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日本企業の生産性とイノベーション・システム:成長力強化に向けて
http://www.asyura2.com/10/hasan70/msg/645.html
投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 15 日 02:15:56: 1W1IXELjjF6i2
 

(回答先: 財政と社会保障の抜本的見直しで、何を検討すべきか 消費税率を引き上げ? 民営化?BI? 投稿者 tea 日時 2011 年 1 月 15 日 00:41:15)

予想通り、近年の日本の国内投資は、設備投資中心であった上に、利益上昇に結びつかない不毛な投資であったようだ

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/11010004.html
日本企業の生産性とイノベーション・システム:成長力強化に向けて
長岡 貞男 (研究主幹)2011年01月 11-P-001 
 
1. はじめに:経済成長の源泉としての生産性の向上とイノベーション
2.生産性とイノベーションの定義とその測定
3.1 生産性向上とイノベーション創出の実態を把握するオリジナルデータの構築
3.2 競争メカニズム
3.3 企業のイノベーション能力:研究開発、グローバル展開と競争構造の変化への
対応

4.1 生産性分析
最初の3つの論文は、JIP データベースによる生産性分析を行っている。深尾(2010)は、
1970 年から2006 年までの約40 年間にわたる日米の生産性の上昇率を比較している。その
分析によれば、主な結果は次のとおりである。
(1) 1990 年以降の日本における2.2%という労働生産性上昇率は、同時期の米国の2.0%と
比較して決して遜色がない。ただし、米国ではTFP(全要素生産性)の上昇が主、物的資本蓄
積が従の要因として、労働生産性を上昇させていたのに対し、日本では物的資本蓄積が主、
人的資本蓄積(労働の質上昇)が従の要因として、労働生産性を上昇させていたという違い
がある。TFP 上昇を伴わない資本蓄積主導の労働生産性上昇は、資本過剰を通じて資本収益
率を低下させ、最近の投資低迷を生み出している可能性がある。
(2) 産業別に見ると、1990 年代以降TFP 上昇が急落したのは製造業の方であった。非製造
業で問題なのは、1970 年代以来一貫してTFP 上昇が低迷していたことであった。
(3) より詳細な産業別にTFP 上昇を他の主要国と比較すると、日本における情報通信技術
(ICT)生産産業では、米国や韓国と同様に高いTFP 上昇を記録した。しかし、流通業や電
機以外の製造業などICT 投入産業において、TFP 上昇が1995 年以降下落した。なお、他の
先進諸国と比較して、日本ではそもそもICT 投資の対GDP 比が長期にわたって停滞してき
た。
(4) 日本におけるICT 投資の停滞は、企業による労働者の訓練や組織の改編といった、い
わゆる無形資産投資の問題と密接に関連していると考えられる。日本企業は米・英企業よ
り活発に研究開発支出を行う一方、組織改編や労働者のオフ・ザ・ジョブ・トレーニング
への支出が特に少ない。また、他国と比較して日本の製造業では、活発な研究開発を反映
して労働生産性上昇への無形資産蓄積の寄与が大きいのに対し、非製造業では寄与が相対
的に小さい。
(5) 以上の結果を概観すると、日本の生産性低迷は労働市場の機能不全と密接に関係して
いることが分かる。セーフティー・ネットを拡充する一方で雇用の流動性を高め、また正
規労働とパート労働間の不公正な格差を無くすなど、労働市場の改革を進めることが急務
であろう。
 

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