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(回答先: 小沢一郎元代表の離党、あるとすれば年内か(WST日本版) 投稿者 赤かぶ 日時 2010 年 12 月 16 日 14:16:09)
http://d.hatena.ne.jp/buvery/20101015
2010-10-15 小沢無罪論と在特会と日本改造論
■小沢一郎無罪論 23:27
ネットにアクセスできる人は、まず郷原さんの解説を聞いているわけですし、政治資金報告書の問題点を知っています。小沢一 郎が完全公開の記者会見を開いていることを知っていますし、その録画も民主党本部から全部みることができます。また、大阪高検の元検事で検察庁の裏金問題 を暴露しようとして逮捕、服役した三井環さんの話も知っているでしょう。平野貞夫さんの論説も知っているでしょう。上杉隆の官房機密費の調査のことも知っ ているでしょう。そういう知識を持っているひとと、全く知らない人の評価が分かれるのは当然ではないかと思います。
しばらく前に私が、こう書いたことに対して、
草加さん:
まず第一の点について、「ネットにアクセスできる人」がbuveryさんが列挙さ れたようなことを全部知っている(アクセスしている)とは到底思えません。「ネットとリアル」を二分して、そこには違う人がいるとか、違う世界が広がって いるかのように、対立的に考えると間違います。そうではなくて、「buveryさんが列挙されたような事柄に重きを置くような種類の人」が、小沢支持のク リック画面に出かけていると考えたほうが自然だと思います。ネットであろうがリアルであろうが、そこにいる人は同じ人です。「ネットに アクセスできる人」の大半も、buveryさんが列挙されたような画面を見ていないでしょう。政治ニュースについて、マスコミ情報だけですませるような人 (つまり大部分の普通の人)は、ネット上でもマスコミ情報しか見ません。また、第二の点についても、そういう普通の人たちに、buveryさんが列挙され たような画面を無理にでも見せたところで、そんなに大きく事態(小沢さんへの印象)が変わるとも思えません。
というご意見でした。
つまり、私の方は、『ネットにアクセスしている人は手に入れる情報の質が違う』というのに対して、草加さんの方は『ネットにアクセスしていても、大半の人はマスコミ情報だけですませる』、つまり、情報を手に入れる手段が『マスコミのみ』から『マスコミとネット』と変わっても、大きな数で見ると手に入れる情報は変わらない。こういう違いでした。
どちらが正しいか、統計をとる手段もないので、量的な問題を私が証明することはできません。ただ、質的な問題に関しては『記者クラブメディア』とその外で流通している情報が質的に違い、しかもこの『小沢問題』ではその質的な差が重要であって、記者クラブメディアとネットでみられたような180度違う意見の違いを引き起こしうる、ことは認めてもらえるのではないでしょうか。実演するために以下、私が以前に挙げた意見の根拠、『記者クラブメディア』以外で流通しているものを列挙します。
高野孟のJournal だと、平野貞夫、郷原信郎の意見が読めます。郷原さんは地検特捜部のヤメ検ですが、Youtubeでもnicovideoでも検索すれば簡単に数多く見ることができます。彼の話のなかでも笑ってしまったのは、郷原さんが先日のニコ生で出ていたもので、検察審議会の二回目の議決は多分『間違い』だ、という話でした。犯罪事実が石川被告のものの丸写しであって、小沢一郎のものではなかったからです。最近、小沢一郎の弁護士が検察審議会の議決について訴訟をするとか言っているのは、その話です。
神保哲生のvideonews.comでも、この件に関してなら、
http://www.videonews.com/press-club/0804/001561.php
http://www.videonews.com/interviews/001999/001555.php
http://www.videonews.com/interviews/001999/001364.php
http://www.videonews.com/interviews/001999/001329.php
などがあります。
さらに、最も説得力のある小沢無罪論は、ここに引用されているもので、問題の土地の登記簿も載っています。
登記簿には平成17年に正しく所有権移転が登記されていることが載っています。検察側の主張は、売買が平成16年であるのに、政治資金報告書の17年に書いていたという『期ずれ』でしたが、所有権が移転された日を見ると、そもそも検察の主張自体が根拠のないものになります。というよりも、何が一体問題なのでしょうか?検察の主張していることは訳が分かりません。(もっとも、これに記者クラブメディアの問題が追加されて、正確には『検察が主張しているらしいので、事実である(らしい)と記者クラブメディアが主張していること』という法務記者クラブを使ったリークの話になのですが、ややこしくなるので、ここでは置きます。官房機密費の話もずれるので置きます。)
