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詰まるところ、金儲けが優先し、現場の危機管理がおざなりにされ、それが危機事態で大事故につながったと云うのが事故分析評価
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/588.html
投稿者 TORA 日時 2011 年 6 月 11 日 13:37:16: CP1Vgnax47n1s
 

株式日記と経済展望
http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu241.html
http://blog.goo.ne.jp/2005tora/
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詰まるところ、金儲けが優先し、現場の危機管理がおざなりにされ、それが
危機事態で大事故につながったと云うのが今般の事故分析評価判断である。

2011年6月11日 土曜日

資料1=原子炉の水位と格納容器内の圧力の経時変化図


◆耐圧ベントと海水注水遅れが決定的要因 6月10日 オリーブの声
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?n=109965

本日は、東京電力より5月23日に報告された「福島第一原子力発電所運転記録及び事故記録の分析と影響評価について」の一次分析である。
今般は、爆発事故を引き起こした1号機2号機3号機に関し、その事故記録を精査し、速報版とする。

ここで水色の部分は、1号機については隔離時複水器(IC)が稼動していた(と見られる)時間帯、2号機3号機については原子炉隔離冷却系(RCIC)が稼動していたと想定している時間帯である。
1号機と2号機3号機が夫々爆発に至った時間は異なっており、その因果関係がこの隔離時冷却系(最後の命綱)の稼動時間に因るものと認識している。
ICとRCICに関しての図解は資料2と資料3に示す。
ただ隔離時冷却系の重要な役割は、所謂、ECCS(非常用炉心冷却系)が交流電源喪失で稼動できないとき、主蒸気弁が閉鎖され原子炉が隔離された後、その残留熱から出る蒸気を利用し、原子炉自体を循環的に冷却する仕組みである。

東電報告書によれば、1号機に関してはICが地震直後に起動し、その後職員によって手動停止された点に於いて妥当との判断がなされているが反論はしない。
一方、その後津波が到来し、ICの制御が出来なくなった。
仮にこの時点で弁全閉状態なら、1号機は11日時点で燃料棒露出となっていたはずであるので、ICは12日0:00近辺まで稼動していたものと推定している。
しかしこの最後の冷却系が停止した後は、1号機は冷却機能を失い、所謂、熱暴走状態に陥って行く。
東電の報告書からは、この隔離時復水器停止に関する危機事態認識は伝わって来ない。

ベントの時期も極めて遅く、かつ、最も重要な海水注入は更に遅きに失している。
シビアアクシデント時に於ける最も重要な作業は、外部注水手段の確保と明記されているが、この時点で緊急手配されたのは電源車であった。
実際に1号機に海水注入が実施されたのは水素爆発後の19時頃であり、この時点では空焚き状態と見ており、既に原子炉の機密性を損なう炉心損傷が発生していたものと推定される。
即ち、東電は原子炉が損傷した後に海水注水を実施したことになる。従ってこの時点での海水継続・中断は原子炉にとって徹底的なものではなかったと判断している。
むしろベントは、格納容器圧力が上昇している11日23:00頃以前が望ましかったと云える。
この頃にベントと海水注水を決断しておれば、結果として冠水が維持され、核燃料棒露出が抑制できたものと考える。

だが海水注入は、即座に原子炉の廃炉を意味し、その決断は東電社長・会長の専権であったとその後分かった。
どのようなやりとりが東電本部と福島第一原子力発電所との間であったのか、報告書からは分からない。
しかしながら結論としては、これはなんだと云うほどにベントや外部注水手段実施(海水注入)が遅れているのである。
政府や原子力安全・保安院は、本件事故の因果関係に津波を挙げるが、津波によって全交流電源並びにDG発電機が停止し非常用炉心冷却系(ECCS)が稼動しない状況でも、1号機は隔離時複水器、2号機・3号機は隔離時冷却系が起動し一定時間だが炉心は冷却されていたのである。
1号機では確かに時間がタイトであるものの、少なくとも2号機と3号機でも全く同様に原子炉水位が低下し燃料棒が露出し炉内圧力が上昇するようになってからベントと海水注水を実施している。

つまりこの手順では、炉心は全て熱暴走が始まって炉心が高温・高圧になり燃料棒が露出する制御不能事態となってからベントと海水注水を決断しており、全くシビアアクシデントマネジメントになっていないと指摘したい。
炉心の熱暴走が始まれば、炉心は高温・高圧に導かれ、その温度や圧力(これは相対的)によっては弱い箇所(例えば制御棒ハウジング溶接部など)がやられる。
無論のこと、空焚きすれば間違いなく炉心底はやられているだろう。
同時に炉心内が高圧であるので、注水も容易ではなくなる。是が炉心の熱暴走状態である。
既にスリーマイル島事故以降、米国では逃がし安全弁や格納容器・圧力容器の事故時の損傷試験等が実施され、2001年にベント機構が付設された。

用もないのに付設されない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
おそらく東電内部では、この機構付設の意味を深く理解せず、それはシビアアクシデント事態は起きないとの前提が社内に漂っていたのではないかと思われる。
ベント機構付設の理解は、外部注水手段並びに本件隔離時冷却系機能(タービン動ポンプ稼動)の確保と共に合わせて過酷事故対処として総合的に理解されねばならなかった。
簡単に云うなら【燃料棒を露出させないよう危機管理する】の一点に凝縮される。
しかしなぜか震災発生から時間が無かった1号機はまだしも、2号機でも3号機でも同じ轍を踏んでいる。
是には全く弁解の余地はないであろうし、如何なる者であっても責任の追及を受けるだろう。

