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「利権と腐敗」に塗れた空軍基地にメス|オバマと戦争|菅原出
http://www.asyura2.com/10/warb5/msg/370.html
投稿者 上葉 日時 2010 年 7 月 21 日 06:02:17: CclMy.VRtIjPk
 

「利権と腐敗」に塗れた空軍基地にメス:日経ビジネスオンライン
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20100714/215413/


2010年7月20日(火)

「利権と腐敗」に塗れた空軍基地にメス
オバマ政権にとっての“基地問題”
菅原 出 【プロフィール

アフガン戦争を支える腐敗利権

 7月3日付『ワシントン・ポスト』紙は、米軍のアフガニスタン戦争を支えるもっとも重要な2か所の米軍基地について興味深い記事を掲載した。
 「米国防総省は、キルギスタンのマナス空軍基地とアフガニスタンのバグラム空軍基地に対する燃料供給に関して、公開入札を予定している」

 一見何の変哲もない入札関連のニュースのようだが、この情報の裏には、米国の対テロ戦争の陰で巨利を貪ってきた利権集団の知られざるストーリーが隠されている。

 キルギスタンのマナス空軍基地とアフガニスタンのバグラム空軍基地は、共にアフガニスタン戦争には不可欠な重要な兵站基地である。マナス基地は西側からアフガニスタンへのトランジット基地として、アフガニスタンで軍事作戦を展開する米軍やNATO軍などの戦闘機の補給基地として機能している。またバグラムはアフガニスタンにある最大規模の米軍基地であり、この国の米軍の軍事作戦を支える最重要拠点でもある。

 現在、この2つの空軍基地に航空機の燃料を供給しているのは、まったく無名の、しかもオーナーが一体誰なのかもわからない小さな会社である。この巨大な給油利権は、キルギス政界を過去8年間にわたって蝕み、歴代大統領とそのファミリーを堕落させてきた腐敗の温床でもあった。

 その2つの巨大利権を、今後「一般競争入札にする」というのである。米国の対テロ戦争の裏で肥大化していた利権と腐敗の一端が、オバマ政権のアフガン戦争が行き詰りを見せ、この戦争のあらゆる側面にメスが入れられる過程で次々に明らかになっている。


キルギス大統領へ資金を流すトンネル会社

 バグラムおよびマナス米空軍基地へ航空機燃料を独占的に供給しているのは、レッド・スター・エンタープライズ社とミナ・コーポレーションという会社である。レッド・スターもミナも共にロンドンにオフィスを持っているが、法人登録がされているのはタックス・ヘイブン(租税回避地)として知られる英領ジブラルタル島だ。この国の厚い会社秘密法の壁に阻まれて、レッド・スターとミナの実際の所有者がだれであるのか、いまだに明らかになっていない。

 ただこの両者の実務を取り仕切っているのが、レッド・スターとミナ両社のオペレーション・ディレクターをつとめるチャールズ・チャック・スクワイアーズであることは分かっている。チャック・スクワイアーズは、米陸軍の元中佐で、いわゆる“911テロ”以前はキルギスタンの米国大使館で防衛駐在官をつとめていた人物である。

 911テロの直後、アフガニスタン戦争を準備していた米国の要求に対して、キルギスタン政府が基地を提供することに合意したわけだが、これによりキルギスタンのマナス基地は、アフガニスタンへ物資や人を運び入れるための一大中継基地となった。無数のタンカーや航空機がこの基地に集められ、米軍のトランジット基地として機能するようになったのである。





 レッド・スターとミナが突如舞台に登場したのはこの頃だ。レッド・スターは過去の実績などを一切なかったにもかかわらず、米軍基地の膨大な航空燃料の需要を満たす契約を与えられた。そしてレッド・スターの下請けとしてミナが登録されたのである。当然、元キルギスタン米大使館の防衛駐在官だったスクワイアーズ元中佐のコネクションと何らかの関係があったのではないかと疑われている。

 いずれにしてもスクワイアーズ元中将は、民間人の立場でレッド・スター社のオペレーションを取り仕切る担当者として再びキルギスタンの首都ビシュケクに舞い戻り、このビッグな契約の履行につとめた。国防総省がレッド・スターと締結した3年間の契約は2億4千万ドルを超える巨大なビジネスだったのである。

