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ECBがユーロ圏の全銀行を監督することの意味 海外経済は減速、企業投資見送り注視=日銀総裁  まさかの円安シナリオ 
http://www.asyura2.com/12/hasan78/msg/179.html
投稿者 MR 日時 2012 年 10 月 19 日 17:44:55: cT5Wxjlo3Xe3.
 

ECBがユーロ圏の全銀行を監督することの意味
2012/10/19 (金) 13:01


 本日は、ユーロ圏の全銀行、具体的に言えば約6千の銀行があるらしいのですが、それら全てを欧州中央銀行(ECB)が監督検査をするということで、昨日のEU首脳会議で合意したということがニュースになっています。

 とは言っても、多くの方は、それがどんな意味を持つのかよく分からないのではないでしょうか。

 幾ら欧州の統一を目指しているとはいっても、各国には各国の法制度があり、そして、そうした法制度の下で各国政府は自国の金融機関をこれまで監督してきた訳なのです。

 それなのに何故その仕事をECBが一手に引き受ける必要があるのか?

 それに、そもそも6千行という膨大な数の銀行の経営内容を、ECBが単独で把握することなどできるのか?

 ところで、近年日本では地方分権のメリットがよく語られるのですが‥例えば、民主政権に移行してからそのようなことがよく言われ、また、橋下大阪市長なども地方分権に大変熱心であるのです。

 そこで貴方に質問したいと思います。

 貴方は、地方分権に賛成か、それとも反対か?

 こんな質問をすれば、圧倒的多数の方が、地方分権をもっと進めるべきだと答えるのではないでしょうか? そして、例えば、国の出先機関なども思い切って廃止してしまい、そうした出先機関が行っている仕事は都道府県などに移譲すればいいではないか、と。

 率直に言って、私は、そういった単純な議論に与することはできないのです。

 もちろん、地方というか地元の人々の意見とか、地元の実情に応じて行政を展開するためには、全てを東京が決定するよりも自治体に任せた方がいい案件もある訳ですが、だからといって何から何まで権限を委譲していいのか、それは大いに疑問であるのです。つまり、答えはケースバイケースではないか、と。

 いずれにしても、地方分権を推し進めることに大賛成の方に次の質問をしてみたいのです。

 今、ユーロ圏では、地方分権どころか各国政府が行っている銀行の監督業務を、欧州中央銀行に一手に引受させようとしているのですが、貴方はそれに反対しますか、それとも?

 さあ、如何でしょう。まあ、急にこんな質問をされ、大変面喰っているかもしれませんね。

 では、私の意見はどうなのか?

 ユーロ圏の銀行監督の業務を、一手にECBに集中させることに反対するのか、賛成するのか?

 答えは、反対であり、賛成でもあるのです。

 私は、何故反対するのか?

 それは、ちょっと考えたら直ぐ分かるのです。繰り返しになりますが、誰が一人で、或いは一つの組織でといってもいいのですが、6千もの銀行を的確にそして効率よく監督することなどできるかということなのです。そんなこと直ぐ分かるでしょ?

 先ず、名前が覚えられない。名前や所在が覚えられないものをどうやって監督しようというのか?

 結局、仮に6千もの銀行をECBが単独で監督することになっても、そのうちの大半はどこかに監督を下請けというか、丸投げせざるを得ないことになるでしょう。つまり、ECBの仕事を各国の中央銀行に下請させて‥結局、実態は今とは変わらないことになるでしょう。

 では、私は何故、賛成するのか?

 それは、今言ったように、ECBが直接6千行全てを監督できないとしても、検査監督の指針を自分で作成し、6千行の検査監督が統一された基準でなされることが必要になるからです。

 私が何を言っているのか、イマイチよく分からないとお感じの方が多分いるでしょう。

 何を言っているのか、と。ECBが銀行の監督を一手に引き受けることは事実上不可能だと言いながら、全ての銀行の監督に責任を持つべきだというのは矛盾ではないか、と。

 確かに私が言っていることは分かりくいと思うのです。でも、そうお感じの方に言いたい。何故ユーロ圏の政治家たちは、今ユーロ圏に属する6千もの銀行の監督をECBに委ねようとしているのか、と。

 如何でしょう?

