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経常収支赤字転落を心配する必要のある日本 小笠原 誠治 
http://www.asyura2.com/13/hasan83/msg/340.html
投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 10 月 21 日 12:45:00: igsppGRN/E9PQ
 

経常収支赤字転落を心配する必要のある日本
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ogasawaraseiji/20131021-00029087/
2013年10月21日 12時0分 小笠原 誠治 | 経済コラムニスト


2013年9月の貿易統計が発表になりました。

9月の貿易赤字額は‥貿易赤字と聞いても、もう驚かなくなってしまったのではないでしょうか?

いずれにしても、その9月の貿易赤字額が9321億円になったのだとか。なんと9月としては過去最大の赤字額なのだ、と。

余り驚かないようですね。

では、もう一つ。9月の数値が出たことで、同時に2013年度上半期の数値もまとまったのですが、2013年度上半期の貿易赤字額が、な、な、なんと4兆9892億円になってしまったのです。まあ、大雑把に言えば、5兆円の赤字です。

ということは、その額を基に2013年度を予想すると‥貿易赤字は10兆円の大台に乗ると思われるのです。

あれっ、不満そうな顔ですね。何をおっしゃりたいのでしょうか?

分かりました。そろそろ円安の効果が出てきて貿易収支も改善に向かうだろうから、2013年度の貿易赤字額がそのような数値になる筈がないとおっしゃりたいのですね。

円安が進んでも最初はJカーブ効果が働き、貿易収支はむしろ悪化するが、暫くすると輸出も増え、貿易収支は改善する筈だ、と。日銀の黒田総裁も、以前からそのような発言をしています。

そして、内閣府も今年の4月頃に、2013年8月頃から貿易収支は改善に向かうだろうというレポートを出していたのでした。

しかし‥繰り返しになりますが、9月の貿易収支は、9月としては過去最大になっているのです。そして、この7月、8月、9月と毎月約1兆円のペースで貿易収支は赤字を記録しているのです。改善どころか悪化しているのです。

それに輸出額を見ても、確かに前年同月と比べれば増えてはいるのですが‥そのまた1年前の同月と比べれば、それほど増加しているとは思えないのです。それに、輸出数量でみれば、前年同月と比べ、増えるどころか減少してさえいるのです。

アベノミクスで急速な円安を実現した日本。そのため、アベノミクスがスタートした当初は、欧州勢の嫉妬を買ったほど。特にドイツなどが日本を批判しました。しかし、最近は、そうした批判もすっかり聞こえなくなっています。1つには、米国が仲裁に入り、日本を弁護したためですが、最大の理由は、幾ら円安が実現しても、こうして日本からの輸出がそれほど増えていないことにあるのでしょう。

2013年9月と2012年9月の為替レートを比べると、1ドル=78円程度が1ドル=98円程度にまで急速に円安になっているのにも拘わらずです。

確かに、円安によって輸出企業の円建て表示による売り上げが急増することになり、また、利益も大きく膨らませることに成功したのはそのとおり。しかし、財務省の貿易統計で見る限り、輸出数量は全然増えていないのです。輸出額でみても、前年同月に比べれば増えてはいるものの‥そのまた1年前の水準と同じくらいなものなのです。

ひょっとしたら、これは日本の経済力が落ちてきている兆候を示すものかもしれません。

でも、まだ貴方はそれほど心配している様子ではないようですね。

分かりました。日本の貿易収支が多少赤字になったところで、経常収支はまだまだ黒字を続けているではないかとおっしゃりたいのでしょう。所得収支で稼ぐ構造ができているから‥つまり、海外に投資した資本がもたらす利子や配当の収入があるから、心配することはない、と。

確かに、年間ベースでみた経常収支はまだまだ黒字を続けているのはそのとおりです。しかし、稼ぎ頭の所得収支も、過去の数値から予想するならば、10兆円〜15兆円程度しか期待できないと思っていた方がいいのです。従って、一方で、我が国の貿易赤字が年間10兆円を超えるようになれば、経常収支が赤字に陥ってしまうことが心配されるのです。

いいですか?! 

こんなに円安が進行していても、輸出は思ったほどは増えはしない。輸出数量で見ればむしろ減ってさえいる。だとすれば、経済関係者は、円安の効果をこれまで過大評価していたということではないのでしょうか?

