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チンパンジーよりもヒトに近いボノボ
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/673.html
投稿者 中川隆 日時 2015 年 12 月 05 日 23:40:42: 3bF/xW6Ehzs4I
 

(回答先: 人類の「脱アフリカ」は定説より早かった!? 現代人は13万年前にヨーロッパに到着していた 投稿者 中川隆 日時 2014 年 5 月 19 日 21:13:45)

不思議な動物ボノボ


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 ボノボは以前はピグミーチンパンジーと呼ばれ、チンパンジーの一種と考えられていました。

名前が原産地で呼ばれている「ボノボ」となったのは、形容としてピグミーという特定の民族名を用いるのはマズいんじゃないかという配慮もあったことと思われますが、実はチンパンジーとはかなり異なる動物だということがわかってきたことが大きいのでしょう。

 チンパンジーと異なる動物であることがわかってきたのは、確か動物園で、ボノボをチンパンジーと同じ檻に入れておいたところ、なぜか他のチンパンジーとまったく交わろうとせず、常に孤独そうに見えたのを、係員が不審に思ったのがきっかけだったように記憶しています。よく調べてみると、形態も生態もチンパンジーとはずいぶん違ったところが多いことが判明したのでした。

 そして近年の生物学最強の武器である遺伝子解析をした結果、なんとボノボの遺伝子は、チンパンジーよりも、むしろヒトにずっと近いことがわかってしまったのでした。つまり、ヒトとボノボとの間に境界線を引くくらいならば、ボノボとチンパンジーとの間に境界線を引いた方がはるかに妥当だということです。

 そして、驚くべき類似性も明らかになったのでした。

 チンパンジーやオランウータンなどの類人猿が進化上ヒトときわめて近いというのはよく知られていますが、それでもなお類人猿が直接ヒトとリンクするとは言い切れない部分があります。そのひとつに、社会性ということが挙げられます。

 チンパンジーにせよ、オランウータンにせよ、ゴリラにせよ、基本的には森の中で単独生活を営んでいます。せいぜい家族単位であり、大きな群れを作ることはまずありません。
 これに対し、人類はとにかく群れなければ生きてゆけない動物です。その点類人猿よりむしろニホンザルなどに似ており、この「社会を作る習性」はどうも途中で獲得したものではなく、ヒトがヒトとなった初めから備わっていたらしい。その点、根っからの孤独生活者である類人猿とそれほど近縁であると言い切れるのかどうか。

 ところが、ボノボは群れを作り、かなり高度の社会性を持っているのだそうです。チンパンジーなどという「下等な動物」と同じ檻に入れられたボノボが淋しそうだったのは当然なのでした。

 さらに、ボノボには決まった発情期がないということがわかりました。
 動物のほとんどは、生殖できる時期というのが限られています。動物全般に話を拡げるとややこしくなるので、哺乳類だけに限定するとしても、どの種類にも発情期というのがあります。いわゆるサカリがついた時期で、この時期には啼き声まで普段と違っているのは、猫のケースなどを考えればわかりやすいでしょう。

 これ以外の時期には、たとえオスがその気になってもメスの方で相手にしませんし、そもそもオスだってそんな気にはならないようです。これはもちろん、妊娠・出産・子育てという一連の作業を、例えば外敵が少ないとか、エサが豊富にあるとか、そういう時期に限っておかないと、無駄ダマが多くなってしまって非効率だからです。

 長らく、この当然の道理に反する哺乳動物は、自然界でただ一種類だけだと考えられてきました。言わずと知れた人類です。人類には発情期がなく、言い換えれば年柄年中発情期、いつでもどうぞ状態である唯一のスケベな動物と思われていたのでした。
 ところが、ボノボはどうやらこのスケベ仲間に加われそうなのです。

 ヒトがいつでもどうぞ状態になったのは、耕作を始めて食物が確保でき、武器を発明して事実上天敵がいなくなったため、安心して年柄年中子作りに励めるようになったからだ、という説が今まで有力だったのですが、ボノボも同様だとすると、この説の根拠が少々怪しくなってきたようです。ボノボは非常に知能が高いようですが、さすがに耕作はしませんし、天敵がいないわけでもありません。