1号機2号機3号機ともに原子炉にとって異常事態が始まって後、恐らくは原子炉損傷が生じて後にベントやら海水注入を実施しており、総局的な危機管理体制への理解があったとは全く思えない。
詰まるところ、金儲けが優先し、現場の危機管理がおざなりにされ、それが危機事態で大事故につながったと云うのが今般の事故分析評価判断である。
勿論、官邸、原子力安全・保安院が適切に対処できたなどとは露ほども思わない。
最も重要な教訓は、原子炉は一度熱暴走が始まると制御できないと云うことである。
したがって小紙は、今般の事故を事件として扱い、より機械的な側面以外のヒューマンエラーの側面から、事故調査委員会とは別に適切な捜査を行ない、責任者を処罰することで一罰百戒とすべきと考える。


(私のコメント)


福島原発の災害は発生して数時間が勝負であり、冷却水が止まれば数時間でメルトダウンを起こす。腹水機が稼動しているうちに外から水を注水できなければ熱暴走を防げない。しかし冒頭の図を見てもらえば分かるようにベントも海水の注入も水が無くなって熱暴走が始まってからであり、対策は後手後手に回っていたらしい。

このような事は事前に決めておかなければ出来ないことであり、事故が起きている最中に社長や会長の判断がなければできないと言うのではメルトダウンそのものが防げない。つまり全停電状態になって時点で、事前に社長や会長の判断無しでもベントと海水注入が出来るような打ち合わせが出来ていなければならなかった。

しかし当時は電源が復旧すれば冷却システムが働くと言う見込みで、電源車の手配が最優先されて、その他の対策は放置されてしまった。しかし電源車か到着して電源を繋いでも冷却システムは稼動しなかった。地震や津波でシステムそのものが壊れていることが想定されていなかった。対策は同時並行的に撃たれなければなりませんが、電源車の事ばかりに手中して海水注水のためのホースなどの配備が大幅に遅れた。

熱暴走が始まった時点で現場は放射能漏れを始めて作業が困難になりつつありましたが、中央監視室でも600ミリシーベルトの放射線を浴びていたことが明らかになりました。メルトダウンが起きていれば当然現場は放射線漏れに晒される。そうなってしまえば逃げるしか手はなくなり、水素爆発まで行ってしまった。

そのような事が想定された防災訓練が出来ていなければ、実際に行なうことは不可能だろう。実際にはベントも海水の注水も水素爆発の後で行なわれたのであり、水素爆発が東北から関東にかけての広範囲な放射能汚染の原因になっている。ベントもまだ水があるうちに行なうべきであり、注水もいつでも出来る体制でなければメルトダウンは防げない。

燃料棒が冠水していれば水素の発生は起きず、水素爆発も防げた。ベントの開閉作業も熱暴走していないうちなら放射線漏れにさらされずに出来たのでしょうが、東京電力本社からの指示が遅すぎたのだろう。東京の本社では現場の状況も分からないから指示も遅れがちになる。その頃は会長は中国に慰安旅行に行っており社長は大阪に出張していた。

分析によれば11日の当日中にベントも海水の注水も行なわれていなければ手遅れとしていますが、事前の想定訓練が出来ていなければ現場だけでは対応は出来なかっただろう。いったん原発の事故が起きてしまうと国家的な大災害になってしまうから、訓練やマニュアルなどで対策が出来ているものと思っていましたが、原発で事故は起きないと言う神話だけが一人歩きをしていたようだ。

重大な原発事故は東京電力だけでは対応が出来ないほどの災害をもたらす。にも拘らず災害が起きた時のマニュアルが出来ておらず、事前の了解事項も出来ていなかった。事故はあってはならないものだから想定しなくていいといった論理が出来てしまうのは不思議でならない。何重もの安全装置も電気がなければ作動しないと言うことに誰も気がつかないのは不思議でならない。

安全性の問題では、東京電力や原子力安全委員会などでは「隕石が落ちてきた事まで想定するのか」といった議論を持ち出して来る。しかし現実に大災害が起きてしまったのであり、想定そのものが甘かったから大災害は起きた。津波の想定も5,7メートルと言うのも現場の状況にあわせたものであり、ポンプもタンクも露出したままになっていた。

原発事故は原爆が落とされたほどの災害をもたらすものだから、災害が起きた時の避難区域も定めてはおらずに、3キロとか10キロとか20キロとか、そのつど改定された。しかしSPEEDIなどのシステムは活用されずに知らされないまま飯館村などは放射能汚染に晒された。チェルノブイリの時のソ連政府と同じ事をやっている。

現在でも福島県では線量計も配布されずに住民はどの程度地域が汚染されているか知る事が出来ない。政府サイドでは知らせないほうがパニックが起きないと思っているのでしょうが、これは犯罪行為だ。その証拠にいまだに計測の基準も定まっていない。プルトニウムは飲んでも大丈夫といった広報がされていたようですが、子供はいまだに放射線に晒され続けている。

 

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コメント
 
01. 2011年6月11日 19:40:51: XqfugTidII
東電報告書によれば、1号機に関してはICが地震直後に起動し、その後職員によって手動停止された点に於いて妥当との判断がなされているが反論はしない。

そこが一番大事なところ。是非とも反論して頂きたいのだがスルーとはこれ如何に。
ベント遅れ説とか、海水注入遅れ原因説とか
民主党叩き、自民党かばいの政治的臆測がぷんぷんして公平かつ冷静な分析には到底値しない。
ましてや
>>後職員によって手動停止
嘘コケ!と即座に反論出来ないようでは
「自民党工作員の手前味噌」のそしりは免れない

ましてやこのような情報については如何に反論するのか
ECCS(非常用炉心冷却系)は8年前から外されていた
http://www.asyura2.com/11/genpatu12/msg/586.html


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