以上の登記簿などの話をPDFでまとめたものがあります。
■在特会 23:27
さて、私の知る限りほとんどの記者クラブメディアは検察審議会に異議申し立てをした人を特定していません。これは本当に不思議な話であって、検察審議会を『国民の意見だ』(草加さんなら『大衆的』とおっしゃるのでしょうか)と祭り上げている人たちが、どうしてその異議申し立てをした『国民』の素顔を語らないのか、調べないのか。現実には『平均的』『普通の』国民などいません。生身の『国民』には一人一人、違った顔があるんです。
この異議申し立て人に関して、大きなメディアで私が唯一見つけたのは10月8日のTBSラジオのDigの『小沢強制起訴』の番組で約1秒弱、『ざいとくかい』としゃべった人がいるだけです。はい、あの草加さんなら重々ご存知の『在特会』です。山岡俊介によると異議申し立てをしたのは桜井誠(ドロンパ)であり、外国人参政権に反対するために、検察審議会を政治的に利用しているのではないかと言っています。
実際、ドロンパ本人が第五検察審議会からの受領書を含めて公開しています。
ちなみに、桜井誠は2010年3月12日号の週刊金曜日のインタビューで
週金:でも桜井さんは同じ集会で、「Xデーの時には、国会に1人でも乗りこんで行って、小沢一郎の首を取る。血みどろの闘いになる」とも。
桜井:仕方ないんじゃないですか。なぜ話し合う余地がないかと言ったらね。民主党が政権取っちゃった。この時点で終わっちゃっているわけですよ。
と言っています。
記者クラブメディアは、なぜ検察審議会への異議申し立てを右翼団体の在特会が行ったことを隠すのか。それは排外主義の団体と検察とメディアが、小沢排除という一点で野合していることを隠すためではないのか。やはり、朝鮮学校の小学生にヤクザのように拡声器を使って嫌がらせをする団体と共闘していることを隠したいのではないのか。
■日本改造論 23:27
草加さん:
「政治と金」は、小沢的なるものを象徴的にあらわすキーワードにすぎないと思います。 (中略)だいたいがですね、今どこにいるやらわか らないとか、連絡もとれないとか、首相や党の代表も会うことができない、何を考えているのかさっぱりわからない、それなのに「実力者」で「豪腕」で、自分 は表に出ないで裏から事態をコントロールすることを好む。いったい裏で何をしているのかわからない。(中略)もうはっきり言って、小沢的な政治手法には、みんな辟易しているのではないでしょうか。そういう何を考えているのかわからない。何かを語ってもそのまんま お人よしに受け取ることができない。そういうところに「政治と金」のスキャンダルが出ると、「やっぱりね」くらいにしか思ってもらえないんですよ。政治な んてそんな権謀術策だとか、最後は金と数と力だというリアリズムもあるでしょうし、それをすべて否定するものではありません。ですが「マスゴミ」に責任を 押し付けて(確かに酷すぎる下品なものが多かったけれど)、不人気の責任は小沢さん本人には何もない、改める必要などまったくないとは思えません。その原 因や責任は「マスゴミの陰謀」だけではないと思います。
これはいくつかの問題が一緒になっています。
1)小沢一郎の政策や政治的位置が草加さんには分かりにくいこと
2)小沢一郎の政治手法が表にでないものであること、または、小沢一郎のメディアリレーション(メディアに対する広報)がよくないこと
小沢一郎の政治的立場については、90年代初頭の日本改造論から大筋変わっていません。おそらくそれは、冷戦終結後の世界の変化による日本の立場が定まらず漂流している状況が変わっていないからです。多数決による民主主義により決断のできる政府を作るという目標は変わっていません。自立した自治と自立した国家という目標も変わっていません。先日の一新会での講演でも同趣旨のことを話していますから、それを見ると分かりやすいのではないかと思います。
小沢一郎は、日本の民主主義には多数決はなく、55年体制は実質的に全会一致であったと言っています。田中角栄以来の政治は日本が高度成長の時代の政治で足して二で割る政治であったが、日本が高度成長していない現代では、選択の政治になる。どちらかは捨てなくてはならない。それは政治家が決断して、その判断が正しいかは選挙で国民の意見を仰ぐという民主主義にならなくてはだめだという主張です。そのためには多数派工作が必要で数が力である、ということになります。そこのところは草加さんがいう通りだと私も思います。
