという話はある意味衝撃的ですが、今後このようなある意味エリート層が末端の仕事に流れ込んでくるはずであり、日本の雇用情勢もデフレスパイラルに陥ります。

過去最大の落ち込みをした民間給与(2009年)

国税庁は2009年に民間企業に勤める給与所得者の給与(年収)が2008年に比べ23万7000円(−5.5%)減少し、405万9000円になったと発表しています。

この5.5%の減少は過去最大の落ち込み方となっており、今の日本が急速に下流社会に落ちている実態を給与面から明らかにしたことになります。
また、給与所得者は一年間で82万人減少し、4506万人となり、これも過去最大の減少となっています。

この給与総額405万円ですが、中国の沿海州に住む1億3000万人の年収も400万円と言われており、同じ購買力を持つとすれば、日本人を相手にするより、中国人を相手にした方が市場規模が遥かに大きいと言えます。
何せ日本は4500万人であり中国は1億3000万人いるとされており、しかも中国は増加、日本は減少となれば、話は簡単です。
日本人相手はそこそこにして中国へ靡けとなります。

今、日本企業が一斉に中国に靡いていますが、これも当然といえば当然ですが、問題は中国に完全に頼れば2国間関係が政治問題化した場合や中国経済が崩壊した時に、致命的な打撃を受けるということになるという事です。

それにしましても、日本の下流社会への移行はもはや避けられず、今後益々平均給与が減少しますので、住宅ローンで家・マンションを買ったサラリーマンは、ローンの返済は一定でも収入が減少していますので、返済に窮し自己破産し家・マンションを手放さざるを得なくなります。

年収400万円で2000万円、3000万円もの借金を背負っているサラリーマンが多くいますが、右肩上がりに収入が増えるどころか、反対に減少している今、生活破綻予備軍はいったいどれだけいるでしょうか?

また、子供教育資金は別として、子供の教育にお金を無尽蔵に注いでいる家庭も多いようですが、老後用の資金を取り崩している家庭は老後に困窮することになります。

また、賃貸マンションでは今、物凄い勢いで月額賃料10万円以上の物件が空いてきていますが、空き物件急増下の社会では家賃の崩壊が見られるはずであり、賃貸ビジネスも崩壊することになるはずです。

東京、大阪、名古屋でもワンルームマンションや1LDKマンションの空きが急増してきており、東京都内では家賃の10%以上の引き下げ等も行われているところも出てきていますが、空き物件は増える一方であり、今後ローンが払えなくて家主の破産も出てくるはずです。

3,000万円のワンルームマンション・1LDKで利回り5%であれば管理費も入れれば年収180万円以上必要になり、月額15万円の家賃となります。
これだけの賃料を払えるものはそう多くはありませんし、そもそも家賃に15万円を払える人は今は旧公団(UR)の高級賃貸タワーマンションに住みます。
家賃15万円なら都内でも2DK位は借りれるからです。

結果、需要を無視した賃貸マンションが市場に大量に供給されてきており、近々に賃貸マンション市場が崩壊することは目に見えています。

年収400万円割れ社会では、今まで通りの発想では、投資活動にしろ資産を守る動きにしろ失敗することになります。

円高メリット?

最近、マスコミで円高メリットを指摘する報道が出てきていますが、この円高メリット説には前提が必要になります。

企業が日本で今まで通り日本で工場を作って事務所を持って日本人を雇用するという「前提」です。

今、企業は円高で2つのことを実行しています。
1)体力のある企業は、この円高を使って海外で不動産・会社・工場を買収し日本から設備を移設したり海外での生産能力を  増強し、メイドインジャパンを縮小させる
2)体力のない、または海外に出ていけない企業は自然淘汰を受けるか、自主廃業をして日本での事業を停止する

この2つに共通していることは、日本人を雇わないということです。
体力のある企業は海外で生産を増やし海外で雇用を増やしますので、企業集団としては利益をあげることも可能ですが、このあげた利益は日本のものではなく企業のものであり、企業はどこで使うか、という事を考えます。

企業にとり、前年と同じ利益をあげていればよいというものではなく、少しでも売り上げ・利益を増やす必要があるのです。
この売り上げを増やし、利益を上げるには衰退する・利益をあげていない国(日本)に手にした資金を投入するのではなく、利益をあげたところで再生産(再投入)させる方がはるかに有効となります。