今までは、円安が起きる度に株価が上昇した。しかし、円安にそれほどの効果がないことが認識され始め、そしてさらに、経常収支までもが赤字に転落するようなことになれば、今度は、円安が危険な兆候にしか映らなくなるかもしれません。

つまり、日本が今まで蓄えた富が次第に流出し始める、と。そうなれば、むしろ円の価値を維持することが重要課題になるかもしれません。

そんな先のことに政治家は気を配るべきなのに‥相変わらず目先のことにしか関心が行っていないようなのです。

以上


小笠原 誠治
経済コラムニスト

小笠原誠治(おがさわら・せいじ)経済コラムニスト。1953年6月生まれ。著書に「マクロ経済学がよーくわかる本」「経済指標の読み解き方がよーくわかる本」(いずれも秀和システム)など。「リカードの経済学講座」を開催中。難しい経済の話を分かりすく解説するのが使命だと思っています。


 

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コメント
 
01. 2013年10月21日 13:08:14 : nJF6kGWndY

分析が浅過ぎる

なぜ輸出数量が伸びないのか、赤字額が増大しているかを検討しないとほとんど意味がない



02. 2013年10月21日 13:36:57 : CiFcXC3kMA
>>01
2013年1月に、私が予想した通りになりつつある。

2013年1月22日 19:18:33
http://www.asyura2.com/13/hasan79/msg/122.html

円安に極端に振れたとしても、世界の主要国はどこも日本と似たり寄ったりの財政情勢だから民間バブルが世界経済に再来することはなく、
世界の消費は財政の制約を絶えず受けることになる。

このような世界経済のもとでは国内の輸出企業は量的に輸出を拡大できないが、円安差益は手に入る。


03. 2013年10月21日 14:12:38 : nJF6kGWndY

>分析が浅過ぎる

せめて、内訳を見て産業競争力の低下や、国内エネルギー問題を考えるレベルの分析は必要だな

http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2013_09.pdf

そして70円台の実力に合わない円高が続いていたら、輸出産業は、どうなっていたか?という発想がないのも、かなり浅墓だ

まあ、実際、QEの効果が無くても、90円台には到達していただろうし、空洞化が進み過ぎて、長期的には、さらに円安に振れることになっていたろう

つまり日本経済は、原発停止したままでは、今の輸入レベル(生活水準)を維持するだけの力は無いというのが厳しい現実だということだ


04. 2013年10月21日 16:30:12 : LG0FUtT49g
双子の赤字はまずいよな。

05. 2013年10月21日 18:59:26 : e9xeV93vFQ
〔アングル〕輸出鈍化鮮明に、世界経済停滞で 7─9月期外需マイナスも
2013年 10月 21日 17:10 JST
[東京 21日 ロイター] - 年初来から回復を続けてきた輸出が、停滞色を鮮明にしつつあることが9月貿易統計の結果で明らかになった。金額ベース・数量ベースともに前月から減少。米国向け、アジア向け輸出の足取りの弱さを主因に、7─9月は国内総生産(GDP)ベースでも外需がマイナスになる展開が予想されている。

円安による価格競争力よりも、海外需要の弱さが響いて日本経済は、外需を取り込む民需エンジンの回転数がなかなか上がらない。下期は公的需要と駆け込み需要が支えることになりそうだ。

  <輸出数量伸びず、円安競争力も需要減をカバーできず>

9月の貿易統計で注目を集めたのが、輸出数量が急速に悪化しだしたことだ。数量ベースを端的に示す実質輸出は前月比4.4%と大幅に減少した。7─9月の平均は前期比で3四半期ぶりに減少に転じた。

バークレイズ証券・チーフエコノミスト・森田京平氏は「輸出は鈍化が明確になっている」と見ている。

内閣府では、米国向けとアジア向けの7─9月の輸出数量が、いずれも前期比で大幅に減少していると試算している。

また、ロイターの試算では、米国向けが前期比3%近い減少となったが、前期の急増の反動との見方もあり「自動車が底堅く推移している点をみると、大きな懸念はない」(伊藤忠経済研究所・主任研究員・丸山義正氏)という指摘も出ている。

懸念が大きいのがアジア向けだ。7─9月は前期比4%減、9月は今年に入り最低水準まで減少した。中国向けは底を打った可能性があるが、インドネシアやタイのうように、日本車の比率が高い地域での自動車生産の落ち込みが響いていると、政策当局の一部では指摘している。

  <日本企業の競争力、円安でも低下している可能性>

  また、もう1つの可能性として、「日本企業の輸出競争力が以前よりも落ちているのではないか」(第一生命経済研究所・主席エコノミスト・熊野英生氏)との指摘もある。「これまでは円安が進むと、その効果プラス数量ベースの増加で輸出企業の輸出額は加速して増加するパターンを示してきた。しかし、今回は輸出の実額ベースで見ても伸びの鈍化傾向が見えてきた。円安がここから進まないと、さらに鈍化傾向が鮮明になるリスクもあるだろう」と同氏は指摘する。

ニッセイ基礎研究所の斉藤太郎・経済調査室長も「新興国など海外経済が減速しているとしても、以前はこれだけ円安ならば効果が出ていた」とし、9月の輸出実績を「想定外」とみる。1)日本製品の競争力が低下している、2)日本企業の海外シフトが進んだ─といった構造要因を想定せざるを得ないという。

