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スマホも日本でガラパゴス化する 野口悠紀夫 東洋経済オンライン
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/520.html
投稿者 五月晴郎 日時 2011 年 10 月 07 日 11:18:04: ulZUCBWYQe7Lk
 

http://www.toyokeizai.net/business/column/detail/AC/82471efa9309498f15e3b5cbbcc7f47a/page/1/
http://www.toyokeizai.net/business/column/detail/AC/82471efa9309498f15e3b5cbbcc7f47a/page/2/
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http://www.toyokeizai.net/business/column/detail/AC/82471efa9309498f15e3b5cbbcc7f47a/page/5/

「東洋経済オンライン」野口悠紀夫の《日本の選択》2011年10月03日 「スマホも日本でガラパゴス化する」(週刊東洋経済2011年10月1日号)を下記に転載投稿します。

=転載開始=

 スマートフォンの普及が日本では著しく遅れていると、前回述べた。2011年8月末時点での携帯電話契約件数は1億2654万であるが、スマートフォンのシェアは1割にも満たない。

 日本でスマートフォンの普及が遅れている原因はいくつかある。第一は、日本企業が閉鎖的でインターネットのクラウド的利用をしていないため、スマートフォンをビジネスに活用しにくいことだ。前回述べたように、会社情報をGメールにのせることは多くの企業が禁じている。スマートフォンの大きな利点はGメールをどこでも見られることだが、それが禁じられていれば、スマートフォンの利用価値は大幅に減少する。

 また、電波環境も悪い。無料のWi−Fiを使える場所はほとんどない。アメリカでは無料のWi−Fiが利用できるスポットがたくさんある。空港、公園、ホテルのロビー、スターバックスの店舗等々。

 クラウド時代以前から、日本におけるインターネット利用環境は貧弱だった。ホテルの部屋に回線が来ていても、いまだに高い利用料金を取られる。アメリカのホテルやモーテルでは、高速回線を無料で使えるのが普通だ。クラウドの環境は社会インフラだ。それがないところでは、クラウド機器の利用は進まない。

 スマートフォンが普及しないもう一つの理由は、「今の携帯電話のほうが便利」と考えている人が多いことだ。実際、日本の携帯電話は、さまざまな機能を持った世界でもまれな「高級機」なのである。しかし、これは日本の先進性を示すものではない。それどころか、日本の病理現象の結果なのだ。

 ■SIMロックと「ガラケー」

 日本の携帯電話が「高機能」であるとは、さまざまなことができるという意味である。「おサイフケータイ」で財布代わりになったり、「ワンセグ」でテレビが見られる。私はこうした機能を一度も使ったことがない。必要ないからだ。私にとって重要なのは、PCとの間でデータの交換ができることである。それができれば仕事の効率は大きく上昇するし、できなければ役に立たない。

 なぜこのような高機能を提供できるかといえば、顧客の囲い込みがなされているからだ。日本では、後で述べる事情により、機器と回線利用がセットで販売されている。ある機器を買った人は、特定の事業者が提供する回線しか利用できず、料金やサービス内容を見て他の回線に乗り換えることができない。

 回線提供者の立場から見ると、利用者が離れないので、安心してさまざまなサービスを付与できる。その結果、日本の携帯電話は異常に高機能化し、異常に高価な機器となり、日本以外の国では売れない製品となった。日本の携帯電話が「ガラケー(ガラパゴス携帯)」と呼ばれるのはこのためだ。日本は世界標準からずれているのである。

 携帯における囲い込みは、「SIMロック」という方式で行われている。現在使われている第3世代携帯電話(3G)では、電話番号やネットワークの情報が入っているSIMカードを端末に挿して使う。

 現在の日本では、特定の端末は、特定の事業者のSIMカードしか使えないようになっている。この状態をSIMロックと呼ぶ。ロックされていない機器(ロックフリーの機器)も販売されているが価格が高い。

