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尖閣諸島に対する清の主権行為もしくは日本に先立つ「無主地先占」の事実があったかどうか不明
http://www.asyura2.com/12/china3/msg/540.html
投稿者 あっしら 日時 2013 年 6 月 22 日 17:48:11: Mo7ApAlflbQ6s
 

(回答先: MRHjhAy8fE(1Evh94mSaY)さんへ:尖閣諸島に対する日本の先占正当性問題について 投稿者 あっしら 日時 2013 年 6 月 20 日 01:30:05)


yUf4L2lkVoさん、レスポンスありがとうございます。


 何度か書いてきましたが、私は、日中両国政府はすでに水面下で落とし所をみつけて合意に達していると思っています。
 それでもなおあれこれ書いているのは、「従軍慰安婦」問題と同じで、何かをきっかけとして波風が起き嵐になるが、裏での政治工作や時間の経過で収まり、また何年かすると同じ嵐がまたやってくるという繰り返しがイヤだからです。

 尖閣諸島領有権問題も、できるだけ早く、両国政府が、言葉なり文書なりでどう処理するかはっきり示し、異論の国民もいるだろうがそれを知っている状況をつくるべきだと考えています。

 恐縮ですが、私には、yUf4L2lkVoさんの論で日中が向かい合っても、尖閣諸島問題は解決しないだろうと思います。

 貴殿のような考え方を、人々が持つべき歴史観・価値観・思想として広めていくことに異議はあると思っていますが、そのような考え方が現実の国家間の係争を解決に向かわせる基礎になることはないと思っています。

 貴殿の「「カイロ宣言」・「ポツダム宣言」を読んでみればいい。 それでなくとも、その大部分を占める、主要な被害者である中国を抜きにした取り決めは、それ自体砂上の楼閣であり、壮大な虚構と言うしかない」という歴史観を否定しませんが、敗戦国日本は、いくつかある選択肢のなかで、かたちだけであってもいちばんはやく“独立”できる道を選んだのであり、砂上の楼閣や壮大な虚構を作り上げたのは、連合国内部の問題であり責任であると言うほかありません。

「「サンフランシスコ講和条約」で露呈した「日本を組み敷き、中国を蔑ろにする」姿勢そのものの中にー開始された冷戦の論理である以上にー延命した帝国主義=列強(白人支配)の思想を私などは見出す」というお考えにも共感します。
 それでも、中国には負けたという思いはないなか、侵略者として反省がないと言われようとも、当時の政治的支配層や国民のある割り合いが、こてんぱんにやっつけられ占領もされている米国に楯突いても日本の将来はないと、判断したとしてもやむを得ないと思っています。

 何より、戦後68年、サ条約発効からでも61年、“虚構”であれ“砂上の楼閣”であれ、それらを契機としてつくられ紡ぎ上げられてきた戦後世界史をひっくり返そうというのは愚かな考えだと思います。


 幕末期からのことをあれこれ書かれていますが、そのあたりも含め簡単に思うところを書きます。

 台湾出兵、江華島事件そして琉球処分と明治維新後の日本政府がとった軍事的拡張政策は、当然のように清との軋轢が予想されるものばかりです。

 右派的な言い方をすれば、明治維新政府は、前近代東アジアを覆っていた“中華冊封秩序”を打破することを企図していたと言えます。富国強兵という政策目標はそれを的にしたものと言ってもいいでしょう。

 日本政府は、長い歴史のなかで培われてきた中華帝国への畏怖とアヘン戦争で敗れた清という奇妙で不安定な対中認識のなか、あるときはおそるおそる、あるときは勇猛果敢に、清の勢力下にあった周辺地域に手出しを始めました。
 英国だから勝てたが、我が日本が清と戦って勝てるという確信は日清戦争でもそれほどなかったはずです。
 だからこそ、そこは清の領域かどうか、ここに手を出すと清がどう反応するかなど様子をうかがいながら、あちらこちらに軍事的進出を図ったのです。

 貴殿が経緯を指摘されている「明治18年の井上外務卿や西村沖縄県令の「標杭敷設」への疑義であり、延期要請」・「清国から(清国領として)抗議される恐れがあるから見合わせるべき」・「10年間も「標杭敷設の閣議決定」が延期された」なども、この時機に清との争いは避けたいという思いの反映です。
 1895年の尖閣諸島領有化は、日清戦争に踏み切ったことで、いまさら“遠慮”や“ためらい”はいらないとなったわけです。