 結局、このニュースの持つ意味がイマイチ分からないという人々は、ユーロ圏に属する銀行監督の責任を専らECBに移譲すべきという必要性が分からないということに他ならないのです。

 確かに、例えばスペインの民間銀行が大量の不良債権を抱え、従って、もう少しましな銀行の監督をしておけばよかったという反省はあるでしょうが、だったら、今後は銀行監督の基準を厳しく設定すればいいだけの話で、監督権限を全ての国がECBに任せることなど考えなくてもいいのです。

 では、何故ECBが責任を持って全ての銀行の監督をすべきだというのか?

 それは、スペインの民間銀行の救済問題で明らかになったように、ユーロ圏各国の民間銀行が金融危機に見舞われ、そして、そうした金融機関を救済する必要に迫られたときに、各国政府は幾ら救済したくても自分の力だけではどうしようもできないからなのです。

 では、何故スペイン政府は、自国の民間銀行を救うことができないのか?

 その答えは、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ博士が指摘したところでもあるのです。そもそもスペイン政府自体が、スペインの民間銀行によって大量の国債を保有してもらっているのであって、言ってみれば政府が銀行に支えてもらってきているのに、どうしてその政府がお金を貸してくれている銀行を救済できるのか、と。

 これだけではイマイチ納得がいかない人がいるかもしれません。スペインの民間銀行を救うために緊急措置として、スペインの中央銀行に紙幣を幾らで印刷させ、そのお金で民間銀行を救うことができるではないか、と。

 そう貴方も思います?

 もちろん、昔だったらそうした手段に訴えることはできたのです。しかし、今はできません。

 何故? それは、ユーロ圏に属する17の国々は独自の通貨発行権を放棄して、通貨発行の権限を彼らの共通の中央銀行であるECBに委ねてしまっているからなのです。

 つまり、ユーロ圏に参加する前は、どれだけでも通貨を発行することができたのが、ユーロ圏に参加することによって通貨発行権を放棄しているが故に、どこの国も金融危機が起きた際などに十分な対応ができなくなっているのです。

 では、そうした17の国々は、金融危機が起きたら、どう対応すべきなのか? 金融危機を見過ごすしかないのか?

 そこで、結局ECBなどが対応せざるを得ないということになり、そして、ECBなどが救済のためにお金を出すためには、ECBがその救済の対象となり得る全金融機関について、統一された基準で各銀行の経営内容を把握しておくことが必要になったということなのです。

 お分かり頂けたでしょうか?

 しかし、もう一度繰り返したいと思います。

 そうしてユーロ圏の全部で6千行の銀行について検査監督の権限をECBが有するようになることは仕方ないと思うのですが、現実に6千行全てについて直接自ら検査を行うことなど事実上不可能なのです。従って、統一基準を作るのは当然だとしても、実際の検査の大半は、各国の中央銀行に委託するような仕組みが必要になるのです。つまり、6千行のうち大手の60行程度を直接ECBが検査監督をすればよいのではないでしょうか。

 それに‥私思うのですが、そもそも監査法人の監査がしっかりしていて、かつディスクロージャー
制度が確立しているならば、本来は政府や中央銀行による検査監督の必要性は小さくなる筈であるのに、どういう訳か世界的にみても、監査法人の金融機関の監査が十分に機能しているようには思えないのです。

 日本について考えてみても、公認会計士の数が少なくて、銀行など金融機関の監査が十分に行えないというなら分からないでもないのですが、昨今のように公認会計士になってもなかなか仕事がないというのに、何故、役所が貴重なマンパーを金融検査のためにそこまで割く必要があるのか、と思うのです。

 日本は、ご承知のように深刻な金融危機を経験したことを踏まえ、アメリカを参考にして大量に金融検査官を増員したのですが、翻って、その検査体制が充実していると考えられていたアメリカで金融危機の勃発を食い止めることができなかった訳で‥そうなると、検査体制を幾ら充実させても、バブルの再発はないとは誰も言うことができないのです。

