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内田樹氏の知らない比較優位 (池田信夫blog)
http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/453.html
投稿者 真相の道 日時 2011 年 10 月 30 日 19:28:18: afZLzAOPWDkro
 


TPP反対派は、高校の政治経済レベルの経済学も理解していないことが多い。

その典型が内田樹氏の「グローバリストを信じるな」というブログ記事である。
彼の「すべての原発の即時停止と廃炉」を求める記事が事実誤認であることは前にも指摘したが、この記事も間違いだらけだ。

彼はこう書く:

『「なぜアメリカがこれほど強硬に日本のTPP参加を要求するのか?」という、アメリカの行動の内在的なロジックを冷静に解析した記事をメディアで見る機会はほとんどない。』

「アメリカが強硬に日本のTPP参加を要求」しているというのは、何を根拠に言っているのだろうか。
たとえばNYタイムズで"TPP"を検索すると、2件しか出てこない。
その一つでBergstenは「大統領も共和党もTPPに関心をもっていない」と嘆いている。

アメリカにとってTPPは、小国を相手にしたローカルな通商協定にすぎない。そこに主要な輸出先でもない日本が入って来ても来なくても、どうでもいいのだ。

さらに内田氏は、こう書く:
『貿易において一国が輸出によって大きな貿易黒字を得る場合、その相手国は輸入超過となって貿易赤字が増えることになっている。ふつうはそうである。貿易では(グローバリストの好きな)Win-Win はない。片一方が黒字なら、片一方は赤字になる。』

これは高校の答案でも落第である。これもクルーグマンの教科書から引用しよう。

『アメリカでは1000万本のバラを栽培しているが、これに使う資源で10万台のコンピュータを生産できるとしよう。他方、南米では同じ資源で3万台のコンピュータしか生産できないとする。アメリカでバラの生産をやめて全量を南米から輸入したら、南米のバラの生産は1000万本増えてコンピュータの生産は3万台減るが、アメリカではバラの生産がゼロになってコンピュータの生産が10万台増える。つまり世界全体では、バラの生産量は変わらないが、コンピュータの生産量は7万台増える。』

各国で生産費が異なるときは、相対的にコストの安い財に特化して輸出することによって世界全体の生産量が増え、双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ。
これがリカード以来知られている(そして内田氏の知らない)比較優位の原理である。

日本のような製造業に比較優位をもつ国が農産物に高率の関税をかけて農業を保護するのは、製造業を犠牲にして世界経済を収縮させているのだ。

このとき貿易黒字になるか赤字になるかはどうでもよい。黒字は対外債権、赤字は対外債務だが、企業が債務をもっていても返済できれば問題ないのと同じである。
輸出するのは輸入の代金を払うためであり、輸出代金をためこんでもしょうがない。そのように外貨を稼ぐこと自体に意味があると錯覚するのが、アダム・スミスも批判した重商主義である。

この記事には、この他にも誤りがいっぱいあるが、以上で十分だろう。内田氏のようにスミスやリカードも知らない17世紀の住人には、何をいっても無駄である。

http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51752213.html


[コメント]

>TPP反対派は、高校の政治経済レベルの経済学も理解していないことが多い。

一刀両断ですね。
しかしTPP反対派は反論できないでしょう。

上記の通り、比較優位の原理からもTPPには有効性があるのです。

TPP反対派の根っこをたどっていくと、農水族議員や農水官僚にたどり着きます。
農水既得権益を死守しようとする、こういった連中に騙されないようにすることこそが重要なのです。


 

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コメント
 
01. 2011年10月30日 19:41:06: FrlTtuZ5ec
一言「アホ」

02. 2011年10月30日 19:48:56: FEoHOU0mco
池田先生、相変わらずの我田引水、ばか丸出しの議論ですね。
そもそも、日本の農産物への関税は、国際的にみて、それほど高額なのですか?
税率が高いのは、米とか酪農品ぐらいでしょ。トウモロコシやオレンジなどは、とっくの昔に関税ほぼなくなっています。
農業製品に高関税をかけたり、また関税をかけなくても、農家に多額の補助金を配って国内農業を保護したりしているのは、どこの先進国でもやっていること。
それは、農業が、食糧安全保障の要であるだけでなく、田畑を守ることは、国の環境保全、国土保全にもつながる重要事であるからです。
工業品については、わずかばかりの関税が撤廃されたとしても、それによりもし輸出量が増えたとしたら(増えないと思うけど)、為替がさらに円高に動く要因になって、メリットが吸収されてしまうだけでしょう。
現在の為替の状況では、どうあっても、自動車や家電製品などの対米輸出を、増やすことはできません。アメリカも、輸入の拡大は容認できないでしょう。
だとしたら、何のためのTPPなんでしょう?
結局のところ、アメリカの強欲資本主義のルールを日本などの国に押し付けて、さらに経済のブロック化でもって、日本が中国などのほかのアジア諸国と自主的に接近するのを、妨害するための陰謀としか思えません。