 当時のキルギスタンの大統領はアスカル・アカエフ。もちろんこの巨大利権にも1枚噛んでいた。「噛んでいた」どころか、アカエフ大統領一家は「この契約から巨額の富を得た」と言われている。アカエフ家はもともと基地利権に深くかかわっており、そのために2つの会社を保有していた。一つはアカエフの息子が持つ会社であり、もう一つは彼の従弟が持つ会社だった。

 この2つの会社は共にレッド・スター社の下請けとしてこの巨大利権からしっかりと恩恵を受けていた。2002年から2005年の間に、この2つの会社は、レッド・スター社が米政府と締結した契約の下で、実に1億2千万ドルを受け取っていたという。このことからレッド・スター社は、米政府からアカエフ大統領(当時)へ資金を流すためのトンネル会社ではないかと見られていたのである。


アフガニスタン・バグラム空軍基地でも巨大ビジネス受注

 ところが2005年にチューリップ革命でクルマンベク・バキエフが大統領になると、多くのアカエフ政権時代の腐敗の構図が明らかにされた。マナス米軍基地に関する利権もバキエフ新政権によって徹底的に調べ上げられたが、バキエフ大統領はこの利権のコネクションを潰すのではなく、そっくりそのまま自分たちが引き継ぐ道を選んだ。アカエフの親族が持っていた利権は、ビジネスの構造は何も変えずに、名義だけがバキエフの一番下の息子マキシム・バキエフが持つ会社に代えられた。

 こうしてキルギスタンのマナス基地を押さえたレッド・スターとチャック・スクワイアーズ元中佐は、今度は直接アフガニスタンに乗り込む。彼らが目をつけたのは、アフガニスタンにおける米軍の活動の最重要拠点であるカブールのバグラム空軍基地だった。

 2007年10月、スクワイアーズ元中佐は、当時バグラム基地の基地司令だったジョナサン・アイブス大佐に掛け合い、またしてもとてつもない契約をものにした。レッド・スターはバグラム空軍基地周辺の土地を購入し、同空軍基地向けの燃料を輸送するパイプラインを建設するだけでなく、そのパイプラインを所有する権利まで認められたのである。

 パイプラインそのものだけでなく、それを敷設する土地までも所有することで、レッド・スターは事実上バグラム空軍基地へ燃料を輸送するパイプラインへのアクセス権を支配してしまったことになる。





 このような並はずれた契約を結んだ4カ月に、米政府は今度は同空軍基地に「その後2年間にわたって1億9400万ガロンの航空燃料を供給する」契約をレッド・スターと締結している。08年8月、レッド・スターは実に7億2000万ドルもの契約に調印し、翌09年6月末にはミナとの間でさらに1年間同契約を更新する契約を調印した。

 ところが、10年4月に始まった反政府運動でバキエフ大統領を追放したローザ・オトゥンバエヴァを中心とする新政府は、「レッド・スターとミナ社がマキシム・バキエフに資金を流していた」ことを明らかにして、この利権の調査を開始した。

 バキエフ大統領を追放して新政府を樹立したオトゥンバエヴァたちがはじめから目をつけていたのが、このマナス空軍基地をめぐる腐敗の構図であり、新政権はマキシム・バキエフを脱税容疑で裁くために徹底的な調査をすると発表している。


米議会も徹底調査に着手

 こうしてキルギスタンの政変と共にマナス空軍基地の給油利権をめぐる問題が明らかになると、米議会もレッド・スターとミナに対する調査に乗り出した。

 米議会の監督委員会は5月、レッド・スターとミナに対する調査を開始したが、この2社が調査に協力せず質問に対する回答もしないとして、両社に対して召喚状が出された。

 米国防総省と契約する企業に召喚状が出されるのは極めて異例だが、米下院監視・政府改革委員会のジョン・ティアニー委員長は、「数十億ドルもの国防総省との契約をしている会社が、正当な議会の調査の協力を拒むなど許し難い行為だ」と怒りを露わにしている。

 議会の調査団はこの5月にレッド・スターとミナの役員たちとドバイで会合を持つことになっていたが、約束の前日に同社の弁護士から突然会合のキャンセルを言い渡されたまま、その役員たちの行方は分からなくなっている。同社のロンドン・オフィスも閉鎖になったままだという。

