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既得権層が支配する社会ではインフレよりもデフレ志向 民主主義の限界
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/597.html
投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 11 日 15:41:25: 1W1IXELjjF6i2
 

(回答先: デフレは悪? 投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 10 日 19:01:24)


高齢高給サラリーマンと高齢引退世代が金融資産を独占し、
政治的に支配する日本は、かってのフランスと同じ道を歩み、
社会は分断され、他国の侵略を許すことになる?

今後、さらに政治的に多数派を形成していく引退世代が、利己的な逃げ切りを
図った場合、民主主義の原理で、若年層の利益を守ることは不可能だろう

日本は第2次大戦前のフランスになってはならない
為替レートは通貨と通貨の交換比率
レポート278.45KB

2010年12月30日
専務理事 チーフエコノミスト 原田 泰
【サマリー】

◆世界金融危機後、円は上昇している。危機後の主要国・地域の為替レートとマネタリーベースの動きを見ると、マネタリーベースの伸びが不十分な国は自国通貨高になる傾向がある。

◆円が上昇しているのは、他の国が金融を緩和しているのに、日本がそうしていないからである。

◆円高は経済を停滞させ、最終的には国民的強ささえも失わせる。第2次大戦前のフランスがそうだった。日本はフランスになってはならない。

円はなぜ上昇しているのか

第1 には、日本が金融危機を経験しなかったからである。

日本の金融機関も不況によって不良債権を抱えたが、その大きさは欧米の
金融機関に較べればわずかである。

第2 の理由は記憶だろう。円は度々急騰してきた。
1985 年から88 年にかけては2 倍に上昇し、94 年から95 年にかけては30%以上上昇し
た。市場は、他の国がうまく行かないときには円が上ると思っている。日本では長い
停滞が続いていたが、今度は世界金融危機で、他の国が日本以上のもっと深刻な問題
を抱えたと思われたわけだ。

第3 の理由は、世界が金融緩和しているのに、日本が緩和していないことだ。

第1 と第2 の理由には対応のしようがないが、第3 の理由には、
本来は対応できることである。日本がもっと金融を緩和すれば良いだけだからだ。


次ページの図は、ユーロ圏、OECD 加盟国、アジア太平洋の主要国、新興国など、具
体的には、ユーロ圏、デンマーク、スウェーデン、スイス、アイスランド、ポーラン
ド、チェコ、ハンガリー、英国、米国、韓国、日本、中国、台湾、香港、シンガポー
ル、タイ、インドネシア、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、トルコ、イ
スラエル、チリ、メキシコ、インド、アルゼンチン、サウジアラビア、ブラジル、南
アフリカ、ロシアの為替レートと、中央銀行が直接コントロールできるマネタリーベ
ースの動きを示したものである。ヨーロッパ諸国、アジア太平洋諸国・地域、新興国
と3つに分けて図示している(この分け方は便宜的なものにすぎない)。いずれのグ
ラフでも参照のためにアメリカのデータを入れている。為替レートは対ドルレートで、
アメリカについては名目実効為替レートの逆数を示している。これですべての国で値
が大きくなることが通貨下落を意味することになる。いずれの数値も07 年1 月を100
とした指数で表している。


図は、為替レートが通貨の交換比率であること示している。ヨーロッパ諸国の図を
見ると、アイスランド、イギリス、ポーランドなどで、マネタリーベースが増大する
とともに為替レートが下落している。ただし、そうでない国もある。スイスはマネタ
リーベースが一時、07 年1 月に較べて4 倍以上に増加したのに、為替レートは2 割も
上昇した。ただし、これは因果関係が逆である。スイスフランも何度も上昇した記憶
がある。スイスフランの上昇に対して、マネタリーベースを4 倍にも拡大したことに
よって、為替レートの上昇率が2 割に抑えられた訳だ。なお、デンマークの為替レー
トがユーロと重なっているが、これは自国通貨のクローネをユーロにペッグしている
からである。


アジア太平洋諸国の図を見ると、韓国、インドネシア、日本、台湾などで、マネタ
リーベースの伸びた国は為替が下落し、マネタリーベースを抑えた国は為替が上昇す
るという傾向が見られる。アメリカもそうである。ただし、香港はマネタリーベース
が3.4 倍以上に増えているのに為替は動いていない。これもスイスのように因果関係
が逆である。香港はドルとペッグしているところに為替上昇圧力がかかったので金融
を緩和し、通貨の増価を避けたのである。


