またまた茂木氏の引用です。迫りくる総選挙にたいする問題意識が率直に述べられ、賢者のみなさんには、ぜひとも参考にしていただきたい一文。拡散を意図して。

（引用はじめ） しゅりんくっ！　ぷれいりーどっぐくん、おはよう！ kenichiromogi 2012/11/25 05:24:14

連続ツイート第７８５回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、「分析系」ツイートです。

自民党が、憲法改正案で、「国防軍」を明記した。どの国にも、Department of Defenseは存在するし、militaryもある。だから、この草案自体は国際的な常識に沿ったものと言える。とりわけ賛成もしないが、突出しているとも思わない。気になるのは、他のことだ。

　　※Department of Defense；国防総省（DOD）。ここでは国家の安全を担当する部門でしょう。
　　※military；軍隊、軍事力。

日本の発展のための、どんなヴィジョンを描くか。自民党に限らず、この点にこそ注目する。そして、ここは是非とも押さえておくべき点だと思うのだけれども、明治維新の後に日本が辿った「富国強兵」のように、軍事力を整備して「普通の国」になることは、今や日本の発展には直結しない。

主権国家として、領土を守ることは基本である。一方、領土問題は、お互いに自分が正しいと信じる「認知的失敗」(cognitive failure）の典型例。軍事力は、抑止力にはなっても、紛争解決の最終的な手段にはなり得ない。領土問題が顕在化することのマイナスの方が大きい。

　　※認知的失敗；「どちらも自分が正しいと信じる、認知的失敗はなぜ起こるのか」を参照。

明治以降の日本の「富国強兵」で軍事力を強化することと、日本の発展が軌を一にしたのは、当時が帝国主義の下、列強が植民地獲得競争を繰り広げていた時代だったから。すなわち、軍事の強化は、資源や市場を獲得するという「経済行為」の側面もあった。その時代はとっくに過ぎている。

人間は、存在の不安に直面すると、保守化する傾向がある（mortality salience）。日本が不調だと、伝統的な価値観に回帰したり、愛国心に訴える動きが必ず出てくる。しかし、時代は変わりグローバルなネットワークを通した結びつきを強化する以外に、繁栄の方程式はない。

　　※mortality salience；阿修羅記事より「死の顕現化」[死を思い浮かべること」 　　※M's Labo 貧すれば鈍する。鈍すれば貧する。今後の日本の発展にとって必要なのは、グローバルに異質な他者とも結び合い、「かけ算」を通して付加価値の生成を行うopen dynamic systemとしての国のあり方。すべての道は、日本に通じる。そのためには開いておかねばならない。

　　※一般に、外部に開かれた動的システム？ 近代日本の悲劇は、「普通の国」に追いつこうとし、追いついたと思ったら、世界はもっと先に行っていた、という点にあった。富国強兵で列強のマネをしたら、世界はもっと先に行っていた。今、軍隊を持つ「普通の国」になろうとしても、世界の文法自体が先に行ってしまっている。

自衛隊を「国防軍」とする憲法改正自体は、先にも述べたように突出しているとは思わない。より深刻なのは、今日のグローバル化した世界で、ネットワークを通して付加価値を生み出すという現代のethosを理解し、ヴィジョンを打ち立てる政党があまり見当たらない点にある。

　　※ethos；社会集団・民族を支配する倫理的な心的態度。pathosに対立。

グーグル、ユーチューブ、ヤフーは外国生まれのアメリカへの移民によって創業された。スティーヴ・ジョブズの父親はシリア人。現代の国家運営は、サッカーのクラブチームに似ている。世界中からタレントをかき集める。そんな時代の気分を正しくつかんだ政党に、投票したい。

以上、連続ツイート第７８５回「軍隊と、国の繁栄」でした。
（引用おわり）

　

