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国や県より信頼できるのは「計測器」「もうノイローゼになりそう」伝わらない母親たちの叫び
http://www.asyura2.com/11/genpatu14/msg/237.html
投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 13 日 01:39:16: 6WQSToHgoAVCQ
 

(回答先: 食事を通した国民の被ばく量推計 0.106ミリシーベルト/年? 投稿者 sci 日時 2011 年 7 月 13 日 01:13:39)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110711/221409/?ST=print
国や県より信頼できるのは「計測器」「もうノイローゼになりそう」伝わらない母親たちの叫び

2011年7月13日 水曜日
藍原 寛子


 「今日、子どもを持つ同僚が『毎日放射線のことが心配で仕事が手につきません。避難が決まったら、仕事を辞めたい』と言ってきました。それを引き留めることはできません。昨夜は、別のママから『転々と避難して、もう疲れました。どうしたらいいか分かりません』と相談を受けました。小さい子どもを持つママ達は、みんなこんな状態です。新聞やニュースを見ても、苦しんでいる様子は取り上げられていないし、放射線の心配は忘れられているのかと思うくらいです。お願いです。こんな状況、ママ達のこころを、全国に、そして世界に伝えて下さい」
「福島は、見捨てられている気がする」

 東日本大震災から4か月。

 郡山市で看護師をしている友人から、悲痛なメールを受け取った。このメールだけではない。特に子どもを持つ母親から、同じ訴えを聞くようになった。

「新聞やテレビが報じていない事実を、私たちに知らせて」。
「今、福島県はどれだけ危険なのか、真実を教えて」。
「避難した方がいいのかどうか、迷っている」。

 そして、最後に「福島は、見捨てられている気がする」と。

 連日、福島第一原発の状況を中心に、ニュースは「フクシマ」であふれている。それなのに、地元の住民は、メディアで報じられる「フクシマ発ニュース」が、自分が暮らすこの福島のことだとは受け止め切れていない。様々な疑問、放射能への不安。現実とかい離した感覚。生きるための力づけやヒントを与えたり、不安を解消する手立てとなる情報の少なさも、実感を失わせる原因の1つとも思える。
小学校通学路で行われた放射線量の計測実験=6月28日、福島市内(写真:藍原寛子、以下同)

 国際原子力事象評価尺度(INES)で、事故深刻度がチェルノブイリ原発事故と並ぶレベル7となり、国内的にも、国際的にも、世界最悪級の事故となってしまった福島第一原発事故。CNNやBBC、ニューヨークタイムスなど、海外メディアで「フクシマの現実」が報じられ、世界中の注目が集まっている。

 ローカルニュースでは、天気予報の最後に「今日の放射線量」が読み上げられ、地元紙では連日、放射線量の一覧表が掲載されている。6月下旬には、福島市内の小学校敷地や通学路等120地点以上を測定器を使って計測する大規模な放射線測定が行われたが、一般市民や避難所で生活する人々は冷静さを保って生活している。

 だが、よく話を聞くと、やはり複雑な思いが吐露される。

 「もうノイローゼになりそう」

 子どもを抱えて福島市内の温泉施設で避難生活を送る30代の母親は小さく叫んだ。吐き出せない鈍い痛みを心に抱えながら、今日も、震災前のように仕事をし、学校に行き、家事や育児をしている。放射能におびえながらも、放射能を含んだ同じ空気を吸って生きざるを得ない人間が、間違いなくこのフクシマに生きて、暮らしている。
だが、もう覚悟はできた

 今、ここフクシマで暮らす者として、この美しい自然や環境が放射能で汚染された怒りと疑問は常に離れないが、同時に、この震災は重要な問題を顕在化させ、ミッション(使命)を与えたようにも思う。「私たち、国民が知らなければならないことが知らされていない」。それがありのままの我が国の姿。私個人は、ただ国民や住民の知る権利を守り、ジャーナリズムへの誠実さを持って、取材活動を続けていくだけだ。

 本コラム「フクシマの視点」では、記者クラブに所属せずフリーランスで活動し、記者会見よりも、地元福島の現場を動き回ってできるだけ多くの人々と会い、話を聞くことを重視した取材スタンスから見えてきたフクシマの現実、フクシマの姿をレポートしていく。

