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  津波訴訟 仙台地裁、「7分前に危険性予見」、 学校の過失を認定 !
http://www.asyura2.com/10/nametoroku6/msg/6986.html
投稿者 青木吉太郎 日時 2016 年 10 月 28 日 16:52:45: jobfXtD4sqUBk kMKW2Itnkb6YWQ
 


東日本大震災・大川小学校・津波訴訟

仙台地裁、「7分前に危険性予見」、学校の過失を認定 !

役人等、大組織が失敗を繰り返す理由は ?


(mainichi.jp:2016年 10月27日 10時50分より抜粋・転載)

毎日新聞:

大川小学校、児童、教職員計84人が死亡・行方不明 !

勝訴した一方で遺族たちの主張が認められなかった部分も少なくなく、遺族たちに、喜びの表情はほとんど見られなかった=仙台市青葉区で2016年10月26日午後4時20分、喜屋武真之介撮影

◆仙台地裁、石巻市と宮城県に総額14億2658万円賠償命令 !

 東日本大震災の津波で児童、教職員計84人が死亡・行方不明となった宮城県石巻市立大川小学校を巡り、児童23人の遺族が、市と県を相手取り約23億円の損害賠償を求めた訴訟で、仙台地裁は、10月26日、市と県に総額14億2658万円の支払いを命じた。

高宮健二裁判長は、「教員らは津波襲来の7分前には危険性を具体的に予見したのに、安全な裏山ではなく不適当な場所へ避難しようとした」と指摘し、学校の過失を認定した。


 大震災による最悪の学校災害に対する司法判断は、教育現場に重い課題を突きつける内容となった。

 裁判の大きな争点は

(1)大川小への津波襲来を予見できたか
(2)安全な場所への避難は可能だったか
−−の2点である。

判決はまず、校舎付近が震災までに大津波に襲われた経験がなく、ハザードマップの浸水予測区域外だったことから、震災前や地震直後の段階では襲来は予見できなかったとした。

 一方で当時の市職員の法廷証言から、北上川河口への津波襲来や高台避難を呼びかける広報車が校舎前を午後3時半ごろに通り、7分後に実際に津波が襲ったと認定した。
「教員らは広報を聞いた段階で、大規模な津波が襲来し、児童に危険が生じることを予見したと認められる」と指摘した。

 教職員や児童らはその後、北上川の橋のたもとにある標高約7メートルの「三角地帯」と呼ばれる高台に向かう途中に津波にのまれた。

石巻市側は、遺族側が主張する裏山への避難について「山崩れや倒木の危険があった」と反論したが、


☆判決は「児童らはシイタケの栽培学習で登っており、

裏山への避難を決断すべきだった」として、

学校側に過失があったと結論付けた。

賠償額は慰謝料、逸失利益など児童1人について約5300万〜6000万円とした。

 大川小の被災を巡っては、石巻市が、2013年2月に第三者検証委員会を設置した。2014年2月、被災の直接原因を「避難決定が遅れたこと」とする報告をまとめたが、その背景事情には踏み込まず、遺族が、2014年3月に市と、国家賠償法に基づき、教職員の給与を負担する県の責任を問うため提訴した。【百武信幸、鈴木一也】

(参考資料)


国家や強大な組織が 失敗を繰り返す理由 !

「戸部良一・寺本義也等共著『失敗の本質』ダイヤモンド社」によれば、失敗の本質・理由は、以下の諸点である。

@無謬性のワナ、A情報参謀の軽視、B失敗を正視するリアリズムの欠如、
C官僚化した日本軍、D「権限への逃避」と「既成事実への屈服」、E集団主義原理Fあいまいな戦略目的、G短期決戦の戦略志向と古い戦術への固執、
H主観的な戦略策定―論理的議論を排除、➉学習(反省・議論)を軽視した組織―教条的傾向の拡大、J積極論者の過失を大目にみる組織―猪突猛進性の助長、K統合的判断の欠如、L日本軍の「失敗の本質」とその連続性


◆帝国陸軍・海軍のケース

旧日本軍に対する戦後の批判は、下記に列挙するように、多様になされているが、その最たるものは、日本を建国以来の悲惨な敗戦に追い込んだ軍部(政治に高い見識のない特殊な専門家集団)の政治介入(シビリアンコントロールの否定)といえるだろう。

それは、真の戦争指導、ことに政略と戦略の関係、つまり戦争哲学の具体的研究といったものが十分でなかった陸軍大学校の教育に、その源を発していたということができる。

日本は、その騎虎の勢い・行け行けで綜合国力比、1対15のアメリカに決戦を挑んでいったのだ(なぜ敗れるべき戦争に訴えたかは他の研究に譲り、開戦した後の日本の「敗れ方」を究明する)が、当然のように戦争終結に関する成案は持っていなかった。

軍隊は、合理性と効率性を追及する組織の典型といってよい。        
にもかかわらず、敵国に関する情報も十分持ちえずに、また、本来的意味における戦略もないままに太平洋戦争に突入した。