 このような背景の中、米政府はマナス基地とバグラム基地の燃料供給契約の入札を開始すると発表したのである。

 一方キルギスタンの新政権は、マナス基地に供給する燃料を扱う国営燃料会社を設立する計画を進めている。キルギス政府はこれまでの大統領たちとは違い、直接米軍基地への給油利権を政府としてコントロールすることを狙っており、現在キルギス政府と米国務省の間で交渉が行なわれているという。

 デヴィッド・ペトレイアス大将が新しい司令官に着任し、オバマ政権の新たなアフガン作戦に注目が集まっているが、米軍のアフガン軍事作戦を陰で支える兵站は実に脆弱である。その補給基地は利権と腐敗に塗れており、今やっと8年間溜まった膿にメスが入れられようとしている。

【主要参考文献】

『菅原出のドキュメント・レポート』2010年7月12日号参照

“Pentagon to open bidding for fuel delivery to Bagram air base in Afghanistan”, Washington Post, July 3, 2010

Aram Roston, “Fueling the Afghan War”, The Nation, May 10, 2010

“Kyrgyztan investigating firms that sold fuel supplied to US air base”, Washington Post, May 2020

“Kyrgyz air base linked to U.S. tolerance of corrupt government”, Washington Post, April 23, 2010

“U.S. to extend Kyrgyz air base fuel contract despite questions about operations”, Washington Post, May 23, 2010

“U.S. Presses Pentagon Contractors”, Wall Street Journal, July 9, 2010

 より詳しい背景については、「菅原出のドキュメント・レポート」をご参照ください。これは、オバマの対テロ戦争の実態や世界の安全保障情勢、諜報コミュニティの暗闘など国際情勢のディープなバック・グラウンドを分析し、現在進行形の世界の大地殻変動をドキュメントする会員制ニュースレターです。レポートのお申込みは、以下のホームページ「国際政治アナリスト菅原出のGlobal Analysis」からお願い致します。





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    コメント
     
    01. 2010年7月21日 09:24:26: ftRa9Vt3gE

    この記事を額面どおりに解釈したとして

    >こうしてキルギスタンの政変と共にマナス空軍基地の給油利権をめぐる問題が明らかになると、米議会もレッド・スターとミナに対する調査に乗り出した。

    第三者からのチンコロで調査に乗り出すっちゅーことは、それがなかったら黙って
    利権を貪り続けるんか、というお話と

    最初の一行から

    >チャック・スクワイアーズは、米陸軍の元中佐で
    >いずれにしてもスクワイアーズ元中将は、民間人

    中佐なんか中将なんかもよーわからへんし、元記事を確認しようにも
    登録等を強制されて面倒くさいし、天下の日経ビジネスオンラインが
    誤植でっか...まあマスゴミやし、というお話と

    この板は戦争と言うことになっているがユダーアメの一枚噛んだ投稿の多いこと...それだけ両国とも戦争というより侵略が奴らの生命線ってことで

    板の名前も”ユダヤ-アメリカによる侵略b5”ってのはどうよw



    02. 2010年7月21日 17:24:10: FqDvXxU8vI
    核心的な記事。
    「南ベトナムはおろか、朝鮮戦争の頃から変わってないなあ!米軍」的感慨を抱かせる。
    無論、アカエフだけが腐敗してるのでは無く、米軍側も、て言うより米軍の方が凄い。
    其れは散々叩かれてるアフガンのカルザイも同じ。
    米軍の方が凄い腐敗振りだよ!
    アフガンでは外務省は「殺られた」側だが、キルギスじゃ、アカエフと仲の良かった「中山成彬の嫁」で拉致問題専門のねっとりした喋りの婆あ。
    あれは寧ろ逆に米軍の汚職に親しむ性質だろう。
    其の暗い繋がりを思うとうんざりさせられるな。
    インド洋無料給油と言い、ソマリア沖無料給油と言い、其の辺りが出所だろ。
    単純にはまるで給油利権に棹挿して無料で配ってる風にも見えるが、実は出口と入り口の双方で利権に二重供与の大盤振る舞い。
    売国奴の国の売り方を見せ付けられる思いだ。

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