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 自民党憲法草案の条文解説 実は、憲法改悪草案です !(第5回)
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/5423.html
投稿者 青木吉太郎 日時 2016 年 1 月 06 日 20:36:16: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


自民党憲法草案の条文解説実は、憲法改悪草案です !

(第5回)

自民党憲法改正草案へ、知識人からの批判 !

自民党の憲法改正案についての鼎談 第4弾


(satlaws.web.fc2.comより抜粋・転載)

◆自民党憲法改正草案、実は、憲法改悪草案です !

 2012年4月27日発表(2015年現在最新版)の自民党憲法改正草案は、日本国憲法を全面的かつ本質的に変更するものであり、全ての政策に関わる極めて重要なものです。


◆立憲主義、権利と義務、個人の尊重、公共の福祉といった

自由な生活を支える概念が、大きく変容 !

総論(概要)

1 憲法とはなんだったのか ?

2 全体にかかわる変更点
(1) 国民の義務が増える !    (2) 個人の尊重がなくなる !
(3) 「公共の福祉」ではなくなる !    (4) 同じ文言でも解釈が変わる !

3 特に目立つ誤解 !
(1) 草案に否定的な方の一部にみられる誤解  
(2) 草案に肯定的な方の一部にみられる誤解 !

4 各論への招待 !

◆現行 草案 解説

☆現憲法の象徴天皇制とは異なる天皇制を規定 !

主語が国家の条文が登場 !

☆基本的人権を尊重するのは国ではなく「日本国民」 !

☆立憲主義でなく、国民の憲法尊重義務を規定 !

第一章 天皇     第二章 戦争の放棄

以上は前4回投稿済みです。以下はその続きです。

第三章 国民の権利及び義務

第10条
 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。 第三章 国民の権利及び義務
第10条(日本国民)
 日本国民の要件は、法律で定める。  
第11条
 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
第11条(基本的人権の享有)
 国民は、全ての基本的人権を享有する。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利である。
「人権規定も、我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。」とQ&Aにあり、歴史、文化、伝統に反する自由は人権ではない(あるいは価値が低い)という新たな解釈がとられたと読めます。 天賦人権説を否定した点については19条をご覧ください。

第12条
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用しては、ならないのであって、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第12条(国民の責務)
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。

 Q&Aで、「「公共の福祉」という文言を「公益及び公の秩序」と改正することにより、憲法によって保障される基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにした」とされています(その意味につき総論参照)。

 なお、Q&Aに「公の秩序」の解説がありますが、「公益」の解説はありません。

 また、「自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚」すべきことが規定されました(総論参照)。

天国を信じることに何の責任が伴うのか、コンビニで買ったパンの所有権に何の義務が伴うのか、寝たきりの人は生きる権利に伴う何らかの義務を履行できるのか、などと具体的に考えると法的意味の理解が困難なので、詳細な解説はできません。

 12条は人権全体について規定しているので、現行・草案ともに、13条以下の全ての人権に係ります。


第13条
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 第13条(人としての尊重等)
 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。


☆自民党憲法草案では、個人としては尊重されないことがわかります !

プライバシー権などの新しい人権は、明文化された人権はありません !

「個人として」が「人として」に変わっており、24条では「個人」を残していることと対比すると、個人としては尊重されないことがわかります(これにより全体主義方向に傾くことにつき総論参照)。「公益及び公の秩序」については前条と同様です。

 この条文は人権の包括的規定なので、プライバシー権などの新しい人権は13条を根拠に従来から認められていました。草案において新たに明文化された人権はありません。


第14条
1 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。

第14条(法の下の平等)
1 全て国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、障害の有無、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、認めない。

3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。  

障害の有無が後段列挙事由(明確に書いてある差別禁止要素)となりました。

判例は列挙されているか否かで区別しておらず、障害が「社会的身分」に含まれると解釈するかどうかにかかわらず、現在でも障害の有無での差別は当然禁止されていますが、あえて書くことによって保護が厚くなる可能性はあります。内容や程度には着目せず「有無」に着目しているので、仮にこの変更に重要な意味を持たせるとすると、この文言が適用される障害者なのか、そうではないのかという区別をはっきりさせなければならず、かえって差別を助長しかねない点に注意が必要です。

 3項で栄典の授与が特権を伴うことが許されました。また、新憲法下で新たに想定される「軍事的関係」においては差別されるのかもしれません。

第15条
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。 第15条(公務員の選定及び罷免に関する権利等)
1 公務員を選定し、及び罷免することは、主権の存する国民の権利である。
2 全て公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選定を選挙により行う場合は、日本国籍を有する成年者による普通選挙の方法による。
4 選挙における投票の秘密は、侵されない。選挙人は、その選択に関し、公的にも私的にも責任を問われない。  「日本国籍を有する」とあるので、外国人参政権が認められないことが明らかになりました(94条2項参照)。なお現行憲法下でも国政選挙で外国人が投票することは国民主権に反するので認められていません。

第16条
 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。 第16条(請願をする権利)
1 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願をする権利を有する。
2 請願をした者は、そのためにいかなる差別待遇も受けない。  

第17条
 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。 第17条(国等に対する賠償請求権)
 何人も、公務員の不法行為により損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は地方自治体その他の公共団体に、その賠償を求めることができる。  

