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「私の生き方って魅力ない?」女性管理職の悩み ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」  
http://www.asyura2.com/12/social9/msg/698.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 7 月 22 日 13:33:28: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

「私の生き方って魅力ない?」女性管理職の悩み

ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」

2016年7月22日(金)
山本 直人

順風満帆だけど、心に穴が

 人の悩みには、傍から見てわかりやすいものもあれば、「わかりにくい」ものもある。順調に人生を送っているような人ほど、そうした見えにくい思いを抱えていたりする。

 Vさんはまさに、そんな1人だろう。新卒で入社以来勤めているメーカーでは、数少ない女性管理職だ。順当にいけば、さらに上にいくだろう。それは、本人も自覚している。

 総合職で入社した頃は、まだまだ典型的な男社会だった。消費財のメーカーで、主たるターゲットは女性だったが要職に登用される人は少ない。しかし、30歳を過ぎた頃に転機が訪れた。

 バブル崩壊後の後遺症が抜けず、経営自体が荒波にもまれた。外部から資本を注入し、併せて社長を外から迎え、大規模なリストラも行われた。いろいろと大変だったが、Vさんの世代は結果的には陽の当たる場所に出ることになったのだ。

 彼女は宣伝やマーケティングの仕事を担当していたが、チャンスが来た。会社としては、いわゆる「止血」を終えて攻めに出る頃だったのだ。反攻に向けた戦略商品を担当したが反響も大きく、仕事も評価された。

 その頃は転職してくる者も多く、外資系から来た同年代の女性と競ったこともある。ただ、Vさんは淡々としていた。むしろライバルの方が力み過ぎて、周囲がついて行けなかったりする。

 そんなこともあって、自然に昇格して40歳を過ぎた頃にはマネージャーになった。

 比較的早く結婚して、子どもも生まれた。苦しかった家庭と仕事の両立も、周囲に助けられ、もう一段落した。40代半ばを過ぎてとても順風満帆に見える。

 ところが、彼女には何とも言えない心の空白感があった。それは、自分の将来についてではない。部下の女性たちに対して、物足りなさを感じているのだ。

「もう十分」という後輩たち

 Vさんが仕事が楽しいと思えるようになった30代半ばごろには、若い女性の後輩が職場に増えてきた。業績も回復してきて、会社の広報からも声がかかる。いわゆる「女性チーム」として、取材を受けることもあった。

 忙しかったけれど、若いチームなりの成果は出てくる。インターネットを駆使したキャンペーンをいち早く仕掛けて、話題をさらったこともあった。

 仕事はもちろん、私生活の相談に乗ることもある。結婚式に出て、思わず感極まったこともあった。

 当時の後輩も、みな元気に働いている。結婚や出産を経て、苦労しながらも前向きに取り組んでいる。

 ところが、ここに来て予想してなかったことが起こった。Vさんは管理職として、部下と定期的に面談をしてキャリアの希望を聞くのだが、女性たちがことごとく「Sコース」を希望してきたのだ。

 Vさんの会社では、最近になっていわゆる「複線型人事制度」を採用した。大きく分けると、マネージャーを経て組織リーダーになるコース、通称「Mコース」と、自らの得意分野を活かして現状の職種で腕を磨いてスペシャリストを目指す、通称「Sコース」がある。

 将来的に「大きな責任を負う仕事」をするMコースの方が待遇はいい。しかし、それだけだとポスト不足なども起きるし、そんな中で働き甲斐を維持するために考え出されたのが「Sコース」だといわれている。

 ところが、30代の女性たちがことごとく「Sコースでいい」と言う。迷っていて、「今回は保留します」と言った社員が1人いただけだった。

 理由はハッキリしない。でも、Vさんには何となくわかる。みな、共働きで、世帯収入は十分にある。仕事も、おもしろい。簡単にいえば「もう十分」なのだ。

 これ以上、頑張る理由はないのである。

足元に“楽園”が見える

 Vさんの心の空白は、たしかに傍からはわかりくい。後輩たちが上に行くことを望まないのは、それぞれの価値観の問題だ。

 男性のほとんどは、マネージャを目指す「Mコース」を希望する。それで、会社は回っていくのだろう。それでも、どこかスッキリしない。

 「ガラスの天井」という言葉がある。女性の昇進には目に見えない「天井」がある、という意味の比喩だ。英語のglass ceilingの訳で、米大統領候補のヒラリー・クリントンも言っていたくらいだから、女性の社会進出が遥かに進んでいる海外でもそういう感覚はあるのだろう。