 このため、端末を売れば必ず通信料金を確保できる。SIMロックが解除されればユーザーは端末と通信サービスを自由に組み合わせられるようになり、事業者を乗り換えたり、好みの端末を買いやすくなるが、それができないのだ。

 SIM方式は、もともとはヨーロッパで一つの端末を多くの国で使うためにできたものだ。国境を越えても、SIMカードを替えるだけで同じ端末を使い続けられる。多くの端末はSIMロックなしで売られているので、購入者はSIMカードを購入し、買ってきた端末に入れることで電話として機能させる。

 このため、ノキアはヨーロッパ全域を市場として、価格を下げることができた。そして、販売台数で世界のトップにたった(メーカーの順位は表のとおり)。

 ●携帯端末の世界販売台数とシェア

企業名        2011年度第1四半期(台) 2011年度第1四半期シェア(%)

ノキア          1億0755万      25.1
サムソン           6878万      16.1
LG 2399万       5.6
アップル           1683万       3.9
RIM(リサーチインモーション) 1300万       3.0
ZITE 982万       2.3
HTC 931万       2.2
モトローラ 878万       2.1
ソニー・エリクソン       791万       1.9
ファーウェイ・テクノロジーズ 700万     1.6
ほか          1億5477万      36.2

合計            4億2784万      100

(出所:ガートナー)

日本国内で販売されている端末はSIMロックされているものだけなので、海外で携帯電話を利用する場合にはローミングという仕組みを使う。この料金は非常に高い。もともとは国境を越えて使うために導入された仕組みが、日本では逆になっている。

 「アジアとの経済統合を進めるべきだ」としばしば言われるが、現実はこのような状態なのだ。フィリピンとFTA(自由貿易協定)を結んでも、看護師試験で事実上排除しているが、それと同じことだ。

 こうした状態はPCにもあった。かつて日本では、NECの9801が「国民機」と言われた。アメリカのPCは日本語で使うのに難点があったので、日本では国産機しか使えなかった。つまり典型的な「ガラパゴス現象」の条件があったのだ。しかし、この状態は、MS/DOSの登場で一挙に破壊された。今では、日本のPCメーカーは見る影もない。

 ■日本の競争は囲い込み競争

 携帯電話と同じことが、スマートフォンでも生じる可能性がある。なぜなら、SIMロックはスマートフォンにも持ち込まれているからだ。

 iPhoneの回線はソフトバンクモバイルが提供しているが、SIMロックがかかっていて、他社回線を利用することができない(海外で販売されているiPhoneはSIMロックフリーなので回線は自由に選べる)。ソフトバンクはiPhoneという超ヒット商品を日本で独占しようとしているのである。

 この状態を打ち破ろうと、今年4月、NTTドコモがiPhoneなどでも使えるSIMカードを発売した。しかし、ソフトバンクがiPhoneのロックを解除しないと、ドコモの回線でiPhoneやiPadを使えるようにはならない。

 日本にも競争はある。しかし、それは電波の質と価格の競争ではなく、利用者の囲い込み競争だ。これは一見したところ競争に見えるが、前回述べたクラウド大戦争とは本質的に異質のものである。なぜなら本来の競争は進歩をもたらすが、囲い込みは停滞とガラパゴス化しかもたらさないからだ。かくして日本ではスマートフォンにも、おサイフやワンセグ機能が盛り込まれるだろう。

 2001年、ソフトバンクはADSL回線を導入してドコモの独占状態に穴をあけた。このとき、多くのユーザーは拍手を送ったことだろう。しかし、かつての革命の旗手は、今やSIMロックで地位を守ろうとしている。

 ジョージ・オウエルは、『動物農場』で、動物たちが人間の支配に反抗して革命を起こしたが、結局、豚のナポレオンが独裁者になってしまう物語を書いた。これは私が高校生のときの英語の副読本だった。ハンガリー動乱の直後だったので、たいへん興味深く読んだ。そのときには、社会主義に未来がないとは想像できなかった。しかし、今は社会主義経済が消滅した理由がよくわかる。そして、競争が囲い込み競争だけになってしまう国に未来がないことも、よくわかる。

