朝日新聞夕刊に連載中の『検証･昭和報道』(2/23現在214回)は､いま「ロッキード事件」(同日現在8回)の章に入っているが､なかなか面白い｡昨今進行中の民主党･小沢資金問題に関連して､検察庁の動きやマスコミの報道ぶりについて関心のある人には､必読の記事として､お勧めする｡

ただ､この記事はネットでは無料で読めない｡これから読みたい人は､手元に朝日夕刊バックナンバーが無ければ､近所の図書館か喫茶店に行くか､ネット上の有料データベースを利用するしかない｡

当欄に全文を引用するのは､物理的に無理だし､したくもない｡ただごく一部分だけ転載させていただく｡朝日記事は､ロ事件当時(1976年)､社会部長佐伯晋が検事総長布施健をこっそり訪ねたことを明かした上､次のように述べている｡

………(以下､朝日夕刊2/16から引用)………
これに対し雑誌「ＳＡＰＩＯ」09年４月22日号は「『日中角栄を排除せよ』という与党内の一部勢力や検察の意図があり、そこにメディアが全面的に協力した疑いがある」と批判した。佐伯はいま、こう反論する。「新聞も検察も一緒にやらないと、この疑獄は解明できないと思った。権力に迎合したり、お先棒を担いだわけではまったくない」
………(引用終わり)………

この引用部分だけ読むと､小沢問題に関して､当サイト投稿で検察･マスコミ批判をしている人は「それ見たことか」と喜ぶだろう｡だが､当時の検察･マスコミ動向に関する感想は､朝日連載を全部読んでからにしてもらいたい｡

周知のように、ロッキード事件で田中角栄はロ社からの５億円受託収賄について、否認したまま一、二審とも有罪となり、最高裁へ上告中に他界した。その意味で、すっきりした決着になっていない。しかし、田中の秘書官榎本敏夫(外為法違反で有罪確定、存命)は、金銭授受を認めた。

………(以下､朝日夕刊2/23から引用)………
榎本は、捜査段階では検察の描いた筋書きに沿い、路上や伊藤宅などで４回に分けて受け取ったことを大筋で認めたが、公判では田中と同じく５億円受領を全面否認した。ところが一審が大詰めに来たところで、検察の筋書きとは一部異なるものの、受領そのものは認めたのだ。…田中は弁護団から全面否認方針を変えるかどうか決断を求められ、悩んでいたという。…今回＜引用者注=最近のこと＞、榎本は朝日新聞の質問に「政治献金はもらった｡街頭で受理したことはない］と文書で回答し、検察の筋書き＜引用者注=街頭での授受＞を改めて否定した。
………(引用終わり)………

いま朝日連載を読んで､ロ事件と小沢資金問題に関する検察･マスコミの動向について､共通点を感じる｡当サイトで､小沢擁護をしている人は､ロ事件当時の検察･マスコミに関して何か意見があるのかどうか､聞きたいものだ｡ 　

