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【感動動画】世界中が泣いたタイのCM! 元ネタになったハワード・ケリー氏の人生とは?
http://tocana.jp/2013/11/post_3161.html
2013.11.07 TOCANA
今回は、世界中で話題になっている感動的なタイのCMを紹介したい。
実は、タイでは、感動して思わず涙を誘うようなCMや、爆笑してしまうCMが多く制作されていて、YouTubeで話題になることが多い。今回するのは、その中でも最近特に話題となっている、携帯キャリアTruemove H社制作の3分間のCMだ。
この動画が9月にYouTubeに投稿されると、数週間で再生回数が1千万回を超えるほど世界中から注目を集め、多くの人々が涙した。筆者も見る度に号泣してしまう。
下にあらすじも書いておくが、ネタバレすると感動が薄まってしまうかもしれないので、まずは、動画を先に見ていただきたい。
【概要】
店で薬と栄養ドリンクを万引きした少年を女性店主が問い詰めると、病気の母にあげたいためだった。やりとりを見ていた向かいの食堂の主人は、少年が盗んだ商品の代金を支払い、野菜スープを持たせて少年を解放する。彼は、物乞いが訪れると店の食事を与える慈悲深い人物だった。
30年後、その店主が突然倒れ、後頭部を打つ大怪我をして意識を失い、入院する。手術には莫大な費用がかかり、娘は店を売り払う決意をする。だが、父の看病で疲れて寝た娘の前に置かれていた請求書には、費用の総額が「0」となっていて、「すべての費用は30年前に支払い済み」とあった。実は父の担当医は、あの時に盗みを働いた少年だったのだ。CMは「与えることは最良のコミュニケーションである」との字幕で終わる。
日本でも他の国々でも、YouTubeやブログで、「見たら泣いてしまう」「感動して何度も繰り返し見た」など、感動のコメントが多い。
タイ仏教では、「タムブン」(徳を積む)をすることによって良い来世が得られると信じられ、貧しい人や僧侶に食物を与えたり、動物を殺さず逃したりするような、見返りを求めず慈悲を行うことが美徳とされる。
そういう背景を知ると、このCMの「与えること」の意味がより理解できるだろう。いま流行の言葉でいうと、医師の行為は「最高の倍返し」だ。
■実話を基にしたCMだった
実はこの話、米国のハワード・ケリー(1858-1943)という産婦人科医にまつわる実話が元になっている。ケリー医師は、米国東部を代表する医学校であるジョンズ・ホプキンス大学の創設メンバーの一人だった著名な医師だった。
一般に伝えられているケリー氏の話の概要は、下記の通りだ。
昔、ある貧しい少年が、家々を周って物を売りながら、学校の費用を稼いでいた。彼はある時、空腹で苦しみ、食べ物を恵んでもらうために1軒の家を訪れた。しかし、その家から出てきたのは若い女性。少年は恥ずかしくなり、食事の代わりにコップ1杯の水を頼んだ。彼女は事態を察し、大きなコップ1杯の牛乳を与えた。
少年が、いくらあげれば良いかと聞くと、「私は母から、親切な行いに対して、お金を受け取ってはいけないと教えられたの」と答えた。
数十年後、その女性は重病を患っていた。地元の医師では手が負えず、都会の大学病院に送られた。彼女の病気は非常に珍しく、治療のために全米から専門の医師たちが呼ばれた中に、ハワード・ケリー医師がいた。
彼は、彼女が住む町の名を知ると、全力で治療に当たり、無事に難病を克服し、彼女は元気を取り戻した。彼女が退院した数日後、請求書が自宅に届いた。支払いが一生かかるような高額であることがわかっていたが、そこには「コップ1杯の牛乳によって支払い済み。Dr. Howard Kelly」と書かれていた。
ケリー医師は、数十年前に彼女がミルクを与えた少年だったのだ。
このたぐいの美談は、たとえ元になる話があったとしても、かなり美化され変形されて伝わっていくものだ。筆者が、どこまでが真実なのか調べてみたところ、次のような事実が真相だとわかった。
ケリー医師の感動的な秘話は、2000年頃からネット上で流れ、その後、米国の自己啓発書やスピリチュアル系の本などでも紹介されるようになる。
話が多少事実と異なる部分があるが、ケリー氏の伝記によると、ケリー氏の友人が、ミルクをもらった話は実話だったという。また、請求書に「Paid in full with one glass of milk」(グラス1杯の牛乳によって支払い済み)と書かれていたことも、その友人は本人から聞いていたという。
ちなみに、この動画に出てくるプラジャック(タイ人の発音だとパジャック)・アルントンという医師が実在するかどうかも調べてみたが、どうも架空の人物のようだ。
「Truemove H社」は、「SNS」でシェアされていたケリー医師の話をもとに、この動画を制作したという。
この話が、タイ仏教で信じられている生まれ変わりの法則に即した部分があるために、タイ人たちの心象に合う話として、動画を制作したのかもしれない。
日本ではCMになると退屈と感じてトイレに立つなる人も多く、制作側はそうさせまいと、CMの前後に重複する内容を置いて、くどい作品に仕上がっている場合が多い。しかし、このタイのCMのように、何度でも見たいと思わせるようなCMならば、視聴者を惹きつけ、企業イメージも上がるのではないだろうか。
■百瀬直也(ももせ・なおや)
スピ・超常現象研究家。10代でスピ世界に目覚め、長年不思議現象の探求を続ける。地震前兆現象、シャーマニズム、古代史、民俗学なども研究。各種カウンセリングも行う。特技はダウジングによる地震予知。ブログ『探求三昧』主宰。著書は『大地震の前兆集〜生き残るための必須知識』(Amazon Kindle本)など。Twitterは@noya_momose。
・ブログ「探求三昧」
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