=転載終了=
   

 

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コメント
 
01. 2011年10月07日 17:18:13: GsBr3NGsIs
要するにこいつはガラケーを潰してiPhoneを使えと言っているのか。
「社会主義に未来がない」のなら新自由主義にも未来がない。
「競争が囲い込み競争だけになってしまう国に未来がない」アメリカにも未来がなさそうだが。だれのための未来を語っているのかな。
こいつは相変わらずネオリベ臭いな。
それから、フィリピンと結んだのはEPA。

02. 2011年10月07日 18:57:04: dmBaz4k8VE
グローバル市場突入への強迫観念を煽るような記事だ。
今さら社会主義の話を持ち出す前に、
欧米が金融経済を過大評価しすぎてたことについても、検証してほしいもんだ。

03. 2011年10月07日 19:53:41: zaOZevdv0Q
この教授はバカか。
なぜガラパゴス化が悪いのか、全く理解できない。
日本の独自性が出せてこんなすばらしいことはないではないか。
日本の製品は徹底的にガラパゴス化すべきなのである。
製造業に携わる人間は、このことをわきまえて研究開発に励んでほしい。

04. 2011年10月07日 20:26:40: zaOZevdv0Q
NECのパソコン事業がダメになったのは
まさにグローバルしたからだ。
MS-DOSやWINDOWSなんて採用せず、日本語に特化したOSや日本人に使いやすい
ソフトを搭載した特殊なパソコンを作っていれば、台湾や韓国の安いパソコン
にも十分対抗できたはず。
本来、このような日本製品のカラバコス化を国や政府は奨励すべきなのに、
この記事を書いているバカ教授や官僚、政治家が全部潰しているではないか。
少しは反省しろ!



05. 2011年10月07日 22:37:56: Pj82T22SRI
日本のガラケーに限らず、競争を避け、規制と囲い込みに頼る産業は、経営者も技術者も市場の声を聴かないのでダメになっていく

そして最後は必ず崩壊していくことになるという例が、また一つ増えたということだな

経済が衰退する国では、こうしたことが多くの産業で生じるし、ノキアも衰退しつつある
iphonだって天才ジョブズ亡き今、下手に守りに転じれば、同じ憂き目にあう

常に厳しい競争の最前線で、新しいビジョンを提示し、より高いサービスを人々に提供することを、心がけるもののみが、勝ち残ることになるのだろう



06. 2011年10月07日 23:34:34: pVONYGjyvU
いかに囲い込みをしガラパゴス化しても、その市場は所詮国内に留まる。
巨大な世界市場を捨てることに等しい。
しかし競争せず顧客を囲い込む楽な事業モデルは電力やNHKをはじめとして
日本に蔓延している。
昔、競争という訳語をあてたのは確か福沢諭吉だったと思うが、その概念を
幕府の役人はどうしても理解できなかった。
散々説明しておぼろに理解した役人が言うには、
「へー、西洋の流儀というのは、ずいぶんと厳しいものだネ」
家督相続による世襲が当たり前の世界では想像を超えた概念だった。
このメンタリティの残滓が21世紀の今、未だに続いている。


07. 2011年10月08日 00:33:01: GsBr3NGsIs
>05 市場の声って消費者の声ではないよね。投資家の声。競争を絶対視する割りにはWindowsの独占には沈黙する。
日本市場を軽視して巨大な世界市場で勝つ可能性はどれだけあるのかね。

08. 五月晴郎 2011年10月08日 01:17:58: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
1,2,3,4は企業経営的な記事の文脈でではなく、消費者、被雇用者的感想を述べているのだと思います。
感想なので一理あります。
感想は、どのような感想でも、その人にとって一理あるものです。
いっときよく報道された旧ソ連崩壊後の混乱期に消費者、被雇用者として旧体制を懐かしむ声と似た趣がある感想かなと思いました。

