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本澤二郎の「正常化40周年の旅」(3)
http://www.asyura2.com/12/senkyo136/msg/377.html
投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 9 月 27 日 11:59:36: ulZUCBWYQe7Lk
 

(回答先: 本澤二郎の「正常化40周年の旅」(2) 投稿者 五月晴郎 日時 2012 年 9 月 26 日 10:16:45)

http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/52001017.html

<元外交官との交流>

 今回の北京訪問を歓迎してくれた元外交官がいた。曾さんである。外交学院で開催した国際シンポジウムで、それこそ30年ぶりに出会った曾文彬さんだ。79年12月、大平訪中を外交部新聞司の担当者として報道陣を接待してくれた人物だ。この時のアジア局長が、肖向前さんだった。曾さんはその後、東京の中国大使館に勤務、再会することになった。当時とほとんど顔が変わっていなかったため、シンポジウムでお互いを確認することが出来たからである。

 彼は中国国家観光局を紹介してくれた。お陰で、中国観光取材を何度か経験させてもらった。筆者は行く先々で観光取材と同時に、過去のことにも目を光らせて書いた。ただし、これには観光で利益を上げたいだけの観光局の反発も買ってしまったらしい。
 中国訪問100回にこだわる理由は、実を言うと、観光局職員の「生きている間に100回訪問してください」という一言を実践しているだけのことだ。これこそが民間交流だからである。あと3回で目標を達成できる。応援してくれた宇都宮徳馬と得難い心友のお陰である。
 もっとも、航空券はイラン機やパキスタン機もあったが、大半は米機を利用してきたので、恩恵を受けたのはアメリカということになろう。今回は中国機だ。日本機は数回だけである。値段がべら棒に高いからだ。
 午後3時に北京駅にも近い国際飯店のロビーで待ち合わせた。地下鉄1号線の東単駅で下車、そこから歩いた。曾さんは建国門から歩いても、そう遠くないと言ってくれたのだが、土地勘のない者には地下鉄が安全だ。国際飯店と書いたメモ用紙を見せれば、市民が手招きで指さしてくれる。これは漢字圏の強みである。

<薄くなった人民奉仕の理念>

 5分ほど遅れてしまった。幸いにも曾さんも遅れてくれた。北京での時間通りの約束は、どうして交通事情もあって容易ではない。朝も昼も交通渋滞があちこちで起きている。その点で、地下鉄が一番だ。
 ロビーで外交学院OBの陳梅君に電話をかけると、今は山東省の青島に来ているという。「友人の結婚式」がその理由だった。恐らく外交学院の友達なのだろう。青島では反日デモで行き過ぎがあったらしい。
 「街中では、大声で日本語を使わないようにしてください」と注意された。心配してくれることに対して感謝した。上海の知り合いに電話すると、9・18デモの混乱はなかったというのだ。反日も地域格差があるのかもしれない。
 そうしているうちに曾さんがロビーに現れた。静かな喫茶店に案内してくれた。2時間ばかりかけて旧交を温めることが出来た。彼は長崎総領事を経て、日本の大学で中国語を教えて定年を迎えた。年齢は一つ先輩である。
 昨今の日本右傾化の現状を心配してきた御仁だから、筆者の政治分析に即座に同意した。「香港活動家の尖閣上陸はCIAがらみ」という分析には驚いていた。引退した元外交官にとって予想外のことだったらしい。
 「人民に奉仕するという周恩来の理念が薄くなっている。腐敗に対して党員も人民も反発している」とも打ち明けてくれた。「政治も重視する必要がある」との意見でお互い一致して別れた。

<観光に大打撃>

 曾さんとすれ違いに観光で身を立てている陳さんが、ロビーに現れた。いつも北京で電話の声を聞くことが出来たが、直接顔を合わせるのは数年ぶりである。風邪気味なのに出向いてくれた。熱血漢である。上手な日本語で実績を上げているようだ。彼には日本人の支持者が多い。安心して彼の旅行に満足してくれるという。
 誠実さという武器が彼にはあるようだ。そこから信頼が生まれる。ビジネス成功の秘訣なのだろう。開口一番、彼は「キャンセルが相次いでいる。昨日は4本、今日は5本も」といって悲鳴を上げた。「先月8月は400人近い日本人観光客で大忙しだった。尖閣がなければ9月は最高を記録するところだった」という。石原が点火した尖閣問題で日中の観光業は大打撃を受けているのだ。
 「大手の会社では5万人の日本観光がキャンセル。全日空は9月から11月にかけて1・5万席がキャンセルされた。JALはもっとだ」とも業界事情を教えてくれた。
 日本と中国の観光業は秋のシーズンに致命傷を受けてしまっている。人の往来が止まると、打撃は観光のみに限らない。
 彼はホテル近くの24時間営業のレストランに誘ってくれた。手に入れたばかりの情報の数々を語ってくれた。
 「上海での日本人暴行事件はお互い酒を飲んでいた。ストレスの溜まっていた中国人客の目の前で、日本人が大声を張り上げていたことからトラブルが起きた」というのだ。このことが針小棒大に伝えられると、日本語を話すな、へと発展したようだ。
 「人類は月や宇宙に目を向けている。ケ小平は次の世代の智恵に任せましょうと言っていた。島で大騒ぎなどお笑いもいいところだ。中国政府はわかっている。アメリカが武器・弾薬を売り込もうとしているということを」
 若い中国の観光業者は、こともなげにこう言い切った。多くの日本研究者よりも鋭い分析をするのである。

