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  二つの原因で、緊急事態宣言を発出しても強い効果が表れない !
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投稿者 青木吉太郎 日時 2021 年 5 月 17 日 21:24:29: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 

  二つの原因で、緊急事態宣言を発出しても強い効果が表れない !

       コロナの世界的感染の深層・真相は ?

植草一秀氏ブログ「知られざる真実」
(第2861号:2021年5月16日)

1)〜5)は前回投稿済みです。以下はその続きです。

6)3月21日の緊急事態宣言解除は、時期尚早だった !

3月21日の緊急事態宣言解除は、時期尚早だった。
3月末の人流拡大期に合わせて、緊急事態宣言を解除すれば、何が起こるかは明白だった。
たった1ヵ月で、緊急事態宣言再発出に追い込まれた。
4月25日に、緊急事態宣言が再発出されたが、その期間終了日を、5月11日にした。
たった2週間で、緊急事態宣言を解除する条件が、整うわけがない。
菅内閣は、予想通り、期間延長に追い込まれた。
そして、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置発出の対象が、拡大された。

7)二つの原因で、緊急事態宣言を発出しても強い効果が表れない !

緊急事態宣言を発出しても強い効果が表れない。その原因は二つある。
第一に、コロナ感染拡大防止措置の適用対象が、限定的で、水がいくらでもこぼれ落ちるのである。GWの人流は、急拡大した。
アップル社が提供する、人の移動指数のうち、自動車による移動指数は、5月2日に最高値を記録した。
3月26日のピークを超えた。

8)コロナ感染拡大地から、全国各地への旅行を制限しない !

菅内閣は、緊急事態宣言を発出しても、コロナ感染拡大地から、全国各地への旅行を制限しない。全国の観光地で、コロナ感染が急拡大したのは、菅内閣のコロナ対策の歪みを、原因としている。
第二にコロナ感染抑制を叫ぶ一方で、五輪関連行事を、強行している。
人々に、コロナ感染抑止に向けて、真剣に取り組めと言っても、聞き入れられるわけがない。
大音響車列の聖火リレーを強行し、マラソン大会まで強行する。

9)英国とインドの変異ウイルスの感染が増加すれば、さらに感染が拡大する !

コロナ感染拡大の中心が、N501YからL452Rに置き換われば、今後、コロナの感染が収束どころか、さらに拡大する恐れもある。
菅内閣下、中途半端なコロナ感染抑制策が続く。
この状況下で、菅内閣は、10万人の外国人を国内に招き入れる、東京五輪開催を、いまなお強行しようとしている。
菅政治は、狂気の沙汰としか言いようがない。
二階幹事長−小池都知事のラインが、中止を決断すれば、両名の支持率が急騰することになる。

(参考資料)

  秘密結社が裏にいると信じる人が増えている訳

  被害妄想的な感受性がコロナ禍で静かに広がる

(toyokeizai.net:2021/1/2)

◆「Qアノン」とは何なのか ?

2020年は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)によって、インフォデミック(偽情報の大流行)が世界各地で混乱を巻き起こし、陰謀論がメインストリームに躍り出るようになった年として記憶されることだろう。
アメリカ発の陰謀論である「Qアノン」がイギリスやドイツ、オーストラリアなどの国々にも拡大し、日本でもアメリカ大統領選の一連の騒動をきっかけにその影響力を増している。ブルームバーグは最近、日本にQアノンの支部が出現したことについて報じている。
「ソーシャルメディア分析会社グラフィカの調査によると、日本国内のQアノンのコミュニティーは独特の用語や行動様式、インフルエンサーを持ち、国際的に最も発達した支部の1つとなっている。トランプ大統領の側近だったマイケル・フリン元米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を崇拝する動きも目立つという」(日本にも「Qアノン」、独特な信奉者集団は陰謀論の世界的広がり示す/Bloomberg 2020年11月30日配信)。
Qアノンとは、一部のエリートから構成される悪魔を崇拝する小児性愛者の秘密結社が、政治やメディアを支配する「ディープ・ステート(闇の政府)」として君臨し、アメリカ合衆国連邦政府を裏で操っているとの見方を支持する集団である。そしてトランプ大統領は、そんな連中と人知れず戦っているヒーローだというのだ。もともとは2017年に政府の内通者を自称する「Q」が匿名掲示板に投稿したことに端を発している。
大変興味深いことではあるが、これらの荒唐無稽なおとぎ話が、コロナ禍によって世界各国に輸出され、現地の陰謀論と融合して、独自の発展を遂げている。つまり、Qアノンがいわば都合のいい母体となって、さまざまな妄想を吸収しているのである。
そもそも元祖のQアノン自体が、アメリカ・ワシントンのピザ店が小児性愛と児童買春の拠点とされ、ヒラリー・クリントンが関与しているという「ピザゲート」疑惑に着想を得た後、宇宙人から反ワクチンに至るまで多様な陰謀を咀嚼(そしゃく)し、雪だるま式にその全体像を巨大化させていったのだ。
日本では、アメリカ大統領選をめぐる不正投票説の蔓延がQアノンの浸透を後押しした。日本国内の国政選挙における陰謀論がすでに根付いていたことに一因があると思われる。
5〜6年ほど前からソーシャルメディアを中心にたびたび言及されるようになった言説で、ムサシ社製の票計測機が自民党の候補者に有利になるよう仕組まれているという疑惑である。
これはムサシ社製品が開票所の票計測機として大きなシェアを占めることが背景にある。このようなローカルな陰謀論がネットコミュニティにある程度定着していたところに、同じく不正投票説を唱える海外の陰謀論が好意的に受け入れられたことは想像にかたくない。
そもそもディープ・ステートは、イギリスに本部を置く影の世界政府のトップ「三百人委員会」(ジョン・コールマン)、あるいはイルミナティやフリーメイソンといった世界征服を企む秘密結社といった系列の現代的なリバイバルにすぎない(以前であれば、ロスチャイルドやロックフェラー、現在ではビル・ゲイツやジョージ・ソロスなどの名前がよく挙がっている)。