そして、旧日本軍は、非現実的で非合理的な作戦を次々と敢行した。      
当然の帰結として「蹉跌の連続」になった[1]。

その結果、大東亜戦争における種々の甚大なる被害のうち、死亡者に限定しても、日本人で約310万人、アジアで約2千万人といわれる膨大な被害をもたらし、その悲惨かつ深刻な後遺症は、連綿と日本・アジア全般に存続し続けている。

しかし、その真実の公表・責任追及・総括・反省等は、敗戦後60年余、いまだに不十分である。

(1) 無謬性のワナ

日本海軍の最大の欠陥は、ひとたび計画を立てたら、それは完璧なもので、すべてその通りに運ぶという無謬性を前提にしてしまうことです。

だから、その計画が破られた後のことを考えていない。失敗したことを認めると、そのすべてが崩壊してしまうので、何度同じ失敗をしても、改めることができないのです[2]。

(2) 情報参謀の軽視

@米軍は1910年ころから、対日情報戦の準備を進め、極めて優秀な情報参謀を育成し重要視していた。
日本には、連合艦隊司令部内に、情報参謀という職掌がありませんでした。
軍令部第3部が情報担当でしたが、発言力が弱くて、彼らの言葉に耳をかたむける指揮官等はほとんどいなかった。

日本軍は、自国の機密情報を守ることさえできませんでした。そのインテリジェンスに対する感度の低さはどうしようもない[3]。

A本当のインテリジェンスの欠如:肝心なのは、集まった情報を分析することである。各分野の優秀な専門家を揃えなければ、高度な分析はできない。米軍と比較すれば、日本の分析力は格段に低かった[4]。

(3) 失敗を正視するリアリズムの欠如

とにかく、太平洋戦争における日本軍には、嘘やごまかしが多過ぎた。     
ミッドウェー海戦での大敗北を国民のみならず、東条首相や昭和天皇にまで隠そうとしたのですから、これでは勝てるはずがない。リアリズムを忘れると負ける、というのが、太平洋戦争から学ぶ最大の教訓である[5]。

(4) 官僚化した日本軍

旧日本軍は、官僚化して、環境変化に対応できる組織ではなかった。当時の軍事参謀・陸軍大学校卒業者は、「記憶力、データ処理力、文書作成能力にすぐれ、事務官僚としてすぐれ」ており、「オリジナリティを奨励するよりは、“暗記と記憶力を強調した教育システム”を通じて養成」されたという。

そのような硬直化した教育をうけた参謀では、逆転の好機をつかめない[6]。
日本軍の第一線高級指揮官には人事権が与えられず、自律性も制約され、中央の参謀本部に極度の集権化をおこなってきたのが、日本軍の組織であった。

日本軍の現地軍は、責任多く権限なしといわれた。責任権限のない組織にあって、中央が軍事合理性を欠いた場合の責任は、すべて現地軍が負わなければならなかった[7]。

(5)「権限への逃避」と「既成事実への屈服」

丸山真男氏は、先の大戦における日本の戦争指導者の特徴として二つをあげた。「権限への逃避」とは、当時の戦争指導者が権限を逸脱する行為を匿名でやっても、“結果責任は、本来の権限に逃避して回避する”という「官僚政治」を行っていたことを意味すると思われる。

「既成事実への屈服」は、山本七平氏が指摘するところの「空気の支配」を指すのだろう。問題は、誰が「空気」を醸成しているのか、である。       

それは、お互いの面子を尊重することで棲み分けをして、結果責任については、お互いに
追求しないことで、共生している人々としかいいようがない[8]。

(6) 集団主義原理

『失敗の本質』にみられる、旧日本軍についての以下の分析は、現在日本のあらゆる分野の組織にも当てはまるという見解は多い[9]。
「官僚制のなかに情緒性を混在させ、インフォーマルな人的ネットワークが強力に機能するという特異な組織」である。

組織とメンバーとの共生を志向するために、人間と人間との間の関係それ自体が最も価値あるものとされるという『日本的集団主義』に立脚していると考えられるのである。そこで重視されるのは、組織目標と目標達成手段の合理的、体系的な形成・選択よりも、組織メンバー間の『間柄』に対する配慮である[10]。

旧日本軍の集団主義的原理は、このようにときとして、作戦展開・終結の意思決定を決定的に遅らせることによって重大な失敗をもたらすことがあった[11]。

―以下省略―



[1] 三根生久大『帝国陸軍の本質』講談社1995年、5〜8頁。
[2] 戸嵩一成「帝国海軍vs米国海軍」『文藝春秋』2007年11月号、153頁。
[3] 戸嵩一成、前掲書、155〜157頁。
[4] 江畑謙介、前掲書、160〜161頁。
[5] 秦郁彦、前掲書、168〜169頁。
[6] 中川秀直『官僚国家の崩壊』講談社2008年、156〜157頁。
[7] 戸部良一等『失敗の本質』ダイヤモンド社1985年、
[8]中川秀直 前掲書、44〜46頁。
[9] 中川秀直前掲書、47頁。
[10] 前掲書『失敗の本質』、222頁。
[11] 前掲書『失敗の本質』、222頁。
 

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