09. 五月晴郎 2011年10月08日 01:20:06: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
すいません、>>8の1,2,3,4に7を加えます。

10. 2011年10月08日 09:15:38: rjpmaLs936
まーた野糞か
日本オワタと言いたいだけのクズ。

11. 2011年10月08日 13:56:20: lGQ9x4NIUs
> スマホも日本でガラパゴス化する
> 競争が囲い込み競争だけになってしまう国に未来がないことも、よくわかる。

全く同感。
NTTは利用者の利便性などは眼中になく、金儲けだけを考えている。
本来、電話料は通信量で決めるのが簡潔明快。
しかし、NTTの使用料金表は何十ページもあり複雑怪奇。

電車賃で言えば、東京駅から新宿へ行くのに、内回りか外回りか、一ヶ月に何回乗るか、家族がいるか否か等で料金が複雑に変わる。
通信機の機能を上げれば、それを利用する者から金を取る。
それで、電話料金は上がる一方。

それの逆がパソコン。
毎年機能が上がり価格は下がる。
昔、10億円した大型計算機は、今はその100倍の機能を持つパソコンでも10万円で買える。

スマホの普及による通信量の増大を押さえるために定額料金から追加料金制が検討されている。
それによると、月に7GB以上は 2600円/2GB とのこと。
これを使うと、月に200MBでは260円で済むはず。
しかし、NTT等は月に200MBでも2600円以上取る。
この金儲け主義が結局、日本をガラパゴス化し、世界から取り残され、国民は世界一高額の料金を取られ続ける。

政府や国会が大企業に支配されている構図を変えない限り、日本のガラパゴス化が進む。


12. 2011年10月08日 15:39:36: XASSPf727Q
「NTTは利用者の利便性などは眼中になく、金儲けだけを考えている。」
KDDIやSoft Bankは違うの。

「スマホの普及による通信量の増大を押さえるために定額料金から追加料金制が検討されている」
これには反対だけど、これやったら利用者は他社に流れるかも。

「この金儲け主義が結局、日本をガラパゴス化し、世界から取り残され、国民は世界一高額の料金を取られ続ける。」
孤立するのは構わない。世界一高額の料金が嫌なだけ。外資が入って安くなるかね。外資が市場を独占すれば同じことするんじゃないの。

「政府や国会が大企業に支配されている構図」
アメリカがまさにそうだね。大体の国々が同じだね。


13. 2011年10月08日 17:54:17: lGQ9x4NIUs
>>12. 2011年10月08日 15:39:36: XASSPf727Q
>。ヨNTTは利用者の利便性などは眼中になく、金儲けだけを考えている。」
> KDDIやSoft Bankは違うの。

勿論同じ。

>。ヨスマホの普及による通信量の増大を押さえるために定額料金から追加料金制が検討されている」
> これには反対だけど、これやったら利用者は他社に流れるかも。

他社も同じ事をするので、流れようはない。

> 孤立するのは構わない。世界一高額の料金が嫌なだけ。

その通り。

> 外資が入って安くなるかね。外資が市場を独占すれば同じことするんじゃないの。

外資が日本の政府や国会を動かせば、当然同じようになる。

>。ヨ政府や国会が大企業に支配されている構図」
> アメリカがまさにそうだね。大体の国々が同じだね。

日本の携帯電話料金は何故、高いのか!?
http://moat.world.coocan.jp/it.world/member/topics1/news01.html
海外へ出かけた方やそれについて調べたことのある人なら分かると思いますが、
日本の携帯電話会社が提供している通話サービスの料金は、海外の携帯電話会社が提供しているサービスの2倍はしています。