 しかし、いまVさんが感じているのはガラスの天井ではない。どちらかと言えば、足元にある「無人の階段」が気になるのだ。自分の後を歩こうという人は、そんなにも少ないのか。

 階段の下の踊り場には、“楽園”が見える。彼女たちは、自分とは異なる世界で生活していくのだろう。それは、仕方ない。彼女たちの選択だ。

 しかし、いくら言い聞かせてもVさんの心はどこかザワザワしている。

「自分の生き方は魅力的に見えていないのだろうか?」

 そんな不安はあっても、確かめようがない。その一方で、別の誘惑もある。

「もう、昇進の話があっても断ろうか…」

 そんな前提の話を考えること自体、バカバカしいとは思っている。それでも、ついつい想像する。これだけ頑張ったのだから、マイペースの50代もいいんじゃないか。

 その頃のことだった。夜ニュースを見ていたら、ある女子サッカー選手のインタビューを報じていた。長年チームを引っ張ってきたエースだったが、引退することになったのだ。

 彼女の口から語られる仲間とのいろいろな思い出話が、Vさんの心にはとても沁みたという。

1人で階段を上る恐さ

 そんな思いで日々を過ごしていた時に、Z氏から呼ばれた。Z氏は、かつての上司でありVさんのことを目にかけていた。また、早くから人材育成に熱心で、ことにキャリアプランの多様化への対応については特に心を砕いていた。

 いまは、人事部門などを管掌している常務執行役員である。旧知でもあるが、最近は仕事上の報告を行うことは少ない。

 テーマは見当がついた。例の「Sコース志望」の件だろう。別に咎められることもないだろうし、そういうことを言う性格の人でもない。ただ、今の時期に顔を合わせるのには、あまり気乗りもしなかった。

 Z常務は、挨拶もそこそこに切り出した。

 実は、Vさんの同年代の女性マネージャーが退社するという。競合へ転職するというわけでもなく、常務はあきらめ顔で「まあ若隠居だよ」と言う。夫も十分な稼ぎがあるようで、「一度は主婦をしてみたい」とか言っていたらしい。

 そういうわけで、ちょっと変則的な時期の異動があるかもしれない。また、その時は新しい仕事に取り組んでもらうかもしれないし、責任も大きくなるだろう。ただし、それ以上は今はまだ言えない。

 そんなようなことを、一方的に言われた。

 予定されていた面会時間も短かったので、自分が言いたいことを口に出せる雰囲気でもなかった。しかし、帰り際にZ常務はこんなことを口にした。

「もう下がついて来るとか、来ないとか悩んでる場合じゃない。結局、自分の仕事をしっかりやっていくことしか、やることはないんだ」

 Vさんは「ああ、見透かされてたんだな」と感じた。ガラスの天井がない環境なのに、1人で階段を登るのがどこか怖かったのだ。

自分の仕事を全うする先にしか答えはない

 そして、Z常務はこう続けた。

「まあ振り返ってみると、仕事が本当に“面白い”なんて感じるのは、30代の数年くらいじゃないか」

 仲間と話すとみんなそう言うんだよ、後は面倒ばっかりでな。そう言いつつも、常務は笑顔だった。

 しばらくして、Vさんは人事部門に異動して、職位も上がった。女性でこのポジションに就くのは初めてということもあり、周囲は相当に驚いた。

 ただ、Vさんの気持ちは今までになく充実しているという。

「自分の仕事を通じて、満足できる職場をつくる」

 それが、いまのVさんの目標だという。

■今回の棚卸し
 女性をめぐる職場環境は大きく変化した。まだまだ課題は山積みだが、活躍の場は着実に広がっている。一方で、女性社員の間には生活や将来設計において価値観の違いが目立つケースも多い。そして「あえて上を目指さない」志向を持つ人は男女を問わずそれなりにいる。

 多様性を認め合う風土づくりはマネージャーの大切な仕事だ。その一方で、ミドル世代は、部下を含めた周囲の評価を心の支えにしていると、どこかの段階で行き詰まる。管理職となれば、下からは称賛を得にくい仕事も当然増える。