 ヒトはそのうち子作りに関係ない交尾、すなわち快楽のためのセックス、言い換えれば文化としてのセックスを始めるようになりますが、驚いたことにボノボの性行動も、文化としてのセックスとしか思えないようなふしが見られるそうです。

 売春、つまりメスがなんらかの見返りを求めて自発的に強いオス(人間の場合、それが「お金を持っているオス」になっているだけの話)に身を委ねる、という行動は、ニホンザルの群れでも見られるそうですが、もちろんボノボの群れにも普通に観察されるらしい。人類最古の職業と言われますが、それどころではなさそうですね。

 ヒトが、ヒトになることによっていつでもどうぞ状態が可能になったのではなく、逆に、いつでもどうぞ状態だったからこそここまで発達してきてしまったのかな、とも思うのですが、それならボノボがヒトのようになっていないのはなぜなのか。途中までほぼ同じような進化をしてきたのに、何かの理由で人類との生存競争に敗れたのか?

 ボノボの話を聞いたり読んだりしていると、人間とは一体なんなのだろうという疑問がふつふつと湧き上がってくるのを感じざるを得ません。あれだけ高い知能を持つ動物が群れを作って社会生活を営んでいるとすれば、おのずから群れの中での倫理とか道徳とかいう観念も芽生えていると考えた方が良さそうな気もするし。

 ちなみに、スケベな動物であるヒトは、霊長類中では断然、他を圧して巨根であるそうです。ゴリラなんか大きそうな気がしますが、相対的にはもちろん、絶対的にも人類のそれは抜きん出て巨大だそうで。

 ニホンザルなんか見ればよくわかりますが、発情期になるとオスもメスも、股間を真っ赤に腫れ上がらせてアピールしていますけれど、オスのアピールはもっぱらタマの方であって、サオの方はさして問題にされていません。確かに、優秀な子孫を残そうという場合に重要なのはサオよりもタマでしょう。

 しかし、人類は子作りと関係のない交尾を愉しむ方向に進んだため、サオが巨大化する傾向が出てきたものと思われます。こう考えると、おれのは小さいんではないかなんてことは、大して悩むに価しないことがわかりますね(^o^)

 同じようにスケベな動物であるらしいボノボのサオはどのくらいになっているのか、そのデータは寡聞にして存じませんが、他の霊長類よりは大きいんではないかと予想しています。

 まったく、不思議な動物が居たものです。ヒトと言い、ボノボと言い。

(2001.6.28.)

_____

U

 ボノボを扱った番組をNHKでやっていたので見ました。ジョージア大学言語学研究所に居るボノボと、日本の中学生たちが、衛星中継で話をしようという試みです。

 この研究所にはカンジというオスのボノボと、その妹のパンバニーシャというのが居て、人間の言葉を理解するばかりか、自分の意思を音声キーボードを使って伝えることさえできるのだそうです。本来は彼らの母親に人間の言葉を教え込もうという実験だったのが、研究員が母親にいろいろ教え込んでいるのを側で聞いていた赤ん坊の方が、いつの間にかどんどん言葉を憶えてしまっていたのだそうで。人間でも、大人になってから外国語を憶えるのは苦労するのですから、これも無理はない話です。

 のどや舌の筋肉の付き方が違うので、さすがに言葉を発音することはできませんが、音声キーボードを介してちゃんと意思の疎通はできているのでした。

 中学生たちは憶えたての英語で彼らに話しかけます。衛星中継を挟んでのことですからなかなか大変ではないかと思ったのですが、カンジ君たちの反応は上々でした。もっとも、ずっと研究員のスー・ランボー博士が付き添っていて、しょっちゅう口添えをしていたようですけどね。見ていると、どちらかと言えば妹のパンバニーシャちゃんの方が、発音が多少あやしげでも正しく認識してくれているような気がしました。

 ともかく、人間以外の動物と会話ができるというのはすごいことです。

 ペットを飼っている人は、自分のペットとなら話ができるとよく言いますが、それは本当に会話をしているわけではないことはもちろんで、その証拠に飼い主以外の人間とはさっぱり意思が通じません。一緒に暮らしている同士だから、表情や身振りなどからお互い相手の意思が大体想像できるというだけのことです。