コメント
01. 2012年11月25日 08:33:25 : 7wz35pXgrU ・軍事に関わる全ての産業の違法化を徹底し、現在の年間６兆円（月間５０００億円）の防衛詐欺予算を平和産業振興に投入を。　８４％ ・世界の不況と腐食は軍需経済という犯罪産業によって引き起こされていることが明らかになった、憲法９条を世界経済の中に打ち込むことで日本がその犯罪経済一掃を開始し今こそ世界経済革命の先頭に立つべきである。９６％ 今回の「オスプレイ解散」による衆議院選挙は、 腐り切った日米財界がいろいろに計画・演出し、代理人どもを動かしてやっており、アメリカ大使館やアーミテージらが音頭をとり、日本経団連などもくわわって演出している、戦争にむけた体制作りのための大芝居である。 この基本路線は四月に日米がとりかわした「日米共同声明」「日米協力イニシアチブ」の路線であり、「アーミテージ・ナイ報告�V」の路線である。 http://esashib.com/kenpo05.htm 安倍晋三らの自民党の政治の柱は、中国に戦争をしかけるための「日米同盟の再構築」であり、そのための「集団自衛権の容認」である。 米軍を自衛隊がまもり、米軍と自衛隊がいっしょに戦争をするという危険きわまりない戦争政治である。 　さらに、ＴＰＰ交渉にも道をひらくことを巧妙に書き込んだり、日銀による無制限の国債買い入れで円を無制限に市場に放出し、ふたたび日本をバブル経済にしたり、放出した円資金を財政難のアメリカ政府に流出させるでたらめな金融政策をすすめようとしている。 http://esashib.com/seitosiziseron01.htm
02. 2012年11月25日 13:03:57 : FhxHNIGldI 現実的には、武力を持たない無防備な国はありえないが、紛争の平和的解決を第一にして知恵を絞る（外交解決）を望む、武器開発競争には際限がない予算も際限なく膨らむ、一旦戦争となれば何人が死ぬか、自分が死ねるか？、最初に第一線の若い20代の兵隊が犠牲となる。第二次大戦の兵士の感想は戦争の最前線の兵隊に勝者も敗者もない、生き残っても殺し合いのいやな記憶が生涯の残るだけという。 威勢のいいことを言う政治家が出始めている、自分の家族を第一線にだす覚悟があるのだろうか、責任の重さの自覚があるのだろうか？
03. 2012年11月25日 13:27:30 : kZF5Ghj3uc 　自衛隊と軍隊との違いは、自衛隊は、してもよいことだけが少し決められている事に対して、軍隊はしてはいけないことだけが少し書かれているそうです。軍隊になると、集団的自衛権の行使はもちろん含まれている。私は当時は軍隊にするほうに賛成でした。 アメリカがイラクが核兵器を隠していると攻めた時も、日米安保条約があるのだから日本もイギリスのようにアメリカと一体になって戦うことができればよい、と思っていたほどです。が、イラクに核兵器はなく、アメリカの国益のためだとわかりました。集団的自衛権の行使ができないきまりがあったために、戦闘に加わらなくて済みましたが、行使できるとなれば、アメリカに否を言える政治家は少数で、一緒にいくことになるでしょう。そうなれば日本が恨みを飼いテロが起きるかもしれません。 だから今は、自衛隊でよいとおもっています。 小沢さんが言われましたように、国連で決まったPKFには参加し、国連の決まりに 従えばよいと思います（まれにしかありません）。日本周辺に有事がおきたときには、普通の自衛権でも、仲間の船を守れないことはない、と思います。
04. 2012年11月25日 15:55:45 : 7zU3VJcF7I ０２さん その様な事はどの国の国民でも思うことです。 でも現実的にあちこちで領土問題があり戦争も勃発している。 外交と言っても現実的には軍事力をバックにしての話し。 現中国の軍事力が 明らかに劣勢であったならば 今回のように強硬な態度に出ると思いますか？。 ０３さん 　今問題なのは中国が軍事力をバックに勢力拡大をはかっていることです。 これに譲歩していれば争いは起きない。 　だけれど日本はそれで良いのか 自衛隊方式では緊急時に対応できないのでは 　と言う視点で国防軍の話が出ている訳でしょう。 国同士の関係は 　警察と犯人の関係ではないのから 相手軍には縛りが無いのに 　自衛隊に縛りがあっては勝負にならない。 このままずっと中国にしてやられても譲歩して 取り敢えず自分たちの世代が安全なら良い と言うのであればそれでも良いと思います。
