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参議院、「憲法審査会再開 ！ どうなる憲法改正論議」（時論公論）
報ステ：ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、
安倍首相とヒットラーの類似点を示唆 ！
（www.nhk.or.jp：2016年11月16日 (水) より抜粋・転載）
安達 宜正解説委員：国会ではきょう、参議院の憲法審査会が再開されました。今夜は憲法改正をめぐる、国会の議論はどんな段階にあって、どう進んでいくのかを考えます。
解説のポイントは3つです。
▼憲法審査会が再開された背景、
▼与野党の思惑、
▼改憲議論をめぐる国会の役割です。
きょうの参議院憲法審査会。「憲法に対する考え方」をテーマに与野党が自由討議を行いました。
あすは衆議院で「憲法制定の経緯」について議論され、衆参両院で議論が再開されることになります。
本格的な議論が行われるのは去年6月、衆議院の調査会で、集団的自衛権を限定容認した安全保障関連法をめぐり、自民党推薦の憲法学者を含め、参考人3人全員が憲法違反と指摘した審査会以来、およそ1年5か月ぶりです。その間、
▼安保関連法をめぐる与野党の対立などもあって、議論が中断していました。
環境整備に動いたのは自民党です。平成24年にとりまとめた「日本国憲法改正草案」を党の公式文書としたうえで、国会には提案しない方針を決め、これが審査会再開につながりました。
この憲法草案。
▼天皇を元首と規定し、
▼国防軍の保持が盛り込まれています。
また、▼国民の権利をめぐり、「公益及び公の秩序に反してはならない」と規定。
さらに▼家族は助け合わなければならないという条文もあります。
自民党は「現憲法の原則は変えていない。日本らしい姿を示した」と説明していますが、
保守色の濃い内容なのは確かです。野党議員や憲法学者からは「復古主義」といった
批判もありました。
民進党はこの草案の撤回を求め、審査会再開の障害となっていました。自民党は国会での議論再開を優先させるため、憲法草案を事実上棚上げしたと言っていいと思います。
それでは、安倍自民党は憲法改正の実現に向け、どのように議論を進めようとしているのでしょうか。党の憲法改正推進本部の幹部は「急がば、まわれ」。各党との合意形成を優先するとしています。
自民党にとり、憲法改正は昭和30年の結党以来の党是・党の基本方針です。安倍総理大臣の祖父、岸元総理大臣も自民党政権でやり残した課題の一つとして、憲法改正をあげ、安倍総理自身も改憲論者を自任しています。
平成18年に第1次安倍政権を発足させると、翌19年には憲法改正の具体的な手続きを定めた国民投票法を制定しました。平成24年、政権に復帰するとみずからの在任中の憲法改正実現に強い意欲を示してきました。
そしてことし夏。参議院選挙に勝利し、衆議院に続いて、与党と改憲勢力で憲法改正の発議に必要な3分の2を確保しました。しかし、選挙後は憲法改正に関する積極的な発言を控えているようにも見えます。これについて、政権幹部は「改憲に向けた環境を整えた。
具体的な改憲案は各党の議論に委ねるというのが安倍総理の考えだ」と説明します。確かに民進党は「憲法改正の発議権は国会にある。総理が口を出す問題ではない」と批判してきました。
安倍総理は積極的な発言を控え、野党を刺激しないことで、与野党が協議しやすい環境を作ろうとしているという見方は納得できます。それに加えて、自民党が総裁任期の延長を決めたことを理由としてあげる見方もあります。
参院選で勝利した後、自民党は総裁任期をこれまでの2期6年から、3期9年に延長する方針を決めました。総理総裁として、平成33年9月までつとめる可能性が出てきました。
在任中の憲法改正実現に向け時間的な余裕ができたことで、各党と接点を探る戦略に舵を切ったと見ることもできます。
それでは、こうした安倍自民党の方針に対し、各党はどのように対応しようとしているのでしょうか。
カギを握るのは、連立与党の公明党、野党第一党の民進党、さらに憲法改正に前向きな日本維新の会の3党です。自民党にとり、憲法改正を具体的なスケジュールに乗せるには、公明党の理解と協力が必要となります。