 今回の番組では、見も知らない日本の中学生、しかもその場に居るわけではなくモニターに映っているだけの相手ともボノボがコミュニケイションできるということが示され、やはり並々ならぬ知能の持ち主であるとわかりました。

 チンパンジーに言葉を教える試みがほぼ失敗しているのですから、驚くべきことです。

 テレビ雑誌の番組案内では、依然としてボノボを「チンパンジーに近縁の類人猿」などと紹介していましたが、前にも書いた通り、遺伝子的にはボノボはチンパンジーよりむしろ人間に近縁らしいのです。

 番組の途中で、野生のボノボの生態を写したフィルムが挟まれましたが、子供をおぶって二本の脚で楽々と歩いています。他の類人猿のような、おぼつかない二足歩行ではなく、その足取りはすこぶるしっかりとしており、歩幅も広いものでした。二足と四足と半々くらいで暮らしているらしい。その骨格形態は、人類最古の完全な化石である猿人「ルーシー」ときわめて類似しています。

 前にボノボのことを書いた時、

 ──人間とは一体なんなのだろうという疑問がふつふつと湧き上がってくるのを感じざるを得ません。

 なんてことを書きましたが、それに対し、「お客様の声」に、

 ──人類の定義は「完全な二足歩行をする動物」だそうだ。

 と書き込みがありました。現生人類(ホモ・サピエンス)はそれでよいとしても、一応人類(ホモ属)とされているルーシーがはたして「完全な二足歩行」をしていたのかわかりませんし、ちょくちょく四足でも歩いていたなんてことになれば、ボノボと一体どこが違うのだという気がしてきます。

 その上この前書いたように、ボノボは人間同様決まった発情期がなく、いつでもどこでも交尾可能らしいのですから、こうなると、類人猿というより何やら「類猿人」とでも呼びたくなってきますね。

 「いつでもどこでも」と書きましたが、もしかすると交尾にあたってはそれなりの「ムード」なんてものまで要求するのかもしれません。中学生が出演する番組だけあって、交尾については何も触れられていませんでしたが、いずれ彼らの性生活の実態を扱った番組も放映して貰いたいものです。

 先週やはりNHKで「アジア自然紀行」というシリーズ番組をやっており、そこでも各種の猿が登場していました。人間みたいなことをしている時もありましたが、彼らはやはり猿で、猿以外の何者でもないようにしか見えません。

 しかし今日ボノボとのコミュニケイション実験を見ていると、実際、サルなのかヒトなのかよくわからなくなってくることがしばしばでした。黒人の老人などにこんなのが居そうだなあなどと思ったり(念のため──これは黒人を蔑視しているのではなく、単純にボノボの色が黒いからそう思っただけのことです。ニホンザルみたいに肌色をしていれば別の人種を連想したでしょう)。

 動物の進化のキーポイントのひとつに「幼形成熟(ネオテニー)」というのがあり、人類は幼形成熟した猿なのではないかという説があります。子供の猿の形態のままで成熟するようになったのだろうという話で、だとすると成体の猿が人間の老人のように見えるのもわかります。それでも仕草などに猿らしさはどうしたって顕れるわけなのですが、ボノボの場合これが本当に微妙なところなのです。

 300万年くらい経ったら、ボノボも人間のようになっているのかもしれませんね。その時人類の子孫との関係はどうなるか。いや、人類が滅びた時のスペアとして神様が用意した動物なのだったりして。ボノボはとても温和な性質で、人類のような無用な攻撃性が見られないそうなので、もしかしたら彼らの方がうまくやるかもしれませんね。

 そんなことをつい夢想してしまう不思議な動物──ボノボ。
http://www.micin.natsu.gs/conv/diaryselect/ds010628.htm  

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コメント
 
1. 中川隆[6544] koaQ7Jey 2017年2月03日 18:04:50 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[6999]
フォウドウコの死体をのぞき込む雄のチンパンジー、マイク(左)とLX(右)。(PHOTOGRAPH COURTESY JILL PRUETZ)
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/476.html


目撃 チンパンジーが元ボスを殺して共食い、研究者が報告
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170201-00010002-nknatiogeo-sctch
ナショナル ジオグラフィック日本版 2/1(水) 16:32配信


