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  志村けんの死亡の件:ビートたけしが語った志村けんの「光と影」
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投稿者 青木吉太郎 日時 2020 年 10 月 02 日 17:24:23: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


 志村けんの死亡の件:ビートたけしが語った志村けんの「光と影」

   ライバルに託した笑いの牙城 !

   「我々は陽炎、ドリフは続いている」

(news.yahoo.co.jp:2020年10/1(木) 7:00配信)

志村けんさんが急逝して約半年が経った。同時代を生きたライバルであり、戦友でもあったのがビートたけしさん(73)だ。かつて二人は、『8時だョ!全員集合』(TBS系)と『オレたちひょうきん族』(フジテレビ系)の主力メンバーとして活躍し、人気を二分。その戦いは「土8戦争」とも称され、壮絶な視聴率競争を繰り広げた。そんな二人だが、1998年からバラエティーでの共演が増えていく――。下積み時代からくる「複雑な内面」、様々な番組に顔を見せるようになった経緯、ザ・ドリフターズとひょうきん族の違いなど、たけしさんが知る志村さんについて聞いた。(ライター・鈴木旭)

◆最初に会ったのはマックボンボン時代

――志村さんと最初にお会いしたのはいつ頃になりますか?

けんちゃん(=志村けんさん)とは、マックボンボンってコンビでコントやってた頃かな。ちょっと顔合わせた頃にドリフのボーヤになっちゃったんだよ。ただ、そこでは本当に挨拶程度で、浅草で会っても別に話はしなかったね。番組で言うと、フジテレビの『新春かくし芸大会』で会ってるとは思うんだけど、オレが出た頃はツービートというよりも、ほとんど一人でやっていた頃じゃないかな。

――そんなに早い段階でお会いしていたんですか! 志村さんの著書『変なおじさん』(日経BP社)の中に「(たけし)軍団の人がまだ5人くらいのころに2年続けて正月に一緒にゴルフに行ったりした」と書かれています。プライベートでも交流があったようですね。

ゴルフは何回か行ったね。軍団のメンバーがゴルフブームになっちゃって。けんちゃんっていうのは、いかりや(長介)さんがいて、ドリフターズがあって、そこのボーヤで。ちょっと芸能の世界では、メンバーの人たちからみても下なんだよね。

いかりやさんって昔風の人だったから、けんちゃんは厳しい修業時代を積んでメンバーになってるんだよ。

ただ、東京人というか、関東のミュージシャンらしいコンビネーションを図って笑わせる世界にいた人だから、認められたのは早いよね。ポンポンッと上がっていって、いつの間にかドリフの主力になっちゃった。加藤茶さんとけんちゃんがいて、いかりやさんがいる座長芝居みたいなのはすごく得意だったね。

◆「東スポ大賞」特別賞に志村けんを選んだ理由

――1997年、志村さんは「第6回 東京スポーツ映画大賞」の特別賞を受賞しています。同賞の審査委員長であるたけしさんが、このタイミングで志村さんに賞を贈られたのは、なにか理由があったのでしょうか?

その頃はもう、漫才とか吉本新喜劇とかっていう関西のお笑いがテレビに溢れちゃって。いまだにそうだけど、関西弁が東京を席巻してるっていうかね。標準語は関東弁ではないんだけど、完全に標準語が関西弁に根付かせられてしまったようなところがあった。「めっちゃ」とか大阪の言葉なのに、いつの間にか全国的になっちゃったしね。

だからある時期まで、吉本新喜劇とか藤山寛美さんの松竹新喜劇とは別に、関東風のちゃんとしたコントをドリフターズが中心にやって関東の牙城を守ったんだよね。その少し前に、コント55号の萩本(欽一)さんとかもいるけど。

オイラの若い頃は、漫才なんて完全に関西のもので。ツービート以外はみんな関西勢だったからね。テンポは関西だし、ツッコミの言葉も「アホ」っていうような言葉遣いだし。そういう部分で、けんちゃんに託したところがあったよね。

――志村さんは、ちょうどこの頃から自分の番組以外のバラエティーに顔を見せるようになりました。この心境の変化について、なにかご存知でしたら伺えますか?