 これからもフクシマでは予想もつかないことが起こるに違いない。
 だが、もう覚悟はできた。

 どんな状況になろうとも「フクシマを見捨てない」と。
 そして「『見捨てられたフクシマ』にしない」と。

 どうぞ、よろしくおねがいいたします。

 今、福島県民の一番の関心事は「内部被ばく」だ。県内の空間放射線量は事故前より高めながら、変動幅が少なくなっているため、体の外から放射線で被ばくする「外部被ばく」よりも、水や食べ物、ほこりなどを体に取り込むことで体内から被ばくする「内部被ばく」への不安が高まっている。

 こうした中、7月9日に事件が起きた。
高まる「内部被ばく」不安、牛肉からセシウム検出

 福島県南相馬市の畜産農家が都内の食肉処理場に出荷した肉牛11頭から、1キロ当たり1530〜3200ベクレルの放射性セシウムが検出されたと東京都が発表したのだ。これは、500ベクレルという暫定基準の約3〜6倍にあたる。この11頭は「市場に流通していない」というが、出荷前、県内で行われた体表面のスクリーニングは「問題なし」ですり抜けている。

 えさとなったわらから高濃度の放射性セシウムが検出され、国や県は10日、全頭検査の検討に入った。また、同じ畜産農家が出荷した肉牛6頭が5〜6月に流通していることから、厚生労働省や東京都は追跡調査を始めており、さらなる調査が待たれる。

 本来、安全な農産物を流通させるために行われる放射能測定検査だが、その体制についてはかねてから、「暫定基準を超える農畜産物が流通する可能性があるのではないか」として、いくつか問題点が指摘されてきた。どうやら、生産者も消費者も「共に幸せになれない」検査体制なのだ。

 問題点を挙げると、
(1) 全数検査ではなく、抽出調査(しかも数が少ない)
(2) 検査対象は、県と生産者が決める
(3) モニタリング機器の不足など検査体制の不十分さ。同時に結果が出るまで時間がかかる
(4) 大きな生産者団体ルートは検査対象として押さえられるが、それ以外の流通経路(自主販売、小口のインターネット販売など)は押さえきれない場合がある
(5) 基準値を超えた検体を生産した特定農家が、出荷制限後に流通させた場合には食品衛生法による罰則もあり得るが、それ以外の農家が流通させた場合にはペナルティがない(原子力災害対策特別措置法では個別農家に罰則規定がない。ただし、県の責任が問われ、県の一元的管理のもとに農家への指導は行われるほか、情報公開で社会的な問題になる)

――など

 大塚耕平厚生労働副大臣はテレビ番組のインタビューで、「全品検査できるわけではない。サンプリングだから。規制値を超えたものが全く流通していないということを確信できる状況にはない」などと話し、検査体制の課題を認めている。

 「安全です」「直ちに健康に被害がない」――。具体的なデータもないままに、国がそう言い続けても、今現在、住民の不安が解消されていないことを考えれば、大塚副大臣の話は誠実な回答とも言える。

 ただ、今回の肉牛からのセシウム検出は、5〜6月に既に流通した6頭の問題が残されており、以前から指摘されていた全数調査、全頭検査ができていれば、もっと早い段階で確認できた可能性も残る。

 そもそも、農業生産物の含有放射能検査の根拠は、原発災害という有事の発生に伴う「原子力災害特別措置法」によるものだ。平常時の食品安全を監視する「食品衛生法」よりもより大きな枠組みで、全数検査をしなくても、汚染された広範な地域を対象に、生産された農作物の出荷制限をかけても良いという強力な権限を持つ法律である。原子力災害対策本部(本部長・菅直人首相)の指示で検査を行い、基準値を超えた場合に、出荷制限や摂取制限などが出される。
最初は輸入品検査用だった暫定基準

 福島県内の放射線量などから、枝野幸男官房長官は震災後の3月21日、農作物の調査開始を発表。基準を超えた農作物が判明した場合、都道府県という広いエリアに出荷制限をかけることとした。