具体的には、利益をあげていない(減らしている)日本に海外で稼いだお金を投入してコストの高い日本の工場・事務所・人を維持するより、例えばタイで稼いだ利益をタイ工場増設の為に投入した方が、遥かに有効なのです。

*不二サッシはビル用サッシの生産を千葉工場の規模を縮小し、マレーシア工場に回す
*スズキはインドの第2工場が稼働する12年にはインドの生産能力が日本を抜く。

そして決定的なな調査があります。

『85円の円高が続けば生産工場や開発拠点を海外に移転させる企業が40%にも達している』(日経)

工場を海外に移転させれば、日本の本社事務要員など必要ありません。
インドで大卒の会計要員を採用すれば月額$1,000以下で済むと言われており、これは日本の3分の1以下になります。

円高が続けば日本人の採用が減少し続け、いずれは本社を海外移転する企業が出てきます。
ひとつ海外脱出となれば一斉に雪崩をうったように続くするのが日本人の習性とすれば、どこが先鞭をつけるのか、皆、見守っているはずです。

すでに海外移転の準備は整っている企業は多いはずであり、そのような企業は高い法人税・雇用法・日本円保有リスクを考えており、今の円高を使って安い海外資産(本社ビル・工場用地・事務所用地)を購入し、いつでも海外移転ができる体制になっています。

円高で日本人の雇用・消費が減少して、果して円高メリットありと言うことが出来るでしょうか?


http://blog.livedoor.jp/nevada_report-investment/?p=2
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

コメント
 
01. 2010年9月30日 15:36:29: IOzibbQO0w

こういう骨董品的なバカはホームレスになるのが妥当だろう
普通は、退職決断の前から次の就職先を探し、
割増退職金はローンの繰り上げ返済に使うものだ


>昨年、大手企業を退職した40歳代の男性社員は割増退職金を含め2000万円余りをもらって海外旅行に行ったりしてのんびりしていましたが、今やこの2000万円も半分以下になり、そろそろ仕事を見つけようとしてハローワークに行って愕然としたと言っていました。
今後、この40歳代の男性は住宅ローン破綻をしてホームレスになるか、もう一度安アパートから出直すしか道はないかも知れません 


02. 2010年9月30日 20:17:40: uvpMSHVtJA
日本の輸出はGDPの十数%にしか過ぎません。
過大に一部の大企業、輸出企業の動向にこの国が左右されることは好ましくは
ないでしょう。

国内でしか商売が出来ない企業も沢山あります。そうした企業を応援したり
後押しする施策や、新たなる国内産業を増やす施策に取り組むことが大事だと
思います。

グローバルな企業は効率が求められ、それでなければ淘汰される可能性は
ありますが、国内は寧ろ、ある程度非効率で雇用の増大が見込めるような
施策が必要ではないかと思います。

現実的には、大店舗の再規制、コンビニの店舗数規制などが有効ではないかと
思います。大店舗の規制により、小店舗の数が増え、(駅前のガレージ通りが
復活します)、コンビニの規制により、町のパン屋さんや、雑貨店が増大します。

こうしたことを再度、あらゆる業態で見直し、雇用の確保を図るべきです。

更に、公務員の給与を1/2にして、現状より1/3の雇用増大を図ります。
(地方公務員も含みます)1/3は市民へもサービス向上に奉仕させます。

大企業は、現実的に日本のインフラをベース(これ程の安全と公共設備は類を
見ないでしょう))に、世界で多額の利益を得て日本には還元しないでしょう
から、税ではなくインフラ使用料、つまりはみかじめのような料金を
世界の売上に比例して徴収する。これで、本社を他国に移すなら移させれば
よいのです。日本の企業において日本に利益をもたらさないのなら、日本に
いても意味がありません。


★企業は利益をあげることが目的ではありますが、その利益は社会に還元する
することを根底として成り立っています。
日本の企業は、日本のネームバリューと安全と類い希なインフラを使用しています。そうしたものの利用料は当然、腹ってしかるべきです。


03. 2010年9月30日 23:10:22: cqRnZH2CUM
>税ではなくインフラ使用料、つまりはみかじめのような料金を
世界の売上に比例して徴収する。これで、本社を他国に移すなら移させれば
よいのです。日本の企業において日本に利益をもたらさないのなら、日本に
いても意味がありません。

ただでさえ空洞化が加速して低賃金雇用が急減しているのに、そんな愚かなことをしたら、
さらに捕捉が容易な高賃金雇用(研究開発&本社機能)までもが急速に海外にでていくことになり納税額は激減するだろうw