03. 2011年10月30日 19:57:49: VakF4nKSH2
>>02

ばか丸出しなのはあなたのほうですよ。

ここの記事で池田は、補助金政策を非難しているわけではない。

比較優位の原理から、関税をかけて農業を保護するのは間違いだと説明しているだけだ。


04. blackwhiteblack 2011年10月30日 20:18:29: lizHZ2LX5akiA : SHpANclFh5
池田さんは内田さんのことがかなり嫌いなようですが、ブログなどはチェックされているようです。以前も本の読者(消費者)についてイチャモンをつけていましたね。

アメリカにとってTPPは、小国を相手にしたローカルな通商協定にすぎない。そこに主要な輸出先でもない日本が入って来ても来なくても、どうでもいいのだ。

池田さんは間違っていますが・・・


アメリカ主要貿易相手国・地域
(1)輸出:カナダ、メキシコ、中国、日本、イギリス
(2)輸入:中国、カナダ、メキシコ、日本、ドイツ

日本は非常に重要な貿易相手国ですからね


05. okonomono 2011年10月30日 21:13:42: ufgCmUGS6CG6M : A5VDErXaKU
私は「高校の政治経済レベルの経済学」の素養が実際にあやしいので、素朴な疑問を述べたい。

> 上記の通り、比較優位の原理からもTPPには有効性があるのです

内田樹氏はともかく、中野剛志氏や三橋貴明氏などは、比較優位論が成立するためにはいくつかの条件があり、現在の経済状況ではそれらが満たされていないのでうまくいかないのだと主張している。そのへんはどうなんだろうか。

> 双方の国が利益を得るWin-Winが実現するのだ

たとえば米韓FTAによって、オバマ大統領は「米国の雇用が7万人増える」とアメリカ国民に成果を報告したらしい。ここで実は韓国においても雇用が増えるのであり、米韓のWin-Winが実現するのだと理解してよいのだろうか。そうでないのなら、「貿易黒字になるか赤字になるかはどうでもよい」などといって済ませてはいられない。そのあたりが内田氏のいいたかったことではないのか。


06. 2011年10月30日 21:23:13: 79xEP8DoCg
Vaka(=ウソの道)が「比較的優位」をエラソーに語っても、全く説得力がないね。
参考ブログ:
http://blog.livedoor.jp/nyussoku/archives/51960914.html

07. 2011年10月30日 21:30:41: FEoHOU0mco
03さんはまたいつもの工作員さんですか。それともセンセイご本人ですか。(笑)
だから、日本の農産物に対する関税が、国際的に高いというデータを示してくださいよ。
それと、TPPに参加することで、工業製品の輸出が増えるというデータもです。

池田センセイの主張は、比較優位とか、あたかも学術的な用語を持ち出してはいるけど、実際のところなんのデータも示さない、単なる机上の抽象論じゃないですか。


08. 2011年10月30日 22:34:21: YfMT5r7f7I
比較優位の一言かよ。この単細胞。
国民経済を無視して、生産効率ばかり求めてはいけない、と書いてあるだろうに。
TPP加入して世のなかの生産効率がどれだけあがるちゅうの?変な例だすなよ極端すぎる。
単品目に関してはWINーLOSEしかない。内田さんはそれをいってんだよ。
アメリカの製造業で働いてるやつは農業に転職、日本の農業ではらいてるやつは製造業に転職。
それがいい世の中?確かに比較優位で生産効率はあがるだろう。
しかし、それ以上に困る人がたくさん出てくる。
生産効率高めながらグローバルでいくのなら、資本主義社会では無理がある。
ワーキングプアをほっといて農家は製造業やれとか、生産効率ばかり求めてる連中はいいかげんにしろ。
経済学ばかり勉強してないで、社会学勉強しろといいたい。
内田さん批判するの100年はやいよ。

09. 2011年10月30日 23:27:14: 3ToHRL9Yuk
池田信夫氏は、自由貿易が双方に利益をもたらす場合があることを述べているだけだ。
バラの例では、自由貿易により短期的な利益が得られることを述べているだけで、長期的な利益は不明だ。
例えば、バラを食料に置き換えて、何らかの理由(不作・原油価格の高騰による輸送費の高騰・経済(決済)危機・治安の悪化等)で貿易が滞れば、飢饉が国民を襲い悲惨な光景が広がることまでは考慮していない。

そもそも、TPPが本当に自由貿易を進めるものかどうかは大変疑問だ。
アメリカに完全な自由貿易を認めるだけの余裕はない。
本当に完全な自由貿易を認めれば失業率が跳ね上がってアメリカ国内は大混乱になるだろう。


10. 2011年10月31日 00:21:49: GnyGD0W1KM
「比較優位」ごときの議論で、勝ち誇れる知識人がいることに、あーーーーーーーーーびっくり。

11. 2011年10月31日 00:52:55: lTZCtA55nA
池田信夫および投稿者「真相の道」への、「比較優位」なる用語の使い方に対する最も有効かつ決定的な反論。

http://www.asyura2.com/11/senkyo121/msg/443.html#c5

05. 2011年10月30日 14:22:11: CwIdHLg7KQ
比較優位が正しいならアメリカはGMを潰せ。金融機関も救済するな。
TPPを農業だけの問題に矮小化するな。
アメリカは競争しているようで競争していない。肝心なところは大企業が独占しているからだ。

>03 貧乏人はその分、賃金が下がるだろう。デフレが悪化する。というか、格差を固定化する気が満々ではないか?