◆コロナ禍で脳の警報装置を起動させるかのように !

既存の陰謀論を巧みに取り込みながら、ローカルな陰謀論とも容易に結び付くメカニズムもそれほど目新しいものではないが、コロナ禍で世界各国の経済がダウンし、自粛により心身が過度のストレスにより疲弊し、ネットにかじりつく時間が増大したことで、真偽不明の情報に釣られやすくなっているだけでなく、深入りしてしまう動機づけがかつてないほど強まっているのである。
コロナ禍で陰謀論がメインストリームに急上昇しているのは、未曽有のパンデミック(世界的大流行)による混乱ぶりも手伝って、その差し迫った脅威に関するメッセージが、まるで脳の警報装置を起動させるかのように、人々の情動へ効果的に作用したからだ。
進化心理学的に見れば、陰謀論に惹きつけられる発端は、進化の過程で獲得された心のプログラムの誤作動と考えることができる。進化心理学は、人間の心をさまざまな情報を直観的に処理する、複数の「認知モジュール」を備えたシステムととらえる。道に落ちていたヒモをヘビと間違えて身がすくむのは、ヘビを感知するモジュールが反応したとみなすのがわかりやすい例だが、これは太古の昔にわたしたちが生存のために身に付けたものである。
ただし、この仕組みは、現代社会のようなネットとスマホで構築された過剰接続の時代を想定してはいない。ソーシャルメディアでシェアされる恐怖や嫌悪をあおる情報が、いわばおもちゃのヘビ(虚偽)のようなものにすぎなかったとしても、脅威に対する認識は直観を優先する傾向に引きずられやすいのである。
当然ながら、社会や経済の危機的な状況下において、ネットを通じて諸悪の根源を追求しようとする振る舞いは、生存本能に促された自然な行為といえる面がある。しかし、目の前に「洪水」や「猛獣」などが迫り来るような、自身に危害が及ぶ緊急性がさほどない場合は、その多くが不必要なアラームとも考えられる。進化上重要なスイッチではあるけれども、他部族の襲撃や干ばつによる飢餓などが身近ではなくなった現代では、作動するにぶさわしい機会は恐らくかなり稀なはずで、むしろ検知の感度が高いほうが厄介だからである。

◆人間の道徳基盤が強く刺激された場合に

社会心理学者のジョナサン・ハイトは、複数の認知モジュールで構成される道徳基盤が、人間にあると主張する。それらのいずれかが強く刺激された場合に、その出力として引き起こされる情動が方向性を決めるという。
公正/欺瞞のモジュールであれば怒り・感謝、忠誠/背信のモジュールであれば、裏切り者に対する怒りなど、権威/服従のモジュールであれば、尊敬・恐れが誘発される(『社会はなぜ左と右にわかれるのか 対立を超えるための道徳心理学』高橋洋訳、紀伊國屋書店)。
これがネットを飛び交う真偽不明の情報によっても生じ、情動が瞬時に物事の善し悪しを判断して、「闘争か、逃走か」モードに移行するのだ。
その際、ネットで悲観的な情報を漁り続ける「ドゥーム・スクローリング」(Doomscrolling)は、このような心理的な反応を積極的に作り出す大きな要因となる。コロナワクチンの接種は、マイクロチップを埋め込むためで、それによって人類家畜化計画が成就するといったデマであっても、自分の生命を脅かすかもしれない出来事と切実に感じれば、関連するニュースや投稿を執拗に追い続け、世界がホラーハウスに見え始めてくるだろう。
これは、地球温暖化が恐ろしくて夜も寝られず、抑うつ状態になる「エコ不安症」とまったく同じメカニズムだ。つまり、情動のスイッチが誤作動を起こして入りっぱなしになるのである。
心理学者のジョシュア・ハートは、陰謀論に走りやすい人々に関する調査分析を行い、その性格的な因子を「スキゾタイピー」(統合失調症的な傾向)と呼んだ。
「比較的信頼できない傾向があり、思想的に偏屈で、異常な知覚体験(実際には存在しない刺激を感じるなど)をしやすい特徴を持つ」と述べ、これは自分に特有のものだと感じたい欲求があると指摘した(Something’s going on here:Building a comprehensive profile of conspiracy thinkers/The Conversation)。
彼らは、「世界が危険な場所」であると捉えがちで、「あらゆる兆候」に差し迫った危機を見いだそうとするのである。このような被害妄想的な感受性がコロナ禍で静かに広がっていった可能性は高いだろう。


 

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