他方、エネルギー関連の輸入は前期からそれほど伸びていないが、内需堅調を反映して輸入全体では「生産財、消費財、資本財のほぼ全てが増加しており、拡大基調が鮮明」(丸山氏)となっている。

7─9月国内総生産(GDP)も外需の寄与度がマイナスとなり、足をひっぱりかねない見通しを示すエコノミストも相次いでいる。

  <政策当局も外需リスクを意識>

13年度下期の日本経済のリスクについて、こうした外需の弱さは政策当局も強く認識している。「最大のリスクは外需」と強調する声も政府部内で挙がっている。ある政府関係者は「中国も底打ちしたとはいえ、リスクを抱えたままだ。海外経済が弱いままでは、再び円高になるリスクがある。ここまでのアベノミクス成功は円安が最大の要因だったことを考えると、円高リスクが最も怖い」と語る。

輸出の見通しについて、とりあえず10月も「米政府機関の閉鎖もあり、2カ月連続で輸出の数量ベースが鈍る可能性が出てきた」(熊野氏)と予想されている。

すでに政府の月例経済報告では、9月に輸出の判断を下方修正し「このところ、持ち直しの動きが緩やかになっている」としている。

政策当局の間では、この先の輸出の力強さが回復するのかどうか、自信は持てない様子。欧州も中国も底打ち後の回復テンポがきわめて鈍く、明確な回復が見えないため、まるで「逃げ水」のようだとの声も出ている。

今年度については、来春の消費増税に向けた駆け込み需要や、公共工事の進捗など内需による経済押し上げが期待されている。


06. 2013年10月21日 19:30:37 : BDDFeQHT6I
実態は完全な赤字国家、過去の遺産の資本収支で辛うじて黒字なんで、輸出企業なんて日本の経済に何の寄与もしていないのは明白だ。

07. 2013年10月22日 09:35:30 : lqOPOFnyLE
>03 円高が続いていたら、輸出産業は、どうなっていたか?という発想

後ろ向きのことを考えるような分析になったら、客観的な分析はできなくなる。素直に、日本の構造がかってと異なり、国内経済における輸出産業の占める割合が低くなっていることを認めた方がよかろう。


08. 2013年10月22日 11:50:44 : hViZKmZ9hk

>つまり、日本が今まで蓄えた富が次第に流出し始める、と。そうなれば、むしろ円の価値を維持することが重要課題になるかもしれません。

円の価値を維持することは何の意味もない。
実質円資産を維持、増大することが重要。

異常な円高時代は終わったのである。
円安時代へ向けての戦略を重要課題とすべきである。

>そんな先のことに政治家は気を配るべきなのに‥相変わらず目先のことにしか関心が行っていないようなのです。

この人の出身母体である財務省に、目先の税収にとらわれず国益を伸ばす長期的な視野で税率変更のタイミングを考えろと言いなさい。

この程度の考えしかできない人間が財務省にいるとは先が思いやられる。
こんな記事で金もらうな。


09. 2013年10月22日 11:51:54 : hViZKmZ9hk

輸出力が疲弊した原因は、異常な円高である。
円安になっても失われた生産力と顧客は直ぐには戻らない。
元官僚として、こんな日本になってしまったことの反省を述べてもらいたい。
反省がないからこんな記事が書けるのだ。


10. 2013年10月22日 13:25:43 : lqOPOFnyLE
>09 原因は異常な円高である。

なにをもって異常というのか。為替を市場にゆだねるのは、国際的な合意であり、資本の自由化と為替市場の自由な動きも了解ずみである。したがって、それを円高水準を異常というならば、何らかの国際的な合意による政策が行われているべきであって、そうでなかった以上、ただ日本の産業経済政策としてもっと円安を指向すべきであったのではないか、あるいはそれに対応する輸出産業の再検討が必要であったのではないか というべきではなかろうか。

そして、現在の課題は、輸出の低迷を当然視して、あらたな成長戦略を探ることであろう。


11. 2013年10月22日 15:10:43 : hViZKmZ9hk
>10

円ドル相場の史上最高値をつけた当時の政権閣僚は、異常な円高は製造業の経営計画を壊すと懸念を表明した。
デフレ容認の大臣が異常であると言っているのである。
戦後最高値を異常と感じる人がいるということだ。感覚の問題であって資本の自由化なんて話は関係ない。
当然、円安を指向すべきであったということだ。日銀の罪は大きい。

あなたは官僚か?
成長戦略といっても、いい加減に産業政策は止めてくれよ!
ムダ金ばかり使いやがって。
規制緩和を懸命にやって下さい。
頼みますよ。


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