<中国は戦争NO>

 彼は中国事情にも踏み込んでみせた。「49年に建国した新中国は30年後にベトナムと戦争した。また30年後に戦争になるのか心配している。中国人は戦争の苦しみを記憶している。その点で、日本は戦争の記憶のない世代だ。そこが心配だ」と言った。その通りだ。

 ちなみに、戦争は財閥を太らせる効果がある。真の戦争屋は財閥だ。45年の日本敗戦時にアメリカは軍閥と同時に財閥を解体した。ところが、朝鮮戦争とベトナム戦争で完全復活した。いまの三菱と三井住友は戦前財閥の数10倍どころか数100倍の規模ではないか。不幸にして中国も日本も財閥研究が皆無だ。日米産軍複合体の存在を忘れてはなるまい。これは宇都宮徳馬の遺言である。
 「今の中国は軍事力を強化した。ために小さな戦争は悪くない、と考える者もいる。しかし、中国は一人っ子政策を推進してきた。沿海部に工業都市があり、そこに人口が集中している。日本もまた右翼の戦争に反対している。しかし、油断すると尖閣で衝突しやすい」
 戦争のリスクはゼロではない、と言うのも確かだ。
 陳さんは政府を代表しているかのように、こうも指摘した。「いえることは、中国は今回の問題では明らかに受け身である、ということだ。自ら発砲しない。ただし、日本が発砲すれば反撃するだろう。中国は1発目を決して打ちたくない」という。
 日中戦争の発端となった盧溝橋事件は、日本軍の一発の銃声から点火した。幸いなことにワシントンは、東アジアでの戦争に手を出す余裕がない。せいぜい武器の売り込みで満足するとみられる。これが不幸中の幸いだと筆者はみている。
 それでも彼は「日本財閥は軍需産業を復活させた」ことに懸念を抱くのだ。そして「ワシントンと右翼台頭の日本民族主義を喜ばせてはならない」と訴えた。彼の分析に敬意を表したい。

<小沢無罪は日中にプラス>

 ここは日中友好派の台頭が求められよう。日中友好7団体の無能・無気力の代表が北京入りしたが、有名無実化して久しい。日米対等・アジア重視の小沢や鳩山らに期待が集まっている。
 9月26日午後6時から東京・赤坂のホテル・ニューオータニの宴会場で新党大地の「鈴木宗男を叱咤激励する会」が開かれた。偶然にも招待状が届いたものだから、勇気を出して会場に出向いた。かなりの集まりだ。昨年は主が収監されて姿を見せることが出来なかったが、今回は夫妻そろって演壇に登場して盛会だった。鈴木は取り調べ検察官の名前を上げながら「悪しき権力と生涯、戦ってゆく」と勇ましい口調で決意を述べた。会場には鳩山、小沢らもあいさつに駆け付けた。小沢の主任弁護人もマイクを握って「小沢無罪」との観測を披歴して会場を沸かせた。鈴木の方も「近く再審を最高裁に申請する。検察の不正な証拠を手に入れた」と自信満々だった。

 テレビ芸者で知られる評論家の田原某も「小沢は無罪。鈴木は北方領土問題による不当逮捕」と断言した。ならば、どうしてテレビなどで発言しないのか。内輪の会合でしか正論を吐けないのか。鈴木夫人は毎日新聞の岩見記者も同じことを言ってくれた、と紹介した。
 悪しき政権と悪しき言論人に翻弄される永田町でいいのか。いずれにしろ、小沢は11月過ぎると、大手を振って活躍できることになるだろう。鳩山も「弱者に光をあてる政治を目指そう」と新党大地にエールを送った。
 意外や、民主党政調会長の前原までが顔を出した。総選挙後に消えるかもしれない同党の行方を心配しての参加のようだ。ロシアのエネルギー利権に触手を伸ばしていると見られている森元首相も登壇した。
 例によって鈴木と一緒に逮捕された元外交官の佐藤も脱線発言をした。「尖閣で中国と戦争になれば日本が勝つ。中国の海軍力は海上自衛隊より弱い」という、ふざけた不見識発言をして会場を驚かせた。外交官失格もいいところだ。こんな人物の書く本に興味を示す人がいるのかと思うと、やはり日本の前途は危うい。

 また、この日の自民党総裁選で「谷垣前総裁はリベラルすぎる」と進軍ラッパを吹いていた安倍が、総裁に選出された。1度失敗した極右の総裁を選んでしまった自民党の明日も、これでは暗くなるばかりである。中国も韓国も身構えるしかないだろう。金権選挙の効果ではないか。

 ところで「最近の公明党はすっかり変わった」と失望する中国の日本研究者は今では珍しくない。引き続き極右の自民党と手を組む公明党なのか、新たな不安も浮上してきている。

 ここは、CIAから離脱できる新聞テレビが誕生しないものか。切望するばかりだ。

2012年9月27日6時00分記

 

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