 林子平の「三国通覧図説」に、中国や琉球の書物から得られた知識をベースに、尖閣諸島を清国領とみなす色分けがすてあったからといって、日本領や琉球領ではなかったことを現すとしても、それが万国公法(近代国際法)的意味での領有権を示しているとは言えません。

 前回も書きましたが、「「閣議決定」のみで、後はウヤムヤにされていたとなれば、「台湾領有」でその問題は片が付いたと日本は見做したと考えるしか無いのですよ!  言うまでも無く、この事が「火事場泥棒的に盗取した」と中国側が非難する理由です 」も、ご指摘の通りですが、だからと言っても、尖閣諸島が万国公法的意味で清の領土であったとは言えません。日本領になったのですから、清が気づいた時点で、火事場泥棒的に盗取されたこの時点から清が主権を及ぼしていたというクレームが必要なのです。

(1985年3月)発行の地図で云々というのは、巧妙に(火事場泥棒的に)日本領にした経緯ですから、尖閣諸島が日本領として掲載されていなくて当然だと思いますよ。

 「貴方は完全に思い違いをしておりますが、日本が「尖閣列島は下関条約の該当地域ではない」としたのが昭和46年(1971)11月12日の国会答弁からであり、現在の立場(先占による獲得)を公的に表明したのは昭和47年(1972)3月8日の外務省の記者会見からです」というのも、波風立てず巧妙に領有化したというだけで、清(中華民国・中華人民共和国)の尖閣諸島に対する先占を意味するわけでありません。

 下関条約には台湾付属島嶼のリストアップはないのですから、清が尖閣諸島の日本編入に疑義を有するのなら、どういう経緯で日本領になったのか外交的に確認すべきだったのです。

 

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コメント
 
01. 2013年6月24日 21:36:20 : xAZv1YgrGc
あっしらさん

忙しくなって、レスが遅れました。

とはいえ、貴方への批判のその必要な分は、既に前回済ませております。
それがお解かりにならないとなれば、どうしようもない。
もう一度言います。 貴方は、自分の主張なり発言を問題全体にフィードバックさせて捉え返すといったことはやってないのか?或いはそういった作業が出来ない人なのか? 別に哲学的能力云々する積りはありませんが、自分が何を言ってるのか?ーそれが意味するものは何なのか?−自らのスタンスを弁えてないのであれば、このようなやり取りは無駄というものですからね。

例えば貴方は、仕方なかった、やむを得なかったとしながらも、「属国」であることを否定しなかったけど、では属国とはどういうことを意味するのか?問い返したことはないのだろうか?
もしも日本が属国であることを踏まえているのなら、冒頭の「日中両国政府はすでに水面下で落とし所をみつけて合意に達している」との呑気な憶測や「何年かすると同じ嵐がまたやってくるという繰り返しがイヤだから」などの他人事の被害者意識なんて抱ける訳がないのだし、「両国政府が、言葉なり文書なりでどう処理するかはっきり示し、異論の国民もいるだろうがそれを知っている状況をつくるべき」なんて、無いものねだりをするはずがありません。
何故なら、そういった事が不可能なのが「属国」という意味でしょう。 宗主国の御都合に振り回されるーそれが「属国」という身分であることを弁えているなら、「繰り返しがイヤ」なんて身の程知らず、と言うしかない。
そうして、このような身分を定めたのがサー条約なのだから、貴方が「イヤ」という状況はサー条約によってもたらされたもの、従ってサー条約の具体的な顕れと見做すべきなのです。
そうして、「イヤ」という状況を変えたいと思うのならサー条約そのものを対象とするべきーと言ったところで、サー条約と言ったら硬直した反応しか示せない貴方には、それこそ無いものねだりなのでしょう。

であれば、端的に言うしかない。
状況の本源的な処をタブー視し、思考停止したままでは、事態は見えて来ないでしょう。

貴方は、何か、当方が(少数の)極端な意見の持ち主と思ってるようですが、見当違いですよ恐らく(笑)

