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コラム:キプロスの預金課税が正しい理由----(ロイター)(転載者注:それはタックスヘイブンを巡る争いか?)
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/399.html
投稿者 ミスター第二分類 日時 2013 年 3 月 20 日 09:47:13: syFUAx3Wc1pTw
 

コラム:キプロスの預金課税が正しい理由----(ロイター)(転載者注:それはタックスヘイブンを巡る争いか?)

出典 http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE92I05G20130319

By Peter Gumbel

欧州連合(EU)がまとめたキプロス支援案に対する反応は、当初の「ショック」が落ち着き、ありきたりとも言える「非難」に変わった。

英フィナンシャル・タイムズ(FT)紙は論説で「欧州が支援策でまた失敗」の見出しを掲げたほか、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストを務める米経済学者ポール・クルーグマン氏は、「まるでギリシャ語やイタリア語で『預金を下ろしておこう』と書かれたネオンサインを掲げているようだ」とブログに綴った。

広く報道されているように、今回の支援策には重要な増税要素がある。キプロスに銀行口座を持つ人は、キプロス人であろうとなかろうと、預金に1回限り最大約10%の税金が課されるというものだ。徴収税額は58億ユーロ(約7200億円)に上るとみられる。

欧州全土で銀行の取り付け騒ぎが起こるという物騒なシナリオもあり得なくはないが、EU当局者がキプロスへの措置は例外的だと強調したことで、欧州の市場は18日午後までに落ち着きを取り戻した。

EUがこうした措置に踏み切ったのには、やむにやまれぬ事情が2つある。1つは、キプロスが1990年代にロシア人にとってのオフショア金融センターとして生まれ変わり、不透明なタックスヘイブン(租税回避地)の世界リストで上位に入っていたことが挙げられる。国際的な圧力が増す中、キプロスは2004年にEUに加盟するため、オフショア課税の枠組みを廃止したが、同国の銀行への疑念はぬぐえていない。

独シュピーゲル誌によれば、ドイツの外事情報当局は昨年11月、EUのキプロス救済基金はロシアの富豪の懐を潤すだけにすぎないと警告した。同情報当局は、キプロスの銀行にあるロシアマネーを260億ドル(訂正)と試算しており、これは今回のEU支援策のたっぷり2倍以上にあたる金額だ。ロシアの富豪ドミトリー・リボロフレフ氏は、国内最大手キプロス銀行の株式約10%を保有している。キプロスは、国際水準を満たすと約束しながらも潔白とはみなされていない国の1つとして、経済協力開発機構(OECD)のリストでは「グレー」な国家とされている。

このような状況で、厳しい条件なしにキプロスに国内総生産(GDP)の半分以上に当たる支援の小切手を切ることは、政治的な矛盾を生む。フランスとドイツは長年、タックスヘイブンの危険性を非難しており、不正を取り締まるため、G8やG20などの場でも他国に協力を呼び掛けてきた。キプロス国民自身に痛みを求めないとなると、独仏のこれまでの厳しい態度とは矛盾が生じることになる。

人気のあるタックスヘイブンでさえ100%安全ではないと示した点で、EUは国際金融全体にとって良い仕事をしたと言えるかもしれない。

今回のEUの支援策を支持する第2の理由は、モラルの観点というより経済的な打撃といった観点だ。2008年当時のアイルランド人やスペイン人、ギリシャ人に尋ねてみればいい。1回限りの家計への非常に厳しい影響か、5年にわたる経済低迷のどちらがいいかと。はっきり答えられる人は少ないだろう。

こんな選択は誰もしたくないし、キプロス国民には選択肢が与えられているわけでもない。しかし、こうした短期型の厳しいショック療法には前例がある。アイスランドだ。

アイスランドでは2008年、銀行が経営破たんに陥り、オンライン口座にあった英国人やオランダ人の預金も消滅してしまった。アイルランドやギリシャとは違い、アイスランドは政府の資金を投入して銀行を救済する道を選ばなかった。

同国のグリムソン大統領は、フランスのインターネット新聞とのインタビューで「われわれは今回の危機が、単なる経済や金融に関するものではないことに気づいた。これは政治、民主主義、そして法律に関わる根深い危機なのだ」と語った。アイスランドでは、銀行の従業員や政治家が犯罪捜査の対象となったほか、なぜそもそも国家がこうした状況に陥ったのかを調査する特別検察官を設置することなどを含め、多くの法的措置が行われた。

アイスランドの約3倍の人口を抱えるキプロスだが、銀行預金に関する騒ぎが一旦落ちつけば、国民はアイスランド国民と同じように、なぜ危機が起きたのかをつぶさに調べようとするかもしれない。

キプロス国民にとっての大きな問題は、なぜ銀行はロシアなどからGDPを軽く超える資金を引きつけておきながら、国全体を窮地に追いやるほどの状態になってしまったのかということだ。おそらく教訓は、タックスヘイブンであることに大した価値はないということだろう。そしてキプロスの場合にもこれが当てはまるのなら、EUの措置はこうしたことに気づかせた点で極めて有益だと言えるだろう。

*6段落目の260億ユーロを260億ドルに訂正します。

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[コメント]
 これは単にタックス・ヘイブンの問題とは言えないでしょう。
 マスコミは表立って報道してはいませんが、キプロスの銀行は某国のシャドー・バンキング、
 ヘッジ・ファンド筋と同じで、金融分野での国家工作機関と化している疑いが濃厚です。

 某国の場合は民間という形態をとっていますが、これほど露骨に支配していると
 EUが騒ぎだすのは当然でしょう。
 またキプロスの銀行がどのような「投資行為」をしていたのかも気になることです。
 「買占め」や「相場操縦」もどきのことをやっていないという保証はどこにもありません。


>>EUのキプロス救済基金はロシアの富豪の懐を潤すだけにすぎないと警告した。
>>同情報当局は、キプロスの銀行にあるロシアマネーを260億ドルと試算・・・
>>今回のEU支援策のたっぷり2倍以上にあたる金額だ。

>>ロシアの富豪ドミトリー・リボロフレフ氏は、国内最大手キプロス銀行の株式約10%を保有している。


>>キプロスは、国際水準を満たすと約束しながらも潔白とはみなされていない国の1つとして、
>>経済協力開発機構(OECD)のリストでは「グレー」な国家とされている。


>>・・・キプロスに国内総生産(GDP)の半分以上に当たる支援の小切手を切ることは、政治的な矛盾を生む。
>>フランスとドイツは長年、タックスヘイブンの危険性を非難しており、不正を取り締まるため、
>>G8やG20などの場でも他国に協力を呼び掛けてきた。キプロス国民自身に痛みを求めないとなると、
>>独仏のこれまでの厳しい態度とは矛盾が生じることになる。

 EUのマーケットで散々に問題を起こしてきたと思われるロシア・マネーを扱う銀行の破綻・救済のために、
 破綻したキプロスを救済することは、問題を起こしたロシアをEUのカネで救済することになると言うことです。  

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コメント
 
01. 2013年3月20日 10:42:27 : xEBOc6ttRg
本来、債務超過した銀行を救済する必要はないので
アイスランド同様、デフォルトさせ、債務と債権の差額を預金残高に応じて返還すればよく
決済機能や国内の産業融資に関しては、新銀行を設立して継承すればいい

預金保険があれば、少額の預金は戻ってくるし、預金が消えて生活が困窮する者には生活保護などで救うのが妥当


TAX HAVENでも油断はできず、海外に資産を移せば安心というわけでもないというのは

ロシアや闇社会に限らず、税を誤魔化すことばかり考えている身勝手な世界の一般富裕層にとっても良い教訓になる


02. 2013年3月20日 11:09:08 : bHrzMg6C7n
ロシアが邪魔してシリアへの介入が上手く行かないので、ちょっと脅かしてみたんじゃなかろうか。

03. 2013年3月20日 15:11:03 : xEBOc6ttRg
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五里霧中のキプロス情勢
2013/03/20 (水) 11:25


 キプロスの議会が19日、預金課税を否決したと報じられています。

 何でも、小額預金者への課税は免除されるように修正されたのに、それでも反対36票、棄権19票‥賛成は1票もなく、反対多数で否決されたのだ、と。

 まあ、これで国民は少し安心しているでしょう。

 しかし‥

 その一方で、キプロス側が預金課税を否定したままで何の対案も示さないとすれば、外部からの資金支援を仰ぐことができず‥そうなれば、キプロスの銀行は破綻してしまうのです。

 但し、今のことろは銀行の営業を21日まで停止しているので預金の払い戻しに応じなくて済み、かろうじて破綻を免れているのです。

 だったら、このまま銀行の営業を停止したままにしておけば、銀行は破綻することはないとも言える訳ですが‥その一方で、国民や企業は必要な資金を銀行から引き出すことができないので、経済が麻痺してしまうのです。

 では、一体、どうやって事態を打開するのか?

 考えられる手段としては、キプロスが代案を示す。つまり、相当規模の財源を自ら捻出する。

 でも、どんなことが考えられるのでしょう?観光地を担保にでも入れる?

 もし、有力な代案がないとなれば、取り敢えず支援の前提条件を緩和してもらうしかなく、そのためには代表格のドイツを説得する必要があるのです。

 いずれにしても、キプロスの経済規模がユーロ圏全体の0.2%程度しかないので、EUやIMFの関係者は高を括っていたのではないのでしょうか?

 そして、また、キプロスはシアの企業や富裕層の預金を大量に受け入れていて、しかも、それがマネーロンダリングの疑いが濃いからということで、キプロスを差別的な目でみていたことが、今回こうして混迷を深める原因になっているのではないでしょうか?

 預金課税が否決されて国民はほっとしているでしょうが‥しかし、だからと言って事態は全然改善していないのです。

 それどころか、本当に銀行が破綻して、経済活動が麻痺してしまう可能性が大きくなっているのです。

 こうなったら、潰れるべき銀行は一旦潰した上で、しかし、同時に受け皿の銀行を設立して、預金債権などを引き継ぐ方式を考えるべかもしれません。

 そうして、銀行が潰れてしまえば、預金者たちもある程度の負担を受け入れざるを得ないと思う訳ですから。

以上


 


キプロス議会銀行預金課税法案を否決 
  高野やすのり
2013/03/20 (水) 14:43


昨日の海外時間には、キプロス救済策の条件となった銀行預金課税法案を巡る混乱でユーロが売られ、リスク回避の動きが強まったことからドル円も弱含みました。結局キプロス議会は銀行預金課税法案を否決しましたが、すでにユーロは売られていたため、影響は限定的なものでした。

欧州時間序盤、キプロス国防相が「議会は本日銀行預金課税法案を採決しない見通し」と述べたことからユーロ売りが強まって、ユーロドルは1.2910台まで、ユーロ円は123.10円台まで、ドル円も95.20円台まで下落しました。その後NYダウ先物や欧州株が反発したことからユーロも買戻しが優勢となって、ユーロドルは1.2960付近まで、ユーロ円は123.70円付近まで、ドル円も95.50円付近まで反発しました。

NY時間にはいって、キプロス中銀が「もし銀行預金削減関連法案が通過しなければ、キプロスはユーロ
を離脱するだろう」と述べたことなどからユーロ売りが強まってユーロドルは1.2910台まで、ユーロ円は122.80円台まで、ドル円も95.00円付近まで下落しました。さらに「キプロス財務相辞職願を提出」と報じられたことから各国株価が下落し、米長期金利が低下するなどリスク回避の動きが強まってユーロドルは1.2840台まで、ユーロ円は121.80円台まで、ドル円は94.70円台まで下落幅を拡大しました。

その後キプロス財務相が辞任報道を否決したことからややユーロが買い戻される場面がありましたが、キプロス議会が銀行預金課税法案を否決した、と報じられたことで再びユーロ売りが強まりました。しかし法案否決はすでに広く予想されていたことからすぐに買戻しが強まってユーロは下げ幅を縮小しました。

NY時間終盤に「ECBは既存ルールの範囲内で、キプロスに流動性を供給へ」と報じられたことからユーロが急騰しユーロドルは1.2920台まで、ユーロ円は122.70円台まで上昇しました。しかし新な対策ではないことからその効果に疑問がある、との見方が広がってユーロはすぐに上げ幅を縮小しました。

今日の海外時間には英・2月雇用統計の発表があるほか、英中銀金融政策委員会(MPC)議事録の公表、ファンロンパイ・EU大統領の講演が予定されています。またFOMCが開催され、政策金利が発表されます。政策金利は据え置かれる見通しですが、発表される声明やバーナンキ議長の記者会見で早期の資産買入れ規模縮小を示唆するかが注目されます。


 

 
欧州は新たなキプロス救済策を検討へ−銀行預金課税案否決で 

  3月20日(ブルームバーグ):欧州当局者らはキプロスに対し、救済と引き換えにどの程度の負担を強いるかを検討する必要がある。同国議会は融資条件に挙げられている銀行預金課税を実施する法案を否決し、欧州が提示した救済案は宙に浮いた格好となった。
ルクセンブルクのフリーデン財務相はユーロ圏17カ国の財務相らに、「できるだけ早急に」会議を再開して新たな救済策をまとめるよう呼び掛けた。欧州中央銀行(ECB)もキプロスに一段の時間的猶予を与えるか、同国の銀行への流動性供給停止を検討するかどうかを決めざるを得なくなる。
フリーデン財務相は19日の電話インタビューで、「キプロスとユーロ圏のどちらにとっても良い結果ではなく、共に代替案を探る必要がある」と指摘。採決結果について、「非常に悲しいニュースだ」と述べたものの、キプロス議会の決定は尊重されるべきだとの認識を示した。
キプロスでは、銀行預金への課税という形で預金者に救済資金の一部負担を強いる欧州の計画に対し、反発が広がっていた。
フリーデン財務相は「現時点で重要なのは、ユーロ圏の安定を確保するためにあらゆる必要な措置を講じることだ」と述べた。
銀行休業
ECBと国際通貨基金(IMF)、欧州委員会で構成するトロイカの当局者はキプロスで、一段の資本規制や銀行休業を週末まで延長する可能性について協議している。事情に詳しい欧州当局者1人が、協議が機密扱いであることを理由に匿名で語った。
キプロスの国内総生産(GDP)はユーロ圏全体の0.5%にも満たないが、銀行預金課税をめぐる混乱が新たな金融危機を引き起こす恐れがある。
キプロス議会は銀行預金課税を実施する法案を否決。36人が反対、19人が棄権した。賛成はゼロだった。この結果を受けて、議会の外ではデモ隊から歓声が上がった。欧州当局者らは先週末、キプロスに対する100億ユーロ(約1兆2000億円)の救済融資の条件として、銀行預金課税を通じた58億ユーロの捻出を求めた。
独財務相は「遺憾」表明
ドイツのショイブレ財務相は声明で、今回の採決結果について「遺憾だ」とした上で、キプロスは「特殊なケース」であり、他の地域の預金に関する前例にはならないと指摘。「この日のキプロスの決定が域内の他の地域に負の影響を及ぼさないようにするため、適切な予防措置を講じている」と説明した。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)による提案は「なお有効だ」とも述べた。
ユーログループ議長を務めるオランダのダイセルブルーム財務相はテキストメッセージで、ユーログループは「キプロスの改革の取り組みを支援する用意を整えている」と表明した。
キプロスのアナスタシアディス大統領はニコシア時間20日午前9時(日本時間同日午後4時)に各政党の党首と会談する。大統領府が議会採決前に明らかにした。
原題:Europe Weighs Cyprus’s Fate After Lawmakers Reject BailoutDeal(抜粋) 


04. 2013年3月21日 16:58:53 : 5FidTbXBPE

 

ロシアが外貨準備のユーロ比率見直しか、キプロス救済めぐる混乱で
2013年 03月 21日 16:04 JST 

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[モスクワ 21日 ロイター] ロシアのメドベージェフ首相は、ユーロ圏のキプロス救済をめぐる混乱を受け、ロシア中銀の外貨準備におけるユーロの比率を見直す可能性を示唆した。インタファクス通信が21日伝えた。

首相は、キプロス情勢がロシアの外貨準備に占めるユーロの割合を減らす理由か、との問いに対し「楽観的は返答をしたいが、それが見直しの理由だと言わさざるを得ない」と答えた。

世界第4位の規模を誇るロシアの外貨準備におけるユーロの比率は今年1月1日時点で42%だった。

首相は、キプロスの銀行預金に課税する案は「予測不可能だっただけでなく、何らかの不備がある証拠でもある」と指摘。

「もしキプロスで可能ならば、なぜスペインやイタリア、あるいは財政問題を抱える他の国でやらないのか。キプロスでは明日から預金の差し押さえが始まる。これが(外貨準備におけるユーロの比率)見直しを始める理由だ」と述べた。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92K04920130321

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ババ抜きゲームになっているキプロス問題
2013/03/21 (木) 13:26


 何故キプロスが問題なのか?

 ひょっとしたら、状況がイマイチ分かっていない人がいるかもしれません。

 そもそもキプロスって?という人もいるでしょう。

 愛と美の女神アフロディーテ(ヴィーナス)誕生の地として知られるキプロス。地中海に浮かぶ島国なのです。人口は100万人弱。

 だったら、仮にそのような国の経済が立ちいかなくなったとしても、ユーロ圏全体に与える影響は小さいだろうし、ましてや世界に与える影響も微々たるもの、と思いたいところなのですが‥だからと言ってバカにできない面があるのです。

 もし、このキプロスがデフォルトを起こしてユーロ圏を離脱することにでもなれば、またぞろユーロ崩壊のシナリオが動きだし‥そうなるとまたしても超円高が襲うことが懸念されるのです。

 では、何故キプロスが今危機に陥っているのか?

 実は、キプロスの産業の特徴は‥

 「観光業が主なのでしょ? 綺麗な海だし‥」

 もちろん、それもあるのですが‥それ以上に金融セクターが大きな比重を占めているのです。

 「アイスランドみたいな?」

 そういうことなのです。何しろキプロスの銀行が保有する資産は、GDPの8倍にも上るというのですから。

 それだけ金融部門が大きいと、バブルが弾けるなどしなければガンガンお金を稼いでくれる訳ですが‥逆に、バブルが弾けると、それが裏目に出てしまう、と。

 少しずつ状況が分かってきたかと思うのですが‥いずれにしても金融セクターの占める割合が余りにも大きくなり過ぎると‥仮に、民間銀行の経営が危うくなった時に、政府の力だけではとても支えることができなくなってしまうのです。

 だってGDPの8倍もある資産を民間銀行が保有し、そして、その資産の大半が不良債権化する訳ですから。

 日本に置き換えてみると、日本の民間銀行が500×8=4000兆円の資産を保有し、そして、その保有する資産の例えば半分が貸し倒れ処理されると、2000兆円が損失となり‥

 その2000兆円を政府が穴埋めをすることなど、不可能でしょ?

 では、何故キプロスの銀行がそのように多額の損失を被っているかと言えば‥

 ギリシャの債務をチャラにして上げたことがあったでしょ?ギリシャを救済するために。だって、ギリシャには支払うお金がないからです。

 つまり、キプロスの銀行は、ロシアの富裕層を含む内外の預金者から集めたお金でギリシャの国債を購入していたが、その大半の債権がチャラにさせられてしまった、と。

 言ってみれば、ギリシャを救うためにキプロスの銀行が犠牲になった訳で、こんなことになるのであれば、結局ギリシャ支援は何だったのかということになるのです。

 いずれにしても、今度はこうしてキプロスの銀行が危機的状態に陥ってしまったので、誰かがそれを救う必要があるのです。

 ギリシャの債務問題を処理する際に、このような副次的な問題が発生することは分かっていた筈。しかし、ギリシャの問題に関心が集まっている間は、キプロスのことなんか心配する余裕はなかった、と。先ずは、ギリシャをどうにかして‥そして、その後キプロスの問題が顕在化したら、その時にキプロスのことは考える、と。

 結局、欧州の政治家たちのやっていることは、その程度のことであるのです。

 ただ、それでも、あくまでも自分たちの責任と自分たちのお金で、そうした処理の仕方を選択しているというのであれば、外部の者が何かを言う必要もない。

 しかし‥

 欧州のリーダーたちのやっていることは、世界のための存在するIMFを巻き添えにして‥つまり、本来、自分たちだけで処理すべき問題なのに‥大きな負担をIMFに押し付けた上で、その場しのぎの処理というか、ババ抜きゲームを続けているだけなのです。

 だから、日本人としては怒りたくなるでしょ?

 では、このババ抜きゲームは、今後どうなるのか?

 つまり、誰に負担が押し付けられるのか?

 キプロスの議会は、キプロスの銀行の預金者にババが押し付けられることを拒否した訳です。

 但し、もちろんこのままでは外部からの資金支援を得ることができずに、キプロスの銀行は破綻してしまいます。

 いつ破綻するかと言えば、今度銀行の営業を再開した日に破綻するだろう、と。

 では、いつ営業を再開するのか?

 キプロスは、21日、22日も銀行の営業を休みにすると決定したのだ、とか。

 だったら、25日の月曜日に営業が再開されるのか?

 但し、25日は、元々銀行の休業日になっていて‥そういうことで26日の火曜日に営業が再開され‥つま、26日がXデーになりそうだというのです。

 ですから、時間が若干あると言えばある。しかし、余りにも関係者が多く‥そして、代案をまとめるためには余りにも時間が少なすぎるとも言える。

 それに、よりによってこんな危機的な状況において、中心的役割を果たすべきIMFのラガルド専務理事の自宅が家宅捜査されたのだ、とか。

 信じられます?

 「国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事がフランスの経済財政相時代に職権乱用にかかわった疑いがあるとして、仏捜査当局は20日、同氏のパリの自宅を捜索した。ラガルド氏の弁護士は仏AFP通信に「ラガルド氏は何も隠していない」と疑惑を否定した。
 疑惑の発端は、サルコジ前大統領に近い実業家ベルナール・タピ氏によるアディダス株売却。手続きに携わった当時の国営銀行クレディ・リヨネの誤った対応で同氏は自己破産に追い込まれたとして係争を起こした。タピ氏は2008年に巨額の賠償金を得たが、係争の調停にラガルド氏が介入し、タピ氏に便宜を図った疑いが持たれている。」(日経電子版)

 これだけでは分かりにくいかもしれませんが、要するに、タピ氏はサルコジ大統領を支持していたことから、ラガルド財務相の助けを得て、クレディ・リヨネとのもめ事を裁判ではなく調停によって解決することができ、しかも、その際勝ち取った賠償金(約4億ユーロ)が相場よりも相当高いものであったと疑われているのです。

 いずれにしても、ラガルド氏の自宅に警察が乗り込んだ、と。

 何か似たようなことを思い出しますね。まだ、数年ほどしか経っていないのです。

 思い出しましたか?

 そうです、ラガルド氏の前任のストロス・カーン氏も、強姦容疑で、飛行機に搭乗した直後に機内で逮捕され‥結局、彼は釈放はされたものの、IMFの専務理事のポストを離れなければいけなくなってしまったのです。

 彼はフランスの出身。そして、このラガルド氏もフランスの出身。そして、ともに政治家。

 このような人たちを、そもそもIMFのトップの据えること自体が適切なのかどうか?

以上
http://www.gci-klug.jp/ogasawara/2013/03/21/018605.php

焦点:ECB、キプロスに対する緊急流動性支援を断つ構え
2013年 03月 21日 13:51 JST  
 
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[フランクフルト 20日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)はキプロスに対する緊急流動性支援を断つことも辞さない構えだ。キプロスは19日、100億ユーロ(129億ドル)の支援策を受けるための預金課税法案を否決した。

支援はキプロスの銀行に対する資本注入に大半が費やされることになっており、ECBはこの支援がなければキプロスには支払い能力がなくなるとし、中銀の支援を受けるためには銀行に支払い能力があることが必要、との立場を明確化した。

この資金供給が閉ざされれば、キプロスは泥沼にはまり込むことになる。

他のユーロ圏諸国に対しては、ECBは国債買い入れや無制限の流動性供給を行う構えがあり、危機の波及を食い止めるための政策手段を揃えている。ただし、ドイツの抵抗で、ドラギECB総裁が新たな政策手段を生み出す可能性が制限されているという側面もある。

ECB理事会メンバーのバイトマン独連銀総裁は、ECBの国債買い入れ計画について、政府への財政ファイナンスに等しいとして反対したが、ECBが1年前に実施した長期流動性供給オペ(LTRO)などの措置は基本的に受け入れている。

この状況を踏まえ、ECBは恐らく新たな危機対応手段を考え出す必要性はなく、既存の措置を講じる前に、銀行預金者の不安を取り除くために各国政府と協力することになるだろう。

米債券運用会社パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)のシニア・ポートフォリオ・マネジャー、アンドリュー・ボソムワース氏は「波及のリスクとは、他国での取り付け騒ぎだ」と指摘。「預金保護は侵害されないものだとしたコミットメントなど、ECBや政府による口先介入は助けになるだろう」と述べた。

ドラギ総裁は昨年7月、ユーロ存続のため、ECBが責務の範囲内で必要なあらゆる措置を取ると発言、一定の条件を満たした場合の国債買い入れ計画を発表することでその約束を裏付けた。現時点で預金者の不安を取り除く発言を行うのであれば、ユーロ圏の金融システムが円滑に回っていると確信させるための取り組みも伴う必要がある。

<ECBは線引きを明確化>

19日遅くに発表した声明で、ECBは既存の規定の範囲内で必要な流動性を供給する構えがあるとの立場を明確化した。

預金者の不安を取り除きたいドラギ総裁を代弁するように、ECBのアスムセン専務理事は、ユーロ圏には他にキプロスのような銀行セクターを持つ国はない、と述べた。

ドイツ銀行のエコノミスト、ギレス・モエック氏は、ECBの流動性供給に対するコミットメントに加え、キプロスの銀行セクターの問題が同国特有のものだというアスムセン専務理事の発言は、ECBが他のユーロ圏の健全な銀行なら支援する構えがあることを示している、と指摘。同時に、支払い能力のない銀行には資金供給できないことを確認しているようなものだともしている。

国債利回りを急上昇させる最悪のシナリオとして、ユーロ圏他国の銀行顧客に不安が広がることが挙げられるが、これまでのところその兆候はない。

国債利回りの急上昇に備え、ECBは新たな国債買い入れプログラム(OMT)を利用できるが、発動の条件には当該国が改革や緊縮措置といった支援策にまず合意しなければならない。

モエック氏はOMTが基本的には有効な手段としてあるとしても、キプロスをめぐる情勢は、OMTの発動が実際は想定以上に難しいことを確認させるものかもしれないと指摘した。

<明確な境界線>

ECBは「既存の規定の範囲内で」流動性を供給する構えがあると強調しており、そのスタンスは揺るがない。ECBはキプロスのために柔軟な対応をするつもりはないというわけだ。

20日の理事会会合でアスムセン専務理事はキプロスに支援策に合意するよう迫った。「支払い能力のある銀行にだけ緊急の流動性供給ができる。支援プログラムがすぐに受け入れられなければ、キプロスの銀行の支払い能力について確かめることはできない」と述べた。

ECBオペの担保としてキプロス国債は不適格となっているため、キプロス中銀は緊急流動性支援(ELA)の枠組みを通じて国内行に資金を供給している。

これら緊急的な融資は比較的容易に受けられるものの、ECBの理事会がELAの実施を許可することになっている。2週間ごとに見直され、供給を断つにはメンバーの3分の2の賛成が必要。

ベレンベルグ銀行のホルガー・シュミーディング氏は「もし本当に必要であれば、キプロスよりも大きな国が現在の支援条件を拒否することを促すような状況になるぐらいに条件を緩和することよりも、ユーロ圏は小国のキプロスを見放し、その損失拡大を防ぐことに注力することを選ぶだろう」と述べた。

(Paul Carrel記者;翻訳 青山敦子;編集 佐々木美和)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92K03720130321?sp=true


キプロスの銀行が貢献するなら救済に道-メルケル独首相が示唆

  3月20日(ブルームバーグ):キプロスの銀行が同国の救済に貢献するならば、ユーロ圏諸国も支援しキプロスを域内にとどめることにやぶさかではない−。ドイツのメルケル首相がこのように示唆した。キプロス議会は19日に銀行預金課税法案を否決している。
メルケル首相は独議員らへの説明後にベルリンで記者団に、キプロス議会の採決結果は「遺憾」だが、キプロスの決定を「尊重する」と語った。しかしながら、キプロス金融支援の必要額170億ユーロ(約2兆1000億円)は同国の国内総生産(GDP)にほぼ匹敵し、そのような規模の救済は前例がないとメルケル首相は指摘。
「従って、キプロスの債務を持続可能にするために銀行が貢献することが必須だというのがわれわれの意見だ」と述べた。その上で、「キプロスはユーロ圏内のわれわれのパートナーであり、われわれは共に解決策を見つけなければならない」と付け加えた。
170億ユーロの必要資金のうち58億ユーロを銀行預金課税によって捻出させようとしたユーロ圏の戦略が失敗に終わり、政策当局はどこまでキプロスに圧力をかけるべきかを模索している。19日に欧州中央銀行(ECB)がキプロスの銀行への流動性供給を続けると表明したことを受けて、20日の株式相場とユーロは反発している。
次の段階としてはキプロス側が、欧州連合(EU)欧州委員会とECB、国際通貨基金(IMF)のいわゆるトロイカに対して提案を行うべきだとメルケル首相は述べた。
「しかしながら、キプロスが持続可能な銀行セクターを持つことが重要だということは言っておきたい」と首相は強調し、「現時点では銀行セクターは持続可能ではなく、その事業モデルのために膨大な困難にさらされるに至っている。われわれが欧州安定化メカニズム(ESM)からの支援を提供するならば、恒久的な解決を確保することがわれわれの責務だ」と語った。
メルケル首相は「われわれはさらに交渉を続ける。それはつまり、トロイカとわれわれがキプロスの提案を十分に尊重して検討するということだ」と述べ、「もちろん、ドイツも解決を望んでいる」と結んだ。
原題:Merkel Signals Readiness for Cyprus Solution If BanksContribute(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Brian Parkin bparkin@bloomberg.net;ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/20 22:43 JST


http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJYNHZ6JIJVB01.html

キプロスの預金課税法案否決は遺憾、新たな提案見極める=独首相 2013年 03月 20日 22:34 JST
[ベルリン 20日 ロイター] メルケル独首相は20日、キプロス議会が銀行預金課税法案を否決したことに遺憾の意を表明するとともに、欧州諸国はキプロス政府からの新たな提案を待っていると述べた。 記事の全文