04. 2010年10月01日 03:06:18: uvpMSHVtJA
>>03

そんなに心配することはないですよ。
法人税と言ったて6兆円ぐらいしか払っていないです。消費税の3%以下ですよ。
出る企業はあらかた出てしまい、更に出る企業は法人税に関係なく出て行きますよ。
現実問題として、輸出企業で競争を前提とすれば、安い賃金の国に工場を建てて
紛争コストを省くためには現地に工場を建てなければ、真の意味でのコスト
競争はできません。出る企業は出るべきだと思います。日本国家のブランドを
使い、安全とインフラと保護を求めるのなら、海外での収益の50%は国庫に
納めるべきです。国家の後ろ盾のない企業など存続できません。
無国籍で中国やインドにおいて誰が保護してくれるのでしょうか。

もう一度述べますが、企業はたった6兆の税金しか払っていません。こうした
亡霊に惑わされるよりも、国内の産業を育てて雇用の増大を図るべきです。
一時的には苦しいでしょうが、なければないで、かえって国内の育成が
促進されます。

国家の役にたたない企業など、幾ら儲けて大きくなっても、最初から必要のない
企業です。

もう一度言いますが、企業は消費税の3%も税金を払ってはいません。
役立たずな企業は必要ありません。


05. 2010年10月01日 06:12:06: cqRnZH2CUM
>>捕捉が容易な高賃金雇用(研究開発&本社機能)までもが急速に海外にでていくことになり納税額は激減するだろうw

これは
高賃金雇用減=>消費減、所得税減、福祉負担増・・など単純な法人税減少以上の巨大なマイナス効果が問題だという話だ

日経ビジネス オンライントップ>投資・金融>日本経済のゆくえ
【第14回】日本型雇用慣行の綻びと雇用の規制(1)40歳後半からもう給料は上がらない
2010年10月1日 金曜日
澤井 景子
雇用  失業  日本型  非正規  新卒  正社員  長期雇用  年功序列 

 今回は、日本型雇用慣行とそのメリット、デメリットについてお話し、そしていわゆる“非正規問題”について考えてみたいと思います。
 日本型雇用慣行については良く知られているように“三種の神器”といわれる3つの特徴があります。
 1つは長期雇用です。終身雇用とも呼ばれていますが、高校や大学を卒業してから新卒で企業に入社し、定年までずっと同じ企業に勤めることです。2番目が 年功賃金です。勤続年数が長くなればなるほど、賃金が右肩上がりで上がっていくことですね。年齢と共に能力も上がっているという理由が背景にはあります。 3番目が企業別労働組合です。企業ごとに労働組合が組織されていて、例外もありますが、経営陣と協調的な労使関係を築いていることです。
 これらの特徴は、メンバーシップ型社会とも言えます。これは労働関係のシンクタンクにいらっしゃる濱口桂一郎先生の言葉です。メンバーシップ型社会と は、企業の中で、良い意味でも悪い意味でも仲間意識が強いということです。その中で協力し合う関係ができ、メンバーが協力し合って一番良いことをしようと 努力をする形です。
 この日本的雇用慣行には良い点が多くあります。例えば、オンザジョブトレーニングです。OJTと呼ばれていますが、雇用者の能力や生産性を、企業内で実際に仕事をさせながら向上させていくという教育訓練方法です。
 年功賃金は、このような形での能力の向上とほぼ、見合っていました。また、雇用者のライフステージにも合っていました。入社当時は1人暮らしであった り、親と同居しているため、生活に必要なお金は限られます。しかし、結婚して子供ができて、それから住宅も購入したいとなると、生活に必要なお金は右肩上 がりで増えていきます。このように、日本型雇用慣行は、雇用者の生活の安定を確保するのに役立っていたのです。
 企業にとってもメリットがありました。高度成長の時期は労働者不足が一番の懸念材料でした。企業は安定した雇用を確保できるので、日本型雇用慣行は高度成長を支える仕組みにもなっていたのです。
 一方、日本的雇用慣行のデメリットとは何でしょうか。
改善には向いているが機動力には欠ける
―― 年功賃金には、若い時に自分の能力より低い給料で会社に貢献し、年を取ってからは会社への貢献度以上の給料を取り戻すという面がありました。でも、 米国を見ると、新しいプロジェクトや事業を始める場合、その事業に最も適切な人を集めて、新しい事業を成功させ、その事業が終わればそのチームは解散する 形が多いように思います。 ところが日本の場合、途中で会社を辞めたら、ものすごく損をします。安い給料でしか雇ってもらえないんですから。そういう意味では非常に融通がきかない点があるというのは実際に感じたことでもあります。
 もっともなお話だと思います。日本型雇用慣行は、急激な変化に対する対応力が弱いです。例えば「カイゼン」のように、仲間で改善すべき点を見つけて少しずつ改良していくことは得意ですが、一気に根本的に変えようという場合には機動力がないです。
 また、やり直しが利かない、1度会社を辞めるとほかの会社に就職するのが難しいことが挙げられます。最初に勤めた企業がその人に合っているとは限らないのですが、再チャレンジがとてもしにくいシステムでもあります。
―― 我々の時代は一度会社に入ると、クビにはならなかったんです。だから安心して人生設計ができ、勉強もできました。また、会社の中で人脈をつくって、 その人脈をうまく渡り歩いて、技術屋さんが事務に行ったり、労働管理の方に行ったりなどができていました。労働者から見れば安心して生活ができたメリット は大きかったです。
 そうですね。人生設計が非常に立てやすく、安心が得られた面は確かに大きなメリットだと思います。