■地位を追われたボスは、なぜ群れに戻ったのか

 それはあまりに凄惨な光景だった。ボスとして群れを率いていたチンパンジーが、かつての仲間たちに襲われて、体の一部を食いちぎられ、殺されたのだ。

【閲覧注意】元ボスのチンパンジーが殺された直後の様子をとらえた、貴重な映像


 チンパンジーの争いが時に殺し合いに発展することは、研究者の間では認識されていた。10年以上調査されているチンパンジーの生息地ではすべて、死に至る争いが報告されている。しかし、同じ群れの中での殺し合いは極めて珍しい。

 この事件は、1月27日付の霊長類学専門誌『International Journal of Primatology』で発表された。元ボスが殺された後の現場の様子を撮影した動画もある。チンパンジーが同じ群れの仲間を殺したという記録は、これを含めてわずか9例しかない。

「とても見ていられませんでした」と、報告書を共同執筆した米アイオワ州立大学の人類学者ジル・プルエッツ氏は語る。「その後3日間は事件のことが頭から離れませんでした。友人と喧嘩別れをしたような、いやな気分でした」

 殺されたのは「フォウドウコ」と呼ばれる、ニシチンパンジー(Pan troglodytes verus)の雄だ。セネガル南東部のサバンナに位置する25平方キロほどのフォンゴリという地域で、2007年には30頭以上のの群れを率いていた。

 しかし、群れの中で反乱が起こり、フォウドウコはフォンゴリの外れに追いやられてしまった。そして、それから5年の後、かつての子分たちの手によって殺されてしまうのだ。原因は、交尾相手をめぐる争いと考えられている。

「敵を殺すのは簡単に説明がつきますが、自分の仲間を殺すというのは理解に苦しみます。協調と対立との間には極めて微妙なバランスがあるのでしょう」と、チンパンジーの抗争について研究している米ミネソタ大学の人類学者マイケル・ウィルソン氏はいう。

■群れのなかでの駆け引き

 プルエッツ氏の研究チームは、2005年からフォンゴリのチンパンジーたちを観察している。ここのチンパンジーたちは人間に完全に慣れてしまっているが、このような場所は西アフリカでも珍しい。

 プルエッツ氏の観察記録から、チンパンジー社会で毎日のように繰り広げられている駆け引きの様子がうかがえる。群れにはアルファ雄と呼ばれるボスが君臨し、そのボスとほかの雄たちが同盟を組んで群れを統率。そして彼らを、雌と子どもたちが取り囲む。雌は、成熟すると新たな群れを求めて独立するが、雄は自分の生まれた群れにとどまり、自分の力を誇示したり同盟を乗り変えたりして、社会的に優位に立とうと争うのだ。

 2005年初め、プルエッツ氏の研究チームは、調査対象としていたチンパンジーの群れの雄たちが、そろって服従を示す雄たけびを上げていたことから、フォウドウコがボスの座に就いたと考えた。

 ところが2007年9月、フォウドウコの権力が揺るがされる出来事が起こった。群れのナンバー2であったママドウという雄のチンパンジーが、足に深い傷を負ってしまったのだ。ママドウが影響力を失ったことでフォウドウコの立場も危うくなり、ついに2008年3月、若い雄のグループによってフォンゴリから追放されてしまう。姿を消したフォウドウコは、どこかで死んでしまったのだろうと、プルエッツ氏らは考えていた。

 ところが驚いたことに、フォウドウコは9カ月後に再び群れへ戻ってきた。しかし、かつての面影はなく、人間の姿におびえ、フォンゴリの外れで木や茂みの後ろに隠れるようにうろついているだけだった。それから5年にわたって、流れ者のような生活を送っていたフォウドウコは、時折ママドウの兄弟で新たにボスの座に就いたデビッドのご機嫌取りをするなどしていた。

 ママドウとデビッドはフォウドウコの帰還を受け入れたものの、彼の支配下で苛立ちを募らせていた若い雄たちの態度は友好的ではなかった。フォウドウコをしきりに群れから追い払おうとしたり、専門家にも理解できない奇妙な叫び声をあげて襲いかかったりしていた。