☆公明党は現行の憲法を評価し、時代の変化に応じて、
必要な要素を加える「加憲」の立場です。
平和主義・憲法9条の改正に極めて慎重です。憲法改正を発議するなら、国会で圧倒的な勢力の合意が必要と主張し、少なくとも野党第1党の民進党との合意は欠かせないとしています。
その民進党。9月の代表選挙で蓮舫氏が、新しい代表に選出されました。
蓮舫代表、また野田幹事長は、自他ともに認める、保守政治家です。
反対・抵抗路線ではなく、常に対案を示す考えを強調。国会での憲法審査会での議論にも積極的に参加する方針を示しています。ただ憲法審査会の議論に参加すると言っても、
それが直ちに改憲のとりまとめに加わるということではありません。
憲法審査会には、2つの役割があります。
１つは▼憲法と関連法制の調査、もう１つは▼憲法改正案の審査です。
民進党はこのうち、▼憲法と関連法制の調査に重点を置いて議論すべきだとしています。
とりわけ、去年、世論が分かれる中で成立した安保関連法。集団的自衛権の行使を限定的にせよ、認めたこと。これと憲法との整合性をめぐる議論を求めています。
もっとも、こうした姿勢の背景には党内事情もあります。党内に護憲・改憲双方の考え方があることに加え、次の衆議院選挙に向け、共産党や自由党、社民党との連携を視野に入れているからです。
☆共産党・自由党・社民党の3党は、安倍政権のもとでの憲法改正に強く反対しています。民進党が具体的な憲法改正案のとりまとめに入れば、決定的な対立につながることが容易に想像できます。
☆一方、憲法改正に向けた動きを、もっとも強めているのは、
「日本維新の会」と言えるかもしれません。
独自の改憲案をすでにまとめ、▼教育の無償化、▼道州制を含む統治機構改革、▼憲法裁判所の設置を打ち出しています。松井代表は安倍総理大臣と政局の節目で会談を重ねています。
憲法改正問題をめぐっても連携を模索していることは確かです。
このように、憲法改正問題でカギを握る3党のスタンスには開きがあります。自民党には接点を探るたたき台として、▼災害時などの緊急事態にあたって、国会議員の任期を延長できるようにする条項や、▼参議院の選挙制度のうち、選挙区は各都道府県単位とし、現在の「合区」を廃止する条項を示したらどうかという意見がありますが、3党がこれを受け入れるかどうかは未知数です。
憲法公布から、ことしで70年。平和主義や戦力の不保持を定めた憲法9条の是非を中心に、護憲・改憲さまざまな立場から、議論が続けられています。
一方で、一度も改正されず、今日に至っていることも確かです。今月のNHK世論調査。
憲法改正について聞いたところ、▼改正する必要がある32%、▼改正する必要はない30%、
▼どちらとも言えないが29%と世論は3つに分かれています。
こうした現状も踏まえ、▼憲法改正が必要なのかどうか。▼仮に必要と判断するならば、何をいつどのように改めようとするのか。
国会で慎重かつさまざまな角度から議論し、国民に情報を提供すること。まず、そこから始めることが必要ではないでしょうか。（安達 宜正 解説委員）
（参考資料）
『報ステ』古舘伊知郎が最後の反撃 ！
ドイツ取材で緊急事態条項の危険性、安倍首相とヒットラーの類似点を示唆 ！
（biz-journal.jpい：2016.03.19より抜粋・転載）
◆特集は、合法的独裁を狙う、安倍自民党･改憲草案
・「緊急事態条項」だった ！
2016年3月18日に放送された、『報道ステーション』（テレビ朝日）が、いま大きな話題を集めている。まず、古舘キャスターは、ドイツからのレポートの最初に、こう話した。
☆ヒトラーは、合法的に独裁を実現している ！
「ヒトラーというのは、軍やクーデターで、独裁を確立したわけじゃありません。合法的に（独裁を）実現しているんです。じつは、世界一民主的なワイマール憲法のひとつの条文が、独裁につながってしまった。そして、ヒトラーは、ついには、ワイマール憲法自体を停止させました」
「ヒトラー独裁への経緯というのを振り返っていくと、まあ、日本がそんなふうになるとは到底思わない。ただ、いま日本は憲法改正の動きがある。立ち止まって考えなきゃいけないポイントがあるんです」 独裁の道に走らせたワイマール憲法の条文、それこそが「国家緊急権」だ。