―― 若い頃欧米のドラマを見ていて、転職すると給料が上がるという場面がありました。今もそうなんでしょう。そういうドラマを見ながら、自分の置かれた日本の企業は逆だと思いました。よそに行くと1年生に戻ってしまいます。 その違いは何かと考えてみると、欧米の場合は専門的な技能を会社が求めている。日本の場合は、もちろん専門的な技能も大事なんでしょうけれども、社風に合った人間を求めていたんでしょう。若い頃は欧米との差異を感じましたね。
 メンバーシップ型社会というのは、その中に入った人にとっては非常に心地良いのですが、そこに入れなかった人にとっては非常に厳しいというのは事実でしょう。
 もう1つ、高度成長期については、日本人はエコノミックアニマルといわれたくらい、仕事を最優先、仕事中心の生活になっていました。昔のお父さんのイ メージは、月曜日から金曜日まで夜遅くまで働いて、週末も接待ゴルフといった感じで、ワークライフバランスという発想はなかったのではないかと思います。
 さらに女性にとっても多くのデメリットがありました。日本型雇用慣行は基本的に男性が稼ぐ、女性は家庭、という前提があったでしょう。従って女性の場合は、一度、結婚や子育てで会社を辞めてしまったら、もう一度勤めようと思っても難しいという問題があります。
 この日本型雇用慣行に最近、綻びが見えてきました。
1990年代に入って年功賃金が大きな負担に
 もう一度振り返ってみますと、1970年代頃までは長期雇用、これは運命共同体的な労使関係の下で、外からの技術を円滑に導入するためにチームワークを存分に発揮していました。
 さらに年功型賃金で、早期退職が抑制されていたので生計費が保障され、生活の安定が得られました。これまでお話してきたように、これは良い面でした。しかし高度成長期が終わり、特に90年代に入ってから綻びが見えてきたと思われます。
 平均値を取れば、人が勤め続けていれば能力が上がっていきますが、個々に見れば個人の能力差は大きいでしょう。そのデメリットが出てきました。それを決 定的にしたのは高齢化の進展だと思います。全体の人口構造として年齢層の高い人が多くなり、高齢者が企業に留まるとなると、企業にとっては賃金コストの高 い雇用者の割合が上昇することになります。そうなると、企業経営にとって、終身雇用の下での年功賃金が重い負担になってきます。企業に、年功賃金を見直 し、成果主義、あるいは業績に応じた賃金にしようという動きが出てきました。
 それから、技術革新が非常に早くなりました。グローバル化、IT化が進むと、外部労働市場、専門家を導入して一気に技術革新を図るという話も出てきま す。さらに、人々の価値観も多様化してきました。仕事一辺倒ではなく、もっと生活を大切にしたいと考える人も増えています。女性の社会進出も進みました。 中途採用、中途退職も増加し、長期雇用の見直しが進んできました。
 高度成長期はキャッチアップ型社会でしたので、基本的に海外の技術を導入し、それを改良する形で日本企業は良い製品を作り出してきました。しかしキャッ チアップが終わった後は、オリジナルな発想にもとづく独創的な製品が求められるようになります。こういう発想の人は仲間意識の強い組織ではやりにくい。企 業もスペシャリスト、飛び抜けた能力を持つフリーエージェント的な人が欲しいと考えるようにもなります。
 そして経済環境が悪化しました。失業率の推移のグラフを見ると分かるように、日本型雇用慣行で良かったのは、不況時でも失業率が非常に低かったことでし た。ところが、バブルが崩壊し、さらに1997年のアジア経済危機、その後の“山一ショック”といった長期的な経済停滞によって、雇用が過剰になっている のではないか、日本型雇用慣行はコストが高過ぎるのではないか、という問題意識が強まりました。リストラが進展し、失業率は4%台となり、今では5%台に なっています。