けんちゃんの不得意なところは、アドリブがきかないってところで。仮台本みたいなものがあって、それに沿いながらアドリブを入れるのはうまいんだけどね。関西の、とくに、さんまとかオレがやっていたような“台本がない”っていうようなものには、ちょっと相当参ったんじゃないかな。

しかも世の中がそっちに流れて、オレとかがやってる番組みたいな「雑談が中心のお笑い」っていうものがメインになっていったのもあるし。そういうのを見て、本人もいろんな番組に出て挑戦したんじゃないかと思うけどね。

◆「ひょうきん族vsドリフターズ」の時代が確実にあった

――たけしさんがなにかアドバイスをしたわけではなく、志村さん自身が時代の潮流を感じたんじゃないかと。

ドリフターズって孤立してるというか、お笑い界の中で片っぽの頂点としていたからね。もう一方に、オイラみたいな雑魚がいてさ(笑)。お互いに見てたよね、山の上から。こっちはそんなに気にしてないんだけど、向こうはかなり意識してたんじゃないかな。

世の中の一般的なお笑いの情勢が関西風になびいていることに、すごくイラついてたんだと思う。テレビ的には「ひょうきん族vsドリフターズ」の時代が確実にあったわけだから。

――たしかに『ひょうきん族』から“総合バラエティー”という枠が生まれて、トークや企画性を重視した番組が増えていったところがありますよね。

ドリフはカッチリしたネタを生中継でやって、なるたけアドリブをやらずに、いかりやさんの指示した通りに動いて、なおかつ笑いをとるみたいなね。アドリブみたいなものもあるけど、1時間の舞台をうまく使うためにハナから仕組んであるものなんだ。

一方で、我々の『ひょうきん族』はビデオ(収録)で、1時間番組なのに4時間も撮って全部使えないみたいなね(笑)。テレビ創成期のすごくいい形で残ったドリフのカッチリしたコントに、“ファジー(「あいまいな」「ぼやけた」などの意味)”って言葉が流行した時代だからか、非常にダラけたその場の雰囲気だけで番組をやってるひょうきん族が対抗したわけ。前提として、オレもわかってやってたしね。

それで結果的には、どっちが「勝った」「負けた」じゃなくて、両方とも終わってしまったっていう。ただ、後になって気が付くのは、『ドリフ大爆笑』とか『加トちゃんケンちゃん(ごきげんテレビ)』とかって、ドリフはしっかり流れが続いてるんだよね。その時々のコントをちゃんとやってる。

だけど我々は、陽炎(かげろう)のようにポンッと出て二度とやらない。そう考えると、けんちゃんのほうがちゃんとしたことをやってたなって思うよ。

◆なかなか天下取るまで大変だったんだろうね

――1998年にたけしさんは『志村けんのバカ殿様』に出演されていますが、きっかけはなんだったのでしょうか?

その番組に出る前だったと思うんだけど、当時よく二人で飲みに行ってたんだよね。西麻布が多かったけど、シガーバーみたいなトコで葉巻を二人で吸ったりして。そこで、オレが「『バカ殿』はダチョウ(倶楽部)使ったりして面白いね」なんて言ったら、「出る?」「いいの?」って軽い感じで出ることになったんだよ。

ただ、出たはいいけど、やっぱり難しかったね。こっちはアドリブばっかりやりたくなっちゃうし(笑)。けんちゃんが「ここにきた時に、カメラはここに入って」とかってカメラマンに撮り方を全部指示するんだけど、それ見ちゃうとアドリブも入れようがないっていうか。「うわぁしっかりしたコントやってるんだ」と思ったね。

――とはいえ、以降は『加ト・けん・たけしの世紀末スペシャル!!』や『神出鬼没!タケシムケン』など共演が増えています。お会いする機会も多かった時期だと思いますが、志村さんと接していて感じたところがあれば伺えますか?

やっぱり弟子時代の厳しさを抱え続けていた感じがあったかな。「あぁボーヤの時に苦労したのかな」って感じる瞬間はあった。

いざメンバーになっても、なかなか天下取るまで大変だったんだろうね。だから、酒飲むしかないのかなっていうか。やっぱ精神的にだいぶキツかった時代が長かったんだろうなっていう感じがあった。

――よくも悪くも、いかりやさんの影響を受けていたと……。いろんな内面をお持ちだったんですね。

基本的には、すごく気を遣う人だしマジメなんだよね。だから、コントに対してもマジメっていうか。バカバカしいことをただやるっていうんじゃなくて、“つくり上げたバカバカしいこと”が面白いっていう。

我々が「バカバカしいことが偶然出てくるのを狙ってエサを撒く」って笑いなのに対して、けんちゃんは「バカバカしいことをちゃんと狙って、頭の中に描いてからこなす」っていうやり方。計算されたっていうよりも、計算に沿った笑いだよね。我々は計算間違いしたら、間違ったままで元に戻そうとしなかった。そのままのほうが面白いと思ってたの。

今考えてみると、『ひょうきん族』なんか再放送にたえられないよ(笑)。「なにやってんだ、コイツら」って。そこをいくと、ドリフのコントは今でも見られるし、よくできてるなって思うね。

◆志村けんちゃんはやっぱり枝雀さんなんだよね

――志村さんは2006年から舞台『志村魂』をスタートさせています。たけしさんもある時期から若手芸人のライブに突然出たり、芸能事務所「タイタン」主催のライブで落語を披露したりもしていますが、「もう一度舞台に立ちたい」という思いは原点回帰からくるものなのでしょうか?