コメント
01. 2010年2月24日 02:26:32 なんもない、うそのコメントになんのコメントがあるの！！！
02. 2010年2月24日 04:12:16 ロッキード事件当時は寝小便をたれていたガキだったので今のマスコミと正確に比較することは出来ないが、現在のマスコミが悪事を解明する責任感だけで小沢問題に喰らいついているとは到底思えない。 記者クラブ制度の存続や押し紙問題を自ら問題提起する大マスコミがあるだろうか？都合が悪いことは隠して最も行動力のある政治家を追い落としにかかっている。 私のかすかな記憶ですが、昭和50年代のＴＶ報道の内容と言えば「記憶にございません」の小佐野賢治氏が有名。極悪人級の扱いだったように思うが、氏の人柄を調べると以外と善人だったことが分かる。真実の解明と言うより真のフィクサーである児玉誉士夫を覆い隠す為の身代わりのように感じる。 もう一人有名なのは「蜂の一刺し」の榎本三恵子であるが、事件後の彼女の活躍から自己顕示欲がかなり強い女性だったことが伺える。鬼の首を取った時代の寵児的扱いだったが、彼女の証言は丸紅から5億円を受け取ったことを夫が認めていただけに過ぎず、ロ社からの賄賂を証明したわけではない。 通産官僚の果たした役割や族議員に流れた金銭、岸信介と児玉の関係を追求しようとせず角さんだけを悪者にしたマスコミの偏向性は当時も今も変わらない。 投稿人が何を言いたいのか分からないが、検察とマスコミの関係が社会正義によるものとするのは相当恣意的と言わざるを得ない。
03. 2010年2月24日 06:56:15 朝日だけを読んで、ロッキードも小沢問題も謀略性を感じ取ることのできないという投稿者の感性を疑う。政治謀略とは、あらゆる手段を駆使して政敵を陥れることで、そのためにはありもしない事実をでっちあげて犯罪者にしたてあげること。これに手を貸すのが日本の場合はジャーナリズム。このことが見抜けなければ、新聞読みの新聞知らずというところが？よほど薄っぺらな読み方しかできないか、新聞が100パーセント正しいと思っているおめでたさん。 そもそも新聞（メディア）の場合、これまでの疑獄で全国紙を中心に謀略など存在せぬような論調である。そうすることで謀略を許している。 グラマン疑獄では誰一人逮捕されていないが、福田赳夫などクロもクロだし、規模もロッキードどころではなかったが、まったく追求していない。検察が動かないかぎり、クロもシロ。突っ込めば阪神支局の恐怖がよみがえるチキンぶり。陰にＣＩＡあり、とわかっているからこそ自粛していたのだ。そのかわり、たとえば小沢をいくらつついても自分たちが被害をこうむることはないという安心感が漂っているから、ないことをあることのように書きまくっているわけだ。 週刊朝日は下手をすれば阪神支局の二の舞になるのではないか？その点での検察追及の勇気を評価すべきである。小沢問題での謀略追求・暴露はやらないけどね。そこは上杉氏もよくわかっているのだろう。これが限界。
04. 加藤 2010年2月24日 09:08:25: ZcB0xpcLKA8ZE “ロッキード事件”真の構図： ロッキード事件は逆指揮権（稲葉法相−対潜哨戒機に関する贈収賄疑惑を“ＭＯＭＩＫＥＳＵ”ためと言われる）によって、日本の進路を大きな誤りに導いた。 すなわち、ロッキードに関する二つの疑惑； �@海自対潜哨戒機Ｐ３Ｃ選定（岸から続く派閥）疑惑（２５億円） �A全日空のトライスター選定（官僚と田中内閣）疑惑（　５億円） �@をでかでかと報じ、大量の逮捕者と自殺者を出すことによって、石橋湛山から田中角栄に続く小国経済主義派を崩壊させ、対する岸・福田・中曽根と続く好戦的殖民主義派閥が関与していた事件�Aの “ＭＯＭＩＫＥＳＵ”を米国政府に中曽根自身が依頼した。
05. 加藤 2010年2月24日 09:11:58: ZcB0xpcLKA8ZE >>04 最後の３行；�@と�Aを逆に間違えました。 正しくは、 冤罪事件�Aをでかでかと報じ、大量の逮捕者と自殺者を出すことによって、石橋湛山から田中角栄に続く小国経済主義派を崩壊させ、対する岸・福田・中曽根と続く好戦的殖民主義派閥が関与していた事件�@の “ＭＯＭＩＫＥＳＵ”を米国政府に中曽根自身が依頼した。
06. 2010年2月24日 15:20:22 投稿者さんの真意は？ 何気に朝日新聞を読まないと真実は分かりませんよ）と宣伝し誘導しているとしか 理解できません。 運転手が何故自殺と処理されたのか？揉み消された人々の怨念が朝日に襲い掛かる ナイトメアに幸いあれ。
07. 2010年3月12日 00:20:48 >当時の検察･マスコミ動向に関する感想は､朝日連載を全部読んでからにしてもらいたい｡ 読んだ。 朝日は、自民党の権力闘争にうまく使われたんだなあというのが感想。 それなのに臆面もなく「権力に迎合したり、お先棒を担いだわけではまったくない」 「ロッキード事件を取材する記者たちには、『捜査の先を行く快感があった』という」（連載第２回より） と誇らしげに書き連ねているのには呆れた。 この連載が始まる直前の2010年2月12日、中曽根の『MOMIKESU』報道を朝日はしている http://www.asahi.com/politics/update/0211/TKY201002110364.html ので、事件当時、追及されなかった中曽根・自民党幹事長（当時）について、何か新しい情報でも出してくるのかと期待したが、まったくなし。 期待した自分が浅はかだった。。。

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• 【朝日：民主政権批判キャンペーン自己正当化のためにロッキード事件を捻じ曲げる】 加藤 2010/2/24 08:16:04 (0)

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