 管理職は孤独だ。ロールモデルが少ない女性は、特にそうなりがちだ。それだけに、周囲の言動を頼りにし過ぎると、先に進みにくくなる。自分が担う仕事に、ただシビアに取り組む。そうした先にしか答えが見つからない場合もあると心しておきたい。

■ちょっとしたお薦め
 英国のミステリーに「女には向かない職業」という名作がある。主人公の22歳の女性が探偵稼業に挑戦するストーリーだ。タイトルの意味は最後まで読んでいただければ、お分かり頂けると思う。

 「女性と仕事」を論じてるわけではないが、さまざまな人間模様が絶妙に描かれる。作者のP.D.ジェイムスは英国を代表する女性作家で、他にも傑作が多い。まず一作読むにも、本作はちょうどいいだろう。夏休みの読書に、お勧めしたい作品だ。


このコラムについて

ここでひと息 ミドル世代の「キャリアのY字路」
50歳前後は「人生のY字路」である。このくらいの歳になれば、会社における自分の将来については、大方見当がついてくる。場合によっては、どこかで自分のキャリアに見切りをつけなければならない。でも、自分なりのプライドはそれなりにあったりする。ややこしい…。Y字路を迎えたミドルのキャリアとの付き合い方に、正解はない。読者の皆さんと、あれやこれやと考えたい。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/032500025/071900009  

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コメント
 
1. 2016年7月22日 13:38:17 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2002]

給与格差が小さいのに、責任や残業など負担ばかりが大きい場合、

実利に聡い女性の選択は、必然的に、こうなる



2. 2016年7月24日 23:09:35 : 0KqoVHGsTQ : @7k0cx1I@Yo[-1040]
http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1469241849/
少子化の3大原因「女の社会進出」「老害の世代交代拒否」

1 :名無しさん@おーぷん:2016/07/23(土)11:44:09 ID:Zgn(主) ×
なんぼのもんじゃい!

20: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)11:57:51 ID:hCN
女の社会進出とか言っても大学でのジェンダー論の授業で「女子で結婚して子供ができた時、会社を辞めないで続けたい人は入るか?」って質問をされたけど、その時10人くらいの女子の中で2、3人くらいしか手あがってなかったわ
だから、女の社会進出なんていうほど大した問題じゃない

70: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:42:28 ID:hMD
>>20
中途半端に男の就職口減らして、教育の機会減らして
就職したのはみんなやってるからスタイルだけ真似してみましたってのが一番たち悪い
多分金額換算したら教育費だけでも年間兆単位で無駄になっとるぞ

21: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)11:57:57 ID:vuS
単純に女の社会進出が悪なのではなく、共働きを促進させたのが悪
その分専業主夫も促進するべきだった

イクメンって専業主夫じゃないからな
外で働いた上で家事も育児もしろって馬鹿を粛清しなかったことが一番の悪

30: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)12:01:41 ID:vuS
そもそも家事育児と勤労はちゃんと分担すべきだった
専業主婦が叩かれるのも分担を無視して夫に家事させる人がいるからであり
互いに完全に役割分担できるなら専業主ふって形も尊重すべきなんだよ

33: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)12:04:02 ID:p1M
>>30
現実問題、今専業やらせられる男なんてそうそうおらんで
別に女も働きたくて働いてる訳じゃない
働かないと食えないから働いてんだ

36: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)12:06:22 ID:vuS
>>33
どの道共働き前提の社会が非効率の極みなのは変わらん
専業主夫って形ができないなら女性の社会進出なんてただの無責任だった


56: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:15:38 ID:J71
欧州もそうだけど昔は人との繋がり重視で個人主義なんてほとんど無かった
日本も個人主義が台頭してからおかしくなって少子化にも拍車がかかっていった

59: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:30:07 ID:GWU
【女の社会進出】【自由恋愛推奨】【年の差恋愛or結婚の否定】

これだろ
女の社会進出の為に惰性で大学行ったり仕事するようになってそっちに時間を使う上に
恋愛にかける時間がなくなってるのに見合いがなく恋愛だから理想目指し過ぎて行き遅れる

年の差否定して高校生でも子ども扱いだから
同世代同士しの限られた期間しかチャンスがなく行き遅れるのが多発する
しかも同世代同士だと男が仕事になれたり結婚できる収入になるのまってたら女はおばさん化するし

長期間付き合えばマンネリ化して女の方が捨てられて
男が若い方に向くからますます年の差を叩いたりロリコンだと否定するおばさんが増えて少子化増える
年の差有りで付き合って、女が高卒や大卒のタイミングで男が20代半ばや後半で結婚ぐらいが当たり前にならないとせめて