 最後に、6千行の全てをECBが監督すると宣言することは、その6千行は一切破たんさせない、或いは救済をすると宣言したようなもので、日本のかつての護送船団方式を思い出してしまうのです。

 以上
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2012/10/19/017387.php


 

海外経済は減速強まる、企業の投資見送り出ないか注視=日銀総裁
2012年 10月 19日 16:43
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[東京 19日 ロイター] 日銀の白川方明総裁は19日、都内で開かれた全国信用組合大会であいさつし、海外経済の減速が強まっている中で、今後、企業が投資を見送る動きが出ないか、注意してみていく必要がある、と語った。

白川総裁は海外経済について「減速した状態がやや強まっている」との認識を示した。欧州は「景気が緩やかに後退している」と指摘。欧州中央銀行(ECB)による新たな国債買い取りプログラム(OMT)などの整備を受けて投資家のリスク回避姿勢は「やや後退した状態が続いている」と述べたが、欧州債務問題の悪化で、市場の動揺や世界経済が一段と下振れるリスクを「引き続き強く意識しておくべき」と語った。

中国経済については、幅広い分野で在庫調整圧力が増しており、「減速感が強い状況が長引いている」と指摘。今後、過剰設備の問題を克服し、持続可能な成長経路に移行できるか注視していく必要がある、との認識を示した。米国経済は緩やかな回復基調を続けているが、いわゆる「財政の崖」の問題など先行き不透明感が強いと語った。

日本経済は「横ばい圏内の動き」とし、当面はこうした状態が続くと展望。その後は内需が底堅さを維持し、海外経済が減速から脱していくにつれて「緩やかな回復経路に復していく」との見通しを示した。ただ、企業の業況感が海外経済の減速などを背景に「いく分慎重化している」とし、「今後、投資見送りの動きが出てくることがないか、注意してみていく必要がある」と語った。金融政策運営では、日本経済のデフレ脱却と持続的な成長経路への復帰が「きわめて重要」と述べ、「成長基盤強化を支援するとともに、強力な金融緩和を推進している」と強調した。

(ロイターニュース 伊藤純夫)

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http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE89I04T20121019


金融システムレポート(2012年10月号)
2012年10月19日
日本銀行
概観

わが国の金融システムを取り巻く環境

わが国の金融システムを取り巻く外部環境をみると、先行き不透明感が引き続き高い状態にある。

国際金融資本市場では、欧州債務問題などを背景とした投資家のリスク回避姿勢は足もとでやや後退しているものの、引き続き神経質な展開が続いている。欧州では、財政状況の厳しい国において、財政、金融、実体経済の間で負の相乗作用が働いているとみられる。新興国経済は、中国をはじめ多くの国で減速している。米国では、家計の債務返済負担が和らぐ方向にあるものの、引き続き経済の重石となっている。

わが国の景気は、横ばい圏内の動きとなっている。こうしたもとで、企業は引き続き慎重な財務運営を続けており、企業の財務状況は総じて改善した状態にある。ただし、一部の中小企業では厳しい財務状況が続いているほか、住宅ローンを抱える家計では所得との対比でみた債務の元利返済額の比率が引き続き高めとなっている。公的部門については、財政赤字が続くもとで、政府債務残高が累増している。

金融機関の金融仲介活動

わが国では、企業・家計を取り巻く金融環境は緩和した状態にある。CP・社債市場では総じてみれば良好な発行環境が続いているほか、貸出市場でも企業からみた金融機関の貸出態度は改善傾向が続いている。こうしたもとで、銀行の国内貸出残高をみると、設備資金は盛り上がりに欠けるものの、復興関連の運転資金や企業買収関連を中心に増加している。また、大手行は海外貸出に注力しており、海外の貸出市場におけるシェアを高めている。この間、地域金融機関の貸出残高は全体として増加しているものの、地方圏では、地元向け貸出が伸び悩んでいる。こうした中、金融機関は、地元企業の経営改善に向けて、販路開拓や事業承継の支援など顧客ネットワークを活かした取り組みを進めている。