新興国の図を見ると、アルゼンチン、ロシア、トルコなどマネタリーベースの伸び
た国は為替が下落するという傾向がある。ただし、イスラエルではマネタリーベース
が急増しているにもかかわらず、為替レートが安定している。
一般的には、マタリーベースが拡大した国の為替レートは下落し、拡大していない
国のレートは上昇している。

ユーロ圏、イギリス、アメリカ、韓国、台湾のマネタリ
ーベースが、07 年1 月から現在まで、それぞれ1.7 倍、3.5 倍、2.4 倍、1.4 倍、1.3
倍に拡大している中で、日本は1.1 倍にしか拡大していない。だから、日本の為替レ
ートは上昇しているのである。


すべての国がマネタリーベースを拡大させたらどうなるか


では、すべての国がマネタリーベースを拡大させたらどうなるだろうか。通貨切り
下げ競争が貿易戦争になって、貿易戦争が本当の戦争になるという危険はないのだろ
うか。第2 次大戦前にはそうなったという議論もある。しかし、この議論は誤りである。

マネタリーベースを拡大すれば、金利が下がり、株価や地価が上昇し、銀行は貸出
を拡大し、為替レートが下落して輸出が増大する。もちろん、すべての国が同じよう
に金融緩和をすれば為替レートは動かない。しかし、金融政策の他の経路は機能して、
経済が刺激される。日本の金利はすでに低いので、金利低下が景気を刺激する効果は
小さい。しかし、通常では金利の高い国もある。そのような国では、金利低下の景気
刺激効果は大きい。すなわち、世界的に金融緩和をすれば、為替レートが動かなくて
もインフレやバブルの危険が生まれてくる国が出てくる。そのような国は自ら金融緩
和を止めてインフレやバブルの危険に対処する。実際、オーストラリア、マレーシア、
台湾、韓国、インド、中国はすでに金利を上げ、それに続こうという国もある。
インフレやバブルのリスクを感じて金融を引き締めている国にとって、自国通貨の
上昇は利益である。インフレの危険のある国が、通貨上昇によってより安く輸入する
ことができれば、インフレを抑え、好況を長引かせることができる。


フランスは金融引締めで国力を失った


第2 次大戦前の大恐慌期でも、多くの国が金融を緩和し、為替を引き下げていた。
しかし、フランスは、現在の日本がそうしていないように、そうしなかった。第2 次
大戦前のフランスも現在の日本も停滞しているが、それは自らそうしているのである。


フランスの鉱工業生産は、1938 年でも、1929 年の25%減だった。一方、ヒトラーのド
イツは、金融緩和によって、1933 年から38 年にかけて生産を倍にするという急激な回
復を実現していた。フランスの大恐慌からの脱却が最後まで遅れたのは、仏中央銀行
が金本位制に固執し、金融を緩和しなかったからだ。フランスは自信を失い、社会は
分断されてしまっていた。


1940 年5 月10 日、ドイツ軍はベルギー、オランダ、ルクセンブルグを攻撃し、6 月
14 日にはパリに入場する。わずか、1か月余での首都開城である。惨めな敗北の真の
理由は、長い経済停滞がもたらした社会の分断にあった。歩兵、戦車、戦闘機の組み
合わさった機動的な戦いには、ブルジョワ出身の指揮官の下に労働者と農民からなる
兵士の危険な戦いが必要となるが、分断された国民にはそのような戦いは不可能だっ
た。フランスは、ドイツ国境に作った要塞、マジノ線を突破されたとき、もはや戦う
気力を失ってしまった。


フランスのエリートは、大胆な金融政策こそが大恐慌からの脱却をもたらすとは認
識できなかった。誤った金融政策が社会の分断を生み、それがフランスの国民的強さ
すら失わせた。
このままでは、日本が第2 次大戦前のフランスの道を歩むのは必至である。急激に
円高になれば、日本の輸出企業はリストラせざるを得ない。リストラとは人員解雇で
ある。技術者が解雇されれば技術は流出する。技術が流出すれば、日本企業はキャッ
チアップされ、世界でのシェアを失い、日本の輸出部門は発展する他の国に比較して
縮小する。日本で生産性の高い部門は輸出産業である。相対的に生産性の高い部門が
伸びなければ、日本全体の生産性も伸びない。日本経済の停滞は続く。


すべての国が金融緩和をすれば、すべての国が良くなるだけである。通貨切り下げ
競争などは起きない。
 

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