 ところが、当初から「実態に合っていない」との問題が指摘されていた。検体数が少ないのに、放射能の影響がほとんどない会津地方まで広域に制限がかかることと、安全な農作物の流通まで制限するのは問題という点からだ。このため、4月4日以降、「福島県が流通ルートを確認できる」という条件で、暫定基準を超えた農作物については、市町村単位で出荷制限ができることになった。

 大量の検体を一度に迅速に検査する必要があったが、今回の事故が起きた当時、県独自で食品の放射能を計測できる検査所がなく、当初は千葉県の「財団法人日本分析センター」に毎日宅配便で検体を送り、調査を依頼していた。

 しかし検査は1日50点が限界。単純計算で1市町村あたり、1日1検体ができるかどうか。さらに、結果が分かるまでに3〜4日かかった。現在は、県独自で検査ができるよう、約2000万円の測定機器を4台、国から無償で借りて実施している。1台あたり13時間のフル稼働で20件程度、1日約80件の検査ができるが、それも県内の農家戸数から考えると、ごく一部だ。

 「もっと綿密な検査を」と嘆きたくなるかもしれない。だが、そもそも、我が国は「国内で大規模な原発事故が起き、広範囲に放射能がまき散らされて食品汚染が起きる」という原発事故を想定した放射能汚染の暫定基準ができたのは2001(平成14)年である。前年の米国同時多発テロを受けて、原子力安全委員会が原発へのテロ対策と事故対策として設け、今回はその数値をもとに、厚労省の食品安全委員会が今回の原発事故に適用して核種(原子核の種類)ごとに暫定基準を設けた。

 それ以前は、あくまでも海外で起きた原発事故などで放射能汚染をした輸入食品に対する暫定基準である。

 1986年のチェルノブイリ事故以降、輸入食品に放射能が含まれている可能性があったことから、水際の検疫所で抜き打ち検査を実施している。基準を超えた場合には国立衛生研究所に回して全数調査、そこでも超過した場合には、輸入禁止と出荷国への積戻し処分を行ってきた。輸入品という、食品の「入りと出」がある程度明確な食品を対象にした検査だったから、「抜き打ち検査で大丈夫」という経緯だった。
独自で食品検査をする福島市

 少し長々とした説明になってしまったが、こうした「生産者も消費者も幸せにしない」検査体制の問題については、県内からも疑問の声が起きている。

 現在の検査体制では、生産地のみで安全性を判断できない、という疑問だ。福島県産でも実際には安全なものが出荷できずに廃棄されたり、あるいは安全と思われていた「○○県産」で、セシウムなどが基準を超えていながらも、流通する可能性もあるからだ。

 こうなると、最終的には、現在の検査体制による国や公的機関による安全のお墨付きよりも、市民が自分の手で放射能の量を計測したり、小売店段階で放射能の数値を示すことで、購入するかどうかの判断を消費者自身に委ねるという方法もあるだろう。

 今、福島県内では家電小売店などを中心に放射線計測器が販売され、計測器を購入して自宅周辺の放射線量を測定する市民が増えている。食品に関しても同様に、「国や政府よりも、計測器の方が信頼できる」、そんな状況が広がっている。

 市民の不安に応えて、国や県ではなく、独自に食品の計測を実施する市が現れた。

 自然環境と果物生産地を“売り”にした県庁所在地・福島市。「花も実もある福島市」をキャッチフレーズに、初夏から秋にかけて果物の収穫の最盛期を迎える同市は、サクランボ、モモ、ナシ、リンゴはいずれも全国トップクラスの生産を誇るだけに、農業へのダメージは最小限に抑えたい考えだ。

 このため、市は独自で東北大学と提携。市内に「東北大学福島原発事故対策本部福島市分室」を設置して、市内で生産される果物、野菜、原乳、水、魚など汚染検査を行うと発表した。ただ、課題も残る。国・県と、市の検査結果が異なった場合の対応だ。まだ固まっていないが、「いずれかで出た場合、出荷制限や自粛をすることになるだろう」(同市)としている。