キプロス、キプロス・ポピュラー銀行をロシア投資家に売却報道否定 2013年 03月 20日 22:30 JST
[ニコシア 20日 ロイター] キプロス政府は20日、キプロス・ポピュラー銀行をロシアの投資家に売却することで合意したとのギリシャメディアの報道を否定した。 記事の全文


ユーロ上昇、キプロスは債務不履行回避との見方で
2013年 03月 21日 00:35 JST
[ニューヨーク 20日 ロイター] 20日午前中盤のニューヨーク外国為替市場で、ユーロがドルと円に対して上昇した。キプロスが債務不履行(デフォルト)回避に向けて合意するとの見方が一部の投資家に広がり、同国への不安が緩和した。

ただ、キプロスの事態がスペインやイタリアなど域内の財政難国に悪影響を及ぼすリスクや域内の不透明感が残り、ユーロは引き続き売られやすい局面にある。

ドルは円に対して0.5%高の95.59円。日銀の黒田東彦総裁の発言が注目されている。

欧州株式市場=続落、キプロスの支援策否決観測で 2013年3月20日
ユーロ圏金融・債券市場・終盤=独連邦債上昇、キプロス不安で逃避 2013年3月20日
米株市場は続落、キプロス支援策めぐり欧州銀行への不安広がる 2013年3月19日
ユーロ下落、対キプロス支援策めぐる不安で=NY市場 2013年3月19日
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE92J01A20130320


キプロスで尽きた欧州の指導者たちの信用
2013年03月21日(Thu) Financial Times
(2013年3月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


キプロスの首都ニコシアで、手のひらに「No」の文字を書き、金融支援の条件とされた銀行預金への課徴金案に抗議する人々〔AFPBB News〕

 欧州の首脳たちは間違いなく、キプロスの一件で自分たちが大きなリスクを取っていることを認識しているはずだ。

 危険であることは明らかだ。キプロスの銀行にお金を預けている人全員が痛みを強いられることになった今、欧州のほかの国では神経質になっている預金者が、危険な前例が作られたことに気づくかもしれない。

 自分の金融資産が将来「ヘアカット(元本削減)」されるなんてごめんだ、小さなリスクだとしても、そんなものを背負うくらいなら今のうちにお金を引き出しておこう――。

 ギリシャやスペイン、ポルトガル、あるいはイタリアの預金者はそう考えるかもしれない。もしそれが行動に移され始めたら、以前よりすさまじいユーロ危機が欧州を再び襲うことになるだろう。

今回が初めてではないEUの指導者たちの誤算

 キプロスの救済計画を決めた人たちは、伝染のリスクが小さいことを期待している。スペインの銀行は快方に向かっているし、ギリシャも崖っぷちの状態から戻ってきた。キプロスの銀行にはロシアの資金が大量に預けられているから、これはあくまで特異なケースであり、ほかの国の預金者がここから教訓を引き出す理由はない、というわけだ。

 そうかもしれない。しかし、欧州連合(EU)の指導者たちは以前、この種の計算で大きな間違いを犯したことがある。

 彼らは2010年秋にフランスのドーヴィルで首脳会議を行った際、救済される国の国債を保有する投資家はいくらかの損失を被ることになると発表した。その結果、ユーロ危機はひどく悪化した。イタリアやスペインなど、リスクが高そうに見える国への貸し出しに対し、投資家がそれまでよりも大幅に高い金利を要求し始めたのだ。

 では、あれほど苦労してユーロの分裂を回避したのに、欧州の首脳たちはなぜキプロス問題でこんなギャンブルに出たのだろうか? それは彼らもまた、信用――政治的な信用――を使い切ってしまったからだ。

 この信用の不足は、欧州の北部と南部とでは異なる形態を取っている。ドイツ、オランダ、フィンランドといった国々の首脳たちの間には、新たな救済計画を持ち出しても、重いペナルティを科す内容でない限り有権者も議会もとにかく承認しないだろうという意識があった。

 キプロスは小さな島国だから、経済を支えるのに必要な資金も比較的少なくて済む。額にして「わずか」170億ユーロだ。問題は、欧州の北部と南部の間では相手に対する信頼が基本的に不足しており、キプロスではそれが特に明確になるということだ。

北部と南部の相互不信

 金融危機が始まってからずっと、ドイツのメディアは欧州南部の汚職の話であふれている。ドイツの有権者は、自分たちが汗水垂らして稼いだお金が根本的に腐敗している国々を支えるのに使われるという話を信じるよう仕向けられている。

 キプロスは特に大きな問題だ。なぜなら、この国の銀行はロシアの不正な資金の避難先としてよく知られているからだ。キプロス経由で「往復」する資金、すなわちロシアからいったん持ち出された後、再びロシアに戻される資金の額からは、キプロスの銀行業界が猛烈な勢いで資金を洗浄していることがうかがえる。

 10万ユーロを超える預金に税を課すことは、違法なロシアマネーを狙う効果的なやり方であるように思われる。そして、小口の預金者にも課税するという不可解かつ危険な決断は、苦境に陥った欧州南部の「一般市民」に対しても同情の念が尽きてしまったことを示している。

 理屈の上では、ドイツのアンゲラ・メルケル首相をはじめとする欧州の首脳たちは有権者に対し、ここはひとつ歯を食いしばって、負担を求めることなくキプロスを救済しなければならない、そうしなければ欧州各地で銀行取り付け騒ぎが生じかねず、ついには自分たちの国の銀行が破綻してしまうのだと訴えることができたかもしれない。

 だが実際には、理解できないという有権者の怒りの声がさらに強まった可能性が高い。

 キプロスの支配者たちも、ほかの欧州諸国に対する政治的信用をごくわずかしか持ち合わせていなかった。EUには、和平合意が成立しておらず南北に分かれたままの状態でキプロスのEU加盟(2004年)を承認することに、かなり消極的な指導者が多かった。

 ところがギリシャが、キプロスの加盟を認めなければEUの拡大そのものを拒否すると脅しをかけた。ポーランドやチェコ共和国などの加盟を認めない、というわけだ。

 EUの指導者たちはこの恐喝行為に渋々屈した。後味の悪い結果となり、住民投票にかけられたコフィー・アナン国連事務総長(当時)による和平案をギリシャ系キプロスの有権者が否決したことで、その印象は特に強まった。その結果、キプロスが窮地に陥っても、同情されることはあまりなかったのだ。

 だが、それ以上に大きな問題は、欧州の北部と南部の間に残る信頼と政治風土の溝だ。物事がうまく運んでいた危機以前は、公職者の高潔さのレベルが欧州各地で大きく異なり、「果てしなく緊密化する同盟」を目指す組織にとって問題だと言うことは、政治的に不適切であり、外国人嫌いとさえ見なされた。

 ところが今、信頼と政治風土が域内で収束しないことが、少なくとも経済的な収束が進まないことと同じくらい重要であることは明白だ。また確かに、ドイツ、オランダ、スカンジナビア諸国も公職者の汚職という問題を抱えており、南欧全体を怠惰で腐敗した存在として描く風刺は著しく公正さを欠く。

 それでも、ギリシャやイタリアといった国々で脱税が蔓延していることは事実だ。そのせいで、南部を救済するよう北部の有権者を説得することは常に難しかった。

オランダ大使の会合に見る「公金への態度」の違い

 何気ない観察でさえ、公金に対する態度に大きな開きがあることがはっきり分かる。筆者は数年前、世界各地に駐在するオランダ大使が一堂に集まる会合に招待されたことがある。昼食はずらりと並んだサンドイッチとポテトチップスというあまり食欲をそそらないメニューで、しかも立食だった。

 イタリアやギリシャの財政状態はオランダより悪かったものの、こうした国の大使はもっとましなものを食べているだろうと思ったものだ。

 これは取るに足りないエピソードだが、このような文化的な違いは、話がキプロスの銀行に及んだ時に、欧州北部の人々が「もうたくさんだ」と言った理由を説明してくれる。欧州が公職における基準で確かな収束を生み出せなければ、その結果生じる信頼感の不足は最終的に、まずはユーロを破壊し、次にEUそのものを破壊する恐れがある。

By Gideon Rachman
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37401


文明とマネーの十字路キプロス
大国の文化と経済に翻弄された観光大国の物語
2013年03月21日(Thu) 竹野 敏貴
 東地中海に浮かぶ小島キプロスが世界の関心の的となっている。3月16日行われたユーロ圏17か国財務相会談で、財政危機にあえぐキプロス共和国が最大100億ユーロの支援を受ける条件として、銀行預金に課税する、と発表したからである。

 19日夜には、キプロス国会が預金課税案を否決、先行きは不透明だが、銀行預金者にまで負担を強いる前代未聞の政策が提示されたことに、世界は動揺を隠せない。

金融機関の総資産はGDPの3〜5倍とも


アフロディーテ誕生の地、ぺトラ・トゥ・ロミウ海岸
 ギリシャ国債購入の割合が極めて高い銀行の経営が、ギリシャの財政危機のあおりで急速に悪化し、昨年6月、EUなどに支援を要請していたキプロス。

 しかし、当時のディミトリス・フリストフィアス政権はその条件となる国営企業の民営化などの改革を拒み交渉は難航していた。

 ところが、2月の選挙で、緊縮財政に前向きなニコス・アナスタシアディス新大統領へと政権交代があり、国民のそして世界の大きな期待が寄せられるなか行われた交渉での答えがこれだったのである。

 今回、そのほかにも、法人税の引き上げという条件が掲げられているが、この国の法人税率は一律10%とEUで最低。実質的なオフショア金融ビジネスセンターとなっており、金融機関の総資産は国内総生産(GDP)の3倍とも5倍とも言われるいびつな状況にある。

 そしてその2〜3割はロシアの資金。ソ連崩壊の頃からロシアの新興財閥の投資場所となっているのである。マネーロンダリングの場との懸念も拭い切れず、そうしたことを「総合的に」考慮したうえでの政策であるようだ。

 こうした金融ビジネスに次ぐキプロスの基幹産業は観光業。美しいビーチや美味なる食を求め、人口86万人ばかりの小国に、年間その3倍もの観光客がやって来る。

 ただし、鉄道もなく、バス便もよくないから、タクシーかレンタカーで動くことになるのでお金はかかる。とは言え、英語も通じるからあまり苦労はしない。車が左側通行なのも日本人にはありがたい。

 至る所にリゾートホテルが立ち並び、富裕層のための別荘も多いところはタックスヘイブンのカリブ海島嶼国家に似ている。しかし、この島の真の魅力は多くの文化が混在する歴史にある。

 キプロスには「アフロディーテ誕生の地」という売り文句もあるが、これは単なる比喩ではなく、実際に南西部には愛と美の女神アフロディーテが海の泡から生まれたとされる海岸があるのだ。ロマンチックなギリシャ神話の世界を楽しもうと、訪れるハネムーナーも多い。

 そんなキプロス出身の有名人としてテニス選手マルコス・バグダディスとともに名が上がるのがマイケル・カコヤニス監督。アフロディーテも登場するエウリピデスのギリシャ悲劇「エレクトラ」「トロイアの女」「イフゲニア」の映画化作品で知られる。

イスラム勢力との戦闘が絶えないキリスト教国


キプロスには至る所に遺跡がある
 その名を世界的なものとしたのは『その男ゾルバ』(1964)。クレタ島独特の社会像が描きだされ、アカデミー賞3部門を獲得、カコヤニス自身も監督賞にノミネートされた。

 そして、この映画をさらに有名にしたのが音楽。ギリシャの弦楽器ブズーキ特有の音色に彩られたテーマ曲は、ギリシャ旅行をすれば、観光客相手のホテルなどで必ずと言っていいほど耳にするものだ。

 その原作はクレタ島生まれのニコス・カザンザキス。

 ノーベル文学賞候補にもなるような文豪だが、議論を呼ぶ作品も多く、そういった意味での代表作「最後の誘惑」は、1988年にマーティン・スコセッシ監督で映画化された時も、イエスの描き方などが物議をかもし、上映中止運動も起こった。

 映画にはイエスの奇跡として知られる蘇生したラザロの姿もあるが、そのラザロが2度目の死までの30年間、主教として過ごしたとされるのがキプロスで、今もラルナカの地には聖ラザロ教会がある。

 同じく映画に登場するパウロがキリスト教に改宗したのち、広く布教に向かう際、最初に訪れた地もキプロスだった。

 こうして早くからキリスト教が伝えられていたキプロスは、ローマ帝国が分裂してからは東ローマ帝国に属していた。

 しかし、イスラム勢力との戦いはたびたび。地中海の小島という形容がされるこの地だが、地図を見れば一目瞭然、欧州大陸諸国より、トルコ、パレスチナ、エジプトといった地域の方がずっと近いのである。

 12世紀末の第3回十字軍の際、イングランド王(獅子王)リチャードがパレスチナに向かう途中、成り行きでこの地を征服したものの、すぐさまカトリックのフランク人に譲ったこともあった。

 その後、イタリアの都市国家の支配下となり、ウィリアム・シェイクスピアの4大悲劇の1つ「オセロ」の舞台ともなった。このドラマの主人公はトルコとの戦いのためキプロスに赴任していたベネチアの軍人なのである。

民族問題から解放されたギリシャと残ったキプロス


キプロスには壁がある
 そんなベネチアは、レパントの海戦で勝利したものの、前年奪取されたキプロスを取り返すことはできず、以後オスマントルコによる支配が続くことになる。

 19世紀末の帝国主義華やかなりし時代となると、英国も獅子王の時代と違ってキプロスの地政学的価値に注目するようになる。

 エジプトの植民地化をすすめ、スエズ運河ににらみを利かせる意味もあって、露土戦争後のベルリン会議でキプロスの管理権を獲得したのである。

 そして、第1次世界大戦時には併合、1925年にはついに直轄植民地とする。

 オスマン帝国崩壊後結ばれたローザンヌ条約では、本土ではギリシャ人とトルコ人の「住民交換」が行われ、ギリシャに残ったトルコ人はトルコに、トルコに残ったギリシャ人はギリシャへ「帰還」させられた。

 多くの人が故郷を失う措置だったが、ギリシャでは正教徒が大部分を占めるようになり、その後、ほかのバルカン諸国のような少数民族問題からは解放される結果となった。その一方で、英国の植民地キプロス島では、混在する状況が続くのである。

 第2次世界大戦後も英国領であり続けたキプロスでは、ほかの植民地同様、自立への動きが強まっていった。

 テロ行為が活発化する様は英国映画『キプロス脱出作戦』(1965)にも描かれているが、ギリシャへの併合(エノシス)を希望する者が多数を占めながらも、トルコ人までもがテロ行為を繰り返す状況に、現実的な手段として1960年共和国として独立することが選ばれる。

 もちろん、この時も英国は地政学上大切なこの島をただ手放すことはなかった。デケリアとアクロティリの空軍基地を残すことに成功したのである。

 今もその地には英軍が駐留しており、今回預金課税案が発表されると、すぐさま、オズボーン財務相は3000人以上駐留する軍関係者に影響が及ばぬよう配慮すると保証した。

キプロスが背負った文明の十字路としての歴史


マイケル・カコヤニス監督のエウリピデスの映画化「イフゲニア」
 もっとも、ロシア人の次に多い外国人とされるこの地に暮らす一般の英国人に対しては何の保証も確約されていないのだが・・・。

 こうしてキプロス共和国はギリシャ系とトルコ系が混在するまま独立した。役職を一定の割合で分け合うことで均衡を保とうとしたものの、トルコ系への割り当てが多すぎるとの批判が強くなり、1963年にその縮小へと動いたことから状況は一気に悪化。

 現実を見たマカリオス大統領がエノシス放棄へと向かうと、1974年には急進派によるクーデターが発生。それに対してトルコ系住民保護を名目として派兵されたトルコ軍が北キプロスを占領してしまったのである。

 この時のトルコの作戦名は「Operation Attila」。カコヤニス監督はすぐさまキプロスへと飛び、「Attila ‘74」というドキュメンタリーを撮ったが、その視点はどうしてもギリシャ寄り。見る者により評価が極端に割れるものとなっている。

 1983年にはトルコだけが承認する北キプロス・トルコ共和国の建国が宣言され、南北をグリーンラインと呼ばれる緩衝地帯が隔て、武器を持った平和維持軍兵士が警備する日々が続いている。

 結局、本土での住民交換同様、政変の際、トルコ系は北に、ギリシャ系は南へ、と移住が進み、住み分けはそれなりに出来上がってしまった。

 この地の対立はステレオタイプに言えば北のイスラム、南のキプロス正教という宗教によるものだが、古くは5000年前から異文化が数多く通り抜けて行った「文明の十字路」としての長い歴史が作り上げた根は実に深い。

 2004年、キプロスはEU加盟を果たした。現実には分断国家のキプロス共和国だけの加盟である。その際、大きな問題となったのが、この国のタックスヘイブンとも言える状況だった。

 その結果、法人税は2倍以上に引き上げられ、現行の10%となった。2008年にはユーロが導入され、さらに進むであろう南北の経済格差が大きな懸念となった。

 そこには別の面もあった。トルコもEU加盟交渉を開始したことから、そのアキレス腱とも言えるキプロス問題解決へと積極的に動く可能性もあり、再統合への道も見えてきたのである。

 ところが、現実にはEUのスタンダードを全く満たすことができず、遅々として加盟交渉は進んでいない。昨年、期限は2023年だと、レジェップ・エルドアン・トルコ首相の方が発言するまでになってしまっている。

 一方、その後始まった欧州の経済危機を尻目に、トルコ本国の経済成長は堅調だ。ベースが違うとはいえ、今回の事態を見て、トルコは今後をそしてキプロスのことをどう考えるのだろうか。その動向にも注目していきたい。

(本文おわり、次ページ以降は本文で紹介した映画についての紹介。映画の番号は第1回からの通し番号)

(703)その男ゾルバ (704)キリスト最後の誘惑 (705)キプロス脱出作戦
703.その男ゾルバ Zorba the Greek 1964年米国・ギリシャ映画


その男ゾルバ
(監督)マイケル・カコヤニス
(出演)アンソニー・クイン、アラン・ベイツ、イレーネ・パパス
(音楽)ミキス・テオドラキス

 ギリシャ人の血を引く英国の作家バジルは、ギリシャで出逢った音楽家だというゾルバを、クレタ島にある亡父の遺産の炭鉱の現場監督に起用した。

 クレタ島の小村で暮らすようになった2人。ゾルバは宿の女主人と、バジルは世間と没交渉状態にある未亡人と惹かれ合うようになっていく。

 ところが、未亡人に思いを寄せていた少年が自殺してしまい・・・。

 クレタ島出身のニコス・カザンザキスが1946年に発表した小説を、キプロス出身でギリシャで活躍中のカコヤニスが監督した地域の雰囲気が強く伝わってくる文芸作。

 ミキス・テオドラキスのテーマ音楽は今やギリシャ音楽を語るとき欠かせないエバーグリーンとなっている。

704.キリスト最後の誘惑 The last temptation of Christ 1988年米国・カナダ映画


キリスト最後の誘惑
(監督)マーティン・スコセッシ
(出演)ウィレム・デフォー、ハーヴェイ・カイテル、バーバラ・ハーシー
(音楽)ピーター・ガブリエル

 ローマ帝国支配下のパレスチナを舞台に、かつて『偉大な生涯の物語』(1965)『キング・オブ・キングス』(1961)などの映画作品が描いた新約聖書に即したイエスの生涯を、ニコス・カザンザキスの原作をベースとして、イエスの人間としての面をも描いた異色作。

 上映反対デモまで起きた問題作だが、公開後は大ヒットを記録した。

705.キプロス脱出作戦 The high bright sun 1965年英国映画


キプロス脱出作戦
(監督)ラルフ・トーマス
(出演)ダーク・ボガード、ジョージ・チャキリス、スーザン・ストラスバーグ

 1950年代のキプロスでは、マカリオス大司教に導かれた独立運動が激化していた。

 そんなキプロスで諜報活動に明け暮れるマクガイア少佐にとって、恋人ジュノーとの時間が唯一の息抜き。

 ある日、ジュノーは父の旧友の家でキプロスの青年と口論となる。ところが、その青年は独立運動のゲリラの幹部で・・・

英国統治下のキプロスを舞台に、独立運動に揺れる島の姿を描いた珍しい作品だが、あくまでも英国からの視点に終始した娯楽映画となっている。


http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37403

政治家殺すに拳銃は不要、博士論文あればいい
連邦教育大臣の辞任でドイツ政界に激震走る
2013年03月21日(Thu) 川口マーン 惠美
 ドイツで変なことが起こっている。2月9日、連邦教育大臣のシャヴァーン氏が辞任した。彼女が1980年に書いた博士論文が盗作であると指摘され、去年、母校のデュッセルドルフ大学が調査に入っていた。

 そして、大学は2月5日にその結果を発表し、博士号を剥奪したのである。多くの引用を使いながら、参考文献を明示しなかったというのが剥奪の理由である。

論文盗作をめぐる辞任劇は過去にも

 哲学部の学部長が記者会見で、問題の論文について、「体系的に、故意に、不正を論文全体に分散している。自分の力で作り上げなかった思考上の業績を、自分の物であると偽った」と述べた。

 それも、怯えたような顔で、極悪人を裁くような口調で言ったのだ。そのうえ、論文の調査はこれで終了し、外部の第三者に依頼する必要はないとした。

 一方、シャヴァーン氏はこの決定を認めず、司法の裁断に任せるため、大学を訴えるという声明を出した。博士号の有無よりも信用の問題である。シャヴァーン氏はメルケル政府の重鎮で、アンゲラ・メルケル首相とは特に親しい、よき戦友のような仲だった。

 ただ、どんな判決が出るにせよ、裁判は時間がかかる。ところが、9月には総選挙が控えている。盗作容疑で博士号を剥奪された教育大臣を抱えて選挙運動をするのは、メルケル首相の負荷が大きすぎる。そんなわけで、話し合いの結果、9日にシャヴァーン氏の辞任ということになったのである。


辞任記者会見を行うドイツのシャヴァーン教育相〔AFPBB News〕

 辞任の記者会見は感動的だった。メルケル首相によって、シャヴァーン氏に対する称賛と謝辞が述べられた。その言葉は温かく、メルケル首相の悔しさがひしひしと伝わってくるものだった。

 シャヴァーン氏の短いスピーチも、決然としていてよかった。自分の正当さを主張したあと、しかし、政府の重荷になることはできないので辞めると、彼女は手短に語った。すべてが辞任劇ではなく、晴れやかな儀式のように見えた。

 実は2011年2月、当時の国防大臣が、同じく博士論文の盗作が原因で退いた。カール=テオドール・ツー・グッテンベルクだ。

 当時39歳、12世紀まで遡ることのできるやんごとなき家柄の出身で、有能で優雅、国民の間に絶大な人気があった。ついでに言えば、夫人は鉄血宰相ビスマルクのひ孫だ。推定資産は約4億ユーロ(450億円)。マスコミは、彼をしてスーパースターと呼んだ。


メルケル内閣の人気閣僚だったグッテンベルク元国防相〔AFPBB News〕

 しかし、そのスーパースターが2006年に書いたという論文は、確かにいただけない物だったようだ。論文を書いた当時、すでに議員であったグッテンベルク氏は、誰かに代筆させたのではないかと、私は想像しているが、それを言っても始まらない。

 このとき、グッテンベルクの論文が盗作だと言い出したグループは、インターネットをフルに活用して、無断引用の部分を見つけた人が誰でも投稿できるようなページを開設していたので、グッテンベルク攻撃は一時、まるで暇人のゲームのようになった。

 その結果、論文の2割がどこからか引っ張ってきた他人の論文そのままだということが分かった。そして、氏はついに「コピー・アンド・ペースト大臣」と呼ばれるに至り、政治家として再起不能となった。メルケル氏は将来の首相とまで言われた人材を失い、打撃を受けたのであった。

 ただ、盗作は事実だったとしても、この事件には政治的な匂いが濃厚だった。しかも、政敵を追い落とすには、ハニートラップ以外に、博士論文攻撃という方法があるということに、皆が気付いたのである。

博士論文の調査を請け負う会社。メルケル首相も標的に?

