(回答先: ［ＥＵと英国関連記事］割れる欧州：あの邪魔な英国人め；ＥＵ新条約「英が提訴」観測浮上；英、孤立路線は外交敗北 投稿者 あっしら 日時 2011 年 12 月 16 日 20:46:19)

ＥＵ内の対立鮮明 頭をよぎるユーロ崩壊［ＦＴ］

　フランス中央銀行のノワイエ総裁が15日、格付け会社を「不可解かつ不合理」と激しく批判した。仏国債は最高位のトリプルＡの格付けを失う危機に直面している。
　ノワイエ氏は、経済ファンダメンタルズ（基礎的条件）の観点から仏国債の格下げを容認しがたいと表明。格下げするなら「フランスより赤字規模も累積債務もインフレ率も高く、成長率は低い上に信用が収縮している」英国からすべきだとかみついた。

　キャメロン英首相の報道官は「英国は信頼の置ける赤字対策を実施に移しており、そのことは英国債の金利水準から明瞭だ」と反論した。英財務省高官も「市場はノワイエ総裁の見解に同意しない」と語った。

　こうした欧州連合（ＥＵ）内の対立にもかかわらず、先週のＥＵ首脳会議で全加盟27カ国に効力が及ぶＥＵ基本条約の改正に拒否権を行使した形の英国に、ユーロ圏17カ国を軸に制定することになった新条約の交渉へのオブザーバー参加が認められた。英財務省高官は欧州単一市場やロンドンの金融界にかかわるいかなる案件もＥＵ全加盟国の討議に付すという原則を保証するために交渉を「監視」すると説明する。だが英国に公式の役割は与えられない。

　一方、ユーロ圏支援の欧州金融安定基金（ＥＦＳＦ）の趣意書の素案に、投資家への警告としてユーロが崩壊する、あるいは「合法的な通貨」であることを完全に停止する恐れがあると明記していることが分かった。ＥＦＳＦは危機に陥ったユーロ圏諸国への対策を検討しているが、こうした「リスク要因」を最終的に趣意書に盛り込むかどうかは現在協議中だ。

　欧州政治家はユーロの崩壊は想定しないという立場だが、サルコジ仏大統領とメルケル独首相は先月、ギリシャの脱落の可能性を示唆している。ＥＵ高官は「文書にこんな文言を盛り込めばどんな影響があるかよく考えるべきだ」と語った。

（16日付）
＝英フィナンシャル・タイムズ特約

［日経新聞１２月１７日朝刊Ｐ．７］
　

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