 賃金カーブを見ても、日本型雇用慣行の変化が分かります。

 労働経済白書「企業規模別にみた雇用管理の動向」のうち、「(大企業大卒労働者の賃金格差の拡大)」の第3−(2)−17 図を 見てください。それぞれ20歳から24歳の給料を100として、年齢に従ってどのぐらい上がっていくかの推移をグラフに示したものです。企業規模を問わず 1990年代に比べて2008年の給料の推移は全体的にカーブが下に落ちています。なお、55歳以上の人は、再雇用という形になり、それまでとは違う雇用 形態になっているために落ちていると思われます。
成果主義の目的は人件費の抑制だった
 大企業については、40代後半から賃金カーブが寝ています。つまり、年功賃金が当てはまらなくなってきています。個々の能力や成果に応じた賃金制度を導 入する企業が増えてきたのですが、その導入の意図としては、個人の能力の評価より、全体としての人件費を抑えようという発想が強く働いていたため、と考え られます。
 成果主義については、その効果について賛否両論が出ています。個人の能力に見合った賃金が払われる反面、運用の仕方には改善の余地が多くあると言われて います。成果賃金の問題点として、成果を測ることが非常に難しく、短期の成果で測るようになってしまった結果、誰もが目先のことばかり気にすることになっ てしまい、企業への忠誠心がなくなってきたなどと言われています。
―― 4〜5年前の話ですが、成果主義というのか目標管理制度のような話があって、管理職に目標管理制度を導入し、1年間の目標を作らせ、3カ月に1遍ずつ進捗状況をチェックして話し合いをするというのを始めました。 改善すべき点をチェックしながら1年間経って点数を付ける。これは割合と良い制度ではないかと思いました。マンネリでやってきたことを、目標を作って改 善しようとなると、ものすごく改善点が出てくる。だから成果主義がまずいというのはなぜなのかと思います。点数を付ける時に、個人的な思考を入れないよう にするのと、難しい目標については点数のウエートを上げるようなシステムにしたので、私は非常に良い制度だったというのが実感です。
 仕事の内容によって、目標設定が難しいところと、目標設定をしてうまくいくところと両方あるのだと思います。
―― 私は会社を辞めてから相当年数が経ちますが、営業をずっとやっておりました。その当時、今の成果主義評価制度を設けていたんです。営業は実績が出てくるのでこれは一目瞭然ですが、総務の方から評価のしようがないと言われました。 さらに営業の方はものすごく評価が厳しい。それこそ成果が上がらなかったら、例えば5段階の1になってしまう。一方、総務の人たちはどうかというと、おしなべて3とか、4になる。 ですから成果主義は、非常に不公平になりかねない制度ではないかと感じます。また、非常に短期的に物を見てしまいますから、長期的な目標を持っている人たちは、逆に目標を失ってしまうんです。従って、私は成果主義は否定的です。あまり良い制度ではなかった印象です。
 単に成果主義を導入すると言っても、肯定的な意見も否定的な意見もあるわけですから、単に短期的な業績や成果だけで評価するのではなく、トップの目標は 何なのか、どのように運用するのかといった全体的な考え方をしっかりさせることがうまくいくかどうかに大きく影響するのではないかと思います。いずれにし ても単純な年功賃金ではもううまくいかないことが分かっている中で、企業が試行錯誤している段階ではないでしょうか
雇用者のおよそ3分の1が非正社員に
 次に、就業形態の多様化についてお話します。
 正社員ばかりではコストが掛かるので、いわゆる非正規雇用の人が増えてきています。ここでは非正規という言い方ではなく、非典型雇用という言葉を使いたいと思います。
 下のグラフのように、1980年代から徐々に正社員ではない雇用者の数が増えており、2000年に入ってもかなり増加しています。現在はおよそ3分の1 が非正社員、非典型雇用という形になっています。正社員を雇うのは非常にリスクが大きいと企業が判断しているということです。