 グッテンベルク辞任を仕留めた1カ月後、この博士号狩りのグループは、ヴロニプラグという会社を設立した。顧客の依頼により博士論文を調べる会社だ。

 要するに、盗作だと証明するのが仕事だが、これが途方もなくお金になることが分かったのだろう。今回のシャヴァーン大臣の博士論文を調べて、盗作だと言い出したのも、もちろんこの組織だ。

 ヴロニプラグの創設者、M・ハイディンクスフェルダー氏(47歳)のインタビューを読んだ(ハンブルガー・モルゲンポスト紙、2月11日付)。氏は2004年から12年まで、海賊党の党員であることを隠してSPD(社民党)に所属していたというから、スパイのようなものである(海賊党というのは比較的新しい党で、2011年に若者の浮動票を得て一時的に盛り上がった)。

 それが明るみに出たので、SPDをある日の夜中に突然辞めて、10時間後には海賊党のリストに登場したと、本人がインタビューで語っている。

 実は、氏はつい最近まで、本名を絶対に明かさなかった。グッテンベルク大臣の論文騒ぎのときの記事を読むと、まだ匿名になっている。それが今、凱旋将軍のように姿を現し、40の論文を手掛け、そのうち15が国会議員のものだと豪語している。

 調べる方法は、同社のホームページに書いてあるところによれば、論文をあるソフトに掛けるらしい。すると、75%の盗作が認められる部分、50%の盗作が認められる部分などと、自動的にカラーの見取図となって出てくる。以下はインタビュー記事からの抜粋。

ハンブルガー・モルゲンポスト(以下、H・M):「あなたは、博士論文の盗作を探す仕事で生活しているのか?」

M・ハイディンクスフェルダー(以下、H):「2011年11月からはそうだ。まだオンライン研究者という職もあるが、それは目下のところ休業中」

H・M:「他人の論文を調べさせたければ、あなたに依頼することができるが、その条件は?」

H:「2つの方法がある。金を払って依頼する。あるいは、興味深い物件であること。値段は数百ユーロから始まり、ちゃんと調べる場合は数千ユーロとなる」


メルケル独首相は米経済誌フォーブスが昨年8月に発表した「世界で最も影響力のある女性100人」の第1位に、2年連続で選ばれた〔AFPBB News〕

H・M:「メルケル首相の博士論文に欠陥を見つけたら、報奨金を出すという申し出を受けているという話は本当か?」

H:「本当だ。しかし、それについては話したくない」

H・M:「5ケタの金額?」

H:「ノーコメントだ」

H・M:「しかし、メルケル氏の論文を調べているのではないか?」

H:「下調べは終わっている。しかし、だからといって、それをさらに進める価値があるというわけではない。ところで、大事なことを言っておかなければならないが、私の手掛けている論文は、有名な人々の物だけではない。私はすでに何人もの教授たちを失脚させた。たとえ彼らが、健康上の理由で辞任していたとしても」

 メルケル氏は物理学者だ。彼女の論文は、独自の実験をテーマにしており、コンピューターの手には負えないという話を聞いた。そうでなければ、とっくの昔にやり玉に挙がっているはずだ。

 そのとき、私の脳裏に、シャヴァーン氏の博士号剥奪の発表をした、デュッセルドルフの哲学部の教授の姿が浮かんだ。あの硬直した態度は、あまりにも不自然だった。ひょっとしたら彼も、「あなたの論文も調べたよ」と脅迫されていたのではないだろうか。

博士論文の盗作調査は正義かゆすりか

 引用であるかないかの証明は、多くの場合、難しい。コピー・アンド・ペーストは別として、シャヴァーン氏の論文のように哲学の部門などでは特に難しいだろう。

 自分で考え出したと思ったことを、他の人がすでに記していた。表現が違うだけで、内容は似ているということは大いにありうる。それをコンピューターが自動的に発見し、故意に引用を隠したとされるなら、非難された人間は無実を証明できなくなる。メルケル氏のように、自然科学の分野でない限り、文系の場合はどんなに注意しても、常にその危険に晒されていると言える。

 だから、「あなたの論文を調べた」ではなく、「調べる予定だ」と言われただけで、大学教授たちが怯えるのは分かる。もちろん、政治家にとっても命取りだ。

 ちなみにハイディンクスフェルダーは、「政治家は、他の人よりも高い完璧性を証明しなければいけない。なぜなら、彼らは国民を代表し、彼らの名において、重要なことを決定するからだ」と言う。

 つまり自分のしていることは、お金のためでも、政治的な目的のためでもなく、道徳を正すためだと主張しているのだ。なるほど理屈ではそうだ。しかし私には、彼のエネルギーが、どうしても犯罪的に見えて仕方がない。

 いずれにしても今回は、多くの人が、何かおかしいと感じているようだ。著名なジャーナリストもその1人らしく、この報道の際に強烈な皮肉を放った。「シャヴァーン大臣が30年前に担当の教授を撲殺していたなら、すでにそれは時効になっていた」と。しかし、シャヴァーン氏には残念ながら、殺人ではなく、論文盗作の容疑が掛かっている。時効はない。

 お金で博士号を買える国は、世界に多々ある。博士号をお金で買おうなどとは、もちろん浅ましい話だが、博士号をネタにゆすりを働く人間がいるなら、それはもっと浅ましい。裁判所が、シャヴァーン氏の訴えに対してどんな判決を下すかが、今から楽しみだ。


キプロス、代替案策定が火急の課題−ECBやロシアも焦点

  3月20日(ブルームバーグ):キプロス議会が銀行預金課税法案を否決し、財政難のキプロスをユーロ圏にとどめるための救済パッケージが宙に浮いたことを受け、欧州の政策当局はどの程度までキプロスに圧力をかけるべきかを思案している。
欧州中央銀行(ECB)が来週までキプロスの銀行を支えるとの観測から、20日の株式相場とユーロは上昇している。ECB政策委員会はこの日、フランクフルトで会合。ドイツのメルケル首相はキプロス議会の決定は「遺憾に思う」としながらも、同国の銀行が救済に貢献する限り、同国への関与を続ける考えを示唆した。
メルケル首相はベルリンで記者団に、「キプロスの銀行セクターが持続可能であることが重要だ」とした上で、「キプロスはユーロ圏内のわれわれのパートナーであり、従ってわれわれは共に解決策を見つけなければならない」と語った。
救済コストの一部をキプロスの預金者に負わせようとする欧州の方針は非難の的となり、議会はこの法案を否決した。ブリュッセルでの徹夜の交渉を終えて16日に帰国したアナスタシアディス大統領は、この措置以外の選択肢はECBが同国の銀行の1つに対する資金供給を停止するという「言い表せないほどの悲劇だ」と訴えていた。
ECBと国際通貨基金(IMF)、欧州連合(EU)欧州委員会で構成するトロイカの当局者はキプロス入りしており、一段の資本規制や銀行休業を週末まで延長する可能性を協議している。事情に詳しい欧州当局者が匿名を条件に明らかにした。
焦点はロシアに
独紙ツァイトに掲載されたインタビュー記事によると、ECBのアスムセン理事は「支払い能力のある銀行にしかECBは緊急流動性を供給できない」と言明した。「銀行セクターの早急な資本増強を確実にする救済パッケージが早期に合意されない限り、キプロスの銀行の支払い能力は自明とは言えない」と述べたという。
銀行預金案が否決された後、ロシアにも注目が集まっている。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスの見積もりによれば、ロシア企業と個人がキプロスで有する資産は概算で310億ドル(約2兆9600億円)。キプロスのサリス財務相は19日の採決を待たずに、金融支援を協議するためモスクワに飛んだ。
サリス財務相はロシアのシルアノフ財務相との会談後、両国が融資について協議中だと述べた。25億ユーロ(約3100億円)の既存融資の期間延長、あるいは新規融資の可能性について問われたサリス財務相は、「それらを超えた内容」を含め協議したと回答。交渉は「必要な限り続ける」と続けた。
ルクセンブルクのフリーデン財務相は19日のインタビューで、ユーロ圏財務相ができる限り早急に会合を開くべきだと述べた。会合の議長を務めるオランダのダイセルブルーム財務相もユーログループはキプロスを援助する用意があると述べた。
代替案の策定が急務
欧州委は必要資金を調達する代替策の提案をキプロスに求めた。ドイツ財務省のコットハウス報道官も定例記者会見で「ボールは完全にニコシア側にある」と述べた。
アナスタシアディス大統領は20日、ニコシアで政党指導者らと会談した。同日のキプロス証券取引所と銀行は閉鎖されている。超党派の専門家チームはキプロス中銀に集結し、58億ユーロを調達するための「プランB」を協議すると、キプロス政府のスティリアニデス報道官が明らかにした。
キプロス国債は昨年6月にECBオペの担保として不適格になっているため、キプロスの市中銀行は同国中銀の緊急流動性支援(ELA)を通じて資金を得ている。各国中銀のELA実施にはECB政策委員会の許可が必要。ECBが維持不能な状況だと判断すれば、ELAを停止させることができる。ECBは19日の声明で、「既存のルールの範囲内で」流動性供給を続けると表明した。
原題:Europe Weighs Cyprus’s Fate After Lawmakers Reject BankLevy (1)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ベルリン Patrick Donahue pdonahue1@bloomberg.net;フランクフルト Jeff Black jblack25@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net;Craig Stirling cstirling1@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/21 00:29 JST
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MJXA606TTDVK01.html


05. 2013年3月21日 20:53:03 : 5FidTbXBPE
2013年 3月 21日 13:15 JST
キプロスの預金課税と銀行休業で打撃=ロシアの企業家 
 【モスクワ】キプロスが国内銀行に臨時休業を命じたことで、ロシアの多くの企業家が打撃を受けている。

 そのうちの1人がロシア人のマリナ・コレスニクさん。彼女は、キプロスで登記したインターネットによるホテル予約サービス会社の口座が凍結された。コレスニクさんは、混乱が収まれば会社の登記をどこか別に移すつもりだ。

 キプロスは銀行預金への課税案を発表したことで、オフショア銀行のハブ(拠点)としての国際的な評判を危機に陥れてしまった。提案では、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)から100億ユーロ(約1兆2400億円)の金融支援を受ける見返りに、1回限りの銀行預金への課税を打ち出した。それに伴い、取り付け回避のため銀行に臨時休業を指示した。しかし、同案は19日のキプロス議会で否決され、同国政府は他の資金調達方法を探さざるを得なくなっている。

 預金課税案と銀行休業にロシアは猛反発し、キプロスと関係のあるロシア企業は混乱に見舞われた。ロシア企業はキプロスをオフショア事業の拠点とすることを再考し始めたようだ。「会社登録先としてのキプロスの信頼は地に落ちようとしている」と、ロシアのインターネット企業向け投資ファンドのフロンティア・ベンチャーズを運営しているドミトリー・アリモフ氏は語る。

 メドベージェフ・ロシア首相は20日、預金が課税され口座凍結が長引けば、キプロスの金融システムは崩壊し、大量の訴訟に見舞われようと警告。さらに、ロシア資金のキプロスへの大規模流入をもたらしているキプロスとの租税協定を破棄する可能性に言及した。

 ロシアの企業家や富裕層は過去数年間、租税協定締結で利益移転が容易になったことから、キプロスに大量の資金を流し込んできた。今ではロシアがキプロスの金融産業の要石となり、一方でキプロスはロシアからの資金の流出入のゲートウェーとなっている。ロシア人の起業家は、ロシアの投資家保護が限られていることを懸念する外国人投資家を安心させるため、キプロスで会社登録することが多い。またロシアの富裕層は、キプロスの銀行に多額の預金を行っている。

 ロシア人は、キプロスに投資すれば在留許可を得られ、最終的にはEUの市民権も手に入れられる。キプロス南岸のリマソルは、多くのロシア人の第2の故郷となっており、レストランにはロシア語のメニューもある。

 今回のキプロスの金融危機でどの程度のロシア人が影響を受けるのかは分からない。キプロスの銀行預金(家計と非金融企業)は680億ユーロで、そのうちEU域外からのものは200億ユーロ。その大半がロシア人による預金とみられている。

 キプロスで金融コンサルタント業を営むジョセフ・ウラヒミス氏は、ロシアの顧客500人の半分以上が、スイスなど他の国に資金を移転するか、マルタ島やシンガポールに開設した口座に資金を振り込むよう求めていると話す。キプロスの銀行が再開されれば、取り付けを回避するため資本規制が導入される見通しで、そうなれば資金の国外移転は遅れそうだ。

 ドイツの政府当局者は、キプロスの銀行に預託さているロシアの資金はマネーロンダリング(資金洗浄)のためのものと見ているが、キプロスとロシアの関係は多様化している。米企業の間で企業寄りの法制や税制をとるデラウェア州で登記するケースが多いように、ロシア企業はキプロスに群がる。

 キプロスはロシアと租税協定を結んでいることから、両国間の取引に関する源泉課税はゼロないし低水準で、ロシア企業にとってはキプロスを通じて株式配当を支払うのが魅力的。また、キプロスの金融機関は、遅れているロシアの銀行の代役も果たしている。

 それでも、キプロスに滞留している大量のロシア資金に不審の目を向ける専門家がいる。不正資金の国際移動への監視を訴える非営利団体であるグローバル・フィナンシャル・インテグリティーの首席エコノミスト、デブ・カー氏によれば、1994―2011年にロシアから流出した不正資金は年間約118億ドルに達し、その多くがキプロスに流出した可能性が大きいという。

2013年 3月 21日 19:09 JST
ECB、キプロス支援に枠組み合意期限を設置

By CHRISTOPHER LAWTON、TODD BUELL

欧州中央銀行(ECB)は21日、キプロスが25日までに欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)の救済計画に同意しなければ、同国の銀行に対する緊急資金援助を止めると発表した。

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Bloomberg News
ECBは声明文の中で「欧州中央銀行評議会は2013年3月25日まで緊急流動性支援(ELA)を現行水準で維持することを決めた」ことを明らかにした。

声明文はさらに「緊急流動性支援は、関係する銀行の支払い能力を担保するEUとIMFの計画が整った場合のみに考慮されるだろう」と述べた。

キプロス議会は19日、EUから財政支援を受ける条件だった銀行預金への課税法案を否決。同国当局者を振り出しに戻らせる格好となり、同国銀行のデフォルト(債務不履行)のリスクが高まっている。

国際融資団は20日、キプロスが巨額の支援計画を確保することを目指してまとめた代替案を拒否した。キプロスは同国金融セクターを救う選択肢が限られてきている。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323873404578373410856725242.html

 

コラム:窮地のキプロス、「巨大ガス田」は救世主か
2013年 03月 21日 16:30 JST
By Kevin Allison

[ロンドン 20日 ロイター BREAKINGVIEWS] 今のキプロスに楽観的な人が残っているとすれば、それはおそらく、同国沖で最近発見された巨大なガス田が理由だろう。しかし、欧州連合(EU)による支援策の条件となっている銀行預金課税で揺れる同国が、資源ブームを当てにするのは時期尚早と言える。

米掘削会社ノーブル・エナジー(NBL.N)は、キプロス沖で約7兆立方フィートの天然ガスを発見したとしている。それが事実だとすれば、かなりの規模だ。国内需要を当面賄うのには十分な量で、ドイツのガス需要の3年分にも相当する。さらに、わずか30キロほどしか離れていないイスラエル側で巨大なガス田が見つかっていることから、さらなる発見も今後あり得るだろう。キプロスのガス埋蔵量は最大60兆立方フィートに上るとの楽観的な見方もある。

しかし、その規模や埋蔵範囲の確認にはさらなる精査が必要だ。

7兆立方フィートという推定だけでも、現在の欧州の輸入価格で試算すれば、最大800億ドル(約7兆6700万円)の価値があり、キプロスの国内総生産(GDP)の3倍超に相当する。この数字に財務当局などは興奮するだろうが、一方で無意味な皮算用でもある。全てのガスが採掘可能ではないためだ。また、実際に輸出できるようになるまでには時間と資金も必要だ。

キプロスの天然資源会社の責任者は1月、ロイターに対し、2019年までに液化天然ガス(LNG)を輸出できるようになりたいと語った。しかし、それもまた楽観的だ。LNGプロジェクトに時間と資金がかかるのは歴史が証明している。規模にかかわらず1つのプロジェクトで70億─150億ドルかかる可能性があり、同国の対GDPでは相当の比率になる。

欧州本土への海底パイプライン敷設は比較的安価に済む方法かもしれないが、政治的に問題をはらんでいる。1970年代からキプロス島の北半分を占領するトルコが、キプロス沖のガス田開発に反発しているためだ。何らかの妥協がなされない限り、民間企業が開発に着手することは難しいだろう。

いずれにしても、キプロスやその債権国がガス資源を窮地脱出のため救命具として当てにするのは時期尚早だ。それは、地中海のとらえ所のない資源を財務予測に盛り込んでいるロシアの政府系天然ガス企業ガスプロム(GAZP.MM)など部外者にとっても同じことだ。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
http://jp.reuters.com/article/jp_column/idJPTYE92K04I20130321

2013年 3月 21日 09:11 JST 更新
キプロス危機とは何か、あなたの疑問に答えます

By GABRIELE STEINHAUSER

 キプロス議会がユーロ圏などによる金融支援の見返りとなる銀行預金への課税案を否決、同国の危機は混迷の度を深めている。なぜ預金課税が提案されたのか、その背景を一問一答形式で紹介する。

 ―なぜ銀行預金への課税が現実的な解決策とみなされたのか

 預金者に負担を掛けずに金融機関を救済すると、キプロスに対する金融支援は約175億ユーロ(2兆1700億円)と、同国の年間国内総生産(GDP)に匹敵する規模になる。それでは、ユーロ圏諸国も国際通貨基金(IMF)も融資を返済してもらうことは不可能だろう。比較的低利の預金課税は、IMFが提示した代替策に比べると厳しくなくリスクも小さいとみられた。IMF案では優先債保有者も負担を負い、預金保険を発動するというキプロスの2大銀行にとっては厳しいものだった。その場合は、10万ユーロ以上の預金者は30―40%の損失を被ることになっただろう。

 ―なぜ大口預金者に加え小口預金者も標的になったのか

画像を拡大する

Bloomberg
バンク・オブ・キプロスのATM(16日、ニコシア)

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キプロスの預金課税と銀行休業で打撃=ロシアの企業家
キプロス支援策への厳しい条件、ユーロ圏にとっては良薬か
 キプロス政府当局者によれば、同国中央銀行は10万ユーロ以下の小口預金者を分けて示すことができなかった。このため、小口預金者を対象外とした場合のコストを試算できなかった。加えて、一部の大口預金者はすでにいくつかの口座に預金を分けてしまっており、小口預金を除外した場合にはこれら大口預金者が課税を逃れてしまう恐れがあった。

 ―キプロスはどうして「特例」なのか

 キプロスの銀行の資産は同国のGDPの8倍に、預金残高は4倍に達している。金融機関は巨大になりすぎた。また、キプロスはタックスヘイブン(租税回避地)となっており、高税率のドイツを味方につけることができなかった。加えて、マネーロンダリング(資金洗浄)が横行しているといわれ、ドイツやフィンランドの議会からもなかなか同情の声が挙がらない。

 ―どのような代替策が検討されたのか

 ユーロ圏はもっと大規模な救済策を提示できたが、ドイツやフィンランドが反対した。IMFは2大銀行の秩序立った再編を提案した。10万ユーロ以下の小口預金者を保護するというものだったが、リスクが高すぎるとみられた。アナスタシアディス大統領が預金課税案を拒否しようとした際には、金融支援交渉は決裂する恐れがあった。そうなっていれば、2大銀行は無秩序なデフォルト(債務不履行)に陥り、キプロスはユーロ圏から離脱していただろう。

 ―どうしていればキプロス危機を回避できていたのだろう

 キプロスの銀行監督当局や政治家だけでなく、欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)の銀行監督機関は、同国の金融機関が不釣り合いなほど拡大するのを阻止することができただろう。ただ、2014年にECBがユーロ圏の金融機関を統一的に監督するようになれば、こうしたリスクは早めに察知され封じ込められると期待できる。また、キプロスの銀行はギリシャ国債を大量に購入していた。ギリシャが昨年債務再編に追い込まれていなかったならば、キプロスの金融機関の問題はこれほど深刻にはならなかっただろう。


06. 2013年3月22日 01:27:21 : 5FidTbXBPE
小国キプロスで生じた大問題
2013年03月22日(Fri) Financial Times
(2013年3月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


救済を巡る混乱でキプロスの銀行は25日まで臨時休業が延長された〔AFPBB News〕

 ラクダとは委員会が設計した馬である、という格言がある。過酷な環境によく適応しているラクダに対する不当な評価だと思うが、残念ながら、ユーロ圏の救済プログラムについては同じ表現を使って擁護することができない。

 キプロスへの介入案は3月19日、同国議会により拒否されたが、この案では危機の波からのスムーズな脱出を目指すユーロ圏の助けにはならないだろう。実際、今回のごたごたは、金融やソブリン債務の問題への対応策の悪い見本と見なすべきである。

 まず、銀行のリストラが不可避であるのはなぜかという話から始めよう。キプロス政府は多額の債務を抱えると同時に、大きすぎて救えない銀行セクターの責任を負う立場にもある。

銀行のリストラが不可避な理由

 国際通貨基金(IMF)によれば、キプロスの総政府債務残高は昨年の国内総生産(GDP)の87%相当額に達しており、救済されなければ2017年には106%に達するという。

 国債の格付けも投資適格にはほど遠く、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は「CCC+」を付与している。驚くには当たらない。何しろこの国の銀行セクターはまだ、GDPの7倍を超える資産を抱えているのだ。

 キプロスの銀行はまさに破綻寸前の状況にある。しかし、キプロス国債を緊急流動性支援(ELA)の担保として認めないと脅しをかけることで彼らから生命維持装置を外したのは、ほかならぬ欧州中央銀行(ECB)だ。

 銀行は資本注入を必要としているが、納税者だけでは力不足だ。預金者に課税しなければ、提案されている救済パッケージの規模は100億ユーロではなく172億ユーロに達していた。この国のGDPの70%に近い金額だ。ということは、すでにあるソブリン債務と足し合わせれば総債務残高のGDP比は約160%という、まさに持続し得ない規模になった。

 さらに言えば、実際に示された救済パッケージでも債務残高はGDP比130%になるようだから、やはり持続不可能に見える。このプログラムでは、公的債務のGDP比が2020年までに100%に下がるという。これを達成するには財政の大幅な引き締めと、国外からキプロスへの低利融資が必要になるだろう。

 それでも、この公的債務の債務再編はいつか実行されるだろう。ハムレットが言っているように、今でなくともいずれその時はやって来る。

 ベイルイン*1に代わる手段はないのだろうか? 実はある。ユーロ圏がキプロスの銀行に資本を直接注入すればいいのだ。これなら、必要な資金の額など知れている。もしユーロ圏に銀行同盟が設立されて軌道に乗っていたら、この策が講じられていたことだろう。

 だが、銀行同盟はまだ作られていない。それは恐らく、ロシアの資金の隠し場所になっているキプロスの銀行界のような、不正な経営が行われている銀行システムをユーロ圏の中核国は救済したくないからだ。過去の過ちが正されて新しい取り決めが確立されるその日まで、銀行同盟が作られることはないだろう。

「預金課税は泥棒」はナンセンス

 では、これまでに打たれた対策は正しかったのかどうかという話に移ろう。答えはイエスだが、ある程度までというただし書きがつく。

 預金に課税するなど泥棒と同じだという声が多いが、その見方はナンセンスだ。銀行は金庫とは違う。銀行とは、要求があれば預金者のお金をいつでも額面通りに返すと約束している、自己資本の薄い資産運用会社だ。そして、支払い能力のある国家の支援がない場合、この約束は常に守られるとは限らない。

 銀行にお金を貸す(預ける)なら、この点は必ず理解しておかねばならない。銀行業はリスクを取る金融業の一種であり、少なくとも一部の貸し手(預金者)は損失を被る。そのような損失なしに銀行業が営まれることは考えられない。

 そうでなければ、銀行の債務は政府の債務になる。納税者のお金でこのようなギャンブルをすることなど、民間企業には許されない。誰でも分かることだ。

 従って、預金者が損失を被ることがあるという原則に問題があるのではない。どの預金者がどの程度の損失を被るべきなのかが問題なのだ。

 見たところはキプロスのニコス・アナスタシアディス大統領の主張で、ユーロ圏の預金保険の上限である10万ユーロより少ない預金でも損失が生じることになるようだ。これらの比較的少額の預金には6.75%、そして10万ユーロ超の大口預金には9.9%の税がそれぞれ課されるという。

 この案は変更されるかもしれないし、変更されてしかるべきだ。ただ前者への課税をやめた場合、必要とされる58億ユーロを調達するには、10万ユーロ超の預金にかかる税率を15%に引き上げる必要がある。それでいいと筆者は思うが、ロシア政府はこれに同意していないし、キプロス政府も同意していない。

*1=金融機関が破綻する時に預金者などの債権者にも損失の負担を求める手法

 では、キプロスの普通の納税者が銀行を救済すべきだというのは、一体全体なぜなのだろうか? 

 キプロスの救済が行われず、かつ10万ユーロ以下の預金も全額保護される場合、それ以外の預金に課される税率は(銀行の劣後債務を14億ユーロ帳消しにした後で考えても)さらに高いものになるだろう。

 不当だろうか? 答えはノーだ。不当だという主張に対する反論は1つしかない。危険な金融システムを作り出したのは政府であり、政府は納税者の代理人であるのだから、そのコストの一部は納税者が背負わねばならない、というものだ。

危険を伴うベイルイン、最大の懸念は銀行の損失吸収力

 しかし、ベイルインには危険が伴う。実際に検討されている救済パッケージは、パニックがさらに広がることを恐れる人々と、いわゆる「モラルハザード」に立ち向かう決意を固めた人々の両方に配慮した産物だが、その結果はどちらにとっても最悪のものになるかもしれない。

 預金者が損失を被るという事実がほかの国で預金逃避を引き起こす恐れがあるし、預金者の負担があってもなお、納税者は破綻のコストの大きな部分を背負うことになるからだ。

 従って、以下のような大きな懸念があると筆者は考える。

 第1に懸念されるのは、この処理そのものである。預金保険で保護されている預金にも負担を課すという決断は大きな誤りだった(そう、これはデフォルト=債務不履行=であって、税ではない)。

 しかし、一部の預金に負担を求めるという決断は誤りではなかった。どれほど不評を買うことになろうとも、預金者に実際に負担を求める破綻処理制度はキプロスでもそれ以外の国でも必要だ。

 第2に懸念されるのは、どの銀行にも同じ税率が一律に適用されることだ。これでは大口預金者でさえ、預け先である銀行の健全性をチェックする気をなくしてしまう。

 そして最も懸念されるのが、銀行の損失吸収力である。筆者が今週目を通したスタンフォード大学のアナト・アドマティ氏とマックス・プランク研究所のマーティン・ヘルビッシュ氏の共著『The Bankers’ New Clothes(裸の銀行家)』で指摘されているように、銀行は損失を吸収する力が非常に乏しいため、危機的な状況に恒常的に直面しているのだ。

 キプロスは極端な例だ。680億ユーロの預金を守るはずの自己資本は少額であるうえに、あとは27億ユーロほどの無担保債券(25億ユーロが劣後債で、2億ユーロが優先債)があるだけだ。正しいかどうかはともかく、銀行間市場での借り入れを含むこれ以外の債務は、手をつけてはいけない聖域と見なされた。

 この構図は、キプロスのみならず事実上すべての国や地域の金融当局に恐ろしいジレンマを突きつけている。

 すべての金融機関を救済すれば最もリスクの高いビジネスモデルを正当だと見なすことになり、最悪の場合には、政府の支払い能力をも危険にさらしてしまうだろう。かといって救済を拒めば、国内では恐慌を、外国ではパニックをそれぞれ引き起こす恐れが生じるだろう。統合の度合いが強いユーロ圏内では特にそうだ。

大きな危険の源泉になった小国キプロス

 ユーロ圏は、大量の資本注入を行って銀行業界を今よりもはるかに強くするか、ユーロ圏全体で適切な経営監督や財政支援が行えるように財源調達力の統合と規制の強化を推進するか、いずれかを実行しなければならない。

 恐ろしいのは小国キプロスがトラブルに陥ったことではない。本当に恐ろしいのは、このトラブルがもっと大きな危険の源泉になっていることだ。銀行業はどの国や地域でも危険な存在だが、これはまだユーロ圏の存続を脅かし続けている。この状況は今すぐにでも変えなければならない。

By Martin Wolf
http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37414



【第18回】 2013年3月22日 田中 均 [日本総合研究所国際戦略研究所理事長]
ベルリン三極委員会総会で感じた世界の変化
新たな秩序の模索と国際協調主義の重要性
ベルリンでの三極委員会総会に出席
世界の変化はいまだ過渡期にある

 3月15日より17日までベルリンで開催された三極委員会の第40回総会に出席した。三極委員会は、1973年にデービッド・ロックフェラー氏の提唱により開催が決まったもので、北米、欧州、日本の三地域の有識者が毎年会合し、時々の重要課題について議論し、地域間の理解を深めることを目的としていた。

 当時は世界第二の経済大国に台頭してきた日本を、「西側民主主義先進国の仲間」として遇し、冷戦下に求められた西側の結束を強化することが最大の意味であったのだろう。日本が時に「異質」と言われながらも、戦後急速に国際社会の有力な一員となることができたのは、三極委員会などを通して政治家、財界人、学者、官僚OBなどの有識者が、国際的な議論に馴染んでいったことも大きな要因である。

 そういう意味で、三極委員会は発足時の目的を見事に達成したということができよう。今回の総会では、国際社会が大きく変動し、東アジアからは日本だけではなくいくつかの諸国が参加するようになってはいるが、三極委員会の存在意義を今後どこに見出していくべきか、ということが中心課題となった。

 私は三極委員会の中での議論を聞きながら、「世界の変化は大きくいまだ過渡期にある」という印象を強めざるを得なかった。世界は東西冷戦、あるいは米国一極体制の時代から多極化し、時には無極化と言われる時代となっている。三極が代表する欧州、北米、東アジアの地域においても不安定さが顕著に表れ、次のような課題を中心に議論が進む。

 ・欧州は債務危機を乗り越え、再統合に軌道を戻せるのだろうか。

 ・米国は内向きに転じ、積極的な対外政策は望めないのではないか。

 ・東アジアは中国の台頭と対外攻勢により、不安定化するのではないか。

 三極委員会の開催地は毎年3地域で輪番となり、今年は欧州地域ドイツで行われたこともあり、メルケル首相も登場して欧州をめぐる活発な議論が行われた。この半年で二度メルケル首相にお目にかかったが、会うたびに自信を増した発言となっているのは印象深かった。

欧州は債務危機を乗り越えられるか
存在感を増すドイツ

 欧州の中でドイツの経済力は他を圧倒し、ユーロ諸国の債務危機を乗り越える上でドイツの指導的立場は確立しつつある。ドイツ国内においては、「何故ドイツが、規律なく債務を垂れ流してきた南の国を救済するのか」という不満の声は大きい。

 しかしながら、貿易立国であるドイツのユーロ圏内での輸出は大きく、実は欧州統合から最も大きな利益を受けているのはドイツであり、冷静に考えてみれば、ドイツは問題国を救済せざるを得ない。

 したがって、ユーロ圏は今後財政面での規律を一層強化する形で、一定程度は一体性を維持していくこととなるのだろうが、一方において、強い欧州北部諸国と弱い南部諸国の二層のユーロ圏ということとなっていかざるを得ないだろう。

 また、英国がEUからの離脱について国民投票の実施を課題としており、欧州統合自体も新たな局面に来ている。1990年代に欧州統合が勢いを増していったときに、英国のサッチャー首相は「英国が欧州統合に参加する大きな理由の1つはドイツとのバランスをとるためである」と述べていたが、現在の英国国内にはEUへの参加に伴い、英国が徐々に主権を失うことに対する反感は強い。

 もっとも米国や日本も含め、諸国にとって欧州から離脱した英国の重要性は大きく減じるであろうし、また、英国が離脱した欧州も影響力を減じざるを得ない。さらに強いドイツが戦後の低姿勢を脱し、欧州で経済のみならず政治安保面でも主導権をとっていくことで欧州の安定性を保てるのかは、注意深く見ていく必要があるのだろう。

 米国の将来についても、大きなクエスチョンマークがついている。現在の財政の壁をめぐる議論の背景には、オバマ政権の成立以来徐々に顕著になってきた米国社会の二極化現象がある。

 共和党右派と民主党左派、富裕者と貧困者、白人と非白人などの利害が複雑に絡み合い、米国社会は国内志向に転じている。確かに、ブッシュ政権の米国が9.11の対テロ戦争に始まりイラク戦争などで疲弊した結果、オバマ政権につながったわけで、イラクやアフガンからの撤退、財政赤字削減の一環としての国防費の大幅削減は、米国の対外姿勢がより積極的でなくなる兆候を示している。

 オバマ政権は「アジアへの回帰(pivot)」を掲げるが、これはアジアでの軍事的プレゼンスを大幅に増すことを意味するものでもなく、むしろアジアを重視する政治的メッセージと捉えるべきなのであろう。