 生産者を中心に「たくさん検査して、多数の出荷制限をかけることにならないか」という懸念も一部にはあるというが、「問題のある農作物を売って評判を落とすのではなく、安全性をダブルチェックして、商品ブランドを落とさない工夫が必要」(同市)という。
フランスNPOと組み市民団体も測定所開設へ

 このほか、市民の間からも、独自に食品安全検査をする動きが出ている。

 市民グループの子どもたちを放射能から守る福島ネットワークは7月17日に、同市内に常設で食品検査をする「市民放射能測定所」をオープンさせる。放射能汚染と原子力の危険性に関する情報提供や検査を行っているフランスの非営利団体(NPO)、CRIIRAD(クリラッド)などから提供を受けた機材を使って、市民から持ち込まれた食品の計測を行うほか、市民の情報交換と交流の場にしていく。

 5月29日には同市内で、食品計測のワークショップが行われ、親子連れなど一般市民だけでなく農家など生産者も詰めかけ、野菜や肉などを持参して、目の前で計ってもらっていた。この時の簡易検査器は購入すると1台約70万円する。数値には誤差も出ること、計測の際の検体の前処理の仕方にも注意が必要なことなど、担当者から説明を聞きながら、ビデオを撮ったり、メモ帳に記録したりして理解を深めていた。
野菜や肉などに含まれる放射能を計測するNPO「クリラッド」のメンバーら=5月29日、福島市内

 以前、子どもの「20ミリシーベルト問題」で、CS朝日ニュースターの「ニュースの深層」に出演した際、司会のフリージャーナリスト上杉隆さんは「食品値札に放射能線量を明記する」ことを提言していた。チェルノブイリ原発事故後、ドイツやフランスで農産物の値札の下に個々の放射線量を明記し、それによって食の安全に対する信頼を深めたのだという。

 私も今後、フクシマで同じことが始まる可能性があると思っている。
台所にはかりと並んで簡易放射能測定器!?

 以前、町の商店街の八百屋、魚屋では、店頭の量り売りが行われていたが、今後ひょっとすると、福島市のスーパーの店頭に簡易検査器がドンと据えられ、店員が目の前でセシウムなどの放射能を計って売るような姿が見られるかもしれない。いや、福島市より、都内など首都圏で先に見られるかも…。

 含有放射能をあまり気にしないから数値が出ても買いたいという人もいるだろうし、妊婦や幼い子どもがいるので、できるだけゼロに近い食品を購入したいから基準以下でも実際の放射能量を知りたい、という人もいるだろう。

 家庭の台所の棚に、キッチンスケール(計量はかり)と並んで、簡易放射能測定器が置かれている風景。もう誰も驚いたりしない。

 もはやここまで来ると、ブラックジョークだろうか。いや、ジョークであってほしいのだが・・・。

 とにかく、内部被ばくへの関心とともに、食の安全に対する関心は日に日に高まっている。その対応に世界も注視している。我が国の農産物輸出に大きなダメージを与えないためにも、1日も早い検査体制の見直しによる食の安全への信頼回復が求められる。   
このコラムについて
フクシマの視点

東日本大震災は、多数の人命を奪い、社会資本、自然環境を破壊したが、同時に市民社会、環境、教育、経済、政治や行政など、各分野に巨大なパラダイム・シフトを起こしている。我が国はどのような社会を志向していこうとしているのか。また志向していくべきなのか。「原発震災」で、社会の姿が大きく変わりつつある福島、震災のフロントラインで生きる人々の姿から、私たちの社会のありようをグローカル(グローバル+ローカル)な視点で考える。

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著者プロフィール

藍原 寛子(あいはら・ひろこ)

藍原 寛子フリーランスの医療ジャーナリスト。福島県福島市生まれ。福島民友新聞社で取材記者兼デスクをした後、国会議員公設秘書を経て、現在、取材活動をしている。米国マイアミ大学メディカルスクール客員研究員として米国の移植医療を学んだ後、フィリピン大学哲学科客員研究員、アテネオ・デ・マニラ大学フィリピン文化研究所客員研究員として、フィリピンの臓器売買のブローケージシステムを調査した。現在は福島を拠点に、東日本大震災を取材、報道している。フルブライター、東京大学医療政策人材養成講座4期生、日本医学ジャーナリスト協会員。
 

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