オレの場合はテレビが長すぎて、演芸場とかライブで客前に立つって機会がなくなったんだよ。テレビでも客前はあるんだけど、笑わすためじゃなくて番組としてあるんであってね。自分一人で笑わせるような客前に出てないと、緊張感とか雰囲気、間がわからなくなるから。それで、なるべくやるようにしたの。

けんちゃんもドリフやってたし、テレビの収録が多くなってから生の緊張感が欲しくなったんじゃないかな。それで一座を持ったんだと思う。お笑いの人はとくにそういうところがあるよね。芸能っていうのは人に見せるためにやるものだけど、「テレビの向こう側の人にやる」っていうのは反応がわからないし。そこをいくと、一番ダイレクトに笑いがくるのはライブだからね。

――やはり、芸事は「生の舞台」が一番なんですね。志村さんは落語家の2代目・桂枝雀さんのファンだったことでも知られています。たけしさんから見て、志村さんのコントに枝雀さんの要素を感じるところはありますか?

お笑いに対するスタイルで言うと、けんちゃんはやっぱり枝雀さんなんだよね。オレは枝雀さん苦手なんだ。関西の落語自体好きじゃないからね。表現の仕方が大げさだし、「ここが笑いどころだよ」って押しつけがましいところがあるような気がしちゃって。

オレ、(5代目・古今亭)志ん生さんが大好きだから。そこはだいぶ違うね。志ん生さんの落語っていうのは、何気なく言って笑わせてるんだけど、その後にかぶせてくるから。“江戸前”とか“粋”とかってなると、志ん生さんになっちゃうよね。

あと志ん生さんはカミさんやらせると、やたらうまいんだ。オレは、子どもの頃に母ちゃんの腰巻きのあたりに抱きついた匂いがするって意味で「腰巻きくさい」って言ってるんだけど。枝雀さんは、やっぱり関西の漫才の女になっちゃうんだよ。あの人は落語やお笑いに真剣すぎて、「どうでもいいじゃないか」っていうおおらかさや余裕がないんだよね。志ん生さんは、ものすごい稽古するんだけど、表面上はどうでもいいっていう見せ方なの。

もちろん二人とも、ものすごく真剣に取り組んでると思うよ。ただ、志ん生さんは客前でそれがわかったら恥ずかしい。枝雀さんは一生懸命やんなきゃって感じがあって、その差じゃないかな。けんちゃんが枝雀さんを好きなのは、意外に貪欲でマジメだったからかもしれないね。

◆実力があったってことだよ。すごいなって思う

――最後にお会いしたのはいつ頃か覚えていらっしゃいますか?

『天才!志村どうぶつ園』(2019年4月13日の放送回)だね。けんちゃんが小っちゃな柴犬(殿くん)を連れてきて、オレも犬(権蔵くん)飼ってるから一緒に出たんだ。そしたら、なんかお互い照れちゃって、まぁ話になんねぇこと(苦笑)。笑い話一つしないで普通に撮っちゃったから、スタッフはガッカリしただろうなと思う。もうちょっと盛り上がると期待したんだろうけどね。

番組でお互いにののしり合うなんてことまではならなかったっていうか……。「なんだ、お前。酒ばっかり飲んでやがって」なんてことは言えなかったからね。だから、もうちょっと深く付き合って、なんでも言えるようになったら面白かったと思うけど。コントやっても絶対面白くなったと思うよ。

――一視聴者としても、そんなお二人を見たかったです。残念ながら亡くなってしまった志村さんに、届くなら言ってあげたいこと、思いなどあれば伺えますか?

まぁ「お疲れさん」だろうな。あんまり突然だったから、なにか言えるような別れもできなかったし。

何人もいた弟子志願者の中で荒井注さんの代わりに入ったのは、すごく幸運なことであると同時に実力があったってことだよ。すごいなって思う。『8時だョ!全員集合』が終わってからも自分の番組を持って、最近まで現役でやっていたっていうのは、芸能界にいても滅多にできることじゃないし。だから、そこは「よく頑張ったね」と言ってあげたいね。

ただ、もうちょっと早くにリタイアしてもよかったって感じるところもあるかな。お笑いの人ってみんなそうだけど、よっぽどのことがない限りリタイアしないんだよね。やっぱり死ぬことよりも芸事のほうが好きだから、ゆっくりとした老後を選ばないんだと思う。

そういう意味では、「現役で売れてる間に天国に行けてよかったじゃん」って気がしないでもないけどね。―以下省略―


 

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