見合いも紹介も昔みたいにありふれてないから解決しない

80: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:51:42 ID:TFI
男女分業(男が働いて女が家事)なんて概念はむしろ新しいし
日本人ちゅうたらみんな男も女も同じ第一次産業に従事してたしなぁ
生活が貧しくても子供がすぐ労働力になるならポンポン産むよ

今は子供が労働力になるまで時間もお金もかかりすぎるよ
おまけに親にリターンが無いんだもの

81: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:53:07 ID:hMD
>>80
さも人生の集大成といわんばかりに子供に金かける様になりすぎたのも原因の一つだと思うわ

82: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:54:06 ID:2R4
大学全入も良くないな
糞みたいなFラン行かせるために大金積んでるのが今の状況
大学はもっと淘汰された方が良い

85: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)13:57:24 ID:p1M
>>82
それ以前に企業の新卒一括採用をやめるべき
新卒カードがなくなれば大学にいくやつは激減するはず

97: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)14:14:39 ID:zEH
結論:金と時間をくれないから


105: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)20:15:53 ID:L8T
女の社会進出はね、女のワガママなのよ。
女の幸せは結婚であり、出産であり、母になることであり。
別に女が教育を受けてなかったわけじゃないの。
出産よりも、結婚よりも、妻になることよりも
働いてお金を稼ぐこと、自分が偉くなったつもりになれることが
とてもうれしくなってしまった女がたくさんいるんだよね。
それが女傑の子、孫、ひ孫、玄孫と続いていくにつれて
女性の社会進出、じゃなくて、女性が社会にいるのが当たり前じゃないと
子供を産み育てられなくなったんだよ。
女が女らしく生きることを捨てたから
男が男らしく生きることも捨ててしまった。

女が働きたいのはわがままです!って働きたい女が主張していたときは
こんなことになってなかったのにねぇ…。

107: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)20:19:52 ID:OiA
家庭をもつとか
男にとっては負担でしかない

仕事も育児もやれとか
やすらぐ場所がないやん


113: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)20:25:55 ID:LHX
妊娠、出産、育児理由に、身なりに気を使わなくなっても言われるし、仕事のスペック低くても言われるし、女性の社会進出で何も権利の主張なんか出来てない。

負担でしかないわ。

114: 名無しさん@おーぷん 2016/07/23(土)20:27:21 ID:L8T
>>113
結局のところ、こういう考えの男が出てきちゃったのも
女が女捨てたからだと思うんだよね。
古来から女には女の、男には男の相応しい学問と生き方があったんだから。
同権と平等をはき違えた女が、今の女にとって息苦しい社会を作っていると思うよ。

[32初期非表示理由]:担当:要点がまとまっていない長文が非常に多いので全部初期非表示

3. 2016年10月20日 09:28:11 : jrUkijVgIU : PnJ0bKmFO2A[530]
少子化の3大原因「女の社会進出」「老害の世代交代拒否」


中途半端に男の就職口減らして、教育の機会減らして
就職したのはみんなやってるからスタイルだけ真似してみましたってのが一番たち悪い

多分金額換算したら教育費だけでも年間兆単位で無駄になっとるぞ

単純に女の社会進出が悪なのではなく、共働きを促進させたのが悪
その分専業主夫も促進するべきだった

イクメンって専業主夫じゃないからな
外で働いた上で家事も育児もしろって馬鹿を粛清しなかったことが一番の悪

女の社会進出はね、女のワガママなのよ。
女の幸せは結婚であり、出産であり、母になることであり。
別に女が教育を受けてなかったわけじゃないの。
出産よりも、結婚よりも、妻になることよりも
働いてお金を稼ぐこと、自分が偉くなったつもりになれることが
とてもうれしくなってしまった女がたくさんいるんだよね。
それが女傑の子、孫、ひ孫、玄孫と続いていくにつれて
女性の社会進出、じゃなくて、女性が社会にいるのが当たり前じゃないと
子供を産み育てられなくなったんだよ。
女が女らしく生きることを捨てたから
男が男らしく生きることも捨ててしまった。

女が働きたいのはわがままです!って働きたい女が主張していたときは
こんなことになってなかったのにねぇ…。

http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1469241849/抜粋


4. 2017年2月15日 10:22:35 : JW4kQkOW9o : dSI7DqbtatE[497]