世界の地政学を変え得る2つの事象
二国・地域間自由貿易交渉の促進とエネルギー革命

 米国がオバマ第二期政権でどのような対外姿勢をとっていくのか、必ずしも明確ではない中で、2つの事項が世界の地政学的趨勢を大きく変える可能性を有するに至っている。

 第一は、TPP及び米・EU自由貿易交渉の開始である。三極委員会の議論の中でも、本来世界が重視すべきWTOの新ラウンド交渉が進む可能性が消え、地域や2国間の自由貿易協定が進み出していることに対する強い危惧が語られたが、もはやこの趨勢は止められない。

 もし米・EUの自由貿易協定、日本も参加したTPP、そして日・EU経済連携協定が成立すれば、先進民主主義国を中心とする自由貿易の世界が再び世界経済の主導権を握る可能性が出てくる。

 また、昨今の自由貿易協定や経済連携協定は、伝統的なモノ、サービス貿易を超え、投資や知的所有権、安全基準などの広範なルールづくりの世界であり、経済的統合を一層進めるという意味合いを持っている。このような枠組みには現段階では参加できない中国、インド、ロシアなど、いわゆる新興国との関係も大きく変ってくるだろう。

 さらに、エネルギー革命の地政学的意味合いも無視できない。米国はシェールガス革命により、世界最大の資源国としてエネルギー自給が可能になり、中東への石油輸入依存を大幅に減らすことができるのだろう。この結果、米国の経常赤字は大幅に改善される。

 また、シェールガス生産技術の保有を通じて、米国は他の地域との関係で強いテコを保有することもできるのだろう。欧州や日本との経済的統合の促進やエネルギ―分野での復権は、米国の相対的な力を引き上げる効果を持つのだろう。その結果、中国が米国を経済力で追い越すのは時間の問題と捉えられている展望も、変わっていくのかもしれない。

中国の飛躍的な台頭と将来の不透明さ
アジアで求められる日本の存在感

 そして東アジア。三極委員会では、日本が政治的、経済的に国力を回復し、国際場裏での存在感も拡大してほしいという雰囲気が強かった。その最大の要因は、中国の飛躍的な台頭と将来の不透明さである。

 中国が、建設的な対外政策を可能にする政治システムを維持することができるのか。共産党政府の主要な意思決定の最大の要因は、国内統治課題である。所得不均衡、汚職などの社会的不正、環境問題、少数民族問題などのハンドリングを間違えば、インターネット社会の中で大衆動員につながり、それが簡単に共産党統治の正統性の問題に行き着く。

 国内統治が上手くいかないときには、共産党政権が対外的な摩擦をつくり、求心力を高めるといったことも起こらないことではあるまい。その象徴的な事案が、尖閣問題ではあるまいか。すでに中国でもナショナリズムに直結する問題となっているが、はたして共産党政権は合理的なアプローチをとることができるのか。

 1973年に三極委員会が発足したときの問題意識は、敗戦国日本や西ドイツを西側の一員として遇し、先進民主主義国の結束を高めようということであった。冷戦が終了し、多極化時代と言われて久しく、現在世界は新しい秩序を求めて過渡期にある。

 今日の三極委員会には、アジア太平洋については日本を中心としつつも、韓国、豪州、東南アジアの民主主義国を含むだけではなく、中国やインドといった新興国も招かれている。今後の三極委員会は、中国やインドといった新興国の有識者が国際協調主義の重要性を認識する機会を提供するべきであると思う。

 また、新興国に限らず先進民主主義地域においても、ナショナリズムが高まり、世論迎合的な政権運営が目立ち出しており、国際協調主義に乗っ取って政策を実現していくことの重要性を、語り続けていかねばならないと思う。
http://diamond.jp/articles/print/33633


07. 2013年3月22日 11:38:38 : xEBOc6ttRg

キプロスがユーロ離脱の危機、支援拒否なら流動性供給ストップも
2013年 03月 22日 11:09 JST
[ニコシア 22日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)はキプロス向け緊急流動性支援(ELA)の現在の水準を25日まで維持するとの声明を発表した。欧州連合(EU)などによる金融支援策の受け入れがなければ、流動性供給を断つ構え。

EUの高官はロイターに対し、ユーロ圏が欧州経済に影響が波及しないよう、キプロスのユーロ離脱も視野に準備しているとも明らかにした。

キプロスの銀行は今週は休業だが、その再開前に合意がなく、莫大な資金が流出するという最悪の事態に備えるため、政府は銀行の資本規制を導入する権限を、財務相もしくは中銀総裁に付与する法案を議会に提出した。

議会は、政府による一連の危機対策措置を審議するために22日に再開する。EUや国際通貨基金(IMF)による100億ユーロの金融支援と引き換えに要求されている58億ユーロの捻出は、これらの措置でまかなうことは難しいとみられる。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は21日、キプロスに対し、同国が支援をめぐり国際機関とどのような合意ができるかを示すようユーログループとして求める意向を表明した。

キプロス政府は、「団結基金(solidarity fund)」を創設する法案を議会に提出。将来的なガス収入など国家の資産が財源となる。

ECBは「EU/IMFのプログラムが実行され、問題行の支払い能力が保証される場合にのみ、ELAを検討することになるだろう」との立場を示している。

EUの高官はロイターに対し、ECBが手を引けば、キプロスの大手行は保護しようとしている莫大な額の預金が流出し、ユーロを離脱せざるを得なくなるかもしれないとしている。

キプロスの銀行の営業再開は26日以降となる予定。

キプロスのサリス財務相は、銀行預金課税の代替策として銀行・天然ガス分野への投資についてロシアと協議していると明らかにした。

同相によると、キプロスはロシアからの既存の25億ユーロの融資を5年間延長することと、金利の4.5%から2.5%への引き下げをロシアに求めている。ただしロシアからの新たな借り入れを行い、債務を膨らませる計画はないとし、新規融資要請については否定した。ロシアの財務相は18日、キプロスが50億ユーロの追加融資を求めたと明らかにしていた。

*写真のキャプションを修正して再送します。

キプロス大手行、金融支援で早急に合意するよう政府に要請 2013年3月22日

[ニコシア 21日 ロイター] キプロスの銀行最大手バンク・オブ・キプロスBOC.CY(BOCr.AT: 株価, 企業情報, レポート)は21日、同国指導者に対し、金融破綻の回避に向け、金融支援をめぐり欧州連合(EU)と早急に合意するよう要請した。

同行は声明で「ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)との合意に向け即時に行動することが不可欠だ。金融支援は、キプロス経済を守るため、同国の銀行が十分な流動性を確保することを確実にする」との認識を示した。

今日の株式見通し=3日ぶり反落、キプロスめぐる懸念でリスク回避 2013年3月22日
焦点:ECB、キプロスに対する緊急流動性支援を断つ構え 2013年3月21日
キプロス大統領と各党指導者が緊急会合で対応協議、21日朝に再開 2013年3月21日

金トレーダー、強気姿勢強める−キプロス問題で危機悪化観測

  3月22日(ブルームバーグ):金トレーダーは強気姿勢を強めている。米国や日本などの国々が追加景気刺激策の導入を示唆する中、欧州債務危機の悪化により資産価値の保護を目指す金需要が拡大するとの見方が高まっているためだ。
ブルームバーグがアナリストを対象に実施した調査では、16人が来週の金相場は上昇するとの見通しを示し、弱気姿勢を示したのは7人、ほぼ変わらずとの見方を示したのは2人だった。強気姿勢を示した人の割合は8日以降で最大。キプロス議会は、ユーロ圏各国の財務相らが救済の条件として提案した銀行預金税徴収法案を否決した。
金ブローカー、ゴールドコア(ダブリン)のエグゼクティブディレクター、マーク・オバーン氏は「欧州危機は残念ながら収束からは程遠いとの認識が広がりつつある。近い将来、超緩和的な金融政策は続く見通しで、そうなれば金相場のさらなる上昇が示唆されるだろう」と述べた。  
原題:Gold Seen Extending Rebound as Cyprus Revives Bulls:Commodities(抜粋)


ユーロは4カ月ぶり安値圏、キプロス問題収束見えず−対円は122円台
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  3月22日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではユーロが対ドルで引き続き約4カ月ぶり安値圏で推移している。キプロス問題の収束のめどが依然として立たず、欧州景気の悪化も懸念されていることが背景にある。
午前10時25分現在のユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.2912ドル前後。今週はキプロスの預金課税問題をきっかけにユーロが急落して始まり、19日には一時、昨年11月22日以来の安値1.2844ドルまでユーロ安が進んだ。その後1.29ドル後半まで値を戻す場面も見られたが、ユーロの上値は重く、21日の海外市場では1.2900ドルを中心に上下した。
ユーロ・円相場も海外時間に1ユーロ=123円ちょうどを割り込み、一時122円05銭までユーロ安・円高が進行。その後はもみ合いとなっており、同時刻現在は122円58銭前後で推移している。
為替リスク管理を手掛けるロックフォード・キャピタルのシドニー在勤ディレクター、デレク・マンフォード氏は、「キプロス問題への対処の仕方がユーロ圏の信頼を損なってきた」と指摘。「EU(欧州連合)の亀裂は広がっており、ユーロはさらに下落する可能性がある」と話す。
また、リスク回避の動きから海外市場では円が主要通貨に対して全面高となり、ドル・円相場は1ドル=95円後半から一時94円56銭まで円高が進んだ。ただ、日本銀行の新体制が始動し、大胆な金融緩和が期待される中、その後は円が伸び悩み、22日の東京市場にかけては95円台を一時回復した。同時刻現在は94円94銭前後。
キプロス問題
ユーロ圏財務相は21日夜にキプロスに関して電話会合を開催し、同国政府が救済策を受けるために必要な58億ユーロをどのように調達するか「できるだけ早期に」新たな提案を行うよう期待するとの声明を発表した。
ECBはこの日、キプロスが25日までに救済策で国際債権団と合意できなければ、銀行への緊急流動性支援を同日で打ち切ると通告。モスクワを訪れているキプロスのサリス財務相は、ロシアが融資は拒否したものの、キプロスのエネルギー業界への投資を検討していることを明らかにした。
一方、キプロス中央銀行は国際支援の実行を可能にするため銀行システム改革法を提案した。同案は同国2位の銀行、キプロス・ポピュラー銀行の「破滅的な」破綻を回避させ、預金保険対象の預金を10万ユーロ(約1220万円)まで保護する内容。スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はキプロスの格付けを「CCCプラス」から「CCC」に引き下げた。
21日の米株式相場は反落。2月の中古住宅販売件数 や景気先行指数、先週分の新規失業保険申請件数 など良好な米経済指標にもかかわらず、欧州問題への懸念が重しとなった。欧州株式相場は3週間ぶりの大幅安。3月のドイツ製造業景気指数 が予想外に縮小したことが嫌気された。3月のユーロ圏の総合景気指数 も予想に反して悪化した。
日銀の黒田東彦総裁は21日夜、就任会見を行い、物価上昇率2%の目標について「達成すべきであるし、達成できると確信している」と述べるとともに、「達成できるまで可能な限りあらゆる手段を講じていく」との決意を示した。目標達成の期間については「2年程度で達成できれば非常に好ましい」と述べた。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/22 10:38 JST


 


2013年 3月 22日 09:31 JST
キプロス、第2位の銀行を再編へ―「バッドバンク」を創設

By CHARLES FORELLE, MATINA STEVIS AND DAVID ENRICH

 キプロス政府は21日夜、欧州連合(EU)からの支援獲得と銀行の営業再開に道筋を付ける土壇場の試みとして、国内第2位の銀行であるキプロス・ポピュラー銀行の再編法案を準備している。

 キプロス政府はまた、銀行が再開された場合、金融取引に幅広い制限を付ける計画だ。ユーロ圏では前例のない措置になる。こうした提案が実施されれば、キプロス当局は非現金取引を制限し、小切手の現金化を凍結し、預金引き出しを制限するとともに、当座預金口座を定期預金に転換することもできる。
 
 銀行の再編計画に基づき、キプロス・ポピュラー銀行(現地名はライキ銀行)を段階的に閉鎖するプロセスを開始する。計画に詳しい関係筋によると、同行の最も健全な資産はキプロス最大の銀行であるキプロス銀行に移管され、ポピュラー銀行の不良債権やその他資産は別の機関に移管後、最終処理されるだろうという。

 このように「グッドバンク(良い銀行)」と「バッドバンク(悪い銀行)」を創設すれば、キプロスの運命は2つの点で好転する。1つは、バッドバンクの債権者は大幅な損失を余儀なくされ、結果的に政府が銀行システムに供与する必要のある支援額は縮小する。第2に、キプロス銀行を支えることによって、この計画は、金融システムに対する流動性供与の停止を警告している欧州中央銀行(ECB)を説得して流動性供与を続けさせることができる。

 再編計画の詳細の多くは21日夜時点で不明だ。ポピュラー銀行の広報担当には連絡がつかなかった。

 キプロスの銀行のトラブルは過去数年間くすぶっていたが、キプロスとユーロ圏が16日、あらゆる銀行預金に対する課税計画で合意すると、一気に表面化。預金課税計画には一般市民と議会が激しく反発した。

 この結果、キプロスとユーロ圏、そしてECBとの複雑な対峙状況が現出した。膠着状態が打開されるまで、銀行は営業を再開できない。再開すれば、預金の大量流出に直面するからだ。

 問題の核心は、預金課税が58億ユーロ(約7100億円)と想定され、キプロスはこの資金とユーロ圏から約束された支援金を使って、ポピュラー銀行とキプロス銀行の資本増強をしようとしていたことだ。

 資本増強がなければ、これら銀行は営業を実質的に再開できない。これは、預金課税の可能性に関する報道の結果、キプロス人が大挙して口座からカネを引き出そうとしたからだ。銀行が閉鎖されている間は資金の電子移転が凍結されるが、キプロス人たちは預金引出機の前に列をなし、できる限りの引き出しをしようとしている。

 アナリストたちは、銀行の営業が再開されれば、預金流出は急増するだろうとみている。今週、キプロス中央銀行のデメトリアデス総裁は銀行課税の当初の計画では預金の最大10%が流出するだろうと述べている。1月末時点で、個人や非金融企業はキプロスの銀行に684億ユーロ預金していた。

 キプロスの銀行は、早ければ26日に再開される。最後の営業日は15日だった。

 理論的には、預金者による取り付けに直面している商業銀行は、資金調達面で最後の貸し手である中央銀行に頼ることができる。

 しかしこうした資金調達のためには銀行は担保を差し出す必要がある。そしてECBは通常、キプロス国債を担保として受け付けない。ジャンク債に格付けされているためだ。

 したがって、キプロスの銀行は特別の流動性緊急枠に依存しなければならなかった。だがECBは21日、銀行が資本増強されない限り、流動性供給を週明け25日に停止すると警告した。

 ポピュラー銀行の再編・解体案が膠着状態を打開するのに十分かどうかは不透明だ。

 1つには、キプロス銀行も資本増強を必要としているからだ。欧州当局は、約束した100億ユーロ支援の実行に同意する前にこうした再編条件が満たされる必要があると主張する見通しだ。キプロスは銀行再編と、政府自身の資金の穴の補充という両面で資金を必要としている。

 キプロスの銀行問題の解決が難しかったのは、大手銀行2行の資金繰り方法も一因だった。ポピュラー銀行とキプロス銀行はいずれも預金に大きく依存しており、損失の苦痛を吸収してくれるかもしれない債権者がほとんどいなかった。

 昨年9月30日時点で、銀行2行の顧客預金は460億ユーロだった。ポピュラー銀行は中銀から100億ユーロ借り入れていた。預金が急速に流出し始めると、中銀は介入する能力のある事実上唯一の当事者だ。ポピュラー銀行とキプロス銀行は預金流出にぜい弱かもしれない。両行が詳細な財務情報を提供した最後の期間である2011年末時点で、顧客が即座に引き出すことができる預金が2行への預金全体の78%を占めていたからだ。

欧州システミックリスク理事会、小口預金保護の重要性を強調
キプロス、第2位の銀行を再編へ―「バッドバンク」を創設
S&P、キプロスを「CCC」に格下げ
キプロス政府、支援に関する欧州当局との意思疎通ほぼ途絶える
キプロス政府の新提案、協議に応じる用意あり=ユーログループ


 


2013年 3月 22日 07:27 JST
キプロスからの資本逃避、得するのは誰か
記事

 一国の損は他国の得だ。キプロスの銀行から急いで預金が引き出された場合、最も容易に考えられるのは、友好的かつ十分安定した国に資金が移されることだ、とデーリーFXのシニア為替ストラテジスト、ジョン・キックライター氏は語り、恩恵を受ける可能性のある国としてドイツと英国を挙げた。

 キプロスはロシアから多くの預金を引き付けてきたという点で独特であり、ロシアが預金への課徴金を恐れ、資金提供により危機封じ込めに …


08. 2013年3月22日 16:43:02 : xEBOc6ttRg
ユーロ下落、キプロス問題収束見えず−リスク回避で円は上昇 

  3月22日(ブルームバーグ):東京外国為替市場ではユーロが下落した。キプロス問題の収束が見えない中、同国の財務相がロシアから金融支援を得られなかったと発言したことを受け、ユーロ売り圧力が再び強まった。
ユーロ・円相場は1ユーロ=122円半ばでもみ合っていたが、財務相の発言をきっかけに一時121円89銭までユーロ売りが進行。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.29ドル前半から1.2889ドルまでユーロ安が進む場面があった。
シティバンク銀行個人金融部門の尾河眞樹シニアFXマーケットアナリストは、「ロシアはキプロスと関連性が深いということで、そこからの支援を期待した面はあった」と指摘。その上で、キプロスの問題は固有の問題で、スペインなどに波及する話ではないという理解だったが「こうした形であまりにも長引いてしまうと市場心理にはそれなりにインパクトを与える」とし、ユーロに関しては「まともに下がる局面を想定していた方がいい」と語った。
ドル・円相場は1ドル=95円ちょうどを挟んで推移していたが、午後には一時94円55銭まで円買いが進行。尾河氏は、リスク回避が強まったため、「クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)は円高に向かいやすく、ドル・円も少し下がってきている」と説明した。
キプロス問題
キプロスのサリス財務相は、同国がロシアから金融支援を得られなかったことを明らかにした上で、キプロスとロシアが交渉を継続すると語った。同相はモスクワのホテルを離れる際に、ロシアは融資の延長や条件変更に合意していないが、なおその可能性があると述べた。
キプロス議会は国際支援の確保と金融システム崩壊阻止に必要な法案について22日に審議を開始する。欧州中央銀行(ECB)はキプロスが国内銀行の支払い能力を確実にする計画を25日までに整えなければ同国銀行への緊急流動性の供与を打ち切ると通告。ユーロ圏財務相は21日夜にキプロスに関して電話会合を開催し、同国政府が救済策を受けるために必要な58億ユーロをどのように調達するか「できるだけ早期に」新たな提案を行うよう期待するとの声明を発表した。
為替リスク管理を手掛けるロックフォード・キャピタルのディレクター、デレク・マンフォード氏(シドニー在勤)は、「EU(欧州連合)の主な魅力の一つは、ECBによるバックストップ(安全装置)があるということだった」とし、「EUの亀裂は広がっており、ユーロはさらに下落する可能性がある」と話した。
ユーロ圏財務相会合は前週末にキプロス救済計画の一環として、同国の銀行預金への課税で合意。これをきっかけにユーロは今週、急落して始まり、キプロスの議会が預金課税法案を否決した19日には対ドルで約4カ月ぶり安値となる1.2844ドルを付けた。
みずほコーポレート銀行国際為替部の唐鎌大輔マーケット・エコノミストは、「キプロスの国自体が小さく、額も小さいので、最終的にはユーロシステム全体を揺るがすような話にはならないだろうが、解決の糸口が見えない以上、マーケットは材料として取り扱うしかない」と指摘。その上で、「過去の経験を振り返ると、事態収拾には土日に緊急会合を開くことが多いので、今週末はそれに注目だ」と話した。
リスク回避と日銀緩和期待
前日の欧米株安に続き、22日の東京株式相場は反落。取引終盤にかけてはさらに下げ幅を拡大し、日経平均株価 は前日比で300円近い下げとなった。
シティバンク銀の尾河氏は、海外の株価が下がってしまうと、日本株もどうしても下がるとし、「リスクオフだと円高という流れになりやすい」と指摘した。もっとも、「来週、臨時会合があるかどうかはわからないが、4月上旬には日銀が追加緩和を決める可能性が高く、しかも思い切った緩和をやるのではないかという期待も高いので、特にドル・円ではどんどん円高が進むのは避けられるのではないか」と語った。
衆院財務金融委員会は22日の理事会で、20日に就任した日本銀行の黒田東彦総裁、岩田規久男、中曽宏両副総裁を26日午前9時から開く委員会に呼び、日銀が毎年2回国会に提出している日銀報告の説明と金融政策に関する質疑を行うことで合意した。金田勝年委員長がブルームバーグ・ニュースの取材に語った。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:青木 勝 maoki6@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/22 15:55 JST


 


2013年 3月 22日 13:33 JST
一からわかるキプロス問題─なぜ地中海の小国がユーロ危機を招くのか

By STEPHEN FIDLER

 ユーロ圏の将来が、たった数十億ユーロの話で危機にさらされている。

 キプロスが金融支援を要請してから8カ月後の16日、ユーロ圏の財務相たちは、同国のユーロ圏加盟維持を危うくする賛否両論の支援計画をまとめた。

 騒ぎの発端は、ユーロ圏がキプロスへの支援規模を100億ユーロ(約1兆2300億円)に圧縮するため、キプロスの銀行預金者から58億ユーロを捻出するよう求めたことだった。

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Reuters
 この銀行預金課税の58億ユーロは、ユーロ圏全体の国内総生産(GDP)の約0.06%にすぎない。キプロスの銀行の総資産は1月現在で1264億ユーロにとどまり、ドイツ第11位のデカバンク・ドイツ・ジロツェントラーレよりも小さい。
 

Emotions ran high as Cypriot bank workers gathered outside of Parliament in Nicosia on Thursday, fearful for their jobs and savings. WSJ's Matina Stevis reports via #WorldStream.
 問題の深刻さと、選ばれた「解決策」のリスクの程度の間には、大きなミスマッチがある。どうしてこうなったのか。

 為政者の一部の間にはキプロスの問題はユーロ圏の金融システムを揺るがすシステミック・リスクではないとの確信があった。

 それは、キプロス危機が発生した時に金融市場が平静だったことが示すように、ある程度は正しい。キプロスの銀行が破たんし、人口80万人の経済が崩壊したとしても、あまりに規模が小さく、その他の欧州諸国には直接的な影響は与えない。

 確かに銀行預金者のポケットに手を突っ込むというタブーを犯したことで、スペインやイタリアの預金者が動揺してもおかしくはない。しかし、これまでのところ、いずれの国も落ち着いている。

 キプロスがシステミック・リスクを引き起こさないと予想されているのは、同国がユーロ圏にとどまると想定されているからだ。同国がユーロ圏を離脱すれば、すべてがだめになる。欧州中央銀行(ECB)がキプロスの銀行に供給している流動性を打ち切れば、ユーロ圏離脱は現実に起こり得る話になる。ECBは、キプロス議会が預金課税案を否決すれば、資金引き揚げに踏み切ると警告している。

 ゼネラル・エレクトリック(GE)の主席エコノミストであるマルコ・アヌンツィアータ氏は「キプロスが無視すれば、ECBは警告を実施に移すだろう」と指摘、「その結果、キプロスは本格的な金融危機に見舞われ、ユーロ圏を離脱せざるを得なくなろう」と予想する。


ユーロ圏で救済を受けている国々。救済資金の額の大きさは、ギリシャ、ポルトガル、アイルランド、スペイン、キプロスの順になっている
 そうなれば、ユーロ圏は未踏の領域に入る。ユーロ圏は不可逆的な通貨同盟であるにもかかわらず、便宜上の偽装結婚になってしまうからだ。1つの国が離脱できるのであれば、他の国も離脱できることになる。アヌンツィアータ氏は「欧州の政策立案者は一定の環境下でユーロ圏からの離脱を容認することを、マーケットは考慮にいれなければならなくなる」と話した。

 キプロスが離脱すれば、ECBは残りの16カ国を囲い込む劇的な防衛措置を講じることだろう。いずれにしても、ECBもユーロ圏も未知の世界に飛び込むことになるだろう。

 ユーロ圏財務相たちは16日の会合で、キプロスへの預金課税の決定が、そのようなロシアンルーレットに似た危険な賭けになると覚悟していた節はない。

 ドイツなどは、国内の有権者や議会を説得しやくするため、自国の負担を軽くすることが主眼だった。また、ゲームのルールを厳しくして規律をもたせることも重要だった。キプロスに低利の融資を供与するという安易な策を施せば、他のユーロ諸国も政策の失敗の責任を負わなくても済むというシグナルを送ることになる。その結果、すべてのユーロ圏諸国が将来、システミック・リスクを抱えるようになる。

 キプロス人は、実際にどんなルールを自分たちが破ってしまったのか戸惑っているかもしれない。キプロス政府は債務を低く抑え、同国の銀行は経済規模に比べれば確かに大きすぎるかもしれないが、気まぐれな金融市場に依存せずに、安定した預金に恵まれてきた。

 キプロスがユーロ圏にとどまったとしても、離脱したとしても、キプロスの国民にとってはめでたい話にはならないだろう。いずれにしても、金融機関の危機と深刻な経済縮小は避けられそうもないからだ。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323873404578375442267932524.html?reflink=wsj_redirect


緊迫高まるキプロス問題、支援合意できない場合の展開は
2013年 03月 22日 13:10 JST
[ブリュッセル 21日 ロイター] 欧州連合(EU)はキプロスに対し、25日の営業時間終了までに、約60億ユーロを調達する計画をまとめ、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)と金融支援で合意するよう求めた。

欧州中央銀行(ECB)は、支援で合意できない場合、キプロス向けの緊急流動性支援(ELA)を中止すると表明している。

キプロス経済は、銀行・金融・観光に依存しており、ELAが断たれた場合、国内経済は崩壊しかねない。

銀行は25日まで休業となっており、それまでに合意を成立させる必要がある。

以下に考えられるシナリオをまとめた。

<支援策で合意、銀行が営業再開>

政府が銀行休業を延長しない場合、大手リテール銀行(バンク・オブ・キプロス、キプロス・ポピュラー銀行、ヘレニック・バンク、USBバンク)は26日午前から営業を再開する。

この時点までにEU・IMFとの合意が成立すれば、大規模な混乱を回避できる公算が大きい。

特に海外預金者から大量の預金の引き出しがあるとみられるが、ECBは引き続き緊急流動性支援を実施できる。

市場がこれを好感し、落ち着きを取り戻せば、最終的には資金が国内に戻る可能性もある。

これが最善のシナリオといえるが、この場合も銀行の再編は避けられないとみられる。

<支援策で合意できないまま、銀行が営業再開>

25日遅くになってもEU・IMFとの合意が成立せず、銀行休業も延長されない場合は、混乱が拡大する可能性が高い。

銀行が営業を再開した場合も、預金の引き出しを求める顧客が殺到し、早期に営業中止を余儀なくされる恐れがある。

特に国内2大銀行で今回の問題の影響を大きく受けているキプロス・ポピュラー銀行とバンク・オブ・キプロスはその可能性が高い。

銀行休業が延長される可能性もあるが、預金者は現在、現金自動預払機(ATM)からしか預金を引き出せない状況で、休業が長引けば、社会不安が高まる恐れがある。

ただ、どちらのシナリオも理論上の仮定で、ECBの支援を受けられなければ、銀行は破綻するとみられる。

<資本規制>

EU・IMFとの合意が不可能であることが25日までに判明すれば、キプロス議会が金融機関に対する資本規制を導入する可能性がある。

法案はすでに議会に提出されている。

資本規制は、当面の預金流出を制限する内容となる可能性がある。危機発生前の預金残高は700億ユーロ前後。

ただ、資本規制を導入しても、2大銀行をはじめ、銀行の支払い能力の改善にはつながらない見通し。

<バッドバンクの設立>

EU高官は21日、「グッドバンク」と「バッドバンク」の設立が必要になる可能性があるとの認識を示した。

最善のシナリオでは、グッドバンクがすべての健全債権と預金保険対象の預金(10万ユーロ未満の預金)を継承し、バッドバンクがすべての不良債権と預金保険対象外の預金(10万ユーロ超の預金)を引き継ぐ。

EU高官は、バッドバンクの預金に対し、30─40%の「ヘアカット」を適用する必要があると指摘している。

ただ、キプロスには預金保険の裏付けとなる資金がなく、預金保険対象の預金も全額は返還されない可能性がある。

国内では銀行への不信感が募っており、救済策で合意が成立し、ECBが緊急流動性支援を継続した場合も、銀行が営業見合わせを余儀なくされる恐れがある。

キプロス中銀は21日、国内2位のキプロス・ポピュラー銀行には破綻を避けるため再編が必要との認識を示した。

<ユーロ離脱の可能性>

銀行システムが崩壊した場合、国内経済は麻痺し、一時的に混乱が広がるとみられる。

その後の経済の建て直しには、通貨の大幅な切り下げが最も有効とみられるが、通貨切り下げには、ユーロ離脱が必要になる。

EU高官はロイターに「金融セクターが崩壊すれば極めて大幅な通貨切り下げが必要になり、自国通貨を復活させる以外に道はなくなる」と述べた。

ただ、一部のユーロ圏当局者は、経済が破綻した場合も、ユーロ圏の内部で対応することが望ましいとの認識を示している。

<伝染>

政策当局者は、今回の問題が他のユーロ圏諸国に波及するリスクは小さいとみている。

ギリシャの国内総生産(GDP)はユーロ圏全体の2%と小規模だったが、キプロス経済はさらに規模が小さく、ユーロ圏全体の0.2%にすぎない。

キプロスの銀行部門の規模はGDPの8倍、海外からの預金が多いなど、特殊な状況といえる。当局者は今回のような問題が他のユーロ圏で繰り返されることはないとみている。

銀行不信が他のユーロ圏諸国に広がれば、ECBが信頼回復まで流動性を供給することが可能だ。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE92L02R20130322?sp=true


