http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPJAPAN-21546720110606

　枝野幸男官房長官は６日午後の会見で、東京証券取引所[TSE.UL]の斉藤惇社長が、東京電力(9501.T: 株価, ニュース, レポート)は法的整理による再建が望ましいとの見解を示したことについて、東電が法的整理となると損害賠償債権などが他の債権に優先しておらず、大きな問題が生じると指摘、「避けなければならない」と強調した。
　また、自身が東電向けの金融機関融資について債権放棄の必要性を示唆したことに対しては「私は債権放棄発言はしていない」と否定した。

　朝日新聞によると、同社のウェブマガジン「法と経済のジャーナル　Ａｓａｈｉ　Ｊｕｄｉｃｉａｒｙ」のインタビューで斉藤社長は、ダイエーやカネボウの再生を手掛けた経験から、「東電でも（会社更生法で再建中の）日本航空と同様の処理が望ましい」と語ったという。

　これに対して枝野官房長官は、東電に賠償をしっかりやってもらうためには、１）損害賠償債権、２）事故処理に関係している多くの事業者が有する債権──が確保されなければ原発事故の収束に影響を与えると指摘。「法的整理になると、この２つの債権に優先権はなく、大変な問題が生じる。避けなければならない」と語った。

　その上で、日本航空型の再建策を東電に適用することは難しいとの認識を示し、「従来発表しているスキームの下で、しっかりと東電が賠償責任を果たし、原発の収束に向けた努力を進めてほしい」と述べた。政府が決定したスキームに沿って法案作成を進めているとし、「できるだけ早く国会で成立させたい」と語った。

　また、斉藤社長の発言を受けて６日の市場で東電株が急落したことについては「東証トップの発言とそれによる株価の影響は、どちらも民間のことであり、政府がコメントすることは避ける」と語った。

　自身が会見で、金融機関が東電向け債権を放棄しなければ「国民の理解は得られない」と発言したことに対しては、「私は債権放棄発言はしていない」とし、「そうしたお尋ねに対して国民の理解が得られるかを答えたものだ」と述べた。

（ロイターニュース　伊藤純夫；編集　山川薫） 　

コメント
01. 2011年6月07日 04:25:02: SlaoB4KVNM 枝野は一度死ななければ国民の理解は得られないだろう。 いや、国民が理解しないと言ったのであり、私が死ねと 言ったものではない。こういう論理ですね。
02. 2011年6月07日 05:54:42: 8awOEz3Txc 原発がメルトダウンしてたのに、手をこまねいてた頃といっしょ。 国がメルトダウンしつつあるのに、変にとりつくろったり、右往左往したり。 国民は次なる爆発に備えて色々な面で自衛するしかない。
03. 2011年6月07日 06:09:25: EcbXyNSuT2 大連立にまるめこまれた。
04. 2011年6月07日 06:28:39: cZePK54UIA わざと曖昧な発言をして、誤解したほうが悪い！って、いつまで弁護士気分なんだよ。方針を示して国民や国家を引っ張っていく政治家には向いてない性格だから、さっさとやめろ。
05. 2011年6月07日 13:18:28: EcbXyNSuT2 ほんと、解釈をこねくり回す江戸幕府末期の朱子学者みたい。 解釈が無意味なほどインパクトの強い今の事故のまえでは犯罪的キャスティング。
06. 2011年6月07日 17:32:48: EszHBBNJY2 東電に会社更生法を適用して資産保全命令を出さないと、現状のように被災者の保証に充てられるべき資産が銀行にどんどん回ってしまうことになりかねない。 はやくしろ。 銀行に送電線・配電線を担保にされてしまうぞ。
07. 2011年6月08日 05:39:05: SlaoB4KVNM 菅政権が描く事態収拾のスキームに変更があったということでしょう。 当初は東電憎しの解体案、そして銀行・債権者道連れ案でした。 誠に、日本経済の墓堀人たる菅政権の面目躍如というところです。 経済産業省の、東電を生かさず殺さず賠償責任を遂行させる計画は 無視されていました。それが不信任案提出を受けて変化しました。 この間、経済産業省でも路線の対立がありました。結局、発送電分離派 が勝利したのでしょう。実現のためには銀行団の協力が必要です。 東電と道連れにするわけには行きません。菅政権のスキーム変更は これと妥協したものです。国家権力の強大さを前にして言葉もありません。 東電の体力はさらに低下し長期にわたる賠償能力は失われるでしょう。 日本経済が弱っているときに外科手術をするような冒険主義は避けて もらいたいものです。結局、被災者は発送電分離を強行するためのダシに 使われています。 電力各社、ことに東電はさらに厳しい立場になりました。発送電分離後に 倒産すれば事故原発処理と賠償責任は広く国民が負担することになります。

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