小沢一郎のメディア対策はあまり上手ではないというのは私もそう思います。本当は、もっとインターネットでの広報に力を注がないといけないはずです。ただ、メディアとの対立は、小沢一郎だけに原因があるわけではない。例えば、小沢一郎は党首や幹事長時代ずっと記者会見をオープンにしてきて、記者クラブメディアに閉ざされたものにしていません。小沢一郎に説明責任を求める人は、記者会見にいって聞けばよいだけだし、実際小沢一郎は記者会見で深沢の地所についての資金の説明もしています。それを単にメディアは報道しないだけです。小沢一郎が記者クラブメディアにとって本当の脅威だからです。だから産經新聞と朝日新聞の両方が小沢一郎を非難するという珍事がおきます。
『政治と金』というのは、小沢的なるものを象徴しているのではなく、記者クラブメディアを象徴しています。『政治と金』という言葉でメディアが言いたいことは何なのでしょうか。起訴で問題になっている、政治資金規正法の書いた時期が(検察側の解釈によると)数ヶ月違うというのが重大犯罪だということなのでしょうか。それとも、西松建設が政治団体を作って献金した場合、その政治団体の名前ではなく、西松建設の名前を政治資金報告書に書かなかったのが重大犯罪だということなのでしょうか。私はどちらもとるに足らない、言いがかりだと思います。上杉隆によると、政治資金を一円単位まで公開している政治家は二人しかいなくて、その一人は小沢一郎、もう一人が鈴木宗男だと言っています。例の深沢の地所は秘書の寮です。私の考えでは、自分で集めた金を国家国民のために使っているのは良いことであって、何ら恥じるべきことではありません。
政治にはお金がかかります。先日の米国の大統領選挙では一億ドル、約百億円の経費がかかっています。これは民主主義のコストです。『政治と金』というスローガンは、具体的な内容はなく、政治家が資金を集めることをなんだか悪いことのように印象づけるための言葉です。政治資金を民間から集めるが悪いのなら、資金の出所は税金になります。今回、検察が小沢一郎のために使ったと言われる数十億の資金はすべて税金です。これがクリーンな金なのなら、私はクリーンな金など使ってほしくない。正直言って、その税金を返してほしい。
■つけたし 21:06
『権力』に対して慎重で懐疑的な草加さんが、なぜか『大衆』(もしくは『大衆の考えとされていること』)に対しては根拠のない信頼を寄せるのはおかしいのではないか。
『世論とされていることの報道』と『世論の煽動』両方ともに記者クラブメディアは関わっているので、『大衆の考えとされていること』には非常に強い偏見が加わっています。しかも、あたかもメディアが無色透明であるかのように振る舞っていますが、本当は当事者であって、権力と一体化した振る舞いをしています。
政治家は結果責任をとるべきなので、小沢一郎のイメージ戦略に問題があるのはもちろんなのですが、記者クラブメディアが言うような理由での問題があるわけではない。個別に見てみると、西松建設の件、期ずれの件、いずれにしても、とるに足らない事件です。事件ですらない。私にとって事件なのは、国家の一部門(この場合は検察)が他の権力からの制限を受けることなしに、しかも税金を使って、何十万人の民意を受けた政治家を弾圧していることです。
日本で、かつて200万人の軍人と200万人の民間人を死に追いやった対米戦争の根本的な原因は、『統帥権の独立』にありました。旧憲法下で統帥権が天皇に属し、その天皇が実質的に統帥権を使わない場合、陸軍と海軍はともに他の権力から制限を受けることなしに暴走します。それに比して、睦奥宗光の蹇々録を読むと、日清戦争時の軍隊は政治家(伊藤博文総理)の統制下にあったことが分かります。指揮権発動を行えない(行わない)現状は、検察の公訴権の独占が統帥権の独立と同じような事態を生んでいるのではないか。実際、最高検が犯罪を起こしている時は公訴する人がいなくなります。
今回の小沢一郎に対する特捜の捜査は、当然政治的捜査(国策捜査)であって、自民党政権時代に民主党へ政治的ダメージを与えるために始めたものです。大阪地検の村木局長の事件も、民主党の石井一議員をおとしめるための政治的事件です。ただ、政権交替を経た後にもこういう検察の動きが続いていることを考えると、この国策捜査の震源は、自民党の政治家ではなくて、最高検そのものだと考えるのが妥当なのじゃないのだろうか。
そうすると、最終的な解決策は、別の捜査権限を持つ機関を国会などに作って、最高検をはじめ検察の権力をコントロールすることなのではないか。米国の場合は、地方検事は選挙で選ばれ、連邦検事は大統領が議会の承認を経て任命します。いずれも直接間接に民意の承認を得ることになっています。私は、民意を反映させるような、構造的な変更が必要だと思います。
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