コラム:キプロスのユーロ離脱に現実味、対処は可能
2013年 03月 22日 12:57 JST
By Neil Unmack

[ロンドン 21日 ロイター BREAKINGVIEWS] 欧州中央銀行(ECB)はキプロス発の混乱(Cyp─riot)を引き起こすつもりなのだろうか。

ECBは、キプロスが欧州連合(EU)などによる救済策を受け入れなければ資金供給を断つと脅しをかけ、同国によるユーロ離脱の引き金を引きかねない情勢となった。ECBはこれまでも一部の国や銀行への資金供給停止をちらつかせ、その後引っ込めた経緯があるが、今回は本気かもしれない。

ECBは表向き、キプロスをユーロ圏から追い出すと脅迫しているわけではない。支払い能力のある機関にしか資金は貸せない、救済策はキプロスの銀行システムの支払い能力を確かなものにする、と言っているだけだ。銀行への資金供給途絶は離脱への第一歩となりかねない。いわゆる緊急流動性支援(ELA)90億ユーロを維持しなければキプロスの銀行は破綻し、政府は資本統制を課すか紙幣を刷るしかなくなる。

ユーロ圏が15日に合意した救済提案をキプロス議会が拒否したことで、ECBに注目が集まった。キプロス政府がECBの脅しに対して開き直ることは容易に予想できる。しかし現実には、ELAの中止は容易ではない。中止するためにはECB理事会の3分の2の賛成が必要で、つまりメンバー23人中、たった8人が反対票を投じればELAを続行できるのだ。

ECB理事会の中には懐疑的なメンバーもいるだろう。ECBは支払い能力のある銀行にしか貸せないとする論拠は薄弱なように見える。支払い能力を失ったアイルランドの旧アングロ・アイリッシュ銀行向けのELAは、キプロス向けの3倍の額に達している。ECBがキプロスの銀行預金全額を担う資金を供給したとしても、ECBが保有するイタリア国債の総額に及ばない。

キプロスのユーロ離脱によって予想もつかない混乱が起こるリスクと天秤にかけてみよう。ユーロ圏周縁国全体で預金者が銀行から逃げ出すかもしれない。ECBは金融システムへの資金供給と国債買い入れを迫られるだろう。イタリアで政権が確立していない今、これは厄介なことだ。

とはいえ、協力を拒む政府への流動性供給は危険な前例となる。キプロスの規模は小さく、国内総生産(GDP)はユーロ圏全体の0.2%に届かないため、ユーロ離脱の影響は対処可能かもしれない。しかも、イタリアやポルトガルが離脱する確率は必ずしも高まらない。キプロスの経済・政治情勢は独特だからだ。離脱による痛みの大きさを直視すれば、周縁国におけるユーロ懐疑論は和らぐ可能性さえある。

キプロスの銀行が営業再開に近づくまで、ECBは決断を急ぐ必要はない。営業が再開しても短期的な資本制限など、時間を買う方法はあるかもしれない。しかし、いくらユーロ離脱が望ましくないとしてもECBの脅しは本物だ。そして脅迫の真実味ゆえに、キプロスは瀬戸際外交を後退させる可能性が高い。

ユーロ圏、金融危機のキプロスに財源策要求

 【ロンドン支局】ユーロ圏は21日夜(日本時間22日未明)、電話による財務相会議を開き、金融危機にあるキプロスに対し、ユーロ圏が納得できる新たな財源確保策の速やかな提示を求めることで一致した。


 ユーロ圏は、キプロスに100億ユーロ(1兆2000億円)を支援する条件として、同国の自助努力で58億ユーロの財源を確保するよう求めている。キプロス政府は当初、国内の銀行預金に最大9・9%の税金を課し、58億ユーロを調達する計画だった。しかし、同国議会が19日、「預金課税法案」を否決したため、新たな方策を迫られている。

 欧州中央銀行(ECB)も21日、キプロスがユーロ圏との間で支援策をまとめない限り、キプロスの銀行に対する緊急資金供給策を25日までで打ち切る方針を表明、事態の早期打開を迫っている。

(2013年3月22日14時42分 読売新聞) 


 


キプロス、ロシアから金融支援得られず−サリス財務相 

  3月22日(ブルームバーグ):キプロスはロシアに対して求めた金融支援を得られなかった。キプロスのサリス財務相が明らかにした。欧州が示した救済条件を拒否した同国は、ロシア支援に望みを託していた。
同相はモスクワのホテルをチェックアウトした後にインタビューに答え、「われわれが望んでいた支援は得られないようだ」と述べた。「しかし、今は帰国しなければならない。キプロスでは事態が深刻になっている」と付け加えた。
キプロス議会は22日、欧州からの救済融資を受けるために必要な法案の審議を開始する。欧州中央銀行(ECB)が同国の銀行への緊急流動性支援を25日までで打ち切ると通告していることから、金融システム崩壊を防ぐために救済確保が急務となっている。
キプロスは欧州連合(EU)が100億ユーロ(約1兆2200億円)の救済融資の条件とした銀行預金課税の法案を議会が否決した後、必要額の58億ユーロを調達する他の方法を模索している。
サリス財務相は20日、ロシアのシュワロフ第1副首相、シルアノフ財務相と会談。キプロスがロシアから2011年に受けた25億ユーロの融資の再編を求めた。
サリス財務相は、既存融資について「期限が延長され条件が調整されると思う」とした上で、その他の支援については何も結果が出たとは言えないと述べた。同相は21日のアンテナTVとのインタビューでは、ロシアは融資はできないがキプロスのエネルギー業界への投資を検討すると語っていた。
原題:Cyprus’s Sarris to Leave Moscow Without Russian FinancialHelp(抜粋)


 



09. 2013年3月23日 13:32:29 : aSRfeiTrFw


 
小笠原誠治 キプロスは自業自得なのか?
2013/03/23 (土) 12:39


 相変わらず五里霧中のキプロス。

 キプロスでは、来週の月曜日まで銀行の営業は休止されたままだと言います。但し、ATMで少しだけ預金を下ろすことは可能なのだ、とか。そうしたことで最悪の事態が今のところ回避されているのでしょう。

 しかし、キプロス国内の多くの商店では、もはやクレジットカードなどでの買い物はできなくなっていると言います。買い物をしたいのであれば、現金で支払ってくれ、と。

 こうなると信用システムは事実上崩壊していると言ってもいいのです。当然、実体経済には大きな打撃となるでしょう。

 ところで、私は、これまでキプロスの預金課税は余りにも無茶だという立場を取ってきました。そのようなことをすればさらに預金流出を起こすだけではないか、と。

 それに、これまでユーロ圏内で行われてきた銀行救済のケースでは、そうして預金者に負担を求めることなど一切なかったのに、何故キプロスのケースではそうした慣例を破り、預金者に負担を求めるのか、と。公平ではないではないか、と。


(キプロス政府のサイトより。キプロスの大統領)

 いずれにしても、預金課税を実施して自前で58億ユーロを賄うことをしなければ、100億ユーロの支援は行なえないと主張するトロイカ軍団。

 このような非常事態になっても、EUやECBはキプロスに一切妥協しない方針なのだとか。自前で58億ドルを調達できないのであれば、支援はできない、と。

 つまり、ドイツを始めとする支援国側は、キプロスがデフォルトを起こそうと、或いは、ユーロ圏を離脱するようなことになろうとも、それはやむを得ないと思っている節があるのです。

 ギリシャの時とは大きく違うのです。

 ギリシャのユーロ離脱はあり得ないし、そのようなことは認めることはできないと一貫して主張していたユーロ圏諸国。

 しかし、キプロスについては違うのです。

 でも、それは何故なのでしょう?

 ギリシャの人口は約1100万人。そして、ギリシャのGDPは約2400億ユーロ。

 それに対して、キプロスの場合には‥

 人口が約87万人。そして、GDPは約170億ユーロ。

 ギリシャでさえ経済規模は大したことはないからと言われていた訳ですが、キプロスの場合には、それよりさらに一桁小さいのです。もう少し具体的に言うならば、キプロスのGDPはユーロ圏全体の0.2%にしか過ぎない、と。

 要するに、キプロスで何かが起こったとしても大したことではないと、皆思っているのでしょう。

 そして、欧州勢がキプロスの金融危機に関し、本気で心配している風が感じられないから、米国の市場も、アジアの市場も、蚊に刺された程度にしか感じないのでしょう。

 でも、そうは言っても、本当にキプロスがデフォルトを起こしたら? そして、キプロスがユーロ圏を離脱したら?

 もう一度言います。ドイツを始めとするユーロ圏諸国は、もう腹を決めているということでしょう。ユーロ圏を離脱するなら、それはやむを得ない、と。

 では、どうしてキプロスはそこまで冷たくあしらわれるのか?

 キプロスは、地中海のケイマンみたいなものだと言われてきたのをご存知でしょうか?

 そうです、タックス・ヘイブン‥租税回避地なのです。

 要するに、ユーロ圏に参加したからには皆と同じ条件で経済活動を営むべきであるにも拘わらず、キプロスはこれまでタックス・ヘイブンという立場を武器に散々良い目をしてきたではないか、と。そのせいで、他国はどれだけ迷惑を被っているのか、と。それなのに困った時にだけ他国に支援を求めるのは何事だ、とドイツなど周りの国々が感じているのでしょう。

 キプロスに対する反感は、恐らく英国に対する反感も反映しているのでしょう。そして、キプロスがロシアとの関係が緊密なことも面白くない、と。

 でも、その一方で、英国とロシアが仲が悪いのは余りにも有名。その英国とロシアが、このキプロスの金融危機を巡っては、同じような立場にある訳なのです。皮肉なものなのです

 来週の月曜日がタイムリミットと言われていますが、恐らく受け皿銀行が出来、事実上破綻している銀行の預金などが引き継がれることになる可能性が大でしょうが‥いずれにしても何らかの手段でキプロスは58億ユーロを調達せねばならず、それができなければ初のユーロ圏脱退となるかもしれないのです。

 最後にロシアが登場するのでしょうか?

以上


 

 

キプロス議会、資本規制法案を可決−欧州財務相は24日会合か 
  3月23日(ブルームバーグ):キプロス議会は22日夜、資本規制や銀行整理など9つの法案を可決した。欧州連合(EU)の支援を確保して財政破綻を回避するため。
採決に先立ち、首都ニコシアではキプロス政府とEUなどの当局者の協議の進展のない状態が1日続いた。議会は10万ユーロ超の銀行預金にどのように課税するかについて23日に採決を行う可能性がある。全ての銀行預金に課税するとした当初の法案が否決されてから、4日が経過している。銀行は1週間休業しており、26日に再開の予定。
アナスタシアディス大統領は、キプロスのユーロ圏残留を危うくし始めている1週間もの手詰まり状態を打破しようとしている。欧州中央銀行(ECB)は、キプロスが海外債権者を納得させる提案を25日までに出さなければ、緊急の流動性供与を全て打ち切ると警告した。
欧州各国の財務相は最新のキプロスの提案について協議するため、24日に会合するもようだ。
原題:Cyprus Approves Capital Controls as EU Ministers Prepareto Meet(抜粋)


 

 キプロスが銀行再編法案を可決、「バッドバンク」設立可能に
2013年 03月 23日 08:32 JST
[ニコシア 22日 ロイター] キプロス議会は22日、銀行再編法案を可決した。「バッドバンク」を設立し、経営難に陥った金融機関の不良資産と優良資産を切り離すことを可能にする。

当局者によると、同法はまず、国内第2位のキプロス・ポピュラー銀CPBC.CYに適用される公算が大きい。小額預金者への影響を回避しながら同行の再編を目指すとしている。


ユーロおおむね上昇、キプロス問題の進展期待で
2013年 03月 23日 08:04 JST
[ニューヨーク 22日 ロイター] 22日終盤のニューヨーク外為市場では、ユーロがドルに対して上昇。週間では7週間ぶりに値上がりに転じた。キプロス問題で週明けまでに進展が見られるとの期待が広がった。

欧州中央銀行(ECB)がキプロス向け緊急流動性支援(ELA)を現在の水準で維持する期限が25日に迫るなか、関係筋によると、ユーロ圏財務相は24日にブリュッセルでキプロス問題について協議する見通しとなった。

BNPパリバ(ニューヨーク)の為替ストラテジスト、バサリ・セレブリアコフ氏は「不透明感は依然根強いものの、基本的には(期限までに)何らかの決着がつくと考えている」と述べた。

ユーロ/ドルは0.7%高の1.2994ドル。英銀のユーロ買いが見られたという。キプロス問題が嫌気され、今週は一時4カ月ぶり安値となる1.2843ドルまで売り込まれた。週間では0.5%高。

キプロス与党幹部はこの日、銀行預金課税をめぐり、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、ECBの3者で構成されるトロイカとキプロス首脳らが協議していることを明らかにした。10万ユーロ超の預金に対し、10%以上の課税を行うことが検討されているという。

ユーロ/円は一時2週間ぶり安値となる121.45円をつけた。予想を下回る3月のIFO独業況指数がユーロ売りを誘ったという。ただその後は値を戻し、0.3%高の122.72円。

ドル/円は0.4%安の94.51円。一時94.18円をつけた。週間では約0.1%高。

主要6通貨に対するICEフューチャーズUSドル指数.DXYは0.4%安の82.384。前週つけた7カ月ぶり高値の83.166から一段と後退した。


10. 2013年3月25日 12:26:48 : GnRfb4ci8o

小笠原誠治 大口預金を4割カットするというキプロスの銀行救済案
2013/03/25 (月) 10:48
 銀行を救済すると言えば、普通はその銀行と取引のある者、特に預金者を保護するのが主眼であるのですが‥キプロスの銀行救済は我々の常識とはちょっと違う。
 違うどころか、大口の預金者は、預金残高の4割を諦めてもらうという内容になりそうなのだ、と。
 つい先日、9.9%の預金カット案がキプロスの議会で否決された筈なのに‥キプロス政府がトロイカ(EU、ECB、IMF)と話し合いをした結果は、むしろ預金のカット率が高くなったというのです。
 何故、そんなことに?
 それは、小額預金者に負担を押し付けないためなのだ、とか。
 つまり、国内の不満を抑えるために小額預金者の預金カットを免除しようとすれば、大口の預金者の預金カット率を大きくしないと、自前で調達することの必要な財源58億ユーロが捻出できないということなのです。
 では、大口預金者は文句を言わないのか?
 もちろん、大口預金者は文句を言うでしょう。
 つまり、タックス・ヘイブンのキプロスの銀行にお金を預けているロシアの富裕層やロシアの企業が文句を言う、と。現に何故キプロスの救済問題を議論するに際して、予めロシアに相談しなかったのかとロシア側が難癖をつけているのです。
 では、ロシア側に事前に相談をしたら、良い結果が生まれていたのか?
 それは何とも言えない。
 いずれにしても、キプロスとしてはロシアのことを無視した訳ではなく、否、むしろロシアに支援を要請していたのですが、ロシアとしては、何らかの担保を得られない限り支援には応じられないという態度なのです。
 では、キプロスとしては、ロシアの要求に応える術があるのか?
 実は、天然ガス田の権利を担保にする案もあるのですが‥しかし、そのガス田については、トルコ政府がキプロスがガス田の権利を勝手に外国に移譲するような真似は許さないと、言っているのです。
 
 (キプロス情報サービスより。キプロスはこんなにトルコに近いのです)

 まあ、そうした関係者の言い分を総合的に考えるならば、結局、ロシアにババを引き受けてもらうしかないという結果になったのだと思うのです。
 仮に、この案で最終決着がつくならば、取り敢えずキプロスの民間銀行は、EUから100億ユーロの支援を得て、営業を再開することができるでしょう。
 しかし、そのように預金を40%もカットするという荒療治に出ることによって、今後、一層資本の海外流出が続くことが懸念されるのです。
 ということで、一難去ってまた一難。

 しかし市場は、キプロスなんてユーロ圏全体に占める割合が0.2%だからと、依然として高を括っているのです。
 いずれにしても、これでロシアとEUの溝はさらに深まったと言えるのです。
以上

ユーロ圏財務相:キプロスとトロイカの支援合意を承認

  3月25日(ブルームバーグ):キプロスは同国支援の条件の大枠で合意した。これにより同国への100億ユーロ(約1兆2400億円)の救済融資の道が開かれ、デフォルト(債務不履行)に陥る事態が回避された。
キプロスと欧州中央銀行(ECB)、欧州連合(EU)の欧州委員会、国際通貨基金(IMF)の3者、いわゆるトロイカが25日、合意に達し、その合意内容がブリュッセルのユーロ圏財務相会合で承認された。
キプロスのアナスタシアディス大統領は記者団に対し、「キプロス国民とEUにとって最善の策だ」と語った。
キプロスとトロイカの暫定合意を受けユーロは上昇。ブリュッセル時間25日午前2時15分(日本時間同10時15分)現在、0.3%高の1ユーロ=1.3023ドル。
ユーロ圏財務相会合の開始が遅れる中、アナスタシアディス大統領はファンロンパイEU大統領、ドラギECB総裁、ラガルドIMF専務理事らと暫定合意に達した。
合意案はキプロス・ポピュラー銀行が不良資産の受け皿となるバッドバンクとそれ以外のグッドバンクに分割され、キプロス銀行はポピュラー銀のグッドバンクと、中銀が供給した緊急流動性90億ユーロを引き受ける。EU当局者3人が匿名を条件に明らかにした。
原題:Euro Finance Chiefs Agree to Cyprus Deal Paving Way forBailout(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル Rebecca Christie rchristie4@bloomberg.net;ブリュッセル James G. Neuger jneuger@bloomberg.net;ブリュッセル Svenja O’Donnell sodonnell@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/25 11:01 JST


IMF、13年米GDP成長率見通しを1.7%に下方修正へ=報道
2013年 03月 25日 08:42 JST
[ミラノ 24日 ロイター] イタリアのANSA通信は23日遅く、国際通貨基金(IMF)の次回の世界経済見通しの草案を引用し、増税と歳出削減の影響を織り込み、IMFが米国の今年の成長率予測を下方修正する計画だと伝えた。

今年の米国の国内総生産(GDP)成長率見通しは1.7%と、1月時点の2%から下方修正される。IMFは4月半ばに世界経済見通しを公表する予定。草案では2014年のGDP成長率は従来通り、3%となっている。

世界のGDPは2013年に3.4%拡大する見通しで、伸び率は従来の3.5%から下方修正される。日本の伸び率は1.5%と、従来の1.2%から上方修正されるもようだ。

2014年については、日本の伸び率は1.1%と、従来の0.7%から引き上げられるといい、英国は従来の1.9%から1.8%に引き下げられる見込み。

ユーロ圏の主要国やユーロ圏全体の見通しは1月時点から変更はないという。イタリアの政治的な不透明感や、米国の厳しい財政政策が成長に対するリスクという。

ANSA通信によると、IMFは草案で世界経済が新たなリスクに直面し、これまでの危機的な状況も続いていると指摘。イタリアの総選挙結果からくる不透明感などユーロ圏の展開や、米国の財政政策に絡むものが、短期的な主要リスクだとしている。

IMFの広報担当者はコメントを控えた。

日経平均反発、キプロス支援策合意で1万2500円台回復
2013年 03月 25日 09:23 JST


キプロスとEU、支援策案で合意=EUスポークスマン
2013年 03月 25日 09:39 JST
[ブリュッセル 25日 ロイター] 欧州連合(EU)スポークスマンが25日明らかにしたところによると、キプロス、EU、国際通貨基金(IMF)は、キプロスに対する支援策案で合意した。

支援策案はこの後、ユーロ圏財務相会合に提出される。

同案には「グッドバンク」と「バッドバンク」の創設が盛り込まれており、キプロス・ポピュラー銀行は事実上閉鎖されることになる。

キプロス・ポピュラー銀行の小口預金(10万ユーロ未満)をバンク・オブ・キプロスに移管する。

預金保険対象外の大口預金(10万ユーロ超)は凍結し、債務問題の解決に充てる。大口預金者がどの程度の損失を負担するかは不明。


ユーロ危機:もう大丈夫だと思った矢先に・・・
2013年03月25日(Mon) The Economist
(英エコノミスト誌 2013年3月23日号)

キプロスの救済が難しいことは初めから分かっていた。だが、こんなことにはならなくて済んだはずだ。


キプロスの首都ニコシアの議会前で、ニコス・アナスタシアディス大統領とアンゲラ・メルケル独首相を風刺した横断幕を掲げ、欧州連合(EU)による金融支援条件に抗議する人々〔AFPBB News〕

 欧州の政策立案の基準から言っても、この1週間余りは最悪だった。

 キプロスが最初に金融支援を要請してから9カ月が経った3月16日未明、ドイツを筆頭とするユーロ圏の財務相は、本来必要な170億ユーロには遠く及ばない100億ユーロの救済策を提示した。

 誰が誰に対して具体的に何をするよう命じたのかは明らかになっていないが、その後キプロスは、預金者に対する課税により、さらに58億ユーロを確保すると発表した。

 税率は、保険による保護額の上限である10万ユーロを超える預金に対しては9.9%、それを下回る預金では6.75%とされた。

大混乱を招いたキプロス救済案

 この案を受け、大混乱が生じた。特に動揺したのが、規制の緩いキプロスに資金を貯めていた多くのロシア人(立派な人間もそうでない人間も含む)だ。キプロスの街頭に群衆があふれ、すべての銀行が固く窓口を閉ざす中、キプロス議会は3月19日、救済パッケージを否決した。

 本誌(英エコノミスト)が印刷に回された時点で、舞台の中心はモスクワに移り、キプロスはウラジーミル・プーチン大統領とその取り巻きを説得し、恐らくは将来の天然ガス収益を見返りに、いくらかの資金援助を引き出そうとしていた。

 キプロスは地中海の小国で、国内総生産(GDP)は230億ドルにすぎない。だが、今回の危機は、長期的な悪影響をもたらしかねない。

 欧州中央銀行(ECB)が単一通貨ユーロを守るためならどんなことでもすると約束し、安定を取り戻したかに見えてから8カ月、ユーロ加盟国の1つが切り捨てられる危険性が再び浮上してきたのだ。

 そのせいで、取り付け騒ぎの可能性が高まっている(キプロスが預金を取り上げられるのであれば、イタリアやスペインがそうしてもおかしくない)。また、今回の一件は、ユーロ問題の恒久的な解決に向けた進展がなかったことも露呈した。

 こうした事態が欧州各国の改革への取り組みを後押しすればいいのだが、ドイツの総選挙を今秋に控える状況では、その可能性は低いだろう。

 キプロスの財政は破綻している。銀行の債務を国が引き受けた場合、キプロスの債務総額はGDPの145%に達する。本誌が主張してきた対応策は、欧州安定メカニズム(ESM)がキプロスの各銀行にケース・バイ・ケースで直接資本注入し、脆弱な国が脆弱な銀行を救済するという悪循環を断ち切る措置だ。

 また本誌は、預金者と優先債保有者の保護も主張してきた。これは何もロシアの富裕層に味方しているわけではなく、キプロスよりも規模が大きな脆弱なユーロ導入国で取り付け騒ぎが起きる懸念があるためだ。

 だが、欧州はこうした措置を選ばずに、キプロス政府に直接資金を援助すると決定した。そしてキプロスは、恐らく一部の債権国・機関に押されて、保険の対象となる預金までを含めたすべての銀行預金に課税することを決めた。

「キプロシア」に向かう?

 それは独創的と言えるほど愚かな方法だ。キプロスは、銀行債務のほぼすべてが(長期債券ではなく)預金だという点で、普通とは異なっている。だが、国際通貨基金(IMF)が推移を調査した1970年以降の147回の金融危機のうち、預金先の銀行と預金額にかかわりなく、預金者すべてに損失を押しつけたケースは1度もない。

 今、脆弱な国の脆弱な銀行に預金しているすべての預金者が、突然預金を奪われるのではないかと心配するもっともな理由ができてしまった。イタリアなどの預金者は、まだパニックを起こしていないが、ユーロ圏が彼らも「救済」しようとすれば、パニックになるだろう。


ECBは今回、金融の安定を脅かす計画に加担した〔AFPBB News〕

 この責任は、キプロスと債権国・機関の両方にある。キプロスの罪は大きい。ロシア人を呼び込み、銀行が過剰に肥大化するのを許した。2011年にはキプロスの銀行の資産がGDPの800%に達した。

 キプロスの銀行は、昨年、ギリシャ国債の債務再編により40億ユーロの損失を被る以前から、経営難に陥っていた。

 一方、債権国・機関はと言うと、総選挙を控えたドイツでは、断固たる姿勢を示すことがアンゲラ・メルケル首相の最優先事項になっているようだ。そして、金融の安定を守ることが仕事であるはずのECBは、結局は安定を脅かすことになる計画に加担した。


ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はどう出るか?〔AFPBB News〕

 今、欧州の首脳は何をすべきなのだろうか? 最悪の結末は、キプロスをユーロ離脱になだれ込ませてしまうことだろう。キプロスにとって、それは破滅的な事態だ。

 そして、キプロスのような小国なら離脱しても大丈夫だとユーロ圏が考えているのなら、それは間違っている。ユーロの信用は、その通貨が不可逆であるという信念の上に成り立っているからだ。

 キプロス救済をロシアに委ね、ガスの分け前と引き換えにキプロスの銀行に資金を投入させるというのも、1つの答えだろう。だが、最善の策ではない。

 ドイツの納税者のカネをロシア人預金者を救済するために使うという政治判断がどれほど際どいものであっても、キプロスがオフショアのロシア管轄区になるような取引がまとまれば、道義に反した結果になる。それよりは、ユーロ圏と間の取り決めを見直す方がいいはずだ。

ユーロ圏をつなぎとめるもの

 本誌は以前と変わらず、ESMから直接キプロスの銀行に資本を注入する策が望ましいと考えている。その選択肢は全く検討されていない。恐らく今できる最善の対策は、保険でカバーされる預金者を保護し、それ以外の銀行債権者に一定の損失を負担させることだろう。また、ここ1週間で生じた経済的損失を考慮すれば、支援額を引き上げる必要もある。

 拒否された救済案の経済的前提は、既に現状にそぐわないものになっている。休業している銀行がいずれ再開すれば、資本逃避が起きる。キプロスのオフショア金融ビジネス計画はもう破綻した。

 キプロスは新たな繁栄の源を探る必要がある。例えば、最近発見された地中海の天然ガスの開発を加速するというのも手だろう。もっとも、この発見は過大評価されている可能性もあるが。

 キプロス経済にとって最善の長期的プランは、北キプロス・トルコ共和国との再統一に取り組むことだろう。再統一が実現すれば、観光業が促進され、GDPが押し上げられるはずだ。

 もっと広い範囲に目を向けるなら、欧州の首脳は、キプロスの悲喜劇を目の当たりにして、急いで行動を起こすべきだ。仮に損害を被るのが保険でカバーされない預金だけになったとしても、既に一線は越えてしまった。

 欧州はできるかぎり早く、公式なベイルイン*1制度を打ち出さなければならない。最後の手段である場合を除き、預金保険の対象かどうかにかかわらず、すべての預金者を保護するために、損失を吸収できる一定の量の優先債を持つことを銀行に義務づけるものだ。

 これにより、従来より予想しやすい環境が整うが、同時に市場間の格差が拡大し、経済の弱い国の借り手は融資を受けるのが一層難しくなり、借り入れコストが上昇する。そうした格差を解消する唯一の策は、適切な銀行同盟とソブリン債務の限定的な相互化だ。

 政治的な影響は悲惨だ。債権国から不当に扱われていると周縁国が感じるのは、キプロスが初めてではない。債権国側は、金融支援をしても即座にその価値が薄れてしまうことに憤っている。ユーロ圏の経済は停滞している。各国で抗議活動を繰り広げる政党が人気を集めつつある。

 ユーロは、壮大な政治的プロジェクトを体現するものになるはずだった。だが、いまやまるで愛のない結婚のように、別れのコストだけがパートナーをつなぎとめている。

*1=金融機関が破綻する時に預金者などの債権者にも損失の負担を求める手法

http://jbpress.ismedia.jp/articles/print/37425


EUのオウンゴールでロシアとの関係にヒビ
2013年03月25日(Mon) Financial Times
(2013年3月22日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


ロシアのメドベージェフ大統領はキプロスの預金課税計画を激しく非難した〔AFPBB News〕

 ロシアのドミトリー・メドベージェフ首相は21日、キプロス危機の解決策は「ロシアの機構も含むすべての利害関係者が参加」する形で模索しなければならないと強調した。

 だが、かねて予定されていたモスクワでの会議のために、メドベージェフ首相が欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長の隣に座った時でさえ、空気は明らかに「張り詰めていた」と西側の外交官の1人は言う。

 欧州連合(EU)のある外交官は「(首相は)メモを取っていた」と言うものの、メドベージェフ首相はバローゾ委員長のスピーチの間ずっと「iPad(アイパッド)」で遊んでいるように見えた。

 一方のバローゾ委員長は「解決策を見つけるためにキプロスとユーログループ(ユーロ圏財務相会合)の関係者の間で協議が行われている」と述べ、スピーチの重要なくだりでロシアを省略したように見えた。

キプロス救済案を巡る非難合戦

 どちらも内心、激怒している。ロシア側は、キプロスの銀行の預金者――その多くがロシア人――から58億ユーロの税金を徴収することになる100億ユーロ規模のキプロス救済案に関して相談がなかったと言ってEUを非難している。

 一方のEUは、いずれにせよ同じ結果になったかもしれないものの、ロシア政府が18日に救済案を激しく非難したことがキプロス議会に救済案を否決する口実を与えた可能性があると腹を立てている。

 ラジオ局エコー・モスクヴイの代表を務めるアレクセイ・ベネディクトフ氏は、「怒った」バローゾ委員長が局とのインタビューをキャンセルしたと語った。もっとも、あるEU高官は誤解だと話している。

 アナリストらは、EU、ロシア双方に影響を与えるキプロス問題の解決に向けて両者が最初から協力できなかったことは、EU・ロシア関係の希薄さを示す好例であり、かなり永続的なダメージを与える恐れがあると警告する。

 欧米寄りのロシア人識者でさえ、EUはキプロスの預金者への「課税」案で派手なオウンゴールを放ってしまったと言う。

 「欧州勢は大きな間違いを犯した。おかげで欧州全土の銀行システムに対する不信感を招き、次にどこかで危機が起きた時にはすべての預金者が銀行から逃げ出すだろう」。ロシア中央銀行の元副総裁でモスクワの国立高等経済学院の経済学者セルゲイ・アレクサシェンコ氏は、こう話す。

 今回の一件でロシアとEUの関係が悪化するかどうか問われると、「存在しないものを傷つけることは不可能だ」と言ってのけた。

 ソビエト連邦の最後の大統領だったミハイル・ゴルバチョフ氏が、ロシアと欧州諸国は協力して「欧州共通の家」を築かねばならないと述べてから四半世紀近く経つ。メドベージェフ首相は20日、本紙(英フィナンシャル・タイムズ)やその他欧州メディアとのインタビューで同じ表現を使った。

ロシアの対EU関係は対米関係よりも中身がない?