そしてこのアクセスチャージはB社が一方的に決めることができます。
 実例を出しますと、ド●モを使っている人がソ●トバ●クを使っている人に電話をすると、ソ●トバ●クがその通話時間に応じて一方的にアクセスチャージをド●モに要求することができるのです。
そして、ド●モは、それを「コスト」として通話料に上乗せし、ド●モ利用者から請求することになります。
 この場合、ドコモがどのような企業努力をしても、このコストは下げられません。一方、ソ●トバ●クの利用者には一切負担をかけないため、ソ●トバ●クにとって値下げする必要がありません。
つまり、高くしようと思えばいくらでも高くできるのです。


14. 五月晴郎 2011年10月08日 21:43:01: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
電子ブック事業の日米技術覇権競争
― 日本は何故、米国に逆転されたのか ―
○山本尚利(早稲田大学ビジネススクール)

はじめに

米国のネット企業・アマゾンが、2007 年、電子書籍ツール・キンドルという電子ブックを発売、続いてPC(パーソナル・コンピュータ)・メーカー・アップルが、2010 年、ネット時代の多機能端末・アイパッド(電子ブック機能有す)を発売、瞬く間に、全米大ヒットを続けている。ところが、それ以前の2000 年代初頭、電子ブックの商品化で先行したのは日本企業であり、東芝のイーブック、パナソニックのシグマブック、ソニーのリブリエなどが挙げられる。また、ゲームや学習ツールに特化した類似商品・ニンテンドーDS は、2004 年、キンドルやアイパッドに先駆けて世界的に大ヒットした。にもかかわらず、2010 年、電子ブック事業で日本勢は、米国勢に大逆転されてしまった。
そこで本論にて、日本勢は何故、米国勢に逆転されたのか、その要因分析を行う。

https://dspace.jaist.ac.jp/dspace/bitstream/10119/9388/1/2E16.pdf

「米国の若者のヒーロー:アップルのスティーブ・ジョブズ逝く (新ベンチャー革命)」
http://www.asyura2.com/11/hasan73/msg/531.html


15. 五月晴郎 2011年10月08日 21:59:24: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
>>14引用の引用元から

おわりに

日本の消費財向けIT 企業は、依然、ものづくり企業の体質が残っており、技術重視、モノ重視であるが、米国の消費財向けIT 企業は、技術より、ビジネスモデルの最適化を重視している。
米国の最近のMOT において、技術は広範囲な経営要素の一部になりつつある。今後、日本のMOT 企業が新事業を成功させるには、技術要素のマネジメントより、市場価値観、消費者ライフスタイル、政治・法規制、国際化、経済、金融、社会、文化など非技術要素のマネジメントが重要となる。
アマゾンのジェフ・ベゾスやアップルのスティーブ・ジョブズなど、米国の先進MOT 企業の経営者を観察すれば明らかなように、日本のMOT 企業の経営者に求められる資質が大きく変化している。
すなわち、(1)技術要素のマネジメント力に加えて、非技術要素のマネジメント力を修得する必要に迫られている。そして、(2)ハイリスクの新事業参入に際して、石橋を叩いて渡るのではなく、中長期新事業戦略シナリオを十分に練った上、勝算の見込みが立てば、
(A)社運を賭けた大胆な意思決定、そして、(B)背水の陣を敷いた思い切った投資の実行が求められる。


16. 五月晴郎 2011年10月08日 22:21:43: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
>>15 同様に

MOT の観点から、電子ブック事業の機能要件を分析すると、PC 事業や携帯電話事業と違って、電子ブック事業は、ビジネスモデルの構築が容易ではない。技術要素より非技術要素の課題解決がむしろ重要である。

非技術要素の課題として、(1)著作権所有者への印税支払いシステムの確立、(2)紙印刷本と同等もしくは廉価のデジタル・コンテンツの提供、(3)無限のデジタル・コンテンツ・メニューの用意、(4)廉価な電子ブック端末価格設定、などが挙げられる。