 雇用者と一口に言っても、中身はいろいろです。男女別に見た場合も多くの違いがあります。非典型雇用が増えたと言っても、男性の場合はそれほどでもな く、ほとんどが正社員で日本型雇用慣行の中にいるわけです。ただし女性の場合は半分以上が非典型雇用です。特に多いのがパートで、33.8%を占めていま す。

 今、この非典型雇用が問題になっています。非典型雇用の性格は近年、変化しています。これまでは家計の補助的な担い手であって、ほかに主たる家計の担い 手がいました。お父さん、あるいは旦那さんが家計の主な担い手ではあるけれど、もう少し家計を潤したい場合です。代表例が主婦のパートですね。しかも、扶 養控除の適用を考えて、年収130万円の範囲内で仕事をする人たちが多い。または学生のアルバイトです。企業側もこういった人たちを主たる戦力としては認 識していませんでした。
 ところが最近は違ってきています。主たる家計の担い手が、正社員になれなかったから仕方なく非典型雇用で働く場合が出てきました。企業も、基幹労働力、主たる戦力として非典型雇用を認識するようになりました。
 ここで出てきた問題点があります。家計の主な稼ぎ手として働く非典型雇用者が増加してきたので、ワーキングプア、あるいは経済的格差という問題が発生し ました。また、1度非典型雇用で働くと、職業能力開発機会に乏しくなります。企業の側も非典型雇用の人について能力を高めるための教育を施しません。従っ て勤続期間が長期化しても賃金が上昇しません。
賃金がほとんど上がらない「非正社員」
 下のグラフは、男性の賃金カーブです。青い線が男性正社員です。男性正社員は先ほど見たように50代まで賃金は右肩上がりで上がっていきます。一方、緑 色の線の「非正社員」の賃金はほとんど上がっていきません。場合によっては下がっているところもあるくらいです。これでは、結婚しようと思っても生活費が 賄えない、あるいは生活を支えるのが非常に厳しいということになります。

 さらに、今回のリーマンショックでも明らかになりましたが、失業しやすい、つまり雇用が不安定という問題と、さらに失業した場合にセーフティーネットが不十分ということがあります。
―― 女性と男性の働き方が違うのはある意味、当然という面もあるのでしょうが、女性の場合、年収を抑えるメリットとは具体的にどういうことでしょう。
 女性の場合、特に主婦の場合は、社会的な控除などの関係で年収を抑えるメリットがあります。主に夫が働いていてある程度稼いでいる場合、妻の典型的な働き方としては、働き過ぎると損するということです。
 例えば「年収130万円の壁」です。主婦の収入が130万円を超えると、夫の扶養控除の対象から外れ、年金も自分で払わなければならなくなります。いわゆる「第3号被保険者」問題ですね。
 主婦パートの場合、年収130万円以上の賃金を本人たちが望まないから、その範囲で済むようにしているわけですが、この壁が取れた時、どうするかです。