ウクライナの首都キエフ近郊のボヤルカを走る天然ガス・パイプラインの圧力調整バルブ〔AFPBB News〕

 だが1991年のソ連崩壊以降、貿易およびビジネスの関係は急激に成長したが、政治的、制度機構的な協力の成果は限られていた。

 極めて重要なエネルギー分野でさえ、両者は2006年以降、ロシアとウクライナの2度の価格論争がウクライナ向けのガス供給停止に発展し、さらに西のEU諸国への供給にも影響する事態を防ぐことができなかった。

 ウラジーミル・プーチン大統領よりは欧州びいきと見られているメドベージェフ首相はインタビューで、2009年にEUと始めた「近代化パートナーシップ」は商業的な協力で成果をもたらしたと述べた。だが大半の観測筋は、年に2回のEU・ロシア首脳会議は形骸化しつつあるように見えると話している。

 モスクワにある米国カナダ研究所のセルゲイ・ロゴフ所長は、ロシアの対EU関係はある意味で対米関係よりも中身がないと指摘し、米国のジョン・ケリー国務長官やチャック・ヘーゲル国防長官にとっては、ロシアはまだ優先順位が高いが、「キャメロン(英首相)やメルケル(独首相)、オランド(仏大統領)にとっては違う」と言う。

 また、ユーロ圏の危機は、ロシアがもはや欧州をモデルと見なしていないことを意味している。実際、プーチン大統領を含む保守派は欧州を公然と軽蔑している。

EUの不手際はプーチン大統領への贈り物

 「プーチンは西側の民主主義に基づく市場経済が崩壊したと考えている」とアレクサシェンコ氏は言う。「だから合意をまとめようとする意味が見いだせない。キプロスに関する今回の決断は、プーチンに対する本当に大きな贈り物だ」

 シンクタンク、カーネギー国際平和財団モスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長は、プーチン大統領はEUとの協力から手を引き始めたと言う。代わりに大統領が重視しているのは、近隣の旧ソ連諸国を再統合し、「ユーラシア同盟」という統一経済圏を築くことだ。

 ユーラシア同盟ができれば、中国と欧州に対するロシアの交渉力が強まり、対EU関係は貿易を軸とした「ブロック対ブロック」の関係にできる。キプロス問題の影響でその傾向は強まる一方かもしれないとロゴフ所長は言い、「この一件でロシアは一段と欧州に背を向ける恐れがある」と話している。

By Neil Buckley and Charles Clover


11. 2013年3月25日 16:46:45 : GnRfb4ci8o
日本株反発、キプロス合意でリスク選好−金融、不動産に買い

  3月25日(ブルームバーグ):東京株式相場は反発。キプロスと国際通貨基金(IMF)などが支援パッケージで原則合意し、同国救済問題に対する警戒感が後退した。金融や不動産、小売株が買われ、機械など輸出関連株も堅調。リスクマネーが商品市況に流れるとの見方から、石油や商社など資源関連株も高い。
TOPIX の終値は前週末比8.72ポイント(0.8%)高の1047.29、日経平均株価 は207円93銭(1.7%)高の1万2546円46銭。
損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの上野賢司シニア・インベストメントマネジャーは、「キプロスの救済問題が解決に向かい始めたことを受け、再び国内の政策期待で日本株を買い戻す流れに入った」と言う。日本銀行が来月3−4日に開く金融政策決定会合で打ち出す見通しの追加緩和策に対する根強い期待から、「不動産株など金融緩和の恩恵を受けやすい業種の上げが大きくなった」と見ていた。
キプロス議会は22日夜、欧州連合(EU)の支援を確保し、財政破綻を回避するために資本規制や銀行整理など9つの法案を可決した。一方、キプロスと欧州中央銀行(ECB)、EUの欧州委員会、IMFの3者、いわゆるトロイカは25日、支援パッケージで原則的に合意し、合意内容がブリュッセルのユーロ圏財務相会合で承認された。これにより、キプロスのデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱は回避された。
東洋証券の土田祐也ストラテジストは、キプロス支援交渉は期限ぎりぎりの欧州時間今晩までもつれるとの見方もあったが、「前倒しで支援合意がなされ、キプロス懸念を背景に先週末に流出した短期マネーが戻ってきている」と指摘。キプロスへの金融支援に向けた協議がまとまらなければ、「欧州金融システムの混乱につながりかねなかった」だけに、ひとまず買い安心感を誘ったと話していた。
円安、米国株堅調
投資家のリスク回避姿勢が後退したことを受け、きょうの東京外国為替市場ではユーロが買われ、円は対ユーロで一時123円85銭、対ドルでも94円96銭と、前週末の東京株式市場終了時の122円付近、94円60銭付近から円安方向に振れた。ニューヨーク原油先物相場もアジア時間25日の時間外取引で上昇。キプロス救済期待などからバレル当たり1.4%高の93.71ドルと反発した前週末の流れを受け継いだ。
また、米国株の堅調な値動きも日本株のプラス要因。前週末22日の米ダウ工業株30種平均は企業の好決算を評価し上昇、週明けの動きを占うシカゴ24時間電子取引システム(GLOBEX)の米S&P500種先物 も基準値比プラスで推移した。
米国では22日、高級宝飾品小売りのティファニーの2012年11月−13年1月の1株利益がアナリスト予想を上回り、スポーツ用品のナイキ、半導体メモリー最大手のマイクロン・テクノロジーの決算も好内容だった。損保ジャパン興亜の上野氏は、「米経済は個人消費を中心に回復度合いを増している印象。財政問題をこなし、設備投資の増加につながるかどうかに注目している」とした。
東証1部33業種はその他金融、不動産、小売、石油・石炭製品、食料品、サービス、卸売、建設、証券・商品先物取引、保険、機械、銀行など30業種が上昇。売買代金上位ではソニー、アイフル、ソフトバンク、三菱UFJフィナンシャル・グループ、オリエントコーポレーション、ディー・エヌ・エー、ファーストリテイリング、ケネディクス、コマツ、三菱地所などが買われた。来期からの3年で1兆円強投資、資源開発に重点的に振り向けると25日付の日本経済新聞朝刊で報じられたJXホールディングスも高い。
半面、海運、空運、非鉄金属の3業種は下落。個別では商船三井、日本郵船、川崎汽船の大手海運株が下げ、NTTドコモ、前週末に新規上場したブロードリーフは売られた。東証1部の売買高は概算で26億9676万株、売買代金は1兆9915億円。騰落銘柄数は上昇927、下落642。
記事についての記者への問い合わせ先:東京 河野敏 skawano1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Nick Gentle ngentle2@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/25 15:42 JST

ドル94円後半、キプロス支援合意でユーロ/円が急伸しサポート
2013年 03月 25日 12:52 JST
[東京 25日 ロイター] 正午のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の94円後半。キプロスのアナスタシアディス大統領と欧州連合(EU)が支援策の大枠案で合意したと伝わるとユーロ/円が急伸し、ドル/円もツレ高となった。

ただ、ドル/円固有の材料が出なかったうえに、国内海外とも参加者は売買を急がなかったため、ドル/円は95円回復には至らなかった。

午前の東京市場はユーロが主導した。キプロスのアナスタシアディス大統領とEUがキプロス支援策の大枠案で合意したと伝わると、ユーロ/円は123円ちょうど付近から急伸して123.80円を付けた。ドル/円もツレ高となった。その後、ドイツのショイブレ財務相がキプロス支援策について「同国議会の承認は必要としない」と述べると、ユーロ/円は再び上昇し、朝方の高値を上抜けて123.85円を付けたが、正午にかけてはもみ合いに転じた。

大手信託銀行の関係者は、この日のユーロ/円について「前週末までに売り込んだ分のショート・スクイーズが出ている程度」と述べた。「そもそもキプロス問題がどれだけ欧州全体にインパクトを与えるのか、そこまで大きくフォーカスすべき問題なのかという気がしている」と話し、今週は「国内勢は年度末だが、海外勢も第1・四半期の終わりなので、あまりポジションをガチャガチャやっている感じではない」とした。

ドル/円には、ユーロ/円の騰勢のほかに、株高や米10年債利回り上昇など支援要因が見受けられたが、95円を回復することはなかった。「何回も何回も95円というレベルは見ている。新鮮味がなく、特段イントもない」(大手邦銀)として、輸出企業のドル売りは強まらなかったが、ドル/円をさらに押し上げるだけの米経済指標など固有の要因に乏しかった。

(ロイターニュース 和田崇彦)

 


キプロス支援策、国内2位の銀行閉鎖と大口預金者負担で合意
2013年 03月 25日 15:24 JST
[ブリュッセル 25日 ロイター] キプロス政府は金融支援策をめぐり、国際支援機関と新たな合意を結んだ。国内2位のキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行CPBC.CYを閉鎖し、預金保険対象外の大口預金者に大幅な負担を求める内容。

計画ではライキ銀行を閉鎖し、小口預金(10万ユーロ未満)を国内銀行最大手バンク・オブ・キプロスBOC.CYに移管して「グッドバンク」を設立することが盛り込まれている。

欧州連合(EU)の預金保険関連規則の対象外となっている大口預金(10万ユーロ超)は凍結され、債務問題の解決に充てられる。バンク・オブ・キプロスは預金と株式転換を通じて資本再編が行われる。

ユーログループのダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は、ライキ銀行の預金保険対象外の大口預金の凍結で、42億ユーロが捻出できるとの見通しを示している。

EUのスポークスマンはキプロスの国内行で預金に対する全面的な課税は行わないと明らかにした。ただし、主要2行の大口預金者に対する負担は当初の計画よりも大きいものとなる見込み。

ドイツのショイブレ財務相は既に必要な法律は可決しており、新たな枠組みに対する議会採決は必要ないと述べた。そのうえで両行の債権者の損失負担なくしては成立しなかったと指摘。ドイツ政府が受け入れられる結果が得られたと述べた。ドイツ議会の承認は得られると確信していると述べた。

アナスタシアディス大統領は24日の協議の際、辞任の可能性を示唆した場面もあった。外交官は大統領がロシアや英国の富裕層からの巨額の投資を引き付けるオフショアの金融センターとしての枠組みを必死に守ろうとしていたと明らかにした。

EUと国際通貨基金(IMF)は100億ユーロの支援策の代わりに、キプロスに対し58億ユーロを拠出することを要求していた。

欧州安定メカニズム(ESM)の責任者、クラウス・レグリング氏は、キプロスが5月初めにユーロ圏からの第一弾融資を受け取る見込みだと明らかにした。

IMFのラガルド専務理事は今回の合意について、キプロスの銀行システムの中核問題に対処する「包括的かつ信用できるプラン」だと指摘。声明で「この合意は銀行システムへの信頼回復に向けた根拠を提供し、成長支援のカギとなるものだ」と述べた。


 


情報BOX:キプロス支援策の詳細
2013年 03月 25日 12:32 JST
[ブリュッセル 25日 ロイター] キプロス政府は25日、欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)と、100億ユーロの金融支援策で合意した。

国内2位のキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行を閉鎖し、預金保険対象外の大口預金者に負担を求める。

ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)が発表した支援策の詳細は以下の通り。

1.ライキ銀行は、株主・社債権者・保険対象外の預金者の全面的な貢献により、直ちに整理する。整理は、新たに採用する「銀行整理フレームワーク」を用い、キプロス中銀の決定に基づいて進める。

2.ライキ銀行は「グッドバンク」と「バッドバンク」に分割する。「バッドバンク」は段階的に規模を縮小する。

3.「グッドバンク」は、バンク・オブ・キプロス(BoC)とライキ銀行の取締役会に諮った上で、銀行整理フレームワークに基き、BoCに編入する。

ライキ銀行向けの緊急流動性支援(ELA)90億ユーロは、BoCが引き継ぐ。

資本再編が発効するまで、BoCの保険対象外の預金のみ凍結される。同預金は、その後適切な条件が適用される可能性がある。

4.欧州中央銀行(ECB)理事会は、適用規則に則り、BoCに流動性を供給する。

5.BoCは、株主と社債権者の全面的な貢献の下、保険対象外預金の預金・株式転換を通じて資本を再編する。

6.預金・株式転換は、プログラム終了時点の自己資本比率が9%になるよう設計される。

7.すべての銀行の保険対象預金は、EUの関連規則に従って、完全に保護される。

8.プログラムの資金(最大100億ユーロ)はライキ銀行とBoCの資本再編には利用しない。


キプロス財務相:ロシアの失望誘う金融再編でも「関係は終わらず」 
  3月25日(ブルームバーグ):キプロスのサリス財務相は、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)との支援合意に盛り込まれた金融再編について、ロシアの投資家の損失につながる「失望を誘う」内容だとしても、同国との関係は今後も続くと語った。
サリス財務相は25日にブリュッセルで記者団に対し、「関係は終わりではない」と発言した。
記事についての記者への問い合わせ先:Brussels Rebecca Christie rchristie4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:内田良治 Ryoji Uchida ruchida2@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/25 14:53 JST


12. 2013年3月25日 19:01:54 : GnRfb4ci8o
コラム:キプロス問題がまいた2つの「懸念の種」
2013年 03月 25日 17:23 JST
田巻 一彦

[東京 25日 ロイター] ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)と国際通貨基金(IMF)、キプロス政府が、キプロス支援策の一環として、国内大手行の閉鎖・再編で合意し、25日の東京市場は日経平均.N225の大幅高で反応しているが、キプロス問題は2つの「懸念の種」をまいたと指摘したい。

1つは銀行預金流出による金融システム不安の浮上というリスクであり、もう1つは銀行預金への課税という"打ち出の小槌"を世界の当局が行使する可能性があることを、多くの市場関係者に公開したことだ。次に突発的なイベントが発生した場合、今回まかれた種から芽が出て、危機の拡大という怪しげな花を咲かせる展開があり得ることを十分に意識しておくべきだ。

<10万ユーロ超の大口預金は凍結、課税へ>

今回の合意案では、同国2位のキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行CPBC.CYを閉鎖し、小口預金(10万ユーロ以下)を国内銀行最大手バンク・オブ・キプロスBOC.CYに移管して「グッドバンク」を設立する。

一方、預金保険対象外の大口預金(10万ユーロ超)は凍結され、債務問題の解決に充てられる。ユーログループのダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は、ライキ銀行の預金保険対象外の大口預金の凍結で、42億ユーロが捻出できるとの見通しを示している。

EUのスポークスマンはキプロスの国内行で預金に対する全面的な課税は行わないと明らかにした。ただし、主要2行の大口預金者に対する負担は当初の計画よりも大きいものとなる見込み。EUと国際通貨基金(IMF)は100億ユーロの支援策の代わりに、キプロスに対し58億ユーロを拠出することを要求していた。

<市場好感の背景、ECBの信認とキプロスの過小性>

マーケットはこの合意を好感し、25日の市場でユーロ/ドルは1.30ドル半ば付近まで買い戻され、日経平均.N225は前週末比200円を超す上昇となり、リスクオン心理が再び優勢になりつつある。

背景には、昨年のユーロ危機を乗り切った欧州中銀(ECB)に対する市場の絶大な信頼感があるほか、ユーロ圏の国内総生産(GDP)の0.2%を占めるに過ぎないキプロス経済の過小性に対する安心感があるようだ。米連邦準備理事会のバーナンキ議長も今月20日の会見で「キプロスは経済規模が小さく、米経済に直接の影響を及ぼすとは思わない」と述べた。このコメントがグローバルマーケットの多数意見を代表していると思われる。

<預金流出リスクを白日の下にさらす>

だが、今回のキプロス危機では、将来の金融市場を揺さぶる2つの「懸念の種」がまかれてしまった。1つは、銀行預金の流出懸念だ。10万ユーロ以下の預金には課税されないことになったが、大口預金への課税が公表され、小口預金者がそのまま預金を銀行に置いたままにするかどうかは、かなり不透明性が高いのではないか。

仮に今回は、キプロス中銀による預金引き出し限度の引き下げなどで「取り付け騒ぎ」などが回避できたとしても、銀行預金の引き出しが、ユーロ圏における金融システムを大きく揺さぶる契機になることを広くユーロ圏全域の預金者に知らしめたことは、決して過小評価すべきでないだろう。

<ブラック・スワン、3つのシナリオ>

三菱東京UFJ銀行・シニアマーケットエコノミスト、鈴木敏之氏は、実際に発見するまでは理論的に存在の論証が難しい「ブラック・スワン」を例に出し、今回のキプロス危機で、ブラックスワンがいることはわかったとし、今後の展開を以下の3つのケースの可能性で示した。1つ目は、黒鳥はいるものの、白鳥の増殖力が強く、リスクが表面化しないケース。

2つ目は、白鳥の中に混じる黒鳥の数が予想より多いが、黒鳥が多数を占めるほどではなく、白鳥の支配力が強いという設定だ。ここでも危機は抑止される。3つ目は、白鳥が渡り鳥の修正でどこかに飛び去り、黒鳥だけが残って危機が表面化する事態。これは春に楽観論が先行し、夏に危機が深まるこれまでの危機表面化の年の再来を意味する。

<禁断の銀行預金課税>

20日のバーナンキ議長の会見では、「唯一問題となるのは、預金流出が他に波及するとき、他国の預金者の信用を失うときだろう」と明言している。何か大きなイベントが発生した時に、その当事国の国民が一斉に銀行へと走り、預金を引き出すことに習熟してしまったら、ECBの取り得る手段は相当に限られ、欧州の金融システムは大打撃を受ける。

さらに将来の問題として、大きな禍根を残しかねないのは、銀行預金に課税するという選択肢を当局が選択したことだ。ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長は19日、キプロス以外のユーロ圏諸国の資産に課税する必要はないとの見解を示した。確かに今回のキプロス危機では、他国における銀行預金への課税の必要性はないだろう。しかし、この先に想定外のイベントが発生した際、「他に適切な財源がない」という今回と同じ理由で、当該国の預金に課税される事態を多くの市場関係者は想定したはずだ。

<注視すべき銀行預金流出リスクの前兆>

また、銀行預金への課税は、預金流出のリスクを高めることも、あらためて市場関係者に認識されたのではないか。言い換えれば、大きなイベントが発生し、ユーロ圏のセーフティネットが危いと認識された場合、銀行預金への課税という名の「預金カット」が実行されるリスクがあり、それを回避するために大規模な銀行預金の流出危機が予めセットされる──という展開も覚悟する必要が出てきた、ということではないか。

東京市場では、アベノミクスを合言葉にこれから発生するバブル的な株価上昇を期待する声が、様々な方面から湧き上がりつつある。キプロス危機も「杞憂」として退けるムードが市場に満ちている。だが、リスクの試算はきちんと果たしておくべきだ。なぜなら、過剰流動性相場の弱点の1つに、リスク表面化に反応し、価格変動率がより大きくなることがあるからだ。

リスクの表面化につながるシグナルが点灯したら、即座に退却できる道を残しておくことが、日米欧中銀の同時超緩和の下でしたたかに生き残る道だろう。


 


コラム:キプロス支援をめぐるロシアの危険な賭け
2013年 03月 24日 10:10 JST
By Felix Salmon

モスクワを訪れていたキプロスのサリス財務相は、ロシア側との協議で成果を得ることなく帰国の途に就いた。欧州連合(EU)はキプロス支援の条件に預金課税を求めており、これが実施されればロシアの個人や企業にとって大きな痛手だ。キプロスの銀行預金総額約700億ユーロのうち半分弱は非居住者の預金で、その大半はロシア人が占めるとみられているからだ。

それなのになぜ、ロシアは動こうとしないのか。

ロシア政治を分かったように語るつもりはないが、これは彼ら一流のハイリスクかつ攻撃的な駆け引きのように映る。メドベージェフ首相を地政学的ヘッジファンドマネジャーやポーカーのプレーヤーだと考えてみれば、少しずつ謎が解けてくる。

まず最初に、ロシアがキプロス支援で後ろ向きになっていることに注目すべきだ。ユーロ圏はキプロス支援の一環として、ロシアが同国に対する25億ユーロの既存融資の返済期限を5年延長するとともに、金利を引き下げることを期待している。ロシアは今、それにさえ同意を拒んでいる。

なぜ、ロシアはここまで硬い態度を取るのか。明らかな答えは、このポーカーに参加しているのがキプロスではなく、EUであることをロシアは明確に意識しているからだ。もしロシアがこの段階でキプロスと「誠実な交渉」に入れば、EUが負担するキプロス支援金は減ることになり、結果としてEUを助けることになる。

メドベージェフ首相がモスクワでサリス財務相に話した内容は察しがつくが、キプロスの首都ニコシアでロシア人がキプロスの政治家に何を語っているかはよく分からない。ニコシアには今、「謎のロシア人」があふれているとされる。彼らがキプロス議会を買収工作するのはさほど難しいことではないだろう。

もしキプロス議会が何もしなければキプロスは崩壊必至であり、それを防ぐには政治的結束が必要だ。そして今のところ、われわれが目にしている政治的結束は、救済策への反対であって支持ではない。

英フィナンシャル・タイムズのブログ「FTアルファビル」のポール・マーフィー氏は、キプロスは二者択一に迫られていると指摘する。「ロシアのギャング金融機関を縁取る国家になるか、いかがわしい銀行の多くを閉鎖して持続可能な経済を再建し、完全に欧州に向かうかだ」。同氏は、キプロスが取るべき選択肢は「明らかだ」と語る。しかし、キプロス議会にとって答えはそれほど明白ではないだろう。

ユーロ圏にとどまろうと離脱しようと、キプロスがロシアの「従属国家」になる道を選ぶ可能性は捨てきれない。結局のところ、現在のキプロスはユーログループの「従属国家」として、結果的にこうした惨めな場所に追い込まれている。EUによる支援策を丸飲みすれば、当面は自主性を事実上捨てなくてはならないだろう。

また、プーチン大統領が、EUとの関係をゼロサムゲーム的に考えているのは想像に難くない。その観点では、キプロスがEUを離れてロシアになびけば、EUにとっては明らかな負けで、ロシアにとっては明らかな勝ちを意味する。

EUを助けることにつながるキプロス支援策でロシアが何も動かない理由はそこにある。ロシアはキプロスを欧州の手から事実上奪い取り、ユーロ圏で重要な地政学的足がかりを得るために、危険かつ攻撃的な賭けに出ているのだ。

この賭けのマイナス面は、もしキプロスがEUによる支援策を受け入れれば、多くのロシア人がキプロスの銀行に預けている多額の資金を失うかもしれないことだ。ただ、そうなったとしても、ロシアは新たに多額の資金を準備し、キプロス資産がたたき売りとなる時を辛抱強く待つのだろう。

キプロスの銀行が26日に営業を再開する前に、ロシアが現在の支援を拡大することで合意すれば、それがキプロスにとって、そしてEUにとって最善の結果であることは疑いない。

しかし、ロシアは、キプロスやEUにとっての最善を求めてはいない。彼らが考えるのはロシアにとって何がベストなのかだ。ロシアのやり方は、私には、ウォール街の売り崩しとなんら変わらないように映る。


13. 2013年3月26日 03:38:35 : GnRfb4ci8o
ロシア人の大脱出に怯えるキプロス
欧州各地の銀行は富裕層に勧誘攻勢
2013年03月26日(Tue) Financial Times
(2013年3月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


キプロスの首都ニコシアの議会前で預金課税を伴う救済策に抗議するロシア人女性〔AFPBB News〕

 キプロスに拠点を構えるロシア人ビジネスマン、フョードル・ミーヒン氏の元に国際電話がどんどんかかってくるようになったのは3月20日水曜日、欧州連合(EU)が最初にキプロスの銀行の預金者に対する課税を提案したわずか5日後のことだった。

 まずはアンドラのバンカー2人が、ピレネー山脈の真ん中にある同国に銀行口座を開設しないかと誘いの電話をかけてきた。

 次にかけてきたのは、ミーヒン氏の取引先のスイスの銀行だ。同行は、1週間余り休業していたキプロスの銀行が営業を再開する予定の26日に、ロシア人顧客を引き抜くためにキプロスの大都市リマソールに担当チームを送り込むと伝えてきた。

キプロス危機に乗じて富裕層の顧客を奪え

 先週は大勢の裕福なロシア人たちとその代理人がキプロスに飛び、銀行口座がどうなっているのか確認し、キプロスの政府関係者らと激しくやり合ったが、彼らはまた別の訪問客にしっかり目をつけられている。キプロスの損を自分たちの得にしたいと考えている欧州各地のバンカーだ。

 ロシア人顧客を抱えるあるキプロスの弁護士は、ラトビアやスイス、ドイツなど欧州各地の銀行5〜6行から既にアプローチを受けたと話す。彼の顧客のために1時間以内に銀行口座を開設できると約束する銀行もあったという。

 リマソールでは、ロシアのとあるオリガルヒ(新興財閥)の弁護士によれば、この大物顧客の取引先のスイスの銀行から電話があり、好意として彼がキプロスで雇っている従業員全員の銀行口座を開設すると申し出てきた。

 ほかにも、キプロスのコンサルティング会社十数社からメールがあり、外国に新規口座を開設する際には是非自社のサービスを使ってほしいと伝えてきたという。

 提案されている救済策がキプロスに住む大勢のロシア人ビジネスマンにどんな影響を与えるのか、また、その後何が起きるのかはまだはっきりしないが、大方の人は既にキプロスを出ようとしているようだ。彼らは今、どの管轄区にいかにして事業を移すかを検討している。


ニコシア中心部でキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行のATMの前で現金を引き出そうと並ぶ人たち〔AFPBB News〕

 「キプロス人は1日で自国を台無しにした」とミーヒン氏は言う。

 キプロスの銀行にお金を預けている国内外の預金者から58億ユーロを徴収するというEUの提案を、キプロスのニコス・アナスタシアディス大統領が受け入れた3月15日金曜日に言及した発言だ。

 国際的な海運会社のオーナーであるミーヒン氏が心配しているのは、課税そのものではない。彼の海外銀行口座は全く影響を受けないからだ。

 だが同氏は、預金課税がキプロスの金融システムに対する信頼を破壊したことを懸念している。これがロシアの個人と企業を動揺させたという。

生計の手段を失うキプロス人

 「地元の人たちは、資金がこの国を離れるや否や、ここでレストランに行き、車を買い、不動産を買う人たちもいなくなるということを理解すべきだ。キプロス人の生計の手段が消えてなくなるということだ」とミーヒン氏。

 「キプロス人は、我々がすべてのお金をロンダリング(洗浄)したと言っているが、彼らはこの10年というもの、自分たちがそのお金で生活してきたのに、それを忘れている」

 迫り来るロシア人の大脱出は、最大手クラスの銀行であるキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行およびキプロス銀行の従業員と並び、ロシア人顧客にサービスを提供してきたが、もうすぐ仕事を失うかもしれない大勢の弁護士や秘書、監査人の不安と怒りの源泉となっている。

 「ロシア人たちから電話がある。彼らは心配している。だが、我々に何が言えるのか? キプロスにとどまることを強要することはできない」。東欧トップクラスの大富豪数人を顧客に抱えるリマソールの弁護士アンドレアス・ネオクレオス氏はこう話す。