最近出た「永続敗戦論―戦後日本の核心」(白井聡)とか「中国化する日本」(與那覇潤)などを始め、当方が(部分的ではありますが)視点や問題意識を共有する書物が続々と出版され、我々が、二十年以上前から、折に触れて議論して来たことが、漸く、斯界で、具体的な成果となって現れたことを寿いでおります。
この二著を挙げたのも、そうした貴方の思い込みが独り善がりに過ぎなかったことを啓示してくれることを期待して、です。
後者が、現在の歴史学界の最新の成果及び動向を踏まえての、先の戦争の総括ー中国に負けたことーであるなら、前者は「中国への敗北」を認めないことが永続的な敗戦状況をつくり出してるーということの思想的な考察です。
ー私なりに整理して言えば、「アジアの主役」の座を巡って中国に負けたということです。
それが解らないから、下記の如きトンチンカンな論断になる。


>戦後68年、サ条約発効からでも61年、“虚構”であれ“砂上の楼閣”であれ、それらを契機としてつくられ紡ぎ上げられてきた戦後世界史をひっくり返そうというのは愚かな考えだと思います。


戦後世界を規定したのはヨーロッパの冷戦であり、アジアの熱戦(朝鮮戦争、ベトナム戦争)です。
そうして後者は、日本に替わって、中国が世界史のゲームの相手役になったことを示します。
日本は敗戦で世界史のゲームを降りたのであり、政治的にみた戦後世界においては”数の子”的な存在に過ぎないのですよ。
朝鮮戦争の最中にサ条約会議が召集されたことの国際政治的な意味さえ解らないのですか? 
サ条約は、単に、日本を属国(アメリカの勢力下)にしたに過ぎなく、国際政治上の意味を持ちません。
従って、「それらを契機としてつくられ紡ぎ上げられてきた戦後世界史」というのはデタラメもいいとこ、誇大妄想の限りです。
よくまぁそんな脳天気なという感慨しか浮かんで来ない。 自らが(国際政治の)局外に居たことが投影されてるに過ぎないシロモノを中天の高みまで持ち上げるとは!

事のついでに言っておきましょう。

東アジアにおいては、英国と中国(清国)とのゲームが近代であり、明治維新も含めた諸事象(日清・日露戦争等)は英中関係の関数に過ぎない。 同様に、英国に替わって登場した米国と中国(人民中国)とのゲームが現代であり、大戦後の諸事象(朝鮮戦争、ベトナム戦争等)も米中関係の関数に過ぎないのです。
そうして、どうみても、日本は近代と現代の繋ぎ役でしかなく、此の侭だと、幕間のピエロといった役回りになりかねない。

西欧化を不動の指標としている限り何も見えて来ず、事態の本質は終に解らず仕舞いになるのです。
自分が何をやっているのか?如何なる役回りを演じてるのか分かっていないのだから(「中国化する日本」とは、近代化=西欧化ではなく、中国化であったことの論証です)。

さて、最後になりましたが、今回のスレのタイトルについて、「清の主権行為もしくは日本に先立つ「無主地先占」の事実があったかどうか不明」ということについてですが、羽根次郎氏(現代中国学)が「清朝が台湾を通じて形式的にもこの領域の管轄権を有していたこと、更にはその事実を日本政府も知っていたこと」(ー尖閣問題に内在する法理的矛盾「世界」(11月号))を綿密に論証していることを指摘しておきます。



02. 2013年6月25日 09:13:20 : mOsdCAQOGQ
>戦後世界を規定したのはヨーロッパの冷戦であり、アジアの熱戦(朝鮮戦争、ベトナム戦争)です。

更に付け加えておきます。
現状凍結という意味でのヨーロッパの冷戦と、変更という意味でのアジアの熱戦ーそれは歴史(世界史)を動かす磁場がアジアに移ったことを意味します。 最近のアジアの興隆は、それがいよいよ目に見える形で現れて来た、ということでしょう。
掛かる新しい事態に対して、日本は適応不全を強いられているのです。 それが何故か?を考えて下さい。 ー元凶がサー条約に在ったことが見えてこないでしょうか?
此の侭(従来のまま)新しい事態に対して”引き篭もり”を続けるのか?それとも自らの惨めな状態に耐えかねて、丸で操られたように、周りとの関係を破壊する衝動を爆発させるのか? −あまり考えたくはないけど、最悪の事態さえ予想されかねない危うさを秘めているだけに、正確な認識を出来るだけ多くの人と共有したいと考えております。


真相や米犬とは異なり、本来的に悪質とは思われなかったので、貴方へのコメントは差し控えていましたが、「尖閣」についてのミスリードが過ぎるーそれが却ってこの問題への理解を妨げてると判断したので、遺憾ながら、口を挿むことにしたわけです。


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