金融システムにおけるリスク

金融的な不均衡という観点から金融システムの状況を点検すると、期待の強気化に起因した不均衡の存在を示唆する指標は観察されない。もっとも、金融機関の国債保有残高が一段と増加していることには注意する必要がある。また、銀行・信用金庫が抱えるリスク量は、総じてみると自己資本との対比で引き続き減少しているが、基礎的な収益力は低下している。仮に、人口減少や高齢化の進行などによって、わが国の経済成長率が中長期的に低下を続ける場合、金融機関の収益力も低下を続ける可能性がある点には注意が必要である。

金融システムのリスク耐性

マクロ・ストレス・テストの結果によれば、わが国金融システムのリスク耐性は全体として相応に強い状態にある。すなわち、リーマン・ショック時なみの大幅な景気後退が生じるケースや国内金利が一律に1%pt上昇するケースを想定しても、銀行の自己資本基盤が全体として大きく損なわれる事態は回避されると試算される。また、円貨・外貨ともに、市場調達が部分的に活用できなくなるケースが生じたとしても、銀行は、全体として概ね十分な量の資金流動性を確保していると試算される。

もっとも、大幅な景気後退が生じる場合、貸出債権の質が低い銀行では自己資本比率の低下幅が大きくなる点には注意が必要である。さらに、国内金利が上記想定を超えて大きく上昇する場合、銀行の自己資本は相応に減少するほか、その影響は金融と実体経済の相乗作用の中で増幅される点にも注意が必要である。また、外貨流動性の面では、複数の外貨調達手段が同時に活用できなくなるようなきわめて厳しい状況を想定すると、追加的な資金繰り対応が必要となる可能性もある。

金融システムの安定性確保に向けた課題

わが国の金融システムは、全体として安定性を維持している。もっとも、金融機関が、経済や金融資本市場のストレスへの対応力を確保しながら、円滑な金融仲介活動を維持していくためには、以下の3つの経営課題に重点的に取り組む必要がある。

第一の課題は、リスク管理の実効性向上である。信用リスクについては、業況が悪化した企業に対して、経営改善支援のための取り組みを強化するとともに、再生可能性に応じて信用リスク管理面での適切な対応を図ることなどが重要である。市場リスクについては、ストレス・テストを含む複数の計測手法を活用してリスクを多面的に把握し、バランスのとれたポートフォリオの構築と自己資本に応じたリスク量の管理が必要である。資金流動性リスクについては、円貨・外貨ともに厳格な管理が引き続き求められる。

第二の課題は、自己資本基盤の一層の強化である。金融機関は、様々なストレスの顕在化に備えるのみならず、内外における成長分野向け投融資など、収益性・リスクの高い分野での金融仲介活動を続けていくためにも、自己資本の充実は不可欠である。また、国際統一基準行には、新しい自己資本比率規制が2013年から順次適用される。金融機関は、自己資本基盤を着実に強化していく必要がある。

第三の課題は、安定的な収益基盤の構築である。金融機関は、他の業種と比べて大きな顧客ネットワークを有しており、それを活かしながら地元企業の販路拡大や事業承継などをより効果的に支援する余地がある。こうした利用価値の高い情報サービスの提供を通じて、取引機会を拡大させることや適切な手数料を確保することは、金融機関の収益力向上に結びつくと考えられる。また、創業期の企業を含め成長性のある企業に対する支援においても、金融機関はABLなど金融手法面の工夫やファンド機能の活用などを通じて、潜在的な資金需要を掘り起こすことが期待される。さらに、戦略的な業務提携や統合は、経営効率の改善のみならず、顧客ネットワークの拡充効果も通じて、金融機関の収益基盤強化につながり得る。

日本銀行から

本レポートは、原則として2012年9月末までに利用可能な情報に基づき作成されています。
本レポートの内容について、商用目的で転載・複製を行う場合は、予め日本銀行金融機構局までご相談ください。転載・複製を行う場合は、出所を明記してください。

照会先

金融機構局金融システム調査課

E-mail : post.bsd1@boj.or.jp
http://www.boj.or.jp/research/brp/fsr/fsr121019.htm/


続・年内85円「まさかの円安シナリオ」の現実性

日刊SPA!2012年10月19日09時18分
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 私は前々回のコラム(https://nikkan-spa.jp/310028)で、年内85円「まさかの円安シナリオ」の現実性について書きましたが、その後じわじわとドル高・円安が進み始めました。私は、そのコラムの中で、「79円を越えたら別世界」と書きましたが、さて、今週はその79円を越えるドル高・円安の動きも出てきました。では「別世界」に入ったのでしょうか。

◆「別世界」のドル高・円安が始まったのか?