■そして事件は起こった

 2013年6月15日の夜明け前、プルエッツ氏と助手のミシェル・サディアコー氏は、寝泊まりしていたキャンプ地から1キロと離れていない場所で、騒がしい音がするのを耳にした。チンパンジーたちが何かをわめきながら、南へ向かって走っていく。マラリアにかかって寝込んでいたプルエッツ氏の代わりに、サディアコー氏がチンパンジーの後を追った。

 目の前の光景に、サディアコー氏は愕然とした。推定17歳のフォウドウコが、死体となって転がっていたのだ。その手には無数のかみ傷やひっかき傷があった。2頭のチンパンジーがフォウドウコの両手を押さえつけて、ほかのチンパンジーたちがその頭や腹を殴打したのだろう。足にぱっくりと開いた大きな傷口は、おそらく食いちぎられたもので、皮膚の大部分がさけて大量の失血があったことを示している。

 日が昇ってプルエッツ氏も現場へ向かうと、チンパンジーたちはよってたかってフォウドウコの体をいじりまわし、喉や性器をかみ切って食べていた。

 すべての仲間がここまで悪意をむき出しにしていたわけではない。ママドウはかつての盟友を眠りから覚まそうとしているかのように、体を引きずり回したり、顔のすぐそばで叫んでいた。デビッドは、死体にほとんど触れようとしなかった。しかし、プルエッツ氏にとって意外だったのは、フォウドウコの体を誰よりも夢中で食い荒らしていた雌が、ママドウとデビッドの母親であるファラファだったことだ。「ファラファがフォウドウコをよく思っていなかったことは明らかです。でもこの行動は、どう説明したらいいのかわかりません」

 フォウドウコは、交尾相手をめぐる争いの末に殺されたのではないかと研究チームは考えている。フォウドウコが、発情した雌に近づこうとしたのだろうか。フォンゴリの群れは、雄が雌の数を上回っているため、競争が激しいのだ。

 2014年に、プルエッツ氏ら30人の霊長類学者が共同で発表した報告書によると、チンパンジーの死闘の多くは、交尾相手や資源をめぐる競争が原因であるという。

「群れの中での殺し合いは、ほとんどが交尾相手をめぐって雄同士が争った結果、起こるものです」と、ウィルソン氏は言う。「このような小競り合いは頻繁に起きていますが、それが行き過ぎると殺しに発展してしまうのです」

■人間と同じ?

 チンパンジーの共食いは、1970年代の初め頃から報告されている。なかには、雌が雄の性器部分を全て切り取って食べてしまうなど、さらに衝撃的なケースもある。

 こうした殺害において、彼らの近縁である人間と比較するには、まだ議論の余地がある。ウィルソン氏は、チンパンジーと人間との間に明確な線引きをしているが、プルエッツ氏は、「人間はとても複雑ですから、何とも言えません」と言う。むしろ、今回の事件では、チンパンジーと人間の違いを強く感じたという。

 チンパンジーたちがフォウドウコの死体を置き去りにするのを待って、プルエッツ氏らはセネガル当局の立ち合いのもと、死体を土に埋めた。

 残されたチンパンジーたちは互いを慰め合っているようだったが、同時に何が起こったのかを理解するのに苦しんでいるようにも思われた。墓の方からは、おびえたような鳴き声が夜通し響いてきた。

「彼らは、死体にひどくおびえていました。死という概念に欠け、それがもたらす終わりというものを理解できずにいたのです」と、プルエッツ氏は語る。

 この悲惨な出来事を数年かけて分析したプルエッツ氏は、ようやく発表することができて、肩の荷が下りたという。しかし、若い雄のチンパンジーたちの反乱は今なお続いている。これからも、フォウドウコのように追放されたり、犠牲となるチンパンジーが出てくることだろう。

「やはりママドウも追い出されてしまいました。デビッドは今でもボスですが、何度か襲われています。時々ふと、ママドウがまだ群れの外で元気にしているのではないかと思うことがあります。もしそうであれば、彼はフォウドウコよりもずっと利口なのかもしれません」。

文=Michael Greshko/訳=ルーバー荒井ハンナ
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/476.html


2. 中川隆[-12146] koaQ7Jey 2023年11月25日 10:54:04 : 1GNPiLDvF6 : MEVlYTFtS2NUeWs=[7] 報告
<■67行くらい→右の▽クリックで次のコメントにジャンプ可>
雑記帳
2023年11月25日