一方、技術要素の課題として、(1)電子ブック端末技術における高機能化と低コスト化の両立、(2)省電力、軽量高密度バッテリー技術、(2)眼精疲労のないディスプレイ技術、(3)紙印刷本なみの簡単操作技術、などが求められる。
米国勢のアマゾンやアップルは、先行していた日本勢の成功例(ニンテンドーDS)と失敗例(パナソニック・シグマブックなど)を学習し、その成功・失敗要因分析を行った上で、上記の非技術課題と技術課題の両方を網羅的に同時解決している。その上で、絶対に成功させるという前提で電子ブック事業を立ち上げている。
しかも、社運を賭けて、グローバル・スケールで一挙に本格事業を立ち上げている。

                 (略)

一方、米国アップルの電子ブック事業戦略の特徴は、(1)いきなり、アイパッドに行かず、その前段として、アイポッド、アイチューン・ストア、アイフォンという新商品・新サービスを次々展開し、アップル・ビジネスモデルを十分に確立し、ブランド化した後、その豊富なアプリケーション・プラットフォーム上にて、アイパッド(電子ブック機能付加)事業に参入、(2)アマゾン同様、無限の書籍
コンテンツ(数十万単位)の品ぞろえのみならず、多機能携帯端末アイフォンのアプリケーションも同時利用可能としている。

上記のように、米国勢の電子ブック事業の立ち上げの特徴は、事業参入戦略のシナリオを十分に練った上、先手必勝にて、社運を賭けて、いきなりグローバル本格事業を開始するというものである。

一方、電子ブック事業で先行した日本勢の事業参入戦略の特徴は、まず小規模のパイロット事業を開始して、市場の反応を見ながら、徐々に本格事業へ移行するというトライ&エラー方式であった。しかしながら、電子ブック事業に限って、そのような従来方式では、結局、新市場は立ち上がらなかったということである。その意味で、後発の米国勢は、先発の日本勢の失敗からよく学んでいるのである。


17. 2011年10月09日 03:28:19: XASSPf727Q
五月晴郎さん、新規にスレッドを立てずに14、15、16 貼り付けて何が言いたいわけ。
ここに来た閲覧者のコメントが欲しいの?
日本企業も台湾、中国企業あたりをわざと先行させて実験に使えってこと?
電子ブックといえば赤松健がグーグルと組んでJコミをやっているが、これも実験か。
「事業参入戦略のシナリオを十分に練った上、先手必勝にて、社運を賭けて、いきなりグローバル本格事業を開始する」
これでコケたら痛手は凄まじいことになりそうだな。日本企業で同じことをやったらセカイセカイ病になりそうだな。

18. 五月晴郎 2011年10月09日 08:56:31: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
>>17
阿修羅は保存機能がいい設計になっているので、ここに貼りつけておいたら後で見易い。(過去記事で)気になる記事を直ぐみられるように(自分のPCを)しておいて見ています。転載元記事がウェブ上になくなったものでも、阿修羅には残っているのが多く重宝してます。コメントで流れを作って同調を求めたり(時にはPR活動する人達も他板にはいるが)するのに対しては、電車の中吊り広告に持つ興味と同程度の興味しかありません。

19. 五月晴郎 2011年10月10日 14:44:15: ulZUCBWYQe7Lk : bxtHsuzmZA
***
世界を席巻したセイコーのクオーツはマーケティングなきイノベーションによって自滅し、工芸品としてのピアノの世界に工業品を持ち込み王座を得たはずのヤマハは新興国の追い上げに敗れた。
***             
アップルのように「飛び地」だろうと、「自社のやりたい仕事を精密に定める」ことが経営戦略の第一歩だとする指摘は鋭い。 
***
「どうする?日本企業 三品和広著」
http://www.toyokeizai.net/life/review/detail/AC/4ad533b5c844d586ae79b6f14c441157/

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