 なぜ79円が「別世界」との境界線なのかということについて、私は、それが相場のリード役であるヘッジファンドなどが売買戦略で重視する「120日移動平均線」が足元で位置している水準だからと説明しました。

 <資料1>は、今年に入ってからのドル円と120日線との関係を見たものです。ドルが120日線を上抜けたのは、2月上旬と6月下旬の主に2回ありました。このうち前者は、ドル一段高に向かうところとなりました。

※<資料1>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=313675

 まさに、120日線を越えたら、ドル/円は「別世界」に入ったわけです。一方で、6月下旬の場合は、120日線のドル上抜けも一時的に終わりました。さて、今年3度目の120日線のドル上抜けとなった今週の動きは、2月のような「別世界」入りが始まったのでしょうか、それとも違うのでしょうか。

 <資料2>は、ドル/円と日米金利のグラフを重ねたものです。このように、ドルと米金利は基本的に似た動きをするので、2月にドルが120日線を越えて「別世界」のドル高・円安局面に入ったのは、米金利が大幅に上昇し、日米金利差も大幅に拡大したからであり、一方で6月下旬に、「別世界」入りが未遂に終わったのは米金利が上げ渋ったからです。

※<資料2>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=313676

 では、2月と6月で、米金利上昇に大きな差が出ることになったのはなぜでしょうか。<資料3>は、欧州の信用リスクを示す指標の一つ、欧州CDS指数ですが、これを見ると、2-3月は欧州の信用が急ピッチで回復に向かっていたのに対し、6月下旬は信用回復が進まなかったことがわかります。つまり、2月と6月で米金利を取り巻く大きな違いに、欧州情勢があったわけです。

※<資料3>はコチラ⇒http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=313677

◆2-3月「まさかの円安」との類似

 今年も欧州債務危機は、世界の金融市場においてリスク回避の「元凶」の扱いとなってきました。その欧州危機が改善に向かった2月、米金利は大幅上昇となり、欧州への懸念が続いた6月は米金利も上げ渋ったというわけです。

 では、最近、そんな欧州への信用リスクは、2月と6月のどちらに近いでしょうか。<資料3>を見る限り、欧州への信用は、今年の最高水準まで回復してきたようですから、その意味では2月に近いのではないでしょうか。

 さて、私は、ドル/円がドル高・円安の「別世界」に入った2-3月と、「別世界」入りが未遂に終わった6月下旬と、最近はどちらに近いかを考察してきました。これまで見てきたことからすると、2-3月に近そうです。

 そんな2月は76円程度でドル円の取引が始まったのに、約1か月半で84円までドル高・円安が広がるところとなりました。「まさかの円安」が起こったわけですが、さて今度はどうでしょうか?(了)

【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、(株)自由経済社(現・(株)T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。同社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など

●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
●毎週動画 http://www.m2j.co.jp/fx_channel/
●FXの学校「アカデミア」 https://www.m2j.co.jp/mp/my_fxacademia/

http://news.livedoor.com/article/detail/7058987/
 

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コメント
 
01. 2012年10月19日 17:57:00 : yy7D5jhcis
これで国民国家は完全に崩壊し、南欧の人間は英語を勉強して欧州各地に散らばり、ウェーターとか飲食業とかそういう仕事に就くことになるだろう。ドイツ人や北欧人は各地にエンジニアや、ホワイトカラーとして散らばることになろう。いずれにしても共通語になりうるのは英語しかないだろう。欧州は統合されて各国は州として残されるのだろう。

でもこのシナリオは大暴動・革命に発展するリスクもあるね。


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