12. 2011年10月31日 01:09:24: VakF4nKSH2
>>08
>アメリカの製造業で働いてるやつは農業に転職、日本の農業ではらいてるやつは製造業に転職。
それがいい世の中?確かに比較優位で生産効率はあがるだろう。

池田が言っているのは、それが双方の総生産が上がり、win-winになる方法だということ。
そうであるからにはやらない理由はない。


13. 2011年10月31日 01:32:33: HdaNnoRinM
池田と云う偽経済評論家ぶっているヤツを
信じるキチガイが阿修羅を見ていて驚く
アノ男は原発推進学者以下の存在だ
TPPが比較優位論で片づく論点は僅か
食料を自由貿易に預けるなど
経済学の次元ではない
飢餓の問題だ、生命維持の問題だ
貿易で食料を確保なんて夢物語
地球の人口は70億を超えたんだぜ
今にベトナム・バングラディシュ・インド・パキスタン労働者が
日本労働市場を席巻
挙句に米国、豪州にキンタマ握られるだけだべ〜〜〜〜
TPPってのは、農業だけの問題にあらず

14. 2011年10月31日 01:50:17: VakF4nKSH2
>>13
>地球の人口は70億を超えたんだぜ

農業に適した未開の地は山ほどあるよ。

そして自給自足を言うのなら、現時点で落第以下の状態だ。
家畜の飼料の大部分、そしてエネルギーの大部分を輸入に頼っているのだから。

そしてまともな人間は、誰もそれを問題にしていない。

つまり問題点が自給自足などというのは、時代錯誤の妄言でないことはたしかなのだ。


15. 2011年10月31日 01:52:31: VakF4nKSH2

>>14ですが訂正します。

× 時代錯誤の妄言でないことはたしかなのだ。

○ 時代錯誤の妄言でしかないことはたしかなのだ。



16. 2011年10月31日 03:30:14: rWmc8odQao
「TPP反対派は、高校の政治経済レベルの経済学も理解していないことが多い。」

どうやって測定したのでしょうか。不思議です。エスパーかよ。エスパー池田。のっけから「テキトー」だからなぁ…
つーか、この一文だけ読んで、「こりゃダメだ」と思わない人は、たとえ比較優位を知っていても経済学をマスターしてるとは思えません。きっと自分なりの解釈で理解していて、学問を曲げていると思います。

内田樹氏は「比較優位」を知らないかもしれませんが(知ってると思いますが)…
内田氏が与している下村治氏はもちろん知っていたでしょう。日本の高度成長を理論づけた下村氏が、なぜ、「完全雇用は経済成長に優先する」と結論付けたのか、そちらのほうが気になります。
池田氏がホンモノの学者なら、内田氏が比較優位を知らないことより、下村氏がどうしてそう考えたのほうがはるかに気になるでしょう。

実は、植草一秀氏もそうです。経済政策の三つの課題「雇用」「物価安定」「成長の確保」が同時に存在したときには、その順番で政策を打っていくことを勧めています。
目指すは、まずは「完全雇用」。次に「デフレ脱却」、そして「成長」という順番です。(ちなみに四番目は「格差解消」だと思う)

池田氏がTPPを本気で推進したければTPPの良い点を、もっと国民にアピールしたほうがいい。現状では、まったく理解されていないと思います。そんなに本気で推進したいわけではなかったら…「黙ってろ」って話ですな。


17. 2011年10月31日 08:28:18: K9HphE50EM
比較優位論なんか日米の産業構造をみればまったくあたらない。
高校生にもバカにされるトンマのタワゴト。w

たとえば、では日本が米国よりも比較的に優位にある産業をあげてみな?
自動車かい?
しかし自動車はもはや現地生産が80%だぜ? とうぜん雇用も現地調達だ。税金もそう。
いったい米国に対して比較的に優位な産物って何なのだ?
いや、そもそも米国は輸入なんかしねえってオバマが宣言しているんだぜ?
アホか。 ばかばかしくて屁もでねえ寝言をいうな。
豚信夫。w


18. 2011年10月31日 12:04:29: LjJAVNlzAE
比較優位論って、国際分業で人類皆兄弟、人類皆幸福ってやつか?

信じがたいお馬鹿だな。

まぁ、理想かもしれんがな。

何万年たっても無理だろうな。


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