 もっとひどいのは、EUがキプロスを扱う際の偽善的な態度だという。ネオクレオス氏の顧客の大半は、欧州屈指の名門法律事務所とも取引しており、もしキプロスの金融システムが崩壊したら、顧客はこうした欧州諸国にビジネスを移す見込みだ。

 「成功は羨望と嫉妬を生み出す。我々が今直面しているのが、まさにそれだ」。ネオクレオス氏は怒りながらこう話す。「東欧とロシアのビジネスという大きなパイのうち、キプロスが得ているのは0.5〜0.6%程度だ。なのに欧州は今、それさえも我々から奪おうとしている」

 ニコシアに拠点を構える別の弁護士は「会社がキプロスにあるとマネーロンダリングなのに、ロンドンにあると申し分なくまともな会社だとされるのは一体なぜなのか理解できない」と話す。

 まだ、すべてのロシア人が事業をよそへ移そうとしているわけではない。

 ミーヒン氏をはじめとした一部のロシア人は、キプロスの銀行が営業を再開した時に何が起きるのか、また、最終的な救済策がロシア人に不利になるようなことがあれば、ロシアとキプロスとの二重課税防止条約を破棄するという先週のドミトリー・メドベージェフ首相の脅しにもかかわらず、条約が有効であり続けるかどうかを見届けようとしている。

 あるオリガルヒを顧客に抱えるロシア人弁護士は「二重課税防止条約が破棄されたら、我々がキプロスにとどまる理由はなくなる」と話している。

 ミーヒン氏は、キプロス人たちはロシアがキプロス経済を支えてきた度合いを理解していないと不満をこぼす。「ロシア人が去ったら、誰が1泊500ドルするフォーシーズンズに泊まるのか? アンゲラ・メルケル(独首相)か?」

「兄弟よ、裏切らないで!」

 だが、ロシアビジネスの大量移転がどれほどドラスティックなものになるのか理解する地元の市民は増えている。この1週間で、ロシア人が好む、ヤシの木が並ぶ海辺の町リマソールとラルナカ空港を結ぶ道路に新しい広告用掲示板が建てられた。

 ロシアとキプロスがともに抱く正教会という信仰と、ソ連時代までさかのぼる政治的な深いつながりに訴えかけるこの広告は、巨大なロシア国旗を描き、その下にロシア語で「兄弟よ、我々を裏切らないで!」と書いて必死に懇願している。

By Courtney Weaver

 


【第271回】 2013年3月26日 真壁昭夫 [信州大学教授]
再燃した欧州債務危機は本当に回避されるか?
世界金融に衝撃を与える小国キプロスの“素顔”
 3月中旬、EUとIMFは、キプロス政府が昨年6月から要請していた金融支援策の内容を決定した。同国の金融システムの安定性を保つために必要と見られる約170億ユーロのうち、100億についてはEU諸国とIMFが支援を行う一方、残りの必要資金のうち約60億ユーロについては、同国の銀行の預金に対する課税によって賄うというスキームになっていた。

 ところが、キプロス議会はこの救済案に激しく反発し、預金に対する課税案を否決した。キプロス議会が課税案を否決したことで、救済策は宙に浮いた格好になり、キプロスを巡る混乱は世界の金融市場に大きな衝撃を与えることになった。

 為替市場では、リスクを嫌う投資家がユーロを売る一方、安全通貨と言われる円買いのオペレーションを行い、一時1ドル=93円台の円高になった。また、株式市場も不安定な展開となり、3月18日のわが国の株式市場は大きく売り込まれて、日経平均株価は340円下落することになった。

 足もとでキプロス政府は、国内大手2行の銀行を資本再編すること、その上で預金保険関連規則の対象外となっている大口預金を凍結し、債務返済に充てる資金を捻出することなどについて、国際支援機関と合意。これにより、最悪の事態は回避される見通しとなりそうだが、預金への全面的な課税を行なわない代わりに大口預金者の負担が増すことについては、少なからぬ波紋を呼ぶことが予想され、先行きは依然として不透明だ。

 ユーロ圏のGDPの約0.5%程度の小国であるキプロスの混乱が、これほど大きなインパクトを持つ背景には、今回の救済策に関する不手際や、ユーロ圏諸国の信用不安が燻ぶっていることに加えて、キプロスが抱えるロシアとの関係など複雑な要素が絡んでいる。

 そうした事情を過小評価することは適切ではない。今後、主要国が政策対応を誤ると、世界経済にとって重要な問題に発展する可能性を秘めている。

複雑なキプロス危機の背景
宙に浮くEU、IMFの救済策

 2012年6月、キプロス政府はEUに対して、同国内の銀行の経営悪化を理由に支援策の実施を要請した。これによってキプロスは、ギリシャやアイルランド、ポルトガル、スペインに次いでEU内で5ヵ国目の要請国となった。それに対して、EUは要請を審議した上、とりあえずECBの資金供給を継続することで、キプロスの緊急事態の発生を抑制する姿勢を示した。

 もともと、キプロスの金融機関の状況はかなり複雑だ。同国の金融機関に対する規制が主要国と比較してかなり緩く、以前から“不正資金のたまり場”などと批判されることが多かった。特に、地理的にロシアと近いため、ロシアの富豪の隠し資金やエネルギー関連の不正資金の流入があったと言われている。

 そうした事情もあり、キプロスの金融機関には、同国GDPの7倍を超える預金が集中していた。金融機関は、そうした資金を主にギリシャ国債などで運用していたと見られ、2010年のギリシャ危機の発生以降、多額の損失を被り経営状況は悪化していた。

 EUに対して支援要請を行って以降も、キプロスの金融機関の経営状況は改善せず、今年3月16日、EU圏財務相会合で具体的な支援策が合意された。EUとIMFが提示した支援策の概要は、キプロスの金融機関の資本強化に必要と見られる約170億ユーロのうち、100億ユーロはEUとIMFが提供する。約60億ユーロに関しては、キプロスの金融機関の預金から税金を徴収して賄うというものだった。

 具体的にEUとIMFが提案した課税方法は、10万ユーロ超の預金については9.9%、10万ユーロ未満の預金については6.75%の税率だった。キプロスがこの提案を受け入れるためには、国内法を改正することが必要なのだが、3月18日、キプロス議会はこの提案を否決し、キプロスが新しい妥協案を見つけるまで、EUとIMFの支援案が宙に浮くことになってしまった。

なぜ預金への課税が議論されるのか?
救済策の背景に見える「2つの要素」

 そもそも救済策の中に、何故今まで盛り込まれることのなかった預金に対する課税が盛り込まれたのか。そこに、今回のキプロス危機の複雑さを読み解く鍵が潜んでいる。2つの要素を頭に入れて置くとわかり易い。

 1つは、キプロスへの不正資金等の流入だ。同行の金融機関に対する管理が甘かったことなどによって、多額の不正資金が流れ込み、キプロスの金融機関を使った資金洗浄=マネーロンダリングが行われていたと見られる。その点については、従来からドイツやオランダなどの北欧諸国などからかなり厳しく指摘されてきた。

 もう1つはロシアとの親密性だ。キプロスはロシアと地理的に近く、宗教に関しても相応の共通点を持っている。そうした事情を映して、経済的、文化的にもロシアとの関係は、EU諸国の中で最も深いと言われてきた。キプロスはユーロ圏に属する欧州諸国の一員であると同時に、ロシアの親密国の性格も持ち合わせているのである。

 ドイツやオランダなど、厳格な文化を持つ北ヨーロッパ諸国にとってみれば、今回EUとIMFがキプロスを救済するということは、管理の甘い一種の放漫経営をしてきた国を救うことを意味する。

 しかも、多額の支援資金はキプロスの金融機関の資本強化に充当される予定で、その恩恵を最も享受する人たちはロシアの富豪だったり、資金洗浄を行った人たちではないのか。救済資金を提供する側から見ると、そこには忸怩たる思いがあるだろう。

 そこでEUとIMFが考えたのが、預金者から一定比率で税金を徴収して、それでキプロス支援資金の一部を賄うことだ。それは今まで使ったことのない、新しい試みだった。

 ただ、その手法は海外からの預金者だけではなく、一般の預金者にも大きな負担を強いることになる。そこに、キプロスの人たちと議会が激しく反発した。金融専門家の目から見ると、今回の税金スキームは唐突で強引な印象がある。人々が反発するのはよくわかる。

自業自得か、それとも無理難題か?
言い分がすれ違うユーロ諸国の構造問題

 今回のキプロス支援策に関して、最も強硬な姿勢をとっているのはEUの盟主たるドイツだ。ドイツの国民から見ると、「問題が深刻化したのはキプロスの自業自得で、支援を受けるのであれば、相応の負担をすべき」という論理が成り立つ。

 しかし、突然預金に課税する、つまり預金の一部を取り上げる手法には、人々の不安を煽るマイナスの効果が大きい。

 今後EU内で、財政状況の悪化により一段の支援を求める国が出た場合に、今回のキプロスと同じように預金の一部が強制的に取り上げられる懸念があるとすれば、人々は銀行に預金をしなくなる可能性もある。あるいは、すでに預けてある預金をすぐに引き出しに行くかもしれない。

 そうした事態が発生すると、当該国の金融機関の経営状態はますます悪化することになる。それがきっかけとなって、金融システム全体に不安が生じることも懸念される。

 前述のように、足もとでは一応の合意が図られたものの、今後も金融システム不安が現実味を帯びてくると、足もとで景気後退に悩まされるユーロ圏諸国の状況を、さらに悪化させることになりかねない。ユーロ圏諸国の人々は、一段と厳しい経済状況に追い込まれることになるだろう。

支援条件があまりに厳しいと
キプロスはロシア陣営に吸収される?

 もう1つ、忘れてはならないことがある。キプロスとロシアの関係だ。すでに、キプロスはロシアに対して支援要請を行った。ロシアは、支援の見返りを求めて条件闘争を行っているようだ。

 EUがキプロスにこれ以上厳しい条件を突きつけると、結果的に同国をロシア陣営の枠の中に追いやってしまうことになりかねない。それはユーロ圏諸国にとって、経済的、また安全保障上、マイナスになることが考えられる。

 さらにキプロス危機は、ポルトガルやスペイン、イタリアなどの信用不安の懸念を増幅する可能性がある。そうした懸念が広がると、今何とか平静を維持している信用不安が再燃することは避けられないだろう。

 その場合、多くの投資家は保有するリスク量を減らす=リスクオフの姿勢を採るだろう。そのインパクトは無視できない。EUは“一触即発”の状態になるとの指摘もある。

 

 


 


 
分裂にさらに近づいたユーロ圏
2013年03月26日(Tue) Financial Times
(2013年3月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)


EUはキプロス救済に合意したが、まだ安心できない〔AFPBB News〕

 筆者はキプロス問題が突如浮上するまでの8カ月間、2011年11月の終わりに筆者が立てた予想のことをにやにやしながら話題にする人にたびたび出くわした。

 筆者はあの時のコラムで、ユーロ圏の首脳がこの通貨を救うために残された時間は10日間だと言い切っていたからだ。

 おまけに筆者は、これほどドラマチックではないがそっくりな予言を2006年にも行っていた。ロマノ・プロディ政権の誕生はイタリアがユーロ圏で持続可能な地位を獲得する最後のチャンスだ、と指摘した時のことだ。

 プロディ政権は結局、成果を上げられなかった。2011年の10日間も、何の行動も起こされることなく過ぎ去った。そして2013年になった今でもユーロは存続しており、イタリアもまだユーロ圏にとどまっている。

 それでも筆者は予測を続ける。まだ懲りないのかと言われそうだが、今日はダブルダウン*1だ。

キプロス危機が浮き彫りにした問題

 たとえ欧州連合(EU)とキプロスが土壇場で何とか妥協点を見いだしたとしても、ドイツとキプロスのように状況が大きく異なる国々を危険にさらすユーロ圏は持続不能だ。

 もし銀行の監督機能と破綻処理機能、そして預金保険の機能を擁する銀行同盟が稼働していれば、多様な国々からなる通貨圏を困難にめげずに作り上げるための最小十分条件になっていただろう。キプロスの銀行の問題は、間違いなく解決できていたはずだ。

 しかし、ユーロ圏にはそのような銀行同盟はない。あと5年経ってもできないだろう。自国の納税者の負担が大きすぎるという理由で、ドイツは銀行同盟の設立をはっきりと拒否している。

 皮肉なことに、かのキプロスも銀行同盟を頑なに拒んでいた。外国人預金者向けのオフショア金融センターという自国のビジネスモデルがだめになってしまう、というのがその理由だった。長期的には何らかの形で銀行同盟ができるかもしれないが、今回の危機とは関係のないものになるだろう。

 キプロスで先週起こったことは何かの深層要因などではない。これはユーロ圏が抱える集団行動問題の完璧な症例だ。

*1=カジノで行われる「ブラックジャック」で、最初に配られた2枚のカードを見てから掛け金を倍にすること

 今回の事態は、預金保険で保護されている預金者にも負担を求める(ベイルイン)という危険な合意がなされたところからエスカレートし始めた。ユーロ圏の当局者たちは法律にはとても詳しいが、経済にはとても疎い。

 彼らが提示した本当に素晴らしいアイデアは、預金保険で保護されている10万ユーロ以下の預金のヘアカット(元本削減)は行わず、単なる課税にするというものだった。預金保険という制度に内在する約束を破ってしまえば、それはデフォルト(債務不履行)と同じであり、銀行取り付け騒ぎの引き金を引く恐れがあるということを彼らは理解していなかったのだ。

キプロス政府が立て続けに犯したミス


ニコス・アナスタシアディス大統領も大きなミスを犯した〔AFPBB News〕

 キプロスの議会は、このとんでもない取り決めを拒否するという正しい判断を下した。だがキプロス政府はその後、立て続けに3つのミスを犯した。

 第1のミスは、ニコス・アナスタシアディス大統領がロシアに支援を求めたこと。つまり、ユーロ圏と協力して問題に対応するどころか、それに反する行動を取ったことだ。

 とりわけドイツはこれをあからさまな敵対行為と見なした。ロシアが支援要請を拒否したという意味でも、この判断はまずかった。第2のミスは、先週の重要な3日間に、欧州の財務相たちやユーロ圏の作業部会と連絡を取らないと決めたことだ。

 第3のミスは、年金基金やそのほかの国有資産に手をつけてソブリン・ウェルス・ファンド(国富ファンド)を創設するという案をキプロス政府が21日に示したことだった。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は、翌22日にこの案を一蹴した。

 先週の一連の出来事は、それぞれの狭い国益にこだわるというプロらしからぬ行動を取ったために公益を守ることに失敗したという、いかにも欧州の政治指導者らしい話なのである。

恐ろしいのは、ユーロ圏の政策ミスの蓄積

 しかし、筆者がここで強調したい最大のリスクは、大きな事故が起きることではない。もちろん、そうした事故は起きるかもしれない。だが最も大きなリスクは、究極的にはユーロ圏による政策のミスの繰り返しから生じるのではないか、と筆者は考えている。それらの影響はゆっくりとしか現れないが、積み重なっていく性質を持つ。

 当然ながら、最も大きなダメージをもたらしているのは、財政緊縮による非対称的な調整という政策である。キプロスの銀行が破綻しつつあるのは、ギリシャという国とギリシャの銀行が先に破綻したからであり、そこでユーロ圏当局が民間部門の関与を強いたからだ。

 イタリアでも、景気後退を恐慌に変えたのは財政緊縮だった。そしてその結果、先の総選挙では反ユーロ・反体制を標榜する抗議運動が最も大きな政党になってしまった。もし年内に再選挙が行われることにでもなれば、この団体を率いるベッペ・グリッロ氏が絶対多数を握る可能性が十分にある。

 もし、欧州南部の財政緊縮が欧州北部の財政拡張によって少なくとも相殺されていれば、ユーロ圏全体の財政政策スタンスはマクロ経済的には中立となっていただろう。しかし、北部の国々も緊縮に走ったため、ユーロ圏のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は景気後退の最中に黒字になってしまった。

 このような環境では経済面の調整など起こらない。そして経済面の調整がなければ、危機の解決策などあり得ない。

ユーロ圏はやはり終わりを迎える

 筆者は以前から、ドイツやフィンランド、オランダといった国々がキプロスやギリシャ、ポルトガルなどと同じ通貨同盟に属することは不可能だと考えている。両陣営は今よりも対称的、政治的かつ経済的に調整を行うことで合意するか、さもなくばこの実験を終わらせるべきだ。

 筆者は、2011年11月の予言を今ここで繰り返す。ユーロ圏はいつの日か終わりを迎えるだろう。ただし、それはまだしばらく先のことになるかもしれない。各国政府が正しい行動に出る可能性を排除しきれないからだが、過去3年間の危機管理を見る限り、そういう展開にはならないように思われる。

 現在の政策を続ける限り、ユーロ圏当局は、人々の利益に反する形でユーロを存続させるために力にものを言わせなければならないだろう。そのような通貨同盟は社会の倫理にも大きく反する。いわゆるユーロ懐疑論者でなくとも、同じ結論に達するのではないだろうか。

By Wolfgang Münchau

 


 


イタリア総選挙が浮き彫りにした「富の再分配同盟」への渇望
2013年3月26日(火)  熊谷 徹


 「カタストローフェ(ドイツ語で「大災厄=ひどい事態」)だよ」。長年ミュンヘンに住むあるイタリア人は、2月24〜25日に彼の祖国で行われた総選挙で、ポピュリストが躍進し、どの政党も直ちに政権を樹立することができなかったことを、こう評した。「イタリアに住んでいなくて、よかったと思う」。
 地理的に近いこともあり、ドイツ南部のミュンヘンには多くのイタリア人が住んでいる。祖国を離れている人間は、自分の国について比較的クールな感情を持っていることが多い中で、南欧の人間は祖国を愛する気持ちが欧州北部の人間よりも強い。そのイタリア人が、自国の政治についてここまで突き放した言い方をするのは、珍しい。今回の選挙結果が、イタリア人に与えた衝撃は、それほど大きかったのだ。
グリッロ旋風の衝撃
 選挙の焦点は、欧州連合(EU)などが要求する経済改革・緊縮策を支持する勢力が政権を握るかどうかだった。
 民主党(PD)のピエル・ルイジ・ベルサーニ書記長が率いる中道左派陣営は、公共債務を減らすための緊縮策を支持している。民主党の得票率は、前回の選挙に比べて約8ポイント下落。ベルサーニ陣営は、下院の議席の過半数を確保できたものの、上院では過半数の確保に失敗した。イタリアでは上・下院の両方で過半数を取ることができない政党集団は、政権に就くことができない。
 ベルサーニ陣営の支持率が減った最大の理由は、経済改革・緊縮策に反対するポピュリスト勢力の躍進である。最も注目されたのは、人気コメディアンのベッペ・グリッロが率いる「五つ星運動(MoVimento 5 Stelle)」が大きな戦果を上げたことだ。同党は国政選挙への初めての参加だったにもかかわらず、単独政党としては、民主党に次いで2番目に高い得票率を記録。シチリア島やマルケ地方では、有権者の約30%が五つ星運動に票を入れた選挙区もあった。
 グリッロが率いる政党が獲得した議席数は、上下院の両方において、マリオ・モンティ前首相の陣営を大きく上回っている。
2013年のイタリア総選挙の得票率


出所;イタリア内務省
注:外国在住のイタリア人の票を含まない数字
2013年のイタリア総選挙後の議席分布


出所:イタリア内務省
注:外国在住のイタリア人の票も含めた数字
既成政党に挑戦するポピュリスト
 2009年に創設された「5つ星運動」は、既成政党や政治の腐敗を批判する草の根政党だ。痛烈な風刺で知られるグリッロは、党首ではあるが「スポークスマン」の地位にとどまり、自分は選挙に立候補しない。
 彼の政治活動の原動力は、ベルルスコーニに象徴されるイタリア政治の腐敗だ。グリッロのブログのフォロワーは6万人に達する。彼は支持者からの募金で「ヘラルド・トリビューン」紙に意見広告を掲載し、「イタリア議会では、刑事裁判で有罪判決を受けた議員たちが議席を持っている」と全世界に向けて腐敗を糾弾するメッセージを送ったことがある。またグリッロは、インターネットを使った新しい民主主義制度を作り出すことも目指している。
 党の名前である5つの星は、「環境」「水」「発展」「インターネットの接続可能性」「交通」という5つの政策分野を示す。環境破壊を伴う経済至上主義に疑問を呈し、成長が減速しても、より人間的な経済発展を目指す。
同党は政策綱領の中に、次の提案を掲げている。
政治
• 直接民主主義の導入
• 議員の任期を2年に制限
• 刑事裁判で有罪になった市民の立候補を禁止する
• 肥大化した官僚制度の効率化
経済
• 地域経済の活性化
• 企業による独占を撤廃
• 役員報酬の制限
• 大手企業(特に金融機関)に対する規制強化
環境保護
• 二酸化炭素の削減による地球温暖化の防止
• 再生可能エネルギーの拡大
• エネルギー使用の効率化
情報
• 全ての国民が無料でインターネットを利用できるようにする
• 特定の個人が複数のメディア企業を所有することを禁止
• 国営メディアのリストラ
交通
• クルマ社会から、公共交通機関主体の社会に
• 電気自動車の普及
• 自転車用道路の整備
健康
• 全ての市民が無料で利用できる基本医療制度を導入
• 医薬品の価格引き下げ
教育
• 学生・生徒のインターネット使用の完全無料化
• 電子書籍の普及
• 英語教育を幼稚園から開始。イタリア語講座(無料)への参加を移民に義務づけ
 環境保護に力点を置いている点、また全ての既成政党に反対する「anti-party」と自らを定義している点は、ドイツのエコロジー政党「緑の党」の結党直後の姿に似ている。またインターネットを重視していることは、ドイツや北欧に広がっている海賊党を連想させる。だがドイツの緑の党は、1980年の結党後国政選挙では、得票率が全体の1.5%にとどまった。それに対して、「5つ星運動」が最初の国政選挙でいきなり20%を超える票を確保したのは、驚異的である。
 グリッロがドイツの緑の党に比べて圧倒的な勝利を収めたのは、政治腐敗を糾弾し、EUを批判したからだ。初期の緑の党が、毛沢東主義者、エコロジストや反戦主義者、フェミニストなど様々な左派勢力の結合体だったのに対し、タレントとして高い知名度を持つグリッロの党は、ポピュリスト勢力という性格が強い。
「ユーロ圏離脱はタブーではない」
 グリッロは、今日のEUが、1950年代にイタリアの政治家アルチーデ・デ・ガスペリ、ドイツのコンラート・アデナウアーやフランスのロベール・シューマンらが描いた欧州共同体の理想からかけ離れていると批判する。彼によると、EUは、イタリアの政治家たちが国民に人気のない政策を実行する際の、言い訳として使われる存在に成り下がっている。つまり「EUが決めたことだから、我慢しろ」という免罪符になっているわけだ。
 グリッロは、ユーロに対しても批判的だ。彼は去年5月に米国の通信社とのインタビューの中で「イタリアはユーロ圏からの脱退も考慮するべきだ」と語っている。彼は「ユーロは、首を絞める綱のようなものだ。綱は、毎日少しずつきつくなっていく」と述べ、EUなどがイタリアに求めた緊縮策を批判した。
 グリッロは「政府はもはや歳出をコントロールできなくなっている。企業倒産は増え、労働費用は上昇し、賃金は減っていく。我々は公的債務の削減について、EUと交渉することすら許されていない。イタリア人は緊縮策のために多大な犠牲を払っているのに、経済成長率が回復する兆しは見えない」と指摘する。
 彼はイタリアがユーロ圏を離脱してリラを再び導入し、通貨を現在に比べて50%切り下げるべきだと主張。イタリア企業が製品を外国へ輸出しやすくするためだ。
ベルルスコーニのカムバック?
 一方、グリッロの不倶戴天の敵、シルビオ・ベルルスコーニ元首相が率いる中道右派陣営も、反ユーロ勢力だ。ベルルスコーニは、「ドイツのメルケル首相が南欧諸国への支援にブレーキをかけ、厳しい緊縮政策を押し付けていることが、イタリアの苦境の原因だ」と指摘することで、右派に属する国民の支持を得ている。イタリアの累積公的債務残高のGDP(国内総生産)に対する比率は、2011年の時点で120.7%。ギリシャに次いでユーロ圏で最悪の数字だ。公的債務比率は、2001年からの10年間で約12ポイントも上昇している。こうした数字を棚上げにして、経済が好調なドイツを批判する姿勢は、国民の耳に快く響く。
イタリアはギリシャに次ぐ債務大国
EU加盟国の累積公的債務(GDPに対する比率)(2011年)

出所:欧州連合統計局
 ベルルスコーニは、イタリアの歴史の中で最もスキャンダルを多く抱えた政治家の1人だ。彼は脱税や秘密漏洩、偽証などの罪で6回も有罪判決を受けている。検察庁から起訴された回数は30回を超える。今も背任や未成年の女性がからんだ買春などをめぐって、公判が続いている。マフィアとのつながりについても、噂が絶えない。このメディア王の特異な点は、有罪判決や様々な醜聞にもかかわらず何回もカムバックしていることだ。
 彼が率いる中道右派陣営は今回の総選挙で、前回に比べて得票率を大幅に減らしたものの、上下院の議席数では、中道左派勢力に次ぐ第2の勢力の地位を維持した。
2011年のイタリア危機
 彼が2011年に首相の座を去った経緯は、ベルルスコーニの財政政策における無能さをはっきり示している。同年5月の地方自治体選挙で彼の党は敗北し、すでに国民の支持は減りつつあった。
 日刊紙「コリエーレ・デラ・セラ」は、同年9月29日に1通の書簡を暴露した。この書簡は、欧州中央銀行(ECB)のジャン・クロード・トリシェ総裁(当時)とマリオ・ドラギ次期総裁が、同年8月にベルルスコーニに対して「財政政策・経済政策を建て直せ」と迫った一種の最後通牒だった。
 この時、マーケットでは危険信号が点滅していた。イタリア国債の利回りが、この年の夏以来、急激に上昇していたのである。ECBはベルルスコーニに書簡を送った直後に、利回りの上昇に歯止めをかける緊急措置として、イタリア国債の買い入れに踏み切った。
 ECBがこれまでオープン・マーケットで買い取った南欧諸国の国債残高は、総額2180億ユーロ(26兆1600億円・1ユーロ=120円換算)に上る。このうちイタリア国債は1028億ユーロと最も多い。イタリア国債が、ECBが買い取った国債の47%を占める事実は、欧州の通貨当局者が2年前の夏、イタリアの状況について、いかに重大な懸念を抱いていたかを示すものだ。
 当時欧州には、過重債務国に緊急融資を行うEFSF(欧州金融安定基金)というシステムがあった。2010年8月に発足したものだ。その保証限度は、4400億ユーロ。7000億ユーロの保証額を持つ融資機関ESM(欧州金融安定メカニズム)は、当時まだできていなかった(ESMは2012年9月に発効)。したがって、もしも2011年に、ユーロ圏で独仏に次いで第3の経済規模を持つイタリアを支援する必要が生じていたら、EFSFの支援だけでは「消火」できない可能性があった。
2010〜12年までにECBが買い取った国債の額