05. 2012年11月26日 07:13:41 : FhxHNIGldI 話がずれるかもしれないが、鳩山-小沢民主の時、国会議員中国訪問、東アジア共同体構想などアジアで仲良くやろうという外交が始まった、が何処とはいわないが仲良くするのを好まない米国の意をそんたくして、鳩山-小沢路線をつぶし、菅政権を誕生させる勢力があったという話もある。アジアの平和を望まない勢力があるわけで、現実的には（理想世界になるかもしれないが）平和を望む勢力が増えないと・・・。 現時点で自衛できる戦力は保持せざるを得ないが過剰防衛にならないことを望む。
06. 2012年11月26日 08:18:07 : 7zU3VJcF7I ０５さん 　今の時点で過剰なのは隣国さんですよ。 日本は戦後を引きずってずっと堪え忍んでいます。 　だがこのままいつまでも攻勢が続けば堪忍袋の緒が切れる。 中国共産党は日本敵視政策を未来永劫止めない と言っている。 こんな状態でどうやって友好が結べますか？。 同党の考える友好とは 日本が譲歩ばかりして 中国共産党に楯突かない状況ですよ。 気がつきませんか？。 だとすればかなりのお人好しです。 友好を結べる可能性は 中国共産党が崩壊してからです。
07. 2012年11月26日 17:01:52 : FfzzRIbxkp 茂木さんのツィッター読んでます。 しらすさんが、いつか総理大臣になりますように。 アジアの火薬庫の火消しは、今からでもどんどんやりましょうよ。 あとね、米国の人をもっと雇えばいいのに。 ＣＩＡとかさ。日本を売るためじゃなくて、日本に有利な取引ができるようになるために。 米国だって、日本人や中国人をたくさん雇用して、その国を攻撃する作戦練ってるではないか。
08. 2012年11月26日 19:20:35 : 7zU3VJcF7I 日本には本格的な諜報機関がないからだめですよ。 本格的な諜報機関があれば０７さんの主張も可能です 諜報機関のような問題になると 自分達に矛先が向くと心配する 共産や現社民が騒ぎ出しましたからね。 防衛計画すらすっぱ抜いて騒いだ勢力です。 国の問題より 党の生き残りを優先している姿勢は 今も変わらぬ彼らの姿勢です。 彼らは日本の中で異質の存在です。
09. yokorason 2012年11月28日 01:33:07 : kZ2KG/bgjrOJ2 : QBrYpzDGwo 　戦国時代は国内で国盗り争いをしていたが、今では食べて応援、がれきを燃やして応援、と言っている。人が簡単に往来できるようになると、なあんだ、という関係になる。 　国際関係においても、今や地球の温度が４度も上昇、洪水、山火事など天変地異も起きているから地上戦をしている内に洪水になったり、山火事に見舞われたり、敵も味方もわからなくなった、と言う事態も起こり得るのが現代だ。 　にもかかわらず現実にはTシャツにジーンズ姿でバズーカを持って天に向かって誇らしげに撃っている若者が中東、アフリカにも沢山いる。荒れ果てた台地、穴だらけの住居に血だらけになってぎらぎらした目で前方を睨んでいる。 　ファッションは女の領域だが、武器兵器は男の憧れなのだろうか。今やショッピングモールの女性ファッションの如くに世界中で武器、兵器の展示会が行われている。お似合いですよ、という訳である。 　シリアにはソ連から、トルコにはイランから、武器商人がカタログ持ってやって来る。コオロギを飼うと共食いして愚かだな、と思うが、人間も殆ど共食い状態だ。どうやら日本もその例に漏れないらしい。やはり、と言うべきか。 　喪黒福造のニタニタ笑いが背後に見える今日この頃だ。

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