39 :“男女共同参画”推進による『労働市場の供給過剰』で“賃金低下”!:2016/02/25(木) 01:24:26.41 ID:YEfm4vBZ0
.
最近のフェミニズムは、完全に 「働け」 イデオロギーに凝り固まってしまい、
「女性はすべからく働くことを目指すべし」 という思想になってしまった。
この思想は、 「フルタイムで働きつづける女性」 を当然のように前提にしている。
いまやフェミニズムは 「働きつづける女性」 のイデオロギーへと “矮小化” されている。

こうして女性の 「働く」 ことがなににもまして価値があるという観念が支配することになった。
「働け」 イデオロギーによって働く女性が増えれば、女性ばかりでなく男性の賃金も下がり、
「資本家」 や「 経営者」 にとっては、これほど “都合のいい” ことはないのである。

【元東京女子大学文理学部教授 日本ユング研究会会長  林 道義】

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

政府が推進する男女共同参画社会とは、女性労働者の地位の向上を保証する平等な社会ではなく、
むしろ、 「資本家を儲けさせるため」 の “格差社会” である。

全女性の労働参加を煽って、その潜在労働力が、労働市場に出てくれば、
労働力の供給が増えるのだから、賃金水準は “下がる” ことはあっても上がることはない。

女性労働者の待遇 を 今の男性労働者 なみに 良く するのではなく、
男性労働者の待遇 を 今の女性労働者 なみに “悪く” することで男女格差を解消し、
同時に、国内の雇用の空洞化を阻止することが、男女共同参画社会実現の結果である。

女性の社会進出は賃金水準の切り下げを媒介としつつ、ポジティブフィードバックによって促進される。
夫の賃金が下がれば、それまで 専業主婦 でやっていけた 妻 までも、
「家計を維持」 するために、働きに出なければならなくなる。

そして、より多くの 専業主婦 が、 労働市場 に出れば、 賃金水準 はさらに “下がる”。
そうなれば、 “さらにより多く” の 専業主婦 が・・・というように。
1999年から施行された 『改正男女雇用機会均等法』 では、 「男女の均等取扱い」 と引き換えに、
「女子保護規定」 が “撤廃” され、“女性” の 「残業」 「休日労働」 「深夜業規制」 が “なくなった”。

男女の労働者に、現在の 「男性なみの“厳しい”労働条件」 で、
かつ、現在の 「女性なみの“安い”賃金水準」 で働いてもらうことで、
男女間の格差を解消したいというのが 資本家 たちの “本音” である。

1989年では 男性の非正規雇用労働者の時給水準 は、 女性の正規雇用労働者の時給水準 に近かったが、
その後、 “下落” して、 女性の非正規雇用労働者の時給水準 に近づきつつある。
正規雇用 と 非正規雇用 の 格差 が厳然と維持される一方で、 正規雇用 においても、
非正規雇用 においても、 男女の格差 は 縮小(“低い方”に収斂) しつつある。

【一橋大学大学院 社会学専攻博士 永井 俊哉】

━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━ ━

“フェミニズム” は、女性の生きがいや幸せなどを 『自己実現』 と称して家庭外に求め、一方で、
家庭における「主婦の日常」を“軽蔑”し、仕事など「外の活動」に“価値がある”と意識する様に仕向けた。
しかし、現実としての女性の解放は“女性”を「市場社会」と「賃金労働社会」に“奉仕”させる事になる。
つまり、解放運動は女性を家族から雇用主の支配下に置き換え、結果的に資本主義に従属させた。

この供給過多による労働市場の賃金低下で庶民階級では日々の生活が改善されるよりも寧ろ“悪化”した。
それは、「資本家」 と 「国家」 が目指しているのは、 “男女を共” に 「低賃金」 で “働かせ” て、
「育児の社会化」の為に“莫大な税金”を払わせ、「家族を解体」させて“個人単位”の社会にさせる為なのである。

これは結果的に労働を強制させられているので、労働の権利というのは欺瞞で労働義務というのが正しく、
“フェミニズム” による 『全女性の労働参加』 で、 「働くことを強要」 された “女性” たちは、
「限りある労働市場」 を男性と “奪い合い”、 「貧困層」 を創ってしまったのである。

【アラン・ソラル『フェミニズムと消費社会』より】                       (〇二二五〇一二二)



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