出所:ECB
 さすがのベルルスコーニも、この危機的な状況と、ECB総裁からの異例の通告を前に、2年間に240億ユーロの歳出を削減する法案に同意せざるを得なかった。ただし、それでもマーケットは沈静化しなかった。2011年11月には、10年物のイタリア国債の利回りが7%を突破し、危険水域に突入した。マーケットは、明らかにベルルスコーニの退場を求めていた。彼は11月8日に辞任の意向を明らかにした。
 彼は今年の総選挙前に、「自分が辞任しなければならなくなったのは、メルケル独首相の差し金だ」と陰謀説を主張した。全ての責任は、ドイツにあるというのだ。
 そしてイタリア国民の約30%がこのポピュリストを支持し、彼の派閥に上下院で第2の地位を与えた。彼らにとって、ベルルスコーニに対する刑事訴追や様々なスキャンダルは、政治家としての資質に疑問を与えるものではないのだろうか。これは、欧州の北部に住んでいる人間には理解しにくい現象だ。
反ユーロ勢力が上院で過半数
 3月15日、選挙後初めての本会議が召集された。ベルサーニは、少なくとも現在の時点では、ベルルスコーニ陣営と連立しない方針を表明している。このためベルサーニは、政策的には左派の傾向が強い「5つ星運動」と連立して、上院で過半数を確保することを狙っている。
 だが「5つ星運動」の議員たちは、他の全ての政党との連立を拒否し、野党にとどまることを明らかにした。一方、ベルルスコーニ派はベルサーニ派との「大連立」を否定してはいない。ベルルスコーニにとっては、新政権の大臣の座に収まれば、未成年の女性がからんだ買春容疑事件での訴追を免れられるという利点もある。
 グリッロとベルルスコーニ派の議席数を合わせると、上院では議席の半数を上回る。もちろん両者は犬猿の仲なので、連立することはあり得ない。しかしユーロに批判的で、EUの緊縮策を拒否するという点では一致している。
 反ユーロ派のポピュリスト勢力が、上院で過半数を占めたことは、今後いかなる政権が誕生しても、「痛みを伴う改革」を阻む障壁が誕生したことを意味する。
モンティの大誤算
 今回の選挙の最大の敗者は、マリオ・モンティ前首相である。ミラノのボッコーニ経済大学の学長だった経済学者モンティは、ベルルスコーニが辞任した後、無党派のテクノクラートとして首相の座に就いた。財政再建のためには、左派にも右派にも属さず、産業界などとのしがらみも少ない学識経験者が適していることは間違いない。
 しかしモンティは、今年の選挙に向けて重大な思い違いをした。彼はイタリア国外では「優秀なテクノクラート」として歳出削減への努力を高く評価されているが、国内の評価はこれとは異なる。それにもかかわらず、イタリア国民も彼を強く支持していると勘違いしたのだ。このため、彼はテクノクラートの衣を脱ぎ捨て、政治家になる野望を抱いた。今年1月に「市民の選択――モンティとイタリアのために」という政党を作り、総選挙に出馬したのである。
 イタリアの大半の有権者はモンティについて「税金を引き上げた首相」というイメージしか持っていない。そのことをこの経済学者が理解できなかったことは、不可解である。
 しかも彼は投票日の数日前にベルリンにメルケル首相を訪れ、2人で記者会見を行なう映像を、マスメディアに撮影させた。モンティ陣営はこの時の映像を、選挙キャンペーンのテレビ・コマーシャルで放映した。ベルルスコーニら反ユーロ陣営は、この映像を「モンティはドイツの口車に乗って、イタリア経済を荒廃させた共犯者だ」という宣伝に利用した。
 今のイタリアで政治家が、「親ドイツ派」を標榜することは、票を増やさないどころか、むしろ支持者の減少につながる。モンティは経済学者としては優秀かもしれないが、政治家としての勘を欠き、有権者の間に漂う空気を正しく読めなかったようだ。
 イタリアでは、もしも彼が政党を作らず無党派のままでいたら、新政権が、引き続き首相を務めるよう要請する可能性が高いと言われていた。彼は政界出馬によって、自ら墓穴を掘った。
 モンティは、欧州の債務危機について楽観的な発言を繰り返していた。去年1月の時点で「イタリアは経済改革を断行した。もはや、他のユーロ圏諸国に債務危機を拡大させる要因にはならない」と言っていた。去年3月に東京で行った講演では「欧州の債務危機は、ほぼ終わった」と発言した。
 しかし総選挙直後の今年2月26日、10年物のイタリア国債の利回りは小幅ながら4.8%に上昇、去年11月以来最高の水準に達した。イタリアの株式市場では銀行銘柄を中心に売りが集中し、平均株式指数が約5%下落した。いまモンティは自分の発言が時期尚早だったことを、痛感しているに違いない。
ドラギ宣言で改革圧力が減少?
 ドイツ連邦政府の経済諮問会議のメンバーでもあるフライブルク大学のラルス・フェルト教授は、「イタリアの選挙結果は、ユーロの安定にとって痛烈な打撃だ。投資家はイタリアから資本を引き上げ、ユーロ危機は近い将来再び深刻化するだろう」と警告している。またドイツ卸売・貿易・サービス業連合会のアントン・ベルナー会長も、「イタリアがこの分裂状態を克服し、成長率を引き上げることができなかったら、ユーロは修復不可能な損害を受ける」と指摘する。
 ドイツでは、去年9月にECBのドラギ総裁が「EUの求める改革を実行するならば、その国の国債を無制限に買い取る」と宣言したことが、今回の選挙で、反ユーロ派のポピュリストたちの得票を伸ばす追い風になったという分析がある。
 つまりドラギの発言によって、イタリア市民の間に「どうせ我々は救済される」という安心感が広がったために、緊縮策や歳出削減を拒否する勢力に票が集まったというのだ。
 ノルデア銀行の主任エコノミストであるホルガー・ザンテも、ECBにも責任があるという見方を明らかにした。「ECBが国債の無制限買取を宣言したことによって、イタリアでは『改革をしなくて』はという切迫感が減った。つまり多くの有権者がイタリアの現状を深刻だとは思わなくなり、今回の選挙で改革反対派のポピュリストの下に走った」と述べた。
富の再分配同盟を求める南欧
 ドイツ連邦銀行の元理事ティロ・ザラツィンは、著書「欧州はユーロを必要としない」の中で、「南欧諸国が期待しているのは、ドイツなどの資金を財政難の国に送り込む援助同盟(ドイツ語でTransferunion)だ。EUがこれまで行ってきた救済パッケージは、そのための第一歩」と分析している。
 今回の選挙結果は、イタリア国民の大多数が、通貨同盟とは北から南への「富の再分配同盟」と理解していることをはっきり示した。彼らは、「貿易大国ドイツは、ユーロ導入によって大きな恩恵を得たのだから、利益を南欧諸国に還元するのは当然だ」と考えている。これは、ドイツやオランダ、オーストリアなど、欧州北部の国々の理解とは180度異なるものだ。ドイツ人は、南の国々を援助するために、マルクを捨ててユーロを受け入れたわけではない。
 しかし去年のドラギの宣言は、ECBが事実上の「Lender of last resort(困った時に助け舟を出す究極の貸し手)」になると公言したことを意味し、ユーロ圏が「富の再分配同盟」に変質する道を開いたと言える。
 国債買取宣言の後、マーケットはいったん沈静化した。しかし、この発言がユーロ圏加盟国の政治状況に与える長期的な影響を知るには、まだしばらくの間、観察する必要がありそうだ。
 私は2011年11月8日のこのコラムで、「ギリシャはまだ序曲。債務危機の本編はイタリア」と書いた。イタリアの投票結果は、その危険性が完全には消えていないことを浮き彫りにしている。同国の政治情勢から、今後も目を離すことができない。

熊谷 徹(くまがい・とおる)
在独ジャーナリスト。1959年東京都生まれ。早稲田大学政経学部経済学科卒業後、日本放送協会(NHK)に入局、神戸放送局配属。87年特報部(国際部)に配属、89年ワシントン支局に配属。90年NHK退職後、ドイツ・ミュンヘン市に移住。ドイツ統一後の変化、欧州の安全保障問題、欧州経済通貨同盟などをテーマとして取材・執筆活動を行う。主な著書に『ドイツ病に学べ』、『びっくり先進国ドイツ』『ドイツは過去とどう向き合ってきたか』『顔のない男―東ドイツ最強スパイの栄光と挫折』『観光コースでないベルリン―ヨーロッパ現代史の十字路』『あっぱれ技術大国ドイツ』『なぜメルケルは「転向」したのか――ドイツ原子力四〇年戦争』ほか多数。ホームページはこちら。ミクシィでも実名で日記を公開中。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20130322/245446/?ST=print


14. 2013年3月26日 03:43:01 : GnRfb4ci8o
スペイン・イタリア国債利回り上昇、ユーログループ議長発言で
2013年 03月 26日 03:19 JST
[ロンドン 25日 ロイター] 25日のユーロ圏金融・債券市場は、スペインとイタリアの国債利回りが上昇した。キプロスへの支援の在り方が、資金難に直面する他の域内国支援の枠組みとして利用される可能性があるという懸念が強まった。

キプロス支援の合意によって、市場では当初安ど感が広がった。しかし、ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)が、キプロス支援の下での銀行のリストラ計画について、ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たなモデルになると指摘。銀行部門を整理する必要のあるその他の国もリストラ実施を迫られる可能性があるとの考えを示した。

この発言を受けて、安全資産とされるドイツ連邦債が上昇、周辺国債券に下落圧力が掛かった。銀行が不良資産に苦しむスペインに市場の関心が集まった。

スペイン10年債利回りは10ベーシスポイント(bp)上昇して4.96%、イタリア10年債利回りも5bp上昇して5.58%だった。

イタリアでは、1カ月前の総選挙で明確な勝者が決まらず組閣も難航、諸改革が進まないとの懸念が広がっている。

ノルディア(コペンハーゲン)の首席アナリスト、ニールズ・フロム氏は「イタリア情勢は陰に隠れていたが、引き続き大きなリスク要因だ」と分析、再選挙の可能性や議会内の勢力図の見通しが注目されるとした。

ドイツ連邦債先物は36ティック高の144.73で、キプロス支援合意前の先週の水準に戻った。

 


ECB、キプロスの銀行への緊急流動性支援の継続決定
2013年 03月 26日 02:50 JST
[フランクフルト 25日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)は25日、キプロスが欧州連合(EU)諸国と100億ユーロの支援策で合意したことを受け、同国の銀行に対する緊急流動性支援(ELA)を継続することを決定した。

ECBは声明で「理事会は本日、一般規則に基づき、キプロス中銀によるELAの供給要請に反対しないことを決定した」と明らかにした上で、「今後も状況を注視する」とした。


 

訂正:ロシア首相、外国預金者に負担強いる対キプロス支援を批判
2013年 03月 26日 02:31 JST
[モスクワ 25日 ロイター] ロシアのメドベージェフ首相は25日、ロシアの顧客を含む外国預金者に損失負担を強いる対キプロス支援について「盗みが続いている」とし、批判的な姿勢を鮮明にした。

キプロス政府は週末、100億ユーロの国際支援を受ける条件として、国内2位の銀行閉鎖と10万ユーロ(13万ドル)以上の大口預金者に負担を求める内容で合意した。

キプロス中銀の1月のデータによると、EU外の顧客によるキプロスの国内銀行への預金総額190億ユーロ(訂正)(金融機関除く)のうち、ロシアからの資金が大半を占めているとみられている。

通信社は、メドベージェフ首相が政府高官との会合で「すでに盗まれた物への盗みが続いている」と語ったと報じた。

シュワロフ第一副首相によると、キプロス問題に絡み、ロシアの投資家が被る損失額は明確になっていない。

また、同国のVTB(VTBR.MM)のキプロス部門は、預金課税措置の影響を受けないとしている。

*第3段落目の預金総額の単位を「190億ドル」から「190億ユーロ」に訂正します。


 


キプロス救済の新合意、ドイツ与党が支持表明−ロシアも容認か
 
  3月25日(ブルームバーグ):キプロスは国内銀行システムの縮小を条件とした100億ユーロ(約1兆2100億円)規模の金融支援を受け入れ、無秩序なデフォルト(債務不履行)とユーロ圏離脱を回避した。同国のアナスタシアディス大統領はドイツが率いる債権団の圧力に押され、国内2位の銀行キプロス・ポピュラー銀行の整理に同意した。
欧州連合(EU)の行政執行機関、欧州委員会のレーン委員(経済・通貨担当)は25日未明、ブリュッセルで記者団に対し、「最適な解決策というものはなく、厳しい選択肢しかなかった」と説明した。預金課税を盛り込んだ先の救済合意はキプロス議会に法案を否決され、新たな合意が必要になっていた。
ドイツのメルケル首相は今回の新合意をたたえ、首相が率いる連立与党の議員も救済パッケージに支持を表明した。首相のキリスト教民主同盟(CDU)のノルベルト・バーセル議員はインタビューで、合意はドイツ議会を満足させるのに十分な内容だとの見方を示した。独議会は数週内に救済について採決する見込。
キプロス金融システム縮小の新合意では、EUの預金保証の上限である10万ユーロより少額の預金は全額保護されるが、最大手のキプロス銀行の保証対象外の預金者は最大40%の損失負担が求められるという。キプロス銀はポピュラー銀の優良資産を引き継ぐ。ポピュラー銀は整理され、保証対象外の預金と優先債保有者などの無担保債権はほぼ全額が失われる見通し。優先債保有者はキプロス銀行の資本増強にも貢献する。
経済は大幅縮小へ
銀行業界縮小は今年と来年のキプロス国内総生産(GDP)の大幅な落ち込みにつながるだろうとUBSのエコノミスト、ラインハルト・クルース氏は指摘。「キプロスのソブリン債務問題は欧州当局者と市場の懸念材料であり続けるだろう」と25日のリポートに記述した。
キプロスの国内銀は新たな通告があるまで休業が続く。キプロス議会は先週、銀行の営業再開時に預金流出を防ぐための資本規制を課す法案を可決している。
キプロス議会は銀行再編に関してあらためて採決する必要はないが、債権者側はドイツのほかにフィンランドとオランダで、ユーロ圏の恒久的な救済基金である欧州安定化メカニズム(ESM)からのキプロス向け融資に議会承認が必要になるもよう。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁とアスムセン理事は会議後に記者団に対して発言せずにブリュッセルを去ったが、財務相らの声明によると、ECBは「当該規則にのっとって」キプロス銀行に流動性を供給する。ECBは25日夕、キプロスからの流動性支援の要請に反対しないとの声明を出した。
大口預金者に損失負担を迫る案はロシアとの緊張を高める恐れもあるが、プーチン露大統領はこの日、2011年に実施したキプロス向け融資の再編についてキプロス当局との交渉を政府に命じたと、報道官が明らかにした。
原題:Cyprus Salvaged After EU Accord Shuts Bank in Euro Bailout(3)(抜粋)ECB Says It Won’t Object to Cypriot Request for Liquidity Aid
記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル Rebecca Christie rchristie4@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:James Hertling jhertling@bloomberg.net
更新日時: 2013/03/26 02:32 JST

 

 

米FRBの積極的緩和策、他の国にも恩恵もたらす=バーナンキ議長
2013年 03月 26日 02:47 JST
[ワシントン 25日 ロイター] 米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は25日、FRBが実施している積極的な緩和策は、米景気回復支援を目的としているものの、他の国にも恩恵をもたらしているとの考えを示した。

同議長はロンドンで行った講演で、世界経済の統合的な性質を踏まえると、米国の見通しが堅固であることは全世界に恩恵をもたらすとの見解を表明。

「それぞれの国における一段と力強い経済成長は、貿易相手国にもプラスの影響を及ぼすため、こうした政策はいわゆる近隣窮乏化政策ではなく、むしろ近隣富裕化政策となっている」と述べた。


 

FRB議長:先進国の金融緩和は世界経済を支援
  3月25日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、先進諸国の低金利政策は世界経済を支援しており、通貨安を通じた破壊的な貿易の転換をもたらしてはいないとの認識を示した。
議長は25日、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)での講演で、「先進諸国での金融緩和の効果は、為替レートの変化によってもたらされるものでは全くない」とし、「それぞれの国や地域における総需要を支援することでもたらされるものだ」と言明した。
原題:Bernanke Says Easing by Advanced Nations Helps WorldEconomy(抜粋)

キプロス議員がユーロ圏離脱を検討するべきだと発言−ユーロ下落 (00:38)
日本・EU首脳:経済連携協定締結交渉、4月開始で合意−電話会談 (20:10)
キプロス救済は「他人の財産の収奪」、銀行業界縮小めぐりロシア首相 (21:05)


15. 2013年3月26日 04:34:07 : GnRfb4ci8o
キプロス支援策のベイルイン、危機解決モデルに=ユーログループ議長
2013年 03月 26日 04:12 
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ロシア大統領が対キプロス融資再編指示、EU支援策への支持示唆
スペイン・イタリア国債利回り上昇、ユーログループ議長発言で
ECB、キプロスの銀行への緊急流動性支援の継続決定
米FRBの積極的緩和策、他の国にも恩恵もたらす=バーナンキ議長
[ブリュッセル 25日 ロイター] ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は25日、キプロス支援の下での銀行のリストラ計画について、ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たなモデルになるとし、銀行部門を整理する必要のあるその他の国もリストラ実施を迫られる可能性があるとの考えを示した。

同議長は未明に合意された支援策について、「リスクを低下させる」と評価。銀行が自力で資本を増強できない場合、株主や債券保有者に負担を要請し、必要なら預金保険対象外の預金者にも協力を要請するとの立場を示した。

キプロス政府は欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)との12時間におよぶ協議を経て、銀行リストラ策を含む支援策で合意。

同リストラ策の下で、国内2位のキプロス・ポピュラー(ライキ)銀行CPBC.CYを閉鎖し、同行の小口預金(10万ユーロ未満)を国内最大手行のバンク・オブ・キプロスBOC.CYに移管する。また、預金保険関連規則の対象外となっているバンク・オブ・キプロスの大口預金(10万ユーロ超)は凍結され、債務問題の解決に充てられる。

ライキ銀行の預金保険対象外の大口預金の凍結で、42億ユーロが捻出できる見通し。

今回の合意は、株主、債券保有者に続き預金保険対象外の預金者も銀行再編コストを負担させるベイルイン型で、これまで納税者が負担を負っていた状況からは大きな方針転換となる。

ダイセルブルーム議長は、政府、および納税者が負担を強いられる構造は変える必要があるとの考えを表明。「危機が後退した今、問題に対処するに当たり、より思い切る必要がある」と述べた。

ユーロ圏ではルクセンブルクやマルタなどで銀行部門のレバレッジが高くなっており、スロベニアなども銀行部門の問題を抱えているが、キプロス支援に採用された新たな手法がこうした国にどのような影響を及ぼすかとの質問に対し、銀行部門の縮小が必要になると述べた。

<ESMの銀行直接注入は掛け声倒れか>

ユーロ加盟国は債務危機に対応するため、7000億ユーロの融資能力を持つ欧州安定メカニズム(ESM)を設立。ユーロ圏の銀行監督権の欧州中央銀行(ECB)への完全移管後の2014年半ば以降、経営難に陥った銀行に対し直接資本注入を開始する予定となっている。

ESMによる直接資本注入の目的は、政府と銀行セクターとの負の連鎖を断ち切ることにあった。だがダイセルブルーム議長が危機解決にあたり、ベイルインがモデルになるとの考えを示したことで、ESMによる直接注入は掛け声倒れに終わる可能性が出てきた。

ダイセルブルーム議長は、「直接資本注入が必要になる状況を作り出さないことを目的とする必要がある」とし、ESMを利用する必要がないようにするべきとの考えを表明。

債券保有者に損失を負担させるベイルイン実施の手法がさらに増えれば、「直接資本注入の必要性は低下していく」とし、銀行は公的資金による救済を検討する前に自助努力を行う必要があるとの考えを示した。

*内容を追加して再送します。


ロシア大統領が対キプロス融資再編指示、EU支援策への支持示唆
2013年 03月 26日 03:53  
[モスクワ 25日 ロイター] ロシアのプーチン大統領は25日、キプロスへの既存融資について、再編を交渉するよう政府に指示した。ペスコフ大統領報道官が25日、明らかにした。

キプロスと欧州連合(EU)が合意した100億ユーロの支援に対するロシア当局の支持を示唆している可能性がある。

報道官は、プーチン大統領は「キプロスの経済・銀行システム危機の克服に向けた取り組みを支援することが可能と考えている」と述べた。

ロシアはこれまで、欧州のキプロス危機問題への対応を繰り返し批判する一方、キプロスのアナスタシアディス大統領が求める金融支援強化の要請も拒んできた。

だがキプロスとEUが100億ユーロの支援で合意後、態度を軟化させている。

ロシアはオフショア拠点としてキプロスに依存する企業への差別的な扱いを批判する一方、終りのない金融支援や欧州諸国との火種になり得る戦略的なコミットメントに深入りしないよう警戒してきた。

だがこれに先立ち、ロシアのメドベージェフ首相は、ロシアの顧客を含む外国預金者に損失負担を強いる対キプロス支援について「盗みが続いている」とし、批判的な姿勢を鮮明にしていた。

複数の通信社は、メドベージェフ首相が政府高官との会合で「すでに盗まれた物への盗みが続いている」と語ったと報じた。

キプロス中銀の1月のデータによると、EU外の顧客によるキプロスの国内銀行への預金総額190億ユーロ(金融機関除く)のうち、ロシアからの資金が大半を占めているとみられている。

キプロスは先週、ロシアに対し既存融資25億ユーロの返済期間延長、および金利の4.5%から2.5%への引き下げを要請していたが、交渉は物別れに終わっていた。

またロシアは、キプロスが銀行やエネルギー資産を提供する見返りに求めていた60億ユーロ程度の支援要請も拒否。財政および地政学の両面で、キプロスへの過度の関与に消極的であることがうかがわれる。

シュワロフ第一副首相によると、キプロス問題に絡み、ロシアの投資家が被る損失額は明確になっていない。 また、同国のVTB(VTBR.MM: 株価, 企業情報, レポート)のキプロス部門は、預金課税措置の影響を受けないとしている。

第一副首相は「現在の動きは、ロシアの銀行へ資金を移そうと考えている向きには良いシグナル」とし、「ロシアには非常に安定した銀行がある」と述べた。 
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16. 2013年3月27日 12:32:53 : GnRfb4ci8o

焦点:欧州債務危機、キプロス救済後のシナリオ
2013年 03月 27日 11:20 JST
[ブリュッセル 26日 ロイター] ユーロ圏は、キプロス救済で預金者に負担を求めるという異例の措置に踏み切った。当局者からはキプロスは特殊なケースとの発言が相次いでいるが、市場では今後、他国の銀行救済でも預金者が負担を強いられるのではないかとの見方が浮上している。

Q:キプロス支援は「特殊事例」か「ひな形か」

A:ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)のダイセルブルーム議長はロイターとフィナンシャル・タイムズ紙(FT)とのインタビューで、キプロス支援策は、納税者ではなく銀行に負担を求めるものであり、将来の銀行破綻処理のモデルになると発言、金融市場に動揺が走った。

フィンランドのカタイネン首相も議長の発言を支持。民間に損失負担を求める「ベイルイン」型の手法を将来の欧州の銀行同盟に取り入れる必要があるとの認識を示した。ただ、必ずしも預金者が負担を強いられるわけではないとも主張した。

欧州中央銀行(ECB)は、市場の懸念を払しょくするため、キプロスは特殊な事例だと強調。同国の銀行は株式や債券ではなく、主に預金で資金を調達していたと指摘している。

欧州委員会は、欧州連合(EU)の新法草案で銀行破綻時に預金保険対象外の大口預金をベイルインの対象にすることは可能かもしれないが、10万ユーロ以下の預金は保護されると表明した。

現行ルールでは、株主・社債権者がまず損失を負担するが、シニア債の保有者はこれまでのところ損失負担の対象外となっている。

ECBは、アイルランドの債務危機の際、シニア債の「ヘアカット」を阻止したが、将来の銀行破綻処理については、シニア債ヘアカットへの反対を取り下げている。

EU首脳会議は昨年6月、欧州安定メカニズム(ESM)による銀行への直接資本注入を認めることで合意したが、ダイセルブルーム議長の発言は、ESMによる資本注入が掛け声倒れに終わる可能性が高まっていることを示している。

Q:キプロスの次の展開は。

A:キプロスでは、28日から約2週間ぶりに銀行が営業を再開するが、財務相は資本規制が「数週間程度」適用されると述べている。規制の内容は明らかになっておらず、取り付け騒ぎを懸念する声も出ている。

英警備保障会社G4S(GFS.L)は、24時間体制でキプロスの銀行への現金輸送が行われていると表明。警察官の保護の下、現金自動預払機(ATM)に現金を補充しており、銀行の営業再開に向け、警備員派遣の準備を進めていることも明らかにした。

金融支援に伴い閉鎖が決まったキプロス・ポピュラー銀行CPBC.CYも、一部の業務を再開する。同行の預金保険対象預金(10万ユーロ以下)はバンク・オブ・キプロスBOC.CYに移管される。

キプロス議会は28日、支援合意後初めてとなる定例審議を行う。

ポピュラー銀行とバンク・オブ・キプロスの大口預金者(10万ユーロ超)は40%前後の損失を被る可能性がある。大口預金者の多くはロシア人など外国人だ。

議会は先週、銀行整理法案を可決しており、議会で金融支援策を批准する必要はない。ただ、支援策の一環で売却する国有資産について、民営化法案を可決する必要がある。

銀行は、大規模な人員削減を迫られるとみられ、労働争議が起きる可能性がある。

議会は先に小口預金への課税法案を否決しており、今後、ポピュラー銀行の従業員年金など、年金基金の保護を求める動きが広がる可能性もある。

キプロス中銀のデメトリアデス総裁に対しては、危機対応のまずさを批判する声が出ており、総裁が銀行整理を進められるのか不安視する向きもある。

デメトリアデス氏は、前職の英レスター大学教授(経済学)時代、緊縮策を厳しく批判していた。

Q:ユーロ圏の今後の動きは。

A:ECBはユーロを防衛するため責務の範囲内で「あらゆる措置」を講じる考えを示している。

具体的には、EU・国際通貨基金(IMF)の支援プログラムに同意したユーロ圏加盟国の国債を購入する対策を表明しているが、まだ発動実績はない。

ユーロ圏ではキプロスのほか、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペインが欧州救済基金から緊急融資を受けたが、ユーロ圏財務相会合は、それ以外に支援が必要な国はないとしている。

アイルランドとポルトガルは年内の市場復帰が期待されている。

欧州議会は先週、ECBによる銀行監督一元化案を承認。来年半ばまでに順次、新体制を導入する。

欧州委員会は、ECBが監督する銀行の破綻処理メカニズムを統一する法律を今年夏に提案する方針。その後、加盟国の預金保険制度の統一に向けた提案を行う方針も示している。

ただ、ドイツなど北部諸国は預金保険の共同負担に反対しており、各国の預金保険機構が欧州救済基金と再保険契約を結ぶ案が浮上している。

Q:次の不安要因は。

A:スロベニアのクラニェツ中銀総裁は先週、同国が金融支援を要請することはないとの認識を示した。

スロベニアの銀行は、国内総生産(GDP)の約2割に相当する70億ユーロの不良債権を抱えているが、銀行部門の総資産はGDPの135%と、キプロスの同800%を大きく下回っている。

スロベニアは、前政権が今年1月にスキャンダルで過半数議席を失い、先週、中道左派政権が発足。政局が不安定になっている。

ユーログループのダイセルブルーム議長は26日、ユーロ圏で通常を上回る預金が引き出されている形跡はみられないと発言。キプロス支援合意を受けた周辺国から中核国への異常な預金移動もないと述べた。

アナリストの間では、欧州の預金者や企業が取引銀行を増やし、口座残高を10万ユーロ以下に抑える動きが広がる可能性があると指摘している。

ユーロ圏では、ルクセンブルクとマルタで、銀行部門の総資産が対GDP比でキプロスを上回っているが、両国がキプロスと同じリスクを抱えているとの見方は少ない。

キプロス・ショックの前は、イタリアの政局に関心が集まっていたが、先月の総選挙直後に上昇したイタリア国債利回りは再び低下に転じている。

中道左派連合のベルサニ民主党党首が政権樹立に失敗した場合、再びテクノクラート政権が誕生し、早期に総選挙が行われるとの見方が浮上しているが、市場はこうしたシナリオにも動じていないようだ。

ユーロ圏の大きなリスクは、南欧の景気停滞や、失業増大を受けた社会不安・政治の急進化との見方が出ている。

アナリストは、ギリシャの連立政権が国民の反発で崩壊する恐れがあると指摘している。

キプロスの銀行リストラ、危機解決のモデルに=ユーログループ議長 2013年3月26日
ロンドン株式市場=反落、合意されたキプロス支援の影響懸念 2013年3月26日
欧州株式市場=続落、ユーログループ議長発言で安堵感消失 2013年3月26日
ユーロ1.29ドル割れ、キプロス銀行再編は危機解決モデルとのユーログループ議長発言で 2013年3月26日

 

安倍首相が30日からモンゴル訪問、安保や資源などで意見交換
2013年 03月 27日 10:46 JST 
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[東京 27日 ロイター] 菅義偉官房長官は27日の臨時閣議後の会見で、安倍晋三首相が30、31日にモンゴルを訪問すると発表した。政治、安全保障、資源を含む経済や人的交流について幅広く意見交換する。

モンゴルは北朝鮮と親交があるが、菅官房長官は「当然、そういう(北朝鮮情勢)ことも議題になると予測される」と語った。また、資源国であるモンゴルは「日本にとって戦略的エネルギーを考える上できわめて重要な国」との位置づけで、資源に関する協議も行われる。

一方、先の衆議院選挙について違憲判決が相次いでいることに関しては「0増5減はすでに決まった話だ。決めたことを着実に進める」と指摘。さらなる改革については「(判決を)真摯に受け止めながら、進めないといけない。各党、各会派にいろいろ意見があるが、大局的観点から話し合って検討を進めるべきだ」とした。
 
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政府が総額13兆円の暫定予算案、建設国債1.55兆円発行へ
2013年 03月 27日 08:52 JST
[東京 27日 ロイター] 政府は27日の臨時閣議で、総額13兆1808億円の2013年度暫定予算案を決定した。昨年末の衆院選で予算編成が遅れ13年度予算案の年度内成立が見通せないため。歳出は必要最小限の行政経費に絞るが、暫定予算としては過去最大規模。公共事業も盛り込み、見合いの建設国債1兆5500億円を発行する。27日に国会に提出し、29日の成立を目指す。

対象期間は4月1日から5月20日までの50日間。本予算の成立時期が見通せない場合の慣例に従って50日とした。

歳出は、生活保護など社会保障関係経費や地方交付税交付金など最小限の行政経費に絞り、新規施策は原則計上しない。例外的に、復興の加速化のために、福島定住緊急支援交付金30億円を盛り込んだ。

公共事業関係費も、期間1カ月を超える暫定予算の場合、契約率の実績に応じて計上するのが通例で、13年度予算案の約3割にあたる1兆5427億円を計上した。

一方、歳入は2兆4192億円。税収7450億円を見込むほか、公共事業対象経費見合いの建設国債1兆5500億円を発行する。差額は、必要に応じて、財務省証券を発行して対応する。

暫定予算の編成は12年度に続いて2年連続。来年度予算案が成立すれば、歳出・歳入とも来年度予算に吸収される。


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