第18条
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。 第18条(身体の拘束及び苦役からの自由)
1 何人も、その意に反すると否とにかかわらず、社会的又は経済的関係において身体を拘束されない。
2 何人も、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。  「いかなる」から「社会的又は経済的関係において」に変わったため、社会的経済的以外の関係では拘束され得ることとなりました。そのような拘束があるのかを判断できるほど明確な条文ではありませんが、14条1項にある「政治的」が除外されていることに注意が必要です。「軍事的」拘束も禁止していないとも読めます。
 「奴隷的拘束」から「身体を拘束」に変わったことだけに注目すれば、禁止される拘束の範囲が広がったということになります。奴隷的拘束も「身体を拘束」の一種として禁止されています。しかし、禁止の範囲が広がったことで、例外が許されるようになりました(人権のインフレ)。例えば、逮捕勾留等の身体拘束は現行18条とは無関係であるのに対して、草案18条の例外と位置付けられます(仮に、「法的」な身体拘束は18条の例外ではなくそもそも対象外だと解するならば、法律によれば奴隷的拘束等のあらゆる拘束が、公益及び公の秩序に合致する限り可能となりかねません。)。
 意に反していなくても身体拘束されないことになったということは、仮に私人間に直接適用してしまうと、労働や通勤通学や性交渉の多くが禁止されかねません。そこで、現行18条は私人間に直接適用され、企業による過度な拘束を禁止する役割を担っているのに対し、草案18条は私人間に直接適用されないと考えられます。


☆国防軍に参加することは苦役ではないと解釈すること

が可能で、徴兵制も可能 !

 徴兵制は、「意に反する苦役」に当たるため違憲とされてきました。意に反する苦役の禁止は2項でそのまま維持されています。

しかし、国防軍も国防義務(前文3項、9条の3)も「公益及び公の秩序」による制約も憲法尊重義務(102条1項)もなかった現行憲法下での「意に反する苦役」に当たるとの議論がそのまま妥当するわけではありません。

意に反する苦役かどうかは憲法の趣旨に照らして判断されるのですから、新憲法上の重要な国益である国防軍に参加することは苦役ではないと解釈することが可能ですし、自衛隊時代から自民党では「苦役だなんて自衛隊員に失礼だ」といった議論がありました(自民党の主張につき、総論及び9条の3参照)。


(参考資料)

教育の内容を決めるのは国家ではない !

〜自民党の憲法改正案についての鼎談 第4弾

(iwj.co.jp: 2013/03/27より抜粋・転載)

特集 憲法改正|特集 前夜
 2013年3月27日(水)13時から、東京都内で「自民党の憲法改正案についての鼎談 第4弾」が行われた。現行憲法と自民党の改憲案を比較しながら、懸念すべき点を話し合う第4回目の鼎談は、はじめに、

判決が出たばかりの一票の格差訴訟について、それぞれの所感を述べた。その後、自民党改憲案における、憲法第23条(学問の自由)、第26条(教育に関する権利と義務)について意見を交わした。


■出演 澤藤統一郎氏(弁護士)、梓澤和幸氏(弁護士)、岩上安身

冒頭、一票の格差訴訟の、3月25日と26日に言い渡された選挙無効判決について、梓澤氏は「今まで、裁判所は『違憲状態』と言いながら、選挙無効の判断をしてこなかったが、今回初めて選挙無効判決を出した。司法官僚体制に風穴を開けたものだ」と一定の評価を示した。

 澤藤氏は「司法における、行き過ぎた消極主義を是正するものである」と評価をしながらも、「選挙というものは、正確に民意を反映するものでなければならない。
現行の選挙制度は『民意の集約』の名の下に、強い政党に下駄をはかせ、弱い政党は切り捨てられる。

政権の安定を保つということが言われているが、現行の選挙は多くの死票を作る制度である。小選挙区制の持つ根本的な問題に切り込んだ判決でなれば、不満が残る」と述べた。岩上も、『ゼロ増5減』では根本的な格差問題は解決しないことを指摘した。

 学問の自由を保障する憲法23条、26条について、澤藤氏は東大ポポロ事件(東大の学生団体のポポロ劇団が、政治的なテーマの公演を行なった際に私服警官が潜入し、身分がばれて学生に暴行された事件。学問の自由と大学自治の問題が論点となった)を例に挙げ、「学問の自由というのは、当時は大学教授などに特別に認められる権利だと考えられていた。

大学というのは、中世の頃から最先端の学問をする場であり、宗教など、さまざまな権威を超えて、新しい時代を切り開く役割がある。権力を排除する場でなければならず、学生もその構成員である」と述べた。

 さらに、澤藤氏は「明治維新から敗戦まで、国民が国家にとって忠良な臣民になるよう、国家に都合の良い洗脳が行われていた。戦後、その過ちを繰り返さないために、国家が教育の内容に介入してはならないと、憲法で定めたものだ」と述べ、自民党の改憲案で26条に新設された『教育が国の未来を切り拓く』という文言に、「ナショナリズムを見てとれる」と懸念を表明した。

 岩上が、憲法24条について、自民党改憲案では『家族』が強調されている点を指摘すると、澤藤氏は「家族の強調は、戦前回帰的な保守主義と親和性がある。家族の中の身分秩序は、国の秩序に相似形があり、親に対しての『孝』を道徳化して、主君への『忠』に引き移す懸念がある」と述べた。【IWJテキストスタッフ・荒瀬/奥松】
 

 

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