「大統領は公共の安全と秩序回復のため必要な措置を取ることができる」という条文をヒトラーは悪用、集会やデモの開催を禁止し、出版物を取り締まり、共産主義者を逮捕し、野党の自由を奪い、あらゆる基本的人権を停止させた。ここまでは教科書にも書いてあることだが、本題はここから。この「国家緊急権」が「緊急事態条項」とそっくりではないか、と言及するのだ。
☆ヒトラーの「国家緊急権」が、安倍自民党の
「緊急事態条項」とそっくりだ ！
国家緊急権と緊急事態条項が、そっくりだというのは、本サイトでも昨年から繰り返し指摘してきた。安倍政権は大規模な自然災害時に迅速に対応するために緊急事態条項が必要なのだと強調するが、これは建前に過ぎない。事実、自民党による憲法改正草案の該当箇所には、こうある。
《（緊急事態の宣言）
第九十八条 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。》
☆緊急事態宣言は、国会の承認が必要だが事後でもいいので、
独裁は、事後承認でやりたい放題できる ！
☆改憲（実は大改悪）人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」
（厳守ではない）程度の扱いになる ！
くわえて草案には、ダメ押しで、《この場合においても、第十四条、第十八条、第十九条、第二十一条その他の基本的人権に関する規定は、最大限尊重されなければならない。》とある。
つまり、法の下の平等、身体の拘束と苦役からの自由、思想と良心の自由、表現の自由といった人類普遍の権利でさえ「最大限尊重」（厳守ではない）程度の扱いになるのである。
☆衆参で3分の2以上の議席になれば、安倍首相は、
ヒトラーのように独裁にひた走る ！
夏の参院選で与党が3分の2以上の議席を獲得し、緊急事態条項の新設となれば、いよい
よ本当に安倍首相は、ヒトラーのように独裁にひた走るのではないか──。
実際、昨夜の『報ステ』では、ワイマール憲法の権威であるドイツ・イエナ大学のミハエル・ドライアー教授にこの緊急事態条項を見せたところ、ドライアー教授はこう述べていた。
「この内容はワイマール憲法48条（国家緊急権）を思い起こさせます。内閣の一人の人間に利用される危険性があり、とても問題です。−以下省略―
☆政官業癒着・自公体制下、特に議会や憲法裁判所など
のチェックが不十分だ ！
良い人ばかりが首相になるわけではない。現状の安倍政権の強権的な態度を考えると、じつに含みのある話である。
☆首相が、緊急事態だと思えば、緊急事態宣言を行えるという、
主観的な要件になっている ！
☆民主主義を破壊する、緊急事態条項の危険性が大きい ！
さらに番組ではスタジオゲストとして、昨年の安保法制の国会審議の際、与党の推薦で参考人として国会に招致され「安保法制は違憲」という見解を示した長谷部恭男・早稲田大学法学学術院教授が登場した。
長谷部教授は、「内閣総理大臣がそう（緊急事態だと）思えば（緊急事態宣言を行える）という、主観的な要件になっている。（発動要件が客観的ではなく）非常に甘い」「場合によっては、怪しいと思われれば、令状なしで逮捕される、そんなことになるということも理屈としてはあり得る」と緊急事態条項の危険性を述べ、また、“緊急事態条項が必要ならば憲法に入れるのではなく法律を設けたらいい話なのではないか”という見解も示した。
☆緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の
危険性をも暗に伝える特集だった ！
このように、多角的に緊急事態条項を掘り下げた『報ステ』だった。
しかし、古舘キャスターは、番組中、「ヒトラーのような人間が日本に出てくるとは到底想定できないんですが」と何度も念を押し、さらには、一度たりとも「安倍」という二文字を発しなかった。
だが、この特集のテーマは、緊急事態条項と国家緊急権の類似性のみに留まらず、緊急事態条項の新設を目論む安倍首相の危険性をも暗に伝えるものだった。
☆ヒトラーは、戦争の準備を「平和と安全の確保」と表現していた ！
☆ヒトラーのやり方は、これはすべて安倍首相に
置き換えられるものだ ！
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