 一定のボリューム層が130万円の範囲でお願いしますと言う。するとシングルマザーといった人たちの労働条件も同じことになってしまいます。この人たち はもっときちんと稼げる仕事が欲しいわけですが、特別な能力がないとすると、主婦と同じようなパートの仕事しかなくて、賃金も同じぐらいに抑えられてしま います。そうなると、生活は非常に厳しいですね。これは不公平感につながっていると思います。
 今はある程度、まとまった給料を稼いでくれる夫がいる人にとって、優遇された制度になっています。今、恩恵を受けている人にとってはメリットの大きい制度でもあるので、変えるのが非常に難しい制度だと言われています。
―― やっぱり時代と世の中の動きでパート労働の性格も全然違ってくると思います。景気が良かった時代はご主人のお給料も良くて、パートでも賃金が良かっ たんですよ。その頃の女性、あるいは若い男の人もそうだったんですが、自由な時間が持てるからパートや派遣の方がいいと言う人がいっぱいいました。 私も20年ぐらい前に派遣で働きましたが、給料も良かったし、皆さん自分の生活に応じた時間で働いていました。派遣の仕事の方がいいと言っていた人も多かった。 そう考えると、一概に派遣が悪いとか、正社員がいいなどということは言えないのではないかと思うのです。
 その時代によって、雇用者と企業のニーズが都合よく変わっていることは確かにあると思います。
―― 前のページのグラフ(雇用者の雇用形態別の構成割合)で、男性の正規雇用者の割合が80%ぐらいという数字がありましたが、どうも80%が正規雇用者というのは、何となく現状と合わないような気がするんです。
 統計にうまく反映されてない部分はあるかもしれませんが、おそらく男性については、おそらくこの数字の通り、それなりに正社員が多いと思います。若い人 で派遣社員といった非典型雇用の人が目立つのでそうお感じになるかもしれません。かなり日本的雇用慣行は変わっているのは確かですが、依然として大部分の ところでは守られているとも言えるのです。
「労労格差」という労働者間の問題も
 でも、反対にそれを守っているからこそ、コストが掛かってしまい、ある部分を非典型雇用に置き換えようとします。すると、その人たちの生活は非常に厳し いものになります。労働者の間で、正社員か非典型雇用かということで、労労格差と言われるような格差が大きくなっている面はあるでしょう。
―― 日本の雇用慣行制度が崩れつつあるという指摘は違うのではないかと思います。日本にはまだそういうシステムがしっかり残っていて、逆に言えば、相当 多数の人たちの権益が守られているということです。そのためにごく一部の人たちがしわ寄せを受け、それが非正規問題などと言われているのではないかと思う のです。その人たちにフォーカスすると、彼らはひどい目に遭っているということになりますが、どんな社会でもそういう方たちはおられるのではないでしょう か。そこにばかり焦点を当てて問題視するのはどうかと思うのです。 ただ、非正規雇用が増加している傾向は問題だとは思います。
―― 自分の意思で非正規になっている人はいいわけですよ。そうではなく、不況で正社員になれなくて仕方なくアルバイトで暮らしている人。そうなると40 歳になっても、50歳になっても20歳と同じぐらいのスキルしか持ってない。これは日本にとってものすごい損害だと思うのです。
 前回もお話した、いわゆるロストジェネレーションの問題ですね。つまり、大学を卒業した時の経済状況によって、その後の人生が大きく変わってしまう。日本型雇用慣行から外れてしまった場合の問題をどうやってなくしていくかということです。
 次回は非典型雇用の問題点をどのように解決していけばいいかについて考えてみたいと思います。
(次回につづく)
日本経済のゆくえ
経済学という“道具”で世の中を見ると、それまでとは違った視点で物事を考えられるようになるといいます。どうやら、経済学は役に立つ学問のようですが、 これまで敬遠していた人、あるいは、ゼニカネのことばかりで物事を考えるのはいかがなものか、とお考えの方も多いのではないでしょうか。このコラムは、こ れまで経済を本格的に勉強したことのない人に向けて、難しい数式は抜きに、経済学のイロハから、現実の経済政策や日本経済の諸問題について教えていただく オンライン版の“市民大学”です。三鷹市が開催する市民大学総合コースで2010年5月から始まった講義をベースに構成しました。
⇒ 記事一覧
澤井 景子(さわい・けいこ)
元連合総合生活開発研究所主任研究員。1994年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。内閣府国民生活局調査室補佐などを経て2008年より現職。著書に『データで斬る世界不況 エコノミストが挑む30問』(日経BP社)がある。『政権交代の経済学』(共著)を5月24日に発売予定。
 


06. 2010年10月02日 12:32:51: uvpMSHVtJA
>>05

>高賃金雇用減=>消費減、所得税減、福祉負担増・・など単純な法人税減少以上
>の巨大なマイナス効果が問題だという話だ

根拠のない不安の煽りでしかないでしょうね。
何故なら、額面上の法人税は確かに40%ですが、大企業などは設備や研究開発費、消費税の戻しなどで、キャノンなどは実効税率で20%を切っている。
トヨタ、ホンダなどもおしなべて20%台です。
額面だけで評価するそのスタンスが痛いですね。


  拍手はせず、拍手一覧を見る

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)|(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(なしでも可能。あったほうが良い)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
 コメントの2重投稿は禁止です。  URL紹介はタイトル必須
ペンネームの新規作成はこちら←  最新投稿・コメント全文ページ
フォローアップ:

 

 次へ  前へ

▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民69掲示板

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。

     ▲このページのTOPへ      ★阿修羅♪ > 経世済民69掲示板

 
▲上へ       
★阿修羅♪  
この板投稿一覧