伊谷原一、三砂ちづる『ヒトはどこからきたのか サバンナと森の類人猿から』
https://sicambre.seesaa.net/article/202311article_25.html

https://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%8D%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B%E2%94%80%E2%94%80%E3%82%B5%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%8A%E3%81%A8%E6%A3%AE%E3%81%AE%E9%A1%9E%E4%BA%BA%E7%8C%BF%E3%81%8B%E3%82%89-%E4%BC%8A%E8%B0%B7-%E5%8E%9F%E4%B8%80/dp/4750517860

 亜紀書房より2023年3月に刊行されました。電子書籍での購入です。本書は著者2人の対談形式になっており、おもに三砂ちづる氏が伊谷原一氏に質問し、対談が進行しています。まず指摘されているのが、人類は森林から開けたサバンナに進出して誕生した、との見解には確たる証拠がないことです。ヒト上科の化石は、人類でも非人類でも、まだ熱帯多雨林から発見されておらず、乾燥帯から発見されている、というわけです。もちろん、熱帯多雨林では土壌の湿度の高さによる微生物の活発な活動のため、骨はすぐに分解される、とは以前から指摘されています。ただ本書は、現時点での化石証拠から、ヒトと非ヒト類人猿の共通祖先が乾燥帯もしくは森と乾燥帯の境界で生息しており、ヒトの祖先が乾燥帯に残った一方で、非ヒト類人猿は森に入り込んだのかもしれない、と指摘します。

 ヒトの祖先が乾燥帯に留まれた理由としては肉食が挙げられており、現生チンパンジー(Pan troglodytes)にも見られる肉食は、共通祖先に由来する行動だったかもしれない、と本書は推測します。アフリカの非ヒト現生類人猿(チンパンジー属とゴリラ属)の移動形態は、四足歩行時にはナックル歩行(ナックルウォーク)で、それは祖先が二足歩行していたからではないか、と本書は指摘します。その傍証として本書は、チンパンジー属のボノボ(Pan paniscus)が上手に二足歩行することを挙げています。現生チンパンジー属やゴリラ属の祖先はかつて二足歩行で、その後で森に戻ったさいにナックル歩行になったのではないか、というわけです。

 本書は京都大学の霊長類学を中心とした日本の霊長類研究史にもなっており、行動学や生態学を基本とする欧米の動物学に対して、日本の動物学は動物に社会があるとの前提から始まっていて、日本の霊長類研究もそれを継承し、「社会学」になっている、と違いを指摘します。霊長類には安定した集団構造があり、「社会」も存在する、との日本人研究者の主張はやがて世界的に認められるようになっていきますが、チンパンジーの集団を「単位集団(unit group)」と命名したのは西田利貞氏です。本書によると、欧米の研究者が同じ意味で「community」を用いるのは、「黄色いサル」である日本人による名称は使いたくないからとのことですが、この指摘はとりあえず参考情報に留めておきます。

 家族については、今西錦司氏はその条件として、(1)近親相姦の禁忌、(2)外婚制、(3)分業、(4)近隣関係を挙げ、伊谷純一郎氏はそれに、(5)配偶関係の独占の確立、(6)どちらの性によってその集団が継承されていくこと、を追加しました。非ヒト霊長類でこれら全ての条件を満たす分類群は存在しません。本書は今西錦司氏について、悪く言えば「広く浅い」人で、その学説は現在では否定されているものの、直感は素晴らしく、若い研究者に大きな刺激と示唆を与えた、と評価しています。

 チンパンジーの繁殖について興味深いのは、集団にいないか、雄と雌で分けられて育てられると、集団に入れられても繁殖を行なわない、ということです。ただ、雄の場合は精液を床に落とし、雌の場合は性皮が腫れることもあるので、性的欲求自体はあるようです。しかし、適切な時期に周囲の繁殖行動を見て学習しいないと、繁殖行動のやり方が分からないのではないか、と本書は推測します。これはゴリラも同様で、大型霊長類以外の動物では、飼育下で放置していても繁殖行動を示すそうです。


参考文献:
伊谷原一、三砂ちづる(2023) 『ヒトはどこからきたのか サバンナと森の類人猿から』(亜紀書房)

https://sicambre.seesaa.net/article/202311article_25.html

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